JP6616261B2 - 吊り下げ装置及び吊り下げ方法 - Google Patents

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Description

本発明は、重量物を吊り下げる吊り下げ装置及び吊り下げ方法に関する。
柱又は杭等の重量物を吊り下げる吊り下げ装置及び吊り下げ方法としては種々のものが知られている。特開2011−220009号公報には、直線状に延びる既成杭及び構真柱を吊り下げて掘削孔に挿入し、これにより建て込みを行う建て込み方法が記載されている。この構真柱は、既成杭の上方に位置する直線状のH形鋼である。この建て込み方法では、構真柱を内部に収容する杭埋設用鋼管(やっとこ)が用いられる。
この方法では、構真柱をクレーンで吊り上げて構真柱の上側に位置する部分を杭埋設用鋼管の中に挿入し、構真柱と杭埋設用鋼管とを吊り上げる。そして、予め掘削孔に挿入された既成杭の杭頭部に、吊り上げた構真柱及び杭埋設用鋼管の下部を接合し、この状態で既成杭、構真柱及び杭埋設用鋼管を掘削孔の中で降ろしていく。このように、上記の公報に記載された建て込み方法では、既成杭と構真柱とを一体化させて吊り下げを行っている。
特開2011−220009号公報
ところで、吊り下げられる吊り下げ対象物としては、前述したような直線状の既成杭又は直線状の構真柱に限られず、様々なものが存在する。例えば高層ビル等の建築の際には、直線状の柱だけでなく、途中部分が折れ曲がり偏心した形の柱等、種々の吊り下げ対象物の建て込みが行われる。このように、吊り下げ対象物は、直線状の柱に限られず種々の形状のものが存在するため、吊り下げ対象物の種類に応じて、吊り下げ対象物の重量及び重心位置が変わってくる。
従って、前述した公報に記載された方法で吊り下げ対象物を吊り下げた場合には、吊り下げ対象物を真っ直ぐに吊り下げることができないという問題が生じうる。また、掘削孔への吊り下げ対象物の建て込みを行うときに、バランスよく吊り下げを行えず吊り下げ対象物の鉛直精度を確保できないことがあるので、吊り下げ対象物が掘削孔内の鉄筋等に衝突する懸念もある。従って、現状の吊り下げ装置及び吊り下げ方法では、吊り下げ対象物をバランスよく吊り下げられず、吊り下げ対象物を鉛直精度よく建て込むことができないという問題が生じうる。
本発明は、バランスよく吊り下げを行うことができると共に、鉛直精度よく建て込みを行うことができる吊り下げ装置及び吊り下げ方法を提供することを目的とする。
本発明に係る吊り下げ装置は、吊り下げ対象物を固定させた状態で吊り下げ対象物を吊り下げる吊り下げ装置であって、棒状のベース部と、ベース部の長手方向の一方側に設けられ、吊り下げ対象物が固定される固定部と、ベース部の長手方向の他方側に設けられ、ベース部に沿ってスライドするスライド部と、ベース部及びスライド部を吊り下げる吊材と、を備え、吊材は、複数本設けられており、一方の吊材は、ベース部の長手方向の一方側に接続され、他方の吊材は、スライド部に接続されている。
この吊り下げ装置では、複数の吊材のうちの一方がベース部の長手方向の一方側に接続されると共に、他方がベース部の長手方向の他方側に位置するスライド部に接続されている。そして、ベース部の一方側に吊り下げ対象物が固定されると共に、ベース部の他方側では、スライド部がベース部に沿ってスライド可能となっている。従って、スライド部がスライドすることによって、ベース部及び吊材の接続部と、スライド部及び吊材の接続部と、の距離を変えることができる。よって、ベース部の一方側に固定された吊り下げ対象物の重心位置に応じて、ベース部の他方側に位置するスライド部をスライドさせて、上記2つの接続部間の距離を変えることにより吊り下げ対象物を真っ直ぐに吊り下げることができる。このため、種々の形状の吊り下げ対象物をバランスよく吊り下げることができ、吊り下げ対象物を鉛直精度よく建て込むことができる。
また、固定部とスライド部とに接続されており、固定部に対してスライド部をスライドさせるスライド手段を備えていてもよい。この場合、スライド手段でスライド部をスライドさせることによって、固定部とスライド部との距離を容易に変えることができる。従って、吊り下げ対象物の吊り下げ、及び吊り下げ対象物の建て込みを効率よく行うことができる。
また、前述のスライド手段は、油圧ジャッキであってもよい。この場合、固定部とスライド部との間に、油圧ジャッキのシリンダのみを配置すればよいので、スライド手段の構成を簡易にすることができる。また、このシリンダを固定部とスライド部との間に配置すると共に、シリンダから2本の油圧ホースを延ばすことにより、離れた位置からシリンダ内の油圧を調整することができる。従って、離れた位置からシリンダを伸縮させることによりスライド部のスライドを行うことができる。
また、固定部とスライド部との間に位置しており、固定部側へのスライド部の移動を規制するストッパを備えていてもよい。この場合、固定部とスライド部との間に位置するストッパによって、固定部側へのスライド部の移動が規制されるので、固定部とスライド部との距離が短くなりすぎないようにすることができる。従って、固定部とスライド部との間に油圧ジャッキが配置されている場合に、シリンダが縮みすぎないようにすることができるので、油圧ジャッキが破損する可能性を低減させることができる。
本発明に係る吊り下げ方法は、吊り下げ対象物を吊り下げる吊り下げ方法であって、吊り下げ装置の棒状のベース部における長手方向の一方側に設けられた固定部に、横たえられた吊り下げ対象物の一端を固定させる工程と、ベース部の長手方向の一方側と、ベース部の長手方向の他方側でベース部に対してスライドするスライド部と、吊り下げ対象物の他端と、のそれぞれに吊材を接続させる工程と、接続させる工程で接続させた吊材を上方に引っ張って吊り下げ対象物を吊り上げる工程と、吊り下げ装置が吊り下げ対象物の上方に位置するように、吊り下げ対象物を傾ける工程と、を備える。
この吊り下げ方法では、吊り下げ対象物の一端がベース部の長手方向の一方側に位置する固定部に固定され、ベース部の長手方向の一方側と、ベース部の長手方向の他方側に位置するスライド部と、吊り下げ対象物の他端と、に吊材が接続される。そして、接続させた各吊材を引っ張り上げることによって吊り下げ対象物を吊り上げて、吊り下げ装置が上方に位置するように吊り下げ対象物を傾ける。このとき、スライド部は、ベース部に対してスライド可能となっているので、ベース部及び吊材の接続部と、スライド部及び吊材の接続部、との距離を変えることができる。従って、ベース部の一方側に固定された吊り下げ対象物の重心位置に応じて、ベース部の他方側に位置するスライド部をスライドさせて上記2つの接続部間の距離を変えることができ、吊り下げ対象物を真っ直ぐに吊り下げることができる。よって、吊り下げ対象物をバランスよく吊り下げることができ、吊り下げ対象物を鉛直精度よく建て込むことができる。
本発明によれば、バランスよく吊り下げを行うことができると共に、鉛直精度よく建て込みを行うことができる。
実施形態に係る吊り下げ装置を用いて構真柱を吊り下げた状態の例を示す図である。 図1の吊り下げ装置を拡大させた斜視図である。 図2の吊り下げ装置をより下方から見た状態を示す斜視図である。 図2の吊り下げ装置を示す平面図である。 図2の吊り下げ装置を示す正面図である。 (a)は、図2の吊り下げ装置を示す側面図である。(b)は、図2の吊り下げ装置における(a)の反対側を示す側面図である。 横たえられた構真柱を固定させるときの吊り下げ装置を示す図である。 (a)は、ベース部、スライド部、及び構真柱の他端にワイヤを接続させた状態を示す図である。(b)は、(a)のベース部、スライド部、及び構真柱を吊り上げて傾けた後の状態を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図面の説明において同一又は相当の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、本実施形態に係る吊り下げ装置1は、吊り下げ対象物である構真柱Pをバランスよく吊り下げる装置であり、吊り下げられた構真柱Pは、掘削孔Hに挿入されて建て込まれる。掘削孔Hには、例えば、水よりも比重が大きいベントナイト泥水等の安定液Wが入れられており、この安定液Wによって掘削孔Hの土壁の安定性が維持されている。また、掘削孔Hには、その底部が拡径された拡径部H1が設けられており、掘削孔Hの内部には鉄筋かごFが配置されている。
構真柱Pは重量物であり、構真柱Pの重量は例えば30トン以上且つ80トン以下である。また、構真柱Pは、真っ直ぐな柱ではなく、途中部分が折れ曲がった形状を有する。すなわち、構真柱Pは、鉛直方向に延びる上側の一般部P1と、一般部P1の下端で折り曲げられる折り曲げ部P2と、折り曲げ部P2の下端で鉛直方向に延びる下側の一般部P3と、を含んでいる。水平面上における上側の一般部P1の位置は、水平面上における下側の一般部P3の位置に対してずれており、そのずれ量は、例えば、500mm以上且つ1000mm以下である。
また、構真柱Pには、その吊り下げ時における構真柱Pの傾きを測定する傾斜計Aが取り付けられる。傾斜計Aは、鉛直方向に対する構真柱P(一般部P1,P3)の傾きを測定し、その測定結果を地面G上に設けられたパーソナルコンピュータ等の表示器19に表示させる。本実施形態では、鉛直方向に対する構真柱Pの傾きが1/500以下となるように構真柱Pは吊り下げられる。また、本実施形態に係る吊り下げ装置1は、構真柱Pの一般部P1の上端に位置しており、クレーン等で吊り下げ装置1が吊られることによって構真柱Pが吊り下げられる。
図2及び図3に示されるように、吊り下げ装置1は、その下部に構真柱Pの上端が固定される。吊り下げ装置1は、4本のワイヤ11を吊材として備えている。4本のワイヤ11の上端は、クレーン等の揚重機のフックに直接引っ掛けられ、この状態で吊り下げ装置1及び構真柱Pが揚重機によって吊り上げられる。なお、4本のワイヤ11の上端がリングを介して揚重機のフックに引っ掛けられてもよい。
また、図2〜図4に示されるように、吊り下げ装置1は、ワイヤ11によって高所から吊り下げられる棒状の2本のベース部2と、構真柱Pが固定される固定部3と、ベース部2の長手方向Dに沿ってスライドするスライド部4と、を備えている。また、固定部3とスライド部4との間には、スライド手段である油圧ジャッキ5が介在している。
ベース部2は、互いに平行となるように一対に設けられている。2本のベース部2は、それらの間に位置する中心線Lに対して互いに対称となる位置に配置されている。2本のベース部2は、互いに同一の形状及び同一の大きさとなっている。また、ベース部2は、その上下がフランジ部2aとされたH形鋼である。
図4〜図6に示されるように、上側のフランジ部2aの上面には、ワイヤ11を接続させるための引掛部材6が固定されている。2つのベース部2のうち、一方のベース部2の上面に固定された引掛部材6と、他方のベース部2の上面に固定された引掛部材6とは、中心線Lに対して互いに対称となる位置に配置されている。また、引掛部材6は、ベース部2の長手方向Dに沿った複数の位置に配置されており、ワイヤ11を接続させる引掛部材6を任意に選択可能となっている。引掛部材6は、ワイヤ11の端部に取り付けられるシャックル13が挿通及び固定される孔部6aを有する。
固定部3は、ベース部2の下部に固定されており、ベース部2から下方に突出している。固定部3は、ベース部2の長手方向Dの一方側(図4の左側)で2本のベース部2を跨ぐように配置されている。固定部3は、その下端に四角形状の固定面3aを備える。この固定面3aの4辺に沿って配置された複数のボルト接合部3bにおいて、構真柱Pの上端がボルト接合されることによって、構真柱Pの上端が固定部3に強固に固定される。
スライド部4は、ベース部2の長手方向Dの他方側(図4の右側)で固定部3に対して長手方向Dにスライドする。スライド部4は、ベース部2の下方において、2本のベース部2を跨ぐように配置されている。このようにスライド部4が2本のベース部2を跨ぐように配置されることにより、スライド部4の一層安定したスライドが実現される。スライド部4は、ベース部2と同様、その上下がフランジ部4aとされたH形鋼であり、フランジ部4aは、長手方向Dの直交方向B(ベース部2の短手方向)に延在している。以上のようにベース部2及びスライド部4としてH形鋼を用いているので、ベース部2及びスライド部4を容易に入手可能となっている。
スライド部4のフランジ部4aの上面には、引掛部材6と同様の引掛部材7が固定されており、引掛部材7は、直交方向Bに沿った2箇所の位置に配置されている。2つの引掛部材7は、中心線Lに対して互いに対称となる位置に配置されている。このように、2つの引掛部材7と前述した引掛部材6は、共に、中心線Lに対して互いに対称となる位置に配置されている。よって、引掛部材6,7にシャックル13を介してワイヤ11を接続させることにより、構真柱Pをバランスよく吊り下げることが可能となっている。
上側のフランジ部4aの上面と、ベース部2の下側におけるフランジ部2aの下面との間には、コロ部材8aが介在している。また、スライド部4の上側におけるフランジ部4aの直交方向Bの両端には、上方に延びるブラケット4cが固定されている。このブラケット4cには、ベース部2の下側におけるフランジ部2aの上面で回転するガイドローラ8bが支持されている。スライド部4は、コロ部材8a及びガイドローラ8bを介してベース部2と接触している。このコロ部材8aとガイドローラ8bとによって、構真柱Pを吊り上げながら、スライド部4を円滑にスライドさせることが可能となっている。更に、ガイドローラ8bがスライド部4の両端に設けられることにより、スライド部4の傾斜及び位置ずれが抑制される。
油圧ジャッキ5は、長手方向Dに沿って配置されており、例えば、中心線L上に設けられる。油圧ジャッキ5はシリンダ5cを備えており、このシリンダ5cは、オイルが封入されたケーシング5aと、ケーシング5aから出没するロッド5bと、によって構成される。ケーシング5aは固定部3に固定されており、ロッド5bの先端はスライド部4に固定されている。
シリンダ5cのケーシング5aからは、図1に示されるように、2本の油圧ホース5dが地面Gにまで延びている。一方の油圧ホース5dはケーシング5aへのオイル供給用、他方の油圧ホース5dはケーシング5aからのオイル排出用、としてそれぞれ用いられる。2本の油圧ホース5dの地面G側の端部は、地面G上の操作盤9に接続されている。操作者Mは、操作盤9を操作してケーシング5aに供給するオイルの量を調整し、地面Gからシリンダ5c内の油圧を調整してシリンダ5cを伸縮させることにより、スライド部4のスライド位置を調整可能となっている。
また、前述した傾斜計Aの測定結果を表示する表示器19は、操作盤9の近くに配置されている。よって、操作者Mは、吊り下げられた構真柱Pを見ると共に表示器19で傾斜計Aの測定結果を確認しながら操作盤9を操作して、油圧ジャッキ5の伸縮によりスライド部4のスライド位置を適宜調整することが可能である。
また、図4及び図5に示されるように、固定部3とスライド部4との間にはベース部2から下方に延びるストッパ10が配置されている。ストッパ10は、2本のベース部2における下側のフランジ部2aの下面に固定されており、スライド部4の固定部3側への移動を規制する。具体的には、油圧ジャッキ5を一定量縮めると、固定部3に近づくスライド部4がストッパ10に当接するので、これ以上のスライド部4の移動が規制される。2つのストッパ10は、中心線Lに対して互いに対称となる位置に配置されている。
図3に示されるように、ベース部2の長手方向Dの両端には、ベース部2から下方に突出するように棒状の脚部14が固定されている。脚部14は、水平面上において、吊り下げ装置1の四隅に設けられている。各脚部14は、固定部3の下端よりも下方にまで延びており、構真柱Pを固定していない状態において、各脚部14の下面は地面G等にバランスよく載置される。
次に、本実施形態の吊り下げ方法について、図1、図7、図8(a)及び図8(b)を参照しながら説明する。以下では、横たえられた構真柱Pを吊り上げて掘削孔Hの中に挿入させる方法について説明する。なお、図1、図8(a)及び図8(b)では、吊り下げ装置1の図示を簡略化している。
まず、図7及び図8(a)に示されるように、固定部3がスライド部4の上方に位置するように吊り下げ装置1を配置する。この状態で、スプライスプレート3cを掛け渡し、ボルト3d,3eによって、構真柱Pの一般部P1の端部を固定部3に固定させる(固定させる工程)。なお、ボルト3d,3eによるボルト接合を行わずに、一般部P1と固定部3とが一体となった部材を用いることも可能である。
固定部3に構真柱Pを固定させた後には、ワイヤ11を吊り下げ装置1及び構真柱Pに接続させる。このとき、各ベース部2における長手方向Dの一方側(上側)に位置する引掛部材6と、スライド部4の各引掛部材7と、構真柱Pの他端(一般部P3の端部)と、にワイヤ11を接続させる(吊材を接続させる工程)。
以上のようにワイヤ11を接続させた後には、構真柱Pが横たえられた状態を維持させながら、揚重機で各ワイヤ11を上方に引っ張り上げて構真柱Pを吊り上げる(吊り下げ対象物を吊り上げる工程)。
このようにワイヤ11によって構真柱P及び吊り下げ装置1を吊り上げた後には、図8(b)に示されるように、吊り下げ装置1が構真柱Pの上方に位置するように構真柱Pを傾ける。このとき、構真柱P(一般部P3の下端)が地面Gに接触しないように構真柱Pを傾ける(吊り下げ対象物を傾ける工程)。
その後は、図1に示されるように、掘削孔Hの直上に構真柱Pが位置するように構真柱Pの位置調整を行い、構真柱Pに傾斜計Aを取り付ける。そして、構真柱Pの吊り降ろしを開始する。操作者Mは、構真柱Pを見ながら操作盤9を操作してスライド部4のスライド位置を調整し、構真柱Pの鉛直精度を確保する。また、操作者Mは、表示器19を見て鉛直方向に対する構真柱Pの傾きが1/500以下となるように操作盤9でスライド部4の位置を調整して構真柱Pの吊り芯の調整を行う(吊り芯を調整する工程)。このように、操作者Mがスライド部4の調整を行って鉛直精度を確保しながら構真柱Pの吊り降ろしを行うことにより、鉄筋かごFに構真柱Pを衝突させることなく建て込みを行うことが可能となる。
次に、本実施形態に係る吊り下げ装置1及び吊り下げ方法によって得られる作用効果について説明する。
図2〜図4に示されるように、吊り下げ装置1では、複数のワイヤ11のうちの一方がベース部2の長手方向Dの一方側(固定部3側)に接続されると共に、他方がベース部2の長手方向Dの他方側に位置するスライド部4に接続される。そして、ベース部2の一方側に構真柱Pを固定させると共に、ベース部2の他方側では、スライド部4がベース部2に沿ってスライド可能となっている。
従って、スライド部4がスライドすることによって、ベース部2及びワイヤ11の接続部(引掛部材6)と、スライド部4及びワイヤ11の接続部(引掛部材7)と、の長手方向Dの距離を変えることができる。よって、ベース部2の一方側に固定された構真柱Pの重心位置及び偏心状態に応じて、ベース部2の他方側に位置するスライド部4をスライドさせて、上記2つの接続部間の距離を変えることができる。このため、種々の形状の構真柱Pを真っ直ぐに且つバランスよく吊り下げることができ、構真柱Pを鉛直精度よく建て込むことができる。すなわち、偏心量が異なる吊り下げ対象物を鉛直精度よく建て込むことができ、更に、重心の位置が不明な吊り下げ対象物(例えば、重心と吊り芯とが鉛直線上に一致しない重量物)も鉛直精度よく建て込むことができる。
また、本実施形態では、掘削孔Hの中に安定液Wが入れられており、この安定液Wの中で構真柱Pが吊り降ろされる。このとき、浮力の影響を受けながら構真柱Pは鉛直方向に延びた状態になるが、どの程度構真柱Pを安定液Wに沈めたかによって、構真柱Pに対する浮力が変化し、構真柱Pの吊り芯の位置が変わる事象が起こりうる。このような事象に対しても、吊り下げ装置1では、構真柱Pを吊り下げながらスライド部4をスライドさせることによって、構真柱Pを吊り下げた状態のまま吊り芯の位置を調整することができる。従って、重心位置が変わっても構真柱Pの鉛直精度を確保することができ、バランスよく安定した構真柱Pの吊り下げを実現させることができる。
また、吊り下げ装置1は、固定部3とスライド部4とに接続されており固定部3に対してスライド部4をスライドさせるスライド手段(油圧ジャッキ5)を備えている。よって、このスライド手段でスライド部4をスライドさせることにより、固定部3とスライド部4との距離を容易に変えることができる。従って、構真柱Pの吊り下げ、及び構真柱Pの建て込みを効率よく行うことができる。
また、前述のスライド手段は、油圧ジャッキ5である。従って、固定部3とスライド部4との間に、油圧ジャッキ5のシリンダ5cのみを配置すればよく、モータ又は電源等を配置する必要が無いので、スライド手段の構成を簡易にすることができる。また、シリンダ5cを固定部3とスライド部4との間に配置すると共に、シリンダ5cから2本の油圧ホース5dを延ばすことにより、離れた位置(地面G)からシリンダ5c内の油圧を調整することができる。従って、離れた位置からシリンダ5cを伸縮させることができる。
また、吊り下げ装置1は、固定部3とスライド部4との間に位置しており固定部3側へのスライド部4の移動を規制するストッパ10を備えている。固定部3とスライド部4との間に位置するストッパ10によって、固定部3側へのスライド部4の移動が規制されるので、固定部3とスライド部4との距離が短くなりすぎないようにすることができる。
従って、固定部3とスライド部4との間に配置されている油圧ジャッキ5が縮みすぎないようにすることができるので、油圧ジャッキ5が破損する可能性を低減させることができる。また、ストッパ10によって、吊り下げ装置1に固定させた構真柱Pを吊り上げて構真柱Pを傾け、構真柱Pを垂直になるように徐々に吊り上げていくときに、油圧ジャッキ5に構真柱Pの荷重がかかりすぎないようにすることができる。従って、油圧ジャッキ5にかかる構真柱Pの荷重をストッパ10に分散させることによって油圧ジャッキ5の破損を回避することができる。
本実施形態に係る吊り下げ方法では、図7及び図8に示されるように、構真柱Pの一端がベース部2の長手方向Dの一方側(上側)に位置する固定部3に固定され、ベース部2の長手方向Dの一方側と、ベース部2の長手方向Dの他方側(下側)に位置するスライド部4と、構真柱Pの他端と、にワイヤ11が接続される。そして、接続させた各ワイヤ11を引っ張り上げることによって構真柱Pを吊り上げて、吊り下げ装置1が上方に位置するように構真柱Pを傾ける。このとき、スライド部4は、ベース部2に対してスライド可能となっているので、ベース部2及びワイヤ11の接続部と、スライド部4及びワイヤ11の接続部と、の距離を変えることができる。従って、吊り下げ装置1と同様の効果が得られる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、本発明は、各請求項の要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、前述の実施形態では、ベース部2及びスライド部4がH形鋼である例について説明した。しかしながら、ベース部及びスライド部は、H形鋼以外の部材であってもよい。また、前述の実施形態では、ベース部2が2本設けられていたが、ベース部の本数、形状及び配置態様については適宜変更可能である。引掛部材6,7の個数、形状及び配置態様についても適宜変更可能である。
また、前述の実施形態では、固定部3がベース部2から下方に突出している例について説明したが、固定部の構成についても適宜変更可能である。例えば、固定部3を省略すると共にベース部2の一部を固定部とし、この固定部に吊り下げ対象物を固定させてもよい。更に、前述の実施形態では、ベース部2から下方に延びる脚部14について説明したが、この脚部の形状、本数及び配置態様についても適宜変更可能である。また、場合によっては脚部を省略することも可能である。
また、前述の実施形態では、スライド手段が油圧ジャッキ5である例について説明したが、この油圧ジャッキの構成についても適宜変更可能である。更に、スライド手段として、油圧ジャッキ以外のものを用いてもよい。例えば、油圧ジャッキに代えて、スライド部4に螺合されるネジ棒と、ネジ棒を回転させるモータと、をスライド手段としてもよい。この場合、モータでネジ棒を回転させることによりスライド部4をスライドさせることが可能である。また、スライド手段として、スライド部4をスライドさせるウインチを用いることも可能である。
また、図4に示される油圧ジャッキ5と固定部3との間にスペーサを配置して、油圧ジャッキ5のストローク位置を変更してもよい。この場合、例えば、H形鋼のスペーサが、固定部3と油圧ジャッキ5との間でボルト接合により固定される。このスペーサの大きさ、形状及び個数は、適宜変更可能である。
また、前述の実施形態では、スライド部4とベース部2との間に介在するコロ部材8a及びガイドローラ8bについて説明したが、コロ部材8a及びガイドローラ8b以外の部材を介在させてもよい。例えば、摩擦係数が低いテフロン板をスライド部4とベース部2との間に配置することも可能である。
また、前述の実施形態では、吊り下げ対象物が構真柱Pである例、及び掘削孔Hに構真柱Pを建て込む例について説明した。しかしながら、本発明では、構真柱Pとは異なる形状の柱を吊り下げてもよいし、掘削孔H以外の場所に柱を建て込んでもよい。更に、本発明に係る吊り下げ装置では、柱以外の重量物を吊り下げることも可能である。
1…吊り下げ装置、2…ベース部、2a…フランジ部、3…固定部、3a…固定面、3b…ボルト接合部、4…スライド部、4a…フランジ部、5…油圧ジャッキ(スライド手段)、5a…ケーシング、5b…ロッド、5c…シリンダ、5d…油圧ホース、6,7…引掛部材、6a…孔部、8a…コロ部材、8b…ガイドローラ、9…操作盤、10…ストッパ、11…ワイヤ(吊材)、13…シャックル、14…脚部、19…表示器、A…傾斜計、B…直交方向、D…長手方向、G…地面、H…掘削孔、H1…拡径部、L…中心線、M…操作者、P…構真柱(吊り下げ対象物)、P1,P3…一般部、P2…折り曲げ部、W…安定液。

Claims (5)

  1. 吊り下げ対象物を固定させた状態で前記吊り下げ対象物を吊り下げる吊り下げ装置であって、
    棒状のベース部と、
    前記ベース部の長手方向の一方側に設けられ、前記吊り下げ対象物が固定される固定部と、
    前記ベース部の長手方向の他方側に設けられ、前記ベース部に沿ってスライドするスライド部と、
    前記ベース部及び前記スライド部を吊り下げる吊材と、を備え、
    前記吊材は、複数本設けられており、一方の前記吊材は、前記ベース部の長手方向の前記一方側に接続され、他方の前記吊材は、前記スライド部に接続されている、
    吊り下げ装置。
  2. 前記固定部と前記スライド部とに接続されており、前記固定部に対して前記スライド部をスライドさせるスライド手段を備える、
    請求項1に記載の吊り下げ装置。
  3. 前記スライド手段は、油圧ジャッキである、
    請求項2に記載の吊り下げ装置。
  4. 前記固定部と前記スライド部との間に位置しており、前記固定部側への前記スライド部の移動を規制するストッパを備える、
    請求項3に記載の吊り下げ装置。
  5. 吊り下げ対象物を吊り下げる吊り下げ方法であって、
    吊り下げ装置の棒状のベース部における長手方向の一方側に設けられた固定部に、横たえられた前記吊り下げ対象物の一端を固定させる工程と、
    前記ベース部の長手方向の前記一方側と、前記ベース部の長手方向の他方側で前記ベース部に対してスライドするスライド部と、前記吊り下げ対象物の他端と、のそれぞれに吊材を接続させる工程と、
    前記接続させる工程で接続させた前記吊材を上方に引っ張って前記吊り下げ対象物を吊り上げる工程と、
    前記吊り下げ装置が前記吊り下げ対象物の上方に位置するように、前記吊り下げ対象物を傾ける工程と、
    を備える吊り下げ方法。
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