JP6615903B2 - レーザ照射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ照射装置に関し、より詳しくは、基材に塗布された導電性粒子含有塗膜にレーザスポットを照射することにより焼成するレーザ照射装置に関する。
従来より、基板上に塗布された導電ペーストにレーザを照射することにより焼成するレーザ照射装置が提案されている(例えば、特許文献1)。この装置は、導電ペーストの線幅に応じてスポット径を変化させると共にスポット径の変化に合わせてレーザ光源の出力(パワー)を変化させることにより、スポット径に拘わらず単位面積当りのエネルギ(パワー密度)が等しくなるようレーザを照射する。
特許文献1:特開昭63−209194号公報
上述したレーザ照射装置は、スポット径を決定した上で、パワーを変化させる。この場合、パワー設定の分解能(パワー分解能)によっては、どのようにパワー設定を変化させても、焼成に必要なパワー密度の範囲内とならない場合が生じる。
本発明は、パワー設定の分解能に拘わらず焼成に必要なパワー密度を実現するためのパワー設定を可能とすることを主目的とする。
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のレーザ照射装置は、
基材に塗布された導電性粒子含有塗膜にレーザスポットを照射することにより焼成するレーザ照射装置であって、
所定のパワー分解能でパワー設定を変更可能なレーザ光源を有するヘッドと、
前記基材が裁置されるステージと、
前記ステージと前記ヘッドとを相対移動させてレーザスポット径を調整可能な移動装置と、
前記導電性粒子含有塗膜の焼成に必要とされるパワー密度範囲を取得し、前記所定のパワー分解能をレーザスポットの面積で除したパワー密度分解能が前記取得したパワー密度範囲の上下限幅に収まるレーザスポット径が得られるように前記移動装置を制御する制御装置と、
を備えることを要旨とする。
この本発明のレーザ照射装置は、所定のパワー分解能でパワー設定を変更可能なレーザ光源を有するヘッドと、基材が裁置されるステージと、ステージとヘッドとを相対移動させてレーザスポット径を調整可能な移動装置とを備える。また、レーザ照射装置は、導電性粒子含有塗膜の焼成に必要とされるパワー密度範囲を取得し、所定のパワー分解能をレーザスポットの面積で除したパワー密度分解能が取得したパワー密度範囲の上下限幅に収まるレーザスポット径が得られるように移動装置を制御する。これにより、パワー設定の分解能に拘わらず導電化に必要なパワー密度を実現するためのパワー設定が可能となる。この結果、パワー密度範囲内でレーザースポットを照射することにより、導電性粒子含有塗膜の焼成を適切に行うことができる。
こうした本発明のレーザ照射装置において、前記制御装置は、パワー安定性を含めた前記パワー密度分解能が前記パワー密度範囲の上下限幅に収まるレーザスポット径が得られるように前記移動装置を制御するものとすることもできる。こうすれば、パワー安定性も考慮するから、導電性粒子含有塗膜の焼成をより適切に行うことができる。
また、本発明のレーザ照射装置において、前記制御装置は、前記パワー密度分解能が前記パワー密度範囲の上下限幅に収まるようなレーザスポット径を設定し、前記設定したレーザスポット径に基づいてデフォーカス距離を算出し、該算出したデフォーカス距離となるように前記移動装置を制御し、前記デフォーカス距離は、ω(z)を焦点から距離zでのスポット半径とし、ω0を焦点でのスポット半径とし、λを波長としたときに、次式(1)により算出される距離zであるものとすることもできる。
配線基材製造装置10の構成の概略を示す構成図である。 本発明の一実施形態としてのレーザ照射装置50の構成の概略を示す構成図である。 制御装置70の電気的な接続関係を示す説明図である。 配線層形成処理の一例を示すフローチャートである。 配線層形成の様子を示す説明図である。 焼成処理の一例を示すフローチャートである。 デフォーカス距離設定処理の一例を示すフローチャートである。 レーザスポット直径2ω(z)とデフォーカス距離zとの関係を示す説明図である。
図1は、配線基材製造装置10の構成の概略を示す構成図であり、図2は、本発明の一実施形態としてのレーザ照射装置50の構成の概略を示す構成図であり、図3は、制御装置70の電気的な接続関係を示す説明図である。なお、図1中の前(手前)後(奥)方向がX軸方向であり、左右方向がY軸方向であり、上下方向がZ軸方向である。
配線基材製造装置10は、図1に示すように、ステージ12と、搬送装置20と、樹脂層形成ユニット30と、配線層形成ユニット40と、制御装置70(図3参照)とを備える。樹脂層形成ユニット30と配線層形成ユニット40は、ステージ12の搬送方向(Y軸方向)に沿って並べて設置されている。
ステージ12は、樹脂層形成ユニット30と配線層形成ユニット40とがそれぞれ作業を行う際の作業台である。
搬送装置20は、図1に示すように、Y軸方向に延びる一対のY軸ガイドレール22と、タイミングベルトを駆動するベルト駆動装置24(図3参照)とを備え、タイミングベルトを介して伝達される動力によってステージ12をY軸ガイドレール22に沿って往復動させる。
樹脂層形成ユニット30は、ステージ12が樹脂層形成ユニット30の作業エリア内に搬送されているときに、ステージ12上に樹脂層を形成するものである。この樹脂層形成ユニット30は、図1に示すように、UV硬化性の樹脂インクを吐出可能なインクヘッド32と、インクヘッド32から吐出された樹脂インクにUV光を照射可能なUV光照射装置34とを備える。
インクヘッド32は、例えば、ステージ12上の印刷領域の幅を全てカバーするように複数のノズルが配列されたラインヘッドである。このインクヘッド32は、搬送装置20によりステージ12をY軸方向に搬送しながらノズルから樹脂インクを吐出することにより、矩形形状の樹脂層を塗布(印刷)する。
UV光照射装置34は、X軸方向にライン状のUV光を照射可能に構成されている。このUV光照射装置34は、ステージ12をY軸方向に搬送しながらステージ12に塗布された矩形形状の樹脂層にライン状(X軸方向)のUV光を照射していくことにより、塗布された樹脂層を順次硬化させる。UV光照射装置34は、例えば、水銀ランプやメタルハライドランプ等を用いることができる。
樹脂層形成ユニット30は、こうしてインクヘッド32による樹脂層の塗布とUV光照射装置34による樹脂層の硬化とを複数回に亘って繰り返すことで、樹脂層を積層していき、所定厚さの樹脂基材を作製する。
配線層形成ユニット40は、ステージ12が配線層形成ユニット40の作業エリア内に搬送されているときに、ステージ12上に形成された樹脂基材に配線層を形成するものである。この配線層形成ユニット40は、金属ナノ粒子等の導電性粒子が分散剤に分散された導電性粒子含有インクを吐出可能なインクヘッド42と、インクヘッド42から吐出された導電性粒子含有インクにレーザビームを照射する本実施形態のレーザ照射装置50とを備える。
インクヘッド42は、例えば、印刷領域の幅を全てカバーするように複数のノズルが配列されたラインヘッドである。このインクヘッド42は、搬送装置20によりステージ12をY軸方向に搬送しながら対応するノズルから導電性粒子含有インクを吐出することで、基材上に導電性粒子含有インクを塗布(印刷)する。
本実施形態のレーザ照射装置50は、図1および図2に示すように、X軸方向に移動可能なX軸スライダ52と、Z軸方向に移動可能なZ軸スライダ54と、Z軸スライダ54に取り付けられたレーザヘッド56とを備える。
レーザヘッド56には、レーザ光線を光学系59を介してZ軸方向にスポット状に照射するレーザ光源(レーザ発振器)58が内蔵されている。なお、レーザ光源58としては、例えば、最大パワーPmaxが300[W],パワー分解能Rpが3[W](フルスケールの1%),パワー安定性βが±2[%],波長λが1062[nm],焦点でのスポット直径2ω0が22[μm](ω0はスポット半径)の仕様のものを用いるものとした。基材上に塗布された導電性粒子含有インクは、レーザ光源58によって照射されたレーザスポットによって導電性粒子の周囲の分散剤が加熱されて分解されることで、導電化する。
X軸スライダ52は、台座51に設けられたX軸ガイドレールに沿って移動し、Z軸スライダ54は、X軸スライダ52に設けられたZ軸ガイドレールに沿って移動する。また、X軸スライダ52は、X軸アクチュエータ53(図3参照)により駆動され、Z軸スライダ54は、Z軸アクチュエータ55(図3参照)により駆動される。これにより、Z軸スライダ54に取り付けられたレーザヘッド56は、X軸方向およびZ軸方向に移動できるようになっている。上述したように、ステージ12は、Y軸ガイドレール22に沿ってY軸方向に移動可能である。したがって、レーザ光源58は、レーザヘッド56のX軸方向およびZ軸方向の移動とステージ12のY軸方向の移動とによって、ステージ12(基材)上の任意の位置(X軸方向およびY軸方向の位置)に、任意の高さ(Z軸方向の位置)からレーザスポットを照射できるようになっている。
また、レーザ照射装置50は、図2に示すように、レーザヘッド56をZ軸方向に移動させてレーザヘッド56(レーザ光源58)とステージ12との距離を変更することにより、レーザ照射高さを変化させて、レーザスポット径を変化させることができる。レーザスポット径は、レーザヘッド56のZ軸方向位置が光学系59の焦点が合う位置にあるときが最も小さくなり、そこから上下に離れるほど大きくなる。
配線層形成ユニット40は、こうしてインクヘッド42による導電性粒子含有インクの塗布とレーザ照射装置50による導電性粒子含有インクの導電化(焼成)とを複数回に亘って繰り返すことで、配線層を積層していき、樹脂基材上に配線を形成する。
制御装置70は、図3に示すように、CPU71とROM72とHDD73とRAM74と入出力インタフェース75とを備える。これらは、バス76を介して電気的に接続されている。制御装置70には、ステージ12やレーザヘッド56(レーザ光源58)の各位置を検知する位置検知センサなどからの各種検知信号が入出力インターフェース75を介して入力されている。また、制御装置70からは、ベルト駆動装置24やインクヘッド32,UV光照射装置34,インクヘッド42,レーザ光源58,X軸アクチュエータ53,Z軸アクチュエータ55などへの各種制御信号が入出力インタフェース75を介して出力されている。
次に、こうして構成された実施例の配線基材製造装置10の動作、特に樹脂層形成ユニット30により形成された樹脂層(樹脂基材)上に配線層を形成する際の動作について説明する。
図4は、配線層形成の様子を示す説明図である。図示するように、配線層の形成は、上述したように、導電性粒子含有インクの吐出(印刷)とレーザ照射(焼成)とを繰り返すことにより行われる。印刷は、樹脂基材が裁置されたステージ12をY軸ガイドレール22に沿ってY軸方向に移動させながら、配線パターンに合わせてインクヘッド42の対応するノズルから導電性粒子含有インクを吐出することにより行われる(図4(a)参照)。また、レーザ焼成は、レーザ光源58からレーザスポットを下方に向けて照射させた状態で、配線パターンに合わせてレーザ光源58を搭載するレーザヘッド56をX軸方向へ移動させると共に樹脂基材が裁置されたステージ12をY軸方向へ移動させることにより行われる(図4(b)参照)。
レーザ焼成について更に詳細に説明する。図5は、焼成処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、インクヘッド42により基材上に導電性粒子含有インクが塗布された後に実行される。
焼成処理が実行されると、制御装置70のCPU71は、まず、要求パワー密度範囲Dp±αや走査速度V,波長λ,最大パワーPmax,パワー分解能Rpなどの必要なデータの入力を行う(S100)。ここで、要求パワー密度範囲Dp±αは、基材上に塗布された導電性粒子含有インクの焼成に必要とされるパワー密度の上限値Dp+αと下限値Dp−αとを示すものであり、基材の熱伝導率や基材に塗布された導電性粒子含有インクの厚み、導電性粒子含有インクに含まれる分散剤の分解温度などによって定められる。レーザ光源58から照射されたレーザスポットのパワー密度が要求パワー密度の下限値Dp−αを下回ると、導電性粒子含有インクの焼成は不十分となり、要求パワー密度の上限値Dp+αを上回ると、下地の基材(樹脂)が過剰に加熱されて基材にダメージを与えるおそれがある。したがって、レーザ焼成を行う場合、パワー密度を要求パワー密度範囲Dp±α内に収めることが必要である。例えば、要求パワー密度範囲Dp±αとして150±15[W/mm2]が入力されたものとする。なお、この場合、要求パワー密度範囲の上限値Dp+αは、165[W/mm2]となり、下限値Dp−αは、135[W/mm2]となる。また、要求パワー密度範囲の上下限幅2αは、30[W/mm2]となる。また、走査速度Vは、例えば、要求パワー密度範囲の上下限幅2αをできる限り広くとれるような速度とされ、例えば、100[mm/s]が入力されたものとする。波長λと最大パワーPmaxとパワー分解能Rpは、上述したように、レーザ照射装置50の仕様に基づくパラメータであり、例えば、それぞれ1062[nm],300[W],が3[W]が入力されたものとする。
ここで、例えば、レーザ照射高さが固定され、スポット直径2ω(z)が200[μm]の場合を考える。この場合、レーザ光源58が上述した仕様(パワー分解能が3[W](フルスケールの1%))であると、出力パワーPが3[W](フルスケールの1%)のときには、パワー密度が95[W/mm2]となり、出力パワーPが6[W](フルスケールの2%)のときには、パワー密度が191[W/mm2]となる。このため、パワー分解能3[W]のレーザ光源58では、出力パワーPをどのように変更しても、要求パワー密度範囲150±15[W/mm2]を満たすパワー密度を実現することができない。本実施形態のレーザ照射装置50は、レーザ照射高さを可変とすることで、パワー密度を要求パワー密度範囲内に収めることのできるレーザスポット径(デフォーカス距離)および出力パワーPの設定を可能とするものである。
CPU71は、必要なデータを入力すると、光学系59の焦点からの距離であるデフォーカス距離zを設定する(S110)。ここで、デフォーカス距離zの設定は、図6に例示するデフォーカス距離設定処理を実行することにより設定される。以下、デフォーカス距離設定処理について説明する。
デフォーカス距離設定処理では、CPU71は、パワー密度分解能が要求パワー密度範囲の上下限幅2αに収まるようなスポット半径ω(z)(直径2ω(z))を次式(2)により設定する(S200)。ここで、パワー密度分解能は、パワー分解能Rp[W]をレーザスポットの面積(πω2(z))で除したものである。このパワー密度分解能を上下限幅2α以下とするためには、スポット半径ω(z)が式(2)を満たせばよいことがわかる。いま、パワー分解能が3[W]であり、要求パワー密度範囲の上下限幅2αが30[W/mm2]であるときを考えているから、パワー密度分解能を30[W/mm2]以下とするために、式(2)を適用して、スポット半径ω(z)を178.5[μm](直径2ω(z)は357[μm])以上とすればよい。
CPU71は、スポット半径ω(z)を設定すると、スポット半径ω(z)を得るためのデフォーカス距離zを次式(3)により設定して(S210)、デフォーカス距離設定処理を終了する。レーザ光線の形状を図7に示すような双曲線とみなすと、焦点からの距離zとスポット半径ω(z)は、式(3)の関係を満たす。波長λは1062[nm]であり、焦点でのスポット半径ω0は11[μm](直径2ω0は22[μm])であり、スポット半径ω(z)は178.5[μm]であるから、スポット半径ω(z)を得るためのデフォーカス距離zは、4.45[mm]となる。以上、デフォーカス距離設定処理について説明した。
焼成処理に戻って、CPU71は、こうしてデフォーカス距離zを設定すると、設定したデフォーカス距離zが得られるようZ軸アクチュエータ55を駆動制御してレーザヘッド56をZ軸方向に移動させる(S120)。
そして、CPU71は、レーザ光源58の出力パワーPを設定する(S130)。ここで、本実施形態では、レーザスポットのパワー密度が要求パワー密度範囲Dp±α内となるように、即ち出力パワーPが式(4)を満たすように行う。178.5[μm]のスポット半径ω(z)(357[μm]のスポット直径2ω(z))で配線を焼成する場合、パワー密度を要求パワー密度範囲の上限値Dp+αとするために必要なパワーは16.5[W]となり、パワー密度を要求パワー密度範囲の下限値Dp−αとするために必要なパワーは13.5[W]となる。パワー分解能Rpは3[W]であるから、出力パワーPは15[W](フルスケールの5%)に設定することができる。
次に、CPU71は、ベルト駆動装置24とX軸アクチュエータ53とを駆動制御してレーザスポットの照射開始位置にレーザヘッド56を移動させる(S140)。そして、CPU71は、S130で設定した出力パワーPでレーザスポットが照射されるようレーザ光源58を駆動制御し(S150)、S100で入力した走査速度Vでレーザスポットが走査されるようベルト駆動装置24とX軸アクチュエータ53とを駆動制御して(S160)、焼成処理を終了する。
ここで、本実施形態の主要な要素と発明の開示の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。即ち、本実施形態のレーザヘッド56が本発明の「ヘッド」に相当し、Z軸スライダ54およびZ軸アクチュエータ55が「移動装置」に相当し、制御装置70が「制御装置」に相当する。
以上説明した本実施形態のレーザ照射装置50は、パワー密度分解能が要求パワー密度範囲の上下限幅2αに収まるようなスポット径を設定し、スポット径とするためのデフォーカス距離zを設定し、設定したデフォーカス距離zとなるようレーザヘッド56をZ軸方向に移動させる。これにより、レーザ照射装置50のパワー分解能に拘わらず、要求パワー密度範囲内で配線を焼成できるようなパワー設定が可能となる。この結果、配線の焼成をより適切に行うことができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、CPU81は、レーザヘッド56をZ軸方向に移動させることによりレーザスポット径を変化させたが、ステージ12をZ軸方向に移動させることによりレーザスポット径を変化させてもよい。
上述した実施形態では、CPU81は、パワー密度分解能が要求パワー密度範囲の上下限幅2αに収まるようなレーザスポット径(半径ω(z))を設定し、設定したレーザスポット径を得るためのデフォーカス距離zを算出するものとした。これに対して、焼成処理のS100で入力したパラメータに基づいてマップ等を用いて直接にデフォーカス距離を設定するものとしてもよい。
上述した実施形態では、パワー密度分解能が要求パワー密度範囲の上下限幅2αに収まるようなレーザスポット径ω(z)を式(2)により算出したが、パワー密度分解能(Rp/πω2(z))にパワー安定性β[%]も考慮に入れるものとしてもよい。この場合、パワー密度分解能を[パワー密度分解能−(1+β/100)]で置き換え、デフォーカス距離設定処理のS200にてスポット半径ω(z)を算出する際の演算式として、式(2)に代えて次式(5)を用いるものとすればよい。
なお、本発明は上述した実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
本発明は、レーザ照射装置の製造産業などに利用可能である。
10 配線基材製造装置、12 ステージ、20 搬送装置、22 Y軸ガイドレール、24 ベルト駆動装置、30 樹脂層形成ユニット、32 インクヘッド、34 UV光照射装置、40 配線層形成ユニット、42 インクヘッド、50 レーザ照射装置、51 台座、52 X軸スライダ、53 X軸アクチュエータ、54 Z軸スライダ、55 Z軸アクチュエータ、56 レーザヘッド、58 レーザ光源、59 光学系、70 制御装置、71 CPU、72 ROM、73 HDD、74 RAM、75 入出力インタフェース、76 バス。

Claims (3)

  1. 基材に塗布された導電性粒子含有塗膜にレーザスポットを照射することにより焼成するレーザ照射装置であって、
    所定のパワー分解能でパワー設定を変更可能なレーザ光源を有するヘッドと、
    前記基材が裁置されるステージと、
    前記ステージと前記ヘッドとを相対移動させてレーザスポット径を調整可能な移動装置と、
    前記導電性粒子含有塗膜の焼成に必要とされるパワー密度範囲を取得し、前記所定のパワー分解能をレーザスポットの面積で除したパワー密度分解能が前記取得したパワー密度範囲の上下限幅に収まるレーザスポット径が得られるように前記移動装置を制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とするレーザ照射装置。
  2. 請求項1記載のレーザ照射装置であって、
    前記制御装置は、パワー安定性を含めた前記パワー密度分解能が前記パワー密度範囲の上下限幅に収まるレーザスポット径が得られるように前記移動装置を制御する
    ことを特徴とするレーザ照射装置。
  3. 請求項1または2記載のレーザ照射装置であって、
    前記制御装置は、前記パワー密度分解能が前記パワー密度範囲の上下限幅に収まるようなレーザスポット径を設定し、前記設定したレーザスポット径に基づいてデフォーカス距離を算出し、該算出したデフォーカス距離となるように前記移動装置を制御し、
    前記デフォーカス距離は、ω(z)を焦点から距離zでのスポット半径とし、ω0を焦点でのスポット半径とし、λを波長としたときに、次式(1)により算出される距離zである
    ことを特徴とするレーザ照射装置。
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