JP6614921B2 - 地下構造物の構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地下構造物の構築方法に関する。
並設された複数本のトンネルを利用して築造した地下構造物が特許文献1や特許文献2に記載されている。これらの地下構造物は、複数本のトンネルを構築した後に、各トンネルの不要な覆工を撤去して大きな空間を形成しつつ、各トンネルの残置された覆工を利用して本設の頂底版や側壁等を形成することにより築造される。なお、複数のトンネルは、時間差をもって順次に構築され、後行のトンネルTは、先行のトンネルの隣に構築される。また、各トンネルは、推進工法により構築される。
ところで、特許文献1および特許文献2の地下構造物においては、隣り合う二つのトンネルのうち、一方のトンネルの覆工(すなわち、推進函体)には、トンネル軸方向に沿ってガイド溝が形成されており、他方のトンネルの覆工には、一方の覆工のガイド溝に係合する突条が形成されている。このようにすると、先行して構築されたトンネルの覆工をガイドとして後行のトンネルの覆工を構築することが可能となるので、隣接するトンネル同士にずれが生じ難くなり、ひいては、効率良く施工することが可能となる。
複数本のトンネルを連結して築造される地下構造物では、トンネル同士の目地部(継手)からの漏水を防止する必要がある。
特許文献1では、目地部の止水性を確保するために、突条の先端に凹部を形成しておき、ガイド溝と凹部とにより形成された空間に注入管を挿入し、この注入管から止水剤を充填している。
また、特許文献2では、ガイド溝内に弾性部材を充填しておき、弾性部材を圧縮させながら突条をガイド溝に挿入することで、突条とガイド溝との間に隙間が形成されないようにしている。
特許第4500142号公報 特開2015−148078号公報
目地部の止水性を確保するためには、ガイド溝の空洞に充填した止水剤をガイド溝および突条に密着させる必要がある。
特許文献1では、止水剤の密着性を確保するために、後行函体の推進後、継手部を洗浄してから、止水剤を充填していた。そのため、洗浄から注入までに多くの労務を必要としていた。また、トンネルの延長が長い場合には、洗浄作業が困難になる場合があった。さらに、空洞に充填する止水剤は、気温等によりその性状に変化が生じるため、空洞に安定的に注入材を充填するのに手間がかかる。
また、特許文献2では、弾性部材の弾性により密着性を確保しているものの、突条で弾性部材を圧縮することにより止水性を確保するため、函体の出来型によってはガイド溝と突条との離隔が大きくなり、弾性部材を十分に圧縮できないおそれがあった。
このような観点から、本発明は、止水性に優れた地下構造物を簡易に構築することを可能とした地下構造物の構築方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の地下構造物の構築方法は、複数の先行函体を地中に連設することで先行トンネルを構築する先行トンネル構築工程と、前記先行トンネルに隣接して複数の後行函体を地中に連設することで後行トンネルを構築する後行トンネル構築工程と、前記先行トンネルと前記後行トンネルとの継手部を止水する止水工程とを含む地下構造物の構築方法であって、前記先行函体は、トンネル軸方向に沿って形成されて前記後行トンネル側に開口するガイド溝と、前記ガイド溝の内部に充填された弾性部材とを有し、前記弾性部材はトンネル軸方向に沿った切込みを有し、前記後行函体はトンネル軸方向に沿って形成された突条を有しており、前記後行トンネル構築工程では、前記切込みに前記突条を挿入して前記弾性部材を圧縮させ、前記止水工程では、前記弾性部材をさらに圧縮させることを特徴としている。
弾性部材を押圧する際には、切込みよりもガイド溝側に形成された弾性部材の貫通孔に充填材(固化材)を圧入することにより当該貫通孔を押し広げる。
または、前記ガイド溝と前記弾性部材との間に注入袋を介設しておき、この注入袋に圧入した充填材(固化材)により当該注入袋を押し広げる。
かかる地下構造物の構築方法によれば、弾性部材の切込みに突条を挿入することで、突条とガイド溝との間に隙間が形成されることを防止し、その後、弾性部材をさらに圧縮することで止水性を向上させることができる。本発明によれば、後行トンネルの構築と同時に、止水性に優れた継手構造を構築することができるので、施工性に優れている。
さらに、先行トンネルの施工時は、ガイド溝に充填された弾性部材によってガイド溝内に土砂等が流入することを防止することができる。
本発明の地下構造物の構築方法によれば、止水性に優れた地下構造物を簡易に構築することが可能となる。
本発明の実施形態の地下構造物を示す断面図である。 同地下構造物の継手構造を示す斜視図である。 (a)〜(c)は、第一の実施形態の地下構造物の構築方法の施工状況を示す斜視図である。 (a)〜(c)は、第二の実施形態の地下構造物の構築方法の施工状況を示す斜視図である。
<第一の実施形態>
第一の実施形態の地下構造物1は、図1に示すように、その断面内において並設された複数本(本実施形態では6本)のトンネル(構造体)2,2,…を利用して築造したものであり、頂版1A、底版1B及び側壁1C,1Cを備えている。並設されたトンネル2同士は、継手構造3を介して連結されている。
なお、地下構造物1を構成するトンネル2の数および配置は限定されるものではない。
トンネル2は、推進工法により、地中に複数の函体を地中に連設することにより形成されている。すなわち、各トンネル2の覆工4は、トンネル軸方向に連設された複数の函体5,5,…からなる。
函体5は、角筒状に形成された外殻と、トンネル軸方向に所定の間隔をあけて並設された複数の主桁と、隣り合う主桁間においてトンネル軸方向に沿って配置された複数の縦リブとを備えて構成されている。なお、函体5の構成は限定されなく、例えば、プレキャストコンクリート部材であってもよい。
継手構造3は、図2に示すように、ガイド溝10と、突条20と、弾性部材30とを備えている。
ガイド溝10は、一方のトンネル2の外面に、トンネル軸方向に沿って形成されて他方のトンネル2側に開口している。
ガイド溝10は、断面C字状の鋼製部材により形成されている。なお、ガイド溝10の構成は限定されるものではなく、例えば、断面コ字状に形成されていてもよい。また、ガイド溝10は、複数の鋼材を組み合わせることにより形成されていてもよい。
ガイド溝10を構成する鋼製部材は、開口部が函体5の外面に面するように、函体5(覆工4)に埋め込まれている。
突条20は、他方のトンネルの外面に形成されてガイド溝10の空間内に挿入されている。
突条20は、函体5の外周面においてトンネル軸方向に沿って配置されており、少なくともその突端部分が函体5の外側に突出している。本実施形態の突条20は、函体5の外面に固定されたレール21により構成されている。レール21は、熱押形鋼からなり、外殻5aの外周面に固定されるフランジと、このフランジから立ち上がるウェブと、このウェブの突端部分に形成された頭部とを備えている。なお、突条20を構成する材料は限定されるものではない。また、突条20の函体5への固定方法は限定されるものではなく、例えばボルトとナットにより締着してもよいし、溶接してもよい。
レール21のウェブの幅(厚さ)は、ガイド溝10の幅狭部の幅(すなわち、ガイド溝10の開口幅)よりも小さくなっており、かつ、レール21の頭部の断面積がガイド溝10の幅広部の断面積よりも小さくなっている。そのため、レール21とガイド溝10との間には、上下左右にクリアランスを有している。つまり、突条20は、ガイド溝10と遊嵌状態で結合することになる。また、レール21の頭部は、幅狭部の幅(すなわち、ガイド溝10の開口幅)よりも大きい幅寸法に成形されている。このようにすると、レール21のガイド溝10からの抜け出しが阻止されることから、隣り合う函体5,5が必要以上に離間することを防ぐことができる。
弾性部材30は、ガイド溝10と突条20との隙間に介設されている。
弾性部材30は、各函体5のガイド溝10の内部に配設されている。ガイド溝10に突条20が挿入されると、ガイド溝10と突条20との隙間に弾性部材30が充填された状態となる。本実施形態の弾性部材30は、合成ゴム発泡体により構成されている。弾性部材30は、遊嵌状態で結合されるガイド溝10と突条20との隙間の変動に追従し、ガイド溝10と突条20とに密着することで、止水性を確保する。
なお、弾性部材30を構成する材料は、止水性があって圧縮可能なものであれば限定されるものではなく、例えば、ウレタン系ゴムやポリエチレン系ゴム等により構成する。
弾性部材30には、図3(a)に示すように、突条20を挿入可能な切込み31が設けられている。切込み31の形状は限定されるものではないが、本実施形態では断面T字状に形成されている。すなわち、弾性部材30は、その中央部に形成された第一スリット31aと第一スリット31aから弾性部材30の外面に至る第二スリット31bとを備えている。切込み31は、弾性部材30の長手方向に連続している。
弾性部材30には、切込み31に代えて、突条20の頭部の断面形状よりも小さい断面形状の溝を形成してもよい。
弾性部材30には、トンネル軸方向に沿って貫通孔32が形成されている。貫通孔32は、切込み31とガイド溝10の底部(開口部と反対側)との間に形成されている。すなわち、貫通孔32は、第二スリット31bの延長上に位置している。本実施形態の貫通孔32は断面円形であるが、貫通孔32の断面形状は限定されない。また、貫通孔32を形成する位置は、ガイド溝10と突条20との間に形成されていればよく、限定されるものではない。
貫通孔32には、固化材(充填材)40が充填されている。固化材40は、貫通孔32に圧入されることで貫通孔32を押し広げた後、貫通孔32を押し広げた状態を維持したまま固化したものである。
固化材40を構成する材料は限定されるものではないが、硬化前は流動性を有しており、硬化後は所定の強度を発現するとともに止水性を有したものである必要があり、例えば、グラウトやモルタル等を使用する。
次に、本実施形態の地下構造物の構築方法について説明する。
地下構造物1を築造するには、まず、地下構造物1の構築予定箇所の断面内に推進工法により複数の函体(先行函体5A)5,5,…を連設することにより、トンネル2(先行トンネル2A)を構築する(先行トンネル構築工程)。次に、この先行トンネル2Aに隣接して、複数の函体(後行函体5B)5,5,…を連設することにより、トンネル2(後行トンネル2B)を構築する(後行トンネル構築工程)。
先行函体5Aには、後行トンネル2B側に開口するガイド溝10がトンネル軸方向に沿って形成されている。このガイド溝10には、図3(a)に示すように、予め弾性部材30を充填しておく。
後行トンネル2Bは、先行トンネル2Aの隣において、複数の後行函体5B,5B,…を図示せぬ坑口から先行トンネル2Aに沿って順次押し出すことにより構築する。なお、トンネル2の施工中は、必要に応じて函体5の周囲に滑材を注入・充填しておき、トンネル2の構築が完了した後に、硬化性の裏込材に置き換える。また、図示は省略するが、各トンネル2において、トンネル軸方向に隣り合う函体5,5は、ボルト・ナット等を用いて連結する。
後行トンネル2Bを構築する際には、図3(b)に示すように、後行函体5Bの突条20を、弾性部材30の切込み31に挿入し、弾性部材30を圧縮させながら推進する。このとき、突条20と弾性部材30との当接面に給脂してもよい。このようにすると、ガイド溝10に挿入した突条20を進行させる際に、突条20と弾性部材30との摩擦が低減されるため、弾性部材30の損傷を抑制することができる。
隣り合うトンネル2,2同士は、図1および図2に示すように、継手構造3を介して連結される。
後行トンネル2の施工が完了したら、図3(c)に示すように、弾性部材30の貫通孔32に固化材40を圧入する(止水工程)。
貫通孔32に固化材40を圧入すると、貫通孔32が押し広げられることで、弾性部材30がさらに圧縮し、ひいては、弾性部材30のガイド溝10の内面および突条20の先端への密着性が増加し、継手構造3における止水性が向上する。すなわち、ガイド溝10の内面および突条20の外面に沿って浸透する地下水の水みちが、弾性部材30によって遮断される。
同様に、トンネル(後行トンネル)2を既設のトンネル(先行トンネル)2に隣接して構築する。なお、地下構造物1を構成する各トンネル2の施工順序は限定されるものではない。
6本のトンネル2の構築が完了したら、地下構造物1の断面形状に合せて、各トンネル2の不要な覆工を撤去して大きな空間を形成する(図1参照)。
そして、図1に示すように、地山Gとの境界(すなわち、地下構造物1の外縁)に沿って残置されたトンネル2の覆工を利用して本設の頂版1A、底版1Bおよび側壁1C,1Cを形成すると、地下構造物1となる。なお、不要な覆工を全部撤去した後に頂版1A、底版1Bおよび側壁1C,1Cを形成してもよいし、トンネル2の不要な覆工の一部を撤去しつつ、地下構造物1の頂版1A、底版1Bおよび側壁1C,1Cを構築してもよい。
本実施形態の地下構造物の構築方法、地下構造物1および継手構造3によれば、図3(b)に示すように、弾性部材30を圧縮させながら突条20をガイド溝10に挿入するため、弾性部材30がガイド溝10および突条20に密着し、その結果、ガイド溝10と突条20との間に隙間が形成されることが防止されている。
また、弾性部材30に形成された切込み31に突条20を挿入するため、突条20は弾性部材30により覆われた状態となる。したがって、継手構造3は止水性に優れている。
また、図3(c)に示すように、固化材40により弾性部材30に対して押圧力を付与することで、弾性部材30とガイド溝10および突条20との密着度が高まるので、より高い止水性能が得られる。つまり、後行トンネル2の構築と同時に、止水性に優れた継手構造3を構築することができるので、施工性に優れている。
弾性部材30は、突条20のガイド溝10内での向きや位置に応じて変形するため、函体の蛇行、ローリングまたはピッチング等が生じた場合であっても、ガイド溝10と突条20との間に空隙が形成され難い。
また、トンネル2の施工後に函体が施工時荷重等により僅かに変形あるいは移動した場合であっても、弾性部材30が変形・移動に追従するため、止水性能が低下することがない。
ガイド溝10内に弾性部材30を充填した状態でトンネル2を構築するため、図3(a)に示すように、先行トンネル構築時にガイド溝30内に入り込む土砂や裏込め材等を大幅に削減することができる。そのため、ガイド溝30内への突条20の挿入が、土砂や裏込め材等により妨げられることもない。また、弾性部材30によりガイド溝10内へ土砂等が入り込むことが抑制されているため、ガイド溝10の洗浄に要する手間を省略することができる。また、ガイド溝10の洗浄時の洗浄水により周囲の地山が緩むことも防止できる。
<第二の実施形態>
第二の実施形態の地下構造物1の継手構造3は、図4(a)に示すように、ガイド溝10と、突条20および弾性部材30に加え、ガイド溝10と弾性部材30との間に注入袋50が介設されている。
注入袋50を構成する材料は、止水性を有していれば限定されるものではなく、例えばゴム製の袋を使用すればよい。また、注入袋50の設置個所および形状等は、弾性部材30に押圧力を付与することができれば限定されない。また、注入袋50とガイド溝10との間にゴム板等を介設してもよい。
注入袋50には、固化材(充填材)40が充填されている。固化材40は、注入袋50に圧入されることで、注入袋50を押し広げた後、注入袋50を押し広げた状態を維持したまま固化したものである。
固化材40を構成する材料は限定されるものではないが、硬化前は流動性を有しており、硬化後は所定の強度を発現するとともに止水性を有したものである必要があり、例えば、グラウトやモルタル等を使用すればよい。
ガイド溝10および突条20の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
弾性部材30は、ガイド溝10と突条20との隙間に介設されている。
弾性部材30は、各函体5のガイド溝10の内部に配設されている。ガイド溝10に突条20が挿入されると、ガイド溝10と突条20との隙間に弾性部材30が充填された状態となる。本実施形態の弾性部材30は、合成ゴム発砲体により構成されている。弾性部材30は、遊嵌状態で結合されるガイド溝10と突条20との隙間の変動に追従し、ガイド溝10と突条20とに密着することで、止水性を確保する。
なお、弾性部材13を構成する材料は限定されなく、例えば、ウレタン系ゴムやポリエチレン系ゴム等により構成してもよい。
弾性部材30には、図4(a)に示すように、突条20を挿入可能な切込み31が設けられている。なお、切込み31の形状は限定されるものではないが、本実施形態では断面T字状に形成されている。すなわち、弾性部材30は、その中央部に形成された第一スリット31aと第一スリット31aから弾性部材30の外面に至る第二スリット31bとを備えている。切込み31は、弾性部材30の長手方向に連続している。
弾性部材30には、切込み31に代えて、突条20の頭部の断面形状以下の大きさの溝を形成していてもよい。
次に、本実施形態の地下構造物の構築方法について説明する。
地下構造物1を築造するには、まず、地下構造物1の構築予定箇所の断面内に推進工法により複数の函体(先行函体5A)5,5,…を連設することにより、トンネル2(先行トンネル2A)を構築する(先行トンネル構築工程)。次に、この先行トンネル2Aに隣接して、複数の函体(後行函体5B)5,5,…を連設することにより、トンネル2(後行トンネル2B)を構築する(後行トンネル構築工程)。
先行函体5Aには、後行トンネル2B側に開口するガイド溝10がトンネル軸方向に沿って形成されている。このガイド溝10には、図4(a)に示すように、予め弾性部材30とを充填し、注入袋50を接着しておく。
後行トンネル2Bは、先行トンネル2Aの隣において、複数の後行函体5B,5B,…を図示せぬ坑口から先行トンネル2Aに沿って順次押し出すことにより構築する。なお、トンネル2の施工中は、必要に応じて函体5の周囲に滑材を注入・充填しておき、トンネル2の構築が完了した後に、硬化性の裏込材に置き換える。また、図示は省略するが、各トンネル2において、トンネル軸方向に隣り合う函体5,5は、ボルト・ナット等を用いて連結する。
後行トンネル2Bを構築する際には、図4(b)に示すように、後行函体5Bの突条20を、弾性部材30の切込み31に挿入し、弾性部材30を圧縮させながら推進する。このとき、突条20と弾性部材30との当接面に給脂してもよい。このようにすると、ガイド溝10に挿入した突条20を進行させる際に、突条20と弾性部材30との摩擦が低減されるため、弾性部材30の損傷を抑制することができる。
隣り合うトンネル2,2同士は、継手構造3を介して連結される。
後行トンネル2の施工が完了したら、図4(c)に示すように、注入袋50に固化材40を圧入する(止水工程)。
注入袋50に固化材40を圧入すると、注入袋50が押し広げられることで、弾性部材30をさらに圧縮させるとともに、弾性部材30の突条20の先端への密着性が増加し、継手構造3における止水性が向上する。すなわち、ガイド溝10の内面および突条20の外面に沿って浸透する地下水の水みちが、弾性部材30によって遮断される。
同様に、トンネル(後行トンネル)2を既設のトンネル(先行トンネル)2に隣接して構築する。その後、地下構造物1の断面形状に合せて、各トンネル2の不要な覆工を撤去して大きな空間を形成するとともに、本設の頂版1A、底版1Bおよび側壁1C,1Cを形成する(図1参照)。
なお、地下構造物1を構成する各トンネル2の施工順序は限定されるものではない。
図4(c)に示すように、注入袋50に圧入された固化材40により弾性部材30に対して押圧力を付与することで、弾性部材30と突条20との密着度および注入袋50とガイド溝10との密着度が高まるので、より高い止水性能が得られる。つまり、後行トンネル2の構築と同時に、止水性に優れた継手構造3を構築することができるので、施工性に優れている。
この他の第二の実施形態の作用効果は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
前記実施形態では、継手構造をトンネル同士の連結に使用する場合について説明したが、継手構造が適用可能な構造物はこれに限定されるものではなく、例えば、鋼管矢板やパイプルーフ等の継手に使用してもよい。
弾性部材30には、弾性部材30中の気泡の分布形態、発砲率に応じて、適正な止水性および圧縮性を備えた材料を使用すればよい。
また、異なる種類の材料を組み合わせて弾性部材を形成してもよい。
弾性部材30の切込み31は、必要に応じて形成すればよく、例えば、弾性部材30が突条20の外形状に応じた形状を有している場合等には、切込み31は省略してもよい。
1 地下構造物
2 トンネル(構造体)
3 継手構造
4 覆工
5 函体
10 ガイド溝
20 突条
30 弾性部材
31 切込み
32 貫通孔
40 固化材
50 注入袋

Claims (3)

  1. 複数の先行函体を地中に連設することで先行トンネルを構築する先行トンネル構築工程と、
    前記先行トンネルに隣接して複数の後行函体を地中に連設することで後行トンネルを構築する後行トンネル構築工程と、
    前記先行トンネルと前記後行トンネルとの継手部を止水する止水工程と、を含む地下構造物の構築方法であって、
    前記先行函体は、トンネル軸方向に沿って形成されて前記後行トンネル側に開口するガイド溝と、前記ガイド溝の内部に充填された弾性部材と、を有し、
    前記弾性部材は、トンネル軸方向に沿った切込みを有し、
    前記後行函体は、トンネル軸方向に沿って形成された突条を有しており、
    前記後行トンネル構築工程では、前記切込みに前記突条を挿入して前記弾性部材を圧縮させ、
    前記止水工程では、前記弾性部材をさらに圧縮させることを特徴とする、地下構造物の構築方法。
  2. 前記弾性部材には、トンネル軸方向に沿って貫通孔が形成されており、
    前記止水工程では、前記貫通孔に充填材を圧入することにより当該貫通孔を押し広げることを特徴とする、請求項1に記載の地下構造物の構築方法。
  3. 前記ガイド溝と前記弾性部材との間に注入袋が介設されており、
    前記止水工程では、前記注入袋に充填材を圧入することにより当該注入袋を押し広げることを特徴とする、請求項1に記載の地下構造物の構築方法。
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