JP2001146893A - 覆工ピース、覆工ピースの継手構造および覆工ピースの接合方法 - Google Patents

覆工ピース、覆工ピースの継手構造および覆工ピースの接合方法

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JP2001146893A
JP2001146893A JP32977999A JP32977999A JP2001146893A JP 2001146893 A JP2001146893 A JP 2001146893A JP 32977999 A JP32977999 A JP 32977999A JP 32977999 A JP32977999 A JP 32977999A JP 2001146893 A JP2001146893 A JP 2001146893A
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lining
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lining piece
male
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JP32977999A
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English (en)
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Makoto Ukekawa
誠 請川
Seiichi Matsushita
清一 松下
Toru Taniguchi
徹 谷口
Minoru Motoki
実 元木
Katsumi Tsuchida
克美 土田
Jun Takahashi
潤 高橋
Eiji Katayama
英治 片山
Keisuke Shioda
啓介 塩田
Akira Sueda
明 末田
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JFE Steel Corp
Toda Corp
Original Assignee
Toda Corp
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 覆工ピースの製作精度や現場での施工誤差に
拘わりなく、雄継手及び雌継手を確実に嵌合可能にし
て、十分な継手強度を維持しつつ、施工能率を高めるこ
とのできる覆工ピース、覆工ピースの継手構造及び覆工
ピースの接合方法を提供する。 【解決手段】 互いに隣接する一方の覆工ピースの主桁
に取り付けられた雄継手40と、他方の覆工ピースの主
桁に取り付けられた雌継手42とを嵌合して覆工ピース
同士を接合する覆工ピースの継手構造に関する。この場
合、雄継手40と雌継手42との嵌合面60、62間に
空隙65が形成され、この空隙65内に荷重伝達用の充
填材70が充填されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、嵌合により接合を
行う覆工ピース、覆工ピースの継手構造および覆工ピー
スの接合方法に関する。
【0002】
【背景技術および発明が解決しようとする課題】一般
に、シールド工法においては、シールド掘進機による所
定距離の地山の掘削ごとに覆工ピースを組み立てて覆工
リングを形成し、この覆工リングをトンネルの軸方向に
連結して覆工を形成しながら掘進するようにしている。
【0003】また、このようなシールド工法では、複数
のシールドトンネルを所定の地山を囲むように所定の間
隔をおいて掘削して覆工を形成した後、並行するそれら
の覆工を互いに接続し、内部にコンクリートを打設して
本設外壁を形成し、この本設外壁内の地山を掘削して大
規模な地下空間を形成することが行われている。
【0004】このような工法においては、その大規模な
地下空間を覆う本設外壁の一辺の長さは非常に大きくな
り、その本設外壁にかかる曲げモーメントも非常に大き
なものとなる。
【0005】特に、断面が矩形の場合には、本設外壁に
かかる曲げモーメントがより大きくなり、さらに大きな
強度が必要とされる。
【0006】ところで、通常、シールド工法において覆
工を形成する場合、それぞれの覆工ピースの端部に設け
た継手板を互いにボルトにて締結することによって、相
互に接合されている。
【0007】そして、前述のような複数の覆工を接続し
て大断面の地下空間を構築する場合、本設外壁にかかる
曲げモーメントに応じた本数のボルトを用いて継手板同
士を連結するようにしている。
【0008】しかし、このように本設外壁にかかる曲げ
モーメントに応じた本数のボルトを用いて継手板同士を
連結すると、地下空間の断面が大きくなるにしたがっ
て、ボルトの本数が増加することとなり、ボルトの締結
に時間がかかって施工性が悪くなる。
【0009】また、このような継手構造では、継手板を
介して主桁同士を接合するため、継手板やボルト等の継
手部の剛性に限界がある。
【0010】このため特開平11−2098号公報に示
されるような継手構造が提案されている。
【0011】この継手構造は、一方の覆工ピースの主桁
に取り付けられた雄継手と、他方の覆工ピースに取り付
けられた雌継手とを嵌合することにより、継手強度が高
く、しかも、施工能率が高いものとしている。
【0012】しかし、このような継手構造にあっては、
覆工ピースの製作精度や現場での施工誤差等によって、
雄継手と雌継手とを確実に面接触させるのが困難であ
り、場合によっては嵌合させることができない場合もあ
る。
【0013】特に、雄継手及び雌継手の形状が複雑にな
ると、寸法精度が低くなり、嵌合不良状態が生じやすく
なるものである。
【0014】このような問題は、雌継手同士を雄形状の
連結継手部材で連結する場合にも同様に生じるものであ
る。
【0015】本発明の目的は、覆工ピースの製作精度や
現場での施工誤差に拘わりなく、雄継手または連結継手
部材と雌継手を確実に嵌合可能にして、十分な継手強度
を維持しつつ、施工能率を高めることのできる覆工ピー
ス、覆工ピースの継手構造及び覆工ピースの接合方法を
提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明に係る覆工ピースは、複数の
主桁とこれら主桁同土をつないで掛け渡されたスキンプ
レートとを含み、複数接続されてトンネルの覆工リング
を形成する覆工ピースであって、前記主桁の一方の端部
に取り付けられた雄継手と、前記主桁の他方の端部に取
り付けられた雌継手とを有し、前記雄継手及び雌継手は
隣接する覆工ピースの雌継手及び雄継手との嵌合面間に
空隙を有して嵌合可能にされていることを特徴とする。
【0017】本発明によれば、隣接する覆工ピースの雌
継手及び雄継手との嵌合面間に形成された空隙によっ
て、覆工ピースの製作精度や現場での施工誤差を吸収し
て雄継手及び雌継手を確実に嵌合させることができ、こ
の空隙を後で埋めることにより、十分な継手強度を維持
しつつ、施工能率を高めることができる。
【0018】請求項2に記載の発明に係る覆工ピース
は、複数の主桁とこれら主桁同土をつないで掛け渡され
たスキンプレートとを含み、複数接続されてトンネルの
覆工リングを形成する覆工ピースであって、前記主桁の
両端部にそれぞれ取り付けられた雌継手を有し、隣接す
る覆工ピースの雌継手は、嵌合面間に空隙を有して雄継
手形状の連結継手部材により嵌合可能にされていること
を特徴とする。
【0019】本発明によれば、隣接する覆工ピースのそ
れぞれの雌継手と連結継手部材との嵌合面間に形成され
た空隙によって、覆工ピースの製作精度や現場での施工
誤差を吸収して連結継手部材及び雌継手を確実に嵌合さ
せることができ、この空隙を後で埋めることにより、十
分な継手強度を維持しつつ、施工能率を高めることがで
きる。
【0020】請求項3記載の発明は、請求項1または2
において、前記主桁の端面間には、端面板が配設され、
前記端面板の隣接する覆工ピースの端面板との対向面及
び前記雄継手または雌継手に、トンネルの軸方向にわた
って、シール用凹部が連続形成され、前記シール用凹部
内にシール材が配設されることを特徴とする。
【0021】本発明によれば、雄継手または連結継手板
と雌継手の嵌合によって端面板及び雄継手または雌継手
に配設されたシール材が圧着されることで容易かつ確実
にシールができることとなる。
【0022】請求項4記載の発明は、請求項1または2
において、前記主桁の端面間には、端面板が配設され、
前記端面板の主桁側には、前記主桁間にわたる補強プレ
ートが少なくとも前記スキンプレートに沿って配設さ
れ、前記スキンプレートは、周方向の一端部が前記補強
プレートを露出させる長さとされ、他端部が前記補強プ
レートの露出長さに相当する長さで前記端面板より突出
され、前記スキンプレートの突出部分の前記補強プレー
トとの対向面に、トンネルの軸方向にわたって、シール
用凹部が形成され、前記シール用凹部内にシール材が配
設されることを特徴とする。
【0023】本発明によれば、補強プレートにより接合
部分を補強し、突出側のスキンプレートを補強プレート
と重合させることで、接合部分への曲げ荷重に対して十
分な強度を持たせることができ、しかも、スキンプレー
トに配設したシール材により接合部分のシールを同時に
行うことができる。
【0024】請求項5記載の覆工ピースの継手構造は、
互いに隣接する一方の覆工ピースの主桁に取り付けられ
た雄継手と、他方の覆工ピースの主桁に取り付けられた
雌継手とを嵌合して覆工ピース同士を接合する覆工ピー
スの継手構造であって、前記雄継手と雌継手との嵌合面
間に空隙を有し、前記空隙内に荷重伝達用の充填材が充
填されていることを特徴とする。
【0025】本発明によれば、雄継手と雌継手との嵌合
面間の空隙により、覆工ピースの製作精度や現場での施
工誤差に拘わりなく、雄継手及び雌継手を確実に嵌合す
ることができ、しかも、空隙内に荷重伝達用の充填材を
充填することにより、直接主桁に荷重を伝達して、十分
な継手強度を維持することができ、さらには、施工能率
を高めることができる。
【0026】請求項6記載の発明は、互いに隣接する覆
工ピースのそれぞれの主桁に取り付けられた雌継手同士
を雄形状の連結継手部材により嵌合して覆工ピース同士
を接合する覆工ピースの継手構造であって、前記連結継
手部材と前記雌継手との嵌合面間に空隙を有し、前記空
隙内に荷重伝達用の充填材が充填されていることを特徴
とする。
【0027】本発明によれば、連結継手部材と雌継手と
の嵌合面間の空隙により、覆工ピースの製作精度や現場
での施工誤差に拘わりなく、連結継手部材及び雌継手を
確実に嵌合することができ、しかも、空隙内に荷重伝達
用の充填材を充填することにより、直接主桁に荷重を伝
達して、十分な継手強度を維持することができ、さらに
は、施工能率を高めることができる。
【0028】請求項7記載の発明は、請求項5または6
において、前記充填材は、前記空隙内に挿入された袋体
内に充填されていることを特徴とする。
【0029】本発明によれば、雄継手または連結継手部
材と雌継手との組付け時に袋体を空隙内に挿入しておく
ことで、後に充填材を充填する際に容易かつ確実な充填
を行うことができる。
【0030】請求項8記載の覆工ピースの接合方法は、
互いに隣接する一方の覆工ピースの主桁端部に取り付け
られた雄継手と、他方の覆工ピースの主桁端部に取り付
けられた雌継手とを嵌合して覆工ピース同士を接合する
覆工ピースの接合方法であって、前記雄継手と雌継手と
の嵌合面間に空隙を有する状態で、前記雄継手と前記雌
継手とを嵌合する工程と、前記空隙内に荷重伝達用の充
填材を充填する工程と、を含むことを特徴とする。
【0031】本発明によれば、雄継手と雌継手とを嵌合
する際に嵌合面間に空隙を有するため、覆工ピースの製
作精度や現場での施工誤差に拘わりなく、雄継手及び雌
継手を確実に嵌合することができる。
【0032】また、空隙内に荷重伝達用の充填材を充填
することにより、直接主桁に荷重を伝達して、十分な継
手強度を維持しつつ、施工能率を高めることができる。
【0033】請求項9記載の覆工ピースの接合方法は、
互いに隣接する覆工ピースのそれぞれの主桁端部に取り
付けられた雌継手同士を雄形状の連結継手部材により嵌
合して覆工ピース同士を接合する覆工ピースの接合方法
であって、前記連結継手部材と前記雌継手との嵌合面間
に空隙を有する状態で、前記連結継手部材と前記雌継手
とを嵌合する工程と、前記空隙内に荷重伝達用の充填材
を充填する工程と、を含むことを特徴とする。
【0034】本発明によれば、連結継手部材と雌継手と
を嵌合する際に嵌合面間に空隙を有するため、覆工ピー
スの製作精度や現場での施工誤差に拘わりなく、連結継
手部材及び雌継手を確実に嵌合することができる。
【0035】また、空隙内に荷重伝達用の充填材を充填
することにより、直接主桁に荷重を伝達して、十分な継
手強度を維持しつつ、施工能率を高めることができる。
【0036】請求項10記載の発明は、請求項8または
9において、前記雄継手または連結継手部材と前記雌継
手とを嵌合した後、各覆工ピースの主桁の端面間にわた
って配設された端面板同士を接合する工程を含むことを
特徴とする。
【0037】本発明によれば、端面板同士を接合するこ
とで、雄継手または連結継手部材と雌継手が空隙を有す
る状態で覆工ピースの仮接合状態を維持することがで
き、その後充填材を空隙に充填することで、確実な接合
状態とすることができる。
【0038】この場合、仮接合状態は、少ない本数のボ
ルトを用いるか、あるいは、くさび等による簡易接合と
することも可能である。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照して詳細に説明する。
【0040】図1〜図8は、本発明の一実施の形態を示
す図である。
【0041】図8は、大断面のほぼ方形状の地下空間を
示す図で、この大断面の地下空間10は、複数のほぼ方
形状のシールドトンネルの覆工12を連結して形成した
本設外壁14によって囲まれた状態となっている。
【0042】すなわち、この複数の覆工12は、形成す
る地下空間10の輪郭に沿って複数、所定の地山を囲む
ように所定間隔をおいて形成されている。
【0043】また、各覆工12は、相互間の地山を掘削
して相互に連結されている。
【0044】さらに、各覆工12内及び相互間の地山の
掘削部分に適宜鉄筋等を配設してコンクリートを打設す
ることで、本設外壁14が形成されている。
【0045】そしてさらに、これら複数の覆工12によ
って囲まれた地山を掘削して、大規模な地下空間10が
形成されている。
【0046】また、本設外壁14の内面には、化粧壁1
6が施されている。
【0047】図7は、図8に示した各覆工12を形成す
る覆工リングを示している。
【0048】この覆工リング18は、例えば、隅角部2
0を有する4つのL字状の覆工ピース22a、22b
と、これら覆工ピース22a、22b間に配置される6
つの直線状の覆工ピース24a、24bとを接合して方
形状に形成されている。
【0049】また、この覆工リング18は、リング間ボ
ルト26によってトンネルの軸方向に連結されるように
なっている。
【0050】なお、覆工リング18内には複数の支柱2
5が配設されるようになっている。
【0051】また、覆工ピース22bと覆工ピース24
bとの継手部28は、覆工ピース24bが最後に組み立
てられるものであるため、内方に向かって開くテーパ状
に形成されると共にボルト・ナットにより接合されるよ
うになっており、他の継手部30は嵌合式の接合が行わ
れるようになっている。
【0052】図1及び図2は、図7に示された覆工ピー
スの内、代表例として直線状の覆工ピース24aを示し
ている。
【0053】なお、覆工ピース22aは主桁32の形状
がL字状である点、覆工ピース22bは主桁32の形状
がL字状でかつ継手部28がテーパ状でボルト・ナット
接合である点、覆工ピース24bは継手部28がテーパ
状でボルト・ナット接合である点で相違するだけである
ため、以下では、覆工ピース22a、22b、24bに
ついての説明は省略する。
【0054】図1は、覆工ピース24aを内部側から見
た平面図で、図2(1)はその左側面図、同図(2)は
右側面図を示している。
【0055】覆工ピース24aは、鋼製のもので、主桁
34と、縦リブ38と、雄継手40と、雌継手42と、
端面板44と、スキンプレート46とを有している。
【0056】主桁34は、トンネルの軸方向で所定間隔
をおいて3本平行に配置されている。
【0057】また、中央の主桁34はH型鋼で形成さ
れ、両側の主桁34はそれぞれチャンネル型鋼で形成さ
れている。
【0058】これら主桁34は、I型鋼、L型鋼あるい
は平型鋼とすることも可能である。
【0059】縦リブ38は、アングル型鋼で形成され、
各主桁34間で複数周方向にわたり複数配設されてい
る。
【0060】雄継手40は、3本の主桁34の一端部
(図1の左端部)にそれぞれ取り付けられるもので、図
3に示すように、主桁34に溶着等により固定されるベ
ース部48と、このベース部48より突出する括れ部5
0と、この括れ部50の先端に設けられた膨出部52と
を有する。
【0061】また、ベース部48の両側部には、雌継手
42の開きを防止するための開き止め部54が突出形成
されている。
【0062】さらに、両側の雄継手40は、若干小さ
く、中央の雄継手40は若干大きく形成されている。
【0063】雌継手42は、3本の主桁34の他端部
(図1の右端部)にそれぞれ取り付けられるもので、図
3に示すように、主桁34に溶着等により固定されるブ
ロック部56と、このブロック部56内に形成された雄
継手40にほぼ対応した形状の収容凹部58とを有して
いる。
【0064】また、雄継手40と同様に、両側の雌継手
42は、若干小さく、中央の雌継手42は若干大きく形
成されている。
【0065】これら雄継手40及び雌継手42は、形状
が複雑であるため、鋳鋼製とすることで比較的容易に製
造することができるが、ブロック状の鋼塊を削り出して
製造するようにしても良い。
【0066】これら雄継手40及び雌継手42は、図4
に示すように、隣接する覆工ピースの雄継手40及び雌
継手42の嵌合面60、62間に空隙65を有して嵌合
可能にされている。
【0067】このようにすることで、覆工ピースの製作
精度誤差や施工誤差等があっても、この空隙65により
吸収して、確実に組み付け可能にしている。
【0068】また、空隙65内には、合成樹脂系の硬化
材、早強モルタル、急硬性コンクリート、レジンコンク
リート等の早強性を有する荷重伝達用の充填材70が充
填されるようになっている。
【0069】このように、雄継手40及び雌継手42の
空隙65内に充填材70を充填することで、組付け時に
空隙65を有しているにもかかわらず、雄継手40及び
雌継手42間の荷重伝達が確実に行われ、しかも、雄継
手40及び雌継手42は主桁34に直接固定されている
ため、主桁34に対して確実に荷重伝達を行うことがで
き強固な継手構造が得られることとなる。
【0070】端面板44は、図1に示すように、雄継手
40及び雌継手42の周方向両端位置に各雄継手40及
び雌継手42に跨って配設され、各主桁34の端部間を
接続するようになっている。
【0071】また、各端面板44には、図2(1)、
(2)に示すように、2つのボルト孔64が形成され、
このボルト孔64を用いて隣接する覆工ピース24aの
端面板44同士をボルト止めするようにしている。
【0072】さらに、図2(1)に示すように、雄継手
40側の端面板44及び雄継手40の対向する端面板4
4との対向面には、ボルト孔64よりも外側の位置にト
ンネルの軸方向にわたってシール用凹部66、68が連
続形成され、このシール用凹部66、68内に膨潤ゴム
等からなるシール材(図示せず)が配設され、端面板4
4間のシールがなされるようになっている。
【0073】スキンプレート46は、主桁34、縦リブ
38、雄継手40、雌継手42、端面板44等にて形成
されたフレーム状の外表面を覆って取り付けられてい
る。
【0074】次に、このような覆工ピースの接合方法に
ついて説明する。
【0075】まず、図示せぬ比較的小型の矩形のシール
ド掘進機を用いて、形成しようとする大断面の地下空間
10の外周部の地山をほぼ方形状に掘削する。
【0076】この場合、シールド掘進機にて、例えば覆
工リング18の1リング分の地山の掘削を行っって1リ
ング分前進した段階で、掘削を停止し、シールド掘進機
に設置したエレクタを用いて1リング分の覆工リング1
8を組み立てる。
【0077】この覆工リング28の組み立てに際して
は、隣接する各覆工ピース22a、22b、24aの端
部に配設した雄継手40及び雌継手42を嵌合状態に組
み合わせて、雄継手40及び雌継手42間に空隙65を
有する状態で端面板44同士を当接させボルト孔64を
用い、ボルトにて接合する。
【0078】この場合、雄継手40及び雌継手42間の
空隙65により、雄継手40及び雌継手42の誤差は吸
収され、確実に組み合わせ状態が得られる。
【0079】また、端面板44を接合するボルトの本数
は、単体のトンネルに必要な継手強度に見合う本数とな
るため、締結作業が容易で、作業性がよく、次の掘削に
かかるまでの時間を短縮して、工期短縮が可能となる。
【0080】次に、この端面板44同士をボルト接合し
た後、雄継手40及び雌継手42間の空隙65内に、早
強性を有する荷重伝達用の充填材70を充填して硬化さ
せる。
【0081】この充填材70の充填によって、雄継手4
0及び雌継手42は確実に荷重伝達可能な状態となり、
大断面の地下空間10の本設外壁14に必要な継手強度
を有することとなり、しかも、主桁32、34が直接接
合された状態となるため、十分な強度を有することとな
る。
【0082】また、この場合、雄継手40及び雌継手4
2間の空隙65内に直ちに充填材70を充填せずに、図
6に示すように、空隙65内に内部に水等の液体を注入
した薄い袋体72を挿入し、ゴミ等が空隙内には入り込
まないようにしておき、トンネル同士の連結前に袋体7
2内の液体と充填材70とを置換して、袋体72内に充
填材70を充填するようにしてもよい。
【0083】このように、後に充填材70を充填する場
合には、端面板44の内側で主桁32、34の端部間に
わたる補強プレート74をスキンプレート46に沿って
配設し、一方のスキンプレート46の周方向の長さを補
強プレート74の一部を露出させる長さとし、他方のス
キンプレート46の周方向の長さを補強プレート74の
露出長さに相当する長さで端面板44より突出させてお
く。
【0084】そして、このスキンプレート46の突出部
分の補強プレート74との対向面にトンネルの軸方向に
わたってシール用凹部76を形成し、このシール用凹部
76内にシール材を配設して空隙65部分をシールでき
るようにしておくとよい。
【0085】次いで、覆工ピース22b間に覆工ピース
24bを組み込み、継手部28をボルト接合のみで接合
することにより、1リング分の覆工リング18の組み立
てが終了する。
【0086】この場合のボルトの本数は、トンネル単体
に必要な継手強度に見合う本数とされる。
【0087】このようにして、掘削を繰り返し、覆工リ
ング18をトンネルの軸方向に順次連続形成してトンネ
ル単体の覆工12を形成する。
【0088】次いで、地下空間10の外周部において、
形成したトンネル単体の覆工12と所定距離を置いて、
順次トンネル単体の覆工12を隣接させて形成し、地下
空間10の外周部を複数のトンネル単体の覆工12で囲
むようにする。
【0089】次に、地下空間10の外周部を囲む複数の
覆工12同士を連結する。
【0090】この場合、各覆工12の相互間の地山に薬
液注入して地盤改良すると共に、図示せぬ山留め板を隣
接する覆工12間に差し渡し、対応位置の覆工ピースの
一部を除去して、山留め板で囲まれた覆工12相互間の
地山を掘削する。
【0091】そして、覆工12相互間を鋼材で連結した
り、鉄筋を配設した後、コンクリートを打設し、連結し
て本設内壁14を形成する。
【0092】その後、これら複数の覆工12によって囲
まれた地山を掘削して、大断面の地下空間10を形成す
る。
【0093】この地下空間10を形成した状態で、各覆
工12が十分な継手強度を有しているため、本設外壁1
4に大きな曲げモーメントがかかっても十分に耐え得る
こととなる。
【0094】そして、この地下空間10の外周、すなわ
ち本設外壁14の内面に化粧壁16を形成するようにし
ている。
【0095】図9には、他の実施の形態に係る覆工ピー
スの継手構造を示す。
【0096】この実施の形態では、隣接する各覆工ピー
ス24a、22aの各主桁34の対向端部にそれぞれ取
り付けられた雌継手104と、各雌継手104同士を接
合する連結継手部材106とを有している。
【0097】雌継手104は、各主桁34に溶着等によ
り固定されるブロック部108と、このブロック部10
8内に形成された連結継手部材106用の収容凹部11
0とを有している。
【0098】連結継手部材106は、連結部112の両
端に膨出形成された雄継手114を有し、この雄継手1
14を各雌継手104の収容凹部110内に嵌合可能に
している。
【0099】これら雌継手104及び雄継手114は、
各嵌合面116、118間に空隙120を有して嵌合可
能にされている。
【0100】このようにすることで、覆工ピースの製作
精度誤差や施工誤差等があっても、この空隙120によ
り吸収して、確実に組み付け可能にしている。
【0101】また、空隙120内には、合成樹脂系の硬
化材、早強モルタル、急硬性コンクリート、レジンコン
クリート等の早強性を有する荷重伝達用の充填材122
が充填されるようになっている。
【0102】このように、雌継手104及び雄継手11
4の空隙120内に充填材122を充填することで、組
付け時に空隙120を有しているにもかかわらず、雌継
手104及び雄継手114間の荷重伝達が確実に行わ
れ、しかも、雌継手104及び雄継手114は主桁38
に直接固定されているため、主桁38に対して確実に荷
重伝達を行うことができ強固な継手構造が得られること
となる。
【0103】また、このような構成とすることによっ
て、ボルト接合を省略して、施工を容易に行うことが可
能となる。
【0104】なお、組付け時の位置ずれを防止するた
め、あるいはトンネル単体形成時の曲げ応力に耐え得る
程度のボルト接合を行うことも可能である。
【0105】また、各雌継手104間には、端面板12
4が配設されるようになっている。
【0106】他の構成及び作用は、前記実施の形態と同
様につき説明を省略する。
【0107】本発明は、前記実施の形態に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の形態
に変形可能である。
【0108】たとえば、前記実施の形態では、ほぼ方形
状の覆工を連結して略方形状の地下空間を形成するよう
にしているが、円形の覆工を連結してほぼ方形状の地下
空間を形成する場合にも有効である。
【0109】また、覆工ピースは3本の主桁を有する場
合を示したが、2本あるいは4本以上の主桁とすること
は適宜選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる覆工ピースの平
面図である。
【図2】(1)は図1の左側面図、(2)は図1の右側
面図である。
【図3】図1及び図2の覆工ピースの継手の状態を示す
部分拡大図である。
【図4】図3の継手の嵌合状態を示す平面図である。
【図5】覆工ピースのシール部分の変形例を示す断面図
である。
【図6】継手の空隙部に袋体を挿入した変形例を示す断
面図である。
【図7】本実施の形態における覆工リングを示す正面図
である。
【図8】複数の覆工により大断面の地下空間を形成した
状態を示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係る覆工ピースの継
手構造を示す平面視の部分断面図である。
【符号の説明】
12 覆工 18 覆工リング 22a、22b、24a、24b 覆工ピース 28、30 継手部 32、34 主桁 40 雄継手 42 雌継手 44 端面板 46 スキンプレート 60、62 嵌合面 65 空隙 66、68、76 シール用凹部 70 充填材 72 袋体 74 補強プレート 106 連結継手部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松下 清一 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田建 設株式会社内 (72)発明者 谷口 徹 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田建 設株式会社内 (72)発明者 元木 実 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田建 設株式会社内 (72)発明者 土田 克美 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田建 設株式会社内 (72)発明者 高橋 潤 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田建 設株式会社内 (72)発明者 片山 英治 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社内 (72)発明者 塩田 啓介 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社内 (72)発明者 末田 明 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社内 Fターム(参考) 2D055 BA01 BB03 GC04 GC08 KA03 KA04 KB11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の主桁とこれら主桁同土をつないで
    掛け渡されたスキンプレートとを含み、複数接続されて
    トンネルの覆工リングを形成する覆工ピースであって、 前記主桁の一方の端部に取り付けられた雄継手と、 前記主桁の他方の端部に取り付けられた雌継手とを有
    し、 前記雄継手及び雌継手は隣接する覆工ピースの雌継手及
    び雄継手との嵌合面間に空隙を有して嵌合可能にされて
    いることを特徴とする覆工ピース。
  2. 【請求項2】 複数の主桁とこれら主桁同土をつないで
    掛け渡されたスキンプレートとを含み、複数接続されて
    トンネルの覆工リングを形成する覆工ピースであって、 前記主桁の両端部にそれぞれ取り付けられた雌継手を有
    し、 隣接する覆工ピースの雌継手は、嵌合面間に空隙を有し
    て雄継手形状の連結継手部材により嵌合可能にされてい
    ることを特徴とする覆工ピース。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記主桁の端面間には、端面板が配設され、 前記端面板の隣接する覆工ピースの端面板との対向面及
    び前記雄継手または雌継手に、トンネルの軸方向にわた
    って、シール用凹部が連続形成され、 前記シール用凹部内にシール材が配設されることを特徴
    とする覆工ピース。
  4. 【請求項4】 請求項1または2において、 前記主桁の端面間には、端面板が配設され、 前記端面板の主桁側には、前記主桁間にわたる補強プレ
    ートが少なくとも前記スキンプレートに沿って配設さ
    れ、 前記スキンプレートは、周方向の一端部が前記補強プレ
    ートを露出させる長さとされ、他端部が前記補強プレー
    トの露出長さに相当する長さで前記端面板より突出さ
    れ、 前記スキンプレートの突出部分の前記補強プレートとの
    対向面に、トンネルの軸方向にわたって、シール用凹部
    が形成され、 前記シール用凹部内にシール材が配設されることを特徴
    とする覆工ピース。
  5. 【請求項5】 互いに隣接する一方の覆工ピースの主桁
    に取り付けられた雄継手と、他方の覆工ピースの主桁に
    取り付けられた雌継手とを嵌合して覆工ピース同士を接
    合する覆工ピースの継手構造であって、 前記雄継手と雌継手との嵌合面間に空隙を有し、 前記空隙内に荷重伝達用の充填材が充填されていること
    を特徴とする覆工ピースの継手構造。
  6. 【請求項6】 互いに隣接する覆工ピースのそれぞれの
    主桁に取り付けられた雌継手同士を雄形状の連結継手部
    材により嵌合して覆工ピース同士を接合する覆工ピース
    の継手構造であって、 前記連結継手部材と前記雌継手との嵌合面間に空隙を有
    し、 前記空隙内に荷重伝達用の充填材が充填されていること
    を特徴とする覆工ピースの継手構造。
  7. 【請求項7】 請求項5または6において、 前記充填材は、前記空隙内に挿入された袋体内に充填さ
    れていることを特徴とする覆工ピースの継手構造。
  8. 【請求項8】 互いに隣接する一方の覆工ピースの主桁
    端部に取り付けられた雄継手と、他方の覆工ピースの主
    桁端部に取り付けられた雌継手とを嵌合して覆工ピース
    同士を接合する覆工ピースの接合方法であって、 前記雄継手と雌継手との嵌合面間に空隙を有する状態
    で、前記雄継手と前記雌継手とを嵌合する工程と、 前記空隙内に荷重伝達用の充填材を充填する工程と、 を含むことを特徴とする覆工ピースの接合方法。
  9. 【請求項9】 互いに隣接する覆工ピースのそれぞれの
    主桁端部に取り付けられた雌継手同士を雄形状の連結継
    手部材により嵌合して覆工ピース同士を接合する覆工ピ
    ースの接合方法であって、 前記連結継手部材と前記雌継手との嵌合面間に空隙を有
    する状態で、前記連結継手部材と前記雌継手とを嵌合す
    る工程と、 前記空隙内に荷重伝達用の充填材を充填する工程と、 を含むことを特徴とする覆工ピースの接合方法。
  10. 【請求項10】 請求項8または9において、 前記雄継手または連結継手部材と前記雌継手とを嵌合し
    た後、各覆工ピースの主桁の端面間にわたって配設され
    た端面板同士を接合する工程を含むことを特徴とする覆
    工ピースの接合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017082550A (ja) * 2015-10-30 2017-05-18 大成建設株式会社 地下構造物の構築方法、地下構造物および継手構造
JP2021152314A (ja) * 2020-03-25 2021-09-30 メトロ開発株式会社 セグメント継手及びセグメント

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JP7326199B2 (ja) 2020-03-25 2023-08-15 メトロ開発株式会社 セグメント継手及びセグメント

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