以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品実装システムの仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図2、及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸方向として、基板搬送方向のX方向(図2における左右方向)、基板搬送方向に直交するY方向(図2における前後方向)が示される。図3、及び後述する一部では、水平面と直交する高さ方向としてZ方向が示される。Z方向は、部品実装システムが水平面上に設置された場合の上下方向または直交方向である。
まず図1を参照して部品実装システムについて説明する。図1において部品実装システム1は、印刷装置M1、部品実装装置M2〜M4、リフロー装置M5の各装置を連結して通信ネットワーク2によって接続し、全体を管理コンピュータ3によって制御される構成となっている。部品実装システム1は、基板に部品を実装して実装基板を製造する機能を有する。
印刷装置M1は、基板に形成された部品接合用の電極にペースト状の半田をスクリーン印刷する。部品実装装置M2〜M4は、部品供給部に配列されたテープフィーダなどのパーツフィーダから実装ヘッドによって部品を取り出して基板に移送搭載する部品実装作業を行う。この後、部品実装後の基板はリフロー装置M5に送られ、基板に実装された部品を基板に半田接合することにより実装基板が製造される。
次に図2、図3を参照して、部品実装装置M2〜M4の構成を説明する。図3は、図2におけるA−A断面を部分的に示している。部品実装装置M2〜M4は、部品供給手段から供給された部品を基板に実装する機能を有する。図2において基台4の中央にはX方向に基板搬送機構5が配設されている。基板搬送機構5は上流側から搬入された基板6を搬送し、部品実装作業を実行するために設定された実装ステージに位置決めして保持する。基板搬送機構5の両側方には、部品供給部7が配置されており、それぞれの部品供給部7には複数のテープフィーダ8が並列に装着されている。テープフィーダ8は、部品を収納したキャリアテープをテープ送り方向にピッチ送りすることにより、以下に説明する部品実装機構の実装ヘッドによる部品取り出し位置に部品を供給する。
基台4上面においてX方向の一方側の端部には、リニア駆動機構を備えたY軸移動テーブル9が配設されている。Y軸移動テーブル9には、同様にリニア駆動機構を備えた2基のX軸移動テーブル10が、Y方向に移動自在に結合されている。2基のX軸移動テーブル10には、それぞれ実装ヘッド11がX方向に移動自在に装着されている。実装ヘッド11は複数の保持ヘッド11aを備えた多連型実装ヘッドであり、それぞれの保持ヘッド11aの下端部には、図3に示すように、部品を吸着して保持し個別に昇降可能な吸着ノズル11bが装着されている。
Y軸移動テーブル9、X軸移動テーブル10を駆動することにより、実装ヘッド11はX方向、Y方向に移動する。これにより2つの実装ヘッド11は、それぞれ対応した部品供給部7に配置されたテープフィーダ8の部品取り出し位置から部品を吸着ノズル11bによって吸着保持して取り出して、基板搬送機構5に位置決めされた基板6の実装点に移送搭載する。Y軸移動テーブル9、X軸移動テーブル10および実装ヘッド11は、部品を保持した実装ヘッド11を移動させることにより、部品を基板6に移送搭載する部品実装機構12を構成する。
部品供給部7と基板搬送機構5との間には、部品認識カメラ13が配設されている。部品供給部7から部品を取り出した実装ヘッド11が部品認識カメラ13の上方を移動する際に、部品認識カメラ13は実装ヘッド11に保持された状態の部品を撮像して部品の保持姿勢を認識する。X軸移動テーブル10の下面には、それぞれ実装ヘッド11と一体的に移動する基板認識カメラ14が装着されている。
実装ヘッド11が移動することにより、基板認識カメラ14は基板搬送機構5に位置決めされた基板6の上方に移動し、基板6を撮像して基板6の状態を認識する。実装ヘッド11による基板6への部品実装動作においては、部品認識カメラ13による部品の認識結果と、基板認識カメラ14による基板認識結果とを加味して搭載位置補正が行われる。
図3に示すように、部品供給部7にはフィーダベース15aに予め複数のテープフィーダ8が装着された状態の台車15がセットされる。フィーダベース15aには、個々のテープフィーダ8が装着されたフィーダ位置を特定するためのフィーダアドレスが設定されており、部品実装作業においては、これらのフィーダアドレスを介して、フィーダベース15aにおける各テープフィーダ8が特定される。
基台4に対して、フィーダベース15aをクランプ機構(図示省略)によってクランプすることにより、部品供給部7において台車15の位置が固定される。台車15には、部品を保持したキャリアテープ16を巻回状態で収納する供給リール17が保持されている。供給リール17から引き出されたキャリアテープ16は、テープフィーダ8によって吸着ノズル11bによる部品取り出し位置までピッチ送りされる。
各供給リール17にはバーコードラベルL(識別情報)が予め貼付されており、部品補給作業の際、バーコードリーダRによってバーコードラベルLが読み取られる。読取り結果は無線受信装置51を介して管理コンピュータ3に送信され、さらに管理コンピュータ3から部品実装装置M2〜M4、部品実装装置M2〜M4からテープフィーダ8に伝達される(図6参照)。このようにバーコードリーダRは、キャリアテープ16を巻回収納するリールに付された識別情報を読み取る読み取り手段となる。
次に図4を参照して、テープフィーダ8の構成および機能を説明する。テープフィーダ8(部品供給装置)は、部品を収納してカバーテープで覆ったキャリアテープ16を部品取り出し位置まで搬送して収納された部品を部品実装装置M2〜M4に供給する機能を有している。図4に示すように、テープフィーダ8は、本体部8aおよび本体部8aの下面から下方に凸設された装着部8bを備えた構成となっている。本体部8aの下面をフィーダベース15aに沿わせてテープフィーダ8を装着した状態では、テープフィーダ8は部品供給部7に固定装着されるとともに、テープフィーダ8におけるテープ送りを制御するために内蔵されたフィーダ制御部21は、部品実装装置M2〜M4の装置制御部22と電気的に接続される。
本体部8aの内部には、供給リール17から引き出されて本体部8a内に取り込まれたキャリアテープ16を案内するテープ搬送路8cが設けられている。テープ搬送路8cは、本体部8aにおいてテープ送り方向の上流端部に開口したキャリアテープ16が挿入される挿入口8dから、実装ヘッド11によって部品を取り出す部品取り出し位置より下流側に開口した排出口8eまで連通して設けられている。すなわち、本体部8aには、キャリアテープ16を挿入する挿入口8dからキャリアテープ16を排出する排出口8eまでキャリアテープ16を案内するテープ搬送路8c(搬送路)が設けられている。部品実装作業を継続して実行する過程において、複数のキャリアテープ16が挿入口8dから順次挿入されてテープフィーダ8に補給される。
本実施の形態に示すテープフィーダ8は、相前後して送られる2つのキャリアテープ16を、それぞれが分離された状態のまま挿入口8dに順次挿入して供給するスプライシングレス方式(自動ローディング方式)を採用している。そのため、テープフィーダ8に既装着で実装ヘッド11による部品取り出しの対象となるキャリアテープ16(1)(以下、「先行テープ16(1)」と略記する)の末尾端部Eと、部品切れに際して新たに追加して装着されるキャリアテープ16(2)(以下、「後続テープ16(2)」と略記する)の先頭端部Tとを接合テープによって継ぎ合わせる必要はない。
挿入口8dには、追加して装着される後続テープ16(2)が係合するスプロケット24Cが設けられている。スプロケット24Cは内蔵するワンウェイクラッチ機構25が後続テープ16(2)のテープ送り方向を規制することにより、後続テープ16(2)の脱落を防止する機能を有する。スプロケット24Cの下流側には、シャッタ機構30が配置されている。シャッタ機構30は、本体部8aを構成するフレーム部8fに固着されたガイド部材31に対して、シャッタ駆動部材32のシャッタ32a(図5参照)を上下動させることにより、挿入口8dから挿入されたキャリアテープ16が下流側のテープ搬送路8cへ進入することを許容・禁止する機能を有している。
図4において、テープ搬送路8cにおける下流側、上流側には、先行テープ16(1)、後続テープ16(2)をテープ送りするための第1のテープ送り機構23A、第2のテープ送り機構23Bが配設されている。上流側に設けられた第2のテープ送り機構23Bは、新たに装着される後続テープ16(2)を挿入口8d側から第1のテープ送り機構23A側に連続的にテープ送りする機能を有しており、スプロケット24Bを第2のモータE2で回転駆動する構成となっている。スプロケット24Bには、回転検出手段としてのエンコーダ26が内蔵されおり、検出された回転検出信号はフィーダ制御部21に伝達される。
第2のテープ送り機構23Bの下方には、テープ押しつけ機構27およびテープストッパ機構28が配設されている。挿入口8dより挿入された後続テープ16(2)は、テープ押しつけ機構27によってスプロケット24Bに対して押しつけられ、スプロケット24Bと係合して第2のテープ送り機構23Bによるテープ送りが可能な状態となる。テープストッパ機構28は、先行テープ16(1)は停止させずに下流側に通し、先行テープ16(1)が装着された状態で新たに挿入された後続テープ16(2)の先頭端部Tをストッパ部材28aによって一時的に停止させる機能を有している。
下流側に設けられた第1のテープ送り機構23Aは、先行テープ16(1)を所定の送りピッチで実装ヘッド11による部品取り出し位置にピッチ送りする機能を有しており、スプロケット24Aを第1のモータE1で回転駆動する構成となっている。第1のテープ送り機構23Aの上方には、先行テープ16(1)を上方から押さえるとともにカバーテープを剥離して先行テープ16(1)に収納された部品を露出させる機能を有する押さえ部材29が装着されている。
部品取り出し位置29aにピッチ送りされた部品は、押さえ部材29に形成された部品取り出し開口を介して実装ヘッド11の吸着ノズル11bによって真空吸着によりピックアップされる。このように、第1のテープ送り機構23Aと第2のテープ送り機構23Bは、キャリアテープ16を搬送し、収納された部品を部品取り出し位置29aに搬送するキャリアテープ搬送部となる。
図4において、テープ搬送路8cにおける第1のテープ送り機構23Aの上流側には、キャリアテープ16を検出するための第1の検出位置P1が設定されている。第2のテープ送り機構23Bの下流側であって第1の検出位置P1よりも上流側には、同様にキャリアテープ16を検出するための第2の検出位置P2が設定されている。第1の検出位置P1、第2の検出位置P2にそれぞれ配設された第1のセンサS1、第2のセンサS2は、第1の検出位置P1、第2の検出位置P2におけるキャリアテープ16(先行テープ16(1)、後続テープ16(2))の有無を検出する。
さらにテープストッパ機構28には、ストッパ部材28aに後続テープ16(2)が当接していることを検出する第3のセンサS3が配設されている。すなわち第3のセンサS3は、ストッパ部材28aの位置(第3の検出位置P3)における後続テープ16(2)の有無を検出する。このように、第1のセンサS1、第2のセンサS2、第3のセンサS3は、テープ搬送路8c(搬送路)においてキャリアテープ16の有無を検出する検出部となる。以下便宜上、第1のセンサS1、第2のセンサS2、第3のセンサS3を、単にそれぞれセンサS1、センサS2、センサS3と記載する。また、第1の検出位置P1、第2の検出位置P2、第3の検出位置P3を、単にそれぞれ検出位置P1、検出位置P2、検出位置P3と記載する。
センサS1、センサS2、センサS3による検出結果はフィーダ制御部21に伝達される。フィーダ制御部21は、これらの検出結果およびエンコーダ26による回転検出結果に基づいて、第1のテープ送り機構23A、第2のテープ送り機構23Bを制御する。これにより、テープフィーダ8における先行テープ16(1)、後続テープ16(2)のテープ搬送動作が所定の制御パターンに従って実行される。
図4において、テープフィーダ8の上流側の上面には、フィーダ制御部21に接続された操作・表示パネル40が配置されている。操作・表示パネル40には、第1のテープ送り機構23A、第2のテープ送り機構23Bによるテープ送り動作、テープ戻し動作を操作するための操作ボタン、シャッタ機構30におけるシャッタ開閉操作のための操作ボタン、テープフィーダ8の内蔵メモリへの部品IDを書き込むための入力ボタンなど、各種の操作ボタンが設けられている。さらに操作・表示パネル40には、予め設定された所定項目についての報知を行うための報知灯が設けられている。
次に図5を参照して、テープフィーダ8が備えるシャッタ機構30の構成および機能を説明する。図5(a)において、フレーム部8fには、挿入口8dから挿入されたキャリアテープ16が送られるテープ送り高さにガイド面31aを合わせて、ガイド部材31が固着されている。ガイド部材31のガイド面31aは、キャリアテープ16を下面側から支持してガイドすることが可能な形状に設定されている。
ガイド部材31の上方には、下流側の端部を軸支部33によって軸支されたれたシャッタ駆動部材32が略水平姿勢で配設されている。シャッタ駆動部材32の上流側の端部には、下方に屈曲したシャッタ32aが設けられており、シャッタ駆動部材32が軸支部33廻りに回動することにより、シャッタ32aの下端部はガイド面31aに接離自在となっている。
シャッタ駆動部材32の上方には、フィーダ制御部21によって励磁駆動されるソレノイド34が、駆動軸34aを下方に突出させた姿勢で配設されている。駆動軸34aは、上向きの駆動力を伝達可能な形態でシャッタ駆動部材32に結合されている。さらにシャッタ駆動部材32は、上面に配置されたバネ部材35によって下向き(矢印a)に付勢されている。図5(a)に示すソレノイド34が非励磁状態(非通電状態)では、ソレノイド34の駆動力はシャッタ駆動部材32には作用しない。したがってシャッタ機構30は、バネ部材35の付勢力によってシャッタ32aがガイド面31aに当接した閉状態となる。この状態では、挿入口8dから挿入されたキャリアテープ16は、ガイド面31aに当接したシャッタ32aによって、下流側への進入が禁止される。
図5(b)は、フィーダ制御部21によってソレノイド34を励磁駆動して、駆動軸34aを上方(矢印b)へ移動させた状態(通電状態)を示している。これによりシャッタ駆動部材32は上方へ変位し、シャッタ32aの下端部とガイド部材31のガイド面31aとの間には所定のクリアランスCが確保され、シャッタ機構30は開状態となる。この状態では挿入口8dから挿入されたキャリアテープ16は、クリアランスCを通過して下流側への進入が許容される。これにより、挿入口8dより先行テープ16(1)を挿入してテープ搬送路8cにテープ送りした状態において、さらにシャッタ32aとガイド面31aとのクリアランスCを介して後続テープ16(2)を重ねて挿入することができる。
図5(c)は、先行テープ16(1)が供給された状態のまま電源が断たれるなど非通電状態となった場合を示している。この場合には、ソレノイド34が非励磁状態であることから、シャッタ駆動部材32はバネ部材35によって押し下げられており(矢印c)、シャッタ32aは先行テープ16(1)の上面に当接している。このような状態において、後続テープ16(2)を挿入口8dより挿入しようとしても、後続テープ16(2)の挿入は閉状態であるシャッタ32aによって抑制される。
ソレノイド34は、部品実装装置M2〜M4からの指令、内部処理部による演算結果、作業者による操作・表示パネル40の操作などを受けたフィーダ制御部21によって、励磁状態、非励磁状態が制御される。このように、テープフィーダ8(部品供給装置)は、テープフィーダ8に開閉方向に駆動され、キャリアテープ16の挿入口8dへの挿入を閉状態で抑制し、開状態で許容するシャッタ32a(ゲート)を有するシャッタ機構30(シャッタ部)を有している。
次に、図6を参照して、部品実装システム1およびキャリアテープ16に収納された部品を部品実装装置M2〜M4に供給するテープフィーダ8(部品供給装置)を備える部品供給システムの制御系の構成を説明する。部品実装システム1は、テープフィーダ8と部品実装装置M2〜M4とを備えて構成される。図6(a)は部品実装システム1の全体構成を、図6(b)は部品実装装置M2〜M4の部品供給部7に複数装着されるテープフィーダ8の構成をそれぞれ示している。
図6(a)において、管理コンピュータ3は、通信ネットワーク2によって部品実装装置M2〜M4に接続されている。管理コンピュータ3は、バーコードリーダRなどの携帯端末からの信号を受信する無線受信装置51を備えている。管理コンピュータ3が備える記憶部3aには、部品実装装置M2〜M4にて部品実装作業に使用される生産データなどの各種のデータが記憶されている。部品実装作業では、生産データが管理コンピュータ3からダウンロードされて部品実装装置M2〜M4の装置記憶部52に記憶されるとともに、管理コンピュータ3によって部品実装装置M2〜M4の稼動情報が収集される。
部品実装装置M2〜M4が備える装置制御部22は、CPU機能を備える演算処理装置であり、装置記憶部52に記憶された処理プログラムを実行することにより、部品実装機構12、部品供給部7、表示部18の各部を制御する。また部品実装装置M2〜M4は、情報処理部であるフィーダ特定部53、更新処理部54、動作決定部55を備えている。装置制御部22による制御処理の際は、装置記憶部52に記憶される実装データ52a、部品配置データ52b、検出情報52c、入れ替えフラグ52dなどの各種の生産データが参照される。
実装データ52aは、実装される部品の部品種や基板の実装位置座標などのデータであり、生産対象の基板種ごとに記憶される。部品配置データ52bは、部品供給部7におけるテープフィーダ8のフィーダアドレス、テープフィーダ8に装着されたキャリアテープ16の部品IDを規定するデータである。検出情報52cおよび入れ替えフラグ52dは、テープフィーダ8より送信される後述する検出情報41bおよび入れ替えフラグ41cがそれぞれ記憶されたものである。
ここで図7(a)を参照して、部品配置データ52bの一例を説明する。図7(a)には、キャリアテープ16を2本まで供給可能なテープフィーダ8に装着される部品供給部7の部品配置データ52bが示されている。部品配置データ52bには、各フィーダアドレス61に対応して、そのフィーダアドレス61に装着されたテープフィーダ8を特定するフィーダID62が記憶されている。さらに先行テープ16(1)となるキャリアテープ16の部品ID63(1)、および後続テープ16(2)となるキャリアテープ16の部品ID63(2)が記憶されている。
図7(a)において、フィーダアドレス61がf1の位置に装着されたフィーダID62がFaaaaのテープフィーダ8は、2本のキャリアテープ16が装着されて、部品ID63(1)および部品ID63(2)の両方に部品ID63が記憶されている。また、フィーダアドレス61がf2でフィーダID62がFbbbbのテープフィーダ8は、1本のキャリアテープ16が装着されて、部品ID63(1)には部品ID63が記憶され、部品ID63(2)は空(図中では「―」と記載)になっている。また、フィーダアドレス61がf3でフィーダID62がFccccのテープフィーダ8はキャリアテープ16が装着されておらず、部品ID63(1)および部品ID63(2)の両方が空になっている。
このように、装置記憶部52(記憶部)には、テープフィーダ8において検出されたキャリアテープ16の有無の情報である検出情報52cと指定された入れ替えフラグ52d(フラグ)とテープフィーダ8に装着されたキャリアテープ16が収納する部品の情報である部品ID63を記憶する部品配置データ52bなどが記憶される。
図6(a)において、フィーダ特定部53は、キャリアテープ16の補給動作が検出されたテープフィーダ8のフィーダID62とフィーダアドレス61を特定する。更新処理部54は、テープフィーダ8へのキャリアテープ16の補給が正常に行われた際に、バーコードリーダRによって読み込まれた部品ID63を基に部品配置データ52bを更新する更新処理を行う。動作決定部55は、後述するテープフィーダ8において検出されたキャリアテープ16の有無が記憶された検出情報52cと指定された入れ替えフラグ52d(フラグ)に基づいて、テープフィーダ8(部品供給装置)に供給される電源が再投入された際の処理動作を決定する決定部である。
なおここでは、フィーダ特定部53、更新処理部54、動作決定部55を部品実装装置M2〜M4の処理機能とした構成例を示しているが、これらの処理機能を管理コンピュータ3の処理機能として備えるようにしてもよい。表示部18は、部品実装装置M2〜M4による部品実装作業の実行において必要とされる各種の画面、および予め設定された所定項目についての報知情報を表示する。
次に、テープフィーダ8の制御系の構成について説明する。図6(b)において、テープフィーダ8が備えるフィーダ制御部21は、第1のテープ送り機構23A、第2のテープ送り機構23B、シャッタ機構30のソレノイド34を制御する。この制御は、部品実装装置M2〜M4からの制御信号、操作・表示パネル40からの操作入力、スプロケット24Bに内蔵されたエンコーダ26、センサS1、センサS2、センサS3からの信号に基づいて行われる。またフィーダ制御部21は、通信部42を介して部品実装装置M2〜M4の装置制御部22と接続される。
フィーダ制御部21による制御処理に際しては、テープフィーダ8が備えるフィーダ記憶部41に記憶されたフィーダ情報41a、検出情報41b、入れ替えフラグ41cなどの各種データが参照される。ここで図7(b)を参照して、フィーダ情報41aの一例を説明する。図7(b)には、キャリアテープ16を2本まで供給可能なテープフィーダ8におけるフィーダ情報41aが示されている。フィーダ情報41aには、テープフィーダ8に装着されたキャリアテープ16の部品ID63が記憶されている。
2本のキャリアテープ16が装着されたテープフィーダ8では、先行テープ16(1)の部品ID63(1)および後続テープ16(2)の部品ID63(2)の両方にそれぞれ部品ID63が記憶される。1本のキャリアテープ16が装着されたテープフィーダ8では、部品ID63(1)のみ部品ID63が記憶されて部品ID63(2)は空になる。キャリアテープ16が装着されていないテープフィーダ8では、部品ID63(1)および部品ID63(2)の両方が空になる。図7(b)のフィーダ情報41aは、図7(a)に示す部品配置データ52bのうち、フィーダID62がFaaaaのテープフィーダ8のフィーダ情報41aである。
図6(b)において、検出情報41bは、センサS1、センサS2、センサS3の検出結果を基に、フィーダ制御部21によって判断されたテープ搬送路8cにおけるキャリアテープ16の有無の情報である。入れ替えフラグ41cは、テープフィーダ8がキャリアテープ16を入れ替えながら搬送する「入れ替え搬送モードWR」中であるか否かを示している。
フィーダ制御部21は内部処理機能としてモード指定部21aを備えている。モード指定部21aは、検出情報41bに含まれるセンサS1、センサS2、センサS3によって検出されたキャリアテープ16の有無の変化を基にキャリアテープ16の搬送モードを決定し、キャリアテープ16の搬送モードを指示する入れ替えフラグ41c(フラグ)によって指定する指定部である。検出情報41bおよび入れ替えフラグ41cは、電源再投入時などの所定のタイミングで通信部42によって動作決定部55または装置記憶部52に送信される。すなわち通信部42は、センサS1、センサS2、センサS3(検出部)によって検出されたキャリアテープ16の有無(検出情報41b)を動作決定部55(決定部)に送信する。
次に図8を参照して、自動ローディング方式のテープフィーダ8における入れ替えフラグ41cおよびキャリアテープ16の入れ替え処理について説明する。モード指定部21aは、検出情報41bの変化を基にテープフィーダ8におけるキャリアテープの搬送モードを決定して搬送モードを指示する入れ替えフラグ41cを指定する。フィーダ制御部21は、入れ替えフラグ41cが指示する搬送モードに応じてテープ搬送路8cにおけるキャリアテープ16の搬送を制御する。テープフィーダ8は、入れ替えフラグ41cがオンの場合は「入れ替え搬送モードWR」となり、オフの場合は「通常搬送モードWN」となる。
図8(a)は入れ替えフラグ41cがオフに設定されて、「通常搬送モードWN」にあるテープフィーダ8の状態を示している。先行テープ16(1)は、第1のテープ送り機構23Aにより収納された部品が部品取り出し位置29aにピッチ送り(矢印e)されるように搬送されている。部品補給のために挿入口8dより挿入(矢印f)された後続テープ16(2)は、第2のテープ送り機構23Bのスプロケット24Bに係合しており、先頭端部Tがテープストッパ機構28のストッパ部材28aに当接して停止している。部品取り出し位置29aでは、実装ヘッド11(保持ヘッド11a)によって部品が取り出されている。
先行テープ16(1)からの部品供給が進行し、図8(b)に示すように先行テープ16(1)の末尾端部Eが検出位置P2に到達すると、センサS2によって末尾端部Eが検出される。つまり、検出位置P2で検出されるキャリアテープ16が有から無に変化すると、モード指定部21aは、入れ替えフラグ41cをオフからオンに指定変更する。これによって、テープフィーダ8が「入れ替え搬送モードWR」となる。
「入れ替え搬送モードWR」においてフィーダ制御部21は、予め設定された制御パターンに基づいて第1のテープ送り機構23A、第2のテープ送り機構23Bを制御する。すなわち、ストッパ部材28aによる一時停止が解除された後続テープ16(2)は、先行テープ16(1)との間隔を維持した状態でテープ送りされる。そして図8(c)に示すように、部品供給を終えた先行テープ16(1)が排出口8eから排出されると(矢印g)、後続テープ16(2)が部品取り出し位置29aにピッチ送りされて部品供給の準備が整えられる。
このように、部品供給するキャリアテープ16が先行テープ16(1)から後続テープ16(2)に入れ替わり、後続テープ16(2)による部品供給の準備が整うと、モード指定部21aは、入れ替えフラグ41cをオンからオフに変更する。つまり、検出位置P1で検出されるキャリアテープ16が有から無に変化し、さらに有に変化すると、モード指定部21aは、入れ替えフラグ41cをオンからオフに変更指定する。これにより、「入れ替え搬送モードWR」から「通常搬送モードWN」に移行する。
ところで、生産される実装基板を変更する段取り替えの際、次の生産に使用されないテープフィーダ8は部品供給部7から取り外されて、保管用の台車などで保管されることがある。もしくは、台車15ごと部品供給部7から取り外されて、次の生産用の台車15と一括交換されることもある。このように部品供給部7から取り外されて保管されている間に、テープフィーダ8からキャリアテープ16が抜け落ちたり、誤って違うキャリアテープ16が挿入されたりすることがある。
しかしながら、部品供給部7から取り外された状態ではテープフィーダ8に供給される電源が遮断されているため、テープフィーダ8からのキャリアテープ16の着脱は記録されていない。そこで、テープフィーダ8が再び部品供給部7に取り付けられて電源が再投入された際に、電源の遮断前後でテープフィーダ8に装着されているキャリアテープ16の状態に変化が生じていないかの確認と、変化があった場合のリカバリを目的とする後述の再起動処理が行われる。
次に図9〜12を参照して、本実施の形態の部品供給システムにおける自動ローディング方式のテープフィーダ8(部品供給装置)に供給される電源が再投入された際の処理動作を決定する部品供給方法について説明する。図9において、電源が遮断される前のテープフィーダ8に装着されているキャリアテープ16の状態として、検出情報41bと入れ替えフラグ41cがフィーダ記憶部41に記憶される(ST1:電源遮断前状態記憶工程)。その後、部品供給部7からの取り外しなどにより、テープフィーダ8の電源が遮断される(ST2)。次いで、部品供給部7への再取り付けなどにより、テープフィーダ8に電源が再投入されると(ST3)、テープフィーダ8において電源が再投入された際の再起動処理が行われる(ST4:再起動処理工程)。
次に図10を参照して、電源遮断前状態記憶工程(ST1)の詳細について説明する。テープフィーダ8では、テープ搬送路8cに設けられたセンサS1、センサS2、センサS3の検出結果に変化があると(ST11においてYes)、検出情報41bのキャリアテープ16の有無が更新されてフィーダ記憶部41に記憶される(ST12)。次いでモード指定部21aが、検出情報41b(キャリアテープ16の有無)の変化を基に、キャリアテープ16の搬送モードを「入れ替え搬送モードWR」と「通常搬送モードWN」との間で変更するか否かを判断する(ST13)。
搬送モードを変更すると判断すると(ST13においてYes)、モード指定部21aは入れ替えフラグ41cを更新指定してフィーダ記憶部41に記憶する(ST14)。搬送モードは変更しないと判断すると(ST13においてNo)、モード指定部21aは入れ替えフラグ41cを変更しない。次いで通信部42は、検出情報41bと入れ替えフラグ41cを装置記憶部52に送信する(ST15)。次いで送信された検出情報41bと入れ替えフラグ41cが、装置記憶部52に検出情報52cと入れ替えフラグ52dとしてそれぞれ記憶されて(ST16)、電源遮断前状態記憶工程(ST1)が終了する。
このように、電源が遮断される前にテープフィーダ8(部品供給装置)は、テープ搬送路8c(搬送路)においてキャリアテープ16の有無を検出し、検出されたキャリアテープ16の有無の変化を基に、キャリアテープ16の搬送モードを入れ替えフラグ41c(フラグ)によって指定する。装置記憶部52(記憶部)は、検出されたキャリアテープ16の有無と指定された入れ替えフラグ41cを記憶する。
なお、電源遮断前状態記憶工程(ST1)は、テープフィーダ8に電源が導通されている間に繰り返し行われても、電源が遮断される際(直前)に行われてもよい。また、電源が遮断される際には、テープフィーダ8(部品供給装置)に装着されたキャリアテープ16が収納する部品の部品ID63(部品の情報)を含む部品配置データ52bも装置記憶部52(記憶部)に記憶されている。
次に図11を参照して、再起動処理工程(ST4)の詳細について説明する。まず、テープフィーダ8に電源が再投入(導通)されると(ST3)、センサS1、センサS2、センサS3によってキャリアテープ16の有無が検出される(ST21:電源再投入後検出工程)。次いで電源再投入後に検出されたキャリアテープ16の有無が、通信部42によって動作決定部55に送信可能か否かが判断される(ST22)。送信可能と判断された場合(ST22においてYes)、通信部42は電源再投入後に検出されたキャリアテープ16の有無とフィーダID62を動作決定部55に送信する(ST23)。
次いで動作決定部55によって、電源遮断前に装置記憶部52に記憶された検出情報52c、入れ替えフラグ52dと、テープフィーダ8より送信された電源再投入後に検出されたキャリアテープ16の有無を基にリカバリ処理動作が決定されて、所定のリカバリ処理が実行される(ST24:リカバリ処理工程)。すなわち動作決定部55によって、検出されたキャリアテープ16の有無と指定された入れ替えフラグ41c(フラグ)に基づいてテープフィーダ8(部品供給装置)に供給される電源が再投入された際のリカバリ処理動作が決定される。
(ST22)において送信不可能と判断された場合(No)、テープフィーダ8は電源再投入後に検出されたキャリアテープ16の有無を保持して待機する。すなわち、電源が再投入された際に通信部42が検出されたキャリアテープ16の有無を動作決定部55(決定部)に送信できない場合、テープフィーダ8(部品供給装置)は検出されたキャリアテープ16の有無を保持する。このため、テープフィーダ8が部品実装装置M2〜M4に再装着されて電源が再投入された後に、部品実装装置M2〜M4とテープフィーダ8との間で通信が可能となるまでに時間を要したとしても、電源再投入直後のテープフィーダ8の状態が保持されることとなる。これによって、後述のリカバリ処理動作を正しく決定することができる。
次に、図12のフローに則して図13〜17を参照しながら、リカバリ処理工程(ST24)の詳細について説明する。まず動作決定部55は、電源遮断前状態記憶工程(ST1)において記憶された検出情報52cのキャリアテープ16の有無と、電源再投入後検出工程(ST21)において検出されたキャリアテープ16の有無をフィーダID62で紐付けして比較する(ST31:テープ有無比較工程)。すなわち、電源が遮断される際に記憶されたセンサS1、センサS2、センサS3(検出部)によって検出されたキャリアテープ16の有無と、電源が再投入された際にセンサS1、センサS2、センサS3によって検出されたキャリアテープ16の有無とが一致するか否かが比較される。
この際、検出位置P1、検出位置P2、検出位置P3のそれぞれにおいて、キャリアテープ16の有無が比較される。テープ有無比較工程(ST31)においてキャリアテープ16の有無が一致する場合(Yes)、電源の遮断前後でキャリアテープ16の着脱は発生していないと判断して部品の供給動作が再開される。すなわち動作決定部55は、部品の供給動作再開をリカバリ処理動作として決定する。
テープ有無比較工程(ST31)において電源遮断前後のキャリアテープ16の有無が一致していない場合(No)、電源遮断前状態記憶工程(ST1)において記憶された入れ替えフラグ52dがオンであるか否か(オフであるか)が確認される(ST32:フラグ確認工程)。すなわち動作決定部55は、記憶された入れ替えフラグ52d(フラグ)が複数のキャリアテープ16が搬送状態である「入れ替え搬送モードWR」であったことを示しているか否か(入れ替えフラグ52dがオンか否か)を確認する。
フラグ確認工程(ST32)において入れ替えフラグ52dがオンの場合(Yes)、テープフィーダ8からキャリアテープ16が脱落したと判断されて、次の処理が行われる。つまり電源遮断前は図13(a)に示す先行テープ16(1)と後続テープ16(2)が搬送状態であって、電源再投入後は上流側のセンサS2が図13(b)に示すようにオフに変化して電源遮断前後で一致しない場合は、後続テープ16(2)が挿入口8dから脱落したと判断される。次いで、部品配置データ52bのフィーダID62で紐付けされるテープフィーダ8のデータにおいて後続テープ16(2)の部品ID63(2)が削除され、入れ替えフラグ52dがオフに更新される(ST33)。
ここで、テープフィーダ8は前述したシャッタ機構30を備えているため、シャッタ機構30が閉状態であれば新たにキャリアテープ16を挿入することはできない。しかしながら、作業者によって強引にキャリアテープを挿入された場合やシャッタ機構30が何らかの影響で開閉動作しない場合を想定して新たなキャリアテープ16が挿入されたか否かを判断する。
また、電源遮断前は図14(a)に示す先行テープ16(1)と後続テープ16(2)が搬送状態であって、電源再投入後は下流側のセンサS1が図14(b)に示すようにオフに変化して電源遮断前後で一致しない場合は、先行テープ16(1)が排出口8eから脱落したと判断される。そして、部品配置データ52bのフィーダID62で紐付けされるテープフィーダ8のデータにおいて先行テープ16(1)の部品ID63(1)が後続テープ16(2)の部品ID63(2)によって更新され、入れ替えフラグ52dがオフに更新される(ST33)。
すなわち動作決定部55は、装置記憶部52(記憶部)が記憶する部品配置データ52bの部品の情報である部品ID63と入れ替えフラグ52d(フラグ)とが更新されることをリカバリ処理動作として決定する。そして、該当するテープフィーダ8のフィーダ情報41aの部品ID63と入れ替えフラグ41cも更新され、その後、部品の供給動作が再開される。これによって、作業者が判断・操作することなく、自動的にテープフィーダ8の状態が更新されて部品の供給が再開できる。
フラグ確認工程(ST32)において入れ替えフラグ52dがオフの場合(No)、動作決定部55は、テープフィーダ8に新たにキャリアテープ16が挿入されていないかを判断する(ST34:挿入判断工程)。この時、動作決定部55(判断部)は、電源が遮断される際に記憶されたセンサS1、センサS2、センサS3(検出部)によって検出されたキャリアテープ16の有無と、電源が再投入された際にセンサS1、センサS2、センサS3によって検出されたキャリアテープ16の有無を基に、電源遮断後に新たにキャリアテープ16が挿入されたか否かを判断する。
例えば図15(a)に示すように、電源遮断前は先行テープ16(1)が検出位置P1と検出位置P2を含んで存在する状態であって、電源再投入後は図15(b)に示すように、後続テープ16(2)が挿入されて検出位置P3で検出されている場合は、動作決定部55は新たに挿入口8dからキャリアテープ16が挿入されたと判断する。すなわち、キャリアテープ16の有を検出するセンサの数が、電源遮断前(S1,S2の2個)と比較して電源再投入後(S1,S2,S3の3個)で増えている場合、新たにキャリアテープ16が挿入されたと判断する。
また図16(a)に示すように、電源遮断前は先行テープ16(1)が検出位置P1を含んで存在する状態であって、電源再投入後は図16(b)に示すように先行テープ16(1)が排出口8eから抜け落ちて検出位置P1では検出されず、かつ、挿入口8dから挿入された後続テープ16(2)が検出位置P2で検出されている場合、動作決定部55は新たにキャリアテープ16が挿入されたと判断する。すなわち、電源遮断前は下流側のセンサS1だけがキャリアテープ16の有を検出し、電源再投入後は上流側のセンサS2だけがキャリアテープ16の有を検出する場合、新たにキャリアテープ16が挿入されたと判断する。
上述のように挿入判断工程(ST34)において新たにキャリアテープ16が挿入されたと判断され場合(Yes)、テープフィーダ8に異常が生じていると判断し、エラーが報知される(ST35)。すなわち動作決定部55は、テープフィーダ8に異常が生じていることを報知することをリカバリ処理動作として決定する。これによって、電源遮断中にテープフィーダ8に何らかの変化が起こり、異常が生じていることを作業者が容易に知ることができる。
なお、テープフィーダ8に異常が生じていることを報知するリカバリ処理動作は、電源遮断前と電源再投入後とのセンサS1〜S3までの状態に応じてより詳細なリカバリ処理動作としてもよい。例えば、電源遮断前にセンサS3がオフの状態から電源再投入後にセンサS3がオンになった場合には新たなキャリアテープが挿入されたと判断して作業者に報知をすることをリカバリ処理動作として決定してもよい。
次いでシャッタ機構30が、閉状態に維持される(ST36)。すなわち動作決定部55は、シャッタ機構30(シャッタ部)を閉状態に維持させることをリカバリ処理動作として決定する。これによって、作業者によるリカバリ操作までに誤ってさらにキャリアテープ16が挿入口8dから挿入されることが防止できる。
挿入判断工程(ST34)において新たにキャリアテープ16が挿入されなかったと判断され場合(No)、図17(b)に示すように先行テープ16(1)が排出口8eから脱落し、作業者による新たなキャリアテープ16の装着などのリカバリ操作が必要だと判断して、表示部18にキャリアテープ16が脱落したことが報知される(ST37)。すなわち動作決定部55は、キャリアテープ16が脱落したことを報知することをリカバリ処理動作として決定する。これによって、電源遮断中にテープフィーダ8から誤ってキャリアテープ16が脱落し、新たなキャリアテープ16の装着などのリカバリ操作が必要なことを作業者が容易に知ることができる。
次いで部品配置データ52bのフィーダID62で紐付けされるテープフィーダ8のデータにおいて先行テープ16(1)の部品ID63(1)が削除される(ST38)。すなわち動作決定部55は、装置記憶部52(記憶部)が記憶する部品配置データ52bの部品の情報である部品ID63が更新されることをリカバリ処理動作として決定する。そして、該当するテープフィーダ8のフィーダ情報41aの部品ID63(1)も削除される。次いで(ST36)に進んでシャッタ機構30が閉状態に維持される。これによって、作業者によるリカバリ操作までに誤ってキャリアテープ16が挿入口8dから挿入されることが防止できる。
なお、(ST35)の新たにキャリアテープ16が挿入されたことの報知、または、(ST37)の誤ってキャリアテープ16が脱落したことの報知は、該当するテープフィーダ8の操作・表示パネル40に報知してもよい。これによって、リカバリ操作が必要なテープフィーダ8を作業者が容易に見つけることができる。
上記説明したように本実施の形態の部品供給システムは、部品実装装置M2〜M4に部品を供給するテープフィーダ8(部品供給装置)を備えている。テープフィーダ8は、挿入口8dから排出口8eまでキャリアテープ16を案内するテープ搬送路8c(搬送路)に備えられたセンサS1、センサS2、センサS3(検出部)によってキャリアテープ16の有無を検出し、検出されたキャリアテープ16の有無の変化を基に搬送モードを指示する入れ替えフラグ41c(フラグ)を指定している。部品供給システムは、検出されたキャリアテープの有無と指定された入れ替えフラグ52d(フラグ)とテープフィーダ8に装着されたキャリアテープ16が収納する部品ID63(部品の情報)を装置記憶部52に記憶している。
そして、検出されたキャリアテープ16の有無と指定された入れ替えフラグ52dに基づいて、テープフィーダ8に供給される電源が再投入された際のリカバリ処理動作を決定している。これによって、電源が遮断されている間にテープフィーダ8からキャリアテープ16が脱落したり、新たにキャリアテープ16が挿入されていたとしても、その状況に応じたリカバリ処理動作を決定することができ、気づかずに誤った部品が供給されることを防止することができる。