JP6433157B2 - テープフィーダ及びそのセンサ機能の自己診断方法 - Google Patents

テープフィーダ及びそのセンサ機能の自己診断方法 Download PDF

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Description

本発明は、部品を所定ピッチで保持したテープをピッチ送りすることにより部品を部品実装装置のピックアップ位置に供給するテープフィーダに関し、特に、テープに保持された部品等の検知対象物を光センサにより検知するセンサ機能の異常の有無を自己診断する技術に関する。
部品実装装置において、移載ヘッドのノズルのピックアップ位置に部品を供給する方法として、テープフィーダを用いる方法が知られている。この方法は、部品を所定ピッチで保持するテープを供給リールから引き出し、部品の実装タイミングに同期させてピッチ送りしてノズルのピックアップ位置に供給するものである。
このようなテープフィーダを用いた部品供給方法では、使用中のテープが使用し尽くされると、新たなテープをテープフィーダに供給する必要があり、このテープの切換えを効率的に行うためには、使用中のテープの部品終端部をテープフィーダにて検出することが有効である。すなわち、テープにはその長手方向に沿って所定ピッチで部品が保持されているが、その部品終端部より後方には部品が保持されていない、いわゆるトレイル部があるので、部品終端部がノズルのピックアップ位置に到達したら、それ以降のトレイル部についてはテープフィーダから早急に排出することが、生産性向上の点から望ましい。
従来、部品終端部を検出する部品終端検出部を備えたテープフィーダとしては特許文献1に記載のものがある。この特許文献1の部品終端検出部は、透過式の光センサを備えている。具体的には、テープの上面側に配置された発光部と、テープの下面側に発光部と対向して配置された受光部とを備え、発光部からのスポット光が部品により遮られることにより受光量が予め設定された光量を下回った場合に部品有と判定する。そして、テープの搬送動作時に部品終端検出部が部品を検出しない回数(部品有と判定されなかった回数)が予め定められた所定回数に達すると、テープの交換時期であると判断する。
しかし、光センサによるセンサ機能に異常があると、部品終端部の検出に誤りを生じる。例えば、光センサの発光部や受光部に異物が付着すると、発光部からのスポット光が常に遮られた状態となり、部品無であっても部品有と判定される。そうすると、本来、部品終端部が到来してテープの交換時期であるにも関わらず部品無のテープが使われ続けることとなり、部品切れとなって部品実装装置の操業停止を招いてしまう。
また、光センサの受光部等の配線や回路の異常により、受光部が発光部からのスポット光を受光していないにも関わらず受光した旨の信号を発することがある。この場合、部品有であっても部品無と判定される。そうすると、本当は部品終端部が到来していないにも関わらず部品終端部が到来したと誤認し、部品有のテープがテープフィーダから排出され、部品を無駄に捨ててしまうことになる。
このように、光センサによるセンサ機能に異常があると、部品等の検知対象物の有無を誤って判定してしまうことから、そのセンサ機能の異常は早期に発見することが望まれる。
特開2008−277509号公報
本発明が解決しようとする課題は、テープに保持された部品等の検知対象物を光センサにより検知するセンサ機能を有するテープフィーダにおいて、そのセンサ機能の異常を早期に発見でき、これにより検知対象物の有無を精度よく検知できるようにすることにある。
本発明は、テープフィーダの動作中に、光センサによるセンサ機能の異常の有無を自己診断する機能を付加することにより、上記課題を解決した。
すなわち、本発明の一観点によれば、部品を保持したテープをピッチ送りすることにより部品を部品実装装置のピックアップ位置に供給するピッチ送り機能と、現在使用中の先行テープの次に使用する後続テープを、先行テープと連結することなく所定の間隔をおいて自動的に供給するオートスプライシング機能と、テープの搬送経路においてテープと対向するように配置された発光部及び受光部を備えた光センサによって、テープの検知対象物を検知するセンサ機能と、を有するテープフィータであって、当該テープフィーダの動作中に、前記光センサの受光部による受光量を基準値と比較することにより、前記センサ機能の異常の有無を自己診断する制御部を備え、前記制御部は、前記光センサと対向する位置にテープが存在しないときは、前記基準値として前記光センサ固有の電気的光学的特性に基づき決定された基準値を用いて、前記自己診断を実施し、前記光センサと対向する位置にテープが存在するときは、前記基準値としてテープの先頭部分におけるピッチ送りごとの受光量の代表値に基づき決定された基準値を用いて、前記自己診断を実施する、テープフィーダが提供される。
また、本発明の他の観点によれば、部品を保持したテープをピッチ送りすることにより部品を部品実装装置のピックアップ位置に供給するピッチ送り機能と、現在使用中の先行テープの次に使用する後続テープを、先行テープと連結することなく所定の間隔をおいて自動的に供給するオートスプライシング機能と、テープの搬送経路においてテープと対向するように配置された発光部及び受光部を備えた光センサによって、テープの検知対象物を検知するセンサ機能と、を有するテープフィータにおいて当該テープフィーダの動作中に、前記光センサの受光部による受光量を基準値と比較することにより、前記センサ機能の異常の有無を自己診断する方法であって、前記光センサと対向する位置にテープが存在しないときは、前記基準値として、前記光センサ固有の電気的光学的特性に基づき決定された基準値を用い、前記光センサと対向する位置にテープが存在するときは、前記基準値として、テープの先頭部分におけるピッチ送りごとの受光量の代表値に基づき決定された基準値を用いる、自己診断方法が提供される。
このように、本発明では、光センサと対向する位置にテープが存在しない場合と、存在する場合とで、自己診断に用いる基準値を変えることで、いずれの場合においても自己診断の実施を可能としている。もちろん、光センサと対向する位置にテープが存在しない場合のみ、又は存在する場合のみに、自己診断を実施するようにしてもよい。
本発明において、光センサと対向する位置にテープが存在するか否かは、テープの搬送経路において光センサより上流側に、テープの先端及び後端を検知可能なテープ端検知センサを設け、このテープ端検知センサによるテープの先端及び後端の検知情報に基づいて判断することができる。
本発明によれば、テープフィーダの動作中に光センサによるセンサ機能の異常の有無を自己診断することで、センサ機能の異常を早期に発見できる。これにより、部品等の検知対象物の有無を精度よく検知でき、上述した部品切れによる部品実装装置の操業停止や、部品を無駄に捨ててしまうといった事態の発生を抑制できる。
本発明のテープフィーダの一実施例を示す構成図である。 図1のテープフィーダにおける部品検知センサ(光センサ)部分の拡大模式図である。 図1のテープフィーダにおけるテープ端検知センサ部分の拡大模式図である。 図1のテープフィーダにおけるテープ導入(ローディング)動作を時系列的に示す説明図である。 図1のテープフィーダにおけるオートスプライシング動作を時系列的に示す説明図である。示す説明図である。 図1のテープフィーダにおけるセンサ機能の自己診断の手順を示すフロー図である。 図1のテープフィーダのステイタス(動作状態)を定義する説明図である。 図1のテープフィーダに使用した部品検知センサの電気的光学的特性を示す図である。 図6に示したアルゴリズム2におけるテープのティーチ区間及びジャッジ区間を示す説明図である。
以下、図面に示す実施例に基づき、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明のテープフィーダの一実施例を示す全体構成図である。図1のテープフィーダは、細長い箱型のテープフィーダ本体1内に、以下に説明する各要素を設けて構成されており、部品を保持したテープTをピッチ送りすることにより部品を部品実装装置のピックアップ位置Pに供給する。図示は省略するが、テープTにはその長手方向に沿って所定ピッチ(定ピッチ)で部品が保持されている。
テープフィーダ本体1の上部に、ピックアップ位置Pに通じるテープ搬送路2が設けられている。テープ搬送路2の上流側は、第1テープ導入路3と第2テープ導入路4の2系統に分岐している。すなわち、図1のテープフィーダは、テープ搬送路2にテープTを導入するためのテープ導入路として第1テープ導入路3と第2テープ導入路4とを有し、第1テープ導入路3及び第2テープ導入路4はそれぞれ下流端でテープ搬送路2に合流している。テープTは初め、第1テープ導入路3のテープ導入部3aから導入され、第1テープ導入路3及びテープ搬送路2に沿って案内される。その後、テープTは、図示しないテープ移行手段により第2テープ導入路4に移行する。
テープ搬送路2の下流端側に、ピックアップ位置Pに向けてテープTを送るための第1テープ送り手段として第1スプロケット5が配置されている。第1スプロケット5の歯はテープTに定ピッチで設けられたテープ送り用の孔部に噛み合い、この第1スプロケット5がピッチ回転することにより、テープをピッチ送りする。第1スプロケット5には複数の中間ギヤ6を介して第1モータ7の回転軸が連結されており、第1モータ7の回転駆動により第1スプロケット5が回転する。この第1スプロケット5の下流側近接位置が部品のピックアップ位置Pとなっている。
テープ導入路においては、第1テープ導入路3側にのみ、テープ搬送路2に向けてテープを送るための第2テープ送り手段として第2スプロケット8が配置されている。第2スプロケット8はテープに定ピッチで設けられたテープ送り用の孔部に噛み合い、この第2スプロケット8が回転することにより、テープが第1テープ導入路3に沿ってテープ搬送路2に向けて送られる。第2スプロケット8は、複数の中間ギヤ6を介して第2モータ9の回転駆動により回転する。なお、図1において、このテープ導入路部分の詳細構成は省略して示している。
図1のテープフィーダにおいては、テープ搬送路2に、第1スプロケット5に向けてテープを送るための第3テープ送り手段として第3スプロケット10が配置されている。第3スプロケット10はテープに定ピッチで設けられたテープ送り用の孔部に噛み合い、この第3スプロケット10が回転することにより、テープがテープ搬送路3に沿って第1スプロケット5に向けて送られる。第3スプロケット10は、複数の中間ギヤ6を介して第3モータ11の回転駆動により回転する。
第1モータ7、第2モータ9及び第3モータ11の回転駆動は、制御部12が制御する。第1モータ7、第2モータ9及び第3モータ11の種類は特に限定されないが、本実施例ではエンコーダ付きのサーボモータを使用している。
テープ搬送路2において第3スプロケット10の上流側には、テープTに保持された部品を検知するための部品検知センサ13が配置され、部品検知センサ13の下流側に、テープTに設けられたテープ送り用の孔部を検知するための孔検知センサ14が配置されている。また、部品検知センサ13の上流側に、テープTの端部(先端及び後端)を検知するためのテープ端検知センサ15が配置され、更にこのテープ端検知センサ15の上流であって第1テープ導入路3側にテープ先端検知センサ16が配置されている。
部品検知センサ13は透過式の光センサであり、図2に示すように、テープ搬送路2を通過するテープTの下面側に配置された発光部13aと、テープTの上面側に発光部13aと対向して配置された受光部13bとを備える。したがって、テープTに保持された部品(図示省略)が部品検知センサ13の光軸位置に来ると、発光部13aからのスポット光が部品により遮られることにより受光部13bの受光量が低下する。この受光部13bからの受光量情報は、制御部12に送信される。制御部12は、部品検知センサ13からの受光量情報に基づき、テープに保持されている部品の有無を検知し、テープの部品終端部の到来を検知する。なお、孔検知センサ14も部品検知センサ13と同じ形式の透過式の光センサであり、部品検知センサ13と同様の原理により、テープ送り用の孔部の有無を検知する。
テープ端検知センサ15は、図3に示すように、レバー(てこ)15aを使用した機械式センサであり、レバー15aと光学式のセンサ素子15bとを備え、レバー15aの一端はテープ搬送経路2内に位置している。レバー15aの他端はセンサ素子15bの発光部と受光部との間に位置している。そして、レバー15aの一端の位置にテープTの先端が到来すると、レバー15aの一端がテープTの先端によって持ち上げられ、支軸15a−1周りに回転する。これによりセンサ素子15bの発光部からの光が受光部で受光され、センサ素子15bがONとなりテープTの先端が検知される。テープTが通過している間は、レバー15aの一端は持ち上げられたままで、センサ素子15bもONのままである。これによりテープTの存在が検知される。テープTの後端が通過すると、レバー15aの一端が下がる。これによりセンサ素子15bがONからOFFとなりテープTの後端が検知される。これらのテープ端検知センサ15によるテープ端検知情報は、制御部12に送信される。なお、テープ先端検知センサ16もテープ端検知センサ15と同じ形式の機械式センサであり、テープ端検知センサ15と同様の原理により、第1テープ導入路3においてテープTの先端の到来を検知する。このテープ先端検知センサ16によるテープ先端検知情報も、制御部12に送信される。
次に、図1のテープフィーダの動作を説明する。
図4は、テープフィーダに最初にテープ(先行テープT1)を導入(ローディング)するときの動作を示す。図4(a)はテープが導入される前の状態を示す。
まず、図4(b)に示すように、先行テープT1をテープ導入部3aから第1テープ導入路3に導入する。具体的には、第2モータ9を駆動させて第2スプロケット8を回転させながら、手動で先行テープT1をテープ導入部3aから第1テープ導入路3に導入し、先行テープT1のテープ送り用の孔部を第2スプロケット8に噛み合わせる。第2スプロケット8に噛み合ったら先行テープT1は第2スプロケット8によって自動送りされ、第1テープ導入路3及びテープ搬送路2に沿って下流側に搬送される。そして、図4(c)に示すように、先行テープT1の先端がテープ端検知センサ15に到達すると、テープ端検知センサ15がONとなる。これにより制御部12は、先行テープT1の先端がテープ端検知センサ15に到達したことを検知する。先行テープT1の先端がテープ端検知センサ15を通過してからは、制御部12は第2モータ9のエンコーダ値に基づき、先行テープT1の先端位置を認識し、監視する。
引き続き第2モータ9の駆動により、先行テープT1はテープ搬送路2に沿って下流側に搬送され、部品検知センサ13及び孔検知センサ14を通過し、その先端が第3スプロケット10に到達する(図4(d))。先行テープT1の先端が第3スプロケット10に到達すると第2モータ9は停止され、代わりに第3モータ11が駆動する。これにより、第3スプロケット10が回転し、先行テープT1が第1スプロケット5に向けて搬送される。先行テープT1の先端が第3スプロケット10に到達し第3モータ11が駆動してからは、制御部12は第3モータ11のエンコーダ値に基づき、先行テープT1の先端位置を認識し、監視する。
その後、第3モータ11の駆動により先行テープT1の先端が第1スプロケット5に到達する(図4(e))。これにより、先行テープT1の導入が完了する。すなわち、先行テープT1の先端が第1スプロケット5に到達すると第3モータ11は停止し、代わりに第1モータ7が駆動する。これにより、第1スプロケット5がピッチ回転し先行テープT1がピッチ送りされ、先行テープT1に保持された部品がピックアップ位置Pに順次供給される(図4(f))。
次に、先行テープT1の次に使用する後続テープT2を自動的に供給(導入)するオートスプライシング機能について、図5を参照しつつ説明する。
図5(a)に示すように、後続テープT2は、先行テープT1の使用中にテープ導入部3aから第1テープ導入路3に導入される。具体的には、先行テープT1を導入する場合と同様に、第1テープ導入路3に配置されている第2スプロケット8を回転させながら、手動で後続テープT2をテープ導入部3aから第1テープ導入路3に導入し、後続テープT2のテープ送り用の孔部を第2スプロケット8に噛み合わせる。第2スプロケット8に噛み合ったら後続テープT2は第2スプロケット8によって自動送りされる。そして、後続テープT2の先端がテープ先端検知センサ16によって検知されたら、制御部12が第2モータ9を停止する。これにより後続テープT2は、その先端が図5(a)に示すようにテープ先端検知センサ16の位置で停止し、スプライシング作業が実施されるまで待機する。
ここで、先行テープT1は、後続テープT2をテープ導入部3aから第1テープ導入路3に導入する前に、第2テープ導入路4に移行させておく。これは、本実施例のテープフィーダが、第1テープ導入路3と第2テープ導入路4の2系統のテープ導入路を有するからであるが、本発明はこのように2系統のテープ導入路を有するテープフィーダに限定されず、1系統のテープ導入路のみを有するテープフィーダにも適用可能である。
本実施例において、スプライシング作業は、図5(b)に示すように、先行テープT1の後端が第3スプロケット10を通過した時点で開始される。先行テープT1の後端が第3スプロケット10を通過した時点は、テープ端検知センサ15が先行テープT1の後端の通過を検知した時点からの第1モータ7のエンコーダ値に基づき検知できる。
先行テープT1の後端が第3スプロケット10を通過したら、制御部12が第2モータ9を回転駆動させる。これにより、後続テープT2が第1テープ導入路3を搬送され、テープ搬送路2に至る。その後、先行テープT1の場合と同様に、後続テープT2の先端がテープ端検知センサ15を通過し(図5(c))、第3スプロケット10を経由して第1スプロケット5に到達する(図5(d))。これにより、スプライシング作業が完了する。その後は、第1スプロケット5がピッチ回転し後続テープT2がピッチ送りされ、後続テープT2に保持された部品がピックアップ位置Pに順次供給される(図5(e))。以後は、図5(a)〜(d)の手順を繰り返し、次のスプライシング作業を実施する。
このように図1のテープフィーダは、スプライシング作業を繰り返し実施することで連続的に動作する。そして、図1のテープフィーダは、その動作中に、部品検知センサ13によるセンサ機能の自己診断を併せて実施する。以下、その自己診断機能について説明する。
図6は、図1のテープフィーダにおけるセンサ機能の自己診断の手順を示すフロー図である。なお、この自己診断の手順は制御部12が実行する。
図6に示す自己診断では、部品検知センサ13と対向する位置にテープが存在する場合と、存在しない場合とで、異なるアルゴリズムを使用する。そこで、まず部品検知センサ13と対向する位置にテープが存在するか否かを判断する。具体的には、テープフィーダのステイタス(動作状態)を図7に示すステイタスA〜Kに分類し、ステイタスがA,B,C,G,H,Kであれば、部品検知センサ13と対向する位置にテープが存在しないと判断し、それ以外はテープが存在すると判断する。
各ステイタスと図4及び図5の対応関係は、概ね以下のとおりである。
・ステイタスA:図4(a)
・ステイタスB:図4(b)
・ステイタスC:図4(c)
・ステイタスD:図4(d)
・ステイタスE:図4(e),図4(f),図5(d),図5(e)
・ステイタスF:図5(a)
・ステイタスG:図5(b)
・ステイタスH:図5(c)
なお、ステイタスI,J,Kは、後続テープが導入されない場合の先行テープの後端の位置により分類したものである。
テープフィーダがいずれのステイタスにあるかは、テープ先端検知センサ16及びテープ端検知センサ15からのテープ端の検知信号、並びに第2モータ9、第3モータ11及び第1モータ7のエンコーダ値に基づき判断可能である。
部品検知センサ13と対向する位置にテープが存在するか否かを判断するには、必ずしも上述のようなステイタスA〜Kに分類する必要はない。部品検知センサ13と対向する位置にテープが存在するか否かは、テープ端検知センサ15からのテープ端(テープの先端及び後端)の検知信号に基づき判断できる。すなわち、テープ端検知センサ15から部品検知センサ13までの距離は既知であるから、あとはテープの搬送速度がわかれば、テープ端(テープの先端及び後端)がテープ端検知センサ15と対向する位置に到達する時期がわかるから、これにより、部品検知センサ13と対向する位置にテープが存在するか否かを判断できる。テープの搬送速度は、テープの先端がテープ端検知センサ15から部品検知センサ13まで搬送されるときは第2モータ9のエンコーダ値により、テープの後端がテープ端検知センサ15から部品検知センサ13まで搬送されるときは第1モータ7のエンコーダ値により、それぞれ求めることもできる。
図6に戻ると、ステイタスがA,B,C,G,H,Kであれば、部品検知センサ13と対向する位置にテープが存在しない(テープ無)と判断し、アルゴリズム1による自己診断を実施する。一方、ステイタスがA,B,C,G,H,Kでなければ、部品検知センサ13と対向する位置にテープが存在する(テープ有)と判断し、アルゴリズム2による自己診断を実施する。
アルゴリズム1もアルゴリズム2も、基本としては、光センサである部品検知センサ13の受光部による受光量を基準値と比較することにより、センサ機能の異常の有無を自己診断するものである。ただし、アルゴリズム1とアルゴリズム2とでは、用いる基準値(基準値の決め方)が異なる。
アルゴリズム1の基準値は、部品検知センサ13固有の電気的光学的特性に基づき決定する。図8に、部品検知センサ13の電気的光学的特性を示す。同図の横軸は、部品検知センサ13の発光部のPWM(パルス幅変調)におけるデューティー比であり。縦軸は受光部の受光量のA/D変換値、すなわちセンサ出力である。図8に線Aで示すように、部品検知センサ13固有の電気的光学的特性は、デューティー比が約10.5%でセンサ出力は100%になる。これに対して、発光部や受光部に異物が付着すると、見掛け上、例えば線Bのような電気的光学的特性となる。一方、受光部等の配線や回路に異常があると、線Cのような電気的光学的特性を示すことがある。線B,Cのような異常な電気的光学的特性を示すようになると、先に説明したように、検知対象物である部品の有無を誤って判定してしまう。すなわち、センサ機能に異常があるということである。
そこで、アルゴリズム1では、部品検知センサ13の本来の電気的光学的特性におけるデューティー比が10.5%のときのセンサ出力を一つの基準値として、部品検知センサ13のセンサ機能を自己診断する。具体的には、図6に示すように、デューティー比を10.5%まで順次増加させ、そのときのセンサ出力が本来の電気的光学的特性の80%未満であれば、上述の線Bのような異常があると判定する。一方、デューティー比が10.5%になる前にセンサ出力が100%になった場合、上述の線Cのような異常があると判定する。
なお、上記基準値はあくまで一例であり、アルゴリズム1における基準値は、用いる部品検知センサ13固有の電気的光学的特性に基づき、適宜決定される。
次に、アルゴリズム2について説明する。アルゴリズム2は、部品検知センサ13と対向する位置にテープが存在するときに実施されることから、その基準値は、各テープの先頭部分におけるピッチ送りごとの受光量(センサ出力)の代表値に基づき決定する。
具体的には図9に示すように、各テープの先頭部分(部品32個分)をティーチ区間として、このティーチ区間において部品が部品検知センサ13と対向する位置に存在するときのセンサ出力の代表値(平均値、標準偏差等)を基準値とする(以下「ティーチ段階」という。)。そして、ティーチ区間より後方を複数のジャッジ区間(1区間は部品32個分)に分け、各ジャッジ区間におけるセンサ出力を上記基準値と比較することにより、部品検知センサ13のセンサ機能の自己診断を実施する(以下「ジャッジ段階」という。)。
これを図6に沿って説明すると、アルゴリズム2は、部品検知センサ13と対向する位置にテープが存在するときに実施されるところ、まず、当該テープについてティーチ段階が終了しているか否かを判定し、ティーチ段階が終了していれば、ジャッジ段階を実行する。
ジャッジ段階では、部品32個分のセンサ出力を順次データバッファに保存し、それが終わったら、ティーチ段階で決定していた基準値と比較する。図6では、ジャッジ段階におけるセンサ出力の平均値が基準値の0.8〜1.2倍の範囲外になっていると、センサ機能に異常があると判定する。
なお、図6では、テープの有無に応じてアルゴリズム1又は2による自己診断を実施するようにしたが、テープ無のときだけにアルゴリズム1による自己診断を実施するようにしてもよいし、逆に、テープ有のときだけにアルゴリズム2による自己診断を実施するようにしてもよい。
また、本実施例では部品検知センサ13が透過式の光センサである場合について説明したが、本発明は反射式の光センサにも適用可能である。この場合、その発光部及び受光部をテープの上面側又は下面側において部品と対向するように配置する。反射式の光センサの場合、テープに保持された部品がセンサの光軸位置に来ると、発光部からのスポット光が部品により反射されることにより受光部の受光量が増加するので、原理的には、透過式の光センサと同様に部品の有無を検知可能であり、自己診断の実施も可能である。更に、本発明は、部品検知センサ13以外の光センサにも適用可能である。例えば、孔検知センサ14にも適用可能である。すなわち、受光部の受光量の変化をもたらす検知対象物であれば、本発明の適用範囲は部品を検知する光センサには限定されない。
1 テープフィーダ本体
2 テープ搬送路
3 第1テープ導入路
3a テープ導入部
4 第2テープ導入路
4a テープ導入部
5 第1スプロケット
6 中間ギヤ
7 第1モータ
8 第2スプロケット
9 第2モータ
10 第3スプロケット
11 第3モータ
12 制御部
13 部品検知センサ(光センサ)
13a 発光部
13b 受光部
14 孔検知センサ(光センサ)
15 テープ端検知センサ
16 テープ先端検知センサ

Claims (3)

  1. 部品を保持したテープをピッチ送りすることにより部品を部品実装装置のピックアップ位置に供給するピッチ送り機能と、
    現在使用中の先行テープの次に使用する後続テープを、先行テープと連結することなく所定の間隔をおいて自動的に供給するオートスプライシング機能と、
    テープの搬送経路においてテープと対向するように配置された発光部及び受光部を備えた光センサによって、テープの検知対象物を検知するセンサ機能と、
    を有するテープフィータであって、
    当該テープフィーダの動作中に、前記光センサの受光部による受光量を基準値と比較することにより、前記センサ機能の異常の有無を自己診断する制御部を備え
    前記制御部は、
    前記光センサと対向する位置にテープが存在しないときは、前記基準値として前記光センサ固有の電気的光学的特性に基づき決定された基準値を用いて、前記自己診断を実施し、
    前記光センサと対向する位置にテープが存在するときは、前記基準値としてテープの先頭部分におけるピッチ送りごとの受光量の代表値に基づき決定された基準値を用いて、前記自己診断を実施する、テープフィーダ。
  2. テープの搬送経路において前記光センサより上流側に、テープの先端及び後端を検知可能なテープ端検知センサを備え、前記制御部は、前記テープ端検知センサによるテープの先端及び後端の検知情報に基づいて、前記光センサと対向する位置にテープが存在するか否かを判断する、請求項に記載のテープフィーダ。
  3. 部品を保持したテープをピッチ送りすることにより部品を部品実装装置のピックアップ位置に供給するピッチ送り機能と、
    現在使用中の先行テープの次に使用する後続テープを、先行テープと連結することなく所定の間隔をおいて自動的に供給するオートスプライシング機能と、
    テープの搬送経路においてテープと対向するように配置された発光部及び受光部を備えた光センサによって、テープの検知対象物を検知するセンサ機能と、
    を有するテープフィータにおいて当該テープフィーダの動作中に、前記光センサの受光部による受光量を基準値と比較することにより、前記センサ機能の異常の有無を自己診断する方法であって、
    前記光センサと対向する位置にテープが存在しないときは、前記基準値として、前記光センサ固有の電気的光学的特性に基づき決定された基準値を用い、
    前記光センサと対向する位置にテープが存在するときは、前記基準値として、テープの先頭部分におけるピッチ送りごとの受光量の代表値に基づき決定された基準値を用いる、自己診断方法。
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