JP6612792B2 - 香料提示用具及び香料提示方法 - Google Patents

香料提示用具及び香料提示方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6612792B2
JP6612792B2 JP2017006250A JP2017006250A JP6612792B2 JP 6612792 B2 JP6612792 B2 JP 6612792B2 JP 2017006250 A JP2017006250 A JP 2017006250A JP 2017006250 A JP2017006250 A JP 2017006250A JP 6612792 B2 JP6612792 B2 JP 6612792B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fragrance
holding material
flavor
presentation tool
presentation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017006250A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018116124A (ja
Inventor
充志 中村
記繁 本名
郁彦 飯田
理恵 横田
美智子 原
幸世 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
T Hasegawa Co Ltd
Original Assignee
T Hasegawa Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by T Hasegawa Co Ltd filed Critical T Hasegawa Co Ltd
Priority to JP2017006250A priority Critical patent/JP6612792B2/ja
Publication of JP2018116124A publication Critical patent/JP2018116124A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6612792B2 publication Critical patent/JP6612792B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、香料提示用具及び香料提示方法に関する。より詳細には、香気のコンタミネーションを抑制し、かつ複数人での複数の香料の同時評価の容易さ及び正確性を確保する、香料提示用具及び香料提示方法に関する。
従来、香料を提示する際は、香料を収容するサンプル瓶から香料の香りを直接かぐか、サンプル瓶と香料を揮散可能に保持する香料保持材(例えば、匂い紙等)とを用い、提示の場にてサンプル瓶中の香料を香料保持材に保持させて、会議室の机上などの開放系に置き、その香料保持材を手に取って、香料の香りをかぐのが一般的である。
このような香料提示のための技術として、キャップ付きサンプル瓶及びそれを用いた香料プレゼンテーション方法が提案されている(特許文献1)。特許文献1によると、このキャップ付きサンプル瓶は、キャップ上面に瓶の中身を示す表示手段が貼り付けられているため、複数のサンプル瓶から目的の瓶を迅速に見つけ出すことができるだけでなく、キャップを瓶本体から外してもどのサンプル瓶のものであるか判別が容易なためキャップの間違いによる香気のコンタミネーションを防止できるものであるとされる。
しかし、香りをかぐ又は香料を香料保持材に含ませる際に複数のサンプル瓶のキャップを外すと、香料提示の場に複数の香気が揮散して香気のコンタミネーション(以下コンタミと略称する)が起こり、香料の提示において正確性を損なうという問題がある。また複数の香料の提示の場合、香料提示の場にて多くの香料を香料保持材に含ませる必要があり、提示作業が煩雑かつ長時間を要し、非効率的である。更に、香料の種類が多くなると、各香料の特徴や分類を理解しながら評価検討を行うのが困難である。
これまで、香料提示における香気のコンタミ防止や簡便さを追求した技術として、次のような香料提示用具が提案されてきた。
特許文献2は、香料マイクロカプセルを紙の半分に印刷した後、紙を半分に折り返して印刷面と対向する面と接着し、接着面を引き剥がす際に臭気を開放する臭気検査用カードキットを開示しており、カードには香料に関する情報が記載されている。特許文献2によると、臭気を拡散させず、短時間に簡便に多種類の香りをかげるとされている。また特許文献3も、特許文献2と同様の技術によるシート型ニオイ提示用具を開示している。
しかし特許文献2、3では、包装材をいったん引き剥がすと香気の揮散が抑制できず香気のコンタミを抑制できないうえ、香料をマイクロカプセル化する必要性があり用意に手間とコストがかかる。また香料の種類が多くなると、カードが提示の場にあふれて各香料の特徴や分類などが簡単には区別又は理解できなくなり、分かりづらくなるという問題がある。
また特許文献4は、マイクロパウダー化した香料を混入した粘性の固形ベースをスティック状に成形し、更に収容容器に装填してなるスティック型ニオイ提示用具を開示しており、スティックを収容容器に封入可能なため香料の保存性に優れるものであると記載している。
この提示用具では、香料を保持するスティック及びその収容具の用意に多くの手間とコストがかかり、これを用いた香料提示方法は簡便な方法とは言い難く、更に、多くのスティックを香料提示の場まで携帯するのは嵩などの観点から不便である。また香料の種類が多くなるとスティックが提示の場に乱立し、特許文献2、3と同様に各香料の特徴などが分かりづらくなるという問題がある。
そこで、複数の香料を一つの基部に保持するシート状の香料提示用具も提案されている。
特許文献5は、マイクロパウダー化した香料を紙に塗布し、その紙を臭気不透過性の包装材によって真空パックしてなるシート型ニオイ提示用具を開示しており、1つの台紙上に複数のマイクロパウダー化香料が塗布された態様を開示している。また、特許文献6は、台紙上に香料含有熱可塑性フィルムを貼着し、その上に剥離及び再貼合可能な香気不透過シートを貼合した香料見本を開示しており、香気不透過シートを再貼合すれば香りの揮散も抑えられると記載している。また複数の香気を提示する態様として、同じ台紙上に香料含有熱可塑性フィルムを複数貼合するか、同フィルムを1枚貼合した香り見本を複数枚綴じ合わせる態様を開示している。
しかしこれらの提示用具では、香料を保持する材を台紙上から剥がすことができず、複数の香料保持材を貼り付けた台紙を用いて複数人で同時に香料の香りをかぐ場合、隣接又は近傍の香りとのコンタミが起こると考えられる。更にこれらの提示用具では、複数人で隣接又は近傍に配置された香料の香りを同時にかぐことは空間的に困難であり、複数人での香料の同時評価には不適と言わざるを得ない。更に香料をマイクロパウダー化する又は樹脂フィルムに吸着させるのに手間やコストがかかり提示用具の用意が煩雑である。
特開2002−128085号公報 特許第5390809号公報 実登第3139098号公報 特許第3694409号公報 実登第3128816号公報 実公平6−17144号公報
本発明の課題は、香気のコンタミを抑制し、かつ複数人での複数の香料の同時評価の容易さ及び正確性を確保する、新規な香料提示用具を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討したところ、以下の手段によって上記課題が解決することを見出した。
かくして、本発明は以下のものを提供する。
[1] 複数の香料保持材収容部と、
前記複数の香料保持材収容部を保持する基部と、
を含む香料提示用具であって、
前記香料保持材収容部は、香料不透過性であり、略扁平の袋状をなし、かつ、香料保持材の挿入、抜出、及び表出が可能な開口部を有する、香料提示用具。
[2] 前記香料保持材収容部は更に、前記開口部の一部から突出する挿入ガイド部を有する、[1]に記載の香料提示用具。
[3] 前記香料保持材収容部は、長手方向及び短手方向を有し、該長手方向の一端に前記開口部を有する、[1]又は[2]に記載の香料提示用具。
[4] 前記基部の大きさが略B6からA3の範囲内であり、前記香料保持材収容部の短手方向の長さが約1〜3cmの範囲内であり、かつ前記香料保持材収容部の長手方向の長さが約5〜18cmの範囲内である[1]〜[3]のいずれかに記載の香料提示用具。
[5] 1個以上の表示部を更に備える、[1]〜[4]のいずれかに記載の香料提示用具。
[6] 前記複数の香料保持材収容部が、複数のグループに分かれるように配置されている、[1]〜[5]のいずれかに記載の香料提示用具。
[7] 前記香料保持材収容部の一部又は全部が、二軸延伸ポリプロピレン及び/又はポリアミド系多層延伸フィルムで構成される、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の香料提示用具。
[8] [1]〜[7]のいずれかに記載の香料提示用具を用いた、複数の香料を提示する方法。
[9] 香料保持材に香料を保持させた後、前記香料保持材収容部に前記香料保持材を収容し、その後香料の提示を行う、[8]に記載の方法。
[10] 前記香料保持材の先端から約1〜5cmの範囲内に香料を保持させる、[8]又は[9]に記載の方法。
本発明の香料提示用具は、複数の香料保持材収容部を有するため、複数の香料保持材を個別に収容可能である。そのため、いったん香料保持材収容部から抜出した香料保持材を単に香料保持材収容部の開口部より再挿入するだけで香気のコンタミを防ぐことができ、複数の香料の提示の正確性を高くすることができる。
更に本発明は香気のコンタミのリスクが低いため、香料ごとに提示の場を変える必要がなく複数人で同時に複数の香料を評価することを可能にする。香りをかぐ場が異なると同じ香りでも異なる印象を与え得るため、本発明によって香料評価の正確性を高くすることができる。
また、複数の香料保持材収容部を有することで、複数の収容部の配置を香調別など所望のグループにわけるなどして、香料ごとに独立した提示ではなく複数の香料をまとめて提示することで、一瞥して香料の分類特徴が理解可能であり、より分かりやすい状態での複数の香料の提示が可能である。
加えて、例えば、市販の匂い紙(香料保持材)と、市販の香料不透過性匂い紙収容袋(香料保持材収容部)と、適当な台紙(基部)とを利用した場合には、当該匂い紙収容袋を粘着テープなどで台紙に貼着するだけで、簡便かつ低コストで香料提示用具を用意でき、更に提示にあたっては単に香料を含浸や擦付などした匂い紙を収容するだけでよいので、従来に比べ香料提示の省力化が図れる。
本発明はこのように、香気のコンタミネーションを抑制し、複数の香料の提示において高い正確性、簡便性、迅速性、分かりやすさ、低コスト化を実現することで、複数人での複数の香料の同時評価の容易さ及び正確性を確保するものであり、香料の提示活動を改善及び促進するものである。
本発明の一実施態様における香料提示用具の全体斜視図である。 本発明の他の実施態様における2種類の香料保持材収容部を有する香料提示用具の全体斜視図である。 本発明の他の実施態様における香料提示用具の全体斜視図である。 本発明の他の実施態様における香料保持材収容部の全体斜視図である。 本発明の他の実施態様における香料提示用具の正面図である。
<<香料提示用具>>
本発明の香料提示用具(以下、単に香料提示用具とも称する)は、複数の香料保持材収容部と、複数の香料保持材収容部を保持する基部と、を含むことを特徴とする。香料保持材収容部の個数は、2個以上の任意の数でよい。
図1は、本発明の一実施態様にかかる香料提示用具Tを図示するものであり、香料提示用具Tは、香料保持材収容部2、及び複数の香料保持材収容部2を保持する基部1を含む。本実施態様においては、香料保持材H(例えば、匂い紙)は、図1に示す矢印のように、香料保持材収容部2の開口部3から挿入される。
複数の香料保持材収容部2は、任意の手段によって基部1に保持されていてよい。例えば、香料保持材収容部2は基部1に、粘着力、磁力など任意の力によって持着されていても、任意の手段によって融着されていても、紐や鎖などの任意の連結手段を介して連結されていてもよい。また香料保持材収容部2は、基部1から脱着又は剥離可能でも不可能でもよい。以上の各種保持態様は1種でも2種以上でもよい。例えば、複数の香料保持材収容部2のうち一定数は基部1に貼着され、残りの香料保持材収容部2は基部1に連結されていてもよい。
基部1は、複数の香料保持材収容部2を互いに任意の配置関係にて保持してよい。図1は3個及び2個が近接してグループを形成し、各グループが一定距離以上離間している態様を示す。このように、複数の香料保持材収容部2が複数のグループに分かれるように配置されている場合、提示する香料の特徴ごとにグループ化(分類)して香料保持材を配置することが可能となる。なお、複数の香料保持材収容部2の配置は、互いに近接もしくは接した状態のみ又は離間した状態のみでもよい。更に具体的な配置例としては、略長方形の基部1に、略長方形の複数の香料保持材収容部2をその長手方向が略平行になるようにかつ複数グループを形成するように配置する態様、略半円又は扇形の基部1に、略扇形の複数の香料保持材収容部2を互いに半径にて接するように配置する態様、などが挙げられるが、これらに限定されない。
<基部>
基部1は、任意の立体形状、平面形状、大きさ、及び材質を有してよい。
基部1の立体形状の例として、薄板、フィルム、シート、立体成形物などが挙げられるが、これらに限定されない。
基部1の平面形状(輪郭、外形、シルエットともいう)の具体例としては、薄板又はフィルムであれば四角形、六角形等の多角形、真円、楕円、半円などの円形、扇形、その他不定形が挙げられ、立体成形物であれば多面体、柱体、錐体、錐台、球体、楕円体、その他不定形が挙げられるが、これらに限定されない。
基部1の大きさの例としては、薄板、フィルム、又はシートであれば縦及び横方向を、立体成形物であれば縦、横及び高さ方向を一定値以下とすれば、持ち運びやすさなどの取扱い性に優れる香料提示用具となる。取扱い性に優れる大きさの例として、基部が薄板、フィルム、又はシートである場合、略A3、A4、B4、B5、B6(国際規格ISO216又はJIS規格による寸法)などが例示され、これらのいずれか、又はこれらの範囲内(略B6〜略A3)の大きさとしてよい。なおこのような大きさは香料提示用具の使用環境に合わせて、任意の規格に従った大きさのものを用いてよい。
基部1の材質の例としては、紙、木材、樹脂、金属などが例示できる。また、一部又は全部が香料不透過性であってもよい。香料不透過性の詳細については後述する。
好ましくは、基部1は、台紙、プラスチックシートなどの誰にでも入手が容易な略平板状のものであり、かつ大きさは上述の略B6〜A3の範囲内である。このような基部1は入手容易性、取扱い性、及び携帯性に優れ、かつ香料提示用具Tを低コスト及び簡便に用意することを可能にする。
また、基部1が薄板、フィルム、又はシートである場合、折り曲げ又は湾曲後、2つの端を任意の係合又は結合手段によって柱状にして、自立可能に変形させて提示することもできる。基部1が立体成形物である場合は、複数の基部を任意の連結手段によって連結して用いてもよい。
更に、基部1は1個以上の孔、くぼみ、及び/又は突起を有していてもよい。
<香料保持材収容部>
香料保持材収容部2(以下、単に収容部2とも称する)は、略扁平の袋状をなす部分であり、図1に例示するように、基部1に保持され、香料保持材Hを挿入、抜出、及び表出可能な開口部3を有し、かつ、香料不透過性であることを特徴とする。開口部3及び香料不透過性の詳細については後述する。
本発明において袋状とは、香料保持材Hの一部又は全部を収容可能な空間を有し、香料保持材Hの抜出、抜出、及び表出が可能な開口部を有し、かつ、収容された香料保持材Hを保持可能なあらゆる立体形状を包含する。
収容部2は任意の平面形状を有していてよい。複数の収容部2の平面形状は、全て同一でも、2種以上の異なるものでもよい。収容部2の平面形状の例として、多角形、真円、楕円、扇形、これらの一部(例えば、部分円、部分円環、半円など)、及びこれらの任意の組み合わせ(角丸の多角形など)が例示されるが、これらに限定されない。香気のコンタミ防止効果を高める観点からは、長辺と短手方向とを有する平面形状が好ましい。また、好ましくは、香料保持材収容部の短手方向の長さが約1〜3cmの範囲内であり、かつ香料保持材収容部の長手方向の長さが約5〜18cmの範囲内である。
収容部2の外面は、略平板状でも、少なくとも一部に3次曲面を有していてもよい。
収容部2の外縁は、一部又は全部が直線、曲線、波線、及び/又は鋸刃状の線であってよいが、これらに限定されない。
収容部2は、透明、半透明、不透明のいずれでもよく、任意の1種以上の色を有することができる。
複数の収容部2は、それぞれ異なる香料を保持した香料保持材Hを収容しても、同一の香料を保持した香料保持材Hを収容してもよい。
収容部2は、入手可能な任意の物品、例えば、匂い紙収容袋を用いてよい。
(開口部について)
開口部3は、上述の通り、香料保持材Hを収容部2に挿入及び抜出するための箇所である。また、開口部3から、収容された香料保持材Hの一部が表出可能である(図2)。本発明において「表出」とは、香料保持材H表面の少なくとも一部が収容部2に覆われていない状態であることを意味する。なお、例えば、後に参照する図4に示すように、開口部3からは収容された香料保持材Hが表出しなくてもよく、挿入する長さを調節することで香料保持材Hの端部を表出させてもよい。
開口部3の平面形状は限定されず、香料保持材Hの挿入及び抜出が容易なように設計することができ、例として、略直線、折れ線状、円弧状などが挙げられる。開口部3の一部に切欠が設けられていてもよい。
図2は本発明の香料提示用具Tの一態様を示し、それぞれ略直線状及び折れ線状の平面形状を有する2種の開口部3を示している。なお図中、点線は収容部2に覆われている香料保持材Hの部分を示し、実線部は開口部3から表出している香料保持材Hの部分を示す。図中の2個の香料保持材Hは互いに異なる平面形状(すなわち、左から短冊状、及び三角形状)をなすものである。このように互いに異なる開口部3とすることで、各収容部2に収容すべき香料保持材Hを一瞥して判別可能にすることもできる。
(香料不透過性について)
本発明の収容部2は、香料不透過性であることを特徴とする。本発明において「香料不透過性」とは、1種以上の香料化合物の透過を抑制する性質を意味し、香料化合物を全く透過しないこと必須とするものではない。収容部2を香料不透過性とすることによって、収容部2に収容された香料保持材Hに保持された香料化合物が香料提示の場に揮散するのを抑制することができる。なお、収容部2は全体として香料不透過性であればよく、基部1に保持された収容部2のうち香料化合物の揮散が実質的に無視できる部分は香料不透過性でなくてよい。具体例を挙げると、収容部2と基部1とを別個に製造し、収容部2を基部1に貼着によって保持させる場合、収容部2のうち貼着によって基部1と接触している部分は香料化合物の揮散が実質的に無視できるので、その部分は香料不透過性でなくてもよい。
本発明の収容部2は、一部又は全部がガスバリア性及び/又は保香性とされる1種以上の材料で構成される(以下このような材料をガスバリア材料と称する)。より具体的には、収容部2の一部又は全部が、1種以上のガスバリア材料からなるか、ガスバリア材料と非ガスバリア材料とが混在してなり全体としてガスバリア性及び/又は保香性を有する複合材料からなる。後者の例として、ガス透過性材料がガスバリア性材料でコーティングされた積層構造のもの、2種以上のガス透過性又はガスバリア性材料を積層してなるフィルムの接着層がガスバリア性である積層構造のもの、などが挙げられるが、これらに限定されない。
ガスバリア材料の具体例として、ポリエステル(PEs)フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリセロ、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルム、メタキシリレンアジパミドフィルム、アルミニウム等の金属又はシリカやアルミナ等の金属酸化物などを任意の薄膜(例えば、紙、木片、布、セロファン、金属箔など)に蒸着した無機蒸着フィルムなどの一般に使用されているガスバリア性フィルムが挙げられるが、これらに限定されない。中でも、二軸延伸ポリエステルフィルム、及びポリアミド系多層延伸フィルムが好ましく使用される。
なお、ガスバリア及び/又は保香性の尺度として、酸素透過度、炭酸透過度、及び水蒸気透過度が例示される。これら透過度の値は特に限定されないが、例えば、酸素透過度については150cc/m・24h・atm未満、100cc/m・24h・atm未満、又は50cc/m・24h・atm未満(JIS K7129−2(2006)法による)、炭酸透過度については900cc/m・24h・atm以下、水蒸気透過度については5g/m・24h以下(JIS K7129B法による)であってよい。
又は、ガスバリア性及び/又は保香性の程度は、ヘッドスペース法によるガスクロマトグラフィ又は官能評価によって確認されてもよい。例えば、香料保持材を収容部に一定期間収容した後、1人以上のヒトが収容部の周囲の空気をかいで香りを感じないと判定されるか、その空気のガスクロマトグラフィにおいて香料化合物が検知閾値又は認知閾値以下で検出される又は香料化合物が検出されない場合に、香料不透過性ということができる。上記期間は、香料提示用具の使用条件に合わせて適宜設定してよく、30分、1時間、3時間、12時間、24時間、2日、1週間、2週間、1ヶ月が例示されるが、これらに限定されない。
好ましくは、本発明で使用するガスバリア材料は、更に非吸着性を有する。ここで非吸着性とは、1種以上の揮発性化合物を吸着しない性質を意味する。そのような非吸着性の材料は公知であり、例えば、市販の非吸着性とされる任意の材料を採用してよい。
<その他任意の要素について>
香料提示用具Tは、本発明の効果を妨げない範囲で、その他の要素を含んでいてもよい。以下にその他の要素の例を示すが、それらに限定されない。
図3は、表示部4及び挿入ガイド部5を備える例を示すものである。以下これらの詳細について説明する。
(表示部)
香料提示用具は1個以上の表示部4を備えていてもよい。
本発明において表示部4とは、香料保持材Hが保持する香料に関する情報(香調、保管条件、虐待条件、含有香料化合物、由来生物、製造年、製造企業名など)、及び/又は提示に関する情報(日付、提示を行う企業名、担当者名)など、任意の情報を記載可能な部分であり、情報は記号、文字、文章、色、絵図、写真、立体構造などいかなるもので示されてもよい。表示部の立体形状及び平面形状も情報内容などに応じて任意に決定できる。
表示部4は、本発明の香料提示用具Tのいかなる箇所に配置されていてもよい。配置の例として、基部1面上に配置される、基部1と連結される、収容部2面上に配置される、などが例示されるが、これらに限定されない。
表示部4は、基部1又は収容部2に任意の手段で直接情報を記載してなる部分でも、別途作成した表示部4を基部1又は収容部2に貼着や連結など任意の手段にて保持させた部分でもよい。
また好ましくは、複数の収容部2のそれぞれが表示部3のいずれかと対応付けられて配置されている。例えば、図3に示される態様では、表示部4には香調、香料名、提示目的が記載され、各香調を有する香料が2種類ずつ分類されるよう、収容部2が、香調を記載する各表示部と対応付けられて配置されている。
このように、複数の表示部4のそれぞれに、提示する香料に関する異なる特徴が記載され、その表示部4に1個以上の収容部2が隣接している場合、各特徴を有する香料を保持した香料保持材Hをこのように配置された収容部2に収容すれば、香料を簡単に特徴や分類毎に分類して提示でき、同じ特徴を有する香料同士、又は異なる特徴の香料間での香料比較検討がより容易となる。
(挿入ガイド部)
収容部2は更に、開口部3の一部から突出する挿入ガイド部5を備えていてもよい(図3)。本発明の香料提示用具の使用者が略扁平の収容部2に香料保持材Hを挿入する際に、香料保持材Hを挿入ガイド部5に沿わせて挿入を行うことで、より簡単かつスムーズな挿入が可能となる。挿入ガイド部5は、収容部2と連続していても、収容部2との間に界面を有しその界面を介して連接されていてもよい。前者の例としては、収容部2及び挿入ガイド部5が一体成型されてなるもの、後者の例としては、収容部2形成後に挿入ガイド部5を連接してなるものが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、挿入ガイド部5と収容部2とは略平坦に連続して又は連接されている。なお図3は、収容部2と挿入ガイド部5とが平坦に連続している態様を示している。挿入ガイド部5は、香料不透過性であってもなくてもよい。
(表出窓)
収容部2には、香料保持材Hの収容された部分の一部が表出可能な、任意の平面形状の表出窓6が設けられていてもよい。表出窓6が設けられる位置は限定されないが、好ましくは開口部3の近傍である。香料提示用具Tの使用者が表出窓6を介して香料保持材Hに触れて香料保持材Hを所望の方向に移動させることで、香料保持材Hの収容部2からの抜出がより容易になる。
図4は、開口部3の近傍に表出窓6を有する収容部2の例を示すものである。点線部分は収容部2に収容されている香料保持材Hの部分、斜線部分は表出窓6から表出している香料保持材Hの部分を表す。
(各種吸収剤)
香料の劣化を防ぐ抗酸化剤、吸湿剤、その他各種吸収剤を収容部2内に設置することができる。これらの剤は、収容部2に出し入れ可能でも不可能でもよい。
加えて、収容部2がその他の機能性層を含んでいてもよい。例えば、提示する香料を紫外線等の光に曝したくない場合、香料不透過性を有する、不透明又は半透明フィルムや紫外線吸収作用のあるフィルムなどを収容部2の材料に採用してもよい。
<香料保持材>
本発明において香料保持材Hとは、香料を揮散可能に保持するものである。香料保持材Hに香料化合物を保持させるには、香料と香料保持材Hとを任意の方法で接触させればよい。例えば、含浸、接着、擦付などが例示されるが、これらに限定されない。ここで、香料保持材が保持する香料とは、1種以上の香料化合物を含有する液体若しくは固体、又は香料化合物そのものを意味する。
香料保持材Hの材質は、1種以上の香料化合物が揮散可能に保持され得るものであれば任意であり、例として紙、布、木材、ポリマーなどが挙げられる。無臭であり、かつ保持した香料化合物と化学反応を起こさない又は起こしづらいものが好ましい。
香料保持材Hの立体形状は限定されないが、好ましくは略平板状である。
香料保持材Hの平面形状も限定されないが、香料提示時の香気のコンタミ防止の観点から、長手方向を有するものであることが好ましい。長手方向の先端及び/又はその近傍に香料を保持させ、香料保持材Hを収容部2に挿入する際に、この香料を保持している部分を収容部2への挿入方向の先端とすることで、高い香気コンタミ防止効果が得られる。
香料保持材Hの具体例としては、匂い紙(ムエット、香料試験紙、又は試香紙とも呼ばれる)が挙げられる。
また香料保持材Hには、表示部4と同様の任意の情報、例えば、香料又は香料化合物名、香調、企業名などが記載されてもよい。
(本発明の香料提示用具のその他の態様)
図5は、本発明の更に他の態様の香料提示用具Tの正面図を示すものである。
図5に示す香料提示用具Tにおいては、略半円状の基部1は、互いに半径で接するように設けられた扇形の収容部2を複数備えており、各収容部2は挿入ガイド部5を有する。収容部2は、例えば、図5に示すように、三角形の香料保持材Hを開口部3からその一部が表出するように収容部2に収容可能である。なお香料保持材Hの点線部は収容部2内に収容されている部分を、実線部は開口部3から表出している部分を表す。またこの香料提示用具Tは、複数の表示部4を備えている。表示部4は各収容部2に対応付けられて配置され、香料に含まれる香料化合物の濃度(0.01ppm〜1.0ppm)を示すものと、香料の種類(香料α、香料β)を示すものと、がある。この態様のように表示部を香料ごとに異なる形状(立体又は平面形状)をなすものとすると、収容ミスを防止することができる。また本発明では、図5に示すように複数の収容部2の全てが香料保持材Hを収容しなくてはいけないわけではない。
<本発明の香料提示用具の適用例>
本発明の香料提示用具Tは、複数の香料の提示を目的としたあらゆる用途に使用できる。例えば、嗅覚検査、香料の官能評価、香料に関するアンケートなどが挙げられるが、これらに限定されない。
<<香料提示方法>>
本発明の香料提示用具を用いた香料提示方法について、具体例を挙げて説明する。
本発明の香料提示方法は、本発明の香料提示用具、例えば図示した香料提示用具Tを用いて、複数の香料を提示する方法である。具体的には、
(1)香料提示用具を用意する工程と、
(2)香料保持材に香料を保持させる工程と、
(3)香料保持材を収容部に挿入する工程と、
(4)香料保持材を収容部から抜き出す工程と、を含んでよい。
以下、より詳細な具体例を挙げる。
本発明の香料提示用具Tは、任意の方法によって用意できる。例えば、使用者によって香料の提示日以前に作製しておいても、香料を提示する日や提示する場にて作製することもできる。より具体的には、例えば、使用者によって、複数の市販の香料不透過性匂い紙収容袋(香料保持材収容部2)を、粘着テープによって台紙(基部1)に貼り付けて作製されたものであってよい。本発明の香料提示用具Tはこのように、簡便、短時間、かつ低コストで用意可能なものである。
香料提示用具Tの提示側使用者は、香料保持材Hに香料を保持させ、その香料保持材Hを香料提示用具Tの収容部2に、開口部3から挿入する。ここで本発明の一の実施態様では、収容された香料保持材Hの一部は開口部3から表出する。次いで、その香料提示用具Tを、香料を提示したい場に持参して、被提示側使用者又は提示側使用者によって、香料保持材Hが収容部2から抜き出される。ここで本発明の一実施態様では、香料保持材Hの表出部分を使用者がつまんで香料保持材Hを収容部2から抜出する。又は、抜出は任意の道具、例えばピンセットを用いて行ってもよい。香料保持材Hは、香料を提示している間、適宜開口部3より収容部2へ再度挿入されるか、再度抜き出される。
香料を保持、例えば含浸させた香料保持材Hを全て収容部2に収容した後に、香料提示用具Tを香料の提示の場に持参して提示した場合には、香料提示の場で香料提示用具Tを被提示側使用者に提供するだけですぐに提示を開始でき、更には、香料の提示の場に香料化合物が揮散していない状態で提示を開始することができ、かつ本発明の香料提示用具によって提示中の揮散も抑制されるので、複数人での複数の香料評価の簡便性及び正確性を更に高くすることができる。
香料は、香料保持材Hの全部又は一部に保持されてよい。好ましくは香料保持材Hの一部、より好ましくは香料保持材Hの収容部2への挿入方向の先端及び/又はその近傍に保持される。より具体的には、香料保持材Hの長手方向の先端から約1〜5cmの範囲内に香料が保持されるのが好ましい。
以上、本発明の香料提示用具を用いた香料提示方法の例を示したが、本発明の効果を妨げない範囲で、任意の変更や追加を行ってよいことは言うまでもない。
T 香料提示用具
1 基部
2 香料保持材収容部
3 開口部
4 表示部
5 挿入ガイド部
6 表出窓
H 香料保持材

Claims (12)

  1. 複数の香料保持材収容部と、
    互いに離間した状態で配置された前記複数の香料保持材収容部を保持する基部と、を含む香料提示用具であって、
    前記香料保持材収容部は、香料不透過性であり、略扁平の袋状をなし、かつ、香料保持材の挿入、抜出、及び表出が可能な開口部を有する、香料提示用具。
  2. 前記香料保持材収容部は更に、前記開口部の一部から突出する挿入ガイド部を有する、請求項1に記載の香料提示用具。
  3. 前記香料保持材収容部は、長手方向及び短手方向を有し、該長手方向の一端に前記開口部を有する、請求項1又は2に記載の香料提示用具。
  4. 前記基部の大きさが略B6からA3の範囲内であり、前記香料保持材収容部の短手方向の長さが約1〜3cmの範囲内であり、かつ前記香料保持材収容部の長手方向の長さが約5〜18cmの範囲内である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の香料提示用具。
  5. 1個以上の表示部を更に備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の香料提示用具。
  6. 前記複数の香料保持材収容部が、複数のグループに分かれるように配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の香料提示用具。
  7. 前記香料保持材収容部の一部又は全部が、二軸延伸ポリプロピレン及び/又はポリアミド系多層延伸フィルムで構成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の香料提示用具。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の香料提示用具を用いた、複数の香料を提示する方法。
  9. 香料保持材に香料を保持させた後、前記香料保持材収容部に前記香料保持材を収容し、その後香料の提示を行う、請求項8に記載の方法。
  10. 前記香料保持材の先端から約1〜5cmの範囲内に香料を保持させる、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 前記香料保持材として互いに独立した複数枚の匂い紙を用いて香料の提示を行うために用いられる、請求項1〜7に記載の香料提示用具。
  12. 複数の香料保持材収容部を用意する工程と、
    前記複数の香料保持材収容部を保持する基部を用意する工程と、
    前記基部に、前記複数の香料保持材収容部を互いに離間した状態に配置して保持させる工程と、
    を含む香料提示用具の製造方法であって、
    前記香料保持材収容部は、香料不透過性であり、略扁平の袋状をなし、かつ、香料保持材の挿入、抜出、及び表出が可能な開口部を有する、香料提示用具の製造方法。
JP2017006250A 2017-01-17 2017-01-17 香料提示用具及び香料提示方法 Active JP6612792B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017006250A JP6612792B2 (ja) 2017-01-17 2017-01-17 香料提示用具及び香料提示方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017006250A JP6612792B2 (ja) 2017-01-17 2017-01-17 香料提示用具及び香料提示方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018116124A JP2018116124A (ja) 2018-07-26
JP6612792B2 true JP6612792B2 (ja) 2019-11-27

Family

ID=62984132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017006250A Active JP6612792B2 (ja) 2017-01-17 2017-01-17 香料提示用具及び香料提示方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6612792B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7217399B2 (ja) * 2021-05-14 2023-02-03 スマートチップ株式会社 香りサンプル送付用紙の製造方法及び香りサンプル送付用紙

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018116124A (ja) 2018-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2005260605B2 (en) Volatile material expiration indicating system
US10814029B2 (en) Membrane device for the release of volatile compositions
US7213770B2 (en) Volatile material dispensing system
US9327043B2 (en) Device for delivering a volatile fluid to the atmosphere
US9675723B2 (en) Device and method for delivering volatile substances
USRE46612E1 (en) Scent sampler and air freshener
MXPA06009367A (es) Empaque para lentes de contacto blandos desechables.
KR20150103124A (ko) 휘발성 유체를 주변 공기로 전달하기 위한 방법
US20200054779A1 (en) Fragrance sachet
JP6726764B2 (ja) 増大した膜露出及び揮発性組成物の重量減少を伴う揮発性組成物ディスペンサ
US20140158789A1 (en) Membrane air freshener with direct dome lable
JP6662628B2 (ja) 揮散容器
JP6612792B2 (ja) 香料提示用具及び香料提示方法
US20200061226A1 (en) Fragrance sachet
US20040256480A1 (en) An air freshening or purifying sheet
JP3162278U (ja) 包装袋
WO2019131483A1 (ja) パウチおよび内容液入りパウチ
JP2002126068A (ja) 蒸散容器
US11865816B2 (en) Package system
US20180099066A1 (en) Barrier Sleeve for Air Freshner for Controlled Release of Fragrance
JP2001328641A (ja)
JPH0716193U (ja) 期間表示器
AU2002304507A1 (en) An air freshening or purifying sheet

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190612

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191029

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191031

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6612792

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150