JP6612553B2 - 積層体フィルムおよび粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は積層体フィルムおよび粘着シートに関する。
二輪車などの車輌の樹脂パーツに用いられるマーキングフィルム;広告または表示用ステッカー類;看板、ウインドウ・ディスプレイに用いられるマーキングフィルム;壁紙シートなど、基材フィルムに色、文字、模様などを印刷して装飾効果を持たせた装飾用粘着シートが用いられている。装飾用粘着シートの基材としては特別な表面処理をすることなく、優れたインク定着性を有することからポリ塩化ビニル(PVC)が汎用されている。装飾用粘着シートは、基材のPVCフィルムに印刷を施し、該印刷面と相対するPVCフィルム面に粘着剤層を積層させ、粘着剤層面を被着体に貼付して使用される。また、装飾用粘着シートには、通常、印刷面を保護する目的や表面に光沢を付与する目的でPVCフィルム上に印刷部を被覆するように透明樹脂層(クリア層)が形成される。
PVCフィルムに印刷する際に用いられるインキとしては、熱硬化型インキの他、紫外線硬化型インキがある。紫外線硬化型インキは、熱硬化型インキに比べて、溶剤を用いる必要がないため、環境負荷が小さく、また、硬化が速いため、作業効率性が向上するといった利点がある。このため、装飾を目的としてPVCフィルム上への印刷に用いられるインキとして、また、PVCフィルム上に形成される透明樹脂層に用いられるインキとして、紫外線硬化型インキが導入され始めている(例えば、特許文献1〜3参照)。紫外線硬化型インキは、紫外線により硬化する重合性化合物を含み、紫外線照射により紫外線硬化型樹脂層を形成する。
PVCフィルムには通常可塑剤が含まれるが、このような可塑剤はブリードを起こすことが知られている。かような可塑剤のブリードにより、紫外線硬化型樹脂層とPVCフィルムとの密着性が低下する。特許文献4では、可塑剤を含むPVCフィルムにエチレン酢酸ビニル共重合樹脂を添加することによって、可塑剤のブリードによる紫外線硬化樹脂層の密着性低下を抑制することができるとしている。
特開平6−305235号公報 特開平8−302298号公報 特開平11−5853号公報 特開平7−188490号公報
しかしながら、紫外線硬化型樹脂層とPVCフィルムとの密着性は、高温高湿条件下で、著しく低下するという問題があった。
そこで、本発明は、PVCフィルムと紫外線硬化型樹脂層との密着性が高く、高温高湿環境下であっても、密着性の低下を抑制できる、PVCフィルムを基材とする積層体フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、塩化ビニル層と、紫外線硬化型樹脂層と、を有し、塩化ビニル層および紫外線硬化型樹脂層は、少なくとも一部が接触し、塩化ビニル層は、塩化ビニル系樹脂およびトリメリット酸トリエステルを有する、積層体フィルムである。
本発明によれば、高温高湿環境下であっても、PVCフィルムと紫外線硬化型樹脂層との密着性が高く、フィルム内の剥がれを抑制することができる。
第一実施形態のフィルム積層体の一形態を示す断面模式図である。 第一実施形態のフィルム積層体の他の形態を示す断面模式図である。 第二実施形態の粘着シートを示す断面模式図である。
本発明の第一実施形態は、塩化ビニル層と、紫外線硬化型樹脂層と、を有し、塩化ビニル層および紫外線硬化型樹脂層は、少なくとも一部が接触し、塩化ビニル層は、塩化ビニル系樹脂およびトリメリット酸トリエステルを有する。
塩化ビニル層の上層として熱硬化型のインキ組成物を用いて熱硬化型樹脂層を積層させた場合、高温高湿条件下での密着性の低下は比較的少ない。しかしながら、本発明者らは、紫外線硬化型のインキ組成物を用いた場合、高温高湿条件保存下での密着性が顕著に低下することを見出した。これは、紫外線硬化により形成された膜は、熱硬化性の熱硬化型樹脂層よりも膜面が固いため、移行した可塑剤が紫外線硬化型樹脂層と塩化ビニル層との間で蓄積しやすく、界面強度が低下することに起因すると考えられる。
これに対し、塩化ビニル層に用いられる可塑剤としてトリメリット酸トリエステルを用いることで、塩化ビニル層と紫外線硬化型樹脂層との密着性が高く、さらに、高温高湿条件保存後であっても高い密着性が維持される。トリメリット酸トリエステルを用いることによって、高温高湿条件下であっても塩化ビニル層と紫外線硬化型樹脂層との密着性低下が抑制されるメカニズムの詳細は不明であるが、トリメリット酸トリエステルが塩化ビニル層から移行しにくいことに加え、トリメリット酸トリエステルの極性が比較的高く、極性を有する紫外線硬化樹脂層との界面剥離が抑制されるためと考えられる。
図1は、第一実施形態のフィルム積層体の一形態を示す断面模式図である。図1の積層体フィルム10において、13は塩化ビニル層、14は印刷部、15は紫外線硬化型樹脂層を表す。塩化ビニル層13は、塩化ビニル系樹脂およびトリメリット酸トリエステルを含む。印刷部14は、印刷によって形成された色、文字、模様などである。紫外線硬化型樹脂層15は、印刷部14を被覆するように積層され、印刷部14以外では、塩化ビニル層13および紫外線硬化型樹脂層15は接触している(積層されている)。また、紫外線硬化型樹脂層15は、着色剤を含まないクリア層である。紫外線硬化型樹脂層15を印刷部14上面に被覆することにより、印刷部14の印刷面を保護したり、光沢性を付与したりすることができる。
図2は、第一実施形態のフィルム積層体の他の形態を示す断面模式図である。図2の積層体フィルム20において、23は塩化ビニル層、24は紫外線硬化型樹脂層を表す。紫外線硬化型樹脂層24は、紫外線硬化型の着色インキによって形成され、紫外線硬化型樹脂層24は印刷部でもある。本形態のように、紫外線硬化型樹脂層は、塩化ビニル層であるフィルムと一部接触していれば足り、面全体に形成される形態に限定されるものではない。このため、紫外線硬化型樹脂層は紫外線硬化型樹脂部とも言える。
図2の形態のように、本実施形態では塩化ビニル層と、紫外線硬化型樹脂層とが少なくとも一部接触していればよいが、接触面積が大きく密着性向上の効果が特に得られやすく、また、端部での層間剥がれを効果的に抑制することができることから、塩化ビニル層、印刷部、および紫外線硬化型樹脂層をこの順に積層させてなる形態が好ましく、さらに紫外線硬化型樹脂層が、印刷部を被覆する透明樹脂層であることが好ましい。
以下、各構成について説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートまたはメタクリレート」を指し、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸またはメタクリル酸」を指す。また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等は、室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
(塩化ビニル層)
塩化ビニル層は、塩化ビニル系樹脂およびトリメリット酸トリエステルを含む。トリメリット酸トリエステルは可塑剤として機能し、トリメリット酸トリエステルを配合することにより塩化ビニル系樹脂に柔軟性を付与することができる。
塩化ビニル層は、2%延伸時の初期応力は、20N/mm以下であることが好ましく、15N/mm以下であることが好ましく、12N/mm以下であることがより好ましい。初期応力が上記上限以下であることで紫外線硬化型樹脂層との(初期)密着性が一層向上する。これは、紫外線硬化型樹脂層を形成する際に、紫外線照射による硬化時に発生する収縮応力に塩化ビニル層が追従することができるためであると考えられる。2%延伸時の初期応力の下限は低ければ低いほどよいが、通常5N/mm以上である。初期応力は以下の実施例に記載の方法により測定された値を採用する。
トリメリット酸トリエステルは、可塑化の観点および高温高湿条件下での密着性低下抑制の観点から、以下の式(1)で表される化合物であることが好ましい。
上記式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数8〜10の直鎖または分岐のアルキル基を表す。炭素数8〜10の直鎖または分岐のアルキル基としては、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、2−エチルヘキシル、イソノニル、イソデシルなどが挙げられる。上記式(1)中、R〜Rは、炭素数8〜10の直鎖のアルキル基であることが本発明の効果が一層得られることから好ましい。
トリメリット酸トリエステルとしては、具体的には、トリメリット酸トリn−オクチル、トリメリット酸トリ−2−エチルへキシル、トリメリット酸トリイソノニル、トリメリット酸トリイソデシル、トリメリット酸トリn−デシル、R〜Rがn−オクチルまたはn−デシルであるトリメリット酸トリノルマルアルキルなどが挙げられる。密着性低下の抑制と可塑化効率向上の点から、R〜Rの少なくとも一が炭素数8または10のトリメリット酸トリエステルを用いることが好ましく、R〜Rのすべてが炭素数8または10のトリメリット酸トリエステルを用いることがより好ましい。
トリメリット酸トリエステルは合成してもよいし、市販品を用いてもよい。トリメリット酸トリエステルは、特開2014−189688号に記載の方法などを用いて合成することができる。
トリメリット酸トリエステルの市販品は通常、異なる構造を有するトリメリット酸トリエステルの混合物となっている。この際、トリメリット酸トリエステルの混合物は、可塑化の観点および高温高湿条件下での密着性向上の観点から、重量平均分子量は、500〜1000であることが好ましく、600〜900であることがより好ましい。本明細書において重量平均分子量(Mw)はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により標準ポリスチレン換算分子量として測定されたものを用いる。
トリメリット酸トリエステルの市販品としては、トリメックスT−08NB(トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル)、トリメックスT−08(トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル)、トリメックスT−10(トリメリット酸トリイソデシル)、トリメックスN−08(トリメリット酸トリノルマルアルキル(C、C10))、トリメックス New NSK(トリメリット酸トリノルマルオクチル)(以上、花王社製);アデカサイザーC−8(トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル)、アデカサイザーC−9N(トリメリット酸トリイソノニル)、アデカサイザーC−880(混合直鎖アルキルエステル)(以上、アデカ社製)などが挙げられる。
トリメリット酸トリエステルの添加量は、求められるフィルム物性に応じて適宜添加量を調整することができる。例えば、塩化ビニル層の物性(例えば、ヤング率(MPa))を参酌して塩化ビニル層の可塑化の程度を考慮し、適宜トリメリット酸トリエステルの添加量を調整すればよい。
トリメリット酸トリエステルは、初期の密着性を向上させるという観点からは、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、40質量部以下であることがより好ましく、35質量部以下であることがより好ましい。一方、塩化ビニル系樹脂の可塑化効果の観点からは、トリメリット酸トリエステルは、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましく、20質量部以上であることがより好ましい。
塩化ビニル系樹脂には、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルモノマーおよび塩化ビニルモノマーと共重合可能な他のモノマーの共重合体(以下、塩化ビニル共重合体とも称する)が含まれる。
塩化ビニルモノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、酢酸ビニルのようなビニルエステル類、エチレンビニルエーテルのようなビニルエーテル類、エチレン、プロピレン、1−ブテン等のα−オレフィン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、塩化ビニリデン等が挙げられる。
これらのポリ塩化ビニルまたは塩化ビニル共重合体は塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合法などの公知の製造法によって製造することができる。
塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、通常300〜5000である。平均重合度は、JIS K 6720−2:1999に記載の平均重合度算出方法による。
塩化ビニル層は、塩化ビニル系樹脂と相溶性の他の樹脂を含んでいてもよい。このような他の樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、部分ケン化ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
また、塩化ビニル層には、必要に応じて、安定剤、滑剤、充填剤、着色剤、加工助剤、軟化剤、金属粉、防曇剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難撚剤等を適宜に含有していてもよい。安定剤としては、例えば、Ba−Zn系、Cd−Ba系、Sn系等のものが用いられ、或いはこれらがエポキシ化大豆油、エポキシ樹脂等と併用されていてもよい。また、軟化剤としては、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体やエチレン/酢酸ビニル/一酸化炭素共重合体等が用いられていてもよい。
塩化ビニル層の厚みは、通常10〜100μm、好ましくは10〜85μmである。
塩化ビニル層の形成は特に限定されるものではないが、カレンダー法、T−ダイ押出法、キャスト法などが挙げられる。
(紫外線硬化型樹脂層)
紫外線硬化型樹脂層は、紫外線硬化型樹脂を含む。紫外線硬化型樹脂としては、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等が挙げられる。
紫外線硬化型樹脂層は、紫外線硬化型組成物(好適には紫外線硬化型インキ)による膜を形成後、紫外線を照射して硬化することによって得られる。紫外線硬化型組成物は、実質的に有機溶剤を含まないことが好ましい。
紫外線硬化型組成物は、重合性化合物、および光重合開始剤を含み、必要に応じて着色剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、界面活性剤、重合禁止剤、分散剤などの各種添加剤を含む。
重合性化合物とは、紫外線によってラジカルまたはカチオン重合する重合性基を有する化合物を指し、モノマー、オリゴマー、またはこれらを含む混合物であってもよい。この重合性基としては、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する基が挙げられ、具体的には、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基、無水マレイン酸基、N−置換マレイミド基等が挙げられる。重合性化合物は1種単独でも、2種以上併用してもよい。
重合性化合物として、硬化性の観点から、多官能(メタ)アクリレート;単官能(メタ)アクリレート;および反応性オリゴマー(ここで、オリゴマーとは、モノマー単位が2〜数十程度繰り返された重合体のことをさす)からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートとしては、ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化(2)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(ネオペンチルグリコールエチレンオキサイド2モル付加物をジ(メタ)アクリレート化した化合物、以下、「エチレンオキサイド」を「EO」ともいう。)、プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(ネオペンチルグリコールプロピレンオキサイド2モル付加物をジ(メタ)アクリレート化した化合物、以下、「プロピレンオキサイド」を「PO」ともいう。)、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド(PO)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド(EO)付加物ジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−ト、ブチル(メタ)アクリレ−ト、ヘキシル(メタ)アクリレ−ト、オクチル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト等の(メタ)アクリル酸のC1〜24のアルキル、またはシクロアルキルエステルなどが挙げられる。
反応性オリゴマーとしては、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、エポキシオリゴマー、シリコンアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。ウレタンアクリレートオリゴマーは、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、またはプレポリマーを反応させて得られた生成物にさらに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。ポリエステルアクリレートオリゴマーは、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させることにより形成されるものを挙げることができる。
重合性化合物の含有量は特に限定されるものではないが、組成物中、通常、60〜95質量%程度である。
光重合開始剤としては、ベンゾイン;べンゾインメチルエーテル、べンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのべンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのアセトフェノン類;メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、べンジルメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4,4−ビスメチルアミノべンゾフェノンなどのベンゾフェノン類およびアゾ化合物等を用いることができる。これらは単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。加えて、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなどの第3級アミン;2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸誘導体等の光開始助剤などと組み合わせて使用することができる。光重合開始剤は市販品を用いてもよく、例えばイルガキュア(登録商標)−184、819、907、651、1700、1800、369、261、ダロキュア(登録商標)−TPO(BASF社製)、ダロキュア(登録商標)−1173(BASF社製)、エザキュアKIP150、TZT(DKSHジャパン株式会社製)、カヤキュア(登録商標)BMS、DMBI(日本化薬株式会社製)等が挙げられる。光重合開始剤と併用して増感剤を用いてもよい。
光重合開始剤の含有量は特に限定されるものではないが、組成物中、通常、1〜30質量%程度である。
紫外線硬化型組成物は、紫外線硬化型インキであることが好ましい。紫外線硬化型インキは、紫外線硬化型組成物のうち、印刷可能な組成物を指し、紫外線硬化型インキには、オフセット印刷用インキ、凸版印刷用インキ、フレキソ印刷用インキ、スクリーン印刷用インキなど種々のものを含む。紫外線硬化型インキは、通常モノマー、オリゴマーおよび光重合開始剤を含み、その他、添加成分を含んでいてもよい。
紫外線硬化型インキは、市販品を用いてもよく、市販品としては、UV FIL383クリアー、UV SPS−5200クリアー、UV SPS−5300クリアー、UV FIL各色(以上、帝国インキ製造社製)、ULAシリーズ、UVAシリーズ(以上、セイコーアドバンス製)、ビームセットシリーズ(荒川化学工業社製)、FLASH DRY カルトンシリーズ(東洋インキ社製)などが挙げられる。
紫外線硬化型樹脂層の膜厚は、印刷部の保護、光沢性付与などの観点からは、5〜100μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。
紫外線硬化型組成物による膜を塩化ビニル層上に形成し、紫外線を照射することによって硬化塗膜を形成して、紫外線硬化型樹脂層を形成することができる。紫外線硬化型組成物による膜は、スプレー、ロールコーター、グラビアコーター等の塗布;グラビア、オフセット、スクリーン等の印刷によって形成することができる。
紫外線照射源としては、例えば、水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライド、LEDなどが挙げられる。また、紫外線の照射量は、紫外線硬化型樹脂層が形成されれば特に限定されないが、通常、10〜2000mJ/cmの範囲である。
(印刷部)
印刷部は任意の構成層である。印刷部が紫外線硬化型のインキを用いて形成される場合には、上記紫外線硬化型樹脂層となる。
印刷部とは、文字、模様、数字、シリアル番号などが印刷されたものを指す。
印刷部の形成方法は特に限定はなく、スクリーン印刷、グラビア印刷、平版印刷、インクジェット方式等、各種のプリンターを使用して画像を描写することもできる。いずれの場合も、インキの密着性を高める目的で、塩化ビニル層の印刷部を設ける面を、予めコロナ放電処理やアンカー剤をコート処理するか、あるいは該面にインキ受理層を設けることが好ましい。
印刷に使用されるインキも各描画方式に適したインキから適宜選択して使用すればよい。
本発明の第二実施形態は、粘着剤層と、塩化ビニル層と、紫外線硬化型樹脂層と、をこの順に有し、塩化ビニル層および紫外線硬化型樹脂層は、少なくとも一部が接触し、塩化ビニル層は、塩化ビニル系樹脂およびトリメリット酸トリエステルを有する、粘着シートである。すなわち、本発明の第二実施形態は、第一実施形態のフィルムの、紫外線硬化型樹脂層と相対する側の塩化ビニル層上に粘着剤層が形成されてなる粘着シートである。図3は、第二実施形態の粘着シートを示す断面模式図である。図3の粘着シート30は、積層フィルム10の塩化ビニル層13の紫外線硬化型樹脂層15と相対する面に粘着剤層32、剥離部材31がこの順に積層されてなる。剥離部材31は、粘着剤層32を保護し、粘着性の低下を防止する機能を有する部材である。そして、剥離部材31は、被着体に粘着シートを貼付する際に剥離される。
(粘着剤層)
粘着剤層に用いられる粘着剤としては、特に限定されず、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤などを用いることができる。上記粘着剤は1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
粘着剤としては、接着の信頼性の観点から、特にアクリル系粘着剤を好適に用いることができる。アクリル系粘着剤を構成するアクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体主成分とし、必要に応じて(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能な単量体(共重合性単量体)を用いることにより形成される。
(メタ)アルキル酸アルキルエステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合可能なアクリル共重合性単量体の例としては、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(n−プロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(n−ブトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−エトキシプロピル、アクリル酸2−(n−プロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(n−ブトキシ)プロピルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有単量体またはその無水物;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有単量体;スチレン、置換スチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリルなどのシアノ基含有単量体;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類;酢酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニル;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのアミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレートなどのヒドロキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリルイルモルホリンなどのアミノ基含有単量体;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのエポキシ基含有単量体;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有単量体;トリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジビニルベンゼンなどの多官能基の共重合単量体(多官能基モノマー)などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘着剤は、アクリル系ポリマーの他、架橋剤を含むことが好ましい。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤などが挙げられる。架橋剤の添加量は、アクリル系ポリマー100質量部に対して、0.001〜10質量部であることが好ましく、0.005〜0.5質量部であることがより好ましい。
粘着剤層には、必要に応じ、着色剤、充填剤、帯電防止剤、タッキファイヤー、濡れ剤、レベリング剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤等を適宜添加することができる。
粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、粘着性および薄膜化の観点から、10〜100μmの範囲が好ましい。
粘着剤層の形成方法は特に限定されないが、通常粘着剤を塩化ビニル層上に塗布する方法が採られる。塗布方法は特に限定されず、例えばロールコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、スロットダイコーター、リップコーター、グラビアコーターなどの公知の塗布装置を用いて塗布することができる。粘着剤の塗布厚としては、乾燥後で、通常10〜100μm、好ましくは20〜60μmである。粘着剤を塩化ビニル層上に塗布後、乾燥処理を行うことによって、粘着剤層が形成される。この際の乾燥条件としては特に限定されず、通常60〜150℃にて10〜60秒の条件で行われる。
(剥離部材)
剥離部材は、粘着剤層を保護し、粘着性の低下を防止する機能を有する部材である。そして、剥離部材は、被着体に貼付する際に粘着シートから剥離される。このため、本実施形態における粘着シートは、剥離部材を有していないものも包含される。
剥離部材としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルム;上質紙、グラシン紙、クラフト紙、クレーコート紙などの紙が挙げられる。
剥離部材の厚みは、通常10〜400μm程度である。また、剥離部材の表面には、粘着剤層の剥離性を向上させるためのシリコーンなどから構成される剥離剤からなる層が設けられてもよい。かような層が設けられる場合の当該層の厚みは、通常0.01〜5μm程度である。
(用途)
第二実施形態の粘着シートは、二輪車などの車輌の樹脂パーツに用いられるマーキングフィルム;広告または表示用ステッカー類;看板、ウインドウ・ディスプレイに用いられるマーキングフィルム;壁紙シート;絆創膏などに用いることができる。
特に第二実施形態の粘着シートは耐候性に優れていることから、外部環境下に設置されることが多い移動体(特に車両)に用いられることが好ましい。すなわち本発明の好適な形態は移動体貼付用粘着シートである。また、本発明の好適な形態は、第二実施形態の粘着シートが貼付された移動体である。
移動体としては、特に限定されるものではないが、例えば、車両、航空機、船舶、ブルドーザ、ショベルカー、トラッククレーン、フォークリフト等の移動体が挙げられる。車両としては、ガソリンやバイオエタノール等を燃料とする自動車、二次電池や燃料電池を利用した電気自動車、ハイブリッド自動車等の四輪自動車(乗用車、トラック、バス等);二輪のバイク、自転車;鉄道車両(電車、ハイブリッド電車、機関車等)などが挙げられる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いる場合があるが、特に断りがない限り、「質量部」あるいは「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行われる。
(実施例1)
1.塩化ビニルフィルムの作製
塩化ビニル樹脂(平均重合度1800)100質量部に対して、トリメックスN−08(トリメリット酸トリノルマルアルキル(C、C10)、花王社製、重量平均分子量762)を25質量部、Ba−Zn系安定剤(アデカスタブ AC−167、ADEKA社製)を3質量部、および溶剤としてエチルセロソルブを40質量部の割合で混合し、オルガノゾルを得た。
得られたオルガノゾルを厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートからなる工程フィルムに塗布し、80℃1分さらに190℃2分加熱した後、工程フィルムを剥離することにより、厚さ55μmの塩化ビニルフィルムを得た。
2.粘着剤層の形成
還流器および攪拌機を備えたフラスコに、アクリル酸ブチル95質量部、アクリル酸5質量部、過酸化物系開始剤およびトルエン(溶剤)を混合し、窒素置換を行いながら加温し、重合を行って、アクリル系ポリマーを得た(重量平均分子量Mw=500,000)。
上記アクリル系ポリマー固形分100質量部、およびエポキシ系架橋剤(商品名:TETRAD−X、三菱ガス化学社製)0.01質量部を混合して粘着剤を得た。
剥離部材上に上記粘着剤をナイフコーターにより乾燥膜厚20μmとなるように塗布した後、90℃で1分乾燥させて粘着剤層を形成した(乾燥膜厚20μm)。
上記塩化ビニルフィルムに剥離部材と相対する粘着剤層面を貼りあわせた。
3.粘着シートの作製
塩化ビニルフィルム(塩化ビニル層)上の工程フィルムを剥がした面に、UV SPS−5300クリアー(帝国インキ製造株式会社)をスクリーン印刷し、メタルハライドランプを用いて300mJ/cmの条件で紫外線を照射して、厚さ15μmの紫外線硬化型樹脂層を形成して、粘着シートを得た。
(実施例2)
トリメックスN−08(トリメリット酸トリノルマルアルキル(C、C10))に代えて、アデカサイザーC−8(トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル、アデカ社製、重量平均分子量776)を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(実施例3)
トリメックスN−08(トリメリット酸トリノルマルアルキル(C、C10))の添加量を25質量部から35質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例1)
トリメックスN−08(トリメリット酸トリノルマルアルキル(C、C10))25質量部に代えて、ファインサイザーNS−4070(アジピン酸ポリエステル系可塑剤、大日精化工業社製、重量平均分子量4000)35質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例2)
比較例1において、ファインサイザーNS−4070を25質量部に変更したこと以外は、比較例1と同様にして粘着シートを得た。
(比較例3)
トリメックスN−08(トリメリット酸トリノルマルアルキル(C、C10))に代えて、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(重量平均分子量491)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体フィルムおよび粘着シートを得た。
(初期応力の測定)
実施例および比較例のPVCフィルムを10mm×120mm角に裁断し(測定範囲 10mm×100mm)、温度25℃、相対湿度50%の室内にて、引張速度200mm/minで引張し、2%延伸時の荷重(N)を測定し、幅10mm及び厚さ55μmで除することにより応力(初期応力)を算出した。
(密着性試験)
実施例および比較例の粘着シートから剥離紙を剥がし、粘着剤層面をSUS板に貼付し、紫外線硬化型樹脂層の表面から塩化ビニルフィルムの表面まで切り込むように1mm×1mm四方の碁盤目の切り傷を入れ、10×10=100マスを作成した。その後、紫外線硬化型樹脂層にセロハンテープの粘着剤が十分に密着するように、セロハンテープを貼付した。貼付の1分後に90°の角度でテープの端をつかんで剥離し、その際に残ったマスの数をカウントした。
また、実施例および比較例の粘着シートを65℃、95%RHで1週間放置後、上記と同様にして剥離試験を行った。
結果を表1に示す。
上記結果より、トリメリット酸トリエステルを含む塩化ビニル層に紫外線硬化型樹脂層を積層体フィルムは、塩化ビニル層と紫外線硬化型樹脂層との密着性が高く、また、高温高湿条件下で保存された後においても、塩化ビニル層と紫外線硬化型樹脂層との間で高い密着性が維持されることがわかる。
一方、アジピン酸系可塑剤を実施例のトリメリット酸トリエステルの添加量よりも多く含む塩化ビニル層を用いた比較例1、フタル酸系可塑剤を含む塩化ビニル層を用いた比較例3では、初期の密着性はある程度確保されているが、高温高湿条件保存下での密着性が著しく低下していた。また、アジピン酸系可塑剤を実施例のトリメリット酸トリエステルの添加量と同量含む塩化ビニル層を用いた比較例2では、初期応力が高く、初期密着性が低下していた。
10、20 積層体フィルム、
13、23 塩化ビニル層、
14 印刷部、
15、24 紫外線硬化型樹脂層、
30 粘着シート、
31 剥離部材、
32 粘着剤層。

Claims (8)

  1. 塩化ビニル層と、
    印刷部と、
    紫外線硬化型樹脂層と、をこの順に有し、
    前記紫外線硬化型樹脂層は、前記印刷部を被覆する透明樹脂層であり、
    前記塩化ビニル層および前記紫外線硬化型樹脂層は、少なくとも一部が接触し、
    前記塩化ビニル層は、塩化ビニル系樹脂およびトリメリット酸トリエステルを有する、積層体フィルムであって、
    前記トリメリット酸トリエステルが、
    以下の式(1)
    (上記式(1)中、R 〜R は、それぞれ独立して、炭素数8〜10の直鎖のアルキル基である)で表され、
    前記トリメリット酸トリエステルを前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対して20質量部以上40質量部以下含む、積層体フィルム
  2. 前記塩化ビニル層の2%延伸時の初期応力が20N/mm以下である、請求項1に記載の積層体フィルム。
  3. 前記トリメリット酸トリエステルが、異なる構造を有する前記式(1)で表される化合物の混合物である、請求項1または2に記載の積層体フィルム。
  4. 前記塩化ビニル層の厚さが10〜85μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体フィルム。
  5. 粘着剤層と、
    塩化ビニル層と、
    印刷部と、
    紫外線硬化型樹脂層と、をこの順に有し、
    前記紫外線硬化型樹脂層は、前記印刷部を被覆する透明樹脂層であり、
    前記塩化ビニル層および前記紫外線硬化型樹脂層は、少なくとも一部が接触し、
    前記塩化ビニル層は、塩化ビニル系樹脂およびトリメリット酸トリエステルを有する、
    粘着シートであって、
    前記トリメリット酸トリエステルが、
    以下の式(1)
    (上記式(1)中、R 〜R は、それぞれ独立して、炭素数8〜10の直鎖のアルキル基である)で表され、
    前記トリメリット酸トリエステルを前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対して20質量部以上40質量部以下含む、粘着シート
  6. 前記塩化ビニル層の2%延伸時の初期応力が20N/mm以下である、請求項に記載の粘着シート。
  7. 前記トリメリット酸トリエステルが、異なる構造を有する前記式(1)で表される化合物の混合物である、請求項5または6に記載の粘着シート。
  8. 前記塩化ビニル層の厚さが10〜85μmである、請求項5〜7のいずれか1項に記載の粘着シート。
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