JP2911690B2 - 自己粘着性化粧シート - Google Patents

自己粘着性化粧シート

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JP2911690B2 JP27553992A JP27553992A JP2911690B2 JP 2911690 B2 JP2911690 B2 JP 2911690B2 JP 27553992 A JP27553992 A JP 27553992A JP 27553992 A JP27553992 A JP 27553992A JP 2911690 B2 JP2911690 B2 JP 2911690B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス板、金属板、光
沢面を有するプラスチック板などの平滑な表面に対して
シートの自己粘着力により貼り付けることができ、接着
剤や粘着剤を使用しない自己粘着性化粧シートに関し、
特に印刷が鮮明で印刷層の剥離や脱落がなく、印刷層の
色褪せや色落ちのない自己粘着性化粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ファーストフードショップ、
コンビニエンストアー、ファミリーレストラン等の店舗
の窓ガラスやドアガラスに、宣伝広告用の化粧シートが
貼着されているが、この種の化粧シートとしては、半硬
質の合成樹脂シートの表面にオフセット印刷層を形成
し、裏面に接着剤層もしくは粘着剤層を形成したものが
使用されている。接着剤を使用したものは、ガラス等の
表面に接着した後は、これを剥して再度使用することが
できないばかりか、模様換え等で剥がした場合、ガラス
表面に接着剤が残着し、ガラス表面が汚くなり、この接
着剤を落とすのが容易ではないものであった。一方、粘
着剤を使用したものは、貼着・剥離を繰り返し行うこと
ができるものであるが、半硬質の合成樹脂シートに粘着
剤層を形成しているため、剥離時に半硬質合成樹脂シー
トが爪の間に食い込んで手指を負傷する危険があるばか
りでなく、繰り返し使用していると、半硬質合成樹脂シ
ートと粘着剤層が剥離し、粘着剤層がガラス表面に残着
し、ガラスを汚してしまい、この残着粘着剤層を取り除
くのに手間がかかるものであった。また、半硬質の合成
樹脂シートに接着剤層や粘着剤層を形成しているため、
各層の収縮率が異なり、化粧シートがカールしてしま
い、貼着作業がやりにくいという欠点、またガラス表面
より剥離すると直ちにカールしてしまい再度貼着するこ
とが困難であるうという欠点があるものであった。ま
た、製造方法においては、半硬質合成樹脂シートへの印
刷、該半硬質シートへの粘着剤層の形成(塗布又はラミ
ネート)、および粘着剤層への裏打ち材の積層の工程を
とる必要があり、効率的ではなかった。
【0003】この従来の化粧シートの有する欠点を改善
するものとして、自己粘着性の軟質塩化ビニル系樹脂シ
ートを使用することが試みられたが、この種の自己粘着
性の軟質塩化ビニル系樹脂シートは、オフセット印刷適
性が悪く、該シート表面に印刷インクをオフセット印刷
して自己粘着性ラベルとする場合、印刷インキののりが
悪く、印刷の鮮明さに欠け、印刷層と自己粘着性塩化ビ
ニル系樹脂シートとの接着性が劣るばかりでなく、印刷
後の自己粘着シートを積み重ねておくと自己粘着シート
の裏面に他の自己粘着シートの印刷が裏移りしてしまう
という問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記ような自己粘着性
塩化ビニル系樹脂シートの問題点を改善するために、上
記の自己粘着性塩化ビニル系樹脂シートのオフセット印
刷層を形成する面に、透明のアンカー処理(表面処理)
を施してオフセット印刷層を形成したものも検討された
が、オフセット印刷適性は良くなるものの、使用する透
明のアンカー処理(表面処理)剤が硬質の合成樹脂をベ
ースとするものであるため、透明アンカー処理層(表面
処理層)に割れが生じることがあり、オフセット印刷イ
ンクが滲んだり、オフセット印刷層が割れてしまうなど
の問題が新たに生じた。更には、透明アンカー処理剤が
硬質の合成樹脂をベースとするものであるために形成さ
れるアンカー処理層(表面処理層)は硬く、塩化ビニル
系樹脂シートが収縮しても表面の透明アンカー処理層が
収縮しないため、自己粘着性化粧シートがオフセット印
刷層を形成していない側に湾曲してしまう等の問題が生
じた。また、製造方法においては、自己粘着性の軟質塩
化ビニル系樹脂シート裏面に裏打ち材を積層する工程、
自己粘着性シートの裏打ち材を積層していない表面にア
ンカー処理を施しアンカー処理層を形成する工程、アン
カー処理層にオフセット印刷を施す工程が必要であり、
効率的な方法ではなかった。
【0005】本発明は、これら従来の粘着性化粧シート
および製造方法の欠点を改善し、自己粘着性の軟質塩化
ビニル系樹脂シートに、透明アンカー処理(表面処理)
を施さずに、オフセット印刷層を直接に形成することが
可能で、しかもオフセット印刷インクののりがよく、オ
フセット印刷層と自己粘着性の軟質塩化ビニル系樹脂シ
ートとの接着性がよく、繰り返し粘着性に優れ、カール
を発生せず、水洗後の粘着性も良好で、印刷後に重ねて
置いた場合にもインクの裏移りがなく、また透明アンカ
ー処理(表面処理)を施した自己粘着性化粧シートのよ
うに、透明アンカー処理(表面処理)層の割れによるオ
フセット印刷インクの滲みや、オフセット印刷層の割れ
等の問題のない自己粘着性化粧シートを提供せんとする
ものである。また、アンカー処理を施さずとも明瞭なオ
フセット印刷を施すことのできる自己粘着性化粧シート
の製造方法を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、基材
シート表面に、化粧印刷層が形成されてなる化粧シート
において、基材シートが自己粘着性の軟質塩化ビニル系
樹脂シートであり、化粧印刷層が紫外線硬化インクのオ
フセット印刷層である自己粘着性化粧シートに関するも
のである。また、本発明は、自己粘着性の軟質塩化ビニ
ル系樹脂シートよりなる基材シート表面に、アンカー処
理を施すことなく直接に紫外線硬化性インクをオフセッ
ト印刷し、紫外線照射して紫外線硬化性インクを硬化さ
せることを特徴とする自己粘着性化粧シートの製造方法
に関するものである。
【0007】本発明で使用する塩化ビニル系樹脂として
は、塩化ビニルの単独重合体や塩化ビニルと他のモノマ
ーとの共重合体のほか、塩化ビニル樹脂と他の樹脂との
ブレンド物も使用できる。塩化ビニルと共重合させるモ
ノマーとしては、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、
マレイン酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エステル、アクリル酸エステル、高級ビニルエーテル
などが挙げられる。塩化ビニル樹脂にブレンドする他の
樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、ポリウレタン樹
脂、塩素化ポリウレタン樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト樹脂などが挙げられる。上記のモノマーあるいは共重
合体は塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、10重
量部以下であることが望ましい。塩化ビニル系樹脂の平
均重合度は650〜2500のものが使用でき、好まし
くは700〜2000であり、更に好ましくは800〜
1500である。
【0008】自己粘着性の軟質塩化ビニル系樹脂シート
を得るために、前記塩化ビニル系樹脂に可塑剤を添加す
る。本発明で使用する可塑剤としては、ジ−n−オクチ
ルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ
ブチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソブ
チルフタレート、ジドデシルフタレート、ジベンジルフ
タレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジノニルフタ
レート、オクチルカプリルフタレート、ブチルベンジル
フタレート、ビス−2−メトキシエチルフタレート等の
フタル酸エステル系可塑剤、トリブチルホスフェート、
トリエチルホスフェート、トリクロルエチルホスフェー
ト、トリオクチルホスフェート、トリス(イソプロピル
フェニル) ホスフェート、トリクレジルホスフェート、
トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホス
フェート、クレジルジキシレニルホスフェート、トリス
ジクロロプロピルホスフェート等のリン酸エステル系可
塑剤、ジブチルセバケート、ジオクチルセバケート、ト
リアセチルグリセリン、グリセロールセバケート、ジイ
ソデシルサクシネート、ジイソデシルアジペート、ジ−
n−ブチルマレエート、トリ−n−ブチルシトレート、
メチルアセチルリシノレート、ブチルオレエート、グリ
セリンモノリシノレート等の脂肪酸エステル系可塑剤、
ポリプロピレングリコールポリアジペート、ポリブチレ
ングリコールポリアジペート等のポリエステル系可塑
剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸
エステル系可塑剤、塩素化パラフィンなどの塩化ビニル
系樹脂に一般的に使用されている可塑剤であれば何れの
ものでも使用できる。これらの可塑剤は単独で使用する
こともできるし、2種以上を併用して使用することもで
きる。上記可塑剤の添加量は、塩化ビニル系樹脂100
重量部に対して40〜90重量部、好ましくは45〜7
5重量部、更に好ましくは50〜70重量部である。
【0009】本発明においては、前記の自己粘着性の軟
質塩化ビニル系樹脂シートに、一般に塩化ビニル系樹脂
に使用される各種の添加剤、例えば、安定剤、紫外線吸
収剤、抗酸化剤、光安定剤などを添加することもでき
る。
【0010】安定剤としては、金属石鹸、エポキシ化合
物、有機ホスファイト系安定剤等の通常使用される安定
剤が使用でき、金属石鹸としては、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸カドミウム、リシノール酸バリウム、オレイン
酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、オクトイン酸亜
鉛等が挙げられ、エポキシ化合物としては、エポキシ化
大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエ
ン、エポキシステアリン酸メチル、エポキシ化ステアリ
ン酸、エポキシステアリン酸エチルヘキシル、エポキシ
ステアリン酸ステアリル、トリス(エポキシプロピル)
イソシアヌレート、3-(2- キセノキシ)-1,2- エポキ
シプロパン、エポキシビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル、ビニルジシクロヘキセンジエポキサイド、2,2-
ビス(4-ヒドロキシフェニル) プロパンとエピクロルヒ
ドリンの重縮合物が挙げられ、有機ホスファイト系安定
剤としては、ジフェニルデシルホスファイト、トリフェ
ニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル) ホスファ
イト、トリステアリルホスファイト、オクチルジフェニ
ルホスファイト等が挙げられる。またジブチル錫ジラウ
レート、ジブチル錫マレエート、有機錫メルカプチド、
有機錫スルホンアミド等の錫系安定剤なども用いること
ができる。これらの安定剤は単独でまたは2種以上を併
用して使用でき、特にバリウム−亜鉛系、カルシウム−
亜鉛系、バリウム−カドミウム系等の複合安定剤とエポ
キシ化合物を使用するのが好ましい。安定剤の添加量
は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.1から1
0重量部、好ましくは1〜7重量部、更に好ましくは2
〜5重量部程度である。
【0011】紫外線吸収剤としては、ハイドロキノンジ
サリチレート等のハイドロキノン系紫外線吸収剤、フェ
ニルサリチレート、パラオクチルフェニルサリチレート
等のサリチリ酸系紫外線吸収剤、2,2’−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ヒドロキシ
4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノ
ン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒド
ロキシ−5’−メチルフェニル)−5,6−ジクロルベ
ンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤が挙げられ、こ
れらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0012】抗酸化剤としては、フェノール系、チオジ
プロピオン酸エステル系、脂肪族サルファイト系等の抗
酸化剤を1種又は2種以上を用いることができる。
【0013】光安定剤としては、4-(フェニルアセトキ
シ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、トリス-(2,2,6,
6,−テトラメチル−4−ピペリジル)トリアジン−2,4,
6-トリカルボキシレート等のような下記の一般式で示さ
れるヒンダードアミン等の一般に使用されている光安定
剤を1種又は2種以上を用いることができる。一般式 (式中、Rは1〜4価のカルボン酸から誘導されるモノ
〜テトラアルシル基、R1 〜R4は炭素数1〜4のアル
キル基、nは1〜4の整数を示す。)
【0014】本発明の紫外線硬化インクによるオフセッ
ト印刷層を形成する紫外線硬化性インクとしては、紫外
線の照射により重合する重合性ポリマー(重合性オリゴ
マーを含む)、重合性モノマーの1種以上と、重合開始
剤、着色剤を含むものが使用できる。
【0015】重合性ポリマー(重合性オリゴマーを含
む)としては、ポリエステルアクリレート、塩素化ポリ
エステルアクリレート、ビスフェノールA型エポキシア
クリレート、フェノールノボラック型エポキシアクリレ
ート、アクリル変性エポキシアクリレート、ポリエステ
ル系ウレタンアクリレート、ポリエーテル系ウレタンア
クリレート、ポリカーボネート系ウレタンアクリレー
ト、ポリブタジエンアクリレート、ポリスチレンメタク
リレート、ポリエーテルメタクリレートなどが挙げら
れ、これらは単独で、もしくは2種以上を併用して使用
できる。
【0016】重合性モノマーとしては、単官能(メタ)
アクリレートと多官能(メタ)アクリレートが挙げられ
る。単官能アクリレートとしては、長鎖脂肪族(メタ)
アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリ
レート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ブ
トキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、カプロ
ラクトン(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−シアノエチ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、シクロペンタニル(メタ)アクリレート、脂
環式変性ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレー
ト、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペ
ンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−エトキ
シエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリ
シジル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフロロデシル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、γ−メタクリロキシプロピルメトキシシラン、2−
メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエ
チレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテト
ラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ
ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキ
シジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メト
キシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレート、モル
ホリン(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエ
チレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノ
キシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、
オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、オクチル
(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アク
リレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、EO変性フェノキシ化リン酸
(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、EO変性リン酸(メタ)アクリレート、EO変性ブ
トキシ化リン酸(メタ)アクリレート、EO変性オクト
キシ化リン酸(メタ)アクリレート、EO変性フタル酸
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレン(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、EO変性コハク
酸(メタ)アクリレート、スルホン酸ソーダエトキシ
(メタ)アクリレート、テトラフロロプロピル(メタ)
アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリ
レート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アク
リレート、ビニルアセテート、N−ビニルカプロラクタ
ム、N−ビニルピロリドンなどが使用できる。
【0017】多官能(メタ)アクリレートとしては、長
鎖脂肪族ジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオ
ールじ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオール
ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テ
トラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、
トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロ
ペンタニルジ(メタ)アクリレート、グリセロール(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメ
チロールプロパンジ(メタ)アクリレート、EO変性ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO
変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)ア
クリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペン
タ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジ
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプ
ロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)
アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メ
タ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変
性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリト
ールジ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸ジ(メ
タ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリ
レート、トリス(アクリロキシエチル)イソシヌレー
ト、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)
イソシヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソ
シヌレート、亜鉛ジ(メタ)アクリレートなどが使用で
きる。これらの重合性モノマーは、単独で使用すること
もできるし、2種以上を併用して使用すること模でき
る。
【0018】重合開始剤としては、4−フェノキシジク
ロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセト
フェノン、ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシジメ
チルアセトフェノン、4−イソプロピルフェニル(2−
ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、4−ドデシルフェ
ニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキ
シ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン等のアセトフェノン系重合開始剤、
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾイ
ンイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタール等のベ
ンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安
息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベン
ゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベ
ンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベン
ゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤、チオキサ
ントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキ
サントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロ
ピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサント
ン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジプロ
ピルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤の
他、ベンジル、メチルフェニルグリオキシレート、9,
10−フェナンスレンキノン、2,4,6−トリメチルベ
ンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−エチル
アンスラキノン、ジベンゾスベロン、4,4’−ジエチ
ルイソフタロフェノン等が使用でき、これらは単独もし
くは2種以上を併用して使用することができる。
【0019】重合開始剤とともに、一般的に使用されて
いる重合開始助剤を使用することができる。重合開始助
剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノー
ルアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−ジ
メチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミ
ノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香
酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチル
アミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチル
アミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香
酸2−エチルヘキシル等が挙げられ、これらは単独もし
くは2種以上を併用して使用することができる。
【0020】着色剤としては、一般に使用されている顔
料系着色剤、染料系着色剤であれば何れも使用すること
ができる。
【0021】紫外線照射装置としては、高圧水銀ラン
プ、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプなど、一
般に使用されている紫外線照射装置であれば何れのもの
でも使用できる。
【0022】本発明の自己粘着性化粧シートは、自己粘
着性の軟質塩化ビニル系樹脂シートを成形し、これに離
型シートをラミネートし、自己粘着性軟質塩化ビニル系
樹脂シートの離型シートで裏打ちされていない面に、オ
フセット印刷により紫外線硬化性インクを使用して化粧
印刷を施し、次いで紫外線照射装置により前記化粧印刷
面に紫外線を照射して紫外線硬化性インクを硬化させて
紫外線硬化インクのオフセット印刷層を形成することに
よって得られる。
【0023】本発明に使用する自己粘着性塩化ビニル系
樹脂シートは、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
て、可塑剤40〜90重量部および必要に応じ他の添加
剤を適当量配合した配合物をヘンシェルミキサー、バン
バリーミキサーなどによって混合し、カレンダー法ある
いは押出法により厚み0.05〜0.8mm、好ましくは
0.075〜0.6mm、更に好ましくは0.1〜0.4
mmのシートに分出しすることにより得られる。カレンダ
ーあるいは押出法により分出しされた自己粘着性軟質塩
化ビニル系樹脂シートは、分出し直後または別の工程で
離型シートとラミネートされる。
【0024】上記のようにして形成された離型シートで
裏打ちされた自己粘着性塩化ビニル系樹脂シートは、離
型シートで裏打ちされていない面に紫外線硬化性インク
を用いて宣伝広告用の文字・図形や模様などをオフセッ
ト印刷により形成し、次いで紫外線照射装置により紫外
線を照射して紫外線硬化性インクを硬化させ、紫外線硬
化インクのオフセット印刷層を形成し、非印刷面が剥離
性を有する離型シートにより裏打ちされたラベルや広告
用に使用される自己粘着性化粧シートが得られるもので
ある。
【0025】自己粘着性塩化ビニル系樹脂シートの非印
刷面を裏打ちする離型シートとしては、自己粘着性塩化
ビニル系樹脂シートをガラス板等に貼着させるときに、
容易に剥離でき、通常は自己粘着性軟質塩化ビニル系樹
脂シートと密着するものであれば、いづれのものでも使
用でき、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレ
ンフィルム、ポリエステルフィルム等の離型性を有する
合成樹脂フィルムやシリコン処理もしくはテフロン処理
した離型紙などが挙げられる。
【0026】
【実施例】以下に具体的な実施例を掲げさらに詳細に本
発明を説明する。 実施例1 下記に示す組成の配合物をヘンシェルミキサーで7分間
攪拌混合し、引続きバンバリーミキサーで4分間混練す
る。次に140℃〜170℃に加熱された第1混練ロー
ルで混練し、次いで90℃〜160℃に加熱されたスト
レーナーを通してスクリーニングし、スクリーニングさ
れた混練物は140℃〜170℃に加熱された第2混練
ロールで混練され、この混練物を160℃〜190℃に
加熱されたカレンダーに投入し圧延して厚み0.2mmの
自己粘着性塩化ビニル樹脂シートを形成すると同時に、
自己粘着性軟質塩化ビニル系樹脂シートの裏面にシリコ
ン処理を施した表面平滑な離型紙をラミネートし、離型
紙で裏打ちされた自己粘着性軟質塩化ビニル系樹脂シー
トを得た。 塩化ビニル樹脂(平均重合度950) 100重量部 Ba−Zn系複合安定剤 2重量部 エポキシ化大豆油 2重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 55重量部 顔料 0.07重量部
【0027】この自己粘着性軟質塩化ビニル系樹脂シー
トの裏打ちされていない面に、紫外線硬化性インクFD
O−G(商品名:東洋インキ製)を用いてオフセット印
刷し、次いで水銀ランプ(80W/cm)で紫外線を照射
し、紫外線硬化性インクを硬化させ、紫外線硬化インク
のオフセット印刷層を形成して自己粘着性化粧シートを
得た。得られた自己粘着性化粧シートについて、紫外線
硬化インクと自己粘着性軟質塩化ビニル系樹脂シートと
の接着強度、繰り返し使用に於ける粘着性(剥離の容易
性)、カールの有無、水洗後の粘着性、自己粘着化粧シ
ートを重ねた時のインクの裏移り性を試験した。その結
果を表1に示す。
【0028】《接着強度》紫外線硬化インクのオフセッ
ト印刷層を形成した自己粘着性化粧シートの印刷面に1
mm間隔で縦横に11本の切れ目を入れ(1mm四方の枡目を
100個形成し)、これに接着テープ(セロテープ)の接
着剤塗布面を密着させた後、接着テープを剥離し、自己
粘着性の軟質塩化ビニル樹脂層上に残ったオフセット印
刷層(1mm四方の印刷層)の数を調べ、次の評価基準に
より判断した。 〈評価基準〉 良好……1mm四方の印刷層の残数が100個のものは良
好。 不良……1mm四方の印刷層の残数が100個未満のもの
は不良。 《繰り返し粘着性》自己粘着性化粧シートをガラス板に
密着粘着させ、これを剥離し、再度ガラス板に密着粘着
させる工程を50回繰り返し、50回目の粘着性を、自
己粘着性化粧シートを剥離するときの剥離し易さに基づ
き、次の評価基準により判断した。 ◎……剥離するときに抵抗が大きい。 △……剥離するときにやや抵抗がある。 ×……剥離するときに全く抵抗がなく容易に剥離
【0029】《カール性》自己粘着性化粧シートの自己
粘着面に離型紙で裏打ちしたものを、日の当たる場所に
1ヵ月間放置した後、離型紙で裏打ちされたままでカー
ルの状態を調べるとともに、離型紙を剥離した時の自己
粘着性化粧シートのカールの状態を調べ、次の評価基準
により判断した。 ◎……離型紙で裏打ちされた状態、離型紙を剥離したと
きの何れもカールが認められない。 △……離型紙で裏打ちされた状態ではほとんどカールが
認められないが、離型紙を剥離したとき自己粘着性化粧
シートに明瞭にカールが認められる。 ×……離型紙で裏打ちされた状態、離型紙を剥離したと
きの何れも大きなカールが認められる。 《水洗後の粘着性》自己粘着性化粧シートをガラス板に
貼着したときの粘着性と、同化粧シートを水洗して乾燥
させた後に再度ガラス板に貼着したときの粘着性とを比
較し、次の評価基準により判断した。 ◎……水洗後の粘着力は初期の粘着力とほとんど変わら
ない。 △……水洗後の粘着力は初期の粘着力より明らかに劣
る。 ×……水洗後は粘着力がなくなった。 《インクの裏移り性》印刷済み(紫外線硬化性インクを
使用したものは紫外線を照射した後、紫外線硬化性イン
クでないインクを使用したものは乾燥直後)の自己粘着
性軟質塩化ビニル樹脂シートを10枚重ね、24時間放
置した後のインクの裏写りの有無を判定した。 ◎……裏写りが全くない。 ×……裏写りが認められる。
【0030】実施例2 自己粘着性の軟質塩化ビニル樹脂シートを得るための配
合中、ジ−2−エチルヘキシフタレートの配合量を40
重量部とする以外は実施例1と同様にして自己粘着性化
粧シートを得た。得られた自己粘着性化粧シートについ
て実施例1と同様の試験を行なった。結果は表1に示
す。
【0031】実施例3 自己粘着性の軟質塩化ビニル樹脂シートを得るための配
合中、ジ−2−エチルヘキシフタレートの配合量を90
重量部とする以外は実施例1と同様にして自己粘着性化
粧シートを得た。得られた自己粘着性化粧シートについ
て実施例1と同様の試験を行なった。結果は表1に示
す。
【0032】実施例4 自己粘着性の軟質塩化ビニル樹脂シートを得るための配
合中、ジ−2−エチルヘキシフタレートに代えてジイソ
ノニルフタレートを使用する以外は実施例1と同様にし
て自己粘着性化粧シートを得た。得られた自己粘着性化
粧シートについて実施例1と同様の試験を行なった。結
果は表1に示す。
【0033】実施例5 自己粘着性の軟質塩化ビニル樹脂シートを得るための配
合中、ジ−2−エチルヘキシフタレートに代えてブチル
ベンジルフタレートを使用する以外は実施例1と同様に
して自己粘着性化粧シートを得た。得られた自己粘着性
化粧シートについて実施例1と同様の試験を行なった。
結果は表1に示す。
【0034】実施例6 自己粘着性の軟質塩化ビニル樹脂シートを得るための配
合中、ジ−2−エチルヘキシフタレートに代えてブチル
ベンジルフタレート25重量部とジ−2−エチルヘキシ
フタレート30重量部の混合可塑剤を使用する以外は実
施例1と同様にして自己粘着性化粧シートを得た。得ら
れた自己粘着性化粧シートについて実施例1と同様の試
験を行なった。結果は表1に示す。
【0035】比較例1 実施例1で使用する紫外線硬化性インクに代えて通常使
用されるインクとしてリソレックス・アルファマキシ・
ヌボ−(商品名:大日精化工業製)を使用する以外は実
施例1と同様にして自己粘着性塩化ビニル樹脂シートを
得た。このシートについて実施例1と同様の試験を行っ
た。結果は表1に示す。
【0036】比較例2 実施例1の自己粘着性の軟質塩化ビニル樹脂シート表面
にアクリル樹脂系のアンカー処理剤でアンカー処理層を
形成し、これに比較例1で使用するインクを使用する以
外は実施例1と同様にして自己粘着性塩化ビニル樹脂シ
ートを得た。このシートについて実施例1と同様の試験
を行った。結果は表1に示す。
【0037】比較例3 下記配合の半硬質塩化ビニル樹脂シート表面にリソレッ
クス・アルファマキシ・ヌボ−(商品名:大日精化工業
製)を使用してオフセット印刷を施し、裏面にアクリル
系粘着剤層を形成して粘着性化粧シートを得た。このシ
ートについて実施例1と同様の試験を行った。結果は表
1に示す。
【表1】
【0038】表1からも明らかなように、オフセット印
刷層と自己粘着性軟質塩化ビニル樹脂シートとの接着性
が良好で、繰り返し粘着性に優れ、カールを発生せず、
水洗後の粘着性も良好で、印刷後に重ねて置いた場合に
もインクの裏移りがないのは本発明の実施例だけであ
る。印刷インクとして紫外線硬化性インクを使用しない
比較例1は、印刷インクと自己粘着性軟質塩化ビニル樹
脂シートとの接着性が悪いばかりでなく、印刷後に重ね
ておくと印刷インクの裏移りがあり、印刷工程での作業
性に問題のあるものであった。また、自己粘着性塩化ビ
ニル樹脂シートにアンカー処理を施した比較例2は、比
較例1の場合より印刷インクののりは良いものの、印刷
インクと自己粘着性軟質塩化ビニル樹脂シートとの接着
性は良好とはいえず、しかもカールを発生し、印刷後に
重ねておくと印刷インクの裏移りがあり、印刷工程での
作業性に問題のあるものであった。自己粘着性塩化ビニ
ル樹脂シートを使用せず半硬質塩化ビニル樹脂シートを
使用し、粘着剤層を形成した比較例3は、印刷インクと
半硬質塩化ビニル樹脂シートとの接着性は良好である
が、繰り返し粘着性、カール性、水洗後の粘着性、イン
クの裏移り性のいずれも問題があるものであった。
【0039】
【発明の効果】本発明の自己粘着性化粧シートは基材シ
ートとして自己粘着性の軟質塩化ビニル系樹脂シートを
使用し、この自己粘着性の軟質塩化ビニル系樹脂シート
表面に形成する化粧印刷層が紫外線硬化インクのオフセ
ット印刷層であるので、オフセット印刷による化粧印刷
層と自己粘着性軟質塩化ビニル樹脂シートとの接着性に
優れ、窓ガラス等への貼着・剥離を繰り返しても粘着性
が落ちることがなく、自己粘着性化粧シートが経時的に
カールすることが全くなく、塵埃等の付着により粘着性
が落ちてきた場合には水洗することにより初期の粘着力
を回復し、印刷後に重ねて置いた場合にもインクの裏移
りがないので印刷後の自己粘着性化粧シートの取扱が容
易で、特に製造時における作業性に優れるものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シート表面に、化粧印刷層が形成さ
    れてなる化粧シートにおいて、基材シートが自己粘着性
    の軟質塩化ビニル系樹脂シートであり、化粧印刷層が紫
    外線硬化インクのオフセット印刷層である自己粘着性化
    粧シート。
  2. 【請求項2】 自己粘着性の軟質塩化ビニル系樹脂シー
    トよりなる基材シート表面に、アンカー処理を施すこと
    なく直接に紫外線硬化性インクをオフセット印刷し、紫
    外線照射して紫外線硬化性インクを硬化させることを特
    徴とする自己粘着性化粧シートの製造方法。
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