JP6612503B2 - 潅水装置及び潅水システム - Google Patents

潅水装置及び潅水システム Download PDF

Info

Publication number
JP6612503B2
JP6612503B2 JP2015003643A JP2015003643A JP6612503B2 JP 6612503 B2 JP6612503 B2 JP 6612503B2 JP 2015003643 A JP2015003643 A JP 2015003643A JP 2015003643 A JP2015003643 A JP 2015003643A JP 6612503 B2 JP6612503 B2 JP 6612503B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
irrigation
amount
solar radiation
spray
spraying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015003643A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016127815A (ja
Inventor
洋子 友光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meko Seiki Inc
Original Assignee
Meko Seiki Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meko Seiki Inc filed Critical Meko Seiki Inc
Priority to JP2015003643A priority Critical patent/JP6612503B2/ja
Publication of JP2016127815A publication Critical patent/JP2016127815A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6612503B2 publication Critical patent/JP6612503B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Greenhouses (AREA)

Description

本発明は、日射量に対応して植物などに潅水(噴霧を含む。)を行う潅水装置及び潅水システムに関する。
潅水機としては、例えば日射量に比例して潅水を行う日射比例式の装置があり、日射量に単純に比例して潅水が行われる。例えば、下記特許文献1には、その日の気候状況(日射量)に応じて、作物体が必要とする水分(ないし液肥)を節水状態で間欠的に供給することができる自動潅水装置が開示されている。
これに対し、指定時刻に潅水する機能(定時潅水)や、自動潅水だけでなく手動でも任意の時刻に潅水できる機能(手動潅水)を併せ持つものもある。例えば、下記特許文献2には、任意の設定時刻に自動的に灌水と施肥をそれぞれ別個に実行する灌水施肥制御に加えて、連続的に土壌水分値と日射量を測定して得た値により、設定時刻の灌水を取りやめるようにした自動灌水施肥装置が開示されている。
ところで、日射比例潅水,定時潅水,手動潅水が同一の圃場に対して行われると、それらの競合が生じ、定時潅水を行った直後に日射潅水を行ってしまったり、手動潅水を行った直後に自動潅水を行ってしまうなど、過剰潅水状態になるといった課題がある。これらを避けるため、「最低待ち時間」,「最高待ち時間」等を設定して競合を避ける方法も考えられるが、必ずしも使い勝手がよいとはいえない。
このような不都合を回避する方法として、本件出願人らによる下記特許文献3に開示された「自動潅水機」がある。これは、日射センサによる検知結果から日射量を積算するとともに、定時潅水の設定値から単位時間当たりの定時潅水量を求めて積算し、前記日射量の積算値と、前記定時潅水量の積算値の和が所定のしきい値を超えたときに、潅水を行うようにしたものである。これにより、日射比例潅水と定時潅水の競合を避けて、適切な潅水を行うことができるようになる。
特開2004−201583号公報 特開2001−186824号公報 特開2014−39530号公報
しかしながら、上述したような背景技術で潅水を行っても、よく晴れた日中のように太陽の光が強いときは、作物の光合成が活発に行われることから、潅水量を増やしたほうが望ましいと考えられ、逆に日中でも曇りなどのように光が弱いときは潅水量を減らしたほうが望ましいと考えられる。
一方、光合成を行うためには、葉の気孔が閉じないようにすることが重要である。温度が高すぎたり、湿度が低すぎたりすると、気孔が閉まって、光合成を行うために必要な二酸化炭素をうまく取り込むことができなくなってしまう。このような不具合を回避するためには、温度と湿度のバランスを取る必要がある(飽差管理)。
加えて、冷房等の目的で、霧状の水や液肥を噴霧ないし散布することがある(噴霧潅水ないし細霧冷房)。このような噴霧潅水を行うに当たって注意すべき点としては、葉に付いた水滴から病気が発生しやすくなることである。定時噴霧を行うと、十分に葉が乾かないうちに水等を噴霧することになり、病気が発生する恐れがある。そこで、日射比例噴霧を利用することで、日射量に応じた噴霧を行って病気の発生を抑えるようにする。しかし、日射比例噴霧は、日射量の積算量で行われるため、夕方のように光が弱くなってきている場合でも所定の積算値になれば噴霧が行われてしまう。すると、日射量が低いために葉に噴霧した水が乾燥するまでに時間がかかるようになり、夕方から夜にかけて葉が乾燥できない場合には病気の発生に至る可能性がある。
本発明は、以上のような点に着目したもので、その目的は、光の強さに応じた適切な潅水を行うことである。他の目的は、葉が適切な乾燥状態となるように潅水を行うことである。更に他の目的は、病気の発生が抑制されるように潅水を行うことである。
本発明の潅水装置は、対象物に対して日射量に対応した潅水を行うための潅水装置であって、前記日射量を測定する日射センサ,前記対象物の潅水条件を設定し、設定データを得る潅水条件設定手段,前記設定データに基づいて潅水を行う旨の制御信号を出力する潅水制御手段,前記潅水制御手段によって潅水を行う際に、前記日射センサによる日射量を考慮して、潅水量を調整する潅水量調整手段,を備えており、前記潅水制御手段は、前記日射センサによる測定結果から日射量を積算するとともに、前記設定データによって設定されている積算値となったときに潅水を行う制御を行い、前記潅水量調整手段は、前記設定データにおいて設定された日射量の上限値及び下限値を参照し、前記日射センサによって測定した日射量が、前記上限値以上のときは潅水量を増やし、前記下限値以下のときは潅水量を減らす潅水量調整を行うことを特徴とする。
主要な形態によれば、潅水量が前記潅水量調整手段によって増量されるときは、増量分を噴霧する制御を行うか、潅水量が予め定めた上限値を超えたときは超えた量を噴霧する制御を行うか、あるいは、潅水量のうちの予め定めた割合の量を噴霧する制御を行う噴霧制御手段を備えたことを特徴とする。
本発明の潅水システムは、前記潅水装置を備えた潅水システムであって、前記潅水制御手段から出力された制御信号に基づいて散水を施すとともに、前記潅水量調整手段から出力された制御信号に基づいて散水量を調整する散水手段,を備えたことを特徴とする。あるいは、前記潅水制御手段から出力された制御信号に基づいて散水を施すとともに、前記潅水量調整手段及び前記噴霧制御手段から出力された制御信号に基づいて散水量を調整する散水手段,前記噴霧制御手段から出力された制御信号に基づいて噴霧を施す噴霧手段,
を備えたことを特徴とする。
本発明の他の潅水装置は、温度を測定する温度センサ,湿度を測定する湿度センサ,前記対象物の噴霧条件を設定し、設定データを得る噴霧条件設定手段,前記設定データに基づいて噴霧を行う旨の制御信号を出力する噴霧制御手段,を備えており、前記噴霧制御手段は、前記設定データを参照するとともに、前記日射センサによる日射量,該日射量の積算値,前記温度センサによる温度,前記湿度センサによる湿度を参照し、前記日射量及びその積算値と前記温度が設定値以上であって、前記湿度が設定値以下となったときに、噴霧を開始し、前記温度が設定値以下であって、前記湿度が設定値以上となったときに、噴霧を終了する噴霧制御を行うことを特徴とする。

本発明の他の潅水システムは、前記潅水装置を備えた潅水システムであって、前記噴霧制御手段から出力された制御信号に基づいて噴霧を施す噴霧手段を備えたことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本発明によれば、日射量に応じて潅水量を調整したり、更に温度と湿度を考慮して噴霧潅水を行うこととしたので、光の強さに応じた適切な潅水を行うことができ、あるいは葉が適切な乾燥状態となるように潅水を行うことができ、病気の発生が抑制されるという効果がある。
本発明の実施例1における装置構成を示すブロック図である。 前記実施例1における潅水量調整の一例を示すタイムチャートである。 前記実施例1における潅水量調整の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例2における潅水量調整の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施例3における噴霧制御の一例を示すタイムチャートである。 前記実施例3における噴霧制御の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
図1には、本実施例の潅水装置を使用する潅水システムの全体構成が示されており、潅水装置はシーケンサ10を中心に構成されている。シーケンサ10のCPU100には、表示装置20,日射センサ30,温度センサ32,湿度センサ34,条件設定を行う入力装置40,電磁弁50A,50Bへの通電を制御するリレー回路52A,52Bが、それぞれ接続されている。なお、A/Dコンバータなどのインターフェースが必要に応じて設けられている(図示せず)。また、上記各部には、電源60から駆動用の電力が必要に応じて供給されている。
前記電磁弁50Aには、タンク70Aから水あるいは液肥が供給されており、電磁弁50Aを通過した水等は、ハウスないし圃場(畑の区画)90に設置された散水器80Aに供給されるようになっている。一方、前記電磁弁50Bには、タンク70Bから水あるいは液肥が供給されており、電磁弁50Bを通過した水等は、ハウス90に設置された噴霧器80Bに供給されるようになっている。このように、本実施例では、ハウス90内の作物に対して、散水器80Aによる散水(散布)と、噴霧器80Bによる噴霧が行われるようになっており、散水と噴霧による潅水が行われるようになっている。
以上の各部のうち、表示装置20は、設定画面や動作状態を表示するためのもので、例えばLCDパネルによって構成されている。日射センサ30は、日射量を計測するためのもので、例えばフォトダイオードなどを利用している。温度センサ32はハウス90内の温度を計測し、湿度センサ34はハウス90内の湿度を計測する。入力装置40は、制御条件などの設定・入力を行うためのもので、本実施例では、前記表示装置20上のタッチパネルや、シーケンサ10の本体に設けられたスイッチ類によって構成されている。
電磁弁50Aは、タンク70A内に収容されている水等を散水器80Aへ供給する際に開閉するもので、リレー回路52AがONとなると、電源60から電力が供給されて電磁弁50Aは「開」となる。これにより、タンク70A内の水等が散水器80Aに供給され、散水器80Aによってハウス90内に散水されるようになっている。一方、電磁弁50Bは、タンク70B内に収容されている水等を噴霧器80Bへ供給する際に開閉するもので、リレー回路52BがONとなると、電源60から電力が供給されて電磁弁50Bは「開」となる。これにより、タンク70B内の水等が噴霧器80Bに供給され、噴霧器80Bによってハウス90内に噴霧されるようになっている。
電源60は、各部に対して電力を供給するためのもので、バッテリを使用してもよいし、商用電源を利用してもよい。あるいは、太陽電池と充電池を組み合わせるようにしてもよい。タンク70A,70Bは、水や液肥を貯留するためのもので、水道で代用してもよいし、池の水を汲み上げるようにしてもよい。また、図示の例では電磁弁50A,50B毎にタンクを設けたが、電磁弁50A,50Bに共通してタンクを設けるようにしてもよい。タンク70A,70Bには、必ずしも同じものを貯留する必要はなく、例えばタンク70Aには液肥を貯留し、タンク70Bには水を貯留するといった具合に、異なるものを貯留してよい。
次に、シーケンサ10について説明する。シーケンサ10は、市販されているものをそのまま使用することができ、プログラムメモリ110及びデータメモリ120を備えている。なお、市販のシーケンサには、表示装置20や入力装置40が含まれている場合もある。前記プログラムメモリ110には、潅水制御プログラム112,潅水量調整プログラム114,噴霧制御プログラム116がそれぞれ含まれている。
これらのうち、潅水制御プログラム112は、日射センサ30によって得られる太陽光の日射量に基づいて潅水制御を行う機能を有するプログラムであり、本実施例では日射量を積算して潅水を行う日射比例潅水の制御が行われるようになっている。潅水量調整プログラム114は、潅水時点における日射量に応じて潅水量を調整するためのプログラムである。噴霧制御プログラム116は、ハウス90内の湿度に応じて噴霧潅水量を制御するためのプログラムである。なお、日射量のみならず定時潅水も考慮した潅水制御も行う場合については、実施例2で説明する。また、前記噴霧制御プログラム116による噴霧動作は、実施例3で説明する。実際の装置においては、表示装置20の表示ないし点灯を制御するプログラムなど、多数のプログラムが存在する(図示せず)。
次に、データメモリ120には、設定データ122,測定データ124,日射量の積算データ126が保存されるようになっている。これらのうち、設定データ122は、前記入力装置40によって入力される作物の種類,種まき時期,種まきから刈取りまでの総日射量),潅水開始時刻・終了時刻,噴霧潅水の有無,定時潅水の有無や時刻などのデータであり、潅水を行う日射量の積算値,潅水調整を行う日射量の上限値や下限値,噴霧を行う態様などのデータが含まれている。測定データ124は、上述した日射センサ30等によって測定された日射量などのデータである。積算データ124は、前記日射センサ30によって得られた日射量の積算値のデータである。
次に、実施例の動作を説明する。最初に、散水器80Aによる散水の制御動作について説明する。まず、従来の日射比例による潅水動作を説明する。ハウス90内における日射量は、日射センサ30によって測定され、測定データ124としてシーケンサ10に取り込まれる。シーケンサ10のCPU100は、潅水制御プログラム112を実行し、前記測定データ124から日射量を積算して積算データ126を得る。そして、日射量の積算値が設定データ122で設定された潅水開始の値になったときは、リレー回路52A,52Bに駆動信号を送って潅水を行う。すなわち、駆動信号によってリレー回路52AがONとなると、電源60から電力が供給されて電磁弁50Aが「開」となる。これにより、タンク70A内の水等が散水器80Aに供給され、散水器80Aによってハウス90内に散水される。また、駆動信号によってリレー回路52BがONとなると、電源60から電力が供給されて電磁弁50Bが「開」となる。これにより、タンク70B内の水等が噴霧器80Bに供給され、噴霧器80Aによってハウス90内に噴霧される。
以上の動作が、図2(A)〜(C)に示されている。例えば、図2(A)のように日射量が変化したとする。これを積算すると同図(B)に示すようになり、積算値が設定値PSとなると、従来であれば同図(C)に示すように一定量の潅水が行われる。図示の例では、時刻t1〜t4で日射量の積算値が設定値PSに達し、潅水が行われている。
これに対し、本実施例では、上述した潅水制御プログラム112に加えて、潅水量調整プログラム114もCPU100で実行される。図3には、潅水量調整プログラム114の動作がフローチャートとして示されている。同図において、日射センサ30による日射量の測定(ステップS10),日射量の積算(ステップS12)は、上述した通りである。そして、日射量の積算値が設定値PSに達したときは(ステップS14のYes)、更にその時点における日射量が設定データ122中の上限値PH以上か、あるいは下限値PL以下かが判定される(ステップS20)。
図2(A)には、上限値PH及び下限値PLの一例が示されている。同図において、日射量の上限値PH以上では、光が強く、作物の光合成が活発に行われることから、潅水量を増やしたほうが望ましいと考えられる。一方、下限値PL以下では、光が弱く、光合成があまり活発には行われないので、潅水量を減らしたほうが望ましいと考えられる。そこで、本実施例では、これらの上限値PH及び下限値PLを参照して、潅水量の増減が行われる(ステップS20〜S27)。
ここで、通常の散水のみの動作を行うときは、噴霧潅水は設定されないので(ステップS21のNo)、ステップS22,S24,S26の動作が行われる。図2(D)には、その場合の潅水の様子が示されている。時刻t1では、日射量が下限値PL以上・上限値PH以下であることから、通常の潅水量RSによる散水が行われる(ステップS22)。しかし、時刻t2では、日射量が上限値PH以上であることから、散水量がRSに対してΔWA増量される(ステップS24)。時刻t3では、日射量が下限値PL以上・上限値PH以下であることから、通常の潅水量による散水が行われる(ステップS22)。しかし、時刻t4では、日射量が下限値PL以下であることから、散水量がRSからΔWB減量される(ステップS26)。このように、散水時点における日射量の強さを考慮して散水量が調整される。前記増量ないし減量の具体的な値も、設定データ122中に含まれている。
次に、噴霧潅水が設定されている場合の動作について説明する。制御潅水プログラム112によって、設定データ122が参照され、噴霧潅水が設定されていると判断されたときは(ステップS21のYes)、ステップS23,S25,S27の動作が行われる。すなわち、日射量が下限値PL以上・上限値PH以下のときは、通常の潅水量RSによる散水と噴霧が行われる(ステップS23)。日射量が上限値PH以上のときは、ΔWAの増量散水と噴霧が行われる(ステップS25)。日射量が下限値PL以下のときは、ΔWBの減量散水と噴霧が行われる(ステップS27)。散水量と噴霧量の割合は、設定データ122によって設定される。
図2(E)〜(G)には、その様子が示されている。図2(E)の例は、ΔWAの増量分を噴霧潅水としている。図2(F)の例は、予め設定した散水の上限値LMB以上について、噴霧潅水を行っている。図2(G)の例は、全潅水量の70%を散水し、残りの30%を噴霧する例である。もちろん、100%を噴霧するようにしてもよい。
以上のように、本実施例によれば、次のような効果が得られる。
a,よく晴れた日のように光が強く、日射量が多いときは潅水量を増やし、曇りや雨のように光が弱く、日射量が低いときは潅水量を減らすこととしたので、作物の光合成が適切に行われるようになる。
b,潅水量の一部を噴霧することとしたので、葉の乾燥状態を改善することができ、病気の発生が抑制される。
次に、本発明の実施例2について説明する。前記実施例では、日射量を積算して潅水を行ったが、本実施例では、日射量の他に定時潅水が設定されている。この設定は、設定データ122によって行われる。日射潅水の他に定時潅水が設定されていると、両者が競合して必要以上に潅水を行ってしまう恐れがある。そこで、本実施例では、それらの競合を回避して、良好な潅水を行うようにしている。
図4には、動作のフローチャートが示されている。前記実施例では、日射量をそのまま積算したが、本実施例では、定時潅水を考慮する必要があるため、潅水制御プログラム112は、日射潅水ポイント及び定時潅水ポイントを設定し、それらを積算するようにしている。
前記実施例と同様にして、潅水制御プログラム112に基づいて、日射センサ30により日射量を測定する(ステップS100)。設定データ122に日射量潅水の設定が行われている(日射係数が設定されている)ときは(ステップS102のYes)、日射潅水ポイントPsの積算が行われる(ステップS104)。詳述すると、まず、日射センサ30の検知出力から、瞬時日射量が求められる。これを、数1式で示すように、利用者が設定した日射係数で割り、この値を日射潅水ポイントPsとする。なお、日射係数は、その値を大きくすると日射潅水ポイントPsが小さくなり、逆にその値を小さくすると日射潅水ポイントPsが大きくなるもので、潅水対象が日射量に応じてどの程度潅水を必要とするかを考慮して決められる係数である。多く潅水を必要とするときは、日射係数を小さくして日射潅水ポイントPsが増えるように設定し、逆に潅水をあまり必要としないときは、日射係数を大きくして日射潅水ポイントPsが減るように設定するといった具合である。
Figure 0006612503
そして、この日射潅水ポイントPsを1秒ごとに積算し、積算値ΣPsを求める。日射潅水ポイントPsの積算値ΣPsは、積算データ126として、シーケンサ10のデータメモリ120に保存される。ここで、定時潅水の設定がなく(ステップS106のNo)、数2式に示すように、日射潅水ポイントPsの積算値ΣPsが「1」以上になったときに潅水を行えば(ステップS110のYes)、純日射比例式の潅水となる。潅水後は、積算値ΣPsを「0」にリセットする(ステップS112)。
Figure 0006612503
一方、定時潅水の設定が行われているときは(ステップS106のYes)、定時潅水ポイントPtの積算が行われる。詳述すると、まず、定時潅水を行う時刻が、t0,t1,t2,・・・と設定されており、現在時刻がtであるとすると、次の数3式が成り立つ「n」を検索する。
Figure 0006612503
そして、次の数4式から、定時潅水ポイントPtが求められる。この定時潅水ポイントPtは、定時潅水量を単位時間当たりに換算したものであると考えることができる。
Figure 0006612503
そして、この定時潅水ポイントPtを1秒ごとに積算し、積算値ΣPtを求める。定時潅水ポイントPtの積算値ΣPtは、積算データ126として、シーケンサ10のデータメモリ120に保存される。ここで、日射潅水の設定がなく(ステップS102のNo)、数5式に示すように、定時潅水ポイントPtの積算値ΣPtが「1」以上になったときに潅水を行えば(ステップS110のYes)、純定時式潅水となる。潅水後は、積算値ΣPtを「0」にリセットする(ステップS112)。
Figure 0006612503
次に、日射潅水及び定時潅水の両方が設定されているときは(ステップS102,S106のYes)、上述した日射潅水ポイントPsと、定時潅水ポイントPtを1秒毎に積算し(ステップS104,S108)、数6式で示す合計積算値Sを求める。この合計積算値Sも、積算データ126として、シーケンサ10のデータメモリ120に保存される。そして、前記合計積算値Sが「1」を超えたとき、すなわちS≧1で潅水を行えば(ステップS110のYes)、日射潅水・定時潅水の両要素を取り込んだ潅水となる。潅水の態様は、前記実施例1と同様であり、図3のステップS20〜S28に示した通りである。潅水後は、積算値Sを「0」にリセットする(ステップS112)。
Figure 0006612503
以上のように、本実施例によれば、日射潅水及び定時潅水の競合を回避して、良好な潅水を行うことができる。また、利用者が任意の時刻に手動潅水を行ったときは、その時点で上述した積算値ΣPs,ΣPtを「0」にリセットする。これにより、手動潅水後に不要な定時潅水又は日射潅水が行われるといった不具合が抑制される。
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例は、日射量を積算して噴霧器80Bによる噴霧を行う場合である。以下、図5のタイムチャート及び図6のフローチャートを参照しながら説明する。噴霧は、例えばハウス90内の冷房に使用される。ハウス90内の日射量,温度,湿度は、日射センサ30,温度センサ32,湿度センサ34によってそれぞれ測定され、シーケンサ10に測定データ124として取り込まれる(ステップS50)。シーケンサ10のCPU100は、潅水制御プログラム112を実行し、前記測定データ124から日射量を積算して積算データ126を得る(ステップS52)。
一方、CPU100では、噴霧制御プログラム116も実行され、図6に示す制御動作が実行される。ここで、日射量の積算値が設定値以上となったときに(ステップS54のYes)、前記噴霧制御プログラム116によって、温度,湿度,日射量が設定値と比較される(ステップS56〜S60)。その結果、温度が設定値以上(ステップS56のYes)、湿度が設定値以下(ステップS58のYes)、日射量が設定値以上(ステップS60のYes)と判定されたときは、リレー回路52Bに駆動信号を送って噴霧を行う。すなわち、駆動信号によってリレー回路52BがONとなると、電源60から電力が供給されて電磁弁50Bが「開」となる。これにより、タンク70B内の水等が噴霧器80Bに供給され、噴霧器80Bによってハウス90内に噴霧される(ステップS62)。水等が噴霧されると、ハウス90内が冷却され、温度が下がる。そして、温度が設定値以下、湿度が設定値以上となった時点で(ステップS64のYes)、噴霧を終了する(ステップS66)。なお、以上の動作における温度等の設定値は、いずれも設定データ122中に含まれている。
以上の動作を図5を参照しながら説明する。日射量,温度,湿度が、同図(A)〜(C)のように変化し、日射量の積算値が同図(D)に示すようになったとする。積算値が設定値PSとなった時刻t10では、温度が設定値TS以下であるため(ステップS56のNo)、噴霧は行われない。時刻t12では、温度が設定値TS以上であり(ステップS56のYes)、湿度が設定値HS以下であり(ステップS58のYes)、日射量が設定値PK以上であることから(ステップS60のYes)、同図(E)に示すように、噴霧が行われる。噴霧は連続的に行ってもよいし、断続的に行ってもよい。そして、時刻t14になると、温度が設定値TS以下、湿度が設定値HS以上となるので、噴霧は終了する。
次に積算値が設定値PSとなった時刻t16では、湿度が設定値HS以上となっているため、噴霧は行われない(ステップS58のNo)。次の時刻t18では、湿度は設定値HS以下であるが、温度が設定値TS以下のため、噴霧は行われない(ステップS56のNo)。時刻t20では、温度,湿度,日射量がいずれも設定値以下のため、噴霧は行われない。
以上のように、本実施例によれば、よく晴れた日のように光が強く、日射量が多いときに、温度と湿度のバランスを取って噴霧を行うこととしたので、葉の乾燥状態が適切に維持され、病気の発生が抑制される。なお、上述した実施例1又は2では日射量を積算して散水,もしくは散水と噴霧を行ったが、これと本実施例の噴霧を組み合わせるようにしてもよい。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例では、潅水装置にシーケンサを使用したが、マイコン,パソコン,スマートフォンなどを利用してもよい。また、各部を、無線LAN,Bluetooth(登録商標),ZigBee(登録商標)などの近距離無線通信によって結ぶようにしてもよい。例えば、日射センサ30などのセンサ類とシーケンサ10との間や、シーケンサ10とリレー回路52との間を無線接続とするという具合である。
(2)前記実施例では1つのハウス90に潅水や噴霧を行う場合を示したが、ハウス90の数は、必要に応じて増減してよい。また、室内で作物を栽培する場合に限定されず、室外で栽培する場合に適用することを妨げるものではない。
(3)前記実施例では、本発明の理解を容易にするため、リレー回路,電磁弁,散水器ないし噴霧器を分けて説明したが、それらが一体となった散水器ないし噴霧器として構成するようにしてもよい。
(4)本発明の適用対象としては、農作物,植物などを栽培する露地ないし温室が好適な例であるが、動物に対する給水などにも適用してよい。
本発明によれば、日射量に応じて潅水量を調整したり、更に温度と湿度を考慮して噴霧を行うこととしたので、作物の光合成が適切に行われるとともに、葉の乾燥状態が適切に維持されて病気の発生が抑制されるので、植物に対する散水や噴霧の制御に好適である。
10:シーケンサ
20:表示装置
30:日射センサ
32:温度センサ
34:湿度センサ
40:入力装置
50A,50B:電磁弁
52A,52B:リレー回路
60:電源
70A,70B:タンク
80A:散水器
80B:噴霧器
90:ハウス
100:CPU
110:プログラムメモリ
112:潅水制御プログラム
114:潅水量調整プログラム
116:噴霧制御プログラム
120:データメモリ
122:設定データ
124:測定データ
126:積算データ

Claims (8)

  1. 対象物に対して、日射量に対応した潅水を行うための潅水装置であって、
    前記日射量を測定する日射センサ,
    前記対象物の潅水条件を設定し、設定データを得る潅水条件設定手段,
    前記設定データに基づいて潅水を行う旨の制御信号を出力する潅水制御手段,
    前記潅水制御手段によって潅水を行う際に、前記日射センサによる日射量を考慮して、潅水量を調整する潅水量調整手段,
    を備えており、
    前記潅水制御手段は、前記日射センサによる測定結果から日射量を積算するとともに、前記設定データによって設定されている積算値となったときに潅水を行う制御を行い、
    前記潅水量調整手段は、前記設定データにおいて設定された日射量の上限値及び下限値を参照し、前記日射センサによって測定した日射量が、前記上限値以上のときは潅水量を増やし、前記下限値以下のときは潅水量を減らす潅水量調整を行うことを特徴とする潅水装置。
  2. 潅水量が前記潅水量調整手段によって増量されるときは、増量分を噴霧する制御を行う噴霧制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の潅水装置。
  3. 潅水量が予め定めた上限値を超えたときは、超えた量を噴霧する制御を行う噴霧制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の潅水装置。
  4. 潅水量のうちの予め定めた割合の量を噴霧する制御を行う噴霧制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の潅水装置。
  5. 請求項1記載の潅水装置を備えた潅水システムであって、
    前記潅水制御手段から出力された制御信号に基づいて散水を施すとともに、前記潅水量調整手段から出力された制御信号に基づいて散水量を調整する散水手段,
    を備えたことを特徴とする潅水システム。
  6. 請求項2〜4のいずれか一項に記載の潅水装置を備えた潅水システムであって、
    前記潅水制御手段から出力された制御信号に基づいて散水を施すとともに、前記潅水量調整手段及び前記噴霧制御手段から出力された制御信号に基づいて散水量を調整する散水手段,
    前記噴霧制御手段から出力された制御信号に基づいて噴霧を施す噴霧手段,
    を備えたことを特徴とする潅水システム。
  7. 温度を測定する温度センサ,
    湿度を測定する湿度センサ,
    前記対象物の噴霧条件を設定し、設定データを得る噴霧条件設定手段,
    前記設定データに基づいて噴霧を行う旨の制御信号を出力する噴霧制御手段,
    を備えており、
    前記噴霧制御手段は、前記設定データを参照するとともに、前記日射センサによる日射量,該日射量の積算値,前記温度センサによる温度,前記湿度センサによる湿度を参照し、前記日射量及びその積算値と前記温度が設定値以上であって、前記湿度が設定値以下となったときに、噴霧を開始し、前記温度が設定値以下であって、前記湿度が設定値以上となったときに、噴霧を終了する噴霧制御を行うことを特徴とする請求項1記載の潅水装置。
  8. 請求項7記載の潅水装置を備えた潅水システムであって、
    前記噴霧制御手段から出力された制御信号に基づいて噴霧を施す噴霧手段,
    を備えたことを特徴とする潅水システム。
JP2015003643A 2015-01-09 2015-01-09 潅水装置及び潅水システム Active JP6612503B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015003643A JP6612503B2 (ja) 2015-01-09 2015-01-09 潅水装置及び潅水システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015003643A JP6612503B2 (ja) 2015-01-09 2015-01-09 潅水装置及び潅水システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016127815A JP2016127815A (ja) 2016-07-14
JP6612503B2 true JP6612503B2 (ja) 2019-11-27

Family

ID=56383736

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015003643A Active JP6612503B2 (ja) 2015-01-09 2015-01-09 潅水装置及び潅水システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6612503B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106258855B (zh) * 2016-08-15 2022-07-26 北京市农业技术推广站 一种基于光辐射的智能灌溉系统
TWI672992B (zh) * 2018-10-18 2019-10-01 王正佑 灑水定時器之控水閥卡住排除方法及結構
CN111448910A (zh) * 2020-04-13 2020-07-28 于天一 一种生物体养护装置
CN115777492A (zh) * 2022-11-09 2023-03-14 西北农林科技大学 一种利用柔性水袋调节能量的光伏微喷灌和滴灌复合装置
CN116210573A (zh) * 2023-04-10 2023-06-06 上海华维可控农业科技集团股份有限公司 一种基于物联网的辐射量监测智能调节灌溉系统及方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63188332A (ja) * 1987-01-29 1988-08-03 川崎製鉄株式会社 噴霧栽培のかん水制御方法
NL1008377C2 (nl) * 1998-02-20 1999-01-19 Prodrain Werkwijze en inrichting voor het automatisch toedienen van vloeibare voedingsmiddelen aan planten.
JP5354500B2 (ja) * 2009-11-02 2013-11-27 島根県 灌水装置
JP2012147753A (ja) * 2011-01-21 2012-08-09 Yonden Gijutsu Consultant:Kk 植物生育施設用自動散水システム
JP6422010B2 (ja) * 2012-07-24 2018-11-14 有限会社メーコー精機 自動潅水機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016127815A (ja) 2016-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6612503B2 (ja) 潅水装置及び潅水システム
US20210245880A1 (en) Control method and device, surveying unmanned aerial vehicle (uav), and spraying uav
KR20200122612A (ko) 작물 생육 제어 시스템
Poyen et al. Prototype model design of automatic irrigation controller
US11002670B2 (en) Device for observing water content, method for observing water content, and cultivation device
CN106804384A (zh) 一种农业田间智能感应灌溉系统
CN205093309U (zh) 一种农业给水给肥灌溉系统
Mehta et al. Automated agricultural monitoring and controlling system using hc-05 bt module
JP6745459B2 (ja) 水分量観察装置、水分量観察方法及び栽培装置
JP2014168405A (ja) 補光システム
JP2018174804A (ja) 栽培施設に用いる細霧冷房システムおよび細霧冷房方法
JP3201717U (ja) 噴霧装置
JP6422010B2 (ja) 自動潅水機
JP2017205028A (ja) 高糖度果実を栽培するための灌水制御システム、およびこれに用いる灌水制御装置、灌水制御方法
CN205596796U (zh) 一种分区节水喷灌或滴灌控制系统
Milind et al. Microcontroller based adaptive irrigation system using WSN for variety crops and development of insect avoidance system for better yield
RU2405308C1 (ru) Способ автоматического управления температурно-световым режимом в теплице и система для его реализации
CN205121385U (zh) 一种物联网订单农业大棚系统
KR20060129986A (ko) 씨감자의 대량 생산방법
JP6785902B2 (ja) 作物活性指数基盤の施設園芸複合環境制御システム及び方法
Hasanov et al. THE IMPORTANCE OF A SMART IRRIGATION INTRODUCTION SYSTEM BASED ON DIGITAL TECHNOLOGIES IN AGRICULTURE
JP2015089344A (ja) 潅水装置及び潅水システム
CN108243920B (zh) 一种作物浇水控制方法
KR101772121B1 (ko) 도시 농장 제어 시스템에서의 식물 생장 제어 장치 및 방법
JP2010046052A (ja) コケの育成又は維持管理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180821

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190312

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190509

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191031

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6612503

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250