JP2015089344A - 潅水装置及び潅水システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 潅水条件の変更とその記録を簡便に行うとともに、記録した潅水条件に基づいて、再現性よく潅水を行って、自分のブランドの作物の栽培を可能とする。
【解決手段】 グラフGBで示す30日で潅水を終了する基本的な潅水条件を、例えば、種まきから11日目から、グラフGBaのように潅水量を増やしたり、逆にグラフGBbのように潅水量を減らしたりするという具合に変更する。種まき時から刈取り時までに実行された潅水経過は、潅水経過データとして記録される。次の栽培時は、品質のよい作物を収穫できた潅水経過データを選択して再利用される。このような潅水条件の変更と記録,選択と再利用を行うことで、品質の良い自分ブランドの野菜やくだものを育成することが可能となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、日射量に対応して植物などに潅水を行う潅水装置及び潅水システムに関する。
潅水機としては、例えば日射量に比例して潅水を行う日射比例式の装置があり、日射量に単純に比例して潅水が行われる。例えば、下記特許文献1には、その日の気候状況(日射量)に応じて、作物体が必要とする水分(および液肥)を節水状態で間欠的に供給することができる自動潅水装置が開示されている。
これに対し、指定時刻に潅水する機能(定時潅水)や、自動潅水だけでなく手動でも任意の時刻に潅水できる機能(手動潅水)を併せ持つものもある。例えば、下記特許文献2には、任意の設定時刻に自動的に灌水と施肥をそれぞれ別個に実行する灌水施肥制御に加えて、連続的に土壌水分値と日射量を測定して得た値により、設定時刻の灌水を取りやめるようにした自動灌水施肥装置が開示されている。
特開2004−201583号公報 特開2001−186824号公報
ところで、作物に対する必要な日射量や潅水量は、作物の種類によって基本的な値が概ね決まっている。例えば、ホウレンソウであれば、
a,種まきから刈取りに至るまでに必要な日射量:約450MJ(メガジュール)
b,一株当たりの潅水量を、種まき時は1ccとし、順次増やして、刈取り時は4ccとする。
という具合である。図4には、その様子が示されており、同図(A)は、ホウレンソウの成長の様子と潅水量の関係が示されており、同図(B)は種まきから刈取りに至るまでの総日射量ないし積算日射量が示されている。通常であれば、種まきから概ね45日で刈取りとなるが、夏季のような日射量が多いときは30日程度,冬季のような日射量が少ないときは90日程度となる。しかしこれは基本的・一般的な潅水条件であり、この条件を変更することで、収穫量を増やしたり、味覚が向上するといった可能性があり、潅水条件を記録しておいて次の栽培に適用することで、同様の品質のホウレンソウを収穫できる可能性がある。このような観点からすると、潅水条件の変更とその記録を簡便に行うことができれば好都合である。
本発明は、以上のような点に着目したもので、その目的は、潅水条件の変更とその記録を行い、記録した潅水条件に基づいて潅水を行うことで、潅水対象物の品質の向上を図ることである。他の目的は、日射潅水,定時潅水の競合を回避して、良好な潅水を行うことである。
本発明の潅水装置は、対象物に対して日射量に対応した潅水を行う潅水装置であって、前記対象物の潅水条件を設定し、設定データを得る潅水条件設定手段,前記潅水条件を変更し、前記設定データを変更する潅水条件変更手段,対象物に対して実行された潅水経過を記録する潅水経過記録手段,を備えたことを特徴とする。
主要な形態の一つによれば、前記潅水条件変更手段は、総日射量,潅水日数,潅水時間のいずれかを増減して、潅水条件の変更を行うことを特徴とする。他の形態の一つによれば、前記潅水条件変更手段は、変更された潅水条件が許容範囲を超えていると判断したときは、その旨の警告を行うことを特徴とする。更に他の形態によれば、前記日射量を検知する日射センサによる検知結果から日射量を積算するとともに、前記設定データから単位時間当たりの定時潅水量を求めて積算し、前記日射量の積算値と、前記定時潅水量の積算値の和が所定のしきい値を超えたときに、潅水を行う旨の制御信号を出力する潅水制御手段,を備えたことを特徴とする。
本発明の潅水システムは、前記潅水制御手段から出力された前記潅水を行う旨の制御信号に基づいて散水を施す散水手段,を備えたことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本発明によれば、潅水条件の変更・記録を行うとともに、良好な潅水条件を選択して再利用することで、潅水対象物の品質の向上を図ることができる。また、日射潅水,定時潅水の競合を回避して、良好な潅水を行うことができる。
本発明の実施例における装置構成を示すブロック図である。 前記実施例におけるメインルーチンを示すフローチャートである。 前記実施例におけるサブルーチンを示すフローチャートである。 前記実施例における潅水条件の変更の様子を示す図である。 前記実施例における潅水条件変更のサブルーチンを示すフローチャートである。 前記実施例における表示画面の例を示す図である。 前記実施例における潅水条件変更の他のパターンを示す図である。 前記実施例における潅水条件変更の画面例を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
最初に、図1〜図6を参照しながら、本発明の実施例1について説明する。図1には、本発明の潅水装置を使用する潅水システムの全体構成が示されており、潅水装置はシーケンサ10を中心に構成されている。シーケンサ10のCPU100には、表示装置20,日射センサ30,入力設定を行う入力装置40,電磁弁50A〜50Dへの通電を制御するリレー回路52A〜52Dが、それぞれ接続されている。なお、A/Dコンバータなどのインターフェースが必要に応じて設けられている(図示せず)。また、上記各部には、電源60から駆動用の電力が必要に応じて供給されている。前記電磁弁50A〜50Dには、タンク70A〜70Dから水あるいは液肥が供給されており、電磁弁50A〜50Dを通過した水等は、圃場(畑の区画あるいはハウス)90A〜90Dにそれぞれ設置された散水器80A〜80Dにそれぞれ供給されるようになっている。
以上の各部のうち、表示装置20は、設定画面や動作状態を表示するためのもので、例えばLCDパネルによって構成されている。図6には、表示装置20における設定画面の一例が示されている。同図(A)の左から、手動・自動の切替,運転の停止・起動の切替,水・液肥の切替の表示となっており、三角で示すボタンを押すことで切り換えが行われる。右側の4つのボタンは、設定対象の圃場を選択するためのボタンであり、その下にあるのは、潅水中であることを示すランプである。右下の「3P」は画面のページを示すボタンで、これを押すと、同図(B)に示すように、設定条件が表示された画面となる。
次に、日射センサ30は、日射量を計測するためのもので、例えばフォトダイオードなどを利用している。入力装置40は、設定入力を行うためのもので、本実施例では、前記表示装置20上のタッチパネルや、シーケンサ10の本体に設けられたスイッチ類によって構成されている。
電磁弁50A〜50Dは、タンク70A〜70D内に収容されている水ないし液肥を散水器80A〜80Dへ供給する際に開閉するもので、リレー回路52A〜52DがONとなると、電源60から電力が供給されて電磁弁50A〜50Dは「開」となる。これにより、タンク70A〜70D内の水等が散水器80A〜80Dに供給され、散水器80A〜80Dによって圃場90A〜90D内に散水されるようになる。
電源60は、各部に対して電力を供給するためのもので、バッテリを使用してもよいし、商用電源を利用してもよい。あるいは、太陽電池と充電池を組み合わせるようにしてもよい。タンク70A〜70Dは、水や液肥を貯留するためのもので、水道で代用してもよいし、池の水を汲み上げるようにしてもよい。また、図示の例では電磁弁50A〜50D毎にタンクを設けたが、電磁弁50A〜50Dに共通して1〜3個のタンクを設けるようにしてもよい。つまり、電磁弁50A〜50Dのうちのいくつかに共通にタンクを設けるようにしてよい。タンク70A〜70Dには、必ずしも同じものを貯留する必要はなく、例えばタンク70A,70Bには水を貯留し、タンク70C,70Dには液肥を貯留するといった具合に、異なるものを貯留してよい。
次に、シーケンサ10について説明する。シーケンサ10は、市販されているものをそのまま使用することができ、プログラムメモリ110及びデータメモリ120を備えている。なお、市販のシーケンサには、表示装置20や入力装置40が含まれている場合もある。前記プログラムメモリ110には、潅水制御プログラム112,潅水条件設定変更プログラム114,潅水経過記録プログラム116が格納されている。
これらのうち、潅水制御プログラム112は、日射センサ30によって得られる日射データや入力装置40による入力データに基づいて、潅水制御を行う機能を有するプログラムで、図2に示すメインルーチンの動作,図3に示すサブルーチンの動作を行う。潅水条件設定変更プログラム114は、潅水条件,例えば潅水量や潅水期間などの条件の設定・変更を行うためのプログラムで、当初の基本的な潅水条件の入力や、図5にサブルーチンとして示す変更の動作を行う。潅水経過記録プログラム116は、実際に行われた潅水の経過を記録するためのプログラムである。なお、実際の装置においては、表示装置20の表示ないし点灯を制御するプログラムなど、多数のサブルーチンが存在する(図示せず)。
次に、データメモリ120には、設定データ122や積算データ124,更には潅水経過データ126,潅水パターンデータ128が保存されるようになっている。これらのうち、設定データ122は、前記入力装置40によって入力される作物の種類,種まき時期,積算日射量(種まきから刈取りまでの総日射量),潅水の時刻や日射計数などのデータであり、潅水条件設定変更プログラム114によって設定・変更が行われるデータである。前記積算データ124は、前記日射センサ30によって得られた日射データや前記潅水制御プログラム112の動作によって得られるデータである。潅水経過データ126は、実際に実行された潅水の経過を示すデータである。潅水パターンデータ128は、後述するように、潅水条件の変更を容易にするためのデータで、典型的な潅水パターンを示すものである。
次に、図2及び図3のフローチャートも参照しながら、本実施例における基本的な潅水動作を説明する。図1の自動潅水機の電源スイッチ(図示せず)がONとなると、電源60から各部に電力が供給され、シーケンサ10では、プログラムメモリ110から潅水制御プログラム112が読み出されて、CPU100で図2に示すメインルーチン,図3,図4に示すサブルーチンが適宜実行される。また、潅水経過記録プログラム116も読み出されてCPU100で実行され、潅水経過の記録が行われる。
最初に、利用者は、植物の種類,潅水期間,開始日時,潅水量,潅水の開始時刻等の基本的な潅水制御条件を、入力装置40のキーを押して設定する(ステップSDのN)。すると、当該キーの機能が実行され(ステップSE)、潅水条件の設定の設定が行われる。設定された潅水条件は、設定データ122として、データメモリ120に格納される。利用者は、以上の動作を繰り返し行うことで、必要な潅水条件を設定する(ステップSFのY)。
上記設定後利用者が電源60をOFFとし再びONとしたとき、あるいは、上記設定後再スタートのキー入力を行ったときは、日照量などの変数の初期化が行われ(ステップSA)。そして次に、制御タスクの起動が行われる(ステップSB)。これにより、図3に示す制御タスクが起動され(ステップSB)、測定値や時刻が表示装置20に表示されるようになる(ステップSC)。
次に、図3の制御タスクについて説明する。シーケンサ10のCPU100は、実行している潅水制御プログラム112に基づいて、日射センサ30により日射量を測定する(ステップS10)。図3の制御タスクは、利用者が設定した潅水制御の開始時刻から(ステップS12のY)、終了時刻まで行われる(ステップS14のN)。
利用者によって日射量潅水の設定が行われている(日射係数が設定されている)ときは(ステップS16のY)、日射潅水ポイントPsの積算が行われる。詳述すると、まず、日射センサ30の検知出力から、瞬時日射量が求められる。これを、数1式で示すように、利用者が設定した日射係数で割り、この値を日射潅水ポイントPsとする。なお、日射係数は、その値を大きくすると日射潅水ポイントPsが小さくなり、逆にその値を小さくすると日射潅水ポイントPsが大きくなるもので、潅水対象が日射量に応じてどの程度潅水を必要とするかを考慮して決められる係数である。多く潅水を必要とするときは、日射係数を小さくして日射潅水ポイントPsが増えるように設定し、逆に潅水をあまり必要としないときは、日射係数を大きくして日射潅水ポイントPsが減るように設定するといった具合である。
Figure 2015089344
そして、この日射潅水ポイントPsを1秒ごとに積算し、積算値ΣPsを求める。日射潅水ポイントPsの積算値ΣPsは、積算データ124として、シーケンサ10のデータメモリ120に保存される。ここで、定時潅水の設定がなく(ステップS20のN)、数2式に示すように、日射潅水ポイントPsの積算値ΣPsが「1」以上になったときに潅水を行えば(ステップS24のY)、純日射比例式潅水となる(ステップS26)。潅水後は、積算値ΣPsを「0」にリセットする(ステップS28)。
Figure 2015089344
一方、利用者によって、定時潅水の設定が行われているときは(ステップS20のY)、定時潅水ポイントPtの積算が行われる。詳述すると、まず、定時潅水を行う時刻が、t0,t1,t3,・・・と設定されており、現在時刻がtであるとすると、次の数3式が成り立つ「n」を検索する。
Figure 2015089344
そして、次の数4式から、定時潅水ポイントPtが求められる。この定時潅水ポイントPtは、定時潅水量を単位時間当たりに換算したものであると考えることができる。
Figure 2015089344
そして、この定時潅水ポイントPtを1秒ごとに積算し、積算値ΣPtを求める。定時潅水ポイントPtの積算値ΣPtは、積算データ124として、シーケンサ10のデータメモリ120に保存される。ここで、日射潅水の設定がなく(ステップS16のN)、数5式に示すように、定時潅水ポイントPtの積算値ΣPtが「1」以上になったときに潅水を行えば(ステップS24のY)、純定時式潅水となる(ステップS26)。潅水後は、積算値ΣPtを「0」にリセットする(ステップS28)。
Figure 2015089344
次に、上述した日射潅水ポイントPsと、定時潅水ポイントPtを1秒毎に積算し、数6式で示す合計積算値Sを求める。この合計積算値Sも、積算データ124として、シーケンサ10のデータメモリ120に保存される。そして、前記合計積算値Sが「1」を超えたとき、すなわちS≧1で潅水を行えば(ステップS24のY)、日射潅水・定時潅水の両要素を取り込んだ潅水となる(ステップS26)。潅水後は、積算値Sを「0」にリセットする(ステップS28)。
Figure 2015089344
シーケンサ10のCPU100は、上述した積算値ΣPs,ΣPtの合計積算値Sが「1」になったときは、リレー回路52A〜52Dに駆動信号を出力する。すると、リレー回路52A〜52DがONとなり、電源60から電磁弁50A〜50Dに電力が供給され、電磁弁50A〜50Dが「開」となる。これにより、タンク70A〜70Dから散水器80A〜80Dに水あるいは液肥が供給され、圃場90A〜90Dにおいて潅水が実施されるようになる。この場合において、上述した日射係数や定時潅水を行う時刻を、圃場90A〜90Dに植え付けした作物毎に設定することで、圃場90A〜90D毎に異なる時刻で潅水が行われる。
なお、手動潅水は、利用者が必要に応じて任意の時刻に行う。手動潅水を行ったときは、上述した積算値ΣPs,ΣPtを「0」にリセットすることで、手動潅水後に不要な定時潅水又は日射潅水が行われるといった不具合が抑制される。
以上のような実行された潅水の経過は、CPU100で実行されている潅水経過記録プログラム116によって記録され、潅水経過データ126として、データメモリ120に記録される。
次に、潅水条件の変更について説明する。シーケンサ10において、例えば表示装置20に表示されているメインメニュー(図示せず)から潅水条件の変更を入力装置40で選択するなど、適宜の方法で潅水条件の変更が選択されたとすると、CPU100では、潅水条件設定変更プログラム114が実行される。例えば、図4(C)に示す例は、同図(B)にグラフGBで示す30日で潅水を終了する基本的な潅水条件を、種まきから11日目から、グラフGBaのように潅水量を増やしたり、逆にグラフGBbのように潅水量を減らしたりするという具合である。なお、日射量が少なく、前記グラフで示した潅水量に達しないときは、例えば、その日の最終回から所定の設定時間経過後に強制潅水を行うようにするといった方法で、日射量と潅水量を調整する。逆に、日射量が多いときは、前記グラフで示した潅水量を超えても日射量に応じた潅水を優先し、その後潅水量を減らして調整するようにする。グラフで示した潅水量と日射量に基づく潅水量のいずれを優先するかを、利用者が設定できるようにしてもよい。
図5(A)には、潅水条件変更の動作手順がフローチャートとして示されている。潅水条件設定変更プログラム114が実行されると、表示装置20に変更画面が表示される(ステップS100)。利用者は、入力装置40を利用して変更したい条件を入力する(ステップS102)。変更設定が完了すると(ステップS104のYes)、CPU100によって変更条件に基づく潅水条件が再設定される(ステップS106)。すなわち、設定データ122の変更が行われる。
例えば、上述した図4(C)の場合を具体的に示すと、グラフGBで示す基本条件が、
a,種まき時の日射量積算値:3MJ
b,刈取り時の日射量積算値:500MJ
c,種まき時の潅水時間:40秒
d,刈取り時の潅水時間:160秒
であるとする。潅水日数は、日射量積算値が500MJになるまでとなり、天気がよければ短く、天気が悪ければ長くなる。
種まき時と刈取り時の潅水時間の差は、「160−40=120秒」となり、1MJ当たりの開時間は、「120÷500=0.24秒/MJ」となる。このような基本条件に対し、例えば11日目の日射量積算値が132MJであったとすると、その時点での潅水時間は、「0.24×132+40=71.68秒」となる。この11日目の時点で、グラフGBaで示すように「+10秒」の潅水時間の変更を行ったとすると、刈取り時の潅水時間は「160+10=170秒」となる。逆に、11日目の時点で、グラブGBbで示すように「−10秒」の潅水時間の変更を行ったとすると、刈取り時の潅水時間は「160−10=150秒」となる。
一方、潅水時間と日数で条件を設定するという方法もある。例えば、図4(C)のグラフGBで示す基本条件が、
a,種まき時の潅水時間:10秒
b,刈取り時の潅水時間:30秒
c,潅水日数:30日
d,種まきからの経過日:11日目
であるとする。
1日あたりの潅水時間の増加分は、「(最終時間−初期時間)÷日数」で計算でき、経過日における潅水時間は、「潅水時間={(最終時間−初期時間)÷日数}×経過日数+初期時間」で計算することができる。グラフGBの条件における1日あたりの潅水時間の増加分は、「(30−10)÷30=0.66秒」となり、11日目の潅水時間は、「{(30−10)÷30}×11+10=17.33秒」となる。
このような基本条件に対し、11日目の時点で「+10秒」の潅水時間の追加変更を行ったとすると、グラフGBaで示すようになり、刈取り時の潅水時間は「30+10=40秒」となる。逆に、11日目の時点で「−10秒」の潅水時間の追加変更を行ったとすると、グラフGBbで示すようになり、刈取り時の潅水時間は「30−10=20秒」となる。
表1には、種まき時及び刈取り時における潅水時間の変更と、経過日(11日目)における潅水時間の変動の例が示されている。
Figure 2015089344
例えば、変更条件Aは、種まき時の潅水時間を基本条件の10秒から15秒に変更した例であり、変更条件Bは、刈取り時の潅水条件を基本条件の30秒から35秒に変更した例である。変更条件D〜Fも表示のとおりである。変更条件A〜Cでは、11日目の潅水時間が何れも増加しており、変更条件D〜Fでは、11日目の潅水時間が何れも減少している。
種まき時から刈取り時までに実行された潅水経過は、潅水経過記録プログラム116がCPU100で実行されることで、潅水経過データ126としてデータメモリ120に記録される。例えば、圃場90A〜90Dに対し、それぞれ前記表1の変更条件A〜Dを適用してホウレンソウを栽培し、収穫したホウレンソウの品質を比較する。その結果、例えば圃場90Bのホウレンソウの品質が最も良かったとすると、次回からは、圃場90Bの潅水経過データ126を選択してデータメモリ120から読み出し、それに基づいて潅水制御を行うことで、同等の品質のホウレンソウを収穫できる可能性が高くなる。このような潅水条件の変更と選択を、繰り返し行うようにしてよい。
以上のように、本実施例によれば、潅水条件の変更・記録を行うとともに、良好な潅水条件を選択して再利用することで、潅水対象物の品質の向上を図ることができ、品質の良い自分ブランドの野菜やくだものを育成することが可能となる。また、日射潅水,定時潅水の競合を回避して、良好な潅水を行うことができる。
次に、図5(B)を参照しながら、本発明の実施例2について説明する。本実施例では、同図(A)の実施例と比較して、変更条件が対象となる作物の栽培に当たっての許容範囲内かどうかを判断し(ステップS200)、許容範囲外であればその旨の警告を表示する(ステップS202)。例えば、種まきから刈取りまでに必要な日数,潅水量,日射量積算値の上限や下限を超えた変更条件が入力された場合が該当する。このような上限値や下限値のデータは、代表的な作物について予めデータメモリ120に用意しておいてもよいし、設定データ122として利用者が入力してもよい。
次に、本発明の実施例3について説明する。前記実施例では、潅水量を途中で増減したが、図4(D)に示すように、刈取り時における日射量積算値が同一となるように、すなわち種まき時から刈取り時までに至る潅水量の積算値が同一となるように、潅水量を増減するようにしてもよい。同図に示す基本条件のグラフGAに対し、グラフGA10は、日射量積算値を当初は増やし、その後減らした例であり、グラフGA12は、日射量積算値を当初は減らし、その後増やした例である。また、基本条件のグラフGAは、45日の日数設定の場合であるが、それを増減するようにしてもよい。なお、図4(C)において、基本条件を変更する経過日「11日」を変更することで、結果的に潅水日数を変更することもできる。
図7に示す例は、他の潅水条件の変更パターンを示すものである。同図(A)〜(C)は、45日目の日射量積算値NSは同一であるが、途中の潅水量を、基本のグラフGAから、グラフGA20〜GA40のように変更する例である。同図(D)は、グラフGA50,GA52で示すように、45日目の日射量積算値NSがNS50,NS52に増減する例である。これらの潅水パターンは、データメモリ120に潅水パターンデータ128として保存する。
図8は、上述した潅水パターンを選択する際の表示画面の例である。同図(A)は、基本条件のグラフGPに対して、その変更パターンGPU1〜3,GPD1〜3が用意されており、これらのいずれかを、アップダウンボタンUDBで選択するようにした画面の例である。同図(B)は、経過日数の5日毎にアップダウンボタンUDBを用意して潅水量のアップ・ダウンを設定するようにした画面の例である。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例では、潅水装置にシーケンサを使用したが、マイコン,パソコン,スマートフォンなどを利用してもよい。また、各部を、無線LAN,Bluetooth(登録商標),ZigBee(登録商標)などの近距離無線通信によって結ぶようにしてもよい。例えば、日射センサ30とシーケンサ10との間や、シーケンサ10とリレー回路52A〜52Dとの間を無線接続とするという具合である。
(2)前記実施例では4つの圃場に潅水する場合を示したが、圃場の数は、必要に応じて増減してよい。また、4つの圃場90A〜90Dに4つの散水器80A〜80Dをそれぞれ設置した場合を示したが、散水器80A〜80Dの設置態様としては、以下のようなものも考えられる。
a,単一作物が植え付けられている広い圃場に対して、散水器80A〜80Dを設置する。あるいは、一部の圃場に散水器80A〜80Cを設置し、他の圃場に散水器80Dを設置する。
b,散水器80A〜80Dの一部を、予備器として設置する。例えば、圃場HAに散水器80A,80Cを並列に設置し、圃場HBに散水器80B,80Dを並列に設置する。そして、通常は圃場HA,HBに対してそれぞれ散水器80A,80Bで散水を行い、それらが故障したときに、散水器80C,80Dで散水を行う。
c,散水器80A〜80Dの一部で水を散水し、他で液肥を散水する。例えば、圃場HAに散水器80A,80Cを並列に設置し、圃場HBに散水器80B,80Dを並列に設置する。そして、散水器80A,80Bでは水を撒き、散水器80C,80Dでは液肥を撒く。
(3)前記図2及び図3に示した日射潅水と定時潅水の競合を避けるための潅水制御は、必ずしも必要ではなく、潅水対象によって適宜行うようにしてよい。
(4)前記実施例では、日射潅水ポイントPsと定時潅水ポイントPtを1秒毎に積算したが、
a,他の条件,例えば温度を積算値に追加するようにしてもよい。例えば、気温が一定温度(例えば30℃)を超えたときに、積算値ΣPs,ΣPtに一定の係数を掛ける,積算値ΣPs,ΣPtに温度ポイントを加算するといった具合である。逆に、一定温度,例えば10℃以下では潅水を行わないといった設定を行ってもよい。
b,単純にポイント積算を行うのではなく、何らかの関数値あるいはテーブル参照を行って、各ポイントが植物の潅水要求量にどの程度影響するかを補正する。具体的には、日射潅水ポイントPs,定時潅水ポイントPtに係数CA,CBを掛けて加算する。係数CA,CBは定数であってもよいし、日射量等に関係する変数であってもよい。
c,日射比例潅水,定時潅水を有機的に結合することもできる。例えば、日射比例潅水による潅水時間をTs,定時潅水による潅水時間をTtとするとき、数1式で示す日射潅水ポイントPsの積算値ΣPsと、数4式で示す定時潅水ポイントPtの積算値ΣPtとを別々に計算し、それらの合計=ΣPs+ΣPt≧1となったときに、T=Ts×ΣPs+Tt×ΣPtの潅水を行うようにしてもよい。この方法によれば、日射比例による潅水時間,定時潅水による潅水時間をそれぞれ設定し、その寄与割合に応じて潅水を行うことができる。
(5)前記実施例では、本発明の理解を容易にするため、リレー回路,電磁弁,散水器を分けて説明したが、それらが一体となった散水器として構成するようにしてもよい。
(6)本発明の適用対象としては、農作物,植物などを栽培する露地ないし温室が好適な例であるが、動物に対する給水などにも適用してよい。
本発明によれば、日射潅水と定時潅水の競合を避けて、日射量と定時の両方を考慮した潅水を行いつつ、潅水条件の変更と記録,選択と再利用を行うことで、品質の良い自分ブランドの野菜やくだものを育成することが可能となって、農園,園芸などの分野に好適である。
10:シーケンサ
20:表示装置
30:日射センサ
40:入力装置
50A〜50D:電磁弁
52A〜52D:リレー回路
60:電源
70A〜70D:タンク
80A〜80D:散水器
90A〜90D:圃場
100:CPU
110:プログラムメモリ
112:潅水制御プログラム
114:潅水条件設定変更プログラム
116:潅水経過記録プログラム
120:データメモリ
122:設定データ
124:積算データ
126:潅水経過データ
128:潅水パターンデータ

Claims (5)

  1. 対象物に対して、日射量に対応した潅水を行う潅水装置であって、
    前記対象物の潅水条件を設定し、設定データを得る潅水条件設定手段,
    前記潅水条件を変更し、前記設定データを変更する潅水条件変更手段,
    対象物に対して実行された潅水経過を記録する潅水経過記録手段,
    を備えたことを特徴とする潅水装置。
  2. 前記潅水条件変更手段は、総日射量,潅水日数,潅水時間のいずれかを増減して、潅水条件の変更を行うことを特徴とする請求項1記載の潅水装置。
  3. 前記潅水条件変更手段は、変更された潅水条件が許容範囲を超えていると判断したときは、その旨の警告を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の潅水装置。
  4. 前記日射量を検知する日射センサによる検知結果から日射量を積算するとともに、前記設定データから単位時間当たりの定時潅水量を求めて積算し、前記日射量の積算値と、前記定時潅水量の積算値の和が所定のしきい値を超えたときに、潅水を行う旨の制御信号を出力する潅水制御手段,
    を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の潅水装置。
  5. 請求項4記載の潅水制御手段から出力された前記潅水を行う旨の制御信号に基づいて散水を施す散水手段,
    を備えたことを特徴とする潅水システム。
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