JP2012231684A - 播種時期決定支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】栽培しようとする植物について、当該植物を栽培しようとする場所のその年の気候に合った播種時期を通知することができる播種時期決定支援装置を提供する。
【解決手段】植物の播種場所の地温又は気温のうち少なくとも一方の実測温度を継続的に測定して、この実測温度に基づいて、現在日における地温又は気温のうち少なくとも一方の予測温度を算出する。そして、現在日の予測温度が所定の発芽可能温度範囲内に含まれており、さらに、現在日の季節が所定の播種可能季節であったとき、植物の播種を促す旨の通知を行う。つまり、植物を栽培しようとする播種場所において所定期間内に測定された地温又は気温の実測温度に基づいて当日である現在日の予測温度を算出し、この現在日の予測温度と当該現在日の季節とが播種に適しているか判定して、適していれば播種を促す。
【選択図】図1

Description

本発明は、植物の播種時期の決定を支援する播種時期決定支援装置に関するものである。
近年のガーデニングブームにより、住宅敷地内の庭やベランダなどにおいて、植物の栽培を楽しむ人が増加している。そして、市販されている植物の種子のパッケージ(種子用包材)には播種時期や収穫時期、栽培方法に関する情報が記載されており(例えば、特許文献1)、植物の栽培者は、この情報などを参考にして植物の種子を播く播種時期を決定していた。また、作物等の植物を栽培する農家などの職業栽培者においては、その多くが勘や経験、又は、所属する農協からの指示などによって当該植物の種子を播く播種時期を決定していた。
特開2008−54565号公報
しかしながら、上記パッケージなどに記載された栽培方法に関する情報は、播種時期について、気候に応じて寒冷地、中間地、温暖地など大まかに区分された地域ごとの平年的な気候を基にして記載されているので、例えば、温暖地であっても、標高の高いところや日照時間の少ない日陰などでは寒冷地の気候条件になったり、寒冷地であっても、年によっては気温が高く温暖地の気候条件になったりするなど、播種時期を示す情報として精度が低く、植物を栽培しようとする場所のその年の気候に合った播種時期を決定することが困難であった。また、勘や経験などでも、ときには播種時期を外してしまうことがあった。
本発明は、上記課題に係る問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、栽培しようとする植物について、当該植物を栽培しようとする場所のその年の気候に合った播種時期を通知することができる播種時期決定支援装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、図1の基本構成図に示すように、植物の播種時期の決定を支援する播種時期決定支援装置であって、前記植物の播種場所の地温又は気温のうち少なくとも一方の実測温度を測定する温度測定手段S1と、前記温度測定手段S1によって測定された前記実測温度に基づいて、現在日における前記地温又は前記気温のうち少なくとも一方の予測温度を算出する現在日温度算出手段P11と、前記現在日温度算出手段P11によって算出された前記現在日の予測温度が前記植物について予め定められた発芽可能温度範囲に含まれるか否かを判定する発芽可能温度判定手段P12と、前記現在日の季節を判定する季節判定手段P13と、前記季節判定手段P13によって判定された前記現在日の季節が前記植物について予め定められた播種可能季節と一致するか否かを判定する播種可能季節判定手段P14と、前記発芽可能温度判定手段P12によって前記現在日の予測温度が前記発芽可能温度範囲に含まれると判定され、且つ、前記播種可能季節判定手段P14によって前記現在日の季節が前記播種可能季節と一致すると判定されたとき、前記植物について播種を促す旨の通知を行う通知手段P15と、を有していることを特徴とする播種時期決定支援装置である。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記現在日温度算出手段P11が、前記温度測定手段S1によって所定の測定期間内に測定された前記実測温度の移動平均値を、前記播種場所における進行補正値で補正した値を前記現在日の予測温度として算出するように構成されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、図1の基本構成図に示すように、前記温度測定手段S1によって測定された前記実測温度に基づいて、前記現在日から前記植物について予め定められた発芽所要日数後の発芽日における前記地温又は前記気温のうち少なくとも一方の予測温度を算出する発芽日温度算出手段P16と、前記発芽日温度算出手段P16によって算出された前記発芽日の予測温度が前記植物について予め定められた生育可能温度範囲に含まれるか否かを判定する生育可能温度判定手段P17と、をさらに有し、前記通知手段P15が、前記発芽可能温度判定手段P12によって前記現在日の予測温度が前記発芽可能温度範囲に含まれると判定されるとともに前記生育可能温度判定手段P17によって前記発芽日の予測温度が前記生育可能温度範囲に含まれると判定され、且つ、前記播種可能季節判定手段P14によって前記現在日の季節が前記播種可能季節と一致すると判定されたとき、前記植物について播種を促す旨の通知を行うように構成されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項3に記載された発明において、前記発芽日温度算出手段P16が、前記温度測定手段S1によって所定の測定期間内に測定された前記実測温度から得られた温度回帰式を用いて求めた前記発芽日における予測値を、前記播種場所における所定の温度変動マージン値で補正した値を前記発芽日の予測温度として算出するように構成されていることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、上記目的を達成するために、図2の基本構成図に示すように、植物の播種時期の決定を支援する播種時期決定支援装置であって、前記植物の播種場所の地温又は気温のうち少なくとも一方の実測温度を測定する温度測定手段S2と、前記温度測定手段S2によって測定された前記実測温度に基づいて、現在日より後の将来日における前記地温又は前記気温のうち少なくとも一方の予測温度を算出する将来日温度算出手段P21と、前記将来日温度算出手段P21によって算出された前記将来日の予測温度が前記植物について予め定められた発芽可能温度範囲に含まれるか否かを判定する発芽可能温度判定手段P22と、前記将来日の季節を判定する季節判定手段P23と、前記季節判定手段P23によって判定された前記将来日の季節が前記植物について予め定められた播種可能季節と一致するか否かを判定する播種可能季節判定手段P24と、前記発芽可能温度判定手段P22によって前記将来日の予測温度が前記発芽可能温度範囲に含まれると判定され、且つ、前記播種可能季節判定手段P24によって前記将来日の季節が前記播種可能季節と一致すると判定された、前記将来日のうち、前記現在日に最も近い前記将来日での前記植物の播種を促す旨の通知を行う通知手段P25と、を有していることを特徴とする播種時期決定支援装置である。
請求項6に記載された発明は、請求項5に記載された発明において、前記将来日温度算出手段P21が、前記温度測定手段S2によって所定の測定期間内に測定された前記実測温度から求めた温度回帰式を用いて前記将来日の予測温度を算出するように構成されていることを特徴とするものである。
請求項7に記載された発明は、請求項5又は6に記載された発明において、前記温度測定手段S2によって測定された前記実測温度に基づいて、前記将来日から前記植物について予め定められた発芽所要日数後の発芽日における前記地温又は前記気温のうち少なくとも一方の予測温度を算出する発芽日温度算出手段P26と、前記発芽日温度算出手段P26によって算出された前記発芽日の予測温度が前記植物について予め定められた生育可能温度範囲に含まれるか否かを判定する生育可能温度判定手段P27と、をさらに有し、前記通知手段P25が、前記発芽可能温度判定手段P22によって前記将来日の予測温度が前記発芽可能温度範囲に含まれると判定されるとともに前記生育可能温度判定手段P27によって当該将来日に対応する前記発芽日の予測温度が前記生育可能温度範囲に含まれると判定され、且つ、前記播種可能季節判定手段P24によって前記将来日の季節が前記播種可能季節と一致すると判定された、前記将来日のうち、前記現在日に最も近い前記将来日での前記植物の播種を促す旨の通知を行うように構成されていることを特徴とするものである。
請求項8に記載された発明は、請求項7に記載された発明において、前記発芽日温度算出手段P26が、前記温度測定手段S2によって所定の測定期間内に測定された前記実測温度から得られた温度回帰式を用いて求めた前記発芽日における予測値を、前記播種場所における所定の温度変動マージン値で補正した値を前記発芽日の予測温度として算出するように構成されていることを特徴とするものである。
請求項1に記載された発明によれば、植物の播種場所の地温又は気温のうち少なくとも一方の実測温度を測定して、この測定された実測温度に基づいて、現在日における地温又は気温のうち少なくとも一方の予測温度を算出する。そして、現在日の予測温度が所定の発芽可能温度範囲に含まれており、さらに、現在日の季節が所定の播種可能季節と一致したとき、植物の播種を促す旨の通知を行う。つまり、植物を栽培しようとする播種場所において測定された実測温度に基づいて当日である現在日の予測温度を算出し、この現在日の予測温度と当該現在日の季節とが播種に適しているか判定して、適していれば播種を促す。
請求項2に記載された発明によれば、播種場所において所定の測定期間内に測定された実測温度の移動平均値を、当該播種場所における進行補正値で補正して現在日の予測温度として算出するので、移動平均値を算出するとその値は測定期間内の中間時点付近の値となり、即ち、現在日に対して遅れた値となり、そのため、この移動平均値を現在日まで進めるように進行補正値で補正することにより現在日の予測温度を算出する。
請求項3に記載された発明によれば、播種場所において測定された実測温度に基づいて、現在日から所定の発芽所要日数後の発芽日における地温又は気温のうち少なくとも一方の予測温度を算出する。そして、現在日の予測温度が所定の発芽可能温度範囲に含まれているとともに発芽日の予測温度が所定の生育可能温度範囲に含まれており、さらに、現在日の季節が所定の播種可能季節と一致したとき、植物の播種を促す旨の通知を行う。つまり、植物を栽培しようとする播種場所において測定された実測温度に基づいて、当日である現在日の予測温度と当該現在日に播種した場合に発芽が予想される発芽日の予測温度とを算出し、この現在日の予測温度と発芽日の予測温度と該現在日の季節とが播種に適しているか判定して、適していれば播種を促す。
請求項4に記載された発明によれば、播種場所において所定の測定期間内に測定された実測温度から得られた温度回帰式を用いて求めた発芽日における予測値を、当該播種場所における所定の温度変動マージン値で補正した値を発芽日の予測温度として算出するので、予測温度を過去の実測温度の延長線上にあるものとして算出することができるとともに、発芽した後に生じる恐れのある著しい温度変動による生育不良を回避できる。
請求項5に記載された発明によれば、植物の播種場所の地温又は気温のうち少なくとも一方の実測温度を測定して、この実測温度に基づいて、現在日より後の将来日における地温又は前記気温のうち少なくとも一方の予測温度を算出する。そして、将来日の予測温度が所定の発芽可能温度範囲に含まれており、さらに、将来日の季節が所定の播種可能季節と一致したとき、このような将来日のうちで現在日に最も近い将来日における植物の播種を促す旨の通知を行う。つまり、植物を栽培しようとする播種場所において測定された実測温度に基づいて現在日より後の将来日の予測温度を算出し、この将来日の予測気温と当該将来日の季節とが播種に適しているかを判定して、適していると判定された将来日のうち現在日に最も近い将来日での播種を促す。
請求項6に記載された発明によれば、播種場所において所定の測定期間内に測定された実測温度から求めた温度回帰式を用いて将来日の予測温度を算出するので、予測温度を過去の実測温度の延長線上にあるものとして算出することができる。
請求項7に記載された発明によれば、播種場所において測定された実測温度に基づいて、将来日から所定の発芽所要日数後の発芽日における地温又は気温のうち少なくとも一方の予測温度を算出する。そして、将来日の予測温度が所定の発芽可能温度範囲に含まれているとともに発芽日の予測温度が生育可能温度範囲に含まれており、さらに、将来日の季節が所定の播種可能季節と一致したとき、このような将来日のうちで現在日に最も近い将来日における植物の播種を促す旨の通知を行う。つまり、植物を栽培しようとする播種場所において測定された実測温度に基づいて将来日の予測温度と当該将来日に播種した場合に発芽が予想される発芽日の予測温度とを算出し、この将来日の予測温度と発芽日の予測温度と当該現在日の季節とが播種に適しているか判定して、適していると判定された将来日のうち現在日に最も近い将来日での播種を促す。
請求項8に記載された発明によれば、播種場所において所定の測定期間内に測定された実測温度から得られた温度回帰式を用いて求めた発芽日における予測値を、当該播種場所における所定の温度変動マージン値で補正した値を発芽日の予測温度として算出するので、予測温度を過去の実測温度の延長線上にあるものとして算出することができるとともに、発芽した後に生じる恐れのある著しい温度変動による生育不良を回避できる。
請求項1に記載された発明によれば、植物を栽培しようとする播種場所において測定された実測温度に基づいて当日である現在日の予測温度を算出し、この現在日の予測温度と当該現在日の季節とが播種に適しているか判定して、適していれば播種を促すので、当該播種場所のその年の気候に合った精度の高い播種時期を示すことができる。
請求項2に記載された発明によれば、播種場所において所定の測定期間内に測定された実測温度の移動平均値を、現在日まで進めるように進行補正値で補正して現在日の予測温度を算出するので、予測温度の精度を高めることができ、そのため、より精度の高い播種時期を示すことができる。
請求項3に記載された発明によれば、植物を栽培しようとする播種場所において測定された実測温度に基づいて当日である現在日の予測温度と当該現在日に播種した場合に発芽が予想される発芽日の予測温度とを算出し、この現在日の予測温度及び発芽日の予測温度を当該現在日の季節とともに判定することで当該場所に適した播種時期を予測するので、播種した時点における発芽可能性についての判定のみならず、播種後に発芽した時点における生育可能性についても判定し、そのため、より精度の高い播種時期を示すことができる。
請求項4に記載された発明によれば、発芽日の予測温度を過去の実測温度の延長線上にあるものとして算出することができるとともに、発芽した後に生じる恐れのある著しい温度変動による生育不良を回避できるので、より精度の高い播種時期を示すことができる。
請求項5に記載された発明によれば、植物を栽培しようとする播種場所において測定された実測温度に基づいて現在日より後の将来日の予測温度を算出し、この将来日の予測気温と当該将来日の季節とが播種に適しているかを判定して、適していると判定された将来日のうち現在日に最も近い将来日での播種を促すので、播種時期として現在の日より後の将来の日を示すことができるとともに、当該播種場所のその年の気候に合った精度の高い播種時期を示すことができる。
請求項6に記載された発明によれば、将来日における予測温度を過去の実測温度の延長線上にあるものとして算出することができるので、より精度の高い播種時期を示すことができる。
請求項7に記載された発明によれば、植物を栽培しようとする播種場所において測定された実測温度に基づいて将来日の予測温度と当該将来日に播種した場合に発芽が予想される発芽日の予測温度とを算出し、この将来日の予測温度と発芽日の予測温度と当該現在日の季節とが播種に適しているか判定して、適していると判定された将来日のうち現在日に最も近い将来日での播種を促すので、播種した時点における発芽可能性についての判定のみならず、播種後に発芽した時点における生育可能性についても判定し、そのため、より精度の高い播種時期を示すことができる。
請求項8に記載された発明によれば、発芽日の予測温度を過去の実測温度の延長線上にあるものとして算出することができるとともに、発芽した後に生じる恐れのある著しい温度変動による生育不良を回避できるので、より精度の高い播種時期を示すことができる。
本発明の播種時期決定支援装置の第1の基本構成を示す図である。 本発明の播種時期決定支援装置の第2の基本構成を示す図である。 本発明の第1(第2)の実施形態の播種時期決定支援装置の正面図である。 図3の播種時期決定支援装置の構成を示す図である。 図3の播種時期決定支援装置のメモリに記憶された植物栽培情報の一例を説明する図である。 図3の播種時期決定支援装置のCPUにおける本発明に係る処理(播種時期決定支援処理1)の一例を示すフローチャートである。 図6のフローチャートの続きである。 第1の実施形態の播種時期決定支援装置における春播きのトマトについての動作を説明する図(その1)である。 第1の実施形態の播種時期決定支援装置における春播きのトマトについての動作を説明する図(その2)である。 第1の実施形態の播種時期決定支援装置における春播きのトマトについての動作を説明する図(その3)である。 第1の実施形態の播種時期決定支援装置における秋播きのレタスについての動作を説明する図(その1)である。 第1の実施形態の播種時期決定支援装置における秋播きのレタスについての動作を説明する図(その2)である。 第1の実施形態の播種時期決定支援装置における秋播きのレタスについての動作を説明する図(その3)である。 本発明の第2の実施形態の播種時期決定支援装置のCPUにおける本発明に係る処理(播種時期決定支援処理2)の一例を示すフローチャートである。 図14のフローチャートの続きである。 第2の実施形態の播種時期決定支援装置における春播きのトマトについての動作を説明する図(その1)である。 第2の実施形態の播種時期決定支援装置における春播きのトマトについての動作を説明する図(その2)である。 第2の実施形態の播種時期決定支援装置における春播きのトマトについての動作を説明する図(その3)である。 第2の実施形態の播種時期決定支援装置における秋播きのレタスについての動作を説明する図(その1)である。 第2の実施形態の播種時期決定支援装置における秋播きのレタスについての動作を説明する図(その2)である。 第2の実施形態の播種時期決定支援装置における秋播きのレタスについての動作を説明する図(その3)である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の播種時期決定支援装置の第1の実施形態を、図3〜図13を参照して説明する。
この播種時期決定支援装置は、例えば、住宅敷地内の庭やベランダ、郊外の畑などの植物を栽培しようとする場所(以下、播種場所という)に設置され、当該場所の実際の地温及び気温を測定して、当該地温及び気温に基づいて当日である現在日が播種に適していれば、播種を促す旨の表示を行うものである。栽培者は、この表示を参考にして上記植物の種子を播く時期を決定することができる。
図3に示すように、播種時期決定支援装置1(以下、装置1ともいう)は、直方体箱形の本体ケース10と、この本体ケース10の下面10aから下方に伸びる杭部11と、を有している。
本体ケース10の正面10bには、操作部33と、表示部34と、が設けられている。また、本体ケース10の正面10bには、本体ケース10周囲の雰囲気を本体ケース10内に取り込むためのスリット10cが設けられており、このスリット10cの奥には、気温測定センサ31が配置されている。
杭部11は、円錐状の先端部11aと、この先端部11aが一端に連接され且つ本体ケース10の下面10aが他端に連接された円柱状の胴部11bと、を有している。胴部11bの一端近傍には、周囲の温度を内側に伝達するように胴部11bに一体に設けられた円筒状の金属からなる受温部11cが設けられており、この受温部11cの内側には受温部11cが伝達する温度を測定する地温測定センサ32が配置されている。
装置1は、この杭部11が地面に突き立てられることにより、本体ケース10が地上に配置され且つ受温部11cが地中に配置された状態で、播種場所に固定される。これにより、装置1は、気温測定センサ31によって上記雰囲気の温度、即ち、播種場所の気温を測定し、地温測定センサによって播種場所の地温を測定する。
図4に示すように、装置1は、周知のマイクロコンピュータ20(MPU20)と、メモリ24と、温度測定手段としての気温測定センサ31と、温度測定手段としての地温測定センサ32と、操作部33と、表示部34と、を有して構成されている。
MPU20は、中央演算処理装置(CPU)21と、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23と、図示しない外部インタフェース部と、などを有して構成されている。
CPU21は、装置1における各種制御を司り、ROM22に記憶されている各種制御プログラムにしたがって本実施形態に係る制御を含む各種の処理を実行する。CPU21には、外部インタフェース部を介して、メモリ24、気温測定センサ31、地温測定センサ32、操作部33、及び、表示部34、が接続されている。
ROM22は、前記制御プログラムやこの制御プログラムに参照されるパラメータなどの各種情報を記憶している。第1の実施形態において、ROM22は、CPU21を、現在日温度算出手段P11、発芽可能温度判定手段P12、季節判定手段P13、播種可能季節判定手段P14、通知手段P15、発芽日温度算出手段P16、生育可能温度判定手段P17、などの各種手段として機能させるための制御プログラムを記憶している。そして、CPU21は、そのプログラムを実行することで、これら各種手段として機能する。RAM23は、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータ、プログラム等が適宜記憶される。
メモリ24は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)やフラッシュメモリなどの、電源断となってもデータを保持できる不揮発性メモリで構成されている。メモリ24には、図5に一例を示すように、複数の植物(植物種別情報N)と、その植物について予め定められた発芽可能温度範囲V(最低発芽地温VL、最高発芽地温VH)、生育可能温度範囲W(耐寒気温WL、耐暑気温WH)、播種可能季節X、及び、発芽所要日数Yと、が互いに関連づけられたデータテーブルである植物栽培情報J1が記憶されている。
気温測定センサ31は、例えば、サーミスタや熱電対などで構成されており、気温測定センサ31は、CPU21に接続されており、継続的に温度(気温)を測定するとともに、測定した気温に応じた電気信号をCPU21に出力する。
地温測定センサ32は、例えば、気温測定センサ31と同様のサーミスタや熱電対などで構成されている。地温測定センサ32は、CPU21に接続されており、継続的に温度(地温)を測定するとともに、測定した地温に応じた電気信号をCPU21に出力する。
操作部33は、複数の押しボタンスイッチで構成されている。操作部33は、CPU21に接続されており、押しボタンスイッチの押下操作の入力に応じた電気信号をCPU21に出力する。
表示部34は、本体ケース10の正面10bに表示面を露出して設けられた液晶ディスプレイで構成されている。表示部34は、CPU21に接続されており、CPU21からの制御信号に基づいた表示を行う。
次に、上述したCPU21が実行する本発明に係る処理(播種時期決定支援処理1)の一例を、図6、図7に示すフローチャートを参照して以下に説明する。
播種時期決定支援装置1に電源が投入されると、CPU21は、所定の初期化処理を実行したのち、図6のフローチャートに示すステップS110に進む。
ステップS110では、播種予定の植物を選択する画面を表示して操作部33への所定の操作入力を待つ。具体的には、表示部34に播種予定の植物を選択する画面を表示するための制御信号を出力したのち、メモリ24に記憶された植物栽培情報J1に含まれる複数の植物(植物種別情報N)の中から、装置1が設置された播種場所において播種予定の植物を1又は複数選択する操作が入力されるのを待ち、この操作が入力されると、選択された植物を示す植物種別情報Nを、RAM23に設けられた植物記憶領域に記憶する。そして、ステップS120に進む。
ステップS120では、例えば、毎日午前0時などの予め定められた時刻において、気温測定センサ31及び地温測定センサ32のそれぞれから出力された地温及び気温に応じた電気信号に基づいて、実測温度としての地温及び気温を検出する。勿論、午前0時以外の時刻において各温度を検出してもよいが、日中の温度より夜間の温度の方が天候などの影響を受けにくいので、地温及び気温を検出する時刻は夜間であることが望ましい。また、これ以外にも、例えば、1時間毎に地温及び気温を測定して、それらのうち最高温度と最低温度との中間値をその日の地温及び気温として検出するようにしてもよい。本ステップにおいては、地温及び気温を検出した回数をカウントする。そして、ステップS130に進む。
ステップS130では、播種時期の決定に必要な回数(例えば、30回)の地温及び気温を検出したか否かを判定し、必要な回数に達していなければステップS140に進み(S130でN)、必要な回数に達していればステップS150に進む(S130でY)。
ステップS140では、地温及び気温の検出回数が必要回数に達することを待っている状態である準備状態の旨の表示(例えば、「準備中」)を行うための制御信号を表示部34に出力する。そして、ステップS120に戻り、再度、地温及び気温の検出を行う。
ステップS150では、現在日における地温の移動平均値Dを算出する。具体的には、所定の測定期間(例えば、現在日から9日前までの10日間)内に検出された地温の移動平均値Dを算出し、RAM23に設けられた地温移動平均値記憶領域に記憶する。この地温移動平均値記憶領域には、所定日数分(例えば、現在日から14日前までの15日分)の地温の移動平均値が記憶されている。
ステップS160では、現在日の季節Eを判定する。具体的には、地温移動平均値記憶領域に記憶された所定日数分の地温の移動平均値が上昇傾向にある(例えば、14日前の地温の移動平均値より現在日の地温の移動平均値の方が大きい)ときは、現在日の季節Eが「春」であると判定し、下降傾向にある(例えば、14日前の地温の移動平均値より現在日の地温の移動平均値の方が小さい)ときは、現在日の季節Eが「秋」であると判定する。なお、このように地温の移動平均値に基づく季節Eの判定以外にも、例えば、カレンダー機能を備えたMPU20を用いて、このカレンダー機能により季節を判定するようにしても良く、本発明の目的に反しない限り、現在日の季節Eの判定方法は任意である。そして、ステップS170に進む。
ステップS170では、現在日の予測地温Fを算出する。具体的には、ステップS150で算出した現在日の地温の移動平均値Dを、進行補正値Gを用いて現在日相当の値に補正して、この補正した値を現在日の予測地温Fとする。即ち、現在日の地温の移動平均値Dは、その算出に用いた地温が検出された上記測定期間内の中間時点付近の値となるので、現在日に対して遅れた値となり、そのため、この移動平均値Dを現在日まで進めるように進行補正値Gで補正することにより現在日の予測地温Fを算出する。本実施形態においては、当該現在日の地温の移動平均値Dから14日前の地温の移動平均値を差し引いた値(即ち、15日分の地温の増減値)を15で割ることにより1日当たりの地温の増減値を算出して、この1日当たりの地温の増減値を7.5倍した値(即ち、15日分の地温の増減値の2分の1の値)を進行補正値Gとして現在日の地温の移動平均値Dに加算することにより現在日の予測地温Fを算出する。なお、現在日の予測地温Fの算出方法は、これに限定されるものではなく、例えば、当該播種場所において別途測定した過去の地温情報などから求めた所定の進行補正値Gを操作部33から入力してメモリ24に予め記憶しておき、この進行補正値Gを用いて地温の移動平均値を補正して現在日の予測地温Fを算出したり、または、精度は若干落ちるものの現在日の地温の移動平均値Dをそのまま現在日の予測地温Fとして用いたりしてもよい。または、所定の測定期間内に検出された地温から回帰式を取得し、この回帰式を用いて予測地温Fを算出してもよい。そして、ステップS180に進む。
ステップS180では、気温の回帰式を取得する。具体的には、所定の測定期間(例えば、現在日から9日前までの10日間)内に検出された気温について最小二乗法を用いて気温回帰式R1(日にちに対する気温を示す一次関数)を取得する。そして、ステップS190に進む。
ステップS190では、播種予定の植物に関する情報をメモリ24から順に読み出す。具体的には、本ステップに処理が移る毎に、ステップS110において植物記憶領域に記憶された植物種別情報Nを1つずつ順に読み出すとともに、この植物種別情報Nに関連づけてメモリ24に記憶された発芽可能温度範囲V(最低発芽地温VL、最高発芽地温VH)、生育可能温度範囲W(耐寒気温WL、耐暑気温WH)、播種可能季節X、及び、発芽所要日数Y、を読み出す。そして、ステップS200に進む。
ステップS200では、ステップS170で算出した現在日の予測地温Fが、ステップS190で読み出した発芽可能温度範囲Vに含まれるか否かを判定する。即ち、現在日の予測地温Fが、最低発芽地温VL以上で且つ最高発芽地温VH以下であれば、現在日の予測地温Fが発芽可能温度範囲Vに含まれるものとして、ステップS210に進み(S200でY)、そうでなければ、現在日の予測地温Fが発芽可能温度範囲Vに含まれないものとして、ステップS250に進む(S200でN)。
ステップS210では、ステップS160で判定した現在日の季節Eが、ステップS190で読み出した播種可能季節Xと一致するか否かを判定する。即ち、現在日の季節Eが、播種可能季節Xと一致すればステップS220に進み(S210でY)、一致しなければステップS250に進む(S210でN)。
ステップS220では、現在日からステップS190で読み出した発芽所要日数Y後の発芽日における予測気温を算出する。具体的には、ステップS180で取得した気温回帰式R1に上記発芽日の日にちを当てはめて求めた予測値を前記発芽日の予測中心気温HCとして算出し、この予測中心気温HCを播種場所における所定の温度変動マージン値Iで補正して前記発芽日の予測最高気温HH、予測最低気温HLを算出して、当該発芽日において予測される予測最高気温HHから予測最低気温HLまでの予測気温範囲Hを上記予測気温として算出する。本実施形態において、温度変動マージン値Iとして、前記気温回帰式R1の取得に用いた気温のそれぞれにおける前記気温回帰式R1からの距離の最大値を用いており、そして、上記予測中心気温HCに温度変動マージン値Iを足して予測最高気温HHを算出し、上記予測中心気温HCから温度変動マージン値Iを減じて予測最低気温HLを算出する。なお、発芽日の予測気温の算出方法は、これに限定されるものではなく、例えば、現在日の予測地温Fと同様に、所定の測定期間(日数)内に検出された気温の移動平均値から求めた1日当たりの気温の増減値及び進行補正値を用いて現在日における気温の予測値を算出し、この予測値に、1日当たりの気温の増減値に発芽所要日数Yを乗じた値を足して予測中心気温HCを算出したり、または、当該播種場所において別途測定した過去の気温情報などから予め求めた温度変動マージン値Iを操作部33から入力してメモリ24に予め記憶しておき、この温度変動マージン値Iを用いて上記予測中心気温HCを補正して発芽日の予測最高気温HH、予測最低気温HLを算出したり、または、予測精度は若干落ちるものの予測気温に変動マージンを設けずに上記予測中心気温HCのみを発芽日の予測気温として用いたりしてもよい。そして、ステップS230に進む。
ステップS230では、ステップS220で算出した発芽日の予測気温が、ステップS190で読み出した生育可能温度範囲Wに含まれるか否かを判定する。即ち、発芽日の予測最低気温HLが耐寒気温WL以上で且つ予測最高気温HHが耐暑気温WH以下であれば、発芽日の予測気温範囲Hが生育可能温度範囲Wに含まれるものとして、ステップS240に進み(S230でY)、そうでなければ、発芽日の予測気温範囲Hが生育可能温度範囲Wに含まれないものとして、ステップS250に進む(S230でN)。
ステップS240では、ステップS190で植物記憶領域から読み出された植物種別情報Nで示される植物について播種を促す旨の表示(例えば、「今日は、○○(植物名)の種まきに適しています」など)を行うための制御信号を表示部34に出力する。そして、ステップS260に進む。
ステップS250では、ステップS190で植物記憶領域から読み出された植物種別情報Nに示される植物について播種を控える旨の表示(例えば、「今日は、○○(植物名)の種まきに適していません」など)を行うための制御信号を表示部34に出力する。そして、ステップS260に進む。
ステップS260では、植物記憶領域に記憶された植物種別情報Nの読み出しが完了したか否か、即ち、全ての植物種別情報Nを読み出したか否かを判定し、全ての植物種別情報Nを読み出していなければ、ステップS190に戻り(S260でN)、全て読み出していればステップS120に戻って再度地温及び気温の検出を行う(S260でY)。以降、上記処理を繰り返し実行する。
上述したステップS170が、請求項中の現在日温度算出手段P11に相当し、ステップS200が、請求項中の発芽可能温度判定手段P12に相当し、ステップS160が、請求項中の季節判定手段P13に相当し、ステップS210が、請求項中の播種可能季節判定手段P14に相当し、ステップS240が、請求項中の通知手段P15に相当し、
ステップS220が、請求項中の発芽日温度算出手段P16に相当し、ステップS230が、請求項中の生育可能温度判定手段P17に相当する。
なお、上述した播種時期決定支援処理1において、現在日の予測地温F、発芽日の予測気温範囲H、及び、現在日の季節Eについて判定を行うことにより播種時期の決定を支援するものであったが、例えば、ステップS180、S220、S230を省略して、現在日の予測地温F及び現在日の季節Eのみについて判定を行うことにより播種時期の表示(通知)を行ってもよい。このようにすることで処理をより簡易にすることができる。
次に、上述した播種時期決定支援装置1における本発明に係る動作(作用)の一例を、図8〜図13を参照して説明する。
まず、装置1が播種場所に設置されてその電源を投入されると、播種予定の植物を選択する画面を表示して選択操作の入力を待つ。そして、当該選択操作(例えば、「トマト」と「レタス」とを選択する操作)が入力されると(S110)、播種場所における地温及び気温の検出を開始し、毎日午前0時に地温及び気温を検出する(S120)。
地温及び気温を測定した回数が、地温の移動平均値Dや気温回帰式R1を求めるための必要数(30回)に達していないときは(S130でN)、表示部34に「準備中」と表示する(S140)。そして、当該回数が必要数に達すると(S130でY)、現在日から9日前までの10日間に検出された地温の移動平均値Dを算出するとともに(S150)、この現在日の移動平均値Dと当該現在日の移動平均値Dから14日前の移動平均値とに基づいて得た進行補正値Gを加えて、現在日の予測地温Fを算出する(S170)。また、地温の移動平均値Dの変動傾向に基づいて、現在日の季節Eを判定する(S160)。また、現在日から9日前までの10日間に検出された気温について気温回帰式R1を取得する(S180)。
そして、選択された植物について1つずつ順番に、現在日が播種に適しているかを判定する。即ち、現在日の予測地温Fが当該植物の発芽可能温度範囲Vに含まれるとともに(S170、S200でY)、この現在日から当該植物の発芽所要日数Y後の発芽日の予測気温範囲Hが当該植物の生育可能温度範囲Wに含まれ(S220、S230でY)、且つ、現在日の季節Eが、当該植物の播種可能季節Xと一致すれば(S160、S210でY)、表示部34に、当該植物の播種を促す旨のメッセージ「今日は、○○(植物名)の種まきに適しています」を表示する(S240)。また、そうでなければ、表示部34に、当該植物の播種を控える旨のメッセージ「今日は、○○(植物名)の種まきに適していません」を表示する(S250)。そして、選択された植物の全てについて上述した判定(表示)を行う(S260)。
図8〜図10に、冬から春そして夏に向かう時期における「トマト」についての上記動作の一例を示す。図8に示すように、現在日の予測地温Fが最低発芽地温VLより低いとともに、現在日からトマトにおける発芽所要日数Y後の発芽日の予測最低気温HLが耐寒気温WLより低いので、播種を控える旨のメッセージ「今日は、トマトの種まきに適していません」を表示する。そして、図9に示すように日にちが進むと、現在日の予測地温Fが最低発芽地温VL以上になるが、発芽日の予測最低気温HLが耐寒気温WLより低いので、この時点でも、上記播種を控える旨のメッセージを表示する。そして、図10に示すようにさらに日にちが進むと、現在日の予測地温Fが最低発芽地温VL以上になるとともに、発芽日の予測最低気温HLが耐寒気温WL以上になり、且つ、地温の移動平均値Dも上昇傾向で現在日の季節Eが「トマト」の播種に適した「春」であるので、播種を促す旨のメッセージ「今日は、トマトの種まきに適しています」を表示する。
また、図11〜図13に、夏から秋そして冬に向かう時期における「レタス」についての上記動作の一例を示す。図11に示すように、現在日の予測地温Fが最高発芽地温VHより高いとともに、現在日からレタスにおける発芽所要日数Y後の発芽日の予測最高気温HHが耐暑気温WHより高いので、播種を控える旨のメッセージ「今日は、レタスの種まきに適していません」を表示する。そして、図12に示すように日にちが進むと、現在日の予測地温Fが最高発芽地温VH以下になるが、発芽日の予測最高気温HHが耐暑気温WHより高いので、この時点でも、上記播種を控える旨のメッセージを表示する。そして、図13に示すようにさらに日にちが進むと、現在日の予測地温Fが最高発芽地温VH以下になるとともに、発芽日の予測最高気温HHが耐暑気温WH以下になり、且つ、現在日の季節Eが「レタス」の播種に適した「秋」であるので、播種を促す旨のメッセージ「今日は、レタスの種まきに適しています」を表示する。
以上より、本実施形態によれば、植物の播種場所の地温及び気温を測定して、この地温に基づいて、現在日における予測地温Fを算出する。そして、現在日の予測地温Fが所定の発芽可能温度範囲Vに含まれており、さらに、現在日の季節Eが所定の播種可能季節Xと一致したとき、植物の播種を促す旨の通知を行う。つまり、植物を栽培しようとする播種場所において実際に測定された地温に基づいて当日である現在日の予測地温Fを算出し、この現在日の予測地温Fと当該現在日の季節Eとが播種に適しているか判定して、適していれば播種を促すので、当該播種場所のその年の気候に合った精度の高い播種時期を示すことができる。
また、播種場所において所定の測定期間内に測定された複数の地温の移動平均値Dを、当該播種場所における進行補正値Gで補正して現在日の予測地温Fとして算出するので、移動平均値Dを算出したときその値は測定期間内の中間時点付近の値となり、即ち、現在日に対して遅れた値となり、そのため、この移動平均値Dを現在日まで進めるように進行補正値Gで補正することにより現在日の予測地温Fを算出する。これにより、現在日の予測地温Fの精度を高めることができ、そのため、より精度の高い播種時期を示すことができる。
また、播種場所においてに測定された気温に基づいて、現在日から所定の発芽所要日数Y後の発芽日における予測気温範囲Hを算出する。そして、現在日の予測地温Fが所定の発芽可能温度範囲Vに含まれているとともに発芽日の予測気温範囲Hが所定の生育可能温度範囲Wに含まれており、さらに、現在日の季節Eが所定の播種可能季節Xと一致したとき、植物の播種を促す旨の通知を行う。つまり、植物を栽培しようとする播種場所において実際に測定された地温及び気温に基づいて当日である現在日の予測地温Fと当該現在日に播種した場合に発芽が予想される発芽日の予測気温範囲Hとを算出し、この現在日の予測地温Fと発芽日の予測気温範囲Hと該現在日の季節Eとが播種に適しているか判定して、適していれば播種を促す。これにより、播種した時点における発芽可能性についての判定のみならず、播種後に発芽した時点における生育可能性についても判定できるので、より精度の高い播種時期を示すことができる。
また、播種場所において所定の測定期間内に測定された気温から得られた気温回帰式R1を用いて求めた発芽日における予測中心気温HCを、当該播種場所における所定の温度変動マージン値Iで補正した値を発芽日の予測最高気温HH、予測最低気温HLとして予測気温範囲Hを算出するので、予測気温範囲Hを過去に実測した気温の延長線上にあるものとして算出することができるとともに、発芽した後に生じる恐れのある著しい温度変動による生育不良を回避でき、そのため、より精度の高い播種時期を示すことができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の播種時期決定支援装置の第2の実施形態を、図14〜図21を参照して説明する。第2の実施形態として示す播種時期決定支援装置2(以下、装置2ともいう)は、図3、図4に示す上述した第1の実施形態と同一のハードウェア構成であり、プログラムによる処理のみが異なので、以下の説明では、主に第1の実施形態と異なる箇所について説明する。
第2の実施形態において、装置2のROM22は、CPU21を、将来日温度算出手段P21、発芽可能温度判定手段P22、季節判定手段P23、播種可能季節判定手段P24、通知手段P25、発芽日温度算出手段P26、生育可能温度判定手段P27、などの各種手段として機能させるための制御プログラムを記憶している。そして、CPU21は、そのプログラムを実行することで、これら各種手段として機能する。
次に、上述したCPU21が実行する本発明に係る処理(播種時期決定支援処理2)の一例を、図14、図15に示すフローチャートを参照して以下に説明する。
播種時期決定支援装置2に電源が投入されると、CPU21は、所定の初期化処理を実行したのち、図14のフローチャートに示すステップT110に進む。
ステップT110〜T140までは、上述した第1の実施形態における播種時期決定支援処理1のステップS110〜S140までと同一処理であるので、説明は省略する。
ステップT150では、地温の回帰式を取得する。具体的には、所定の測定期間(例えば、現在日から9日前までの10日間)内に検出された地温について最小二乗法を用いて地温回帰式R2(日にちに対する地温を示す一次関数)を取得する。そして、ステップT180に進む。
ステップT180では、気温の回帰式を取得する。具体的には、所定の測定期間(例えば、現在日から9日前までの10日間)内に検出された気温について最小二乗法を用いて気温回帰式R1(日にちに対する気温を示す一次関数)を取得する。そして、ステップT190に進む。
ステップT190では、播種予定の植物に関する情報をメモリ24から順に読み出す。具体的には、本ステップに処理が移る毎に、ステップT110において植物記憶領域に記憶された植物種別情報Nを1つずつ順に読み出すとともに、この植物種別情報Nに関連づけてメモリ24に記憶された発芽可能温度範囲V(最低発芽地温VL、最高発芽地温VH)、生育可能温度範囲W(耐寒気温WL、耐暑気温WH)、播種可能季節X、及び、発芽所要日数Y、を読み出す。そして、ステップT195に進む。
ステップT195では、ステップT150で取得した地温回帰式R2を用いて現在日又は現在日から所定の日数(例えば、30日)後までの将来日における予測地温Fを1日ずつ順番に算出する。具体的には、最初に本ステップに処理が移ったとき、地温回帰式R2に現在日の日にちを当てはめて現在日の予測地温Fを算出し、次回以降、本ステップに処理が移る毎に地温回帰式R2に当てはめる日にちを1日ずつ進めて将来日の予測地温Fを算出する。そして、ステップT200に進む。なお、上述した第1の実施形態と同様にして、地温の移動平均値を用いて予測地温Fを算出するようにしてもよい。
ステップT200では、ステップT195で算出した現在日又は将来日の予測地温Fが、ステップT190で読み出した発芽可能温度範囲Vに含まれるか否かを判定する。即ち、上記予測地温Fが、最低発芽地温VL以上で且つ最高発芽地温VH以下であれば、当該予測地温Fが発芽可能温度範囲Vに含まれるものとして、ステップT205に進み(T200でY)、そうでなければ、上記予測地温Fが発芽可能温度範囲Vに含まれないものとして、ステップT250に進む(T200でN)。
ステップT205では、現在日又は将来日の季節Eを判定する。具体的には、ステップT150で取得した地温回帰式R2の傾きを判定し、当該傾きが正であれば地温が上昇傾向にあるものとして、現在日又は将来日の季節Eが「春」であると判定し、当該傾きが負であれば地温が下降傾向にあるものとして、現在日又は将来日の季節Eが「秋」であると判定する。なお、このように地温回帰式R2の傾きに基づく季節Eの判定以外にも、例えば、カレンダー機能を備えたMPU20を用いて、このカレンダー機能により季節を判定するようにしても良く、本発明の目的に反しない限り、現在日又は将来日の季節Eの判定方法は任意である。そして、ステップT210に進む。
ステップT210では、ステップT205で判定した現在日又は将来日の季節Eが、ステップT190で読み出した播種可能季節Xと一致するか否かを判定する。即ち、現在日又は将来日の季節Eが、播種可能季節Xと一致すればステップT220に進み(T210でY)、一致しなければステップT250に進む(T210でN)。
ステップT220では、ステップT195で予測地温Fを算出した現在日又は将来日からステップT190で読み出した発芽所要日数Y後の発芽日における予測気温を算出する。具体的には、ステップT180で取得した気温回帰式R1に上記発芽日の日にちを当てはめて求めた予測値を前記発芽日の予測中心気温HCとして算出し、この予測中心気温HCを播種場所における所定の温度変動マージン値Iで補正して前記発芽日の予測最高気温HH、予測最低気温HLを算出して、当該発芽日において予測される予測最高気温HHから予測最低気温HLまでの予測気温範囲Hを上記予測気温として算出する。本実施形態において、温度変動マージン値Iとして、前記気温回帰式R1の取得に用いた気温のそれぞれにおける前記気温回帰式R1からの距離の最大値を用いており、そして、上記予測中心気温HCに温度変動マージン値Iを足して予測最高気温HHを算出し、上記予測中心気温HCから温度変動マージン値Iを減じて予測最低気温HLを算出する。なお、発芽日の予測気温の算出方法は、これに限定されるものではなく、例えば、上述した第1の実施形態の予測地温Fと同様にして、気温の移動平均値を用いて予測中心気温HC、予測最高気温HH及び予測最低気温HLを算出したり、または、当該播種場所において別途測定した過去の気温情報などから予め求めた温度変動マージン値Iを操作部33から入力してメモリ24に予め記憶しておき、この温度変動マージン値Iを用いて上記予測中心気温HCを補正して発芽日の予測最高気温HH、予測最低気温HLを算出したり、または、予測精度は若干落ちるものの予測気温に変動マージンを設けずに上記予測中心気温HCのみを発芽日の予測気温として用いたりしてもよい。そして、ステップT230に進む。
ステップT230では、ステップT220で算出した発芽日の予測気温が、ステップT190で読み出した生育可能温度範囲Wに含まれるか否かを判定する。即ち、発芽日の予測最低気温HLが耐寒気温WL以上で且つ予測最高気温HHが耐暑気温WH以下であれば、発芽日の予測気温範囲Hが生育可能温度範囲Wに含まれるものとして、ステップT240に進み(T230でY)、そうでなければ、発芽日の予測気温範囲Hが生育可能温度範囲Wに含まれないものとして、ステップT250に進む(T230でN)。
ステップT240では、ステップT190で植物記憶領域から読み出された植物種別情報Nで示される植物について上記判定を行った現在日又は将来日での播種を促す旨の表示(例えば、現在日のときは「今日は、○○(植物名)の種まきに適しています」、将来日のときは「□□日後が、○○(植物名)の種まきに適しています」など)を行うための制御信号を表示部34に出力する。そして、ステップT260に進む。
ステップT250では、現在日から所定日数後まで予測地温Fが算出されたか否かを判定して、所定日数後まで予測地温Fが算出されていれば、当該所定日数内の日にちにおいて播種に適した日は無かったものとしてステップT255に進み(T250でY)、所定日数後まで予測地温Fが算出されていなければ、ステップT195に戻る(T250でN)。
ステップT255では、ステップT190で植物記憶領域から読み出された植物種別情報Nに示される植物について播種を控える旨の表示(例えば、「しばらくは、○○(植物名)の種まきに適しません」など)を行うための制御信号を表示部34に出力する。そして、ステップT260に進む。
ステップT260では、植物記憶領域に記憶された植物種別情報Nの読み出しが完了したか否か、即ち、全ての植物種別情報Nを読み出したか否かを判定し、全ての植物種別情報Nを読み出していなければ、ステップT190に戻り(T260でN)、全て読み出していればステップT120に戻って再度地温及び気温の検出を行う(T260でY)。以降、上記処理を繰り返し実行する。
上述したステップT195が、請求項中の将来日温度算出手段P21に相当し、ステップT200が、請求項中の発芽可能温度判定手段P22に相当し、ステップT205が、請求項中の季節判定手段P23に相当し、ステップT210が、請求項中の播種可能季節判定手段P24に相当し、ステップT240が、請求項中の通知手段P25に相当し、ステップT220が、請求項中の発芽日温度算出手段P26に相当し、ステップT230が、請求項中の生育可能温度判定手段P27に相当する。
なお、上述した播種時期決定支援処理2において、現在日又は将来日の予測地温F、発芽日の予測気温範囲H、及び、現在日又は将来日の季節Eについて判定を行うことにより播種時期の決定を支援するものであったが、例えば、ステップT180、T220、T230を省略して、現在日又は将来日の予測地温F、及び、現在日又は将来日の季節Eのみについて判定を行うことにより播種時期の表示(通知)をおこなってもよい。このようにすることで処理をより簡易にすることができる。
次に、上述した播種時期決定支援装置2における本発明に係る動作(作用)の一例を、図16〜図21を参照して説明する。
まず、装置2が播種場所に設置されてその電源を投入されると、播種予定の植物を選択する画面を表示して選択操作の入力を待つ。そして、当該選択操作(例えば、「トマト」と「レタス」とを選択する操作)が入力されると(T110)、播種場所における地温及び気温の検出を開始し、毎日午前0時に地温及び気温を検出する(T120)。
地温及び気温を測定した回数が、地温の移動平均値Dや気温回帰式R1を求めるための必要数(30回)に達していないときは(T130でN)、表示部34に「準備中」と表示する(T140)。そして、当該回数が必要数に達すると(T130でY)、現在日から9日前までの10日間に検出された地温について地温回帰式R2を取得する(T150)。また、現在日から9日前までの10日間に検出された気温について気温回帰式R1を取得する(T180)。
そして、選択された植物について1つずつ順番に、現在日又は将来日が播種に適しているか判定する。即ち、現在日から将来に向かって日にちを1日ずつ順番に進めて(T250)、上記日にちの予測地温Fが当該植物の発芽可能温度範囲Vに含まれるとともに(T195、T200でY)、上記日にちから当該植物の発芽所要日数Y後の発芽日の予測気温範囲Hが当該植物の生育可能温度範囲Wに含まれ(T220、T230でY)、且つ、上記日にちの季節Eが、当該植物の播種可能季節Xと一致すれば(T205、T210でY)、表示部34に、上記日にちにおいて当該植物の播種を促す旨のメッセージ、例えば、現在日のときは「今日は、○○(植物名)の種まきに適しています」、将来日のときは「□□日後が、○○(植物名)の種まきに適しています」を表示する(T240)。また、現在日から所定日数内で上記のようにならなければ、表示部34に、当該植物の播種を控える旨のメッセージ「しばらくは、○○(植物名)の種まきに適しません」を表示する(T255)。そして、上述した判定(表示)を最初に選択された植物について全て行う(T260)。このように現在日から将来に向かって日にちを1日ずつ順番に進めて上記判定をおこなうことで、播種に適した現在日、又は、播種に適した将来日のうち現在日に最も近い将来日を得ることができる。
図16〜図18に、冬から春そして夏に向かう時期における「トマト」についての上記動作の一例を示す。図16に示すように、現在日の予測地温Fが最低発芽地温VLより低いとともに、現在日からトマトにおける発芽所要日数Y後の発芽日の予測最低気温HLが耐寒気温WLより低いので、予測地温Fを算出する日にちを将来に向けて1日ずつ順に進める。そして、図17に示すように、現在日より後の将来日(例えば、現在日より4日後)まで日にちを進めると、当該将来日の予測地温Fが最低発芽地温VL以上になるが、当該将来日からトマトにおける発芽所要日数Y後の発芽日の予測最低気温HLが耐寒気温WLより低いので、さらに、予測地温Fを算出する日にちを将来に向けて進める。そして、図18に示すように、上記将来日よりさらに後の他の将来日(例えば、現在日より9日後)まで日にちを進めると、当該他の将来日の予測地温Fが最低発芽地温VL以上になるとともに、当該他の将来日からトマトにおける発芽所要日数Y後の発芽日の予測最低気温HLが耐寒気温WL以上になり、且つ、地温回帰式R2から得られる予測地温Fも上昇傾向で当該他の将来日の季節Eが「トマト」の播種に適した「春」になるので、当該他の将来日での播種を促す旨のメッセージ「9日後が、トマトの種まきに適しています」を表示する。
また、図19〜図21に、夏から秋そして冬に向かう時期における「レタス」についての上記動作の一例を示す。図19に示すように、現在日の予測地温Fが最高発芽地温VHより高いとともに、現在日からレタスにおける発芽所要日数Y後の発芽日の予測最高気温HHが耐暑気温WHより高いので、予測地温Fを算出する日にちを将来に向けて1日ずつ順に進める。そして、図20に示すように、現在日より後の将来日(例えば、現在日より7日後)まで日にちを進めると、当該将来日の予測地温Fが最高発芽地温VH以下になるが、当該将来日からレタスにおける発芽所要日数Y後の発芽日の予測最高気温HHが耐暑気温WHより高いので、さらに、予測地温Fを算出する日にちを将来に向けて進める。そして、図21に示すように、上記将来日よりさらに後の他の将来日(例えば、現在日より9日後)まで日にちを進めると、当該他の将来日の予測地温Fが最高発芽地温VH以下になるとともに、当該他の将来日からレタスにおける発芽所要日数Y後の発芽日の予測最高気温HHが耐暑気温WH以下になり、且つ、地温回帰式R2から得られる予測地温Fも下降傾向で当該他の将来日の季節Eが「レタス」の播種に適した「秋」になるので、播種を促す旨のメッセージ「9日後が、レタスの種まきに適しています」を表示する。
以上より、本実施形態によれば、植物の播種場所の地温及び気温を測定して、この地温に基づいて、現在日又は当該現在日より後の将来日における予測地温Fを算出する。そして、現在日又は将来日の予測地温Fが所定の発芽可能温度範囲Vに含まれており、さらに、現在日又は将来日の季節Eが所定の播種可能季節Xと一致したとき、このような現在日、又は、この現在日が上記に当てはまらなければこのような将来日のうちで現在日に最も近い将来日、での植物の播種を促す旨の通知を行う。つまり、植物を栽培しようとする播種場所において実際に測定された地温に基づいて現在日又は将来日の予測地温Fを算出し、この現在日又は将来日の予測地温Fと当該現在日又は将来日の季節Eとが播種に適しているかを判定して、適していると判定された現在日、又は、この現在日が適していなければ適していると判定された将来日のうち現在日に最も近い将来日、での播種を促すので、播種時期として現在日、又は、現在日より後の将来日を示すことができるとともに、当該播種場所のその年の気候に合った精度の高い播種時期を示すことができる。
また、播種場所において所定の測定期間内に測定された地温から求めた地温回帰式R2を用いて現在日又は将来日の予測地温Fを算出するので、予測地温Fを過去に実測した地温の延長線上にあるものとして算出することができ、そのため、より精度の高い播種時期を示すことができる。
また、播種場所において測定された気温に基づいて、現在日又は将来日から所定の発芽所要日数Y後の発芽日における予測気温範囲Hを算出する。そして、現在日又は将来日の予測地温Fが所定の発芽可能温度範囲Vに含まれているとともに発芽日の予測気温範囲Hが所定の生育可能温度範囲Wに含まれており、さらに、現在日又は将来日の季節Eが所定の播種可能季節Xと一致したとき、このような現在日、又は、この現在日が当てはまらなければこのような将来日のうちで現在日に最も近い将来日、での植物の播種を促す旨の通知を行う。つまり、植物を栽培しようとする播種場所において実際に測定された地温及び気温に基づいて、現在日又は将来日の予測地温Fと、これら現在日又は将来日に対する発芽日の予測気温範囲Hとを算出し、現在日又は将来日の予測地温Fと発芽日の予測気温範囲Hと現在日又は将来日の季節Eとが播種に適しているか判定して、適していると判定された現在日、又は、この現在日が適していなければ適していると判定された将来日のうち現在日に最も近い将来日、での播種を促すので、播種した時点における発芽可能性についての判定のみならず、播種後に発芽した時点における生育可能性についても判定し、そのため、より精度の高い播種時期を示すことができる。
また、播種場所において所定の測定期間内に測定された気温から得られた気温回帰式R1を用いて求めた発芽日における予測中心気温HCを、当該播種場所における所定の温度変動マージン値Iで補正した値を発芽日の予測最高気温HH、予測最低気温HLとして予測気温範囲Hを算出するので、予測気温範囲Hを過去に実測した気温の延長線上にあるものとして算出することができるとともに、発芽した後に生じる恐れのある著しい温度変動による生育不良を回避でき、そのため、より精度の高い播種時期を示すことができる。
上述した各実施形態においては、現在日又は将来日の予測地温Fを実測した地温に基づいて算出し、発芽日の予測気温範囲Hを実測した気温に基づいて算出するものであったが、これに限定されるものではない。播種場所における気温と地温とは、互いに関連性を有しているので、地温と気温とのどちらか一方のみを用いて現在日、将来日、発芽日の予測温度(予測地温又は予測気温)を算出するようにしてもよい。
さらに、播種時期を通知した植物について、引き続き、気温や地温を考慮して当該植物の成長を予測して、開花時期や収穫時期を案内するように構成しても良い。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1、2 播種時期決定支援装置
10 本体ケース
11 杭部
20 マイクロコンピュータ(MPU)
21 CPU(現在日温度算出手段、発芽可能温度判定手段、季節判定手段、播種可能季節判定手段、通知手段、発芽日温度算出手段、生育可能温度判定手段、将来日温度算出手段、発芽可能温度判定手段、季節判定手段、播種可能季節判定手段、通知手段、発芽日温度算出手段、生育可能温度判定手段)
24 メモリ
31 気温測定センサ(温度測定手段)
32 地温測定センサ(温度測定手段)
33 操作部
34 表示部
D 移動平均値
E 季節
F 予測地温
G 進行補正値
H 予測気温範囲(予測気温)
HC 予測中心気温
HH 予測最高気温
HL 予測最低気温
I 温度変動マージン値
R1 気温回帰式
R2 地温回帰式
J1 植物栽培情報
N 植物種別情報
V 発芽可能温度範囲
VL 最低発芽地温
VH 最高発芽地温
W 生育可能温度範囲
WL 耐寒気温
WH 耐暑気温
X 播種可能季節
Y 発芽所要日数

Claims (8)

  1. 植物の播種時期の決定を支援する播種時期決定支援装置であって、
    前記植物の播種場所の地温又は気温のうち少なくとも一方の実測温度を測定する温度測定手段と、
    前記温度測定手段によって測定された前記実測温度に基づいて、現在日における前記地温又は前記気温のうち少なくとも一方の予測温度を算出する現在日温度算出手段と、
    前記現在日温度算出手段によって算出された前記現在日の予測温度が前記植物について予め定められた発芽可能温度範囲に含まれるか否かを判定する発芽可能温度判定手段と、
    前記現在日の季節を判定する季節判定手段と、
    前記季節判定手段によって判定された前記現在日の季節が前記植物について予め定められた播種可能季節と一致するか否かを判定する播種可能季節判定手段と、
    前記発芽可能温度判定手段によって前記現在日の予測温度が前記発芽可能温度範囲に含まれると判定され、且つ、前記播種可能季節判定手段によって前記現在日の季節が前記播種可能季節と一致すると判定されたとき、前記植物について播種を促す旨の通知を行う通知手段と、を有している
    ことを特徴とする播種時期決定支援装置。
  2. 前記現在日温度算出手段が、前記温度測定手段によって所定の測定期間内に測定された前記実測温度の移動平均値を、前記播種場所における進行補正値で補正した値を前記現在日の予測温度として算出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の播種時期決定支援装置。
  3. 前記温度測定手段によって測定された前記実測温度に基づいて、前記現在日から前記植物について予め定められた発芽所要日数後の発芽日における前記地温又は前記気温のうち少なくとも一方の予測温度を算出する発芽日温度算出手段と、
    前記発芽日温度算出手段によって算出された前記発芽日の予測温度が前記植物について予め定められた生育可能温度範囲に含まれるか否かを判定する生育可能温度判定手段と、をさらに有し、
    前記通知手段が、
    前記発芽可能温度判定手段によって前記現在日の予測温度が前記発芽可能温度範囲に含まれると判定されるとともに前記生育可能温度判定手段によって前記発芽日の予測温度が前記生育可能温度範囲に含まれると判定され、且つ、前記播種可能季節判定手段によって前記現在日の季節が前記播種可能季節と一致すると判定されたとき、前記植物について播種を促す旨の通知を行うように構成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の播種時期決定支援装置。
  4. 前記発芽日温度算出手段が、前記温度測定手段によって所定の測定期間内に測定された前記実測温度から得られた温度回帰式を用いて求めた前記発芽日における予測値を、前記播種場所における所定の温度変動マージン値で補正した値を前記発芽日の予測温度として算出するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の播種時期決定支援装置。
  5. 植物の播種時期の決定を支援する播種時期決定支援装置であって、
    前記植物の播種場所の地温又は気温のうち少なくとも一方の実測温度を測定する温度測定手段と、
    前記温度測定手段によって測定された前記実測温度に基づいて、現在日より後の将来日における前記地温又は前記気温のうち少なくとも一方の予測温度を算出する将来日温度算出手段と、
    前記将来日温度算出手段によって算出された前記将来日の予測温度が前記植物について予め定められた発芽可能温度範囲に含まれるか否かを判定する発芽可能温度判定手段と、
    前記将来日の季節を判定する季節判定手段と、
    前記季節判定手段によって判定された前記将来日の季節が前記植物について予め定められた播種可能季節と一致するか否かを判定する播種可能季節判定手段と、
    前記発芽可能温度判定手段によって前記将来日の予測温度が前記発芽可能温度範囲に含まれると判定され、且つ、前記播種可能季節判定手段によって前記将来日の季節が前記播種可能季節と一致すると判定された、前記将来日のうち、前記現在日に最も近い前記将来日での前記植物の播種を促す旨の通知を行う通知手段と、を有している
    ことを特徴とする播種時期決定支援装置。
  6. 前記将来日温度算出手段が、前記温度測定手段によって所定の測定期間内に測定された前記実測温度から求めた温度回帰式を用いて前記将来日の予測温度を算出するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の播種時期決定支援装置。
  7. 前記温度測定手段によって測定された前記実測温度に基づいて、前記将来日から前記植物について予め定められた発芽所要日数後の発芽日における前記地温又は前記気温のうち少なくとも一方の予測温度を算出する発芽日温度算出手段と、
    前記発芽日温度算出手段によって算出された前記発芽日の予測温度が前記植物について予め定められた生育可能温度範囲に含まれるか否かを判定する生育可能温度判定手段と、をさらに有し、
    前記通知手段が、
    前記発芽可能温度判定手段によって前記将来日の予測温度が前記発芽可能温度範囲に含まれると判定されるとともに前記生育可能温度判定手段によって当該将来日に対応する前記発芽日の予測温度が前記生育可能温度範囲に含まれると判定され、且つ、前記播種可能季節判定手段によって前記将来日の季節が前記播種可能季節と一致すると判定された、前記将来日のうち、前記現在日に最も近い前記将来日での前記植物の播種を促す旨の通知を行うように構成されている
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の播種時期決定支援装置。
  8. 前記発芽日温度算出手段が、前記温度測定手段によって所定の測定期間内に測定された前記実測温度から得られた温度回帰式を用いて求めた前記発芽日における予測値を、前記播種場所における所定の温度変動マージン値で補正した値を前記発芽日の予測温度として算出するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の播種時期決定支援装置。
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