JP6611742B2 - 液体吐出装置、液体吐出状態の検出装置および検出方法 - Google Patents

液体吐出装置、液体吐出状態の検出装置および検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、インク等の液体を吐出可能な液体吐出装置、および液体の吐出状態を検出するための検出装置および検出方法に関するものである。
特許文献1には、液体吐出ヘッドにおける複数の吐出口からの液体の吐出状態を検出するために、複数の吐出口が配列される吐出口列に沿って、光学的なセンサを移動させる装置が記載されている。複数の吐出口はセンサの移動位置に応じて液体を吐出し、センサにおける発光部と受光部との間の光路を遮る液体が吐出口から吐出されたか否かによって、それぞれの吐出における液体の吐出状態が検出される。
特開2006−192789号公報
しかしながら、センサの移動時には振動が発生し、その振動が大きい場合には、センサの検出精度の低下を招くおそれがある。センサに対して液体吐出ヘッドを移動させる場合も同様であり、液体吐出ヘッドの移動時に振動によってセンサの検出精度が低下するおそれがある。
本発明の目的は、液体の吐出状態を検出するための吐出ヘッドとセンサとの相対移動時の振動の発生を抑えて、センサの検出精度を高めることができる液体吐出装置、液体吐出状態の検出装置および検出方法を提供することにある。
本発明の液体吐出装置は、液体を吐出する複数の吐出口を有する吐出ヘッドと、前記複数の吐出口からの液体の吐出状態を検出するためのセンサと、を備える液体吐出装置であって、前記吐出ヘッドと前記センサとを相対的に移動させる移動手段と、前記移動手段の規定速度を設定する設定手段と、前記複数の吐出口から液体を吐出するように制御する制御手段と、前記制御手段が液体を吐出するように制御した状態で、前記設定手段により設定された前記規定速度で前記移動手段による移動を行い、当該移動における前記センサによる検出結果に基づいて前記複数の吐出口における吐出不良の有無を判定する判定手段と、を備え、前記制御手段が液体を吐出しないように制御した状態で、前記移動手段が第1の速度で移動を行い、当該移動における前記センサによる検出結果に基づいて前記設定手段が前記規定速度を設定することを特徴とする。
本発明によれば、液体を吐出しない状態の吐出ヘッドと、センサと、を相対移動させたときのセンサの検出信号に基づいて、液体の吐出状態を検出するための吐出ヘッドとセンサとの相対移動の規定速度を設定する。これにより、液体の吐出状態を検出するための吐出ヘッドとセンサとの相対移動の速度として、振動が発生しずらい規定速度を設定して、センサの検出精度を高めることができる。
液体吐出装置としての記録装置の概略斜視図である。 図1の記録ヘッドにおけるノズルの構成例の説明図である。 図1におけるセンサ部分の拡大図である。 図1におけるセンサと記録ヘッドとの位置関係の説明図である。 図1における記録装置の制御系のブロック図である。 センサに生じる振動の影響の説明図である。 本発明における移動速度の設定処理を説明するためのフローチャートである。 センサの移動速度とセンサ出力との関係の説明図である。 センサ出力と閾値との関係の説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態は、液体のインクを吐出可能なインクジェット記録ヘッドを用いて画像を記録するインクジェット記録装置に対して、本発明を適用した場合の例である。
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置(液体吐出装置)の概略斜視図であり、本例の記録装置は、長尺なインクジェット記録ヘッド(吐出ヘッド)101を用いて、用紙(記録媒体)104に画像を記録するフルラインタイプの記録装置である。同図においては、記録ヘッド101を簡略化して直方体の形状として表しており、直方体の下面に、後述する複数のノズルが長手方向に配列されている。搬送ローラ102,103は、用紙104を矢印Y方向(搬送方向)に搬送する。用紙104の搬送に同期して画像を記録するために、搬送ローラ102,103の回転量を検出するロータリーエンコーダなどのセンサ、あるいは用紙104の搬送量を直接検出するセンサなどを使用する。記録ヘッド101を駆動するための基準信号として、それらのセンサの検出信号を用いることにより、用紙104の搬送に同期して画像を記録する。
フレーム106は、記録ヘッド101におけるインクの吐出状態(液体吐出状態)を検出するためのセンサ107を支持する。フレーム106は、上方に向かって開くコ字状の構成されており、左右の壁部106A,106Bの間に、ガイド108、エンコーダのコードストリップ109、および搬送用ベルト110が配備される。センサ107は、矢印X方向に往復移動可能にガイド108に支持されており、その移動量は、センサ107と共に移動するエンコーダセンサがコードストリップ109を読み取ることによって検出される。センサ107は、壁部106A,106Bの間に掛け渡された搬送用ベルト110に連結されており、その搬送用ベルト110によって矢印X方向に往復移動される。搬送用ベルト110は、モータなどによって駆動される。センサ107の詳細については後述する。センサ107の移動位置に合わせて記録ヘッド101のノズルを駆動することにより、センサ107の移動位置に対応するノズルからのインクの吐出状態が検出され。また、センサ107によってインクの吐出状態を検出する直前に、ノズルからのインクの吐出状態を良好に維持するために、画像の記録に寄与しないインクをノズルから吐出(予備吐出)することもある。インクの吐出状態の検出時における記録ヘッド駆動用の基準信号は、画像記録時における記録ヘッド駆動用の基準信号とは異なる。インクの吐出状態の検出時における記録ヘッド駆動用の基準信号は、コードストリップ109から検出されるエンコーダ信号に切り替えられる。
図2は、記録ヘッド101におけるノズル201の説明図であり、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックのインクを吐出するためのノズル列202,203,204,および205が形成されている。それらのノズル列は、センサ107の移動方向(矢印X方向)に延在するように形成されている。インク色に対応するノズル列202,203,204,205の並びの順序は特定されず、通常は、インクの特性に応じて決定される。用紙104は、ノズルの配列方向と交差(本例の場合は、直交)する矢印Y方向に搬送され、その用紙104に対して、各ノズルからインクが吐出することによって画像が記録される。ノズルは、電気熱変換素子(ヒータ)やピエゾ素子などの吐出エネルギー発生素子を用いて、吐出口からインクを吐出するように構成されている。電気熱変換素子を用いた場合には、その発熱によってインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用して吐出口からインクを吐出させる。複数の吐出口は、吐出口列を1つあるいは複数形成する。
X軸方向に長尺な記録ヘッド(フルマルチヘッド)101は、通常、複数のヘッドチップTを並べることによって構成される。図2の場合には、6つのノズルチップTを並べることによって長尺な記録ヘッド101が構成される。
次に、ノズルからのインクの吐出状態の検出結果として、インクの不吐出が検出された場合における記録画像の補完方法について説明する。
例えば、ブラックインク用のノズル列205におけるノズル208がインクを吐出不能な不吐出ノズルであった場合、そのノズル208の位置に対応する黒画像の部分に、白スジなどの画像弊害が発生する。このようなインクの不吐出に対処する方法としては、例えば、不吐出ノズル208の代わりに、それに隣接するノズル209,207からブラックインクを吐出させる方法がある。隣接するノズル間のピッチが短く、かつ使用するブラックインクが比較的滲み易い場合には、不吐出ノズル208の影響による画像弊害を目立ちにくくすることができる。また、他の方法としては、Y軸方向において不吐出ノズル208と隣接するノズル210、211、212からシアン、マゼンタ、イエローのインクを吐出させて、それらのインクによって黒色を合成する方法も考えられる。さらに、予め余分なノズルを用意しておいて、そのノズルによって不吐出ノズルに対応することも可能である。しかし、このような余分のノズルを用いる方法は、記録ヘッドのコストアップの要因になるため、コストと画像の信頼性とのバランスを考慮する必要がある。
図3は、センサ107の構成例を説明するための図である。図3は、センサ107を図1中のX軸方向から見た図である。本例のセンサ107は光学式のセンサであり、筐体として凹型のホルダ301を備え、そのホルダ301において対向する壁部301A,301Bに、発光部310と受光部311が配備されている。ホルダ301は、記録ヘッド101の下方に位置する。ノズル303、304、305、306は、それぞれ図2中のノズル列202、203、204、205内に存在しており、例えば、図2中のノズル210、211、212、208に相当する。発光部310からの光は受光部311によって検知され、その光の光軸309がインク滴307によって遮られるか否かによって、インク滴307の有無、すなわちインクの吐出不良の有無が検出される。
インクの不吐出は、ノズルの1回の駆動によって吐出されるインク滴の有無に基づいて検出することができる。また、ノズルの複数回の駆動により複数のインク滴を吐出させることによって、センタ出力のS/N比を高めることもできる。但し、センサ107はノズル列に沿って矢印X方向に移動するため、センサ107と共に移動する光軸309を遮ることができるインク滴307の吐出タイミングは、一定の期間に限定される。センサ107を高速に移動させながらインクの不吐出を検出する場合には、このような期間がさらに短くなり、インクの不吐出を検出するために1ノズル当たりの吐出可能なインク滴の吐出数は、さらに制限されることになる。そのため、センサ107の1回の移動を伴ってインクの不吐出を検出可能なノズル列の数を制限することが考えられる。例えば、ノズル303,304,305,306が位置する全てのノズル列202,203,204,205を検出対象のノズル列とせずに、ノズル303,304が位置する2つのノズル列202,203を検出対象とする。これにより、1ノズル当たりのインクの吐出回数を増やして、センサ出力のS/N比を高めることが可能となる。また、検出対象をノズル列毎(吐出口列毎)としてもよい。また、ノズルからインクを吐出するときのノズルの駆動周波数(吐出周波数)を高めて、センサ出力のS/N比を高めることも考えられる。インクの吐出状態を検出するときのセンサ107の移動速度が高くなるほど、ノズルの駆動周波数を高くすることが好ましい。ノズルから吐出されたインクは、インク滴受け308に着弾して回収される。
図4は、記録ヘッド101とセンサ107との関係の説明図であり、矢印X方向に移動するホルダ301において、発光部310と受光部311との間の光軸309がインク滴によって遮断されることによって、そのインク滴が検出される。光軸309に対応する位置のノズル、つまり、光軸309と重なる位置にインク滴を吐出可能なノズルが検査対象のノズルとなる。図においては、ノズル303,304,305,306が検査対象のノズルである。センサ107は、ガイド108に保持され、ベルト110によって引かれるようにX軸方向に移動される。センサ107のX軸方向の移動によって光軸309が移動し、その光軸309の位置が検査対象のノズルの位置と対応したときに、その検査対象のノズルがインクを吐出する。その検査対象のノズルから吐出されるインク滴が光軸309を遮ったときのセンサ出力(検出信号)によって、そのノズルがインクを吐出したことを検出することができる。一方、光軸309が遮られなかった場合にはセンサ出力が変化しないため、この場合には、検査対象のノズルのインクの吐出状態が不良であること、もしくはインクの不吐出状態にあることが検出できる。
本例におけるセンサ107は、ホルダ301がベルト110に引かれてガイド108に沿って移動される構成となっている。しかし、センサ107の移動方式は、ベルト110を用いる方式のみに限定されず、例えば、送りネジなどを用いる方式などであってもよい。
図5は、本例の記録装置の制御系の概略図である。吐出制御部503は、ノズルからインクを吐出させるように記録ヘッド101を制御し、検出制御部504は、センサ107の発光部310および受光部311を制御し、移動制御部505は、センサ107のホルダ301の移動を制御する。これらの制御部503、504、505は、それらの動作タイミングおよび制御内容を統合する統合制御部501に接続されている。統合制御部501には、センサ107の移動速度を格納する記憶部502が接続されている。統合制御部501は、例えば、CPUであってもよく、あるいは専用のHWロジック等によって構成されていてもよい。
図6(a)は、センサ出力の外乱となる振動要因について説明図である。
センサ107のホルダ301をガイドするガイド108には、例えば、その加工時に周期的な凹凸部108Aが生じる可能性、および摩耗によって削れ部108Bなどが生じる可能性がある。このように変形したガイド108上をホルダ301が移動した場合には、ホルダ301が振動し、その振動がセンサ107に伝わるおそれがある。また、ホルダ301とガイド108との間には、隙間(ガタ)605が発生する可能性がある。また、ホルダ301と発光部310との間の隙間(ガタ)606、およびホルダ301と受光部311との間の隙間(ガタ)607が発生する可能性もある。これらの凹凸部108A、削れ部108B、および隙間などにより、ホルダ301が移動する際に、ホルダ301自体が振動するおそれがある。具体的に、ホルダ301は、矢印608AのようにX方向、矢印608BのようにY方向、および矢印608CのようにZ軸回りに振動するおそれがある。特に、ある特定の速度でホルダ301が移動する際に生じる振動と、ベルト110を含むホルダ301の駆動機構の持つ固有振動周波数と、が一致した場合には、ホルダ301の振動が大きくなる。
図6(b)は、ホルダ301の振動と、センサ107内の光軸309と、関係の説明図である。ガイド108とホルダ301との間、ホルダ301と発光部310との間、およびホルダ301と受光部311との間のそれぞれに、取り付けのガタ605、606、および607が生じた場合を想定する。このような場合には、センサ107の移動時に、ホルダ301、発光部310、および受光部311が振動するおそれがある。ホルダ301内において発光部310と受光部311が振動した場合には、図6(b)のように光軸309がずれて、センサ出力が変動するおそれがある。そのセンサ出力の変動が大きい場合、そのセンサ出力は、インク滴307によって光軸309が遮られるときの出力レベルに達するおそれがある。このような場合には、インクの吐出状態の検出精度が低下して、インクの吐出状態が誤って検出される。
本発明は、センサ107の移動時の振動が検出精度に及ぼす影響を考慮し、その振動が共振によって増大しないようにセンサ107の移動速度(規定速度)を設定する。すなわち、センサ107の移動時に生じる振動がセンサ107自体およびセンサ107の駆動機構などの固有振動周波数とならないように、センサ107の移動速度を設定する。
図7は、このようなセンサ107の移動速度を設定するための処理を説明するためのフローチャートであり、この処理においては、実際のインクの吐出状態を検出する検出動作の前に、センサ107を矢印X方向に予備的に移動(プレ走査)させる。まずは、そのプレ走査のためセンサ107の移動速度(試行速度)として、任意の速度を選択する(ステップS1)。例えば、予め定められた選択可能な複数の移動速度の中から、最も速い移動速度を選択する。その後、記録ヘッド101からインクを吐出することなく、ステップS1において選択された移動速度によってセンサ107を移動(プレ走査)させつつ、発光部310と受光部311を機能させて、そのセンサ出力を監視する(ステップS2)。このプレ走査においては記録ヘッド101がインクを吐出していないため、センサ107がインク滴307の検出を示す信号を出力したときには、センサ107の移動時の振動が駆動機構などと共振して、誤検出が生じた可能性が高い。つまり、プレ走査時にセンサ107の検出信号に、ノズルから吐出されるインクの検出時の検出信号が含まれているときには、センサ107の移動時の振動によって誤検出が生じた可能性が高い。この場合には、センサ107の移動速度を変更することにより、センサ107の振動数を駆動機構などの固有振動数からずらして、それらの共振を避けることができる。したがって、センサ107がインク滴307を誤検出しない正常な安定状態となるまで、センサ107の移動速度を変更する。
具体的には、センサ出力が正常な安定状態にあるか否か、つまりセンサ107がインク滴307を誤検出しない正常状態にあるか否か、あるいはセンサ出力が最も安定した正常状態にあるか否かを判定する(ステップS3)。センサ出力が正常な安定状態にないときには、ステップS1にてセンサ107の移動速度を変更してから、ステップS2,S3の処理を実行する。このようなステップS1、S2,S3の処理を繰り返すことにより、最終的に、センサ出力が正常な安定状態となるときの移動速度を選定し、その移動速度を正式な移動速度として設定する(ステップS4)。また、プレ走査時に、所定数よりも多いノズルからのインクの吐出を示す検出信号が得られたことを条件として、センサ107の移動速度を変更するようにしてもよい。その後、その正式な移動速度によってセンサ107を移動させて、インクの吐出状態の検出動作を実施する(ステップS5)。ステップS1における移動速度の選択は、ランダムな選択であってもよく、あるいは、予め用意された選択可能な複数の移動速度のうちの高速のものから、または低速のものから順に選択してもよい。つまり、複数の移動速度毎(試行速度毎)のプレ走査を実行するときの順序は、移動速度が高いものからとすることができる。インクの吐出状態の検出動作を速やかに実施するためには、予め用意された選択可能な複数の移動速度のうちの高速のものから順に選択することが好ましい。また、必ずしも、用意された選択可能な複数の移動速度の全てについてプレ走査を試す必要はない。
図8は、センサ107の予備的な移動(プレ走査)時におけるセンサ出力の説明図である。図8の横軸は、センサ107の矢印X方向における移動位置を示し、その縦軸がセンサ出力を示す。図8においては、第1の移動速度V1におけるセンサ出力901(V1)の変化と、第2の移動速度V2におけるセンサ出力902(V2)の変化と、が表されている。所定の閾値903は、インク滴307が吐出されなかった否かを判定するための基準値である。センサ出力が閾値903を越えた領域904にあるときは、インク滴307が吐出されたと判定され、センサ出力が閾値903以下の領域905にあるときは、インク滴307が吐出されなかったと判定される。プレ走査においては、記録ヘッド101がインクの吐出しないため、センサ出力は、閾値903以下の領域905に収まらなければならない。したがって、センサ出力が示す強度が所定の閾値を超えたときに、複数のノズルのうちの所定数よりも多い数のノズルからインク滴307が吐出されたと判定される。
第1の移動速度V1におけるセンサ出力901(V1)は、センサ107の全移動範囲において、閾値903以下の領域905に収まっている。一方、第2の移動速度V2におけるセンサ出力902(V2)は大きく変化し、センサ出力902(V2)の一部906は、閾値903を超えた領域904に入っている。すなわち、インク滴307が吐出されていないにも拘わらず、それが吐出されていると誤検出される。したがって、このときの移動速度V2を避けるように、正式な移動速度を設定することにより、機構的な振動の影響を低減して、誤検出の発生を抑えることができる。図8の場合には、移動速度V1を正式な移動速度として設定し、その移動速度によってセンサ107を移動させて、インクの吐出状態の検出動作を実施することが望ましい。
センサ出力907(V1)は移動速度V1におけるセンサ出力の他の例であり、このセンサ出力907(V1)は、その全体が閾値903を大きく下回っている。このような場合には、インク滴307が正確に検出できなくなるおそれがある。そのため、このような場合には、センサ出力を高めるための策を講じる。例えば、観察対象のノズルからのインク滴の吐出回数を増やすこと、ノズルの吐出駆動周波数を高めること、発光部310の光量を高めること、受光部311に増幅回路を追加してセンサ出力増幅率を上げること、などの対策を講じる。このような対策により、センサ出力901(V1)のように、センサ出力907(V1)を全体的に高めることができる。また、このようにセンサ出力を高めるのではなく、閾値903を下げることによって対処することも可能である。
図9は、上述したように、プレ走査においてセンサ107の移動速度を選択してから、閾値(インク滴が吐出されなかった否かを判定するための基準値)を調整する方法の説明図である。前述したように、第1の移動速度V1におけるセンサ出力901(V1)が正常に安定した出力であるものの、現実的には、その第1の移動速度V1が採用し難い場合もある。例えば、その移動速度V1が非常に遅いために、製品仕様として受け入れがたい場合、あるいは、ユーザの選択として、センサ107の検出の正確性よりも速さを優先する場合が考えられる。このような場合には、センサ107の移動速度と関連して、閾値を調整することができる。例えば、移動速度V1よりも高速の第3の移動速度V3におけるセンサ出力1003(V3)は、閾値903に近いために検出精度の安定性が劣り、誤検出が生じるおそれがある。また、そのセンサ出力1003(V3)は、閾値903を越えないため、移動速度V2におけるセンサ出力902(V2)よりは検出精度が安定する。このような場合には、閾値903よりも高い閾値1005を設定して、移動速度V2を選択することができる。また、他の移動速度に対応するセンサ出力との関係から、閾値903よりも低い閾値1007を設定することも可能である。
また、センサ107の移動速度が高くなるほど、センサ107の検出信号の出力が低下する場合には、センサ107の移動速度が高くなるほど閾値を低く設定して対応することができる。また、プレ走査のために用意された複数の移動速度(試行速度)によるセンサ107の移動時における検出信号のいずれにも、ノズルから吐出されるインクの検出時の検出信号が含まれている場合がある。この場合には、閾値を高く設定こと、センサ107の検出信号の出力を高めること、およびインクの吐出状態の検出時におけるセンサ107の移動速度の設定に関するユーザからの情報の入力を受け付けることによって、対応することができる。ユーザからの情報は、タッチパネルなどの任意の受付部によって受け付けられ、インクの吐出状態の検出時におけるセンサ107の移動速度を設定するか否かの情報、および、その移動速度の設定値などを含む。例えば、第1と第2の試行速度の両方において、センサ107の検出信号に、所定数よりも多いノズルからのインクの吐出を示す検出信号が得られたことを条件として、ユーザからの情報の入力を受け付けるようにしてもよい。
(他の実施形態)
本発明は、フルマルチヘッドを用いる記録装置のみならず、種々の方式の記録装置に対して広く適用することができる。本発明は、例えば、センサが固定され、かつ記録ヘッドが移動するシリアルスキャン方式の記録装置に対しても適用可能である。このようなシリアルスキャン方式の記録装置においては、インクの吐出状態の検出時に、センサに対して記録ヘッドを移動させることができ、この場合、インクの吐出状態の検出の阻害要因となる振動は、主に、記録ヘッドの移動時に生じる。このように、センサと記録ヘッドとの相対的な移動時にインクの吐出状態を検出することができる。
具体的に、シリアルスキャン方式の記録装置においては、フルマルチヘッドを用いる記録装置の場合と同様に、インクを吐出しない状態の記録ヘッドを移動させ、センサによってインクの吐出状態の検出動作を実施する。その検出動作によってインクの吐出が検出されたときには、記録ヘッドの移動速度に関連して、センサの誤検出が生じたと考えられる。このような場合には、記録ヘッドの移動速度を変更し、それぞれの移動速度におけるセンサ出力に基づいて、センサの誤検出が生じない移動速度を選定し、その移動速度を実際の検出動作時における正式な移動速度として設定する。この結果、フルマルチヘッドを用いる記録装置の場合と同様に、実際の検出動作時において、記録ヘッドにおけるインクの吐出状態を正確に検出することができる。
また本発明は、種々の液体を吐出可能な液体吐出装置、液体吐出状態の検出装置および検出方法として広く適用することができる。

Claims (16)

  1. 液体を吐出する複数の吐出口を有する吐出ヘッドと、前記複数の吐出口からの液体の吐出状態を検出するためのセンサと、を備える液体吐出装置であって、
    前記吐出ヘッドと前記センサとを相対的に移動させる移動手段と、
    前記移動手段の規定速度を設定する設定手段と、
    前記複数の吐出口から液体を吐出するように制御する制御手段と、
    前記制御手段が液体を吐出するように制御した状態で、前記設定手段により設定された前記規定速度で前記移動手段による移動を行い、当該移動における前記センサによる検出結果に基づいて前記複数の吐出口における吐出不良の有無を判定する判定手段と、
    を備え、
    前記制御手段が液体を吐出しないように制御した状態で、前記移動手段が第1の速度で移動を行い、当該移動における前記センサによる検出結果に基づいて前記設定手段が前記規定速度を設定することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記設定手段は、前記第1の速度での前記移動手段による移動において、前記複数の吐出口のうちの所定数よりも多い数の前記吐出口からの液体の吐出を示す検出結果が得られたときは、前記制御手段が液体を吐出しないように制御した状態で、前記第1の速度と異なる第2の速度で前記移動手段による移動を行い、当該移動における前記センサによる検出結果に基づいて前記規定速度を設定することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記第2の速度は、前記第1の速度よりも遅いことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記設定手段は、前記第1の速度での前記移動手段による移動において、前記複数の吐出口のうちの前記所定数よりも少ない数の前記吐出口からの液体の吐出を示す検出結果が得られたときは、前記第1の速度を前記規定速度に設定することを特徴とする請求項2または3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記所定数は、1であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記センサが検出した検出信号に基づいて、前記複数の吐出口のうちの前記所定数よりも多い数の前記吐出口から液体が吐出されたか否かを判定する第2判定手段を備えることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記第2判定手段は、前記センサが検出した検出信号が示す強度が所定の閾値を越えたときに、前記複数の吐出口のうちの前記所定数よりも多い数の前記吐出口から液体が吐出されたと判定することを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置。
  8. 前記センサは、前記移動手段による移動の速度が早くなるほど前記検出信号の強度が低下し、
    前記所定の閾値は、前記移動手段による移動の速度が早くなるほど低く設定されることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
  9. 前記第1の速度での前記移動手段による移動および前記第2の速度での前記移動手段による移動の両方において、前記複数の吐出口のうちの前記所定数よりも多い数の吐出口からの液体の吐出を示す検出結果が得られたときは、前記所定の閾値が高く設定されることを特徴とする請求項7または8に記載の液体吐出装置。
  10. 前記第1の速度での前記移動手段による移動および前記第2の速度での前記移動手段による移動の両方において、前記複数の吐出口のうちの前記所定数よりも多い数の吐出口からの液体の吐出を示す検出結果が得られたときは、前記センサが検出する前記検出信号の強度が高められることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  11. 前記第1の速度での前記移動手段による移動および前記第2の速度での前記移動手段による移動の両方において、前記複数の吐出口のうちの前記所定数よりも多い数の吐出口からの液体の吐出を示す検出結果が得られたときに、前記規定速度の設定に関するユーザからの情報の入力を受け付ける受付手段を備えることを特徴とする請求項2から10のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  12. 前記制御手段は、前記規定速度が早くなるほど、吐出周波数を高くして液体を吐出するように制御することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  13. 前記複数の吐出口は、前記移動手段による移動の方向に延在する吐出口列を形成することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  14. 前記吐出口列は複数形成され、
    前記判定手段は、前記複数の吐出口列ごとに前記設定手段により設定された前記規定速度で前記移動手段による移動を行い、前記複数の吐出口列それぞれに形成された前記複数の吐出口における吐出不良の有無を判定することを特徴とする請求項13に記載の液体吐出装置。
  15. 吐出ヘッドにおける複数の吐出口からの液体の吐出状態をセンサによって検出する液体吐出状態の検出装置であって、
    前記吐出ヘッドと前記センサとを相対的に移動させる移動手段と、
    前記移動手段の規定速度を設定する設定手段と、
    前記複数の吐出口から液体を吐出するように制御する制御手段と、
    前記制御手段が液体を吐出するように制御した状態で、前記設定手段により設定された前記規定速度で前記移動手段による移動を行い、当該移動における前記センサによる検出結果に基づいて前記複数の吐出口における吐出不良の有無を判定する判定手段と、
    を備え、
    前記制御手段が液体を吐出しないように制御した状態で、前記移動手段が第1の速度で移動を行い、当該移動における前記センサによる検出結果に基づいて前記設定手段が前記規定速度を設定することを特徴とする液体吐出状態の検出装置。
  16. 吐出ヘッドにおける複数の吐出口からの液体の吐出状態をセンサによって検出する液体吐出状態の検出方法であって、
    前記吐出ヘッドと前記センサとを相対的に移動させる移動工程と、
    前記移動工程での規定速度を設定する設定工程と、
    前記複数の吐出口から液体を吐出するように制御する制御工程と、
    前記制御工程にて液体を吐出するように制御した状態で、前記設定工程にて設定された前記規定速度で前記移動工程での移動を行い、当該移動における前記センサによる検出結果に基づいて前記複数の吐出口における吐出不良の有無を判定する判定工程と、
    を含み、
    前記制御工程にて液体を吐出しないように制御した状態で、前記移動工程にて第1の速度で移動を行い、当該移動における前記センサによる検出結果に基づいて前記設定工程にて前記規定速度を設定することを特徴とする液体吐出状態の検出方法。
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