JP6611348B2 - バイオマスガス化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、バイオマスからガスを生成するバイオマスガス化装置に関する。
下記特許文献1には、ガス化炉の上部からバイオマスを供給して、このバイオマスを熱分解させることによりガスを生成するバイオマスガス化装置(バイオマスの熱分解装置)が開示されている。
特許第5656022号公報
ところで、バイオマスガス化装置の一部を構成するガス化炉の内部の熱が当該ガス化炉の外部へ放熱されることや、ガス化炉の内部に供給されるガス化剤によって当該ガス化炉の内部の温度が低下すること等により、バイオマスを加熱するための熱エネルギーが奪われると、バイオマスからガスを効率よく生成することが難しい。また、生成されたガスの不純物(タール他)を除去するための精製装置が必要で構成する装置が複雑で大掛かりなものにならざるおえなかった。
本発明は上記事実を考慮し、バイオマスからガスを効率よく生成することができるバイオマスガス化装置を得ること及び装置の小型化(精製工程のガス化装置との一体化)が目的である。
請求項1記載のバイオマスガス化装置は、バイオマスが投入され、該バイオマスが燃焼し発熱する加熱層、該加熱層よりも低温とされ該バイオマスからガスが生成されるガス化層、及び該ガス化層よりも低温とされ該バイオマスが炭化する炭化層が内部に形成され、投入された前記バイオマスが前記炭化層側から前記加熱層側へ移動するガス化炉と、前記ガス化層の前記バイオマスに供給されるガス化剤が通過する管を有し、前記ガス化炉内に導入された前記管の少なくとも一部が前記炭化層に位置するガス化剤供給部と、を備え、前記ガス化炉の中心部には、前記ガス化層で生成されたガスが前記炭化層側へ向けて通過する筒状の蓄熱部が設けられている
請求項1記載のバイオマスガス化装置によれば、バイオマスの加熱層においてバイオマスが燃焼し発熱する。また、加熱層からの熱等により加熱されたガス化層のバイオマスへガス化剤が供給されると、ガス化層のバイオマスとガス化剤が反応して、当該ガス化層においてガスが生成される。また、ガス化層からの熱等により加熱された炭化層のバイオマスは炭化される。そして、炭化層のバイオマスはガス化層へ移動し、ガス化層のバイオマスは加熱層へ移動する。ここで、請求項1記載の発明では、ガス化剤がガス化剤供給部の管を通じてガス化層のバイオマスへ供給される。また、ガス化剤供給部の菅の少なくとも一部は、炭化層を形成するバイオマスの内部に配置されている。これにより、炭化層のバイオマスからガス化剤供給部に伝達される熱により、当該ガス化剤供給部の内部を流れるガス化剤を加熱することができると共に、ガス化剤供給部内で加熱されたガス化剤をガス化層のバイオマスへ供給することができる。その結果、ガス化剤が供給されることによるガス化層のバイオマスの温度の低下が抑制され、ガス化炉の内部のバイオマスからガスを効率よく生成することができる。
また、請求項1記載のバイオマスガス化装置によれば、ガス化層で生成されたガスは、蓄熱部を通じて炭化層側へ向けて流れる。これにより、蓄熱部内を流れるガスにより当該蓄熱部が温められる。これにより、ガス化炉の中心部の温度の低下が抑制され、当該ガス化炉内のバイオマスからガスを効率よく生成することができる。
請求項2記載のバイオマスガス化装置は、請求項1記載のバイオマスガス化装置において、前記蓄熱部が、前記ガス化炉に対して回転変位する。
請求項2記載のバイオマスガス化装置によれば、蓄熱部がガス化炉に対して回転変位すると、ガス化炉の内周面と蓄熱部の外周面との間のバイオマスが撹拌される。これにより、ガス化炉の内部においてバイオマスがブリッジ化する(バイオマスがアーチ構造を形成する)ことを抑制することができる。
請求項3記載のバイオマスガス化装置は、バイオマスが投入され、該バイオマスが燃焼し発熱する加熱層、該加熱層よりも低温とされ該バイオマスからガスが生成されるガス化層、及び該ガス化層よりも低温とされ該バイオマスが炭化する炭化層が内部に形成され、投入された前記バイオマスが前記炭化層側から前記加熱層側へ移動するガス化炉と、前記ガス化層の前記バイオマスに供給されるガス化剤が通過する管を有し、前記ガス化炉内に導入された前記管の少なくとも一部が前記炭化層に位置するガス化剤供給部と、を備え、前記ガス化炉の内部には、前記炭化層側から前記ガス化層側へ向かう前記バイオマスを粉砕する粉砕部が設けられている
請求項3記載のバイオマスガス化装置によれば、炭化層側からガス化層側へ向かうバイオマスが、粉砕部によって粉砕される。これにより、ガス化層におけるバイオマスとガス化剤とが接触する面積を広くすることができ、ガス化炉の内部のバイオマスからガスを効率よく生成することができる。
請求項記載のバイオマスガス化装置は、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のバイオマスガス化装置において、前記ガス化剤供給部の前記管は、前記ガス化炉の内周面に沿って設けられている。
請求項記載のバイオマスガス化装置によれば、ガス化剤供給部の管がガス化炉の内周面に沿って設けられていることにより、ガス化炉の内部の熱がガス化炉の内周面を通じて当該ガス化炉の外部に放熱されることを抑制することができる。これにより、ガス化炉の内部のバイオマスの温度の低下が抑制され、ガス化炉の内部のバイオマスからガスを効率よく生成することができる。
請求項1及び請求項3記載のバイオマスガス化装置は、バイオマスからガスを効率よく生成することができる、という優れた効果を有する。
請求項記載のバイオマスガス化装置は、ガス化炉内におけるバイオマスのブリッジ化を抑制することができる、という優れた効果を有する。
バイオマスガス化装置の断面を模式的に示す断面図である。 ガス化炉の内部におけるバイオマスの動き及び生成ガスの流れを説明するための図1に対応する断面図である。
図1を用いて、本発明の実施形態に係るバイオマスガス化装置について説明する。
図1に示されるように、本実施形態のバイオマスガス化装置10は、一例として木材等のバイオマス12が投入されると共に当該バイオマス12が下方側へ移動しながら熱分解されるガス化炉14と、ガス化炉14へバイオマス12を投入する投入物供給制御器16と、を備えている。また、バイオマスガス化装置10は、ガス化炉14の内部へ後述するガス化剤を供給するガス化剤供給部としてのガス化剤供給管18と、ガス化炉14の内部で生成された生成ガスをガス化炉14の外部へ送出する生成ガス送出部としての生成ガス送出管20と、を備えている。さらに、バイオマスガス化装置10は、ガス化炉14の内部へ酸素を供給する酸素供給制御器22と、生成ガス送出管20に設けられた熱交換器24と、熱交換器24へ水を供給する水供給器28と、を備えている。また、バイオマスガス化装置10は、ガス化炉14の中心部に設けられた蓄熱部としての蓄熱パイプ30と、蓄熱パイプ30を回転させる蓄熱パイプ回転制御器32と、ガス化炉14に投入されたバイオマス12を粉砕する粉砕部としての固定篩34及び回転篩36と、を備えている。なお、本実施形態の説明においては、ガス化炉14の内部に投入されたバイオマス12と当該バイオマス12の組成が変化した物質についても「バイオマス12」という名称を用いて説明している。
ガス化炉14は、上端部及び下端部が閉止された筒状に形成されており、このガス化炉14は、上下方向を軸方向とする円筒状の円筒部14Aと、円筒部14Aの上端を閉止する上壁部14Bと、円筒部14Aの下端部を閉止すると共に中心部が下方側へ向けて窪んだ下壁部14Cと、を備えている。ガス化炉14の上端部には、所定のサイズに粉砕されたバイオマス12を投入する投入物供給制御器16が接続されている。また、ガス化炉14の内部の下端部には、ガス化しなかったバイオマス12である炭化物、半炭化物や、稼働初期の不燃バイオマス12(以下「加熱層S5のバイオマス12」という)を加熱及び燃焼させるためのコンロ38が設けられている。また、コンロ38の下方側には、加熱層S5で燃え尽きた残りの灰や燃え残った炭化物や不燃バイオマスを取り出すための灰分排出部40が設けられている。なお、このコンロ38の上方側の加熱層S5のバイオマス12には、後述する酸素供給制御器22から酸素、空気又は酸素と空気の混合気が供給されるようになっている。そして、酸素、空気又は酸素と空気の混合気が、加熱層S5のバイオマス12へ供給されて、当該加熱層S5のバイオマス12が燃焼する。この加熱層S5のバイオマス12の温度は、一例として1000℃を超えている。
加熱層S5の上方側に形成されたガス化層S4のバイオマス12は、約800℃の温度とされ、このガス化層S4のバイオマス12へ後述するガス化剤が供給されることでガス化層S4のバイオマス12とガス化剤とがガス化反応して、H、CO、CO等の水生ガスが生成される。ここで、ガス化反応とは、炭化物が過熱水蒸気を浴びて水性ガスになる反応(吸熱反応)のことをいう。なお、過熱水蒸気量が多いとシフト反応(CO+H2O→CO2+H2)が起こり、発熱量が低下するが、本実施形態では、このガス化層S4の温度が800℃と高温なため、上記シフト反応は起きないようになっている。
ガス化層S4の上方側に形成された炭化層S3のバイオマス12は、その下方側の加熱層S5からの高温の燃焼ガスの熱等により、酸素不足の雰囲気中で熱分解を起こし、可燃性ガス(CH4、CO、H2)と炭化物になる。可燃性ガスは上昇し、炭化物は下降する。なお、ガス化層S4において、生成された水性ガスにはガス状タールや他不純物が含まれており、バイオマス粉砕物、半炭化物、炭化物からなる混在物(炭化層S3のバイオマス12)がガス精製機能(フィルター)の役割を果たし、ある程度のガス状タールが炭化層S3のバイオマス12により吸収される(吸着される)。また、炭化層S3の下端部のバイオマス12は、後述する回転篩36及び固定篩34により粉砕された後、ガス化層S4側へ向けて下降する。なお、炭化層S3のバイオマス12の温度は、ガス化層S4のバイオマス12の温度よりも低い温度である。
炭化層S3の上方側に形成された乾燥層としての第2乾燥層S2のバイオマス12は、下記の乾燥層としての第1乾燥層S1である程度の乾燥のあったバイオマス12(第1乾燥層S1のバイオマス12)が下降してきたものである。第2乾燥層S2のバイオマス12は、この第2乾燥層S2で完全に乾燥される。また、炭化層S3等から上昇してきたガスには、ガス状タールが含まれているが、この第2乾燥層S2のバイオマス12がフィルターの役目を担い、ガス状タールは第2乾燥層S2のバイオマス12に吸収される(吸着される)。なお、第2乾燥層S2のバイオマス12の温度は、炭化層S3のバイオマス12の温度よりも低い温度である。
第2乾燥層S2の上方側に形成された第1乾燥層S1のバイオマス12は、後述する投入物供給制御器16から送り出されたバイオマス12が、第2乾燥層S2側から上昇してきた高熱の燃焼ガス等により最初に乾燥を受けるゾーンである。第1乾燥層S1のバイオマス12は、その下方側の層のバイオマス12の分解が進むにつれて下降する。なお、第1乾燥層S1のバイオマス12の温度は、第2乾燥層S2のバイオマス12の温度よりも低い温度である。
投入物供給制御器16は、ガス化炉14へ粉砕されたバイオマス12を定量的に送りこむ装置であり、投入されるバイオマス12の量を調節する。本実施形態では、ガス化炉14の内部におけるバイオマス12の高さが一定となるように、投入物供給制御器16を使用して、投入するバイオマス12の量を調節するようになっている。
ガス化剤供給管18は、ガス化層S4のバイオマス12に供給されるガス化剤が通過する筒状に形成されている。なお、ガス化剤としては、「過熱水蒸気」「空気」「酸素」「酸素と空気の混合気(O2リッチの空気)である。本実施形態では、ガス化剤として「過熱水蒸気」が用いられる。なお、ガス化剤として酸素と空気の混合気を用いる場合は、大気(空気)の酸素比率を5%〜10%リッチにすることで、バイオマス12のガス化を促すことができることが試験により分かっている。ガス化剤供給管18について詳述すると、ガス化剤供給管18は、その大部分がガス化炉14の外部に配置された外部供給管42と、ガス化炉14の内部に配置されていると共に外部供給管42と接続された管としての螺旋管44と、を主要な要素として構成されている。外部供給管42の一方側の端部は、後述する熱交換器24に接続されており、外部供給管42の他方側の端部は、螺旋管44の上端部に接続されている。螺旋管44は、ガス化炉14の円筒部14Aの内周面に沿って上方側から下方側へ螺旋状に延在されている。また、螺旋管44の下端部には、ガス化炉14の中心側に向けて延びると共に当該ガス化炉14の中心側の端部がガス化剤吹出口46Aとされた複数のガス化剤吹出部46が設けられている。このガス化剤吹出部46は、ガス化層S4のバイオマス12の内部に配置されている。また、螺旋管44の上方側の部位を除く大部分は、第1乾燥層S1、第2乾燥層S2、炭化層S3及びガス化層S4のバイオマス12の内部に配置されている。
生成ガス送出管20は、ガス化炉14の円筒部14Aの上下方向の中間部の内周面に接続されている。この生成ガス送出管20の一部は、円筒部14Aの内側(ガス化炉14の中心部側)に向けて延出しており、この延出している部分の端部は第2乾燥層S2のバイオマス12内に開放された生成ガス送出口20Aとされている。
熱交換器24は、生成ガス送出管20においてガス化炉14の外側に延在している部分の途中に設けられている。この熱交換器24の内部には、水供給器28からガス化剤となる液体としての水26が供給される。そして、生成ガス送出管20の内部を流れる生成ガスの熱が、生成ガス送出管20を介して熱交換器24の内部の水26及び当該水26が気化することにより生じた水蒸気に伝達される。換言すると、生成ガスが、生成ガス送出管20において熱交換器24が設けられた部分を通過することで、当該生成ガスが冷却されると共に、熱交換器24内の水26及び水蒸気が加熱される。
酸素供給制御器22は、前述したとおり、加熱層S5のバイオマス12へ空気又は酸素と空気の混合気を供給する。この酸素供給制御器22には、ガス化剤供給管18と同様の構成の酸素供給管(図示省略)が接続されている。そして、酸素供給制御器22から供給された空気又は酸素と空気の混合気が、酸素供給管を通過して、当該酸素供給管に接続された吹出管48の燃焼用気体吹出口48Aから加熱層S5のバイオマス12へ向けて吹き出されるようになっている。
蓄熱パイプ30は、ガス化炉14の円筒部14Aと同軸上に配置されていると共にその内径が円筒部14Aの内径の約3割程度の内径とされた円筒状に形成されている。この蓄熱パイプ30の下端部は、ガス化層S4のバイオマス12側に向けて開放されており、蓄熱パイプ30の上端部は、第1乾燥層S1のバイオマス12側へ向けて開放されている。また、蓄熱パイプ30の上端部には、上方側に向けて凸状に湾曲された笠50が取付けられている。これにより、第1乾燥層S1のバイオマス12が蓄熱パイプ30の内部へ落下しないようになっている。また、蓄熱パイプ30の上端部と笠50との間には、隙間が形成されている。これにより、蓄熱パイプ30を上昇した生成ガス(ガス化層S4で生成されたガス)が、笠50にガイドされることで第2乾燥層S2のバイオマス12側へ向けて流れることが可能となっている。また、蓄熱パイプ30には、当該蓄熱パイプ30の内部を流れる生成ガスの熱が蓄熱されるようになっている。この蓄熱パイプ30に蓄熱された熱により、ガス化炉14の内部の温度の一定化を図ることが可能となっている。
蓄熱パイプ回転制御器32は、モータ52と、モータ52の出力軸の回転を蓄熱パイプ30へ伝達する伝達機構54と、を含んで構成されている。そして、モータ52の出力軸の回転が伝達機構54を介して蓄熱パイプ30に伝達されることで、蓄熱パイプ30が、ガス化炉14に対して回転変位するようになっている。
固定篩34及び回転篩36は、炭化層S3のバイオマス12の内部に配置されるようになっている。固定篩34は、バイオマス12が通過可能な開口を有する網状に構成されており、この固定篩34の外周部は、ガス化炉14の円筒部14Aに固定されている。回転篩36は、固定篩34の上方側において当該固定篩34と近接して配置されており、この回転篩36は固定篩34と同様にバイオマス12が通過可能な開口を有する網状に構成されている。また、回転篩36の内周部は、蓄熱パイプ30に固定されている。これにより、回転篩36が蓄熱パイプ30と共に回転するようになっている。また、回転篩36が回転することで、当該回転篩36を通過した炭化層S3のバイオマス12が回転篩36と固定篩34との間ですり潰された(細かく砕かれた)後に、固定篩34を通過してガス化層S4側へ下降するようになっている。なお、本実施形態では、固定篩34及び回転篩36の耐久性等を考慮して、当該固定篩34及び回転篩36の形状は下方側へ向かうにつれて窄まるロート状とされている。
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について、図2を用いて説明する。
以上説明した本実施形態のバイオマスガス化装置10によれば、投入物供給制御器16により設定された分量のバイオマス12がガス化炉14の内部に投入される。なお、矢印m1は、この時のバイオマス12の経路を示している。また、図中に示す矢印m1〜m6は、ガス化炉14の内部に投入されたバイオマス12の移動方向を示している。
次に、第1乾燥層S1において、その下方側から上昇してきた燃焼ガスによりバイオマス12が乾燥される。そして、第1乾燥層S1のバイオマス12は第2乾燥層S2へ移動しながら(矢印m2)更に乾燥される。
第2乾燥層S2から炭化層S3へ移動したバイオマス12は、その下方側からの高熱の燃焼ガスにより熱分解され、可燃性ガス(CH4、CO、H2等)、ガス状タール、炭化物になる。可燃性ガスは上昇し、炭化物は下降する(矢印m3)。また、ガス状タールは炭化層S3及び第2乾燥層S2に吸着される。
炭化層S3の下部まで下降してきた炭化物は、蓄熱パイプ30と共に回転する回転篩36を通り抜け、回転しない固定篩34の間に落ちる。そして、バイオマス12(固形の炭化物)が、回転篩36と固定篩34の間で磨り潰された後に固定篩34を通り抜けてガス化層S4へ下降する(矢印m4、m5、m6)
ガス化層S4では、ガス化剤供給管18を流れるガス化剤がガス化剤吹出口46Aから吹き出される。そして、ガス化層S4のバイオマス12(炭化物細片)とガス化剤とが反応(吸熱反応)して、生成ガス(CO、H2等)が生成される。なお、図中に示す矢印G1〜G4は、生成ガスの流れを示している。
ガス化層S4で生成された生成ガスの一部は、炭化層S3を上昇し(矢印G1)、生成ガスの他の一部は、蓄熱パイプ30の内部を上昇する(矢印G2)。炭化層S3を上昇した生成ガスは、第2乾燥層S2を通過した後に、生成ガス送出管20を通じてガス化炉14の外部へ送出される(矢印G3)。また、蓄熱パイプ30を上昇した生成ガスは、笠50にガイドされることで第2乾燥層S2のバイオマス12側へ向けて流れた後に(矢印G4)、生成ガス送出管20を通じてガス化炉14の外部へ送出される。なお、蓄熱パイプ30を上昇する生成ガスは、当該蓄熱パイプ30の内部でガス状タール、ミスト状タールの吸収を受けないので、ガス状タールを含んだまま、炭化層S3を上昇した生成ガスと可燃性ガスの混合ガスに混合(合流)する。また、蓄熱パイプ30を上昇する生成ガスに含まれる粉塵はサイクロン状態となった生成ガスの流れを受けて除去される(下方側に落ちる)。
ここで、ガス化層S4においてガス化反応ができなかったバイオマス12(炭化物細片や液状タールを含む)は、加熱層S5で燃焼されることで高熱燃焼ガスを生成する。高熱の燃焼ガスはガス化層S4から第1乾燥層S1側へ上昇しながら、ガス化炉14、蓄熱パイプ30、ガス化剤供給管18の螺旋管44を加熱する。なお、加熱層S5の燃焼ガスの温度は1000℃程度の高熱のため、その上方側のガス化層S4においては、液状タールはそのほとんどが分解され可燃性ガスとなる。また、炭化層S3は、800℃以上であるため、水蒸気によるシフト反応(CO+H2O→CO2+H2)は起きず、生成ガスの発熱量の低下は殆ど無い。また、 加熱層S5において、燃焼できなかったバイオマス12(炭化物細片等を含む)があれば灰分と共に溜まり、灰分排出部40から取り出される。
次に、本実施形態のバイオマスガス化装置10の特有の効果について説明する。
本実施形態のバイオマスガス化装置10では、ガス化剤供給管18においてガス化炉14の内部に配置された螺旋管44の上方側の部位を除く大部分が、第1乾燥層S1、第2乾燥層S2、炭化層S3及びガス化層S4のバイオマス12の内部に配置されている。これにより、螺旋管44の内部を流れるガス化剤をさらに加熱することができると共に、螺旋管44の内部で加熱されたガス化剤をガス化層S4のバイオマス12へ供給することができる。その結果、ガス化剤が供給されることによるガス化層S4のバイオマス12の温度の低下が抑制され、ガス化炉14の内部のバイオマス12からガスを効率よく生成することができる。
また、本実施形態では、ガス化剤供給管18の螺旋管44が、ガス化炉14の円筒部14Aの内周面に沿って上方側から下方側へ螺旋状に延在されている。当該構成とすることにより、ガス化炉14の内部の熱が当該ガス化炉14の円筒部14Aの内周面を通じてガス化炉14の外部に放熱されることを抑制することができる。これにより、ガス化炉14の内部のバイオマスの温度の低下が抑制され、ガス化炉14の内部のバイオマス12からガスを効率よく生成することができる。
また、本実施形態のバイオマスガス化装置10では、ガス化炉14の内部で生成されたガスは、生成ガス送出管20を通じて送出される。この時、生成ガス送出管20の内部を流れる生成ガスの熱が、熱交換器24を介して当該熱交換器24の内部の水26に伝達される。これにより、ガス化剤供給管18を通じてガス化層S4のバイオマス12へ供給されるガス化剤を生成することができると共に生成されたガス化剤(水蒸気)を加熱することができる。その結果、ガス化剤が供給されることによるガス化層S4のバイオマス12の温度の低下が抑制され、ガス化炉14の内部のバイオマス12からガスを効率よく生成することができる。なお、本実施形態では、一例として、熱交換器24の内部で生成されたガス化剤(水蒸気)の温度は120℃程度であり、このガス化剤がガス化剤供給管18の螺旋管44内で850℃程度まで加熱される。すなわち、螺旋管44は、ガス化炉14の内部の熱と熱交換する熱交換機能を有している。
さらに、本実施形態のバイオマスガス化装置10では、ガス化層S4で生成されたガスの一部が、蓄熱パイプ30を通じて上方側へ向けて流れる。これにより、蓄熱パイプ30内を流れるガスにより当該蓄熱パイプ30が温められる。これにより、ガス化炉14の中心部の温度の低下が抑制されると共にガス化炉14内の温度が保たれることで、当該ガス化炉14内のバイオマス12からガスを効率よく生成することができる。なお、蓄熱パイプ30は、セラミックスなどの蓄熱性能が良好な材料を用いて形成されている。
また、本実施形態のバイオマスガス化装置10では、蓄熱パイプ30が蓄熱パイプ回転制御器32の作動に伴い回転する。蓄熱パイプ30が回転すると、ガス化炉14の円筒部14Aの内周面と蓄熱パイプ30の外周面との間のバイオマスが撹拌される。これにより、ガス化炉14の内部においてバイオマス12がブリッジ化する(バイオマス12がアーチ構造を形成する)ことを抑制することができる。また、ガス化炉14の内部の各層(第2乾燥層S2及び炭化層S3)におけるバイオマス12に熱むらを生じることを抑制することができる。
ところで、ガス化炉14の内部のバイオマス12の下降速度が早くなると、各層(第1乾燥層S1、第2乾燥層S2、炭化層S3及びガス化層S4)での分解が不十分となり、加熱層S5に未燃物が残り、未燃バイオマスが蓄積する。これに対して、ガス化炉14の内部のバイオマス12の下降速度が遅くなると、ガス化までに生成される可燃性ガスや燃焼物及び熱の循環が滞り、バイオマス12の分解が停止された状態となる。しかしながら、本実施形態では、バイオマス12の下降速度を、蓄熱パイプ30の回転により適正に制御することが出来る。なお、蓄熱パイプ30を備えていないバイオマスガス化装置では、自然落下によりバイオマス12が性状変化しながら落下していくため下降が早い場合、遅い場合の現象が不定期に生じ、バイオマス12の分解が停止された状態になるケースが増え、バイオマスガス化装置の安定的な連続稼働が妨げられる。
また、本実施形態のバイオマスガス化装置10では、ガス化炉14の内部の生成ガスを送出するための生成ガス送出管20の生成ガス送出口20Aが、第2乾燥層S2のバイオマス12内に開放されている。これにより、第2乾燥層S2の下方側から上昇してきたガス状タールを第2乾燥層S2のバイオマス12に吸着させることができる。これにより、ガス化炉14の内部で生成された生成ガスとガス状タールを分離することができる。特に、本実施形態では、遠心分離機等を設けることなく、ガス化炉14の内部で生成された生成ガスとガス状タールを容易に分離することができる。これに加えて、本実施形態では、単一のガス化炉14の内部でバイオマス12の分解から生成されたガスの精製(ガス状タールの分離)を行うことができる。これにより、バイオマスガス化装置10の小型化を図ることができる。なお、可動式のバイオマスガス化装置や狭いスペースに設置されるバイオマスガス化装置においては、当該バイオマスガス化装置10の小型化が望まれている。
さらに、本実施形態のバイオマスガス化装置10では、蓄熱パイプ30と共に回転篩36が回転すると、当該回転篩36を通過した炭化層S3のバイオマス12が回転篩36と固定篩34との間で細かく砕かれる。そして、細かく砕かれた炭化層S3のバイオマス12は、固定篩34を通過してガス化層S4側へ下降する。これにより、ガス化層S4におけるバイオマス12とガス化剤とが接触する面積を広くすることができる。これにより、ガス化層S4のバイオマス12とガス化剤との反応を促すことができ(反応の短時間化を図ることができ)、ガス化炉14の内部のバイオマス12からガスを効率よく生成することができる。
なお、バイオマスガス化装置10の内部におけるバイオマス12の分解の様子をわかり易くするために、第1乾燥層S1、第2乾燥層S2、炭化層S3、ガス化層S4及び加熱層S5の各部の境界が明確に分かれている図を用いたが、実際のガス化炉14の内部においては、積層されたバイオマスの温度及び組成は、下方側へ向かうにつれて徐々に変化している。
また、本実施形態では、ガス化炉14の内部において螺旋状に延在する螺旋管44(ガス化剤供給管18)を通じてガス化剤をガス化層S4のバイオマス12へ供給した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ガス化炉14の内部におけるガス化剤供給管18の取り回しは、ガス化炉14の内部に配置される他の部材との関係を考慮して適宜設定すればよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
10 バイオマスガス化装置
12 バイオマス
14 ガス化炉
18 ガス化剤供給管(ガス化剤供給部)
20 生成ガス送出管(生成ガス送出部)
24 熱交換器
30 蓄熱パイプ(蓄熱部)
34 固定篩(粉砕部)
36 回転篩(粉砕部)
44 螺旋管(管)
S1 第1乾燥層(乾燥層)
S2 第2乾燥層(乾燥層)
S3 炭化層
S4 ガス化層
S5 加熱層

Claims (4)

  1. バイオマスが投入され、該バイオマスが燃焼し発熱する加熱層、該加熱層よりも低温とされ該バイオマスからガスが生成されるガス化層、及び該ガス化層よりも低温とされ該バイオマスが炭化する炭化層が内部に形成され、投入された前記バイオマスが前記炭化層側から前記加熱層側へ移動するガス化炉と、
    前記ガス化層の前記バイオマスに供給されるガス化剤が通過する管を有し、前記ガス化炉内に導入された前記管の少なくとも一部が前記炭化層に位置するガス化剤供給部と、
    を備え、
    前記ガス化炉の中心部には、前記ガス化層で生成されたガスが前記炭化層側へ向けて通過する筒状の蓄熱部が設けられているバイオマスガス化装置。
  2. 前記蓄熱部が、前記ガス化炉に対して回転変位する請求項1記載のバイオマスガス化装置。
  3. バイオマスが投入され、該バイオマスが燃焼し発熱する加熱層、該加熱層よりも低温とされ該バイオマスからガスが生成されるガス化層、及び該ガス化層よりも低温とされ該バイオマスが炭化する炭化層が内部に形成され、投入された前記バイオマスが前記炭化層側から前記加熱層側へ移動するガス化炉と、
    前記ガス化層の前記バイオマスに供給されるガス化剤が通過する管を有し、前記ガス化炉内に導入された前記管の少なくとも一部が前記炭化層に位置するガス化剤供給部と、
    を備え、
    前記ガス化炉の内部には、前記炭化層側から前記ガス化層側へ向かう前記バイオマスを粉砕する粉砕部が設けられているバイオマスガス化装置。
  4. 前記ガス化剤供給部の前記管は、前記ガス化炉の内周面に沿って設けられている請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のバイオマスガス化装置。
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