JP2014125578A - 生成ガスの製造方法、製造装置及び高温燃焼ガス発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】火格子上で有機物燃料を燃焼させたときにクリンカーなどにより生じる火格子の閉塞を解消し、高温燃焼ガス発生装置の長時間の安定運転を可能にする方法を提供する。
【解決手段】火格子12上で有機物燃料Tを燃焼させることで発生させた燃焼ガスHによってバイオマスなどの有機原料202を加熱してガス化する生成ガスの製造方法又は製造装置において、大きさを変化させることが可能な間隙34が形成された火格子12を使用し、この間隙34の大きさを必要頻度で変化させることにより、クリンカー等による火格子12の閉塞を解消するとともに、補助燃焼室18を設け、発生したスラッジ、タール等を燃焼させ、熱回収を可能とする。
【選択図】図3
【解決手段】火格子12上で有機物燃料Tを燃焼させることで発生させた燃焼ガスHによってバイオマスなどの有機原料202を加熱してガス化する生成ガスの製造方法又は製造装置において、大きさを変化させることが可能な間隙34が形成された火格子12を使用し、この間隙34の大きさを必要頻度で変化させることにより、クリンカー等による火格子12の閉塞を解消するとともに、補助燃焼室18を設け、発生したスラッジ、タール等を燃焼させ、熱回収を可能とする。
【選択図】図3
Description
本願は、バイオマス等の有機原料をガス化することにより、燃料として使用可能なガス燃料やメタノールやGTL(Gas To Liquid fuel/石油同等燃料)などを化学合成するための原料ガスなどとして使用可能な生成ガスを製造する方法及び装置に関し、特に、燃焼ガスの円滑な供給を図り、生成ガスの製造における熱効率を高めることができる方法及び装置に関する。
従来、木本類、草本類などの固体系バイオマスのエネルギー変換は直接燃焼による熱利用が主で、この場合、高度なエネルギー利用は困難である。例えば発電の場合、木質チップ・ボイラで水蒸気を発生させ、水蒸気タービンによる発電方式が一般的となるが、1000〜3000kW規模で、8〜12%の発電効率に止まっているのが実情である。100kW規模の小規模では電力出力を実質的には得ることができない。現在、小規模から大規模まで、バイオマスのエネルギー高効率利用のためガス化技術が検討されているが、空気または酸素の理論量以下でバイオマスを半燃焼させる部分酸化法が主流である。部分酸化法では、煤・タールの発生が多く、また発熱のため使われた相当量のCO2(空気を用いた場合には更に多量の窒素)が生成ガス(合成ガス)中に混入するため、高品質の合成ガスを得ることは困難であった。
バイオマスの高度エネルギー利用のためには、自動車燃料としての使用や燃料輸送などの観点から、液体燃料への転換が一つの好ましい形態である。しかし、現状では、バイオマスからの液体燃料製法は、糖質、でんぷん等を原料とした発酵によるエタノール燃料、あるいは植物油をメタノールによってエステル交換したBDF(登録商標)(バイオディーゼル油燃料)など、主として食料を原料とし、耕作面積当りの収量が低い植物を利用する手法のみでの実用化にとどまっている。
すなわち、食料以外の草本類・木本類のバイオマスを原料として、熱化学的手法で、高品質の化学合成原料となる合成ガスに転換し得るガス化方法はまだ実用化に至っていない状況である。
本願発明者らは、以上の状況に鑑み、タールや煤の発生が殆どなく、高品位の燃料用ガス或いは高品位の化学合成用原料となり得る生成ガスの製造方法を考案した(特開2009−001826号公報及び特願2011−138966号)。
すなわち、粉砕した草本類若しくは木本類などからなるバイオマスを、外部加熱空間と反応管壁により遮断(分離)された原料流路(反応空間)内に供給し、且つこの外部加熱空間より反応管壁を介して加熱して、吸熱反応により原料流路内で、該原料流路内に吹き込まれる高温水蒸気とバイオマスのガス化反応を生じせしめるバイオマスのガス化方法であり、さらに生成ガス中の水素濃度を高めるための原料流路後流で追加熱する方法である。
上記方法により生成した生成ガスは、発電や熱利用などのためのガス燃料としても使用可能であり、さらに、既存技術のメタノール合成やFT(フィッシャー・トロプシュ、石油性状)合成などにより液体燃料を合成するための原料ガス(合成ガス)としても使用可能である。
この方法では、部分酸化法(反応空間内においてバイオマスを燃焼させた熱によってバイオマスをガス化する方法)と比較して格段にクリーンな生成ガスの製造が可能であるが、それでも、生成ガスには微量の煤(未ガス化炭素粒子等の固形物)及びタールが含まれるため、これらは、サイクロン等の固形物除去装置やスクラバー等のタール除去装置により除去される。
また、有機原料をガス化するための熱源を得るために、チップ状などの形態の有機物燃料を燃焼させることで高温の燃焼ガスを発生させる燃焼炉が使用されるが、本発明者らは、この燃焼炉についても、助燃料なしに高温で完全燃焼させることによってクリーンな高温の燃焼ガスを生成させることなどを目的として、種々の改善を図ってきた(特開2006−300501号、国際公開WO2009/038103号)。
本発明者らは、上記方法の実用性を確認するため、建築廃材系のチップ状有機物を燃料として使用する燃焼炉を含む実証プラントを製作し、実際の運転を実施した。その結果、概ね所期の目的を達し、生成ガスの性状など満足する結果を得たが、新たに、次のような要改善点・課題が明らかとなった。
すなわち、1)固形物除去装置及びタール除去装置で捕集されるスラッジ状の未ガス化炭素粒子及びタールが、プラント全体の熱効率を低下させること、2)この捕集されたスラッジ状の未ガス化炭素粒子は、含水分量も多く難燃性であり、タールもまた粘性が高く、容易には燃焼せず、処理が容易でないこと、3)燃料である有機物の種類によっては、その含有灰の融点が低く、燃焼炉の火格子上でクリンカーが発生することがあり、これは火格子の閉塞につながり長時間運転の支障となること、である。
本発明者らは、鋭意諸実験・考察を行うことにより上記課題を解決し得る以下の発明に至ったものである。
すなわち、
火格子上で有機物燃料を燃焼させることで発生させた燃焼ガスによってバイオマスなどの有機原料を加熱してガス化する生成ガスの製造方法であって、
前記火格子は、大きさを変化させることが可能な間隙を有しており、
前記火格子上で前記有機物燃料を燃焼させる際に前記間隙の大きさを必要頻度で変化させることを特徴とする生成ガスの製造方法、及び、
間隙が形成された火格子上で有機物燃料を燃焼させることで燃焼ガスを発生させる高温燃焼ガス発生装置であって、
前記間隙の大きさを変化させる手段を有することを特徴とする高温燃焼ガス発生装置、及び、
間隙が形成された火格子上で有機物燃料を燃焼させることで燃焼ガスを発生させる高温燃焼ガス発生装置であって、
前記間隙の大きさを変化させる手段を有する高温燃焼ガス発生装置と、
前記高温燃焼ガス発生装置により発生させた燃焼ガスによってバイオマスなどの有機原料を加熱してガス化するガス化反応装置を有することを特徴とする生成ガスの製造装置である。
火格子上で有機物燃料を燃焼させることで発生させた燃焼ガスによってバイオマスなどの有機原料を加熱してガス化する生成ガスの製造方法であって、
前記火格子は、大きさを変化させることが可能な間隙を有しており、
前記火格子上で前記有機物燃料を燃焼させる際に前記間隙の大きさを必要頻度で変化させることを特徴とする生成ガスの製造方法、及び、
間隙が形成された火格子上で有機物燃料を燃焼させることで燃焼ガスを発生させる高温燃焼ガス発生装置であって、
前記間隙の大きさを変化させる手段を有することを特徴とする高温燃焼ガス発生装置、及び、
間隙が形成された火格子上で有機物燃料を燃焼させることで燃焼ガスを発生させる高温燃焼ガス発生装置であって、
前記間隙の大きさを変化させる手段を有する高温燃焼ガス発生装置と、
前記高温燃焼ガス発生装置により発生させた燃焼ガスによってバイオマスなどの有機原料を加熱してガス化するガス化反応装置を有することを特徴とする生成ガスの製造装置である。
上記発明は、外熱方式(外部加熱空間と反応管壁により分離された反応空間内で、外部加熱空間から反応管壁を介して供給される熱により、バイオマス等の有機原料をガス化させる方式)の生成ガスの製造方法及び製造装置に特に好適に適用し得る。
本願において「バイオマス」は、生物由来の資源を意味する。好ましく使用できる「バイオマス」には、固体系の木本類、草木類、例えば、杉等の木質類、剪定枝、バーク、サトウキビ、ネピアグラス、稲藁等が含まれる。
本願において「生成ガス」は、バイオマス等の有機原料の分解や反応水等の改質剤との反応等により生成されるガスを意味する。「生成ガス」のうち、燃料として使用されるものを「ガス燃料」と呼び、液体燃料等の合成の原料として使用されるものを「合成ガス」と呼ぶ。
好ましい実施形態では、前記火格子が、断面形状が非円形の部分を有するシャフトを有し、前記シャフトを回転させることにより、前記間隙の大きさが変化する。
好ましい実施形態では、前記火格子は複数本のシャフトからなり、個々のシャフトを独立に回転させる。
好ましい実施形態では、前記生成ガスからスラッジ及び/又はタールを回収し、前記開口から炉底部に落下した未燃燃料とともに、前記スラッジ及び/又はタールを燃焼させる。
好ましい実施形態では、前記炉底部が、前記火格子の下方に位置する灰溜部と、前記灰溜部の側方に位置する補助火格子と、前記灰溜部に堆積した前記未燃燃料を前記補助火格子上に移動させる灰出機構を有し、前記スラッジ及び/又はタールを前記補助火格子上に供給して燃焼させる。
好ましい実施形態では、前記スラッジ及び/又はタールに所定量の有機物粉体を混合する。
図1は、好ましい実施形態に係る生成ガスの製造装置を含むプラント全体を示すものである。
バイオマス破砕物等のチップ状の形態を有する有機物燃料Tを高温燃焼ガス発生装置101で燃焼することにより発生させた例えば900℃以上の高温の燃焼ガスHは、高温燃焼ガス排気管109を介して、ガス化反応装置201へ送られる。
一方、粗粉砕バイオマス等の有機原料203及び水蒸気等の改質剤303は、それぞれ有機原料供給装置(スクリューフィーダー等)204及び改質剤供給装置(廃熱ボイラ等)301からガス化反応装置201に供給され、高温燃焼ガス発生装置101からの燃焼ガスHを熱源とする吸熱反応により有機原料203がガス化し、生成ガス210が生成される。
好ましい実施形態のガス化反応装置201では、有機原料203及び改質剤303が供給される反応管205内部の反応空間206と燃焼ガスHが供給される加熱空間207が反応管205の管壁により分離され、加熱空間207の燃焼ガスHが反応空間206に流入することが防止された外熱方式が採用される。外熱方式のガス化反応装置201では、反応空間206に供給された有機原料203及び改質剤303は、加熱空間207の燃焼ガスHから反応管205の管壁を介して伝達される輻射熱等を化学反応熱として吸収して化学反応(水蒸気改質反応)を起こし、H2、CO、CH4、C2H4、CO2などを含む生成ガス210を生成する。外熱方式のガス化反応装置201を用いた場合、部分酸化法(反応空間内においてバイオマスを燃焼させた熱によってバイオマス等の有機原料をガス化する方法)と比較して格段に煤やタール濃度の低い、クリーンな生成ガス210を生成することが可能である。ここで、煤は、未燃炭化水素粒子等を含む固形物であり、タールは、有機物を熱分解した時に生じる粘性のある褐色または黒色の油状液体であり、主成分は芳香族系の炭化水素とその誘導体で、コールタール・木タール・石油タールなどと同質のバイオマスタール状物質である。これらは、バイオマスのガス化では特に生じやすく、プラントの配管の低温部に付着したり、後続プロセスに障害を与えたりするので、極力低減する必要があるものである。
図示のガス化反応装置201では、反応管205は、1次ガス化反応管208及び2次ガス化反応管209で構成されている。1次ガス化反応管208では、上部からガス化原料となる有機原料203が落下供給され、底部から燃焼ガスHを利用して改質剤供給装置301で発生させた反応水302の過熱水蒸気である改質剤303が供給され、1次ガス化反応管208内部の反応空間206で、上記反応により生成ガス210を生成する。
1次ガス化反応管208でガス化された生成ガス210は若干の煤・タールを残すことがあるため、2次ガス化反応管209内部の反応空間206において、煤・タールの残分をガス化剤によって再分解・ガス化させ、よりクリーンな生成ガス210に仕上げる。1次ガス化反応管208と2次ガス化反応管209は熱輻射遮断を目的とした耐熱隔壁212で区切られ、1次ガス化反応管208の周囲を高温に維持する。燃焼ガスHは、まず1次ガス化反応管208を加熱し、その次に2次ガス化反応管209を加熱する。2次ガス化反応管209の温度は1次ガス化反応管208よりも若干温度が低くて良いので、生成ガス210の水素成分を増やすために1次ガス化反応管208の温度をより高く維持したいときに特に効果がある。
ガス化反応装置201で生成された生成ガス210は、廃熱回収の熱交換器401、灰・煤を除去するためのサイクロン等の固形物除去装置402、水スプレー式のスクラバー等のタール除去装置403及び押込通風機404を介してガスタンク405に送られる。
ガスタンク405に貯えられた生成ガス210及び押込通風機404から直接送られる生成ガス210は、エンジン発電やタービン発電などで石油代替の燃料ガスとして利用され、液体燃料等を合成するための合成ガスとして利用され得る。
ガス化反応装置201でガス化反応に利用された燃焼ガスHは、廃熱ボイラ301で過熱水蒸気を発生させたあと誘引通風機305によって煙突307より大気に放出されるが、大気放出の前にさらに他の装置にて熱を再利用してもよい。
なお、図において、106,107,108は、高温燃焼ガス発生装置101に導入する燃焼用空気であり、110は、これらの燃焼用空気の予熱装置である。211は、1次ガス化反応管208からの水蒸気が有機原料ホッパー202に侵入することを防ぐための粗粉併走ガスである。
図2、3は、図1の生成ガスの製造装置に使用される例示的な高温燃焼ガス発生装置101を示す説明図である。
図示のように、高温燃焼ガス発生装置101は、有機物燃料供給装置10,燃焼室11,火格子12,炉底部13を有し、有機物燃料供給装置10から供給されるチップ等の形態の有機物燃料Tは、火格子12上でT1として示すように堆積して燃焼し、燃焼により生じた例えば1000℃の高温の燃焼ガスHは、火格子12に形成された間隙(通気孔)34を通って炉底部13に形成された高温燃焼ガス排気管109から取り出されてガス化反応装置201に送られる。燃焼用空気106,107は、燃焼室11及び炉底部13に設けられた空気取入口14,15から供給される。
火格子12には、間隙34が形成されており、火格子12上の有機物燃料Tが燃焼することにより生じる灰は、間隙34から炉底部13に落下する。火格子12の間隙34は、その大きさを変更できるように構成されており、適時、間隙34を拡大/縮小させることにより、有機物燃料Tの燃焼により生じるクリンカー等による火格子12の閉塞を解消するとともに、適切な量の未燃燃料(完全に燃え切っていない有機物燃料T)を燃焼灰とともに炉底部13に落下させることが可能である。
炉底部13には、灰溜部16,灰出機構17,補助燃焼室18,補助燃焼部19,補助燃焼炉底部21が設けられ、図2に示すように、火格子12から落下する未燃燃料及び灰T2は灰溜部16に堆積する。この未燃燃料及び灰T2は、適時、灰出機構17のプッシャー17a及び灰出ブロック17bにより、図3に示すように、灰溜部16の側方に位置する補助燃焼部19上に供給される。
補助燃焼部19の上方には、スラッジホッパ22a及びスクリューフィーダ22bを有するスラッジ供給機構22が設けられ、固形物除去装置402,タール除去装置403等で回収されたスラッジ又はタール又はその混合物(「スラッジ/タールS」という)は、スラッジホッパ22a及びスクリューフィーダ22bを経てS1(図3)に示すように落下し、S2(図3)に示すように未燃燃料及び灰T2上に供給される。スラッジ/タールSの供給は、補助燃焼部19上での未燃燃料及び灰T2の量及び/又は燃焼状態、及び/又は、補助燃焼室18の温度t2に応じた適切な量及びタイミングで行われる。
ここで、固形物除去装置402より回収した未ガス化炭素粒子を含むスラッジ、及び,タール除去装置403で回収したタールは難燃性であるため、スラッジ/タールSに対して有機物の粉体を10〜70重量%の割合で混合して利用することがより望ましい。混合する有機物粉体は、例えば、有機原料203として使用されるバイオマスの粉砕時に発生し、除塵装置で排出される微粉末を廃棄せずに利用するといったことが可能であり、本発明者の実験では有機物粉体の混合割合を30〜40重量%として良好な結果を得られた。
補助燃焼部19上に供給されたスラッジ/タールSは、補助燃焼炉底部21に形成された空気取入口23及び補助燃焼部19に形成された間隙(通気孔)20から燃焼用空気108が供給されることにより、未燃燃料及び灰T2とともに完全燃焼し、これにより生じた燃焼ガスは、火格子12での有機物燃料Tの燃焼で生じた燃焼ガスHとともに、ガス化反応装置201に送られる。
本実施形態では、固形物除去装置402,タール除去装置403等で回収したスラッジ/タールSの燃焼による好適な処理が実現でき、及び/又は、その燃焼によって燃焼ガスHの発生に寄与することでエネルギー効率を改善するなどの効果が達成される。また、スラッジ/タールSの燃焼は、火格子12の直下ではなく、その側方に配置された補助燃焼部19上で行われる。そのため、火格子12上での安定燃焼に与える影響を最小限にしてスラッジ/タールSの燃焼を行うことが可能である。
補助燃焼部19で燃焼した残渣は補助燃焼部19の間隙20より補助燃焼炉底部21の灰出ダンパ24に落下、堆積し、灰出ダンパ24を適時に開閉することで、灰出タンク25に灰T3として堆積し、適時に外部へ排出される。
図4、5は、好ましい実施形態の火格子12を詳細に示したものである。図4は、火格子12周辺の構造を平面視で示し、図5は、火格子12の動作メカニズムを側面視で示す。
図示のように、本実施形態の火格子12は、一点鎖線で示す軸周りで回転可能な断面形状が円形の複数のシャフト31を有する。シャフト31は、偶数本目のシャフト(第1のシャフト)31Aと奇数本目のシャフト(第2のシャフト)31Bに組分けされており、各組のシャフト31A,31Bは、それぞれ別個の駆動装置(40A,40B)により駆動される。
各シャフト31の外周には、左右方向に延びる1又は複数の突起32形成されており、当該突起32が形成された部分では、シャフト31の断面形状は非円形である。突起32は、好ましくは、隣接するシャフト31の突起32同士が交互にはまり合う(互い違いになる)ように配置され、燃焼室11の側壁のうち、両端のシャフト31に隣接する側壁11a,11bにも同様の突起33が形成され、突起33は、両端のシャフト31の突起32と交互にはまり合うように配置される。
このような配置の突起32,33を有することにより、隣接するシャフト31或いは両端のシャフト31と側壁11a,11bの間に適切な大きさ及び形状の間隙34が形成され、これにより、有機物燃料Tが火格子12から落下することなく火格子12上で十分燃焼できるようにするため保持性と、燃焼に必要な空気の供給を行うための通気性を両立することが可能である。間隙34の大きさは、有機物燃料Tの大きさにより決定されるが、本発明者の実験によれば、有機物燃料Tの供給サイズがXmmメッシュのときに間隙34の幅DがX/8mm〜X/2mmで好適な結果が得られた。例えば、有機物燃料Tの供給サイズが40mmメッシュかそれより少し小さい程度のときの好ましい間隙34の幅Dは5mm〜20mmである。
次に、火格子12の動作について説明する。
本実施形態の高温燃焼ガス発生装置101は、シャフト31を回転させるための駆動装置として、2台のアクチュエータ40A,40Bを有する。各アクチュエータ40A,40Bの駆動ロッド41A,41Bには、スライドブロック42A,42Bが取り付けられ、スライドブロック42A,42Bの溝内にガイドされて移動可能なスライダ43A,43B(図5)に揺動ロッド44A,44Bが取り付けられている。
一方、各シャフト31には、燃焼室11の側壁に回転自在に支持されて燃焼室11の外部に延出する延長部35,36が設けられ、第1のシャフト31A及び第2のシャフト31Bは、それぞれ、延長部35に回転自在に取り付けられた揺動バー37(図5)及びピン38を介して揺動ロッド44A,44Bに接続されており、アクチュエータ40A,40Bの駆動により図5の実線で示す状態から破線で示す状態にスライドブロック42A,42B、スライダ43A,43B、揺動ロッド44A,44B及び揺動バー37を移動させることで、第1のシャフト31Aと第2のシャフト31Bを独立に回転させることが可能である。
図6は、アクチュエータ40A,40Bの駆動により火格子12が動作する態様を示す。
図6(A)は、すべてのシャフト31が回転していない状態であり、この状態では、突起32が水平で間隙34が最小である。図6(B)は、すべてのシャフト31を回転させて間隙34を最大にした状態、図6(C)は、第1と第2のシャフト31A,31Bのいずれか一方のみを回転させた状態である。
上記実施形態の高温燃焼ガス発生装置101では、通常の燃焼状態で運転中は、火格子12上での有機物燃料Tの保持性の高い図6(A)の状態とし、廃溶融物(クリンカー)等による開口34の閉塞が発生した場合などにシャフト31を図6(A)又は図6(B)の状態に回転させて閉塞を解消して通気を確保し、燃焼安定性を高めることが可能である。加えて、図6(C)のように、第1と第2のシャフト31A,31Bのいずれか一方のみを回転させることで、閉塞解消の際の有機物燃料Tの落下を必要最小限にすることも可能である。
上記実施形態では、シャフト31を2組に分けてそれぞれ独立に回転できる場合を説明したが、3組以上に分けてそれぞれが独立に回転できるようにしても良く、或いは、組分けをせずにすべてのシャフト31が同時に又は各本が独立して回転できるようにしても良い。また、上記実施形態では、すべてのシャフト31が回転可能な場合を説明したが、例えば、第1と第2のシャフト31A,31Bのいずれか一方のみを回転可能にし、他方のシャフト31A,31Bを固定にするなど、一部のシャフト31のみを回転可能にしても良い。上記いずれの場合も、上記実施形態と同様またはそれに準じる効果を達成できる。また、図では、シャフト31の回転角度を約45度で示しているが、回転角度は、0〜360度の範囲で任意に設定することが可能である。
火格子12は、1000℃以上の高温燃焼雰囲気にさらされること、及び、本実施形態ではシャフト31の揺動機構が設けられていることから、揺動機構の保護のための冷却を行うことが好ましい。このため、本実施形態では、シャフト31及び延長部35,36を中空のパイプで形成し、ヘッダ45、ホース46、延長部35、シャフト31、延長部36、ホース47、ヘッダ48の経路で冷却水が供給される。なお、冷却は冷却水でなく、空冷でもよい。
駆動装置によるシャフト31の回転制御は、手動で行うことも可能であるが、コンピュータ等の制御装置を用いた自動制御を行うことも可能である。本実施形態の高温燃焼ガス発生装置101では、火格子12の上部で燃焼し、燃焼ガスは、火格子12の間隙34を通って炉底部13に通風されため、火格子12が閉塞すると、燃焼室11の温度t及び圧力pが上昇する。このため、シャフト31の回転制御は、下記(1)〜(3)に示す態様で行うことが可能である。
(1)シャフト31を連続的に(常時)揺動往復動させる。または、タイマを用いて所定の設定時間毎に揺動させる。この場合、シャフト31を組毎に揺動させてもよく、すべてのシャフト31を同時に揺動させても良い。
(2)燃焼室11の温度t及び/又は圧力pを測定し、温度t及び/又は圧力pが規定値を越えた場合に全部又は一部のシャフト31を揺動させる。本発明者の実験では、温度tの規定値を1000〜1200℃、圧力pの規定値を−0.5〜0Kpaに設定し、温度tあるいは圧力pが規定値を一定時間超える毎に、第1のシャフト31Aと第2のシャフト31Bを交互に自動的に揺動させる(最初に規定値を越えたときに第1のシャフト31Aを揺動させ、次に規定値を越えたときに第2のシャフト31Bを揺動させる)制御を行うことで、安定した燃焼を実現できた。
(3)(1)と同様にしてタイマを用いて所定の設定時間毎にシャフト31を揺動させる。それに加えて、(2)と同様にして、温度t及び/又は圧力pが規定値を越えた場合にはシャフト31を揺動させる。
(1)シャフト31を連続的に(常時)揺動往復動させる。または、タイマを用いて所定の設定時間毎に揺動させる。この場合、シャフト31を組毎に揺動させてもよく、すべてのシャフト31を同時に揺動させても良い。
(2)燃焼室11の温度t及び/又は圧力pを測定し、温度t及び/又は圧力pが規定値を越えた場合に全部又は一部のシャフト31を揺動させる。本発明者の実験では、温度tの規定値を1000〜1200℃、圧力pの規定値を−0.5〜0Kpaに設定し、温度tあるいは圧力pが規定値を一定時間超える毎に、第1のシャフト31Aと第2のシャフト31Bを交互に自動的に揺動させる(最初に規定値を越えたときに第1のシャフト31Aを揺動させ、次に規定値を越えたときに第2のシャフト31Bを揺動させる)制御を行うことで、安定した燃焼を実現できた。
(3)(1)と同様にしてタイマを用いて所定の設定時間毎にシャフト31を揺動させる。それに加えて、(2)と同様にして、温度t及び/又は圧力pが規定値を越えた場合にはシャフト31を揺動させる。
また、スラッジ/タールSの燃焼には、未燃燃料が必要であるため、未燃燃料及び灰T2が補助燃焼部19上に存在することを確認して供給されるべきである。したがって、シャフト31の揺動動作後、及び/又は、プッシャー17a作動後であること、及び/又は、補助燃焼室18の温度t2が規定値以上であることを条件にスラッジ供給機構22を動作させることが好ましい。また、スラッジ供給機構22からのスラッジ/タールSの供給速度を補助燃焼部19上の未燃燃料及び灰T2の量または補助燃焼室18の温度t2に比例して設定することが好ましい。このような制御を行うため、コンピュータ等の制御装置によりスラッジ供給機構22の制御を行うことが好ましい。
本発明は、高温燃焼ガスの円滑な発生、及び/又は、これにより発生させた高温燃焼ガスを用いた生成ガスの製造方法及び製造装置に利用することが可能である。
10・・・有機物燃料供給装置、11・・・燃焼室、12・・・火格子、13・・・炉底部、14,15・・・空気取入口、16・・・灰溜部、17・・・灰出機構、18・・・補助燃焼室、19・・・補助燃焼部、20・・・間隙、21・・・補助燃焼炉底部、22・・・スラッジ供給機構、23・・・空気取入口、24・・・灰出ダンパ、25・・・灰出タンク、31・・・シャフト、32,33・・・突起、34・・・間隙、35,36・・・延長部、37・・・揺動バー、38・・・ピン、45,48・・・ヘッダ、46,47・・・ホース、40A,40B・・・アクチュエータ、41A,41B・・・駆動ロッド、42A,42B・・・スライドブロック、43A,43B・・・スライダ、44A,44B・・・揺動ロッド、101・・・高温燃焼ガス発生装置、106・・・一次空気、107・・・二次空気、108・・・三次空気、109・・・高温燃焼ガス排気管、110・・・集塵機、201・・・ガス化反応装置、202・・・有機原料ホッパー、203・・・有機原料、205・・・反応管、206・・・反応空間、207・・・加熱空間、208・・・1次ガス化反応管、209・・・2次ガス化反応管、210・・・生成ガス、212・・・耐熱隔壁、301・・・改質剤供給装置、302・・・反応水、303・・・改質剤、305・・・誘引通風機(IDF)、307・・・排気煙突、401・・・熱交換器、402・・・固形物除去装置、403・・・タール除去装置、404・・・押込通風機、405・・・ガスタンク、H・・・燃焼ガス、T・・・有機物燃料、S・・・スラッジ/タールの混合燃料またはこれにバイオマスを混合した燃料、Ss・・・排出スラッジ、St・・・排出タール
Claims (8)
- 火格子上で有機物燃料を燃焼させることで発生させた燃焼ガスによってバイオマスなどの有機原料を加熱してガス化する生成ガスの製造方法であって、
前記火格子は、大きさを変化させることが可能な間隙を有しており、
前記火格子上で前記有機物燃料を燃焼させる際に前記間隙の大きさを必要頻度で変化させることを特徴とする生成ガスの製造方法。 - 前記火格子が、断面形状が非円形の部分を有するシャフトを有し、
前記シャフトを回転させることにより、前記間隙の大きさが変化することを特徴とする請求項1に記載の生成ガスの製造方法。 - 前記火格子が、前記シャフトを複数有し、個々の前記シャフトを独立に回転させることを特徴とする請求項2に記載の生成ガスの製造方法。
- 前記生成ガスからスラッジ及び/又はタールを回収し、
前記開口から炉底部に落下した未燃燃料とともに、前記スラッジ及び/又はタールを燃焼させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の生成ガスの製造方法。 - 前記炉底部が、
前記火格子の下方に位置する灰溜部と、
前記灰溜部の側方に位置する補助燃焼部と、
前記灰溜部に堆積した前記未燃燃料を前記補助燃焼部上に移動させる灰出機構を有し、
前記スラッジ及び/又はタールを前記補助燃焼部上に供給して燃焼させることを特徴とする請求項4に記載の生成ガスの製造方法。 - 前記スラッジ及び/又はタールに所定量の有機物粉体を混合することを特徴とする請求項4又は5に記載の生成ガスの製造方法。
- 間隙が形成された火格子上で有機物燃料を燃焼させることで燃焼ガスを発生させる高温燃焼ガス発生装置であって、
前記間隙の大きさを変化させる手段を有することを特徴とする高温燃焼ガス発生装置。 - 間隙が形成された火格子上で有機物燃料を燃焼させることで燃焼ガスを発生させる高温燃焼ガス発生装置であって、
前記間隙の大きさを変化させる手段を有する高温燃焼ガス発生装置と、
前記高温燃焼ガス発生装置により発生させた燃焼ガスによってバイオマスなどの有機原料を加熱してガス化するガス化反応装置を有することを特徴とする生成ガスの製造装置。
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JP2012284001A JP2014125578A (ja) | 2012-12-27 | 2012-12-27 | 生成ガスの製造方法、製造装置及び高温燃焼ガス発生装置 |
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CN106765165A (zh) * | 2017-01-13 | 2017-05-31 | 安徽未名鼎和环保有限公司 | 一种气、固多级处理的垃圾焚烧处理方法 |
CN106989395A (zh) * | 2017-03-31 | 2017-07-28 | 云南清洁能源科技有限公司 | 一种垃圾焚烧炉炉排 |
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- 2012-12-27 JP JP2012284001A patent/JP2014125578A/ja active Pending
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