JP6611290B2 - ガスクロミック調光素子及びその製造方法、ガスクロミック調光部材並びに複層ガラス - Google Patents

ガスクロミック調光素子及びその製造方法、ガスクロミック調光部材並びに複層ガラス Download PDF

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Description

本発明は、ガスクロミック調光素子、ガスクロミック調光素子の製造方法、ガスクロミック調光部材及び複層ガラスに関する。
一般に、建物において、窓は、光及び熱が出入りする割合が大きい場所になっている。例えば、冬の暖房時に、窓から光及び熱が流出する割合は、5割程度であり、夏の冷房時に、窓から光及び熱が流入する割合は、7割程度である。したがって、窓における光及び熱の出入りを適切に制御することにより、膨大な省エネルギー効果を得ることができる。調光ガラスは、このような目的で開発されたものであり、光及び熱の流入及び流出を制御する機能を有している。
調光ガラスには、いくつかの種類がある。それらのうち、電流及び電圧の印加により、可逆的に光透過率が変化するガラスをエレクトロクロミック調光ガラスといい、温度により、可逆的に光透過率が変化するガラスをサーモクロミック調光ガラスといい、雰囲気ガスにより、可逆的に光透過率が変化するガラスをガスクロミック調光ガラスという。
この中でも、調光層に酸化タングステン(WO)薄膜を用いたエレクトロクロミック調光ガラスは、研究が最も進んでおり、現在、ほぼ実用化段階に達しており、市販品も出されている。
しかしながら、エレクトロクロミック調光ガラスは、十分な光学特性を得るために、調光素子を5層程度の多層薄膜構造にする必要があり、透明導電膜のコストが非常に高くなってしまうという問題がある。
これに対して、ガスクロミック調光ガラスは、エレクトロクロミック調光ガラスに比べて、構造が複雑ではないので、低コストで製造することが可能な調光ガラスとして期待されており、調光素子の材料や調光ガラスの構造について、各種検討がなされてきた。
特許文献1には、マグネシウム・ジルコニウム合金薄膜を調光層として用いた多層薄膜から成る反射型調光薄膜材料が開示されている。ここで、反射型調光薄膜材料は、調光層の表面に、触媒層が形成されている構造、あるいは、触媒層の上に、更に、保護層が形成されている構造を有する。また、反射型調光薄膜材料は、室温の20℃付近で、水素化によって無色透明状態になるクロミック特性を有し、室温の20℃付近で、脱水素化によって鏡状態になるクロミック特性を有する。
特許文献2には、透明基材に、多層薄膜を形成した薄膜素子であり、水素を含むガスにより鏡状態から透明状態に変化し、また、酸素を含むガスにより透明状態から鏡状態に変化する調光ミラー材料が開示されている。ここで、多層薄膜は、調光層、バッファ層、及び触媒層から成る。また、調光層として、Y−Mg、La−Mg、Gd−Mg、もしくはSm−Mgの希土類・マグネシウム合金、又は、Mg−Ni、Mg−Mn、Mg−Co、もしくはMg−Feのマグネシウム・遷移金属合金薄膜が形成されている。
非特許文献1には、酸化タングステン(WO)を用いた調光材料が開示されている。
特開2010−78890号公報 特開2007−301778号公報
Gasochromic windows, V. Wittwer, M. Datz, J. Ell, A. Georg, W. Graf et al., Solar Energy Materials and Solar Cells vol. 84 p. 305-314 (2004).
しかしながら、ガスクロミック調光ガラスの調光素子の材料は、W、Ni、V、In等の金属の酸化物、金属合金等の無機材料が主流であるため、色の変化は、主に、無色と青色の間、無色と褐色の間、透明状態と鏡状態の間であり、少ない。
本発明の一態様は、色の変化を多様にすることが可能なガスクロミック調光素子を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、雰囲気ガスとの酸化還元反応により、可逆的に光透過率が変化するガスクロミック調光素子であって、エレクトロクロミック有機ポリマーと、該エレクトロクロミック有機ポリマーの酸化還元反応の触媒として機能するナノ粒子を含有し、還元ピーク電位が−0.6V vs Ag/AgNO以上に存在し、酸化ピーク電位が+0.3V vs Ag/AgNO以下に存在し、前記エレクトロクロミック有機ポリマーは、一般式
Figure 0006611290
(式中、R 、R 、R 及びR は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1以上20以下のアルキル基、炭素原子数が1以上20以下のアルコキシ基、炭素原子数が1以上20以下のアルキルエステル基、アリール基、置換基を有していてもよいアミノ基又はシアノ基である。)
で表される構成単位、一般式
Figure 0006611290
(式中、R 及びR は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1以上20以下のアルキル基、炭素原子数が1以上20以下のアルコキシ基、炭素原子数が1以上20以下のアルキルエステル基、アリール基、置換基を有していてもよいアミノ基又はシアノ基である。)
で表される構成単位、又は、一般式
Figure 0006611290
(式中、R 及びR は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1以上20以下のアルキル基、炭素原子数が1以上20以下のアルコキシ基、炭素原子数が1以上20以下のアルキルエステル基、アリール基、置換基を有していてもよいアミノ基又はシアノ基である。)
で表される構成単位を有する
本発明の他の一態様は、雰囲気ガスとの酸化還元反応により、可逆的に光透過率が変化するガスクロミック調光素子であって、エレクトロクロミック有機ポリマーと、該エレクトロクロミック有機ポリマーの酸化還元反応の触媒として機能するナノ粒子を含有し、還元ピーク電位が−0.6V vs Ag/AgNO 以上に存在し、酸化ピーク電位が+0.3V vs Ag/AgNO 以下に存在し、前記エレクトロクロミック有機ポリマーは、アニリン由来の構成単位、3,4−エチレンジオキシチオフェン由来の構成単位、又は、3,4−プロピレンジオキシチオフェン由来の構成単位を有する。

本発明の一態様によれば、色の変化を多様にすることが可能なガスクロミック調光素子を提供することができる。
本実施形態のガスクロミック調光素子の一例を示す図である。 図1のガスクロミック調光素子の作製方法の一例を示す図である。 本実施形態のガスクロミック調光部材の一例を示す図である。 本実施形態の複層ガラスの一例を示す図である。 実施例1のガスクロミック調光素子のFT−IRスペクトルである。 実施例1のガスクロミック調光素子膜のサイクリックボルタモグラムである。 実施例1の複層ガラスの光透過率を測定する光学装置を示す概略図である。 実施例1の複層ガラスの光透過スペクトルである。 実施例1の複層ガラスのガス充填室の雰囲気の変化と光透過率の変化の関係を示す図である。 実施例1の複層ガラスのガス充填室の雰囲気の変化と光透過率の変化の関係を示す図である。 実施例7のガスクロミック調光素子のFT−IRスペクトルである。 実施例7のガスクロミック調光素子膜のサイクリックボルタモグラムである。 実施例7の複層ガラスのガス充填室の雰囲気の変化と光透過率の変化の関係を示す図である。 比較例3の調光素子膜のサイクリックボルタモグラムである。
次に、本発明を実施するための形態を説明するが、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
[ガスクロミック調光素子]
図1に、本実施形態のガスクロミック調光素子の一例を示す。
ガスクロミック調光素子1は、雰囲気ガスとの酸化還元反応により、可逆的に光透過率が変化する、即ち、無色(透明)状態と着色状態の間で、可逆的に変化する。ここで、ガスクロミック調光素子1は、エレクトロクロミック有機ポリマー1aの表面に、ナノ粒子1bが付着している。また、ナノ粒子1bは、エレクトロクロミック有機ポリマー1aの酸化還元反応の触媒として機能する。
なお、無色(透明)及び着色状態は、それぞれエレクトロクロミック有機ポリマー1aの酸化状態及び還元状態、又は、還元状態及び酸化状態に対応する。
本実施形態において、波長が370〜2500nmの光の透過率が変化することにより、無色(透明)状態と着色状態が生じる。本実施形態においては、波長が700nmの光の透過率を測定することにより、無色(透明)状態と着色状態とを評価することができる。
ガスクロミック調光素子1は、還元ピーク電位が−0.6V vs Ag/AgNO以上に存在し、酸化ピーク電位が+0.3V vs Ag/AgNO以下に存在する。還元ピーク電位が−0.6V vs Ag/AgNO以上に存在しない場合、又は、酸化ピーク電位が+0.3V vs Ag/AgNO以下に存在しない場合は、ガスクロミック特性を有さないエレクトロクロミック調光素子となる。
なお、還元ピーク電位及び酸化ピーク電位は、サイクリックボルタンメトリー(CV)により測定することができる。
ガスクロミック調光素子1を、水素を含む雰囲気に曝すと、エレクトロクロミック有機ポリマー1aの表面に付着しているナノ粒子1bの触媒作用により、エレクトロクロミック有機ポリマー1aが還元されて、色が変化し、波長が400〜2500nmの範囲で、光の透過率が変化する。
このとき、水素を含む雰囲気と、エレクトロクロミック有機ポリマー1aの表面に付着しているナノ粒子1bの触媒作用により、以下の反応式が起こる。
→2H+2e(E=−0.6V vs Ag/AgNO
ここで、Eは、酸化還元電位であり、水素を含む雰囲気は、−0.6V vs Ag/AgNOの還元能を有する。
一方、空気中で、酸素と、エレクトロクロミック有機ポリマー1aの表面に付着しているナノ粒子1bの触媒作用により、以下の反応が起こる。
+2HO+4e→4OH(E=+0.3V vs Ag/AgNO
ここで、空気中の酸素は、+0.3V vs Ag/AgNOの酸化能を有する。
[ガスクロミック調光素子の製造方法]
図2に、ガスクロミック調光素子1の製造方法の一例を示す。
ガスクロミック調光素子1は、エレクトロクロミック有機ポリマー1aとナノ粒子1bを溶媒中で混合することにより製造することができる。
溶媒としては、特に限定されないが、水、メタノール、エタノール、有機溶剤等が挙げられる。中でも、水が好ましい。
[エレクトロクロミック有機ポリマー]
エレクトロクロミック有機ポリマーは、一般式
Figure 0006611290
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1以上20以下のアルキル基、炭素原子数が1以上20以下のアルコキシ基、炭素原子数が1以上20以下のアルキルエステル基、アリール基、置換基を有していてもよいアミノ基又はシアノ基である。)
で表される構成単位、一般式
Figure 0006611290
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1以上20以下のアルキル基、炭素原子数が1以上20以下のアルコキシ基、炭素原子数が1以上20以下のアルキルエステル基、アリール基、置換基を有していてもよいアミノ基又はシアノ基である。)
で表される構成単位、一般式
Figure 0006611290
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1以上20以下のアルキル基、炭素原子数が1以上20以下のアルコキシ基、炭素原子数が1以上20以下のアルキルエステル基、アリール基、置換基を有していてもよいアミノ基又はシアノ基である。)
で表される構成単位、一般式
Figure 0006611290
(式中、R、R10及びR11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1以上20以下のアルキル基、炭素原子数が1以上20以下のアルコキシ基、炭素原子数が1以上20以下のアルキルエステル基、アリール基、置換基を有していてもよいアミノ基又はシアノ基である。)
で表される構成単位、及び、一般式
Figure 0006611290
(式中、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1以上20以下のアルキル基、炭素原子数が1以上20以下のアルコキシ基、炭素原子数が1以上20以下のアルキルエステル基、アリール基、置換基を有していてもよいアミノ基又はシアノ基である。)
で表される構成単位からなる群より選択される一種以上を有することが好ましい。
乃至R13で表されるアルキル基は、直鎖状のものであってもよいし分岐状のものであってもよく、また環状のものでもよい。
乃至R13で表されるアルキル基は、炭素原子数が1以上6以下であることが好ましい。
乃至R13で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、ビシクロオクチル基、アダマンチル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、n−ブチル基又はヘキシル基が好ましく、メチル基又はエチル基がさらに好ましい。
なお、アルキル基に含まれる水素原子の少なくとも一部がフッ素原子により置換されていてもよい。
フッ素原子により置換されているアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
乃至R13で表されるアルコキシ基は、直鎖状のものであってもよいし、分岐状のものであってもよいし、環状のものであってもよい。
乃至R13で表されるアルコキシ基は、炭素原子数が1以上8以下であることが好ましい。
乃至R13で表されるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。中でも、メトキシ基、エトキシ基又はイソプロポキシ基が好ましく、メトキシ基又はイソプロポキシ基がさらに好ましい。
乃至R13で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、フルオランテニル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、ペリレニル基等が挙げられる。中でも、フェニル基が好ましい。
なお、アリール基は、炭素原子数が1以上8以下(好ましくは、炭素原子数が1以上4以下)のアルキル基、炭素原子数が1以上8以下(好ましくは、炭素原子数が1以上4以下)のアルコキシ基、アラルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基又は置換基を有していてもよいシリル基等の置換基により置換されていてもよい。
置換基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ベンジル基、ジメチルアミノ基、トリイソプロピルシリル基等が挙げられる。
乃至R13で表される複素環基としては、例えば、ピリジル基、インドリル基等が挙げられる。中でも、ピリジル基が好ましい。
エレクトロクロミック有機ポリマーは、アニリン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、ピロール及びチオフェンからなる群より選択される一種以上のモノマー由来の構成単位を有することが好ましい。
エレクトロクロミック有機ポリマーは、水溶性であることが好ましい。
エレクトロクロミック有機ポリマーの合成方法としては、特に限定されないが、化学酸化重合、重縮合、重付加、付加縮合、イオン重合、カチオン重合、アニオン重合等が挙げられる。
例えば、室温の反応槽中に、主成分としての、アニリン(ANI)と、副成分としてのポリ(4−スチレンスルホン酸)(PSS)と、1M塩酸と、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの水溶液とを混合することにより、PANI/PSSを合成することができる(例えば、Fabrication of Water-Dispersible Polyaniline-Poly(4-styrenesulfonate) Nanoparticles For Inkjet-Printed Chemical-Sensor Applications Jang, J.; Ha, J.; Cho, J. (2007), Advanced Materials vol. 19 (13) p.1772-1775.参照)。
エレクトロクロミック有機ポリマーに対するナノ粒子の質量比は、0.01%以上25%以下であることが好ましく、0.1%以上5%以下であることが好ましい。エレクトロクロミック有機ポリマーに対するナノ粒子の質量比が0.01%以上25%以下であると、ガスクロミック調光素子の色の変化を視認しやすくなる。
[ナノ粒子]
ナノ粒子を構成する材料としては、エレクトロクロミック有機ポリマーの酸化還元反応の触媒として機能すれば、特に限定されないが、パラジウム、パラジウム合金、白金、白金合金等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
ナノ粒子は、粒径のナノサイズ化に伴う表面積の増加により、通常の粒子と比較して、触媒能が劇的に向上する。
ナノ粒子の平均粒径は、1nm以上100nm以下であることが好ましい。
ナノ粒子は、表面に保護層が形成されていることが好ましい。
保護層は、水溶性高分子を含むことが好ましい。
水溶性高分子としては、特に限定されないが、ポリビニルピロリドン、ポリオール等が挙げられる。
ナノ粒子の合成方法としては、特に限定されないが、化学還元法、溶液法等が挙げられる(例えば、Synthesis of monodisperse Au, Pt, Pd, Ru and Ir nanoparticles in ethylene glycol、Bonet, F; Delmas, V; Grugeon, S; Herrera Urbina, R; Silvert, P-Y et al. (1999), Nanostructured Materials vol. 11 (8) p. 1277-1284.参照)。
例えば、150℃の反応槽中に、主成分としての、白金を含む金属化合物の水溶液と、保護層を構成する材料としての、水溶性高分子のエチレングリコール溶液とを反応させることにより、ナノ白金粒子を合成することができる。
ポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホン酸)(PANI/PSS)の表面にナノ白金粒子が付着しているガスクロミック調光素子(PANI/PSS−Pt)の場合、水素を含む雰囲気に曝すと、緑色から無色に変化する。
また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)の表面にナノ白金粒子が付着しているガスクロミック調光素子(PEDOT/PSS−Pt)の場合、水素を含む雰囲気に曝すと、無色から青色に変化する。
[ガスクロミック調光部材]
図3に、本実施形態のガスクロミック調光部材の一例として、ガスクロミック調光ガラス10を示す。
ガスクロミック調光ガラス10は、ガスクロミック調光素子1を含むガスクロミック調光素子膜2がガラス基材3上に形成されている。
ガスクロミック調光素子膜2の膜厚は、10nm以上1000μm以下であることが好ましい。ガスクロミック調光素子膜2の膜厚が10nm以上1000μm以下であると、ガスクロミック調光素子膜2の色の変化を視認しやすくなる。
ガスクロミック調光素子膜2は、湿式塗布法により形成することができる。これにより、表面積が大きいガスクロミック調光素子膜2も高速で形成することができる。また、高価な真空装置等を用いないため、従来の無機材料や金属を用いる場合に比べて、非常に低コストで、ガスクロミック調光ガラス10を製造することが可能となる。
湿式塗布法としては、特に限定されないが、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ドロップコート法等が挙げられる。
なお、塗布膜中の溶媒を除いてガスクロミック調光素子膜2としても良いし、塗布膜中の溶媒を除かずにガスクロミック調光素子膜2としても良い。
ガラス基材3を構成する材料としては、可視光を透過すれば、特に限定されないが、石英、サファイア、ニオブ酸リチウム等の酸化物等が挙げられる。
ガラス基材3の代わりに、プラスチック基材等の透明基材を用いてもよい。
プラスチック基材を構成する材料としては、可視光を透過すれば、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル樹脂等が挙げられる。
プラスチック基材として、セロハンテープを用いてもよい。
透明基材の形状としては、特に限定されないが、板状、シート状等が挙げられる。
[複層ガラス]
図4に、本実施形態の複層ガラスの一例を示す。
複層ガラスは、2枚のガラス基材3、4の間に、ガスクロミック調光素子膜2が形成されており、開口部がシール部材5により封止されている。
ガス充填室Sには、予めアルゴンガスが封入されており、雰囲気制御器60により、水素、酸素又は空気を給排気することができる。例えば、雰囲気制御器60は、水を電気分解して水素又は酸素をガス充填室Sに給気し、真空ポンプを用いて、ガス充填室Sから水素又は酸素を排気する。
水素がガス充填室Sに給気されると、ガスクロミック調光素子膜2が還元されて、色が変化する。例えば、酸化すると、着色するエレクトロクロミック有機ポリマーを含むガスクロミック調光素子膜2は、水素を給気すると、無色になる。一方、還元すると、着色するエレクトロクロミック有機ポリマーを含むガスクロミック調光素子膜2は、水素を給気すると、着色する。
また、酸素又は空気がガス充填室Sに給気されると、ガスクロミック調光素子膜2が酸化されて、元の状態になる。
したがって、ガス充填室Sの雰囲気を雰囲気制御器60により制御することにより、ガスクロミック調光素子膜2は、還元状態と酸化状態との間で可逆的に制御することができる。また、雰囲気制御器60による給排気を中断すると、還元状態又は酸化状態を保つことができる。これにより、ガスクロミック方式で調光することが可能な複層ガラスが得られる。
現在、住宅における複層ガラスの普及が進んできており、新築の家では、複層ガラスを使うことが主流になりつつある。複層ガラスの内側にガスクロミック調光素子を備えることで、内部の空間をスイッチング用のガス充填室Sとして利用することができる。
さらに、還元状態のガスクロミック調光素子膜2は、酸素又は空気の代わりに、オゾン(O)を給気すると、高速で酸化状態に戻すことができる。
(実施例1)
<PANI/PSSの合成>
純度が97.0%のアニリン(CNH)1.0mlと、ポリ(4−スチレンスルホン酸)(PSS)2.0gと、1.0M塩酸(HCl)30mlを撹拌しながら3時間混合し、混合液を得た。
0.5Mペルオキソ二硫酸アンモニウム((NH)(APS)水溶液5.0mlと、混合液を撹拌しながら混合し、室温で約1時間反応させると、緑色のPANI/PSSの沈澱が生成した。次に、15000rpmで遠心分離した後、3回水洗し、PANI/PSSを回収した。
PANI/PSSは、酸化すると、緑色になり、還元すると、無色になるエレクトロクロミック有機ポリマーである。
PANI/PSSの合成化学反応式を以下に示す。
Figure 0006611290
<ナノ白金粒子の合成>
塩化白金(IV)(HPtCl)50mgと、水10mlと、ポリビニルピロリドン(PVP)20mgと、1.5M水酸化ナトリウム(NaOH)エチレングリコール溶液40mlを撹拌しながら混合した後、150℃で2時間反応させ、ナノ白金粒子の分散液を得た。このとき、反応前の液は、薄い黄色を呈しているが、ナノ白金粒子が生成すると、液は、濃い茶色に変化した。粒径分布分析装置Photal ELSZ−1000(大塚電子社製)を用いて、ナノ白金粒子の平均粒径を測定したところ、1.5nmであった。
ナノ白金粒子の合成化学反応式を以下に示す。
2(CHOH)→2CHCHO+2HO・・・(1)
2CHCHO+Pt4++5OH+HO→CHCOO+6HO+Pt・・・(2)
<ガスクロミック調光素子の作製>
PANI/PSS1.0gと、水50mlと、ナノ白金粒子の分散液3mlを3時間撹拌しながら混合した。次に、15000rpmで遠心分離した後、3回水洗し、PANI/PSSの表面にナノ白金粒子が付着しているガスクロミック調光素子(PANI/PSS−Pt)を回収した。原料から計算すると、PANI/PSSに対するナノ白金粒子の質量比が0.5%である。
FT−IR装置Frontier フーリエ変換近赤外/中赤外/遠赤外分光分析装置(パーキンエルマージャパン社製)を用いて、PANI/PSS−PtのFT−IRスペクトルを測定した。
図5に、PANI/PSS−PtのFT−IRスペクトルを示す。
図5から、PANI/PSS−Ptに起因する吸収ピーク(668cm−1、1031cm−1、1004cm−1、1154cm−1、1121cm−1、1303cm−1、2857cm−1、2930cm−1、3343cm−1)が観測されることがわかる。
表1に、PANI/PSS−Ptに起因する吸収ピークの帰属を示す。
Figure 0006611290
<ガスクロミック調光ガラスの作製>
<ガスクロミック調光素子の作製>において、PANI/PSS−Ptを回収せずに、水で希釈し、PANI/PSS−Ptの10質量%水分散液を得た。
PANI/PSS−Ptの水分散液200μlを3cm×3cmのシリカガラス基板上にドロップコートし、膜厚が5μmのガスクロミック調光素子(PANI/PSS−Pt)膜を形成し、ガスクロミック調光ガラスを得た。PANI/PSS−Pt膜は、緑色の均一な膜となった。
<ガスクロミック調光素子の電気化学特性>
PANI/PSS−Ptの水分散液200μlを3cm×3cmのITO膜付きガラス基板のITO膜上にドロップコートし、膜厚が5μmのガスクロミック調光素子(PANI/PSS−Pt)膜を形成した。PANI/PSS−Pt膜を作用電極とし、銀−硝酸銀電極を参照電極とし、白金線を対極とした三極式セルで、0.1Mの過塩素酸テトラブチルアンモニウム(TBAClO )と10mMの塩酸とを電解質とし、炭酸プロピレン溶液中で、CVを実施した。PANI/PSS−Pt膜は、炭酸プロピレンに不溶である。
図6に、PANI/PSS−Pt膜のサイクリックボルタモグラムを示す。
図6から、波形は、表面吸着波となっており、PANI/PSS−Pt膜が炭酸プロピレン溶液中で安定に存在していることを示唆している。また、酸化ピーク電位が−0.2V vs Ag/AgNO、+0.2V vs Ag/AgNO、+0.8V vs Ag/AgNOに存在した。一方、還元ピーク電位が−0.3V vs Ag/AgNO、0.0V vs Ag/AgNO、+0.5V vs Ag/AgNOに存在した。それらは、PANI/PSSの酸化還元対に帰属される。
以上のことから、PANI/PSS−Pt膜は、還元ピーク電位が−0.6V vs Ag/AgNO以上に存在し、酸化ピーク電位が+0.3V vs Ag/AgNO以下に存在することがわかる。
<複層ガラスの光透過特性>
ガスクロミック調光ガラス及びガラス基材を有する複層ガラスの酸化状態及び還元状態の光透過率を、図7に示す光学装置を用いて測定した。
光学装置は、光源70と分光光度計80で構成され、光源70と分光光度計80の間に、ガスクロミック調光ガラス10のガスクロミック調光素子膜2がガラス基材4に対向するように配置した後、開口部がシール部材5により封止されており、複層ガラスの光透過率を測定する。このとき、ガス充填室Sにガスを給排気するために、給排気器60が設置されている。
図8に、複層ガラスの光透過スペクトルを示す。
ここで、酸化状態及び還元状態における光透過スペクトルは、それぞれ空気及び水素の含有量が4%である雰囲気(以下、水素雰囲気という)をガス充填室Sに室温で5分間給気した後、室温で測定した。
このとき、ガラス基材4として、シリカガラス基板を用いた。また、分光光度計80として、U−4100(日立製作所社製)を用い、検出器として、USB4000(Ocean optics社製)を用いた。
図8から明らかなように、複層ガラスは、酸化状態及び還元状態で、波長が700nmの光の透過率が大きく変化しているので、高性能なガスクロミック特性を有することがわかる。
次に、ガス充填室Sに水素雰囲気を60秒間給気した後、水素雰囲気の給気を70分間停止した。ここで、水素雰囲気の給気を停止すると、開口部からガス充填室Sに空気が流入する。これを1サイクルとする水素雰囲気の給気制御を6回繰り返し、その間1秒毎に、波長が700nmの光の透過率を測定した。なお、2〜6回目の水素雰囲気の給気制御では、水素雰囲気の給気を停止する時間を10分間とした。
図9に、ガス充填室Sの雰囲気の変化と光透過率の変化の関係を示す。図9から、1回目の水素雰囲気の給気制御では、波長が700nmの光の透過率が58%から5.9%に変化することがわかる。また、2〜6回目の水素雰囲気の給気制御では、波長が700nmの光の透過率が43.2%から16.8%に変化することがわかる。
一方、水素雰囲気で還元されて無色となった複層ガラスは、オゾン発生装置SoecV350(マルコー社製)を用いて、オゾン出力35mg/h、風量5L/minの条件で、ガス充填室Sにオゾンを5分間給気すると、酸化されて緑色に戻った。このため、複層ガラスの光透過率を高速でスイッチングすることができる。
次に、ガス充填室Sに水素雰囲気を2分間給気した後、オゾンを5分間給気した。これを1サイクルとする水素雰囲気及びオゾンの給気制御を繰り返し、その間1秒毎に、波長が700nmの光の透過率を測定した。
図10に、ガス充填室Sの雰囲気の変化と光透過率の変化の関係を示す。図10から、水素雰囲気及びオゾンの給気制御では、波長が700nmの光の透過率は64.2%から0.8%に変化することがわかる。このため、複層ガラスの光透過率のスイッチングに要する時間が大幅に減少すると共に、複層ガラスの光透過率の変化量が増大する。
(実施例2〜6)
<ガスクロミック調光素子の作製>
PANI/PSSに対するナノ白金粒子の質量比を、それぞれ0.1%、1.0%、2.0%、10%、25%に変更した以外は、実施例1と同様にして、ガスクロミック調光素子を作製した。
<ガスクロミック調光ガラスの作製>
PANI/PSSに対するナノ白金粒子の質量比を、それぞれ0.1%、1.0%、2.0%、10%、25%に変更した以外は、実施例1と同様にして、ガスクロミック調光ガラスを作製した。
<複層ガラスの光透過特性>
ガス充填室Sに水素雰囲気を2分間給気した後、オゾンを5分間給気した。これを1サイクルとする水素雰囲気及びオゾンの給気制御を10回繰り返し、その間1秒毎に、波長が700nmの光の透過率を測定した。その結果、実施例2〜6の複層ガラスは、波長が700nmの光の透過率の変化量の平均値が、それぞれ62.5%、62.2%、61.5%、40.3%であり、高性能なガスクロミック特性を有することがわかる。
(実施例7)
<PEDOT/PSSの合成>
純度97.0%の3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT;CS)2.0mlと、PSS1.0gと、水30mlを撹拌しながら3時間混合し、混合液を得た。
0.5Mペルオキソ二硫酸アンモニウム((NH)の水溶液10.0mlと、混合液を撹拌しながら混合し、室温で約3時間反応させると、薄い青色のPEDOT/PSSの沈澱が生成した。次に、5000rpmで遠心分離した後、3回水洗し、PEDOT/PSSを回収した(例えば、PEDOT/PSS: synthesis, characterization, properties and applications, Louwet, F.; Groenendaal, L.; Dhaen, J.; Manca, J.; Van Luppen, J. et al. (2003), Synthetic Metals vol. 135 p. 115-117.参照)。
PEDOT/PSSは、酸化すると、無色になり、還元すると、青色になるエレクトロクロミック有機ポリマーである。
PEDOT/PSSの化学構造を以下に示す。
Figure 0006611290
<ガスクロミック調光素子の作製>
PEDOT/PSS1.0gと、水50mlと、ナノ白金粒子の分散液3mlを3時間撹拌しながら混合した。次に、15000rpmで遠心分離した後、3回水洗し、PEDOT/PSSの表面にナノ白金粒子が付着しているガスクロミック調光素子(PEDOT/PSS−Pt)を回収した。原料から計算すると、PEDOT/PSSに対するナノ白金粒子の質量比が0.5%である。
図11に、PEDOT/PSS−PtのFT−IRスペクトルを示す。
図11から、PEDOT/PSS−Ptに起因する吸収ピーク(686cm−1、840cm−1、924cm−1、971cm−1、996cm−1、1094cm−1、1134cm−1、1075cm−1、1240cm−1、1413cm−1、1533cm−1)が観測されることがわかる。
表2に、PEDOT/PSS−Ptに起因する吸収ピークの帰属を示す。
Figure 0006611290
<ガスクロミック調光ガラスの作製>
<ガスクロミック調光素子の作製>において、PEDOT/PSS−Ptを回収せずに、水で希釈し、PEDOT/PSS−Ptの10質量%水分散液を得た。
PEDOT/PSS−Ptの水分散液150μlを3cm×3cmのシリカガラス基板上にドロップコートし、膜厚が3μmのガスクロミック調光素子(PEDOT/PSS−Pt)膜を形成し、ガスクロミック調光ガラスを得た。PEDOT/PSS−Pt膜は、薄い青色の均一な膜となった。
<ガスクロミック調光素子の電気化学特性>
PEDOT/PSS−Ptの水分散液150μlを3cm×3cmのITO膜付きガラスのITO膜上にドロップコートし、膜厚が5μmのガスクロミック調光素子(PEDOT/PSS−Pt)膜を形成した。PEDOT/PSS−Pt膜を作用電極とした以外は、実施例1と同様にして、CVを実施した。PEDOT/PSS−Pt膜は、炭酸プロピレンに不溶である。
図12に、PEDOT/PSS−Pt膜のサイクリックボルタモグラムを示す。
図12から、波形は、表面吸着波となっており、PEDOT/PSS−Pt膜が炭酸プロピレン溶液中で安定に存在していることを示唆している。また、酸化ピーク電位が0.0V vs Ag/AgNO、+0.3V vs Ag/AgNO、+1.0V vs Ag/AgNOに存在した。一方、還元ピーク電位が−0.6V vs Ag/AgNOに存在した。それらはPEDOT/PSS−Ptの酸化還元対に帰属される。
以上のことから、PEDOT/PSS−Pt膜は、還元ピーク電位が−0.6V vs Ag/AgNO以上に存在し、酸化ピーク電位が+0.3V vs Ag/AgNO以下に存在することがわかる。
<複層ガラスの光透過特性>
得られたガスクロミック調光ガラスを用いた以外は、実施例1と同様にして、複層ガラスの酸化状態及び還元状態の光透過率を測定した。
図13に、複層ガラスの光透過スペクトルを示す。
図13から明らかなように、複層ガラスは、酸化状態及び還元状態で、光透過率が変化しているので、ガスクロミック特性を有することがわかる。
(比較例1)
<調光素子の作製>
PANI/PSSに対するナノ白金粒子の質量比を0%に変更した以外は、実施例1と同様にして、調光素子を作製した。
<調光ガラスの作製>
PANI/PSSに対するナノ白金粒子の質量比を0%に変更した以外は、実施例1と同様にして、調光ガラスを作製した。
<複層ガラスの光透過特性>
ガスクロミック調光ガラスの代わりに、調光ガラスを用いた以外は、実施例1と同様にして、複層ガラスの酸化状態及び還元状態の光透過率を測定した。
複層ガラスは、PANI/PSSに対するナノ白金粒子の質量比が0%であるため、ガス充填室Sに空気又は水素雰囲気を給気しても、酸化還元反応が十分に起こらず、色の変化を視認することができなかった。このため、複層ガラスは、ガスクロミック特性を有さないことがわかる。
(比較例2)
<調光素子の作製>
PEDOT/PSSに対するナノ白金粒子の質量比を0%に変更した以外は、実施例7と同様にして、調光素子を作製した。
<調光ガラスの作製>
PEDOT/PSSに対するナノ白金粒子の質量比を0%に変更した以外は、実施例7と同様にして、調光ガラスを作製した。
<複層ガラスの光透過特性>
ガスクロミック調光ガラスの代わりに、調光ガラスを用いた以外は、実施例1と同様にして、複層ガラスの酸化状態及び還元状態の光透過率を測定した。
複層ガラスは、PEDOT/PSSに対するナノ白金粒子の質量比が0%であるため、ガス充填室Sに空気又は水素雰囲気を給気しても、酸化還元反応が十分に起こらず、色の変化を視認することができなかった。このため、複層ガラスは、ガスクロミック特性を有さないことがわかる。
(比較例3)
<Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマーの合成>
等モル量の配位子、ビス(ターピリジン)と酢酸鉄Fe(OAc)を、アルゴンを長時間バブリングして酸素などを除去したCHCOOH(配位子1mgにつき約1mLのCHCOOH)中で24時間還流させた。この反応液を室温まで冷却して、少量の不溶性の残渣を濾過により除去した。濾液をペトリ皿に移した後、CHCOOHをゆっくりと蒸発させて乾燥させた。ペトリ皿に残った脆い皮膜を集めて、真空中で一晩乾燥させて、Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマーを得た(例えば、Electrochromic Organic-Metallic Hybrid Polymers: Fundamentals and Device Applications, Higuchi, Masayoshi (2009), The Society of Polymer Science, Japan vol. 41 (7) p. 511-520.参照)。
Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマーは、酸化すると、無色になり、還元すると、紫色になるエレクトロクロミックハイブリッドポリマーである。
Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマーの合成化学反応式を以下に示す。
Figure 0006611290
<調光素子の作製>
Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマー100mgと、メタノール20mlと、ナノ白金粒子の分散液2mlを3時間撹拌しながら混合した。次に、15000rpmで遠心分離した後、メタノールで3回洗浄し、Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマーの表面にナノ白金粒子が付着している調光素子(Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマー−Pt)を回収した。原料から計算すると、Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマーに対するナノ白金粒子の質量比が0.5%である。
<調光ガラスの作製>
<調光素子の作製>において、Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマー−Ptを回収せずに、メタノールで希釈し、Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマー−Ptの1.0質量%メタノール分散液を得た。
Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマー−Ptのメタノール分散液100μlを3cm×3cmのシリカガラス基板上にドロップコートし、膜厚が250nmの調光素子(Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマー)膜を形成し、調光ガラスを得た。Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマー膜は、紫色の均一な膜となった。
<調光素子の電気化学特性>
Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマー−Ptのメタノール分散液100μlを3cm×3cmのITO膜付きガラス基板のITO膜上にドロップコートし、膜厚が5μmの調光素子(Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマー−Pt)膜を形成した。Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマー−Pt膜を作用電極とし、0.1Mの過塩素酸テトラブチルアンモニウム(TBAClO )を電解質とし、アセトニトリル溶液中でCVを実施した以外は、実施例1と同様にして、CVを実施した。Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマー−Pt膜は、アセトニトリルに不溶である。
図14に、Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマー−Pt膜のサイクリックボルタモグラムを示す。
図14から、波形は、表面吸着波となっており、Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマー−Pt膜がアセトニトリル溶液中で安定に存在していることを示唆している。また、酸化ピーク電位が+0.8V vs Ag/AgNOに存在し、還元ピーク電位が+0.75V vs Ag/AgNOに存在した。それらは、Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマーの酸化還元対に帰属される。
以上のことから、Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマー−Pt膜は、還元ピーク電位が−0.6V vs Ag/AgNO以上に存在するものの、酸化ピーク電位が+0.3V vs Ag/AgNO以下に存在しないことがわかる。
<複層ガラスの光透過特性>
ガスクロミック調光ガラスの代わりに、調光ガラスを用いた以外は、実施例1と同様にして、複層ガラスの酸化状態及び還元状態の光透過率を測定した。
複層ガラスは、Fe(II)−ビス(ターピリジン)ハイブリッドポリマー−Pt膜が形成されている調光ガラスを有するため、ガス充填室Sに空気又は水素雰囲気を給気しても、酸化還元反応が十分に起こらず、色の変化を視認することができなかった。このため、複層ガラスは、ガスクロミック特性を有さないことがわかる。
以上詳述したように、本実施形態は、ガスクロミック特性があるエレクトロクロミック有機ポリマーの表面にナノ粒子が付着しているガスクロミック調光素子、ガスクロミック調光素子を含む膜が形成されているガスクロミック調光部材及び複層ガラスに係るものであり、本実施形態により、エレクトロクロミック有機ポリマーを用いて、ガスクロミック調光素子を作製することができる。
また、本実施形態の調光素子は、エレクトロクロミック有機ポリマーは、安価であり、高価なナノ粒子は、ごく少量の使用で足りるため、低コストで作製することが可能である。
更に、本実施形態の調光素子は、無機材料より多色性があり、しかも簡便なプロセスで作製することができ、構造も簡単であることから、性能に優れ、かつ、安価なガスクロミック調光素子、ガスクロミック調光部材及び複層ガラスを実現することができる。
本実施形態は、建物や乗り物における太陽光透過率を制御するための窓材料技術として有用である。
本国際出願は、2016年4月28日に出願された日本国特許出願2016−091233号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願2016−091233号の全内容を本国際出願に援用する。
1 ガスクロミック調光素子
1a エレクトロクロミック有機ポリマー
1b ナノ粒子
2 ガスクロミック調光素子膜
3 ガラス基材
4 ガラス基材
5 シール部材
10 ガスクロミック調光ガラス
60 給排気器
70 光源
80 分光光度計
S ガス充填室

Claims (11)

  1. 雰囲気ガスとの酸化還元反応により、可逆的に光透過率が変化するガスクロミック調光素子であって、
    エレクトロクロミック有機ポリマーと、該エレクトロクロミック有機ポリマーの酸化還元反応の触媒として機能するナノ粒子を含有し、
    還元ピーク電位が−0.6V vs Ag/AgNO以上に存在し、
    酸化ピーク電位が+0.3V vs Ag/AgNO以下に存在し、
    前記エレクトロクロミック有機ポリマーは、一般式
    Figure 0006611290
    (式中、R 、R 、R 及びR は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1以上20以下のアルキル基、炭素原子数が1以上20以下のアルコキシ基、炭素原子数が1以上20以下のアルキルエステル基、アリール基、置換基を有していてもよいアミノ基又はシアノ基である。)
    で表される構成単位、一般式
    Figure 0006611290
    (式中、R 及びR は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1以上20以下のアルキル基、炭素原子数が1以上20以下のアルコキシ基、炭素原子数が1以上20以下のアルキルエステル基、アリール基、置換基を有していてもよいアミノ基又はシアノ基である。)
    で表される構成単位、又は、一般式
    Figure 0006611290
    (式中、R 及びR は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1以上20以下のアルキル基、炭素原子数が1以上20以下のアルコキシ基、炭素原子数が1以上20以下のアルキルエステル基、アリール基、置換基を有していてもよいアミノ基又はシアノ基である。)
    で表される構成単位を有することを特徴とするガスクロミック調光素子。
  2. 雰囲気ガスとの酸化還元反応により、可逆的に光透過率が変化するガスクロミック調光素子であって、
    エレクトロクロミック有機ポリマーと、該エレクトロクロミック有機ポリマーの酸化還元反応の触媒として機能するナノ粒子を含有し、
    還元ピーク電位が−0.6V vs Ag/AgNO以上に存在し、
    酸化ピーク電位が+0.3V vs Ag/AgNO以下に存在し、
    前記エレクトロクロミック有機ポリマーは、アニリン由来の構成単位、3,4−エチレンジオキシチオフェン由来の構成単位、又は、3,4−プロピレンジオキシチオフェン由来の構成単位を有することを特徴とするガスクロミック調光素子。
  3. 前記エレクトロクロミック有機ポリマーは、ドーパントによりドープされていることを特徴とする請求項1に記載のガスクロミック調光素子。
  4. 前記ナノ粒子は、パラジウム、パラジウム合金、白金及び白金合金からなる群より選択される一種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載のガスクロミック調光素子。
  5. 前記エレクトロクロミック有機ポリマーに対する前記ナノ粒子の質量比が0.01%以上25%以下であることを特徴とする請求項1に記載のガスクロミック調光素子。
  6. 請求項1又は2に記載のガスクロミック調光素子を含む膜が透明基材上に形成されていることを特徴とするガスクロミック調光部材。
  7. 前記膜は、膜厚が10nm以上1000μm以下であることを特徴とする請求項6に記載のガスクロミック調光部材。
  8. 前記透明基材は、ガラス基材又はプラスチック基材であることを特徴とする請求項6に記載のガスクロミック調光部材。
  9. 2枚以上のガラス基材を有し、
    2枚の前記ガラス基材の間に、請求項1又は2に記載のガスクロミック調光素子を含む膜が形成されていることを特徴とする複層ガラス。
  10. 前記2枚のガラス基材の間に、水素、オゾン、酸素又は空気を給排気する手段をさらに有することを特徴とする請求項9に記載の複層ガラス。
  11. 請求項1又は2に記載のガスクロミック調光素子を製造する方法であって、
    前記エレクトロクロミック有機ポリマーと、前記ナノ粒子を溶媒中で混合することを特徴とするガスクロミック調光素子の製造方法。
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