JP6611230B2 - 膜洗浄制御方法、膜洗浄制御装置、及び水処理システム - Google Patents

膜洗浄制御方法、膜洗浄制御装置、及び水処理システム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、膜洗浄制御方法、膜洗浄制御装置、及び水処理システムに関する。
水処理システムでは、一般的に、被処理水を固液分離するためにろ過膜が用いられている。しかしながら、ろ過膜によるろ過を継続することにより、膜面上や膜内に濁質や浮遊物質などが付着又は堆積し、膜の目詰まり(ファウリング)が生じる。ファウリングが生じると、膜の被処理水側(一次側)と透過水側(二次側)の圧力差、つまり膜間差圧(TMP;Trans Membrance Pressure)が上昇する。TMPが上昇すると、透過流束が低減し、安定的に被処理水を確保できなくなるため問題である。
そのため、TMP値が所定の値に達した段階で、ろ過膜を薬液洗浄する。現状では、薬液洗浄をする際に使用する薬液の濃度や洗浄時間は、初期に設定した値から変更しないことが多い。そのため、例えば、初期に設定した薬液濃度が低い場合や洗浄時間が短い場合、ろ過膜の洗浄が不十分となり、洗浄を繰り返すごとに急激にTMP値が上昇するといった場合があった。また、初期に設定した薬液濃度が高い場合や洗浄時間が長い場合、過剰洗浄となり、薬液コストが増加する場合や、膜寿命が低下する場合があった。
特開2013−202471号公報
本発明が解決しようとする課題は、少ない薬液で効率的にろ過膜を洗浄することができる膜洗浄制御方法、膜洗浄制御装置、及び水処理システムを提供することである。
実施形態の膜洗浄制御方法は、取得工程と決定工程と洗浄工程とを持つ。取得工程ではろ過膜を薬液洗浄し、ろ過を再開した直後のろ過膜の膜間差圧値(TMP0)又は膜ろ過抵抗値を取得する。決定工程では、ろ過膜を薬液洗浄し、ろ過を再開した直後のろ過膜の膜間差圧値(TMP0)又は膜ろ過抵抗値に基づいて、次の薬液洗浄を行う際の洗浄強度を決定する。洗浄工程では、洗浄強度に基づいて薬液洗浄に用いる薬液の薬液濃度を決定するとともに薬液洗浄の洗浄時間を決定し、薬液濃度の薬液を用いて洗浄時間の間前記薬液洗浄を行う。決定工程には、膜間差圧値TMP から洗浄強度を決定するための条件が予め設定されている。洗浄工程には、洗浄強度から薬液濃度及び洗浄時間を決定するための条件が予め設定されている。洗浄強度を決定するための条件及び薬液濃度及び洗浄時間を決定するための条件は、次の通りである。TMP ≦P の場合に、洗浄強度1として、薬液濃度をC にするとともに洗浄時間をT とする。P n−1 <TMP ≦P の場合に、洗浄強度nとして、薬液濃度をC n−1 にするとともに洗浄時間をT n−1 とする。TMP ≦P 及びP n−1 <TMP ≦P の場合に、薬液として有機系の付着物に対応する薬液を用いる。TMP >P の場合に、洗浄強度n+1として、薬液として無機系の付着物に対応する薬液を用いるとともに洗浄時間をT とするただし、nは2以上の自然数であり、薬液濃度はC ≦C n−1 ≦C の関係にあり、洗浄時間はT ≦T n−1 ≦T の関係にある。
実施形態の水処理システムを示す概略構成図。 実施形態の膜洗浄制御装置を示す概略構成図。 実施形態の膜洗浄制御方法の流れを示すフローチャート。
以下、実施形態の膜洗浄制御方法、膜洗浄制御装置、及び水処理システムを、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明で用いられる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。また、以下の説明で例示される材料、寸法等は一例であって、実施形態はそれらに必ずしも限定されるものではなく、適宜変更して実施することが可能である。
先ず、実施形態の水処理システムについて、図1を参照して説明する。図1は、実施形態の水処理システムを示す概略構成図である。図1に示すように、水処理システム1は、無酸素槽2と、好気槽(槽)3と、ろ過膜を備えた膜モジュール4と、圧力計5と、処理水槽6と、薬液槽7と、薬液濃度調整槽8と、洗浄薬液排出槽9と、膜洗浄制御装置10とを備える。水処理システム1は、有機物やアンモニア性窒素などの窒素成分を含む水(以下、「原水」と記載する)から、有機物や窒素成分を分解除去し、分解除去後の処理水を、膜モジュール4を通じて外部へ排出するシステムである。
無酸素槽2は、送水経路L1が接続されており、送水経路L1を介して、外部から原水が供給されている。また、無酸素槽2は、返送経路L2が接続されており、返送経路L2を介して、原水と活性汚泥の混合液が無酸素槽2及び好気槽3を循環する。
無酸素槽2中には、様々な微生物群で構成される活性汚泥が存在する。活性汚泥は無酸素槽2、好気槽3、返送経路L2を介して循環している。無酸素槽2は、無酸素状態に維持されており、活性汚泥中の脱窒菌の働きが活発になっている。無酸素槽2内では、脱窒菌の働きにより硝酸性窒素を窒素ガスに分解することができる。生成した窒素ガスは大気中に放出されることで水中の窒素成分が除去される。また、有機物の一部は、活性汚泥中の微生物の働きにより、低分子化されるとともに脱窒菌に利用されることでCO2まで分解される。
無酸素槽2の内部には、撹拌機11が設けられている。撹拌機11により、無酸素槽2内の原水と活性汚泥との接触効率が高まり、これにより硝酸性窒素の分解を促進することができる。無酸素槽2において処理された水は、好気槽3に供給される。
好気槽3では、前段の無酸素槽2から供給された原水と活性汚泥の混合液が処理される。好気槽3は、無酸素槽と同様に様々な微生物群で構成される活性汚泥が存在する。
好気槽3には、ブロワ12が接続されている。ブロワ12から供給される空気により好気槽3内を曝気し、好気槽3内に空気を送り込むとともに膜モジュール4のろ過膜表面を洗浄することができる。好気槽3は、好気状態に維持されており、活性汚泥内の好気微生物群ならびに硝化菌の働きが活発になっている。好気微生物群の働きにより、有機物はCO2に、硝化菌の働きにより、好気槽3内のアンモニア性窒素は、硝酸性窒素に酸化分解される。生成した硝酸性窒素は、返送経路L2を介して無酸素槽2へ供給され、無酸素槽2において分解される。
返送経路L2は、一端が好気槽3に接続され、他端が無酸素槽2に接続されている。返送経路L2にはポンプ13が設けられており、ポンプ13により返送経路L2を介して好気槽3内の原水と活性汚泥の混合液を無酸素槽2へ循環供給することができる。硝化菌の働きにより生成した硝酸性窒素も同様に無酸素槽2へ供給される。余剰になった活性汚泥は返送経路L2の途中から外部へ引き抜くようにしてもよい。
膜モジュール4は、好気槽3内に浸透されて設けられている。膜モジュール4により、混合液中から有機物及び窒素成分が除去された水(以下、「処理水」と記載する)を分離、ろ過して取り出すことができる。
ろ過膜の材質、形状としては、被処理水から濁質や固形物を分離、ろ過することができるものであれば特に限定されない。具体的には、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、塩素化ポリエチレン、セラミックなどが挙げられる。また、ろ過膜の形状としては、中空糸状のものや平膜状、モノリス状などが代表的なものとして挙げられる。
膜モジュール4は、送水経路L3を介して、処理水槽6と接続されている。送水経路L3にはろ過膜に近い方から順番に、切換え弁14と、切換え弁15と、ポンプ16とが設けられている。
切換え弁14を開閉することにより、薬液濃度調整槽8で調製した薬液の膜モジュール4への供給を制御することができる。また、切換え弁15を開閉することにより、薬液洗浄後の薬液の洗浄薬液排出槽9への供給を制御することができる。また、ポンプ16により、膜モジュール4によりろ過された処理水を、処理水槽6に供給することができる。
圧力計5は、切換え弁15及びポンプ16の間に設けられている。圧力計5により送水経路L3を流れる処理水の圧力を測定することで、ろ過膜の一次側の圧力と二次側の圧力との圧力差、つまり膜間差圧(TMP)を取得することができる。
処理水槽6は、送水経路L3を介して、膜モジュール4と接続されている。処理水槽6は、送水経路L3を介して、膜モジュール4から処理水が供給されている。また、処理水槽6は、送水経路L4と接続されている。送水経路L4により、処理水槽6に供給された処理水の一部を外部に放出し、残りを処理水槽6に貯留することができる。
また、処理水槽6は、送水経路L5を介して、薬液濃度調整槽8と接続されている。送水経路L5にはポンプ17が設けられており、ポンプ17により処理水槽6に貯留した処理水を薬液濃度調整槽8に供給することができる。
ポンプ17はインバータにより流量制御可能なものであり、洗浄条件決定部33(図2参照)で決定した薬液の濃度に基づいて、薬液濃度調整槽8への処理水の供給量を調整することができる。
薬液槽7は、送水経路L6を介して、薬液濃度調整槽8と接続されている。薬液槽7は、膜モジュール4を薬液洗浄する際に使用する薬液を貯留するための槽である。
薬液槽7に貯留される薬液としては、膜モジュール4を薬液洗浄することができるものであれば特に限定されない。また、ろ過膜に付着した付着物の種類によって、適宜薬液を選択してもよい。
有機系の付着物に対して用いる薬液としては、有機系の付着物に対応する薬液であれば特に限定されない。具体的には、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。
また、無機系の付着物に対して用いる薬液としては、無機系の付着物に対応する薬液であれば特に限定されない。具体的には、例えば、シュウ酸、クエン酸などが挙げられる。
薬液槽7は、複数の薬液を貯留し、洗浄強度決定部32により決定した洗浄強度に基づいて、薬液洗浄の際に使用する薬液を適宜選択することができるものであってもよい。具体的には、例えば、膜モジュール4の薬液洗浄直後のTMP値が所定の値以下の場合には有機系の付着物に対する薬液を用いて、所定の値よりも大きくなった場合には無機系の付着物に対する薬液を用いるといったように薬液を使い分けてもよい。
送水経路L6にはポンプ18が設けられており、ポンプ18により薬液槽7に貯留された薬液を薬液濃度調整槽8に供給することができる。ポンプ18に搭載されたインバータにより、洗浄条件決定部33(図2参照)で決定した薬液の濃度に基づいて、薬液濃度調整槽8への薬液の供給量を調整することができる。
薬液濃度調整槽8は、送水経路L5,L6を介して、処理水槽6及び薬液槽7と接続されており、処理水槽6から処理水が供給され、薬液槽7から薬液が供給されている。薬液濃度調整槽8において、処理水と薬液とを混合することで、薬液の濃度を調整することができる。
薬液濃度調整槽8は、送水経路L7を介して切換え弁14と接続されている。送水経路L7には、ポンプ19が設けられており、ポンプ19により、薬液濃度調整槽8において濃度が調整された薬液を、膜モジュール4の二次側から供給することができる。
またポンプ19は、膜モジュール4の膜内部に必要量の薬液を供給するポンプである。必要量の薬液は膜内部の容積により決まるもので、一定量の薬液量となる。洗浄条件決定部33(図2参照)で決定した洗浄時間だけ、薬液が膜内部に入った状態を保持する。
洗浄薬液排出槽9は送水経路L8を介して、切換え弁15と接続されている。洗浄条件決定部33で決定した洗浄時間経過後、薬液は本経路を介して、洗浄薬液排出槽9に排出される。
膜洗浄制御装置10は、信号線C1,C2,C3,C4,C5,C6を介して、それぞれ圧力計5、ポンプ17,18,19、切換え弁14,15と接続されている。図2は、膜洗浄制御装置10を示す概略構成図である。図2に示すように、膜洗浄制御装置10は、値取得部31と、洗浄強度決定部32と、洗浄条件決定部33と、膜洗浄制御部34と、を備える。膜洗浄制御装置10が備える各機能部は、CPU(Central Processing Unit)によってRAM(Random Access Memory)に読み出されたプログラムが実行されることによって実現される。
値取得部31は、信号線C1を介して圧力計5と接続されている。値取得部31は、圧力計5で測定されたろ過膜の二次側の圧力を取得する。値取得部31は、取得されたろ過膜の二次側の圧力に基づいて、TMP値を取得する。
洗浄強度決定部32は、値取得部31によって取得されたTMP値に基づいて、次に膜モジュール4を薬液洗浄する際の洗浄強度を決定する。洗浄強度は、2段階に分けられてもよいし、3段階以上に分けられてもよい。
洗浄条件決定部33は、洗浄強度決定部32によって決定された洗浄強度に基づいて、薬液洗浄の際に用いられる薬液の濃度、又は薬液洗浄の洗浄時間を決定する。
膜洗浄制御部34は、信号線C2,C3,C4,C5,C6を介して、ポンプ17,18,19、切換え弁14,15と接続されている。膜洗浄制御部34は、洗浄条件決定部33で決定された薬液の濃度に基づいて、薬液槽7から薬液濃度調整槽8へ供給する薬液の供給量を制御する。これにより、薬液濃度調整槽8において薬液の濃度が、洗浄条件決定部33で決定された薬液の濃度に調整される。
膜洗浄制御部34は洗浄条件決定部33で決定された洗浄時間の間、切換え弁14を閉として、薬液が膜内部に入った状態を保持する。洗浄条件決定部33で決定した洗浄時間経過後、薬液は切換え弁14,15、送水経路L8を通って、洗浄薬液排出槽9に排出される。
次に、上述した水処理システム1による膜洗浄制御方法について、図1及び図2を参照して説明する。
先ず、実施形態の膜洗浄制御方法について説明する前に、水処理システム1による原水の処理方法について説明する。水処理システム1では、先ず、原水が送水経路L1を介して無酸素槽2に供給される。無酸素槽2に供給された原水は、活性汚泥と混合された状態で返送経路L2を介して無酸素槽2及び好気槽3を循環する。
無酸素槽2内において、脱窒菌の働きにより硝酸性窒素が窒素ガスに分解される。生成した窒素ガスは大気中に放出されることで水中の窒素成分が除去される。また、有機物の一部は、活性汚泥中の微生物の働きにより、低分子化されるとともに脱窒菌に利用されることでCO2まで分解される。
また、好気槽3内において、好気微生物群の働きにより、有機物が低分子化され、その大半が水とCOに分解される。さらに、硝化菌の働きにより、好気槽3内のアンモニア性窒素が、硝酸性窒素に酸化分解される。生成した硝酸性窒素は、返送経路L2を介して無酸素槽2へ供給され、無酸素槽2において分解される。
次に、膜モジュール4により、有機物及び窒素成分が除去された水(処理水)が分離、ろ過されて取り出される。
以上の工程により、原水が処理される。上記処理により、膜モジュール4の膜面上や膜内に濁質や浮遊物質などが付着又は堆積するため、膜洗浄制御方法により、膜モジュール4を洗浄する必要が生じる。
次に、実施形態の膜洗浄制御方法について説明する。図3は、実施形態の膜洗浄制御方法の流れを示すフローチャートである。図3に示すように、実施形態の膜洗浄制御方法は、取得工程S1と、決定工程S2と、洗浄工程S3とを含む。実施形態の膜洗浄制御方法では、取得工程S1、決定工程S2、洗浄工程S3をこの順番で行うことにより、膜モジュール4を薬液洗浄する。なお、薬液洗浄は、ろ過膜のTMP値が所定の値を超えた場合に実施される。
取得工程S1では、膜モジュール4を薬液洗浄した後に膜ろ過を再開した直後のろ過膜のTMP値を取得する。具体的には、先ず、圧力計5により、信号線C1を介して、膜モジュール4を薬液洗浄した後に膜ろ過を再開した直後のろ過膜の二次側の圧力値を値取得部31に送信する。次に、値取得部31により、圧力計5から送信されたろ過膜の二次側の圧力値に基づいてTMP値を取得する。
決定工程S2では、取得した膜間差圧値に基づいて、次の薬液洗浄を行う際の洗浄強度を決定する。具体的には、先ず、値取得部31で取得したTMP値を、洗浄強度決定部32へ送信する。洗浄強度決定部32では、下記表1に示すようにTMP値から洗浄強度を決定するための条件が予め設定されており、送信されたTMP値に基づいて洗浄強度を決定する。
Figure 0006611230
洗浄工程S3では、決定した洗浄強度に基づいて薬液の濃度及び洗浄時間を決定し、決定した薬液の濃度及び洗浄時間により薬液洗浄を行う。具体的には、先ず、洗浄強度決定部32で決定した洗浄強度を、洗浄条件決定部33へ送信する。洗浄強度決定部32では、上記表1に示すように洗浄強度から薬液の濃度及び洗浄時間を決定するための条件が予め設定されており、送信された洗浄強度に基づいて薬液の濃度及び洗浄時間を決定する。
次に、洗浄条件決定部33で決定した薬液の濃度及び洗浄時間を、膜洗浄制御部34へ送信する。膜洗浄制御部34は、薬液の濃度に基づいて、薬液濃度調整槽8への被処理水及び薬液の供給量を決定し、その決定に基づいて信号線C2,C3を介してポンプ17及びポンプ18を制御する。
ポンプ17及びポンプ18により、所定の量の処理水及び薬液を薬液濃度調整槽8に供給する。ここで、薬液洗浄後、膜ろ過を再開した直後の膜間差圧値(TMP)がP以下の場合は、薬液洗浄に用いる薬液として次亜塩素酸ナトリウムを用い、P以上の場合はシュウ酸を用いる。その後、薬液濃度調整槽8において、薬液を処理水で薄めることにより、洗浄条件決定部33で決定した濃度の薬液を調製する。
次に、膜洗浄制御部34は洗浄条件決定部33で決定された洗浄時間の間、切換え弁14を閉として、薬液が膜内部に入った状態を保持する。洗浄条件決定部33で決定した洗浄時間経過後、薬液は切換え弁14,15、送水経路L8を通って、洗浄薬液排出槽9に排出される。
次に、膜洗浄制御部34は、信号線C6を介して、切換え弁15を制御することで、薬液洗浄で使用した薬液を洗浄薬液排出槽9へ排出する。
以上の工程により膜モジュール4を薬液洗浄することができる。
上記実施形態では、洗浄条件決定部33において、洗浄強度に基づいて薬液の濃度及び洗浄時間を決定したが、薬液の濃度又は洗浄時間のどちらか一方のみを決定し、他方は初期の設定値を用いるものであってもよい。
ポンプ17,18の流量はインバータにより制御するものとしたが、ポンプ吐出側に設置された流量調節弁でポンプ流量を制御する構成であってもよい。
以上説明した実施形態の膜洗浄制御方法によれば、取得工程と、決定工程とを持つことにより、少ない薬液で効率的にろ過膜を洗浄することができる。
実施形態の膜洗浄制御装置10は、複数の装置を用いて構成されてもよい。例えば、図2に示される膜洗浄制御装置10の機能部のうち、一部が他の装置に実装され、通信を行うことによって膜洗浄制御方法が実行されてもよい。
実施形態の膜洗浄制御装置10は、水処理システム1の各装置と離れた位置に設けられ、水処理システム1が備える制御装置とネットワークを介して接続されてもよい。この場合、膜洗浄制御装置10は、制御装置からネットワークを介した通信により、圧力計5などの装置で測定された値を取得する。膜洗浄制御装置10は、取得された値に基づいて、洗浄強度を決定する。膜洗浄制御装置10は、決定された洗浄強度を、ネットワークを介して水処理システム1が備える制御装置に送信する。水処理システム1が備える制御装置は、受信された洗浄強度に基づいて洗浄を行う。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
尚、本明細書では、薬液洗浄した後のろ過再開直後の膜間差圧で薬品の洗浄強度を判定するものとしたが、フラックス変動の大きい処理場では、膜ろ過抵抗で判定をした方が好ましい。
膜ろ過抵抗は一般的には直接計測できないが、下記一般式(1)で示されることが知られている。
TMP=μJR ・・・(1)
上記一般式(1)中、TMPは膜間差圧(kPa)、μは粘性係数[kPa/d]、Jは膜モジュール4のろ過膜を透過する処理水のフラックス[m/d]、Rは膜ろ過抵抗[1/m]、Pはべき定数を示す。
すなわち、膜ろ過抵抗Rは下記一般式(2)で示される。
R=TMP/μJ ・・・(2)
上記一般式(2)中、べき乗定数Pは通常、1〜2の間で設定される調整パラメータである。
フラックスは、膜モジュール4のろ過膜がろ過した処理水の量(ろ過水量)を膜面積で除した値で連続測定可能のため、粘性係数が一定と仮定すると、TMPをフラックスのべき乗で除した値が膜ろ過抵抗に相当するものとなる。
すなわち、膜ろ過抵抗Rは下記一般式(3)で示される。
R=B・TMP/J ・・・(3)
上記一般式(3)中、Bを定数とすると、膜ろ過抵抗を膜間差圧とろ過水量から計算されるフラックスの値とから計算することができる。
1…水処理システム、2…無酸素槽、3…好気槽(槽)、4…膜モジュール、5…圧力計、6…処理水槽、7…薬液槽、8…薬液濃度調整槽、9…洗浄薬液排出槽、10…膜洗浄制御装置、11…撹拌機、12…ブロワ、13,16,17,18,19…ポンプ、14,15…切換え弁、31…値取得部、32…洗浄強度決定部、33…洗浄条件決定部、34…膜洗浄制御部、L1,L3,L4,L5,L6,L7,L8…送水経路、L2…返送経路、C1,C2,C3,C4,C5,C6…信号線

Claims (9)

  1. ろ過膜を薬液洗浄した後のろ過再開直後の前記ろ過膜の膜間差圧値TMP 又は膜ろ過抵抗値を取得する取得工程と、
    前記膜間差圧値TMP 又は膜ろ過抵抗値に基づいて、次の前記薬液洗浄を行う際の洗浄強度を決定する決定工程と、
    前記洗浄強度に基づいて前記薬液洗浄に用いる薬液の薬液濃度を決定するとともに前記薬液洗浄の洗浄時間を決定し、前記薬液濃度の前記薬液を用いて前記洗浄時間の間前記薬液洗浄を行う洗浄工程と、
    を含み、
    前記決定工程には、前記膜間差圧値TMP から前記洗浄強度を決定するための条件が予め設定されており、
    前記洗浄工程には、前記洗浄強度から前記薬液濃度及び前記洗浄時間を決定するための条件が予め設定されており、
    前記洗浄強度を決定するための条件及び前記薬液濃度及び前記洗浄時間を決定するための条件が、
    TMP ≦P の場合に、洗浄強度1として、前記薬液濃度をC にするとともに前記洗浄時間をT とし、
    n−1 <TMP ≦P の場合に、洗浄強度nとして、前記薬液濃度をC n−1 にするとともに前記洗浄時間をT n−1 とし、
    TMP ≦P 及びP n−1 <TMP ≦P の場合に、前記薬液として有機系の付着物に対応する薬液を用い、
    TMP >P の場合に、洗浄強度n+1として、前記薬液として無機系の付着物に対応する薬液を用いるとともに前記洗浄時間をT とする、条件である、膜洗浄制御方法。
    ただし、nは2以上の自然数であり、前記薬液濃度はC ≦C n−1 ≦C の関係にあり、前記洗浄時間はT ≦T n−1 ≦T の関係にある。
  2. 前記洗浄工程において、前記有機系の付着物に対応する薬液として次亜塩素酸ナトリウムまたは水酸化ナトリウムを選択する、請求項1に記載の膜洗浄制御方法。
  3. 前記洗浄工程において、前記無機系の付着物に対応する薬液としてシュウ酸又はクエン酸を選択する、請求項1に記載の膜洗浄制御方法。
  4. ろ過膜を薬液洗浄した後のろ過再開直後の前記ろ過膜の膜間差圧値TMP 又は膜ろ過抵抗値を取得する値取得部と、
    前記膜間差圧値TMP 又は膜ろ過抵抗値に基づいて、次の前記薬液洗浄を行う際の洗浄強度を決定する洗浄強度決定部と、
    前記洗浄強度に基づいて、前記薬液洗浄に用いる薬液の薬液濃度及び前記薬液洗浄の洗浄時間を決定する洗浄条件決定部と、
    を備え
    前記洗浄強度決定部には、前記膜間差圧値TMP から前記洗浄強度を決定するための条件が予め設定されており、
    前記洗浄条件決定部には、前記洗浄強度から前記薬液濃度及び前記洗浄時間を決定するための条件が予め設定されており、
    前記洗浄強度を決定するための条件及び前記薬液濃度及び前記洗浄時間を決定するための条件が、
    TMP ≦P の場合に、洗浄強度1として、前記薬液濃度をC にするとともに前記洗浄時間をT とし、
    n−1 <TMP ≦P の場合に、洗浄強度nとして、前記薬液濃度をC n−1 にするとともに前記洗浄時間をT n−1 とし、
    TMP ≦P 及びP n−1 <TMP ≦P の場合に、前記薬液を有機系の付着物に対応する薬液とし、
    TMP >P の場合に、洗浄強度n+1として、前記薬液を無機系の付着物に対応する薬液とするとともに前記洗浄時間をT とする条件である膜洗浄制御装置。
    ただし、nは2以上の自然数であり、前記薬液濃度はC ≦C n−1 ≦C の関係にあり、前記洗浄時間はT ≦T n−1 ≦T の関係にある。
  5. 前記洗浄条件決定部において、前記有機系の付着物に対応する薬液として次亜塩素酸ナトリウムまたは水酸化ナトリウムを選択する、請求項4に記載の膜洗浄制御装置。
  6. 前記洗浄条件決定部において、前記無機系の付着物に対応する薬液としてシュウ酸又はクエン酸を選択する、請求項4に記載の膜洗浄制御装置。
  7. 被処理水を貯留する槽と、
    前記槽内に設けられ、前記被処理水をろ過する膜と、
    前記膜の二次側の圧力を測定する圧力計と、
    ろ過した後の処理水を貯留する処理水槽と、
    薬液を貯留する薬液槽と、
    前記処理水槽及び前記薬液槽と接続され、前記薬液と前記処理水とを混合することにより前記薬液の濃度を調整する薬液濃度調整槽と、
    請求項4乃至請求項6の何れか一項に記載の膜洗浄制御装置と、
    を備え、
    前記膜洗浄制御装置の前記値取得部は、前記二次側の圧力に基づいて前記膜間差圧値を取得し、
    前記膜洗浄制御装置は、前記薬液槽から前記薬液濃度調整槽へ供給する前記薬液の供給量、又は前記薬液濃度調整槽から前記膜への前記薬液の供給時間を制御する、膜洗浄制御部をさらに備える、水処理システム。
  8. 被処理水を貯留する槽と、
    前記槽内に設けられ、前記被処理水をろ過する膜と、
    前記膜の二次側の圧力を測定する圧力計と、
    前記膜がろ過した処理水の量であるろ過水量を計測するろ過水量計と、
    ろ過した後の前記処理水を貯留する処理水槽と、
    薬液を貯留する薬液槽と、
    前記処理水槽及び前記薬液槽と接続され、前記薬液と前記処理水とを混合することにより前記薬液の濃度を調整する薬液濃度調整槽と、
    請求項4乃至請求項6の何れか一項に記載の膜洗浄制御装置と、
    を備え、
    前記膜洗浄制御装置の前記値取得部は、前記二次側の圧力と前記ろ過水量に基づいて前記膜ろ過抵抗値を取得し、
    前記膜洗浄制御装置は、前記薬液槽から前記薬液濃度調整槽へ供給する前記薬液の供給量、又は前記薬液濃度調整槽から前記膜への前記薬液の供給時間を制御する、膜洗浄制御部をさらに備える、水処理システム。
  9. 前記膜ろ過抵抗値は、前記二次側の圧力に基づき取得した膜間差圧を前記ろ過水量から計算されるフラックスのべき乗で除した値により演算する、請求項8に記載の水処理システム。
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