ところで、自車両の直前を走行する車両(本明細書において、「先行車両」とも称呼される。)を検出するため、ミリ波レーダを搭載する車両が知られている。例えば、ミリ波レーダを搭載する車両に適用される運転支援装置は、自車両の車幅方向(左右方向)中心の前方にある物標との距離が所定の距離閾値よりも短いとき、その物標が先行車両であると判定する。
この種の運転支援装置は、交差点の自車両に対して反対側にある壁面(例えば、道路の側壁面及び道路沿いにある建物の壁面)と自車両との距離が短いと、その壁面を先行車両として検出する可能性がある。例えば、このような事象は、自車両の進行方向にある交差点の交差道路が片側1車線の一方通行道路であるために道幅が狭い場合に発生し得る。この場合、通知禁止処理が実行されると、実際には先行車両が存在していないのに、自車両と交差点にて衝突する可能性がある他車両に関する情報が運転者に通知されない。
そこで、本発明の目的の一つは、壁面を先行車両として検出する結果として先行車両が存在していないにも拘わらず通知禁止処理が実行される機会を低減させることができる運転支援装置を提供することである。
上記目的を達成するための本発明に係る運転支援装置(以下、「本発明装置」とも称呼される。)は、通知部、通知禁止部、及び、通知許容部を備えている。
前記通知部は、自車両(10)が信号の無い交差点に進入したときに他車両と衝突する可能性がある場合(図5のステップ505及びステップ510にて「Yes」と判定)、前記自車両の運転者に前記他車両に関する情報を通知する「接近車両通知処理」を実行する(図5のステップ525)。
前記通知禁止部は、「前記自車両の車幅方向中心の前方にあって距離が所定の距離閾値(Dath)よりも短い物標」が前記自車両に搭載されたレーダ装置(28)によって検出されているとき(図5のステップ515にて「Yes」と判定)、前記通知部による前記接近車両通知処理を禁止する「通知禁止処理」を実行する。
前記通知許容部は、前記自車両が走行している前記交差点まで延びる「走行道路」と、前記走行道路と前記交差点にて接続される複数の「接続道路」と、のなす角の大きさのそれぞれが、いずれも所定の角度閾値(θth)よりも小さければ(図5のステップ520にて「Yes」と判定)、前記通知禁止部による前記通知禁止処理を禁止し、前記通知部による前記接近車両通知処理を許容する。
本発明装置は、通知禁止処理を実行するか否かの判定に際して、「自車両の車幅方向の中心を通り自車両の前後方向に延びる中心軸」上の距離(以下、「中心距離」とも称呼される。)が距離閾値よりも短い物標を先行車両として特定する。即ち、中心距離が短い物標がレーダ装置によって検出されているとき、本発明装置は、先行車両が存在すると判定する。
その一方で、交差道路の道幅が同一であれば、走行道路と接続道路とのなす角の最大値が小さくなるほど交差点の自車両に対して反対側にある壁面と自車両との中心距離が短くなる可能性が高い(図3及び図4を参照)。換言すれば、走行道路と接続道路とのなす角の最大値が小さいと、本発明装置が、壁面を先行車両として特定する可能性が高くなる。
このような場合、本発明装置は、通知禁止処理を禁止するので、自車両が交差点に進入したときに他車両と衝突する可能性があれば、先行車が存在すると判定されていても、接近車両通知処理が実行される。換言すれば、本発明装置によれば、先行車両が存在していないにも拘わらず通知禁止処理が実行される機会を低減させることが可能となる。
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかしながら、本発明の各構成要素は、前記名称及び/又は符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る運転支援装置(以下、「本支援装置」とも称呼される。)について説明する。本支援装置は、図1に示される車両10に搭載される運転支援ECU20に適用される。更に、車両10は、GPS受信部25、車速センサ26、表示装置27、レーダ装置28、及び、車車間通信部29を含んでいる。
運転支援ECU20は、周知のマイクロコンピュータを含む電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)である。運転支援ECU20は、CPU21、RAM22及びハードディスクドライブ(HDD)23を備えている。CPU21は、所定のプログラム(ルーチン)を逐次実行することによってデータの読み込み、数値演算、及び、演算結果の出力等を行う。RAM22は、データを一時的に記憶する。HDD23は、CPU21が実行するプログラム及びルックアップテーブル(マップ)等を記憶する。HDD23には地図データベース24が構成されている。
地図データベース24は、地図情報を記憶している。地図データベース24は、交差点及び行き止まり等の「ノード(節点)」、ノードどうしを接続する「リンク(道路の一部)」及びリンク沿いにある建物及び駐車場等の「施設」に関する情報(地図情報)を含んでいる。地図データベース24において、リンクのそれぞれに対して「対向リンク」及び「交差リンク」が記憶されている。
対向リンク及び交差リンクについて、リンクA、リンクB、リンクC及びリンクDが合流している交差点αを例に説明する。リンクAを走行している車両が交差点αにて左折すると、その車両はリンクBを走行する。リンクAを走行している車両が交差点αにて直進すると、その車両はリンクCを走行する。リンクAを走行している車両が交差点αにて右折すると、その車両はリンクDを走行する。この場合、リンクAに対する交差リンクはリンクB及びリンクDであり、リンクAに対する対向リンクはリンクCである。
即ち、あるリンクを走行している車両が交差点を直進したとき、その車両が走行するリンクがそのリンクに対する対向リンクである。あるリンクを走行している車両が交差点を右折又は左折したとき、その車両が走行するリンクがそのリンクに対する交差リンクである。例えば、交差点がT字路であれば、対向リンクの数が「0」である場合がある。加えて、交差点が五叉路であれば、交差リンクの数が「3」である場合がある。
加えて、地図データベース24において、あるリンクと、そのリンクの接続リンクのそれぞれと、のなす角が記憶されている。2つリンクのなす角は、2つのリンクのそれぞれの交差点への進入角度の差であって0°より大きく且つ180°以下の角度である。
車両10が走行している道路は、便宜上「走行道路(走行リンク)」とも称呼される。走行リンクと交差点にて接続される複数のリンクのそれぞれは、便宜上「接続道路(接続リンク)」とも称呼される。換言すれば、走行リンクに対する対向リンクと交差リンクとの集合が接続リンクである。運転支援ECU20は、地図データベース24を参照することによって走行リンクと、その走行リンクと交差点にて接続される接続リンクのそれぞれと、のなす角を取得することができる。
GPS受信部25は、GPS(Global Positioning System)衛星30からの信号(電波)に基づいて車両10の現在位置Pn(具体的には、緯度、経度及び高度の組合せ)を取得し、現在位置Pnを表す信号を運転支援ECU20へ出力する。運転支援ECU20は、現在位置Pnの経時的変化に基づいて車両10の走行方向Dnを取得する。
車速センサ26は、車両10の走行速度(車速)Vsを取得し、車速Vsを表す信号を運転支援ECU20へ出力する。
表示装置27は、車両10の車室内に設けられた図示しないセンターコンソールに配設されている。表示装置27は、車両10の運転者の操作によって、地図データベース24に記憶された地図情報を現在位置Pnと共に表示することができる。更に、表示装置27は図示しないスピーカーを含んでいる。表示装置27は運転支援ECU20の指示に応じて警告音の再生及びアナウンス等を行うことができる。
レーダ装置(前方レーダ装置)28は、車両10に搭載されていて、送信部、受信部及び処理部を備えている(いずれも不図示)。レーダ装置28は、図2に示されるように、車両10の前方端部であって車両10の車幅方向(左右方向)の中央部に配設されている。送信部は、ミリ波(周波数が30G〜300GHzに含まれる電磁波)を送信する。送信部によって送信されるミリ波は「送信波」とも称呼される。送信波は、車両10の車幅方向中心を通り且つ車両10の直進前方方向に延びる中心軸Csを有し且つ中心軸Csから右方向及び左方向にそれぞれ所定の角度θwの広がりをもって伝播する。
なお、以下において、中心軸Cs方向(即ち、車両10の前後方向)をy軸と規定し、中心軸Csに直交する方向(即ち、車両10の左右方向)をx軸と規定する。y座標は、車両10の前方向において正の値となり、車両10の後方向において負の値となる。x座標は、車両10の右方向において正の値となり、車両10の左方向において負の値となる。車両10の前方端部であって車幅方向の中央部が、x=0且つy=0となる原点である。
レーダ装置28の受信部は、複数の受信アンテナ(不図示)を内包している。送信波の一部は、物標(例えば、車両10以外の車両(他車両)及び壁面)にて反射し、受信アンテナのそれぞれによって受信される。受信部によって受信される、送信波の反射波は「受信波」とも称呼される。レーダ装置28の処理部は、所定時間が経過する毎に、送信波及び受信波に基づいて物標が存在している位置、及び、その位置にある物標の相対速度を取得する。
より具体的に述べると、処理部は、受信アンテナのそれぞれが受信した受信波のそれぞれと送信波とをミキシングすることにより複数のビート信号を取得する。処理部は、ビート信号の周波数と位相とに基づいて車両10と物標との間の距離と、その物標の相対速度と、を取得する。更に、処理部は、複数のビート信号の位相差に基づいて物標の方向を取得する。
車両10に対してある角度(方向)に物標が存在していれば、処理部は、その角度にある物標の距離と相対速度とを取得し、x−y座標平面上の横距離Dx、相対横速度Vx、縦距離Dy及び相対縦速度Vyを算出する。相対横速度Vxは横距離Dxの単位時間あたりの変化量である。相対縦速度Vyは縦距離Dyの単位時間あたりの変化量である。処理部は、横距離Dx、相対横速度Vx、縦距離Dy及び相対縦速度Vyの組合せを運転支援ECU20へ送信する。
再び図1を参照すると、車車間通信部29は、運転支援ECU20の指示に応じて現在位置Pn、車速Vs及び走行方向Dn等の情報を車両運行情報として所定の時間が経過する毎に「車両10と同様の車車間通信機能を備える他車両40」へ送信する。加えて、車車間通信部29は、他車両40が送信した車両運行情報を受信し、受信した車両運行情報を運転支援ECU20へ送信する。運転支援ECU20は、受信した車両運行情報をRAM22に他車運行情報として記憶する。
(接近車両通知処理の概要)
車両10が信号の無い交差点(以下、「対象交差点」とも称呼される。)に進入したときに車両10と衝突する可能性がある他車両40(以下、「交差点接近車両」とも称呼される。)が存在していれば、運転支援ECU20は、交差点接近車両の存在を車両10の運転者に通知する「接近車両通知処理」を実行する。より具体的に述べると、車両10が接近している対象交差点と車両10との距離が所定の自車距離閾値Dsthよりも短いとき、運転支援ECU20は、対象交差点へ向かって交差リンクを走行している対象交差点との距離が所定の他車距離閾値Dothよりも短い他車両40を交差点接近車両として特定する。
運転支援ECU20は、他車運行情報に含まれる他車両40の現在位置及び走行方向等に基づいて交差点接近車両が存在しているか否かを判定する。交差点接近車両が存在していれば、運転支援ECU20は、表示装置27のスピーカーに交差点接近車両の存在及び接近方向を表すアナウンスを再生させると共に、表示装置27にその旨を表す文字及び記号を表示させる。
ただし、車両10の直前を走行する車両(先行車両)が存在していると、車両10が対象交差点に進入するのは先行車両が対象交差点に進入した後となるので、車両10が対象交差点に進入するまでの時間が比較的長くなる可能性が高い。そこで、運転支援ECU20は、レーダ装置28によって検出された物標を先行車両として特定しているとき、接近車両通知処理を実行しない。即ち、この場合、運転支援ECU20は、交差点接近車両に関する情報を車両10の運転者に通知しない。先行車両の検出時に接近車両通知処理を行わない処理は、便宜上「通知禁止処理」とも称呼される。
運転支援ECU20は、中心軸Cs上の縦距離Dy(中心距離Dc)が所定の先行車距離閾値Dathよりも小さい物標を先行車両として特定する。本例において、先行車距離閾値Dathは4mである。
仮に、走行している先行車両との車間距離を略一定に保ちながら車両10が走行していれば、レーダ装置28によって検出された物標の車両10に対する相対速度ベクトル(相対横速度Vxと相対縦速度Vyとを成分とするベクトル)の大きさが所定値よりも小さいとき、その物標を先行車両として特定することが好適である。しかし、車両10が対象交差点に接近している場合における先行車両は、その対象交差点の手前にて一時的に停止する可能性が高い。その場合、車両10が走行している一方、先行車両が停止しているので、相対速度ベクトルの大きさが比較的大きくなり得る。即ち、相対速度ベクトルの大きさに基づいて先行車両を特定するこの方法によれば、車両10と対象交差点との間に先行車両が存在していても、先行車両が存在していないと判定される可能性がある。そこで、運転支援ECU20は、通知禁止処理を実行するか否かを判定するに際し、上述した中心距離Dcに基づいて先行車両の有無を判定する。
運転支援ECU20は、道路の側壁面及び道路沿いの建物の壁等(以下、単に「壁面」とも称呼される。)を先行車両として検出する可能性が高いとき(即ち、誤検出が発生する可能性が高いとき)、通知禁止処理を実行しない。即ち、誤検出が発生する可能性が高いとき、交差点接近車両が存在していれば、先行車両が存在すると判定されていても、運転支援ECU20は、接近車両通知処理を実行する。
壁面が先行車両として検出される場合(即ち、誤検出が発生する場合)の例が図3に示される。図3において、車両10は、リンクL0を走行し、交差点C1(対象交差点)に接近している。この交差点におけるリンクL0の対向リンクはリンクL2aであり、リンクL0の交差リンクはリンクL1及びリンクL3である。リンクL0、リンクL1、リンクL2a及びリンクL3は、いずれも片側1車線の一方通行道路であり、道幅が比較的狭い。
図3の例における車両10と壁面(本例において、リンクL2aの壁面)との中心距離Dcは距離D1であり、距離D1は先行車距離閾値Dathよりも短い(即ち、Dath>D1)。従って、運転支援ECU20は、レーダ装置28によって検出された物標(具体的には、リンクL2aの壁面)を先行車両として特定する。換言すれば、運転支援ECU20は、壁面を先行車両として検出する。
一方、壁面が先行車両として検出されない場合の例が図4に示される。図4に示される交差点C2は、リンクL2aがリンクL2bと代わっている点において図3に示される交差点C1と異なる。リンクL2bは、リンクL0の対向リンクである。リンクL0とリンクL2bとのなす角θ2bは、リンクL0とリンクL2aとのなす角θ2aよりも大きい(即ち、θ2a<θ2b)。
そのため、図4の例における車両10と壁面(本例において、リンクL2bの壁面)との中心距離Dcである距離D2は距離D1よりも長く、距離D2は先行車距離閾値Dathよりも長い(即ち、D2>Dath>D1)。従って、運転支援ECU20は、壁面を先行車両として検出しない。
リンクL0とリンクL1とのなす角θ1及びリンクL0とリンクL3とのなす角θ3は、いずれも角度θ2aよりも小さい(即ち、θ1<θ2a且つθ3<θ2a)。図3及び図4の例から理解されるように、車両10が走行しているリンク(走行リンク)と、接続リンクのそれぞれと、のなす角の最大値(図3における角度θ2a及び図4における角度θ2b)が大きいと、車両10と壁面との中心距離Dcが大きくなる可能性が高い。
そこで、走行リンクと、接続リンクのそれぞれと、がなす角が、いずれも所定の角度閾値θthよりも小さければ、運転支援ECU20は、壁面を先行車両として特定する可能性が高いと判定する。即ち、この場合、運転支援ECU20は、上記誤検出が発生する可能性が高いと判定する。従って、この場合、運転支援ECU20は、通知禁止処理を実行しない。換言すれば、走行リンクと、接続リンクのそれぞれと、がなす角が、いずれも角度閾値θthよりも小さければ、交差点接近車両が存在しているとき、運転支援ECU20は、接近車両通知処理を実行する。本例において、角度閾値θthは150°である。
従って、図3の例において、車両10が交差点C1に接近しているとき(即ち、車両10と交差点C1との距離が自車距離閾値Dsthよりも短いとき)、他車両41が交差点C1へ向かってリンクL3を走行し且つ他車両41と交差点C1との距離が他車距離閾値Dothよりも短ければ、運転支援ECU20は、他車両41が交差点C1に右側から接近していることを運転者へ通知する。
(具体的作動)
次に、運転支援ECU20の具体的作動について説明する。運転支援ECU20のCPU21(以下、単に「CPU」とも称呼される。)は、図5にフローチャートにより表された「接近車両通知処理」ルーチンを所定の時間が経過する毎に実行する。従って、適当なタイミングとなると、CPUは、図5のステップ500から処理を開始し、ステップ505に進み、車両10が対象交差点に接近しているか否かを判定する。具体的には、CPUは、車両10が対象交差点へ向かって走行し且つ車両10と対象交差点との距離が自車距離閾値Dsthよりも短いか否かを判定する。
車両10が対象交差点に接近していなければ、CPUは、ステップ505にて「No」と判定してステップ595に直接進み、本ルーチンを一旦終了する。一方、車両10が対象交差点に接近していれば、CPUは、ステップ505にて「Yes」と判定してステップ510に進み、交差点接近車両が存在しているか否かを判定する。具体的には、CPUは、対象交差点へ向かって交差リンクを走行し且つ対象交差点との距離が他車距離閾値Dothよりも短い他車両が存在しているか否かを他車運行情報に基づいて判定する。
交差点接近車両が存在していれば、CPUは、ステップ510にて「Yes」と判定してステップ515に進み、先行車両が特定(検出)されているか否かを判定する。具体的には、CPUは、レーダ装置28によって検出され且つ中心距離Dcが先行車距離閾値Dathよりも短い物標が存在しているか否かを判定する。
先行車両が検出されていなければ、CPUは、ステップ515にて「No」と判定してステップ525に進み、接近車両通知処理を実行する。即ち、CPUは、表示装置27を介して交差点接近車両の存在及び接近方向を車両10の運転者に通知する。
一方、先行車両が検出されていれば、CPUは、ステップ515にて「Yes」と判定してステップ520に進み、走行リンクと、接続リンクのそれぞれと、のなす角がいずれも角度閾値θthよりも小さいか否かを判定する。
走行リンクと、接続リンクのそれぞれと、のなす角がいずれも角度閾値θthよりも小さければ、CPUは、ステップ520にて「Yes」と判定してステップ525に進む。一方、対象交差点に対する接続リンクのうち、走行リンクとのなす角が角度閾値θth以上となるリンクがあれば、CPUは、ステップ520にて「No」と判定してステップ595に直接進む。
なお、交差点接近車両が存在していなければ、CPUは、ステップ510にて「No」と判定してステップ595に直接進む。
以上説明したように、走行リンクと、接続リンクのそれぞれと、のなす角がいずれも角度閾値θthよりも小さいとき、壁面との中心距離Dcが短くなり、以て、運転支援ECU20が壁面を先行車両として検出する可能性が高くなる。この場合、運転支援ECU20は、通知禁止処理を実行しないので、交差点接近車両が存在していれば、接近車両通知処理が実行される。即ち、本支援装置によれば、壁面を先行車両として検出する結果として先行車両が存在していないにも拘わらず通知禁止処理が実行される機会を低減させることができる。
以上、本発明に係る運転支援装置の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、本実施形態に係るレーダ装置28は、ミリ波レーダであった。しかし、レーダ装置28は、ミリ波レーダとは異なるレーダ装置であっても良い。例えば、レーダ装置28は、マイクロ波レーダ及びレーザーレーダーであっても良い。
加えて、本実施形態に係る運転支援ECU20は、他車両40から他車運行情報を受信していた。即ち、運転支援ECU20は、車車間通信によって交差点接近車両に関する情報を受信していた。しかし、運転支援ECU20は、他の方法によって交差点接近車両に関する情報を受信しても良い。例えば、運転支援ECU20は、路上に設置された路側機から他車運行情報を受信しても良い。即ち、運転支援ECU20は、路車間通信によって交差点接近車両に関する情報を受信しても良い。
加えて、本実施形態に係る運転支援ECU20は、車両10と対象交差点との距離が自車距離閾値Dsthよりも短いとき、交差リンクから対象交差点に接近し且つ対象交差点との距離が他車距離閾値Dothよりも短い他車両を交差点接近車両として特定していた。しかし、運転支援ECU20は、他の方法によって交差点接近車両を特定しても良い。例えば、運転支援ECU20は、「対象交差点との距離と、車速Vsと、に基づいて推定される車両10が対象交差点に進入するまでの時間」と「他車運行情報に基づいて推定される交差リンクを走行する他車両40が対象交差点に進入するまでの時間」との差分が所定の時間閾値よりも短いとき、その他車両40を交差点接近車両として特定しても良い。
加えて、本実施形態に係る運転支援ECU20は、対象交差点に交差リンクを走行しながら接近する他車両を交差点接近車両として特定していた。しかし、運転支援ECU20は、交差リンクを走行しながら対象交差点に接近する他車両に加え、対向リンクを走行しながら対象交差点に接近する他車両(対向リンク接近車両)も交差点接近車両として特定しても良い。或いは、運転支援ECU20は、車両10が備える方向指示器によって運転者が対象交差点にて右折する意志が表明されているとき、対向リンク接近車両を交差点接近車両として特定しても良い。
加えて、本実施形態に係る運転支援ECU20は、地図データベース24に記憶された走行リンクと、走行リンクに対する接続リンクのそれぞれと、のなす角を参照(取得)していた。しかし、運転支援ECU20は、他の方法によって走行リンクと接続リンクとのなす角を取得しても良い。例えば、運転支援ECU20は、走行リンク及び接続リンクのそれぞれの対象交差点への進入角度の差分を走行リンクと接続リンクとのなす角として算出(取得)しても良い。或いは、運転支援ECU20は、「対象交差点と走行リンク上の対象交差点から所定距離だけ離れた地点とを結ぶ直線」と「対象交差点と接続リンク上の対象交差点から所定距離だけ離れた地点とを結ぶ直線」とのなす角を、走行リンクと接続リンクとのなす角として取得しても良い。
加えて、本実施形態において、先行車距離閾値Dathは4mであった。しかし、先行車距離閾値Dathは4m以外の距離であっても良い。更に、本実施形態において、角度閾値θthは150°であった。しかし、角度閾値θthは150°以外の角度であっても良い。