JP6609433B2 - 止血デバイス - Google Patents

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Description

この発明は、止血デバイスに係り、特に、体表から血管にかけて形成された生体組織孔による出血を停止するための止血デバイスに関する。
血管内にカテーテルを挿入して血管造影、血管形成術等の各種の検査および手術を行うことが知られている。
このような医療行為を行う際には、体表の皮膚から血管に至る生体組織孔を形成し、この生体組織孔内にイントロデューサシースを設置した後、イントロデューサシースを通してカテーテル等の医療具が血管内に挿入される。そして、検査および手術が終了すると、血管内から医療具が抜去されると共に、生体組織孔からイントロデューサシースが抜き取られる。
このとき、血管壁に生体組織孔に通じる開口が形成されているため、この開口および生体組織孔を通した出血が発生する。従来、生体組織孔の穿刺部位を治具等で押さえて圧力をかけることで、止血を行っていたが、イントロデューサシースを挿入するために比較的大きな開口が血管壁に形成されており、出血を停止するまで長時間にわたって穿刺部位に圧力をかけなければならず、患者の負担になっていた。
そこで、例えば、特許文献1には、血管壁の開口をバリアで覆った状態で生体組織孔内に止血流動性物質を充填させてプラグを形成することで止血を行う閉鎖アセンブリが開示されている。バリアは、イントロデューサシース内に挿入されるバリアアセンブリの先端から測方に展開されて血管壁の開口を覆い、生体組織孔からイントロデューサシースを抜去した後に、流動性物質アセンブリを用いて生体組織孔内に止血流動性物質が充填される。バリアは、血液を通過させるものの止血流動性物質は通過させない半透性のもので、止血流動性物質は、バリアを通過する血液と相互作用してプラグを形成する。なお、バリアは、止血流動性物質が充填された後に、バリアアセンブリと共に引き抜かれる。
特表2003−521270号公報
しかしながら、特許文献1の閉鎖アセンブリでは、バリアを展開させて血管壁の開口を覆った状態で生体組織孔内に止血流動性物質を充填し、さらに、その後バリアを引き抜かなければならず、止血操作に手間がかかるという問題がある。
また、生体組織孔内にプラグが形成される前にバリアを引き抜くと、止血流動性物質が血管内に流出するおそれがあり、プラグが十分に形成された後では、バリアを引き抜くことは困難である。このため、バリアアセンブリと共にバリアを引き抜くタイミングが難しいという問題もある。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、体表から血管にかけて形成された生体組織孔による出血を簡単な操作で停止することができる止血デバイスを提供することを目的とする
この発明に係る止血デバイスは、生体組織孔および血管壁の開口部を通して先端が血管内に挿入されるシースと、シース内に進退可能に挿入される長尺の操作部材と、血液凝固促進能を有し、操作部材の先端に切り離し可能に連結されると共にシース内に収容可能で且つシースの先端から血管内に押し出されたときに展開して血栓を形成する血栓形成部材とを備え、シースは、操作部材が挿入される第1ルーメンと、第1ルーメンに平行に延びる逆血確認用の第2ルーメンとを有し、血管内に押し出された血栓形成部材の周りに形成された血栓が所定の大きさに成長したときに、血栓により第2ルーメンの先端が塞がれて第2ルーメンを通した逆血が停止し、シースおよび操作部材を引いて血栓を血栓形成部材と共に血管壁に位置させ、血栓形成部材を操作部材から切り離すことにより血栓を血管壁に留置するものである。
血栓形成部材は、シースの先端から押し出されたときに拡張する拡張部材と、拡張部材の表面に付着された血液凝固促進剤から構成することができる。
この場合、拡張部材は、シース内に収容されているときに閉じると共にシースの先端から押し出されたときに開く複数のフレーム部材と、複数のフレーム部材に取り付けられた可撓性の膜部材からなり、血液凝固促進剤が、膜部材の表面に付着されていてもよい。
あるいは、拡張部材は、収縮された状態でシース内に収容されると共にシースの先端から押し出されたときに伸張する線条体から形成されていてもよい。
血栓形成部材は、シースの先端から押し出されたときに拡張すると共に血液凝固促進材料から形成された拡張部材から構成することもできる。
この場合、拡張部材は、シース内に収容されているときに閉じると共にシースの先端から押し出されたときに開く複数のフレーム部材と、複数のフレーム部材に取り付けられた可撓性の膜部材からなっていてもよい。
あるいは、拡張部材は、収縮された状態でシース内に収容されると共にシースの先端から押し出されたときに伸張する線条体から形成されていてもよい。
拡張部材は、弾性および形状記憶性のいずれかを有して自己拡張する、あるいは、血管内における血流を受けて拡張することが好ましい。
操作部材は、ワイヤから形成することができる。
また、好ましくは、シースは、外周面に長手方向に沿って形成された目盛りを有している。
この発明によれば、血液凝固促進能を有する血栓形成部材が、操作部材の先端に切り離し可能に連結されると共にシース内に収容可能で且つシースの先端から血管内に押し出されたときに展開して血栓を形成し、シースおよび操作部材を引いて血栓を血栓形成部材と共に血管壁に位置させ、血栓形成部材を操作部材から切り離すことにより血栓を血管壁に留置するので、体表から血管にかけて形成された生体組織孔による出血を簡単な操作で停止することが可能となる。
この発明の実施の形態1に係る止血デバイスの全体構造を示す側面断面図である。 図1のA−A線断面図である。 実施の形態1の止血デバイスの先端近傍の構造を示す部分拡大断面図である。 血栓形成部材をシースの先端から押し出した状態の実施の形態1の止血デバイスを示す側面断面図である。 体表から血管に至る生体組織孔内にイントロデューサシースを設置した状態を示す側面断面図である。 イントロデューサシースに実施の形態1の止血デバイスを挿入した状態を示す側面断面図である。 イントロデューサシースに実施の形態1の止血デバイスを挿入した状態を示す正面断面図である。 イントロデューサシースに挿入された実施の形態1の止血デバイスの血栓形成部材をシースの先端から押し出した状態を示す側面断面図である。 イントロデューサシースに挿入された実施の形態1の止血デバイスの血栓形成部材の周辺に血栓が形成され始めている状態を示す側面断面図である。 図9の要部拡大図である。 血栓形成部材の周辺に形成された血栓がイントロデューサシースに挿入された実施の形態1の止血デバイスのシースの先端を塞いだ状態を示す側面断面図である。 図11の要部拡大図である。 血栓および血栓形成部材が血管壁に位置するまでイントロデューサシースと止血デバイスのシースおよび操作部材を引いた状態を示す側面断面図である。 操作部材から血栓形成部材を切り離して血栓および血栓形成部材を血管壁に留置した状態を示す側面断面図である。 実施の形態2の止血デバイスに用いられるシースおよび操作部材を示す正面断面図である。 実施の形態3の止血デバイスに用いられる血栓形成部材を示す斜視図である。 実施の形態3の変形例に係る止血デバイスに用いられる血栓形成部材を示す斜視図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に実施の形態1に係る止血デバイス1の構成を示す。止血デバイス1は、長尺のシース2と、シース2の内部に進退可能に挿入される長尺の操作部材3を備えている。操作部材3は、可撓性を有するワイヤからなり、操作部材3の先端に血栓形成部材4が連結されている。血栓形成部材4は、血液凝固促進能を有し、血栓を形成するためのものである。
また、シース2の基端部には、逆止弁5が配置され、操作部材3は、逆止弁5を通してシース2の内部に挿入されている。
図2に示されるように、シース2は、内筒2Aと外筒2Bからなる二重管構造を有し、内筒2Aの内側に第1ルーメンL1が形成されると共に内筒2Aと外筒2Bの間に第2ルーメンL2が形成されている。第1ルーメンL1および第2ルーメンL2は、シース2の基端から先端まで延びており、第1ルーメンL1に操作部材3が挿入され、第2ルーメンL2は、逆血を確認するためのものである。逆止弁5は、第1ルーメンL1に対しては弁機能を発揮するが、第2ルーメンL2に対しては弁機能を備えておらず、第2ルーメンL2の基端部は、逆止弁5の内部を通して開口された状態にある。
図3に示されるように、操作部材3の先端に連結された血栓形成部材4は、拡張部材4Aと、拡張部材4Aの表面に付着された血液凝固促進剤4Bから構成されている。拡張部材4Aは、折り畳まれた状態でシース2の先端の第1ルーメンL1内に収容されると共に弾性を有しており、図4に示されるように、シース2の先端から前方に押し出されたときに、弾性によりシース2の径よりも大きな径にまで拡張して展開する。なお、血液凝固促進剤4Bは、シース2の前方で展開したときに、シース2の先端に対向する拡張部材4Aの表面上に付着している。
また、図3に示されるように、第1ルーメンL1および第2ルーメンL2は、それぞれ、シース2の先端において開口している。
さらに、操作部材3の先端近傍には、脆弱部3Aが形成されており、設定値以上の力で血栓形成部材4から操作部材3を引っ張ったときに、脆弱部3Aが切断され、血栓形成部材4が操作部材3から切り離されるように構成されている。
なお、シース2の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料あるいはこれらの混合物、あるいは上記2種以上の高分子材料が挙げられる。
操作部材3を構成するワイヤおよび血栓形成部材4の拡張部材4Aは、シース2の形成材料として列挙した高分子材料の他、例えば、Ni−Ti系合金のような擬弾性合金(超弾性合金を含む)、形状記憶合金、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等、SUSの全品種)、コバルト系合金、金、白金のような貴金属、タングステン系合金、炭素系材料(ピアノ線を含む)等の金属材料を用いることもできる。
血液凝固促進剤4Bとしては、例えば、内皮細胞組織因子(TF)、第VII因子、TF−因子VIIa、第IX因子、第X因子、トロンビン、活性化第II因子(第IIa因子)、第XIa因子、プラスミン、第XII因子、第Xa因子、TFP1、第Va因子、プロトロンビナーゼ複合体、プロトロンビン、第V因子、第XI因子、第VIII因子、vWF、第VIIIa因子、第IXa因子およびテナーゼ複合体を用いることができる。
また、プロトロンビン複合体濃縮物、寒冷沈降物、凍結血漿組換え型活性化ヒト第VII因子、フィブロネクチン、カルシウムイオン等の凝固因子濃縮物を血液凝固促進剤4Bとして用いることもできる。さらに、トラネキサム酸、アミノカプロン酸、アプロチニン、ペプスタチン、ロイペプチン、アンチパイン、キモスタチン、ガベキサート等の抗線維素溶解薬を血液凝固促進剤4Bとして用いてもよい。
また、コラーゲン、キチン、キトサン、アルギン酸塩等を血液凝固促進剤4Bとして使用することもできる。
次に、実施の形態1に係る止血デバイス1の使用方法について説明する。
図5に示されるように、患者の体表Sの皮膚から血管Vに至る生体組織孔H1を形成し、この生体組織孔H1および血管壁Wの開口部H2を通して先端が血管V内に位置するようにイントロデューサシース6を設置し、このイントロデューサシース6を通して図示しないカテーテル等の医療具を血管V内に挿入した状態で、血管造影、血管形成術等の各種の検査および手術が実施される。
なお、イントロデューサシース6の基端部には、逆止弁7が配置されており、イントロデューサシース6を通した出血を防止している。
検査および手術が終了すると、血管V内およびイントロデューサシース6内から医療具が抜去された後、イントロデューサシース6が抜き取られるが、このとき、血管壁Wの開口部H2および生体組織孔H1を通した出血を防止するために、止血デバイス1が使用される。
まず、図6に示されるように、操作部材3の先端に連結された血栓形成部材4がシース2内に収容された状態で、止血デバイス1のシース2を逆止弁7およびイントロデューサシース6を通して血管V内に挿入する。ここで、シース2の先端がイントロデューサシース6の先端よりもわずかに前方に突出するようにシース2の挿入長さが調整される。
このとき、図7に示されるように、止血デバイス1のシース2が、イントロデューサシース6のルーメン6A内に挿入されるが、シース2の第2ルーメンL2がシース2の先端において血管V内で開口しているので、第2ルーメンL2を通した逆血が発生する。上述したように、シース2の基端に配置されている逆止弁5は、第2ルーメンL2に対しては弁機能を備えておらず、第2ルーメンL2の基端部は、逆止弁5の内部を通して開口された状態にあるため、逆血の発生により、逆止弁5から血液Bが滲み出ることとなる。
なお、逆血とは、血管内腔に連通したシース2の第2ルーメンL2内に、血圧により血液が流入することを意味している。
次に、図8に示されるように、シース2に対して操作部材3を前進させることにより血栓形成部材4をシース2の先端から血管V内に押し出す。血栓形成部材4の拡張部材4Aは、予め弾性を有しており、シース2の先端から前方へ突出することで、シース2の径よりも大きな径にまで自己拡張して展開する。これにより、拡張部材4Aの表面上に付着している血液凝固促進剤4Bが血管V内に露出されると共に、拡張部材4Aの拡張により拡張部材4Aの近傍において血液が滞留しやすくなる。
その結果、図9に示されるように、血液凝固促進剤4Bの作用により、シース2の先端に対向する拡張部材4Aの表面上に、血栓Pが形成され始める。
時間の経過と共に血栓Pは次第に成長して大きくなるが、図10に示されるように、血栓Pがまだ小さくてシース2の先端に達しないときには、シース2の第2ルーメンL2がシース2の先端において血管V内で開口しているので、血液Bが第2ルーメンL2に入り込んで第2ルーメンL2を通した逆血が持続し、逆止弁5からの血液Bの滲み出しが確認されることとなる。
そして、図11に示されるように、血栓Pがシース2の先端に接触するまで成長すると、図12に示されるように、シース2の第2ルーメンL2の先端が血栓Pにより塞がれ、第2ルーメンL2を通した逆血が停止し、逆止弁5からの血液Bの滲み出しが停止する。すなわち、止血デバイス1の操作者は、逆血の停止を確認することにより、血栓形成部材4の拡張部材4Aの表面上に形成された血栓Pが所定以上の大きさにまで成長したことを認識することができる。
なお、逆血が停止するときの血栓Pの大きさが、イントロデューサシース6の径よりも大きな値となるように、予め、血栓形成部材4の拡張部材4Aの大きさおよびシース2の先端からの血栓形成部材4の突出長さが設定されているものとする。
逆血の停止を確認したところで、図13に示されるように、止血デバイス1のシース2および操作部材3とイントロデューサシース6を共に引いて血管V内の血栓Pを移動させる。血栓Pは、イントロデューサシース6の径よりも大きく成長しているので、血栓形成部材4と共に血管壁Wの開口部H2に位置するまで移動した後は、血栓Pが、生体組織孔H1の周辺の生体組織から抵抗力を受ける。このため、止血デバイス1のシース2および操作部材3とイントロデューサシース6を引きにくくなり、止血デバイス1の操作者は、血栓Pが血管壁Wの開口部H2に位置したことを認識することができる。
ここで、シース2に対して操作部材3を設定値以上の力で引っ張ると、図3に示したように、操作部材3の先端近傍に脆弱部3Aが形成されているため、脆弱部3Aが切断され、血栓形成部材4が操作部材3から切り離される。このため、止血デバイス1のシース2および操作部材3とイントロデューサシース6を引き抜くと、図14に示されるように、血栓Pが血栓形成部材4と共に血管壁Wの開口部H2の付近に留置されることとなる。
その結果、血管壁Wの開口部H2および生体組織孔H1を通した出血が防止される。
このように、実施の形態1に係る止血デバイス1を用いることにより、操作部材3を操作すると共にシース2および操作部材3とイントロデューサシース6を引き抜くだけの簡単な操作で止血を行うことが可能となる。
また、シース2が逆血確認用の第2ルーメンL2を有しているので、第2ルーメンL2を通した逆血の停止を確認することで、血栓Pが所定以上の大きさにまで成長したことを認識することができ、シース2および操作部材3とイントロデューサシース6を引いて血栓Pを血管壁Wの開口部H2に位置させるタイミングを容易に把握することができる。
なお、上記の実施の形態1では、操作部材3の先端近傍に脆弱部3Aが形成され、設定値以上の力で血栓形成部材4から操作部材3を引っ張ったときに、脆弱部3Aが切断されて血栓形成部材4が操作部材3から切り離されるように構成されていたが、血栓形成部材4を操作部材3から切り離すための構造は、脆弱部3Aの存在によるものに限らない。
例えば、操作部材3の先端に接着剤で血栓形成部材4を接合して連結し、設定値以上の力で血栓形成部材4から操作部材3を引っ張ったときに、接合部分が剥がれて血栓形成部材4が操作部材3から切り離されるようにしてもよい。
また、操作部材3を所定以上の温度で溶解する熱溶解性材料で形成すると共に、電流を流すことにより熱を発生する発熱部材を操作部材3の先端近傍に配置し、発熱部材に電流を流して操作部材3の先端近傍を溶解することで、血栓形成部材4を操作部材3から切り離すこともできる。操作部材3の全体を熱溶解性材料で形成する代わりに、操作部材3の先端近傍に熱溶解性材料からなる接続部を配置し、この接続部を介して血栓形成部材4を操作部材3に連結しておき、発熱部材からの発熱により接続部を溶解するようにしてもよい。
さらに、シース2の基端からシース2の先端近傍まで延び且つシース2の先端近傍で第1ルーメンL1に連通する第3ルーメンをシース2に形成し、第3ルーメンを通して流体を供給することで、第1ルーメンL1内に挿入されている操作部材3を流体圧により切断する構造とすることもできる。
また、操作部材3を捻れに対する剛性を有する材料から形成すると共に操作部材3の先端にネジ込み式に血栓形成部材4を連結しておき、操作部材3を軸回りに回転させることで、操作部材3から血栓形成部材4を切り離す構造も可能である。
さらに、シース2が、外周面に長手方向に沿って形成された目盛りを有するように構成することもできる。図6に示されるように、シース2を血管V内に挿入したときに、目盛りに基づいて、血管V内へのシース2の先端の挿入長さを把握しておけば、図13に示されるように、シース2および操作部材3とイントロデューサシース6を共に引いて血管V内の血栓Pを移動させる際に、血栓Pを血管壁Wの開口部H2付近に位置させやすくなる。
実施の形態2
上述した実施の形態1においては、内筒2Aと外筒2Bからなる二重管構造を有するシース2が用いられていたが、これに限るものではなく、例えば、図15に示されるように、第1ルーメンL3と第2ルーメンL4が、互いに平行に並設されたシース12を用いることもできる。
第1ルーメンL3には、操作部材3が挿入され、第2ルーメンL4には、逆血が発生したときの血液が流通される。
このようなシース12を用いても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることが可能となる。
実施の形態3
図16に、実施の形態3に係る止血デバイスに用いられる血栓形成部材14の構成を示す。血栓形成部材14は、複数のフレーム部材15と複数のフレーム部材15に取り付けられた膜部材16からなる拡張部材14Aを有している。複数のフレーム部材15は、シース2内に収容されているときには閉じ、シース2の先端から押し出されたときには、図16に示されるように開くもので、これらのフレーム部材15を骨組みとして可撓性の膜部材16が取り付けられている。そして、シース2の先端に対向する膜部材16の表面上に図示しない血液凝固促進剤が付着されている。
このような血栓形成部材14を用いても、拡張部材14Aの拡張により拡張部材14Aの近傍において血液が滞留されやすくなり、血液凝固促進剤の作用により、血栓Pを形成することができる。
また、図17に示される血栓形成部材24のように、1本または複数本の線条体25を絡ませた拡張部材24Aを有するものを用いることもできる。線条体25は、シース2内に収容されているときには収縮し、シース2の先端から押し出されたときには、図17に示されるように伸張するもので、線条体25の表面上に図示しない血液凝固促進剤が付着されている。
このような血栓形成部材24を用いても、拡張部材24Aの拡張により拡張部材24Aの近傍において血液が滞留されやすくなり、血液凝固促進剤の作用により、血栓Pを形成することができる。
また、実施の形態1における血栓形成部材4並びに実施の形態3における血栓形成部材14および24は、いずれも、拡張部材4A、14Aおよび24Aの表面上に血液凝固促進剤が付着されたものであったが、血液凝固促進剤を用いずに、これらの拡張部材4A、14Aおよび24Aを、それぞれ血液凝固促進材料から形成することもできる。
このような血液凝固促進材料としては、コラーゲン、キチン、キトサン、アルギン酸塩等を使用することができる。
さらに、上記の実施の形態1では、血栓形成部材4の拡張部材4Aは、シース2の先端から前方へ突出したときに、弾性により自己拡張して展開したが、これに限るものではなく、実施の形態1における拡張部材4A並びに実施の形態3における拡張部材14Aおよび24Aを、例えば、形状記憶効果を有する材料から形成し、血管V内で形状記憶効果により自己拡張するように構成してもよい。
また、実施の形態1における拡張部材4A並びに実施の形態3における拡張部材14Aを、血管V内において血流による力を受けることで拡張するような構造とすることもできる。
実施の形態1における拡張部材4A並びに実施の形態3における拡張部材14Aおよび24Aを、ゼラチン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸等の生分解性材料から形成し、これらの拡張部材4A、14Aおよび24Aの表面上に血液凝固促進剤を付着することもできる。このような構成とすれば、血栓形成部材4、14および24が血管壁Wの開口部H2付近に留置された後に、時間の経過と共に拡張部材4A、14Aおよび24Aが生分解されることとなる。
1 止血デバイス、2,12 シース、3 操作部材、3A 脆弱部、4,14,24 血栓形成部材、4A,14A,24A 拡張部材、4B 血液凝固促進剤、5,7 逆止弁、6 イントロデューサシース、6A ルーメン、15 フレーム部材、16 膜部材、25 線条体、L1,L3 第1ルーメン、L2,L4 第2ルーメン、S 体表、V 血管、W 血管壁、B 血液、H1 生体組織孔、H2 開口部、P 血栓。

Claims (10)

  1. 生体組織孔および血管壁の開口部を通して先端が血管内に挿入されるシースと、
    前記シース内に進退可能に挿入される長尺の操作部材と、
    血液凝固促進能を有し、前記操作部材の先端に切り離し可能に連結されると共に前記シース内に収容可能で且つ前記シースの先端から血管内に押し出されたときに展開して血栓を形成する血栓形成部材と
    を備え、
    前記シースは、前記操作部材が挿入される第1ルーメンと、前記第1ルーメンに平行に延びる逆血確認用の第2ルーメンとを有し、
    血管内に押し出された前記血栓形成部材の周りに形成された血栓が所定の大きさに成長したときに、前記血栓により前記第2ルーメンの先端が塞がれて前記第2ルーメンを通した逆血が停止し、前記シースおよび前記操作部材を引いて前記血栓を前記血栓形成部材と共に前記血管壁の開口部に位置させ、前記血栓形成部材を前記操作部材から切り離すことにより前記血栓を前記血管壁の開口部に留置することを特徴とする止血デバイス。
  2. 前記血栓形成部材は、前記シースの先端から押し出されたときに拡張する拡張部材と、前記拡張部材の表面に付着された血液凝固促進剤からなる請求項1に記載の止血デバイス。
  3. 前記拡張部材は、前記シース内に収容されているときに閉じると共に前記シースの先端から押し出されたときに開く複数のフレーム部材と、前記複数のフレーム部材に取り付けられた可撓性の膜部材からなり、
    前記血液凝固促進剤は、前記膜部材の表面に付着されている請求項2に記載の止血デバイス。
  4. 前記拡張部材は、収縮された状態で前記シース内に収容されると共に前記シースの先端から押し出されたときに伸張する線条体からなる請求項2に記載の止血デバイス。
  5. 前記血栓形成部材は、前記シースの先端から押し出されたときに拡張すると共に血液凝固促進材料から形成された拡張部材からなる請求項1に記載の止血デバイス。
  6. 前記拡張部材は、前記シース内に収容されているときに閉じると共に前記シースの先端から押し出されたときに開く複数のフレーム部材と、前記複数のフレーム部材に取り付けられた可撓性の膜部材からなる請求項5に記載の止血デバイス。
  7. 前記拡張部材は、収縮された状態で前記シース内に収容されると共に前記シースの先端から押し出されたときに伸張する線条体からなる請求項5に記載の止血デバイス。
  8. 前記拡張部材は、弾性および形状記憶性のいずれかを有して自己拡張する、あるいは、血管内における血流を受けて拡張する請求項2〜のいずれか一項に記載の止血デバイス。
  9. 前記操作部材は、ワイヤからなる請求項1〜7のいずれか一項に記載の止血デバイス。
  10. 前記シースは、外周面に長手方向に沿って形成された目盛りを有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の止血デバイス。
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