JP2013153810A - 瘤治療デバイス及び瘤治療方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】血管を介して瘤を治療するための方法に関連してなされたものであり、瘤内圧の上昇を効果的に抑制することができ且つ周辺組織への影響を低減することが可能な瘤治療デバイス及び瘤治療方法を提供することを目的とする。
【解決手段】瘤治療デバイス10は、可撓性を有する線状のシャフト12と、シャフト12の先端部に設けられ、血管分岐部に存在する瘤62の両側に隣接する血管66a、66bに挿入可能な少なくとも2つのアーム22a、22bを有し、アーム22a、22bの間隔を広げた拡張状態からアーム22a、22bの間隔を狭めた収縮状態へと動作可能な挟持機構14と、シャフト12から挟持機構14を離脱可能に構成された離脱機構16とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体器官に発生した瘤を治療するための瘤治療デバイス及び瘤治療方法に関する。
血管の一部が膨らんで弱くなっている部分は瘤と呼ばれ、特に脳の動脈に生じるものは脳動脈瘤と呼ばれる。脳動脈瘤が破裂した場合、クモ膜下出血が起こる。このような破裂を予防するための治療方法としては、いくつかの方法がある。ひとつは、脳神経外科的に開頭し、脳動脈瘤と親動脈との間(動脈瘤の根元部分)をクリップで留める「ネッククリップ術」である。別の治療方法は、開頭することなく治療をするものであり、血管内を通してカテーテルを脳動脈瘤の中に入れ、当該カテーテルを通してプラチナ等の金属からなる柔軟なコイルを脳動脈瘤内に埋め込む「塞栓術」と呼ばれる方法である(下記特許文献1)。
特表2008−510594号公報
本発明は、血管を介して(血管内インターベンション的な手技により)瘤を治療するための方法に関連してなされたものであり、瘤内圧の上昇を効果的に抑制することができ且つ周辺組織への影響を低減することが可能な瘤治療デバイス及び瘤治療方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の瘤治療デバイスは、可撓性を有する線状のシャフトと、前記シャフトの先端部に設けられ、血管分岐部に存在する瘤の両側に隣接する血管に挿入可能な少なくとも2つのアームを有し、前記アームの間隔を広げた拡張状態から前記アームの間隔を狭めた収縮状態へと動作可能な挟持機構と、前記シャフトから前記挟持機構を離脱可能に構成された離脱機構とを備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、カテーテル内に瘤治療デバイスを挿通して、血管分岐部に発生した瘤の近傍まで瘤治療デバイスの先端部に設けられた挟持機構を送達し、当該挟持機構のアームにより、瘤の両側に隣接する血管越しに瘤を圧迫し、その後、挟持機構をシャフトから離脱させる手技を実施することができる。両側の血管越しに瘤を圧迫することにより、瘤の開口部が縮小又は閉塞されるため、瘤内圧の上昇を効果的に抑制することができるとともに、瘤の内容積の減少により周辺組織への影響を低減することができる。
上記の瘤治療デバイスにおいて、弾性力に抗して前記アームの間隔を広げるべく前記アーム間に存在する第1の状態から、前記アームに対する強制拡張を解除する第2の状態へと変化可能な拡張解除部をさらに備えてもよい。
上記の構成によれば、拡張解除部が第2の状態となることで、アームの間隔を即時に狭め、これにより瘤の両側に隣接する血管越しに瘤を迅速且つ確実に圧迫することができる。また、このような拡張解除部は、瘤治療デバイスの先端部においてコンパクトに構成できるため、瘤治療デバイスの細径化ができ血管挿通性の向上に寄与する。
上記の瘤治療デバイスにおいて、前記アームは、少なくとも長手方向の途中部位が屈曲又は湾曲し、前記挟持機構は、前記シャフトに連結された基部と、前記基部に設けられ前記アームが挿通された形状規制部とを有し、前記形状規制部が前記アーム上の第1の位置にあるときは、前記挟持機構が前記拡張状態をとり、前記形状規制部が前記アーム上の前記第1の位置よりも先端側の第2の位置にあるときは、前記形状規制部が前記アームを変形させることにより前記挟持機構が前記収縮状態をとる構成でもよい。
上記の構成によれば、アームを瘤の両側に隣接する血管に挿入しつつ、瘤治療デバイスを瘤の方向に向かって押し込むだけで、形状規制部の作用によりアーム間隔を狭めることができるので、操作性に優れるものであり、瘤の両側に隣接する血管越しに瘤を迅速且つ簡易に圧迫することができる。
上記の瘤治療デバイスにおいて、前記シャフトは、複数設けられ且つ各々が軸線回りに回転可能であり、前記複数のシャフトの各々の先端には、湾曲した前記アームが設けられ、前記シャフトの回転に伴って前記アームの向きを変えることにより、前記挟持機構が前記収縮状態となるように構成されてもよい。
上記の構成によれば、湾曲したアームに接続されたシャフトを回転させるだけで、アーム間隔を確実に狭めることができる。また、瘤治療デバイスの先端部に複雑な駆動機構を設ける必要がないため、瘤治療デバイスの細径化ができ血管挿通性の向上に寄与する。
上記の瘤治療デバイスにおいて、前記離脱機構は、前記複数のシャフトが摺動可能に挿通された結束部材と、前記結束部材を溶融させるヒータとを備え、前記ヒータの加熱により前記結束部材が溶融した際、その溶融箇所で前記複数のシャフトが前記結束部材とともに溶融することにより、前記挟持機構が前記シャフトから離脱する構成でもよい。
上記の構成によれば、離脱機構をシャフトから離脱させた後においても、アームが分離することがなく、アームにより瘤を圧迫した状態を確実且つ安定的に保持することができる。
上記の瘤治療デバイスにおいて、前記アーム間に、前記瘤に挿入可能な支持体が設けられるとよい。
上記の構成によれば、アームが相当に細い場合でも、支持体とアームとの間に瘤を挟み込むため、瘤を両側から確実に圧迫することができる。また、支持体が瘤に係合することにより、挟持機構をシャフトから離脱させる際、又はその後において、挟持機構が瘤から離脱することを抑制又は防止することができる。
また、本発明の瘤治療方法は、可撓性を有する線状のシャフトと、前記シャフトの先端に設けられ少なくとも2つのアームを有する挟持機構と、前記シャフトから前記挟持機構を離脱可能に構成された離脱機構とを備えた瘤治療デバイスを、血管内に挿通されたカテーテル内を通して、血管分岐部に生じた瘤がある位置まで送達するアクセスステップと、前記瘤の両側に隣接する血管の各々に、前記アームを挿入する挿入ステップと、前記挟持機構の作用下に前記アームの間隔を狭めることにより、前記瘤の両側に隣接する血管越しに前記瘤を圧迫する圧迫ステップと、前記瘤を圧迫した状態の前記挟持機構を前記シャフトから離脱させる離脱ステップとを含むことを特徴とする。
上記の瘤治療方法によれば、瘤の開口部を縮小又は閉塞させることにより、瘤内圧の上昇を効果的に抑制することができる。また、瘤の内容積が減少するので、周辺組織への影響を低減することができる。
上記の瘤治療方法において、前記挿入ステップでは、さらに、前記アームの間に設けられた支持体を前記瘤内に挿入するとよい。
上記の方法によれば、アームが相当に細い場合でも、支持体とアームとの間に瘤を挟み込むため、瘤を両側から確実に圧迫することができる。また、支持体が瘤に挿入されることにより、挟持機構が瘤から離脱することを抑制又は防止することができる。
本発明の瘤治療デバイス及び瘤治療方法によれば、瘤内圧の上昇を効果的に抑制することができ且つ周辺組織への影響を低減することができる。
本発明の第1実施形態に係る瘤治療デバイスの一部省略側面図である。 図1に示した瘤治療デバイスの挟持機構の斜視図である。 図3Aは、第1実施形態に係る瘤治療デバイスの挟持機構がカテーテルの先端部内に位置した状態を示す側面断面図であり、図3Bは、第1実施形態に係る瘤治療デバイスの挟持機構がアウタチューブの先端から押し出された状態を示す側面断面図であり、図3Cは、第1実施形態に係る瘤治療デバイスの挟持機構が閉じた状態を示す側面断面図である。 図4Aは、第1構成例に係る離脱機構の構成図であり、図4Bは、第2構成例に係る離脱機構の構成図であり、図4Cは、第3構成例に係る離脱機構の構成図であり、図4Dは、第4構成例に係る離脱機構の構成図であり、図4Eは、第5構成例に係る離脱機構の構成図である。 図5Aは、第1実施形態に係る瘤治療デバイスの使用方法を説明する第1の図であり、図5Bは、第1実施形態に係る瘤治療デバイスの使用方法を説明する第2の図である。 図6Aは、第1実施形態に係る瘤治療デバイスの使用方法を説明する第3の図であり、図6Bは、第1実施形態に係る瘤治療デバイスの使用方法を説明する第4の図である。 第1実施形態に係る瘤治療デバイスの使用方法を説明する第5の図である。 本発明の第2実施形態に係る瘤治療デバイスの先端部を示す斜視図である。 図9Aは、第2実施形態に係る瘤治療デバイスの挟持機構が拡張した状態を示す側面断面図であり、図9Bは、第2実施形態に係る瘤治療デバイスの挟持機構が収縮した状態を示す側面断面図である。 図10Aは、第2実施形態に係る瘤治療デバイスの使用方法を説明する第1の図であり、図10Bは、第2実施形態に係る瘤治療デバイスの使用方法を説明する第2の図である。 図11Aは、第2実施形態に係る瘤治療デバイスの使用方法を説明する第3の図であり、図11Bは、第2実施形態に係る瘤治療デバイスの使用方法を説明する第4の図である。 第2実施形態に係る瘤治療デバイスの使用方法を説明する第5の図である。 図13Aは、本発明の第3実施形態に係る瘤治療デバイスの先端部を示す側面断面図であり、図13Bは、本発明の第3実施形態に係る瘤治療デバイスの挟持機構がアウタチューブの先端から押し出された状態を示す側面断面図である。 図14Aは、第3実施形態に係る瘤治療デバイスの使用方法を説明する第1の図であり、図14Bは、第3実施形態に係る瘤治療デバイスの使用方法を説明する第2の図である。 図15Aは、第3実施形態に係る瘤治療デバイスの使用方法を説明する第3の図であり、図15Bは、第3実施形態に係る瘤治療デバイスの使用方法を説明する第4の図である。 第3実施形態に係る瘤治療デバイスの使用方法を説明する第5の図である。
以下、本発明に係る瘤治療デバイス及び瘤治療方法について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る瘤治療デバイス10の構成を示す一部省略側面図である。この瘤治療デバイス10は、カテーテル11に挿通可能な長尺なアウタチューブ13と、アウタチューブ13に挿通配置された長尺なシャフト12と、シャフト12に連結された挟持機構14と、シャフト12から挟持機構14を離脱可能に構成された離脱機構16とを備える。瘤治療デバイス10は、血管分岐部に生じた瘤の両側から血管越しに瘤を圧迫してその内容積を縮小させた後に、瘤を圧迫した状態の挟持機構14をシャフト12から離脱させることにより、瘤内部の血圧を下げて瘤の破裂を予防する治療をするためのデバイスである。以下、各構成要素の構成を説明する。
図1に示すように、アウタチューブ13は、可撓性を有する長尺で線状(ワイヤ状)の両端が開口した中空の管状部材であり、その基端部には、操作者が把持するための、シャフト12よりも大径のグリップ部18が設けられている。アウタチューブ13は、生体内の管腔(血管等)に挿入されて管腔内を走行する際にカテーテル11とともに管腔の湾曲に容易に追従できる程度の柔軟性を有することが好ましい。
そこで、アウタチューブ13は、金属や樹脂が挙げられる。金属としては、例えば、Ni−Ti系合金のような擬弾性合金(超弾性合金を含む)、形状記憶合金、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等、SUSの全品種)、コバルト系合金、金、白金のような貴金属、タングステン系合金、炭素系材料(ピアノ線を含む)等が挙げられる。樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、或いはこれら二種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料或いはこれらの混合物、或いは上記2種以上の高分子材料が挙げられる。アウタチューブ13はこれらの金属や樹脂から形成された複合物からなる多層チューブ等により構成され得る。
アウタチューブ13の寸法は、治療対象部位に応じて適宜選択されるが、例えば、脳動脈瘤の治療に使用される場合には、全長が800〜1500mm、外径が0.6〜3mm程度に設定される。
シャフト12は、アウタチューブ13の内腔内に軸線方向に変位可能に挿通配置されており、その基端が、グリップ部18に設けられた操作ノブ29に連結されている。操作ノブ29を軸線方向に操作することにより、アウタチューブ13に対してシャフト12を進退及び回転移動させることができる。
シャフト12は、アウタチューブ13と同様に、生体内の管腔(血管等)に挿入されて管腔内を走行する際に管腔の湾曲に容易に追従できる程度の柔軟性を有するとともに、アウタチューブ13から挟持機構14を押し出すことができ且つ挟持機構14にトルクを伝達できるような適度の剛性を有することが好ましい。そこで、シャフト12は、アウタチューブ13の構成材料として上記に例示したものから構成され得る。
本実施形態における挟持機構14は、図2に示すように、シャフト12に連結された基部20と、基部20の先端側から分岐した少なくとも複数(図示例では2つ)のアーム22a、22bと、アーム22a、22b間に配置された支持体24と、アーム22a、22b間に配置された拡張解除部26とを有し、アーム22a、22bの間隔を広げた拡張状態(図3B参照)からアーム22a、22bの間隔を狭めた収縮状態(図3C参照)へと動作可能である。
アーム22a、22bは、基部20と一体的に形成されており、血管分岐部に存在する瘤の両側に隣接する血管に挿入可能に構成されている。具体的には、アーム22a、22bの基端は基部20に連結し、アーム22a、22bは基部20から分岐してそれぞれ先端方向に延出している。各アーム22a、22bの先端は、外側方向(アーム22a、22bの離間方向)に屈曲している。
アーム22a、22b間に配置された支持体24は、基部20の延長線上に設けられ、アーム22a、22bよりも幅広の平板状をなしている。支持体24と基部20との間には、アーム22a、22b間で基部20から延出した連結部28が形成され、当該連結部28により支持体24が支持されている。連結部28は、支持体24よりも幅が小さい。連結部28に隣接する位置に、拡張解除部26が配置されている。
拡張解除部26は、弾性力に抗してアーム22a、22bの間隔を広げるべくアーム22a、22b間に存在する第1の状態から、アーム22a、22bに対する強制拡張を解除する第2の状態へと変化可能に構成されている。本実施形態において、具体的には、拡張解除部26は、アーム22a、22bの基端側でアーム22a、22bの間に挟持された状態で保持された介在部材26Aとして構成されている。
アーム22a、22bは介在部材26Aにより強制的に弾性変形させられ、自然状態と比較してアーム22a、22bが開いた状態で保持されている。すなわち、アーム22a、22b間に介在部材26Aが挟持された状態では、図2に示すように、アーム22a、22bは先端側に向かって互いの間隔が拡大する。2つのアーム22a、22bはある角度を形成してV字形状をなしている。図示例のようにアーム22a、22bの基端側に膨出部27を設け、当該膨出部27の間に介在部材26Aが挟持された構成にすると、支持体24を設けるための連結部28が存在する場合でも、介在部材26Aを確実にアーム22a、22b間に挟持させることができる。
図3Aに示すように、拡張解除部26が挟持されたアーム22a、22bは、アウタチューブ13の内周面で拡張が規制された状態(介在部材26Aが挟持された箇所よりも先端側の部分が弾性変形した状態)でアウタチューブ13内に収納されてもよい。アーム22a、22bは、当該アーム22a、22b間に挟持された介在部材26Aにより強制拡張される方向の力を受けているため、図3Bに示すように、アウタチューブ13の先端からアーム22a、22bを突出させると、アーム22a、22bは、介在部材26Aとの接触箇所よりも先端側の部分の形状が弾性的に復元し、これによりアーム22a、22bの間隔が開いた状態となる。
介在部材26Aには、ワイヤ31が連結されている。このワイヤ31は、アウタチューブ13内に挿通され、その基端側は、グリップ部18に設けられた操作ノブ30(解除用操作部)に連結されている。操作ノブ30を操作して、ワイヤ31を基端方向に引っ張ると、図3Cに示すように、アーム22a、22b間から介在部材26Aが離脱する。そうすると、アーム22a、22bは、弾性復元力によって互いに近接する方向に変位する。これにより、挟持機構14は、アーム22a、22bの間隔が狭くなった収縮状態となる。挟持機構14全体又はアーム22a、22bにはX線透視下で認識可能なようにX線非透過性マーカーが設置されていてもよい。
基部20、アーム22a、22b及び支持体24は、例えば、ステンレス鋼、タンタル、コバルト合金、チタン合金、Ni−Ti系合金等の弾性又は超弾性を有する金属材料、或いは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリブタジエン、ポリアミド、ポリエステル等の各種ポリマーにより形成され得る。
アウタチューブ13の先端から突出し且つアーム22a、22b間に拡張解除部26が配置された状態(図2に示した状態)での挟持機構14の寸法は、治療対象部位に応じて適宜選択されるが、例えば、脳動脈瘤の治療に使用される場合には、全長が2〜50mm、拡張状態でのアーム22a、22b先端間の幅H(図3B参照)が2〜30mm程度に設定される。
次に、図1に示した離脱機構16について説明する。離脱機構16は、シャフト12から挟持機構14を離脱させることが可能であり、シャフト12と離脱機構16とを連結した状態でシャフト12から挟持機構14側へトルクを伝達可能に構成されている。このような機能を有する離脱機構16は、別々に構成された2つの部材を物理的な係合(嵌合、引っ掛かり等)により離脱可能に連結した構成や、ある部材を何らかの物理的作用(熱的作用、化学的作用等)により分断することにより離脱可能に連結した構成を採用し得る。以下、離脱機構16について、いくつかの構成例を説明するが、離脱機構16がこれらの構成例に限定されないことは勿論である。
図4Aに示す第1構成例に係る離脱機構16Aは、挟持機構14の基部20とシャフト12とが嵌合する構成となっている。基部20とシャフト12との嵌合力(結合力)は、両者を離脱させようとする力が所定未満までは嵌合して連結状態を維持するが、所定以上の力が作用した際には、嵌合が外れることで、挟持機構14とシャフト12とが離脱するような嵌合力に設定されている。このように構成された離脱機構16Aによれば、瘤の両側に隣接する血管越しに瘤を圧迫した後、シャフト12を後退移動させることで、自動的に挟持機構14をシャフト12から離脱させることができる。なお、図4Aでは、基部20がシャフト12に設けられた嵌合孔12aに挿入され、両者が嵌合するように構成されているが、嵌合のオスメスの関係を逆にした構成であってもよい。すなわち、挟持機構14の基部20に嵌合孔を設け、シャフト12の先端に当該嵌合孔に嵌合可能な嵌合突起を設けてもよい。
図4Bに示す第2構成例に係る離脱機構16Bは、挟持機構14の基部20とシャフト12とが螺合する構成となっている。具体的には、基部20の外周部に雄ネジ35が形成され、シャフト12の内周部に雌ネジ36が形成されている。雄ネジ35及び雌ネジ36は、瘤を治療する手技を行う際におけるシャフト12の回転方向に螺合が外れるように形成されている。基部20とシャフト12との螺合力(結合力)は、両者間に作用するトルクが所定未満までは螺合を維持するが、所定以上のトルクが作用した際には、螺合が外れることで、挟持機構14とシャフト12とを離脱させることができる。
このように構成された離脱機構16Bによれば、瘤の両側に隣接する血管越しに瘤を圧迫した後、シャフト12を回転させることによりトルクが所定以上になると、挟持機構14とシャフト12との螺合が外れるので、自動的に挟持機構14をシャフト12から離脱させることができる。なお、図4Bでは、基部20に設けられた雄ネジ35がシャフト12に設けられた雌ネジ36に螺合することで、両者が連結するように構成されているが、螺合のオスメスの関係を逆にした構成であってもよい。すなわち、挟持機構14の基部20に雌ネジを設け、シャフト12の先端に雄ネジを設けた構成であってもよい。
図4Cに示す第3構成例に係る離脱機構16Cは、挟持機構14の基部20とシャフト12の先端とを連結する連結部38と、連結部38の外周にコイル状に巻きつけられたヒータ40と、ヒータ40に接続された第1及び第2の導線42、44とを備える。連結部38は、加熱されることにより溶融して破断することが可能な材料(例えば、樹脂、低融点金属等)からなる。第1の導線42はヒータ40の一端に接続され、第2の導線44はヒータ40の他端に接続され、第1及び第2の導線42、44はシャフト12内に挿通されてヒータ40に接続された側とは反対側の端部にて電源に接続されている。電源は直流又は交流のいずれでもよい。
このように構成された離脱機構16Cによれば、瘤の両側に隣接する血管越しに瘤を圧迫した後、第1及び第2の導線42、44を介してヒータ40に通電して発熱させることで、連結部38を溶融破断させることにより、挟持機構14をシャフト12から離脱させることができる。
図4Dに示す第4構成例に係る離脱機構16Dは、挟持機構14の基部20に設けられたフック部46と、シャフト12の先端に設けられフック部46に係合する係合部48とを備える。フック部46と係合部48との係合力(結合力)は挟持機構14により瘤の両側に隣接する血管越しに瘤を圧迫した状態でシャフト12をやや先端側に押し出すことにより、フック部46と係合部48との係合が外れるので、挟持機構14をシャフト12から離脱させることができる。このように構成された離脱機構16Dによれば、瘤の両側に隣接する血管越しに瘤を圧迫した状態で、シャフト12を回転させると挟持機構14とシャフト12との螺合が外れるので、自動的に挟持機構14をシャフト12から離脱させることができる。
図4Eに示す第5構成例に係る離脱機構16Eは、基端にボール状部50を有する介在部材51と、介在部材51を挟持機構14の基部20内に向けて引っ張る引張部材52と、シャフト12の先端部に設けられた保持リング54と、シャフト12内に挿通されたリリースワイヤ56とを備える。リリースワイヤ56は、例えば、グリップ部18に設けた操作部(スライドノブ等)に連結され、操作部の操作により基端方向に引っ張られて後退する。
図4Eに示すように、保持リング54とボール状部50との間にリリースワイヤ56が挟まれた状態(ボール状部50とリリースワイヤ56が固定された状態)では、ボール状部50は保持リング54内を通過して基部20内へ移動することが阻止されるため、挟持機構14とシャフト12との連結状態が維持される。一方、上記操作部を操作してリリースワイヤ56を基端方向に引っ張ると、保持リング54とボール状部50との間からリリースワイヤ56が外れることにより、ボール状部50が保持リング54内を通過可能となり、引張部材52の引張作用下にボール状部50が基部20内へと移動する。これにより、挟持機構14をシャフト12から離脱させることができる。
離脱機構16の他の構成としては、挟持機構14の基部20とシャフト12の先端とを金属製の連結部で連結し、当該連結部を電気分解することによりシャフト12からを離脱させる構成や、接続部分に流体圧をかけ、シャフト12から挟持機構14の基部20とシャフト12の連結部を切断して離脱させる構成を採用し得る。
本実施形態に係る瘤治療デバイス10は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下では、瘤治療デバイス10の使用方法(瘤治療方法)との関係で、瘤治療デバイス10の作用及び効果について説明する。瘤治療デバイス10を用いた瘤治療方法は、以下の工程を有する。
(1) アクセスステップ(第1ステップ)
アクセスステップでは、図5A及び図5Bに示すように、カテーテル11内を通して、瘤治療デバイス10を治療対象部位である瘤62の近傍に配置する。治療対象となる瘤62は、生体内の管腔分岐部(血管分岐部)に生じた中空の袋状組織である。図示した血管は、Y字状に分岐しているが、T字状に分岐するものもある。瘤62は、管腔組織から一部が外側に向かって膨大するように外表面が突出した部分からなる。突出した部分は内部に空間を有し、この空間が管腔内に開口部63を介して連通している。瘤62は外部に突出した部分が袋状の構造を形成し、袋状の内部の空間は組織の一部により形成される膜状組織により外部と内部が隔てられている。瘤62は管腔との開口部63が狭くなり頸部64を形成するものがあり、または開口部63が比較的大きく頸部を有さないものもある。瘤62が発生する血管としては例えば、動脈、静脈、末梢血管がある。瘤62の例としては、例えば、脳動脈瘤、腹部動脈瘤、胸部動脈瘤、冠状動脈瘤、膝窩動脈瘤、大腿動脈瘤、頸動脈瘤等である。
このアクセスステップでは、具体的には、先ず、ガイドワイヤを挿通したカテーテル11を血管60内に走行させ、カテーテル11の先端を血管分岐部又はその近傍まで到達させる。その後、カテーテル11からガイドワイヤを抜去する。ガイドワイヤをカテーテル11から抜去したら、アウタチューブ13内に挟持機構14を収納した状態の瘤治療デバイス10をカテーテル11に挿入する。この場合、図5Aに示すように、治療デバイスのアウタチューブ13の先端を瘤62から若干離した位置とする。次にカテーテル及びアウタチューブ13の位置を保持した状態で、操作ノブ29(図1参照)を操作して、シャフト12を先端方向に進めることにより、図5Bに示すように、挟持機構14をアウタチューブ13から突出させ、血管分岐部内に配置する。このとき、挟持機構14のアーム22a、22bの間には拡張解除部26が挟持されているため、挟持機構14は拡張状態となっている。
(2) 挿入ステップ(第2ステップ)
次に、図6Aに示すように、カテーテル11の位置を保持した状態で、アウタチューブ13とともにシャフト12を先端方向に進めることにより、挟持機構14の各アーム22a、22bを、瘤62の両側に隣接する血管66a、66b内に挿入する。この挿入の過程で、瘤62の両側に隣接する血管66a、66bは、挿入されたアーム22a、22bによって内側方向(瘤が存在する方向)に押圧されるとともに、血管66a、66bの間に存在する瘤62が圧迫されることにより、瘤62の内容積がある程度縮小する。また、本実施形態では、アーム22a、22b間に支持体24が設けられているため、アーム22a、22bを血管に挿入することに伴い、開口部63を通して瘤62内に支持体24が挿入される。
(3) 圧迫ステップ(第3ステップ)
次に、図6Bに示すように、挟持機構14の作用下にアーム22a、22bを閉じることにより、瘤62の両側に隣接する血管66a、66b越しに瘤62をさらに圧迫する。具体的には、ワイヤ31を基端方向に引っ張ることより、アーム22a、22b間から介在部材26Aを離脱させる。そうすると、アーム22a、22bが弾性復元力により互いの間隔を狭める方向に変位し、瘤62の両側に隣接する血管66a、66b越しに瘤62を圧迫して収縮させる。この結果、瘤62の開口部63が縮小又は閉塞するとともに、瘤62の内容積が処置前(図5Aの状態)と比較して大幅に減少するに至る。
支持体24は、瘤62を確実に圧迫して収縮させる作用を営む。すなわち、アーム22a、22bが弾性復元力によって内側に変位する際、支持体24と一方のアーム22aとの間に瘤62が挟み込まれるとともに、支持体24と他方のアーム22bとの間に瘤62が挟み込まれる。このため、アーム22a、22bの互いの位置がずれていることによりアーム22a、22b間で瘤62を挟み込めない場合でも、瘤62の両側から瘤62を確実に圧迫して収縮させることができる。支持体24は、瘤62越しにアーム22a、22b間に挟まれるが、アーム22a、22bが嵌合するような凹凸を表面に有していてもよい。
(4) 離脱ステップ(第4ステップ)
次に、図7に示すように、離脱機構16の作用下に、シャフト12と挟持機構14とを離脱させる。シャフト12から挟持機構14を離脱させるための操作は、離脱機構16の構成による。
図4Aに示した離脱機構16Aの場合、挟持機構14により瘤62の両側に隣接する血管越しに瘤62を圧迫した状態で、シャフト12を回転させることで、シャフト12の先端と挟持機構14の基部20との嵌合力を超える力がかかると、嵌合が外れるので、挟持機構14をシャフト12から離脱させることができる。又は、シャフト12を後退移動させることにより、シャフト12の先端と挟持機構14の基部20との嵌合を外してもよい。図4Bに示した離脱機構16Bの場合、挟持機構14により瘤62の両側に隣接する血管越しに瘤62を圧迫した状態で、シャフト12を回転させることで、シャフト12の先端と挟持機構14の基部20との螺合が外れるので、挟持機構14をシャフト12から離脱させることができる。
図4Cに示した離脱機構16Cの場合、ヒータ40に通電して連結部38を溶融破断させることで、挟持機構14をシャフト12から離脱させることができる。図4Dに示した離脱機構16Dの場合、挟持機構14により瘤62の両側に隣接する血管越しに瘤62を圧迫した状態で、シャフト12を先端側へやや押し戻すか回転させることで、挟持機構14の基部20に設けられたフック部46とシャフト12の先端に設けられた係合部48との係合が外れるので、挟持機構14をシャフト12から離脱させることができる。図4Eに示した離脱機構16Eの場合、グリップ部18に設けた操作部を操作して、リリースワイヤ56をボール状部50と保持リング54との間から抜け出させ(リリースワイヤ56をボール状部50との結合から解除して)、ボール状部50を基部20内へと移動させる(リリースワイヤ56を基端側に引き抜く)ことにより、挟持機構14をシャフト12から離脱させることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る瘤治療デバイス10によれば、カテーテル内に瘤治療デバイス10を挿通して、血管分岐部に発生した瘤62の近傍まで瘤治療デバイス10の挟持機構14を送達し、当該挟持機構14のアーム22a、22bにより、瘤62の両側に隣接する血管66a、66b越しに瘤62を圧迫し、その後、瘤62を圧迫した状態の挟持機構14をシャフト12から離脱させる手技(瘤治療方法)を実施することができる。
両側の血管66a、66b越しに瘤62を圧迫することにより、瘤62の開口部63が縮小又は閉塞されるため、瘤62内圧の上昇を効果的に抑制することができる。すなわち、血管(親血管)を流れる血液の圧力の影響を受けにくくなり、瘤62内圧を低減できる。特に、瘤62の開口部63を閉塞した場合、血管内と瘤62内とが遮断されるため、瘤62内圧の上昇を抑制又は防止する効果が大きく、瘤62の破裂の危険性を効果的に除去することができる。
また、瘤62の内容積が減少するので、瘤62内圧の上昇を抑制又は防止することができ、そして周辺組織への影響を低減することができる。すなわち、例えば、脳動脈瘤の場合、脳動脈瘤の大きさが縮小することにより、脳動脈瘤の周囲にある脳組織への圧迫を軽減でき、治療効果を一層高めることができる。
上述したように、本実施形態の場合、弾性力に抗してアーム22a、22bの間隔を広げるべくアーム22a、22b間に存在する第1の状態から、アーム22a、22bに対する強制拡張を解除する第2の状態へと変化可能な拡張解除部26を備える。従って、拡張解除部26が第2の状態となることで、アーム22a、22bの間隔を即時に狭め、これにより瘤62の両側に隣接する血管66a、66b越しに瘤62を迅速且つ確実に圧迫することができる。また、このような拡張解除部26は、瘤治療デバイス10の先端部においてコンパクトに構成できるため、瘤治療デバイス10の細径化ができ管腔の挿通性向上に寄与する。
特に、本実施形態の場合、拡張解除部26はアーム22a、22b間に離脱可能に挟持された介在部材26Aからなり、介在部材26Aをアーム22a、22b間から離脱させた際に、アーム22a、22bの弾性復元力によりアーム22a、22bが内側方向に変位し、これによりアーム22a、22bが閉じるように構成されている。従って、簡単な構成で、瘤62の両側に隣接する血管66a、66b越しに瘤62を迅速且つ確実に圧迫することができる。
なお、拡張解除部26は、上述した介在部材26Aに限らず、他の実施例として、通電させることにより溶解し、溶断する樹脂や低融点金属により構成されてもよい。このような他の実施例によれば、溶解前は、弾性力に抗してアーム22a、22bの間隔を広げるべくアーム22a、22b間に存在する一方、溶解したときにはアーム22a、22bに対する強制拡張を解除する作用を営む。従って、当該他の実施例によっても、瘤62の両側に隣接する血管66a、66b越しに瘤62を迅速且つ確実に圧迫することができる。
本実施形態の場合、アーム22a、22b間には瘤62に挿入可能な支持体24が設けられるので、支持体24を瘤62内に挿入することによるガイド作用により、アーム22a、22bを瘤62の両側の適切な位置に配置することができる。また、アーム22a、22bが相当に細い場合でも、支持体24とアーム22a、22bとの間に瘤62を挟み込むため、瘤62を両側から確実に圧迫することができる。さらに、アーム22a、22bにより瘤62が圧迫された瘤62が縮小した状態では、支持体24が瘤62内で引っ掛かることにより、挟持機構14をシャフト12から離脱させる際、又はその後において、挟持機構14が瘤62から離脱することを抑制又は防止することができる。
なお、本実施形態では、瘤62内に挿入した支持体24を留置する例を説明したが、アーム22a、22bを瘤62の両側の血管に挿入した後に瘤62から抜き取ることができるように支持体24を構成してもよい。また、支持体24は設けなくてもよい。支持体24を瘤62から抜き取ってもよい点、及び支持体24を設けなくてもよい点は、後述する第2及び第3実施形態においても同様である。
[第2実施形態]
図8は、本発明の第2実施形態に係る瘤治療デバイス70の一部省略側面図である。なお、第2実施形態に係る瘤治療デバイス70において、第1実施形態に係る瘤治療デバイス10と同一又は同様な機能及び効果を奏する要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る瘤治療デバイス70は、挟持機構72の構成において、第1実施形態に係る瘤治療デバイス10と異なる。挟持機構72は、シャフト12の先端部に連結された機構であり、図8に示すようにシャフト12に連結された基部74と、基部74に設けられた複数(図示例では2つ)の形状規制部76a、76bと、形状規制部76a、76bにそれぞれ挿通された複数(図示例では2つ)のアーム78a、78bと、アーム78a、78b間に配置された支持体24とを有する。
本実施形態において、形状規制部76a、76bは、両端が開口した直線状の管状体であり、形状規制部76a、76bは、支持体24の一方の面側と他方の面側の各々の側において、基部74を挟んで互いに反対側の箇所に、基部74と平行に設けられている。
自然状態(弾性変形していない状態)において、アーム78a、78bは、それぞれ、基端側の一定範囲が直線状に形成され、途中部位で屈曲して、先端方向に向かって互いの離間距離が増大するように形成されている。各アーム78a、78bの先端は、外側に向かって(支持体24から離れる方向に向かって)屈曲している。各アーム78a、78bの基端は、外側に向かって屈曲しており、形状規制部76a、76bからの先端方向への抜けを防止する抜け止め部82として構成されている。アーム78a、78bの外径と、形状規制部76a、76bの内径は、略同一に設定されており、アーム78a、78bの外周面と形状規制部76a、76bの内周面との間にある程度の摩擦抵抗がある状態で、アーム78a、78bは形状規制部76a、76bに摺動可能に挿通されている。
このように構成された挟持機構72は、図9Aに示すように、形状規制部76a、76bがアーム78a、78bの基端側の位置(第1の位置)にあるときは拡張状態(アーム78a、78bの間隔が広がった状態)をとる。一方、図9Bに示すように、挟持機構72は、形状規制部76a、76bが第1の位置よりも先端側に変位した位置(第2の位置)にあるときは収縮状態(アーム78a、78bの間隔が狭くなった状態)をとる。
なお、図9Aに示すように、自然状態におけるアーム78a、78bの先端部間の幅は、アウタチューブ13の内径より大きくてもよく、この場合、アウタチューブ13の先端から突出する前の挟持機構72は、アウタチューブ13の内周面で拡張が規制された状態(弾性変形によって収縮した状態)でアウタチューブ13内に収納される。
以上のように構成された瘤治療デバイス70を用いた瘤治療方法は、以下の工程を有する。
(1) アクセスステップ(第1ステップ)
アクセスステップでは、図10A及び図10Bに示すように、カテーテル11内を通して、瘤治療デバイス70を瘤62の近傍に配置する。このアクセスステップでは、具体的には、先ず、ガイドワイヤを挿通したカテーテル11を血管60内に走行させ、カテーテル11の先端を血管分岐部又はその近傍まで到達させる。その後、カテーテル11からガイドワイヤを抜去する。ガイドワイヤをカテーテル11から抜去したら、アウタチューブ13内に挟持機構72を収納した状態の瘤治療デバイス70をカテーテル11に挿入する。この場合、図10Aに示すように、瘤治療デバイス70のアウタチューブ13の先端を瘤62(瘤開口部63)から若干離した位置とする。次にカテーテル11及びアウタチューブ13の位置を保持した状態で、シャフト12を先端方向に進めることにより、図10Bに示すように、挟持機構72をアウタチューブ13から突出させ、血管分岐部内の瘤62の開口部63に対向する位置に配置する。
(2) 挿入ステップ(第2ステップ)
次に、図11Aに示すように、カテーテル11の位置を保持した状態で、アウタチューブ13とともにシャフト12を先端方向に進めることにより、挟持機構72の各アーム78a、78bを、瘤62の両側に隣接する血管66a、66b内に挿入する。この挿入の過程で、瘤62の両側に隣接する血管66a、66bは、挿入されたアーム78a、78bによって内側方向(瘤が存在する方向)に押圧されるとともに、血管66a、66bの間に存在する瘤62が圧迫されることにより、瘤62の内容積がある程度縮小する。また、本実施形態では、アーム78a、78b間に支持体24が設けられているため、アーム78a、78bを血管に挿入することに伴い、開口部63を通して瘤62内に支持体24が挿入される。
(3) 圧迫ステップ(第3ステップ)
次に、図11Bに示すように、挟持機構72の作用下にアーム78a、78bを閉じることにより、瘤62の両側に隣接する血管66a、66b越しに瘤62をさらに圧迫する。具体的には、アーム78a、78bが血管66a、66bに当たることによりアーム78a、78bがそれ以上挿入されない位置まで、アーム78a、78bを血管66a、66bに挿入した後、さらに、シャフト12を先端方向に移動させる。そうすると、形状規制部76a、76bがアーム78a、78bに対して先端方向に移動するため、自然状態では途中部位が屈曲していたアーム78a、78bは、形状規制部76a、76bによって強制的に弾性変形させられる。形状規制部76a、76bによって強制的に弾性変形させられたアーム78a、78bはこの位置でほぼ固定される。強制的に弾性変形された結果、アーム78a、78b間の距離が小さくなり、瘤62の両側に隣接する血管66a、66b越しに瘤62を圧迫して収縮させる。この結果、瘤62の開口部63が縮小又は閉塞するとともに、瘤62の内容積が処置前(図10Aの状態)と比較して大幅に減少するに至る。
(4) 離脱ステップ(第4ステップ)
次に、図12Aに示すように、離脱機構16の作用下に、瘤62を圧迫した状態の挟持機構72をシャフト12から離脱させる。シャフト12から離脱機構72とを離脱させるための操作は、第1実施形態に係る瘤治療デバイス10を用いた瘤治療方法の離脱ステップと同様に、離脱機構16の構成による。
本実施形態に係る瘤治療デバイス70によれば、カテーテル11内に瘤治療デバイス70を挿通して血管に発生した瘤62にアクセスし、瘤62の両側に隣接する血管66a、66bの各々にアーム78a、78bを挿入し、次に、挟持機構72の作用下にアーム78a、78bを閉じることにより瘤62の両側に隣接する血管66a、66b越しに瘤62を圧迫して収縮させ、その後、挟持機構72をシャフト12から離脱させる手技(瘤治療方法)を実施することができる。
従って、瘤治療デバイス70によれば、第1実施形態に係る瘤治療デバイス10と同様に、開口部63を縮小又は閉塞させることで瘤62内圧の上昇を抑制又は防止し、瘤62の破裂の危険性を効果的に除去することができるとともに、瘤62の内容積を減少させることで周辺組織への影響を低減することができる。
特に、本実施形態の場合、形状規制部76a、76bがアーム78a、78b上の第1の位置にあるときは、挟持機構72が拡張状態をとり、形状規制部76a、76bが前記アーム78a、78b上の前記第1の位置よりも先端側の第2の位置にあるときは、形状規制部76a、76bが前記アーム78a、78bを変形させることにより挟持機構72が収縮状態をとるように構成されている。このため、アーム78a、78bを瘤62の両側に隣接する血管66a、66bに挿入した後、さらに瘤治療デバイス70を瘤62に向かって押し込むだけで、アーム78a、78bを閉じることができる。よって、操作性に優れるものであり、迅速且つ簡易に、瘤62の両側に隣接する血管66a、66b越しに瘤62を圧迫することができる。
第2実施形態において、第1実施形態と共通する各構成部分については、第1実施形態における当該共通の各構成部分がもたらす作用及び効果と同一又は同様の作用及び効果が得られることは勿論である。
[第3実施形態]
図13A及び図13Bは、本発明の第3実施形態に係る瘤治療デバイス90の一部省略側面図である。なお、第3実施形態に係る瘤治療デバイス90において、第1実施形態に係る瘤治療デバイス10と同一又は同様な機能及び効果を奏する要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る瘤治療デバイス90は、アウタチューブ13と、アウタチューブ13内に挿通された複数(図示例では3つ)のシャフト92a、92b、92cと、複数のシャフト92a、92b、92cの先端部に設けられ複数(図示例では2つ)のアーム94a、94bを有する挟持機構96と、挟持機構96をシャフト92a〜92cから離脱させる離脱機構98とを備える。アウタチューブ13は、図1等に示したアウタチューブ13と同じ構成であり、アウタチューブ13の基端にはグリップ部18が設けられている。
以下、シャフト92a、シャフト92b、シャフト92cを、それぞれ「第1シャフト92a」、「第2シャフト92b」、「第3シャフト92c」と言う。第1〜第3シャフト92a〜92cは、アウタチューブ13内に軸線方向に変位可能に挿通されている。本実施形態において、第1シャフト92aの先端には、一方のアーム94aが設けられ、第2シャフト92bの先端には、他方のアーム94bが設けられている。第1シャフト92aと第2シャフト92bとは、互いに独立して軸線回りに回転可能であり、瘤治療デバイス90の基端側には、第1シャフト92aと第2シャフト92bとを回転させる図示しない操作部が設けられている。第3シャフト92cの先端には、図1等に示した支持体24と同一構成の支持体24が設けられている。
挟持機構96のアーム94a、94bは、弾性変形可能であり、自然状態(弾性変形していない状態)で湾曲するように形成されており、特に本実施形態では、ループ状ワイヤにより形成されている。図13Bに示した状態でのアーム94a、94bの先端間の距離は、アウタチューブ13の内径よりも幅広であってもよい。この場合、アウタチューブ13から突出する前の挟持機構96は、図13Aに示すように、アウタチューブ13によって拡張が規制された状態(弾性変形によって収縮した状態)でアウタチューブ13内に収納される。アーム94a、94bがループ状ワイヤで形成されることにより、アウタチューブ13内でより細くした状態で収納することができ、アウタチューブ13の細径化ができ管腔挿通性の向上に寄与する。
なお、アーム94a、94bの形態は、ループ状ワイヤに限らず、1本のワイヤ又は板状であってもよい。
離脱機構98は、第3シャフト92cの先端部近傍に固着され第1シャフト92a及び第2シャフト92bとが挿通された結束部材100と、結束部材100の外周にコイル状に巻きつけられたヒータ102と、ヒータ102に接続された第1及び第2の導線104、106とを備える。結束部材100は、加熱されることにより溶融して破断することが可能な材料(例えば、樹脂、低融点金属等)からなる。第1シャフト92aと第2シャフト92bのそれぞれの外周面と、結束部材100において軸線方向に形成された2つの貫通孔の内周面とは、第1シャフト92aと第2シャフト92bの回転を阻害しない程度に接触している。
第1の導線104はヒータ102の一端に接続され、第2の導線106はヒータ102の他端に接続され、第1及び第2の導線104、106はアウタチューブ13内に挿通されてヒータ102に接続された側とは反対側の端部にて電源に接続されている。電源は直流又は交流のいずれでもよい。このように構成された離脱機構98によれば、第1及び第2の導線104、106を介してヒータ102に通電して発熱させることで、第1〜第3シャフト92a〜92cとともに結束部材100を溶融破断させることにより、挟持機構96を第1〜第3シャフト92a〜92cから離脱させることができる。
以上のように構成された瘤治療デバイス90を用いた瘤治療方法は、以下の工程を有する。
(1) アクセスステップ(第1ステップ)
アクセスステップでは、図14A及び図14Bに示すように、カテーテル11内を通して、瘤治療デバイス90を瘤62の近傍に配置する。このアクセスステップでは、具体的には、先ず、ガイドワイヤを挿通したカテーテル11を血管60内に走行させ、カテーテル11の先端を血管分岐部又はその近傍まで到達させる。その後、カテーテル11からガイドワイヤを抜去する。ガイドワイヤをカテーテルから抜去したら、アウタチューブ13内に挟持機構96を収納した状態の瘤治療デバイス90をカテーテル11に挿入する。この場合、図14Aに示すように、瘤治療デバイス90のアウタチューブ13の先端を瘤62から若干離した位置とする。次にカテーテル11及びアウタチューブ13の位置を保持した状態で、第1〜第3シャフト92a〜92cを先端方向に進めることにより、図14Bに示すように、挟持機構96をアウタチューブ13から突出させ、血管分岐部内の瘤62の開口部63に対向する位置に配置する。アーム94a、94bの向きは、アーム94a、94bの湾曲が外側を向くようにしておく。すなわち、アーム94a、94bの間隔を広げた状態としておく。
(2) 挿入ステップ(第2ステップ)
次に、図15Aに示すように、カテーテル11の位置を保持した状態で、アウタチューブ13とともにシャフト12を先端方向に進めることにより、挟持機構96の各アーム94a、94bを、瘤62の両側に隣接する血管66a、66b内に挿入する。この挿入の過程で、瘤62の両側に隣接する血管66a、66bは、挿入されたアーム94a、94bによって内側方向(瘤が存在する方向)に押圧されるとともに、血管の間に存在する瘤62が圧迫されることにより、瘤62の内容積がある程度縮小する。また、本実施形態では、アーム94a、94b間に支持体24が設けられているため、アーム94a、94bを血管に挿入することに伴い、開口部63を通して瘤62内に支持体24が挿入される。
(3) 圧迫ステップ(第3ステップ)
次に、図15Bに示すように、挟持機構96の作用下にアーム94a、94bを閉じることにより、瘤62の両側に隣接する血管66a、66b越しに瘤62をさらに圧迫する。具体的には、第1シャフト92aと第2シャフト92bをそれぞれ軸線回りに回転させることにより、アーム94a、94b間の間隔を狭める方向を向くように、アーム94a、94bの向きを変更する。すなわち、外側に湾曲していたアーム94a、94bを、内側に湾曲するように方向転換させ、これにより瘤62の両側に隣接する血管越しに瘤62を圧迫して収縮させる。この結果、瘤62の開口部63が縮小又は閉塞するとともに、瘤62の内容積が処置前(図14Aの状態)と比較して大幅に減少するに至る。
(4) 離脱ステップ(第4ステップ)
次に、図16に示すように、離脱機構98の作用下に、瘤62を圧迫した状態の挟持機構96を第1〜第3シャフト92a〜92cから離脱させる。具体的には、ヒータ102に通電して結束部材100を第1〜第3シャフト92a〜92cとともに溶融破断させることで、離脱機構98を第1〜第3シャフト92a〜92cから離脱させる。この場合、結束部材100とともに溶融破断した第1〜第3シャフト92a〜92cの先端部は、溶融破断した結束部材100の一部に融着するため、2つのアーム94a、94bと支持体24は一体化され、これらの位置関係は保持される。
本実施形態に係る瘤治療デバイス90によれば、カテーテル11内に瘤治療デバイス90を挿通して生体内の瘤62にアクセスし、瘤62の両側に隣接する血管66a、66bの各々にアーム94a、94bを挿入し、次に、挟持機構96の作用下にアーム94a、94bを閉じることにより瘤62の両側に隣接する血管66a、66b越しに瘤62を圧迫して収縮させ、その後、瘤62を圧迫した状態の挟持機構96をシャフト12から離脱させる手技(瘤治療方法)を実施することができる。
従って、本実施形態に係る瘤治療デバイス90によっても、第1及び第2実施形態に係る瘤治療デバイス10、70と同様に、開口部63を縮小又は閉塞させることで瘤62内圧の上昇を抑制又は防止し、瘤62の破裂の危険性を効果的に除去することができるとともに、瘤62の内容積を減少させることで周辺組織への影響を低減することができる。
また、本実施形態の場合、第1及び第2シャフト92a、92bの回転によってアーム94a、94bの向きを変更し、これにより挟持機構96が収縮するように構成されている。従って、瘤62の両側に隣接する血管66a、66b越しに瘤62を挟み込むように動作する機構を簡素な構成で実現できる。
さらに、本実施形態の場合、ヒータ102の加熱により結束部材100が溶融した際、その溶融箇所で結束部材100とともに第1〜第3シャフト92a〜92cが溶融するので、離脱機構98を第1〜第3シャフト92a〜92cから離脱させた後においても、アーム94a、94bが分離することがなく、アーム94a、94bにより瘤62を圧迫した状態を確実且つ安定的に保持することができる。
第3実施形態において、第1実施形態と共通する各構成部分については、第1実施形態における当該共通の各構成部分がもたらす作用及び効果と同一又は同様の作用及び効果が得られることは勿論である。
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
10、70、90…瘤治療デバイス 12、92a〜92c…シャフト
14、72、96…挟持機構 16、98…離脱機構
22a、22b、78a、78b、94a、94b…アーム
24…支持体 26…拡張解除部
76a、76b…形状規制部 100…結束部材
102…ヒータ

Claims (8)

  1. 可撓性を有する線状のシャフトと、
    前記シャフトの先端部に設けられ、血管分岐部に存在する瘤の両側に隣接する血管に挿入可能な少なくとも2つのアームを有し、前記アームの間隔を広げた拡張状態から前記アームの間隔を狭めた収縮状態へと動作可能な挟持機構と、
    前記シャフトから前記挟持機構を離脱可能に構成された離脱機構とを備える、
    ことを特徴とする瘤治療デバイス。
  2. 請求項1記載の瘤治療デバイスにおいて、
    弾性力に抗して前記アームの間隔を広げるべく前記アーム間に存在する第1の状態から、前記アームに対する強制拡張を解除する第2の状態へと変化可能な拡張解除部をさらに備える、
    ことを特徴とする瘤治療デバイス。
  3. 請求項1記載の瘤治療デバイスにおいて、
    前記アームは、少なくとも長手方向の途中部位が屈曲又は湾曲し、
    前記挟持機構は、前記シャフトに連結された基部と、前記基部に設けられ前記アームが挿通された形状規制部とを有し、
    前記形状規制部が前記アーム上の第1の位置にあるときは、前記挟持機構が前記拡張状態をとり、前記形状規制部が前記アーム上の前記第1の位置よりも先端側の第2の位置にあるときは、前記形状規制部が前記アームを変形させることにより前記挟持機構が前記収縮状態をとる、
    ことを特徴とする瘤治療デバイス。
  4. 請求項1記載の瘤治療デバイスにおいて、
    前記シャフトは、複数設けられ且つ各々が軸線回りに回転可能であり、
    前記複数のシャフトの各々の先端には、湾曲した前記アームが設けられ、
    前記シャフトの回転に伴って前記アームの向きを変えることにより、前記挟持機構が前記収縮状態となるように構成されている、
    ことを特徴とする瘤治療デバイス。
  5. 請求項4記載の瘤治療デバイスにおいて、
    前記離脱機構は、前記複数のシャフトが摺動可能に挿通された結束部材と、前記結束部材を溶融させるヒータとを備え、
    前記ヒータの加熱により前記結束部材が溶融した際、その溶融箇所で前記複数のシャフトが前記結束部材とともに溶融することにより、前記挟持機構が前記シャフトから離脱する、
    ことを特徴とする瘤治療デバイス。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の瘤治療デバイスにおいて、
    前記アーム間に、前記瘤に挿入可能な支持体が設けられる、
    ことを特徴とする瘤治療デバイス。
  7. 可撓性を有する線状のシャフトと、前記シャフトの先端に設けられ少なくとも2つのアームを有する挟持機構と、前記シャフトから前記挟持機構を離脱可能に構成された離脱機構とを備えた瘤治療デバイスを、血管内に挿通されたカテーテル内を通して、血管分岐部に生じた瘤がある位置まで送達するアクセスステップと、
    前記瘤の両側に隣接する血管の各々に、前記アームを挿入する挿入ステップと、
    前記挟持機構の作用下に前記アームの間隔を狭めることにより、前記瘤の両側に隣接する血管越しに前記瘤を圧迫する圧迫ステップと、
    前記瘤を圧迫した状態の前記挟持機構を前記シャフトから離脱させる離脱ステップとを含む、
    ことを特徴とする瘤治療方法。
  8. 請求項7記載の瘤治療方法において、
    前記挿入ステップでは、さらに、前記アームの間に設けられた支持体を前記瘤内に挿入する、
    ことを特徴とする瘤治療方法。
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