JP4334611B1 - 動脈瘤塞栓具 - Google Patents

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Abstract

【課題】動脈瘤の発症部位や、動脈瘤の頚部形状、及び大きさに応じて、簡単、かつ、確実に動脈瘤を閉塞することを可能とする動脈瘤塞栓具を提供する。
【解決手段】血管の動脈瘤内に挿入後、拡張して留置される袋状のバルーン円蓋部1と、このバルーン円蓋部の開口部11に設けられ、動脈瘤の瘤口部に蓋をするバルーン平面部2と、を少なくとも備える。バルーン平面部は、バルーン円蓋部の内部へ通じる孔部12を有する。また、バルーン円蓋部の開口部の口径が、バルーン平面部に有する孔部の孔径より大きいものとなっている。このような構成の動脈瘤塞栓具を、内部に管腔を有する可撓性の長尺体からなる保護用外筒部材の管腔内に収容し、所望位置にその先端部を配した後、排出する。保護用外筒部材の先端部より排出された動脈瘤塞栓具は、バルーン円蓋部を所望位置に配置すると共に、バルーン平面部によって所望位置を覆うように展開する。
【選択図】図5

Description

本発明は、血管の動脈瘤を閉塞して治療を行う動脈瘤塞栓具に係り、詳しくは、動脈瘤の発症部位や大きさ、形状等に応じて動脈瘤の治療を行うようにした技術に関するものである。
動脈瘤は、血管壁の脆弱化による局所的な拡張であり、通常3〜4mmの大きさをしたものから、場合によっては15mm以上の大きさをしたものもある。この動脈瘤を未処置のままにすると大きくなり得、そして最終的に破裂して致命的な出血、たとえば脳の表面への出血(クモ膜下出血)を引き起こし易い。かかる動脈瘤の治療にあたっては、クリッピング処置法や血管内手術法が知られている。
クリッピング処置法は、開頭して動脈瘤を露出し、動脈瘤の頚部(根元)をクリップと称する弾性および耐蝕性に富むチタン等からなる挟着部材で挟み込むことによって動脈瘤への血流を阻止し、血流から動脈瘤を排除してその破裂防止を図る外科的な手段である(たとえば、特許文献1参照)。
一方、血管内手術法には、バルーン留置法や凝固剤注入法、コイル法、ステント法がある。
バルーン留置法は、先端部にラテックスやシリコンラバー製のバルーンが連結されたカテーテルを動脈瘤に案内し、このバルーンを動脈瘤内へ挿入し、拡張した後、切り離して動脈瘤を閉塞する手段である。すなわち、親血管(動脈)の血流を維持しつつ、動脈瘤の嚢、及び頸部を閉塞するために、バルーンを動脈瘤に留置する手段である(たとえば、特許文献2、非特許文献1参照)。
凝固剤注入法は、動脈瘤の内部に凝固する液体物質(液体塞栓材料)を注入する手段である(たとえば、特許文献3、非特許文献1参照)。
コイル法は、たとえば大腿部等から経皮的に血管にカテーテルを導入し、X線透視下でこのカテーテルの先端部を動脈瘤の位置まで進め、カテーテル内に形成されたルーメンを介して動脈瘤内にプラチナコイル等の塞栓物を供給・充填する(詰める)手段である(たとえば、特許文献4、非特許文献1参照)。
ステント法は、親血管の内部より動脈瘤の口部に、血管の狭窄部を内側より径方向に放射状に拡張するステントと称する筒状部材を留置し、動脈瘤に蓋をして塞ぎ、親血管より瘤内部へ流入する血流を邪魔する手段である(たとえば、特許文献5参照)。
また、ステントの周胴部に設けられたスリットより、動脈瘤の内部に凝固する物質を注入する手段や、ステントを足場として動脈瘤の口部に蓋をし、動脈瘤を血管内の血流から隔離する手段もある(たとえば、特許文献6参照)。
このような動脈瘤の治療においては何れも、動脈瘤への血流の減少がもたらされ、血流遮断及び血塊の形成という結果をもたらす。すなわち、血液は流れが止まると凝固し、また、血管の内壁が正常でないと、あるいは血液が異物と接触していると血栓ができる、といった血液の病態生理に基づいて、動脈瘤の治療を行うことができる。
しかしながら、上記特許文献1に記載の発明に代表されるようなクリッピング処置法では、動脈瘤の頚部が広い(動脈瘤の口部の直径が大きい)場合、クリップを架けて頚部を挟み込むことが困難である。しかも、開頭手術は、血管内手術に比べて大掛かりであり、準備が大変である。また、手術操作により脳組織を圧迫することや、傷つける場合もある。
また、上記特許文献2に記載の発明に代表されるようなバルーン留置法では、バルーンとカテーテルをゴムひもで縛ったものを用意し、バルーンがしぼまないようにカテーテルから離したり、高周波電流でバルーンとカテーテルの接合部を切り離したりしている。そのため、バルーンがカテーテルから離れてもしぼまないように切り離すのが非常に難しく、切り離し後もバルーンが収縮しないように監視する必要があった。しかも、動脈瘤の頚部の形状は個体差が大きいが、バルーンの形状はほぼ一定の形状をしているため、動脈瘤の頚部の形状とバルーンの形状とが一致せずに(動脈瘤の多様性に対応できず)動脈瘤を完全に閉塞することができないものであった。
また、上記特許文献3に記載の発明に代表されるような凝固剤注入法は、動脈瘤内に充填する液体物質が、動脈瘤内に充填するまで凝固せず、かつ、動脈瘤内に充填した後ただちに凝固するものでなければならず、液体物質の選定が難しいものであった。すなわち、液体物質の凝固速度が速過ぎれば、動脈瘤内に充填する前にカテーテル等の内部で液体物質が凝固してしまうことになり、一方、液体物質の凝固速度が遅過ぎれば、充填した液体物質が血管内に流れ出してしまうことになってしまうものである。
また、上記特許文献4に記載の発明に代表されるようなコイル法は、凝固剤注入法やバルーン留置法の問題点を克服することができるが、動脈瘤内にコイルを詰めていくのが難しく、途中で動脈瘤壁を破ってしまい出血を引き起こしてしまう虞がある。また、親血管の内部にコイルの一部が飛び出したり、頚部が広い場合、動脈瘤内に詰めたコイルが親血管に脱出してしまう虞もある。さらに、動脈瘤内に完璧にコイルを詰めたとしても、動脈瘤内には半分程度の空間が残っており、血液の流れが可能となって血栓化しないことがある。
さらに、上記特許文献5及び6に記載の発明に代表されるようなステント法は、動脈瘤の発症部位付近において血管が分岐している場合、動脈瘤を塞ぐと同時に、必要な他の血管の分岐口も塞いでしまう虞がある。
特公平07−004389号公報 特表2004−520881号公報 特開平6−107549号公報 特開2003−070794公報 特開2004−33535号公報 特許第4057318号公報 「脳血管内治療のDo’s&Don’ts」株式会社医学書院出版、p1−4
本発明は、上記事情に鑑みて成されたものであり、動脈瘤の発症部位や、動脈瘤の頚部形状及び、大きさに合わせて適切に、動脈瘤を簡単、かつ、確実に閉塞することが可能な動脈瘤塞栓具を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る動脈瘤塞栓具は、血管の動脈瘤を閉塞して治療を行う動脈瘤塞栓具であって、前記動脈瘤内に挿入後、拡張して留置される袋状のバルーン円蓋部と、前記バルーン円蓋部の開口部に設けられ、前記動脈瘤の瘤口部に蓋をする柔軟なシート状のバルーン平面部と、を少なくとも備え、前記バルーン平面部は、前記バルーン円蓋部の内部へ通じる孔部を有し、前記バルーン円蓋部の開口部の口径が、前記バルーン平面部に有する孔部の孔径より大きいことを特徴とする。
本発明の請求項2に係る動脈瘤塞栓具は、請求項1に記載の動脈瘤塞栓具において、前記バルーン平面部は、血管内で拡張し留置されるアンカー部材(ステント)をさらに備えることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る動脈瘤塞栓具は、請求項2に記載の動脈瘤塞栓具において、前記アンカー部材は、少なくとも前記バルーン平面部の一端側に取り付けられていることを特徴とする。
本発明に係る動脈瘤塞栓具は、血管の動脈瘤内に挿入後、拡張して留置される袋状のバルーン円蓋部と、このバルーン円蓋部の開口部に設けられ、バルーン円蓋部の内部へ通じる孔部を有する柔軟なシート状のバルーン平面部とを備え、バルーン円蓋部の開口部の口径が、バルーン平面部に有する孔部の孔径より大きいものとなっている。ゆえに、動脈瘤内にバルーン円蓋部を挿入するように動脈瘤塞栓具を配置することで、バルーン平面部は、動脈瘤の瘤口部上に留置され、動脈瘤の瘤口の形状及び大きさにとらわれることなく、瘤口部に蓋をしつつその付近における所望領域を覆う。また、バルーン平面部が有する孔部より、親血管内を流れる血液がバルーン円蓋部の内部へ流入可能とする。さらに、操作の途中において、バルーン円蓋部の開口部が無闇に捻れないものとすることができる。これにより、バルーン円蓋部内に流入した血液は、バルーン平面部による閉蓋によって血液の流れが抑制され、血栓化して動脈瘤を閉塞する。また、バルーン円蓋部は、内部の血液が血栓化することで、動脈瘤塞栓具が血流によって流されず、動脈瘤部位に留置されることを助成するアンカー部材として機能することになる。
したがって、動脈瘤の発症部位や、動脈瘤の頚部形状、及び大きさに合わせて適切に、動脈瘤を簡単、かつ、確実に閉塞することが可能な動脈瘤塞栓具を提供することができる。
本発明に係る動脈瘤塞栓具の構造を示す図であり、(A)は全体を示す斜視図、(B)は図1(A)におけるI−Iでの縦断面図である。 本発明に係る他の動脈瘤塞栓具を示す縦断面図である。 本発明に係る他の動脈瘤塞栓具を示す縦断面図である。 本発明に係る他の動脈瘤塞栓具を示す縦断面図である。 本発明に係る他の動脈瘤塞栓具を示す縦断面図である。 本発明に係る他の動脈瘤塞栓具を示す縦断面図である。 本発明に係る他の動脈瘤塞栓具を示す縦断面図である。 図6に示す本発明に係る動脈瘤塞栓具の取り扱い方法を順次説明する工程断面図である。 図6に示す本発明に係る動脈瘤塞栓具の取り扱い方法を順次説明する工程断面図である。 図6に示す本発明に係る動脈瘤塞栓具の取り扱い方法を順次説明する工程断面図である。 図5に示す本発明に係る動脈瘤塞栓具の取り扱い方法を順次説明する工程断面図である。 図5に示す本発明に係る動脈瘤塞栓具の取り扱い方法を順次説明する工程断面図である。
以下、本発明における実施の形態の一例について、図面を参照して説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるため技術的に種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
本発明で意図する動脈瘤塞栓具は、血管の動脈瘤を閉塞して治療を行う動脈瘤塞栓具であって、動脈瘤の発症部位や、動脈瘤の頚部形状、及び大きさに合わせて適切に、簡単、かつ、確実に動脈瘤の治療を行うようにしたものである。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明による第1の実施の形態に係る動脈瘤塞栓具の構造を示す図であり、図1(A)は、全体を示す斜視図、図1(B)は、図1(A)におけるI−I線での縦断面図である。
図1に示すように、本実施の形態における動脈瘤塞栓具10は、バルーン円蓋部1と、バルーン平面部2とを備える。なお、図1(A)及び(B)は、本発明に係る動脈瘤塞栓具の機能(バルーン円蓋部とバルーン平面部の各々の機能)をわかり易く示すためやや誇張して模式的に示したものとなっている。
バルーン円蓋部1は、動脈瘤内に挿入後、血液の流入により拡張して留置される袋状体である。このバルーン円蓋部1は、たとえばラテックスやシリコン等を用いた、柔軟で伸縮性に富んだ薄厚の生体適合性材料からなる。また、バルーン円蓋部1は、その全体の径が動脈瘤の内径にほぼ等しいか、あるいはやや小なる大きさをとることが望ましい。
バルーン平面部2は、バルーン円蓋部1の開口部11に設けられ、動脈瘤の瘤口部に蓋をするシート体である。このバルーン平面部2は、柔軟で薄厚の生体適合性材料からなる。図1において、バルーン平面部2は、円形で示されているが、この形状に限定せず、楕円形や矩形等、塞栓する動脈瘤の瘤口部形状、及び大きさに合わせて、任意に設計・選択することができる。したがって、バルーン平面部2は、動脈瘤の瘤口部の径より大なることが望ましい。
この閉鎖用瘤口部膜2は、一面2aが、たとえばダイヤモンド・ライク・カーボンのような非晶質硬質膜で形成され、反対側の他面2bが、繊毛のような凹凸が形成されたものとすると望ましい。このような構造とすることで、閉鎖用瘤口部膜2の一面2a側では血栓ができにくく、一方、閉鎖用瘤口部膜2の他面2b側では血栓ができ易いものとすることができる。したがって、動脈瘤塞栓具10は、閉鎖用瘤口部膜2の一面2aが親血管側を向き、他面2bが動脈瘤側を向くように配される。
また、バルーン平面部2は、バルーン円蓋部1の内部へ通じる孔部12を有する。孔部12は、バルーン円蓋部1内への血液の流入を可能とするものであれば特に限定するものではなく、最初から開口したものであってもよいし、血液の流入によって開口する切込み状ものであってもよい。図1において、孔部12は最初から開口した円形状に示されている。なお、孔部12の孔径は特にその大きさを指定しないが、血液がバルーン円蓋部1内へ流入するのに十分な大きさで、かつ、バルーン円蓋部1内で生じた凝固塊が流出しない程度の大きさとする。
このバルーン円蓋部1と閉鎖用瘤口部膜2とは、互いに一体化するものであれば特に限定されるものではなく、たとえば、同じ素材によって一体成形したものであっても良いし、別々に形成したものを一体化したものであっても良い。また、バルーン円蓋部1の開口部11への閉鎖用瘤口部膜2の一体化は、バルーン円蓋部1と閉鎖用瘤口部膜2とを接着剤を用いて接合したものであっても良いし、縫合や融着であっても良い。
以上のような構成の動脈瘤塞栓具10によれば、動脈瘤内にバルーン円蓋部1を挿入するように動脈瘤塞栓具10を配置すると、バルーン平面部2は、親血管内を流れる血液の流れによって一面2a側より押され、その他面2b側が血管の内壁に押し付けられるように動脈瘤の瘤口部上に留置され、親血管の内部からこの瘤口部に蓋をしつつその付近における所望領域を覆うものとなる。また、バルーン平面部2が、動脈瘤の瘤口部に蓋をすると、バルーン平面部2が有する孔部12より、親血管内を流れる血液がバルーン円蓋部1の内部へ流入し、バルーン円蓋部1を拡張して内部を血液で満たす。そして、バルーン円蓋部1内に流入した血液は流れが抑制されて血栓化し、動脈瘤を閉塞することになる。したがって、非常に簡易な構成の動脈瘤塞栓具10によって、動脈瘤の頚部形状、及び大きさに合わせて適切に、動脈瘤を簡単、かつ、確実に閉塞することができる。
この際、バルーン円蓋部1内に流入した血液が血栓化することで、バルーン円蓋部1内で生じた血栓が動脈瘤の瘤口部より大きいと、血栓化した血液が瘤口部縁部に係止することになり、バルーン円蓋部1が動脈瘤内から安易に離脱しないように永年防止することができる。また、バルーン円蓋部1の内面と外面は、血栓が生じ易いように表面処理が施されていると望ましい。
<第2の実施の形態>
また、本発明では、動脈瘤塞栓具の血管内への配置時における留置をより安定したものとすることができる。すなわち、上述した第1の実施の形態とは、バルーン平面部2を血管内に固定する手段を備える点で異なる。
なお、以下に述べる他の各実施の形態では、上述した第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。したがって、第1の実施の形態と同様の構成部分は同じ符号を付してその説明は省略し、特に説明しない限り同じであるものとする。
本実施の形態における血管に固定する手段を備えた動脈瘤塞栓具は、たとえば図2に示すことができる。ここで示す動脈瘤塞栓具は、たとえば、血管の側面より突出するタイプの動脈瘤に対して用いると有効である。
図2に示すように、本実施の形態における動脈瘤塞栓具20は、バルーン円蓋部1と、バルーン平面部2とを備えると共に、バルーン平面部2は、血管内で拡張し留置されるアンカー部材3をさらに備える。アンカー部材3とは、血管内において位置ずれすることなく固定できるものをいい、たとえば網目構造をした略円筒状のステントとすることができる。このアンカー部材(以下、「ステント」と称す。)3は、たとえば医療用ステンレスやタンタル、コバルト合金、ニッケルチタニウム合金(ニチノール)等の材料を用いて形成することができる。
また、ステント3のバルーン平面部2への取り付けは、一体化されるものであれば特に限定されるものではない。したがって、たとえば、接着剤を用いた接合であっても良いし、バルーン平面部2によるステント3の巻き込みや挟み込み、縫合等であっても良い。
図2において、ステント3は、孔部12を挟んでバルーン平面部2において対向する各端部にそれぞれ取り付けられた二つの略円筒(環状)体セル3A,3Bにより構成され、図中点線矢印で示すように、血管壁へ向かって放射状に拡張することができるようになっている。このステント3(3A,3B)は、血管壁に圧接することで、血管内において位置ずれすることなく固定できる。
以上のような構成の動脈瘤塞栓具20によれば、ステント3が血管内で拡張し、血管壁に圧接することで、バルーン平面部2を確実に瘤口部近傍に配置させ、動脈瘤塞栓具20を安定して瘤口部に留置することができる。
また、上述した第2の実施の形態におけるステント3(3A,3B)は、少なくともバルーン平面部2の一端側に取り付けられていると望ましい。一端側とは、血管内において動脈瘤より心臓寄り、すなわち血液の流れの上流側を言う。したがって、図2において示す二つの略円筒(環状)体セル3A,3Bは、いずれか一方だけがステント3として備えられていればよい。
これにより、簡易な構造であっても、バルーン平面部2の他端側は血液の流れに沿って展開し、血管内において動脈瘤塞栓具が位置ずれすることなく安定して留置することができる。
また、本実施の形態において、バルーン平面部2を血管に固定する手段は、上述した略円筒状のステントに限定されない。たとえば、図3に示すように、コイル状のステント13とすることもできる。このステント13もまた、医療用ステンレスやタンタル、コバルト合金、ニッケルチタニウム合金(ニチノール)等の材料を用いて形成することができる。
図3において、ステント13は、孔部12付近において間隔が拡がった螺旋状の略円筒体により構成されている。このステント13もまた、血管壁に圧接することで血管内において位置ずれすることなく固定できる。
以上のような構成の動脈瘤塞栓具30によれば、ステント13が血管内で拡張し、血管壁に圧接することで、バルーン平面部2を確実に瘤口部近傍に配置させ、動脈瘤塞栓具30を安定して瘤口部に留置することができる。
上述した実施の形態におけるステント13もまた、少なくともバルーン平面部2の一端側にだけ取り付けられていると望ましい。
また、本発明では、放射状に拡張することでバルーン平面部2を血管に固定する手段を備える場合、放射状の拡張をより効果的に行えるものとすると望ましい。すなわち、上述した第2の実施の形態において示す略円筒状のステント3が、弾性力によって所望の位置において自動的に拡張するものであればよいが、自動的に拡張することができないものであって、所望の位置において拡張させたい場合、バルーン平面部2を血管に固定する手段の拡張を補助する手段が必要となる。したがって、本実施の形態では、拡張補助手段をさらに備えるものとする。
本実施の形態における拡張補助手段を備えた動脈瘤塞栓具は、たとえば図4に示すことができる。
図4に示すように、本実施の形態における動脈瘤塞栓具は、ステント3の内部において膨張可能な拡張用バルーン4をさらに備える。拡張用バルーン4とは、膨らむことでステント3を内側より押し広げることができるものをいい、たとえばラテックスやシリコン等を用いた、柔軟で伸縮性に富んだ袋体とすることができる。
図4において、拡張用バルーン4は、二つの略円筒体セル3A,3Bにより構成されたステント3の内部に挿入して配置され、液体供給管14より、たとえば生理食塩水等の液体をゆっくりと導入することで均等に膨らまることができるように構成されている。
以上のような構成の動脈瘤塞栓具によれば、ステント3が血管内で放射状に拡張することを補助し、効率良く効果的にバルーン平面部2を血管に固定することができる。
<第3の実施の形態>
また、本発明では、バルーン円蓋部1内への血液の流入を確実に行えるようにすることができる。すなわち、上述した第1の実施の形態におけるバルーン円蓋部1の場合、開口部11の口径は最低限、バルーン平面部2が有する孔部12より血液の流入が可能となる大きさとなっている。ところが、開口部11の口径が小さいと、動脈瘤塞栓具の取り扱いにおいて開口部11が捻れ、バルーン円蓋部1内への血液の流入を阻害してしまう虞がある。したがって、本実施の形態は、上述した第1の実施の形態とは、バルーン円蓋部1の開口部11の構造において異なる。
本実施の形態における動脈瘤塞栓具は、たとえば図5に示すことができる。
図5に示すように、本実施の形態における動脈瘤塞栓具40は、バルーン円蓋部1と、バルーン平面部2とを備え、バルーン平面部2は、バルーン円蓋部1の内部へ通じる孔部12を有すると共に、バルーン円蓋部1は、開口部11の口径D1がバルーン平面部2に有する孔部12の孔径D2より大きいもの(D1>D2)となっている。
以上のような構成の動脈瘤塞栓具40によれば、操作の途中において、バルーン円蓋部1の開口部11が無闇に捻れないものとすることができる。したがって、血液はバルーン平面部2の孔部12を介し、バルーン円蓋部1の開口部11より確実にバルーン円蓋部1内に流入することができる。しかも、本実施の形態による動脈瘤塞栓具40は、半球形の動脈瘤で頚部が広くクリップを架け難い(挟み込むことが困難)、或いはコイルを詰めても脱出してしまうような形の動脈瘤に対し、十分対応することができる。したがって、側面より突出するタイプの動脈瘤においては、本実施の形態による動脈瘤塞栓具40を基本形として、用いるものとすると望ましい。
<第4の実施の形態>
また、第3の実施の形態に示す動脈瘤塞栓具においても、第2の実施の形態に示す動脈瘤塞栓具と同様に、動脈瘤塞栓具の血管内への配置時における留置をより安定したものとすることができる。すなわち、アンカー部材(ステント)をさらに備えるものとする。
本実施の形態における動脈瘤塞栓具は、たとえば図6に示すことができる。
図6に示すように、本実施の形態における動脈瘤塞栓具50は、バルーン円蓋部1と、バルーン平面部2とを備えると共に、バルーン平面部2は、血管内で拡張し留置されるアンカー部材3をさらに備える。アンカー部材3は、上述した第2の実施の形態と同様に、血管内において位置ずれすることなく固定できるものであればよく、たとえば網目構造をした略円筒状のステントとすることができる。このアンカー部材(以下、「ステント」と称す。)3もまた、たとえば医療用ステンレスやタンタル、コバルト合金、ニッケルチタニウム合金(ニチノール)等の材料を用いて形成することができる。
また、ステント3のバルーン平面部2への取り付けは、一体化されるものであれば特に限定されるものではなく、たとえば、接着剤を用いた接合であっても良いし、バルーン平面部2によるステント3の巻き込みや挟み込み、縫合等であっても良い。
図6において、ステント3は、孔部12を挟んでバルーン平面部2の各端部にそれぞれ取り付けられた二つの略円筒(環状)体セル3A,3Bにより構成され、図中点線矢印で示すように、放射状に拡張することができるようになっている。このステント3(3A,3B)は、血管壁に圧接することで血管内において位置ずれすることなく固定できる。
以上のような構成の動脈瘤塞栓具50によれば、ステント3が血管内で拡張し、血管壁に圧接することで、バルーン平面部2を確実に瘤口部近傍に配置させ、動脈瘤塞栓具50を安定して瘤口部に留置することができる。
また、上述した第4の実施の形態におけるステント3(3A,3B)は、少なくともバルーン平面部2の一端側に取り付けられていると望ましい。一端側とは、血管内において動脈瘤より心臓寄り、すなわち血液の流れの上流側を言う。したがって、図6において示す二つの略円筒(環状)体セル3A,3Bは、いずれか一方だけがステント3として備えられていればよい。
これにより、簡易な構造であっても、バルーン平面部2の他端側は血液の流れに沿って展開し、血管内において動脈瘤塞栓具が位置ずれすることなく安定して留置することができる。
また、本実施の形態において、バルーン平面部2を血管に固定する手段は、上述した略円筒状のステントに限定されない。したがって、たとえば、上述した第2の実施の形態と同様に、図3に示す動脈瘤塞栓具30において備えられているような螺旋状の略円筒体により構成されたステントとすることもできる。
上述したステントもまた、少なくともバルーン平面部2の一端側にだけ取り付けられていると望ましい。
これにより、簡易な構造であっても、バルーン平面部2の他端側は血液の流れに沿って展開し、血管内において動脈瘤塞栓具が位置ずれすることなく安定して留置することができる。
さらに、本実施の形態では、放射状に拡張することでバルーン平面部2を血管に固定する手段を備える場合、放射状の拡張をより効果的に行えるものとすると望ましい。すなわち、上述した第2の実施の形態において示す略円筒状のステント3が、弾性力によって所望の位置において自動的に拡張するものであればよいが、自動的に拡張することができないものであって、所望の位置において拡張させたい場合、バルーン平面部2を血管に固定する手段の拡張を補助する手段が必要となる。したがって、本実施の形態では、拡張補助手段をさらに備えるものとすると望ましい。
このような拡張補助手段を備えた動脈瘤塞栓具は、たとえば図7に示すことができる。
図7に示すように、この動脈瘤塞栓具は、ステント3の内部において膨張可能な拡張用バルーン4をさらに備える。拡張用バルーン4とは、膨らむことでステント3を内側より押し広げることができるものをいい、たとえばラテックスやシリコン等を用いた、柔軟で伸縮性に富んだ袋体とすることができる。
図7において、拡張用バルーン4は、二つの略円筒体セル3A,3Bにより構成されたステント3の内部に挿入して配置され、液体供給管14より、たとえば生理食塩水等の液体をゆっくりと導入することで均等に膨らまることができるように構成されている。
以上のような構成の動脈瘤塞栓具によれば、ステント3が血管内で放射状に拡張することを補助し、効率良く効果的にバルーン平面部2を血管に固定することができる。
次に、以上のように構成した動脈瘤塞栓具を取り扱う方法について説明する。
本発明に係る動脈瘤塞栓具は、動脈瘤の発症部位によって適宜使い分けることができる。まず、分岐のない血管の途中に発生する側面方の動脈瘤を塞栓する場合について説明する。この場合は、上述した何れの動脈瘤塞栓具でも利用可能であるが、ここでは、一例として上述した第4の実施の形態に示す動脈瘤塞栓具40を用いて動脈瘤を塞栓する場合の取り扱い方法について説明する。
図8乃至図10は、上述した第4の実施の形態に示す動脈瘤塞栓具50の取り扱い方法を順次説明する工程断面図である。
まず、図8(A)に示すように、内部に管腔を有する可撓性の長尺体からなる保護用外筒部材5の管腔内に、第4の実施の形態に係る動脈瘤塞栓具50を折り畳んで収容する。この動脈瘤塞栓具50は、バルーン円蓋部1と、バルーン平面部2とを備えると共に、バルーン平面部2は、血管内で放射状に拡張する略円筒体からなるステント3(3A,3B)、及びステント3の内部において膨張可能な拡張用バルーン4をさらに備える。
この保護用外筒部材5としては、柔軟で血管の屈曲に対して容易に追従可能なものが良く、脳血管内治療で用いられているマイクロカテーテルとすることができる。また、マイクロカテーテルとしては、動脈瘤塞栓術において主に用いられている、血管内にガイドワイヤーを先行させ、このガイドワイヤーに追従させて用いるワイヤーガイドカテーテルでも良いし、血流に乗せて誘導するフローガイドカテーテルでも良い。このようなカテーテルに用いられる材料としては、たとえば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂等の各種熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の熱可塑性エラストマー、各種ゴム等を挙げることができる。
なお、保護用外筒部材(マイクロカテーテル)5の少なくとも先端部は、白金や金、銀、タングステン等の金属や合金といったX線不透過材料で構成され、X線での透視で確認できるように造影機能を備えたものとすると望ましい。これにより、保護用外筒部材5の操作において、その先端位置を確認することができる。
次いで、図8(B)に示すように、動脈瘤塞栓具50を収容する保護用外筒部材5を親血管Bv内に挿入し、保護用外筒部材5を操作して動脈瘤塞栓具50を留置することを希望する所望位置、すなわち、動脈瘤Anの近傍に保護用外筒部材5の先端部5aを配する。このように保護用外筒部材5を備えることで、動脈瘤塞栓具50を収容した状態で動脈瘤付近まで移送することができる。
引き続き、図8(C)に示すように、保護用外筒部材5の先端部5aより動脈瘤塞栓具50を排出し、動脈瘤Anの上方に配置する。図中矢印は、保護用外筒部材5からの動脈瘤塞栓具50の排出方向を示す。
次に、図9(A)に示すように、その位置を保って、液体供給管14より、たとえば生理食塩水を供給し、拡張用バルーン4を膨張させてステント3(3A,3B)を拡張させ、親血管Bv内へのステント3(3A,3B)の圧着によってバルーン円蓋部1を動脈瘤An内に配置すると共に、動脈瘤Anの瘤口部を覆うようにバルーン平面部2を展開させる。図中実線矢印は、液体供給管14からの液体(生理食塩水)の供給方向を示し、同点線矢印は、拡張用バルーン4の膨張によるステント3(3A,3B)の拡張方向を示す。
このように拡張用バルーン4を備えることで、動脈瘤に塞栓するように親血管内にバルーン平面部2を配置することができる。したがって、動脈瘤塞栓具50は、動脈瘤An内にバルーン円蓋部1を挿入し、且つ、バルーン平面部2によって蓋をするように瘤口部上を覆って留置される。
さらに、図9(B)に示すように、ステント3(3A,3B)の拡張によって動脈瘤塞栓具50が血管内に固定された後、拡張用バルーン4を萎縮させ、ステント3内より後退させ、親血管Bv内より保護用外筒部材5と共に取り除く。
以上のようにして、本発明の第4の実施の形態に係る動脈瘤塞栓具50を取り扱う。
そうすると、図9(C)に示すように、バルーン平面部2が有する孔部12より、親血管Bv内を流れる血液がバルーン円蓋部1の内部へ流入し、この血液(以下、「バルーン円蓋部内血液」という。)BL2がバルーン円蓋部1を拡張すると共に、動脈瘤An内に既存する血液(すなわち、動脈瘤Anの内壁とバルーン円蓋部1の外側に残存する僅かな血液、以下、「動脈瘤内血液」という。)BL1を動脈瘤の外となる親血管へ押し出す。なお、図中太実線矢印は、親血管Bv内における血液の流れる方向を示し、同細実線矢印は、親血管Bvからバルーン円蓋部1内へ流入する血液の流れる方向を示し、同細点線矢印は、バルーン円蓋部1の拡張方向を示す。
引き続き、図10(A)に示すように、バルーン円蓋部1の内部が流入した血液によって満たされると、バルーン円蓋部内血液BL2の流れは抑制されると共に、動脈瘤内血液BL1の流れも抑制される。
そして、図10(B)に示すように、流れが抑制されたバルーン円蓋部内血液BL2は血栓化し、動脈瘤を閉塞することになる。また、動脈瘤の内側とバルーン円蓋部1の外側に残存した動脈瘤内血液BL1もやがて血栓化することになる。
次に、血管が分かれた箇所に発生した分岐型の動脈瘤を塞栓する場合について説明する。ここでは、一例として上述した第3の実施の形態に示す動脈瘤塞栓具40を用いて動脈瘤を塞栓する場合の取り扱い方法について説明する。
図11及び図12は、上述した第3の実施の形態に示す動脈瘤塞栓具40の取り扱い方法を順次説明する工程断面図である。
まず、内部に管腔を有する可撓性の長尺体からなる保護用外筒部材5の管腔内に、動脈瘤塞栓具40を折り畳んで収容する。この動脈瘤塞栓具10は、バルーン円蓋部1と、バルーン平面部2とを備える。この保護用外筒部材5としては、柔軟で血管の屈曲に対して容易に追従可能なものが良く、脳血管内治療で用いられているマイクロカテーテルとすることができる。
次いで、図11(A)に示すように、動脈瘤塞栓具40を収容する保護用外筒部材5を親血管Bv内に挿入し、保護用外筒部材5を操作して動脈瘤塞栓具40を留置することを希望する所望位置、すなわち、動脈瘤Anの近傍に保護用外筒部材5の先端部5aを配する。
引き続き、図11(B)に示すように、保護用外筒部材5の先端部5aを動脈瘤Anの直前に配置し、その位置を保って、ごく緩やかに保護用外筒部材の管腔内を通して供給される液体、たとえば生理食塩水ISの押圧により動脈瘤塞栓具40を押し出す。図中矢印は、動脈瘤塞栓具40を押し出す押圧液体ISの供給方向を示す。そうすると、まずバルーン円蓋部1が押し出され、次いで、バルーン円蓋部1が拡大して動脈瘤An内に安定する。また、拡大したバルーン円蓋部1は、それに続くバルーン平面部2を四方に拡張する力を与える。
この状態でさらに生理食塩水ISによって動脈瘤塞栓具40を緩やかに押し出すと、バルーン平面部2が展開し、動脈瘤Anの瘤口部を安定して覆うことになる。
そして、ここまでの処置が終わってから、保護用外筒部材5を後退させ、親血管Bv内より保護用外筒部材5を取り除く。
以上のようにして、本発明の第3の実施の形態に係る動脈瘤塞栓具40を取り扱う。
そうすると、図12(A)に示すように、バルーン平面部2が有する孔部12より、親血管Bv内を流れる血液がバルーン円蓋部1の内部へ流入し、この血液(以下、「バルーン円蓋部内血液」という。)BL2がバルーン円蓋部1を拡張すると共に、動脈瘤An内に既存する血液(すなわち、動脈瘤Anの内壁とバルーン円蓋部1の外側に残存する僅かな血液、以下、「動脈瘤内血液」という。)BL1を動脈瘤の外となる親血管へ押し出す。なお、図中太実線矢印は、親血管Bv内における血液の流れる方向を示し、同細実線矢印は、親血管Bvからバルーン円蓋部1内へ流入する血液の流れる方向を示し、同細点線矢印は、バルーン円蓋部1の拡張方向を示す。
そして、図12(B)に示すように、バルーン円蓋部1の内部が流入した血液によって満たされると、バルーン円蓋部1内に流入したバルーン円蓋部内血液BL2は流れが抑制されて血栓化し、動脈瘤を閉塞することになる。また、動脈瘤の内側でバルーン円蓋部1の外側に残存した動脈瘤内血液BL1も流れが抑制され、やがて血栓化することになる。
この際、バルーン円蓋部1は、バルーン円蓋部内血液BL2が血栓化することで、動脈瘤塞栓具40が血流によって流されず、動脈瘤部位に留置されることを助成するアンカー部材として機能することになる。また、動脈瘤内血液BL1が血栓化することで、動脈瘤Anの内壁とバルーン円蓋部1の外側、及び親血管Bvの内壁とバルーン平面部2の他面2b側との密着性を生じさせる糊材として機能し、動脈瘤塞栓具40の動脈瘤からの安易な離脱を防止することができる。
以上のように本発明に係る動脈瘤塞栓具を用いることで、血管の動脈瘤の発症部位や、動脈瘤の頚部形状及び、大きさに合わせて適切に、動脈瘤を簡単、かつ、確実に閉塞する治療を行うことができる。
本発明は、血管の動脈瘤の治療を行う動脈瘤治療機具を扱う業種において産業上有用であり、特に、脳内における動脈瘤を閉塞して治療を行う動脈瘤塞栓具における市場において有用である。
An 動脈瘤、BL1 動脈瘤内血液、BL2 バルーン円蓋部内血液、Bv 血管(動脈)、1 バルーン円蓋部、2 バルーン平面部、3(3A,3B),13 アンカー部材(ステント)、4 拡張用バルーン、5 保護用外筒部材(カテーテル)、10,20,30,40,50 動脈瘤塞栓具、11 開口部、12 孔部、14 液体供給管。

Claims (3)

  1. 血管の動脈瘤を閉塞して治療を行う動脈瘤塞栓具であって、
    前記動脈瘤内に挿入後、拡張して留置される袋状のバルーン円蓋部と、
    前記バルーン円蓋部の開口部に設けられ、前記動脈瘤の瘤口部に蓋をする柔軟なシート状のバルーン平面部と、
    を少なくとも備え、
    前記バルーン平面部は、前記バルーン円蓋部の内部へ通じる孔部を有し、
    前記バルーン円蓋部の開口部の口径が、前記バルーン平面部に有する孔部の孔径より大きいことを特徴とする動脈瘤塞栓具。
  2. 前記バルーン平面部は、血管内で拡張し留置されるアンカー部材(ステント)をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の動脈瘤塞栓具。
  3. 前記アンカー部材は、少なくとも前記バルーン平面部の一端側に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の動脈瘤塞栓具。
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