JPH07284534A - 管状器官の治療具 - Google Patents

管状器官の治療具

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JPH07284534A
JPH07284534A JP6101885A JP10188594A JPH07284534A JP H07284534 A JPH07284534 A JP H07284534A JP 6101885 A JP6101885 A JP 6101885A JP 10188594 A JP10188594 A JP 10188594A JP H07284534 A JPH07284534 A JP H07284534A
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hook
tubular
indwelling device
linear member
end portion
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JP6101885A
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Inventor
Hiroyuki Asano
寛幸 浅野
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Piolax Inc
Original Assignee
Kato Hatsujo Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 例えば血管の動脈瘤内にコイルを挿入し、動
脈瘤の破裂を防止する治療などに用いられる管状器官の
治療具を提供する。 【構成】 線状部材12の先端部に、形状記憶合金の筒
体14を取付け、筒体14の中間の周壁にフラップ部1
5を形成する。一方、体内留置具21の基端部に、弾性
的に縮径可能な爪部25を有するフック24を設ける。
フック24を筒体14内に挿入すると、フック24の爪
部25がフラップ部15から突出して係合し、線状部材
12の先端に体内留置具21が連結される。体内留置具
21を血管の動脈瘤内等に挿入した後、熱湯等を注入し
て加熱すると、筒体14のフラップ部15が形状復帰力
によって閉じて上記係合が外れ、体内留置具21を分離
することができる。なお、上記係合部は、形状記憶合金
からなるフックと、このフックの爪部が係合する透孔を
有する筒体とで構成することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人体の管状器官内に、
例えば動脈瘤の治療のための体内留置具、大量の出血を
防止するための血路閉塞具、管状器官を拡張するための
ステントなどを、適切に挿入するために使用される管状
器官の治療具に関する。
【0002】
【従来の技術】人体には、様々な管状器官が存在し、外
部からの手術では到達不可能な場合、あるいは、外部か
らの手術が複雑である場合などは、管状器官を通じて内
部から患部に到達し、薬剤、拡張具あるいは閉栓物質な
どを留置し、治療を行うという方法がとられてきた。例
えば、血管にできた動脈瘤を治療するとき、カテーテル
を血管内を通して動脈瘤に誘導し、そのカテーテルを通
して金属コイル等を動脈瘤内に挿入し、動脈瘤内を金属
コイル等で埋めて血栓を作らせ、血液の流入を防いで動
脈瘤の破裂を防止する方法が採用されている。
【0003】図6には、上記のような治療方法の一例が
示されている。すなわち、動脈瘤1aが形成された血管
1内に親カテーテル2を挿入し、親カテーテル2の先端
部が動脈瘤1aの近傍に達したら、親カテーテル2の先
端部外周に装着されたバルーン3を膨らませて、親カテ
ーテル2の先端位置を固定する。
【0004】この状態で、親カテーテル2を通して子カ
テーテル4を挿入し、子カテーテル4の先端を動脈瘤1
aの入口に配置する。そして、子カテーテル4内にプラ
チナ等のコイル5を挿入し、プッシャとしてのガイドワ
イヤ6で、子カテーテル4の先端からコイル5を動脈瘤
1a内に押し出す。こうして、多数のコイル5を動脈瘤
1a内に挿入することにより、動脈瘤1aを閉塞させ
る。
【0005】また、他の方法として、ガイドワイヤの先
端部に、動脈瘤内に留置すべき金属コイルを取付け、ガ
イドワイヤの先端部を動脈瘤内に挿入した状態で、電気
分解することによって金属コイルをガイドワイヤの先端
から分離させ、動脈瘤内に留置させるようにした治療具
も提案されている(例えば特許出願公表平5−5003
22号参照)。
【0006】更に、マイクロバルーンを動脈瘤内に挿入
して閉塞する方法も知られている。すなわち、マイクロ
カテーテルの先端にバルーンを取付け、動脈瘤内に誘導
し、硬化剤でバルーンを膨張させた後、切り離すという
方法である。
【0007】更にまた、他の動脈瘤の閉塞方法として
は、絹糸を動脈瘤内に挿入する方法、エチレン−ビニル
アセテート共重合体からなるビーズを挿入する方法、液
体閉栓物質を注入する方法などが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示す方法では、子カテーテル4からコイル5を押し出し
たとき、コイル5が動脈瘤1a内に完全に入らないで、
血管1の流路側に突き出たりしていると、コイル5によ
って血管1の流路が閉塞されてしまうという虞れがあっ
た。この場合、コイル5を子カテーテル4から一旦押し
出してしまうと、子カテーテル5へ引き戻すことができ
ないため、医師は、コイル5の押し出し作業に多大な時
間をかけて慎重に行わなければならなかった。
【0009】また、ガイドワイヤの先端に金属コイルを
取付け、電気分解によって分離する方法では、金属コイ
ルが動脈瘤内に配置されたことを確認できた後に、通電
してガイドワイヤから切り離すことができるが、金属コ
イルを切り離すのに必要な通電時間が非常に長く、図6
に示すようにバルーン3を用いて血管1内の血流を一時
的に止めていることから時間的な制約もあり、装置も大
掛かりなものとなるという問題があった。更に、電気分
解によって金属イオンが血液中に溶出して人体に悪影響
を与える虞れがあった。
【0010】更に、マイクロバルーンを動脈瘤に挿入し
て閉塞する方法では、バルーンと動脈瘤の形状が一致し
ないため、バルーンにより動脈瘤が変形しストレスがか
かったり、バルーンの誤離脱が生じる可能性があった。
また、万一動脈瘤内でバルーンが破裂した場合は、動脈
瘤自体も破裂する可能性が非常に高い。
【0011】更にまた、動脈瘤内に、絹糸や、合成樹脂
ビーズや、液体閉栓物質を挿入して閉塞させる方法で
は、これらの物質がいずれも血流によって流されやすい
ので、血管の他の箇所に流れ込んで流路を閉塞させてし
まう虞れがあった。
【0012】したがって、本発明の目的は、コイル等の
体内に留置すべき器具が、安全にかつ確実に所望位置に
配置されたことを確認した後に、速やかに分離すること
ができるようにした管状器官の治療具を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1は、線状部材の先端部に体内留置具が
着脱自在に取付けられてなる管状器官の治療具におい
て、前記線状部材の先端部と、前記体内留置具の基端部
とに、互いに係合する係合部が設けられ、前記係合部
は、前記線状部材の先端部に取付けられた形状記憶合金
の筒体と、前記体内留置具の基端部に取付けられ、前記
筒体の内部に挿入されるフックとからなり、前記筒体に
は、その中間の周壁を舌片状に切り込んで形成したフラ
ップ部が設けられており、前記フックは、前記筒体に挿
入されたとき、前記筒体の前記フラップ部を押し広げて
外方に突出する、弾性的に縮径可能な爪部を有してお
り、前記筒体は、形状記憶合金の変態点以上になると、
前記フラップ部が閉じるように形状記憶処理されている
ことを特徴とする。
【0014】上記において、前記筒体の内部には、基端
部を前記線状部材の先端部に固着され、先端部が前記フ
ックの先端部に圧接されるバネが設けられていることが
好ましい。
【0015】また、本発明の第2は、線状部材の先端部
に体内留置具が着脱自在に取付けられてなる管状器官の
治療具において、前記線状部材の先端部と、前記体内留
置具の基端部とに、互いに係合する係合部が設けられ、
前記係合部は、前記体内留置具の基端部に取付けられた
筒体と、前記線状部材の先端部に取付けられ、前記筒体
の内部に挿入される形状記憶合金のフックとからなり、
前記筒体には、その中間の周壁に透孔が設けられてお
り、前記フックは、前記筒体に挿入されたとき、前記筒
体の前記透孔から突出する弾性的に縮径可能な爪部を有
しており、前記フックは、形状記憶合金の変態点以上に
なると、前記爪部が閉じるように形状記憶処理されてい
ることを特徴とする。
【0016】上記において、前記フックの外周には、前
記フックを前記筒体に挿入したとき、前記筒体の端部に
圧接されるバネが設けられていることが好ましい。
【0017】また、体内留置具としては、目的に応じて
各種形状、材質のものを使用することができる。例え
ば、動脈瘤の治療や、血路閉塞具として用いる場合に
は、ダブルコイルが好ましく採用されるが、それに限ら
ず、試験管ブラシのような形状を有するものや、コイル
のピッチ間に繊維を挟ませたものなどを用いることもで
きる。なお、体内留置具は、X線不透過性を有するもの
であることが好ましく、例えば金、白金、それらの合金
等を材質とするものや、ステンレス、形状記憶合金など
の表面に金、白金等をめっきしたものなどが好ましく用
いられる。
【0018】
【作用】本発明の第1の管状器官の治療具を用いて、例
えば血管の動脈瘤の治療を行うには、まず、線状部材の
先端部に取付けられた筒体内に、体内留置具の基端部に
取付けられたフックを挿入する。すると、フックの爪部
で筒体のフラップ部が押し広げられ、爪部がフラップ部
の切り欠きに係合して、線状部材と体内留置具とが連結
される。
【0019】そして、カテーテルを血管に挿入し、その
先端部を動脈瘤の入口に配置する。このカテーテルを通
して、上記治療具を挿入し、線状部材の先端部に連結さ
れた体内留置具を動脈瘤内に挿入する。
【0020】体内留置具が動脈瘤内に完全に挿入された
ことを、例えばX線透視カメラ等によって確認したら、
カテーテルを通して熱湯等を注入して係合部を加熱す
る。なお、加熱方法は、高周波誘導加熱などの手段を採
用することもできる。
【0021】こうして係合部を加熱すると、線状部材の
先端部に取付けられた形状記憶合金の筒体のフラップ部
が形状復帰力によって閉じ、体内留置具の基端部に取付
けられたフックの爪部を内方に押して、筒体とフックと
の係合が外れる。その結果、体内留置具が線状部材から
分離して、動脈瘤内に留置される。
【0022】こうして、体内留置具を動脈瘤内に留置す
ると、体内留置具は、動脈瘤内を埋めて血栓を作らせる
ので、動脈瘤内への血液の流入が阻止され、動脈瘤の破
裂を防止することができる。
【0023】また、本発明の第2の管状器官の治療具を
用いた場合には、線状部材の先端部に取付けられたフッ
クを広げた状態にして、体内留置具の基端部に取付けら
れた筒体内に挿入する。すると、フックの爪部が筒体の
透孔から外方に突出して係合し、線状部材と体内留置具
とが連結される。
【0024】そして、前記と同様にして体内留置具を動
脈瘤内に完全に挿入した後、カテーテルを通して熱湯等
を注入して係合部を加熱する。すると、形状記憶合金の
フックが形状復帰力によって閉じ、筒体の透孔から突出
していたフックの爪部が引っ込み、筒体とフックとの係
合が外れる。その結果、体内留置具が線状部材から分離
して、動脈瘤内に留置される。
【0025】本発明によれば、上記のように、体内留置
具が所定の位置に配置されたことを確認してから、体内
留置具を分離することができ、もし適切な位置にないと
きには、線状部材を引張って体内留置具をカテーテル内
に引き戻して、操作をもう1度やり直すことができる。
【0026】また、熱湯等を注入することにより、形状
記憶合金でできた係合部を瞬時のうちに変形させて、体
内留置具を分離することができる。したがって、体内留
置具の挿入作業を確実に、安全かつ迅速に行うことがで
き、医師や患者に対する負担も軽減される。
【0027】更に、本発明では、線状部材と体内留置具
との連結に際し、筒体の内部にフックを挿入し、フック
の爪部を筒体のフラップ部又は透孔から突出させて係合
させるようにしたので、形状記憶合金の剛性が低い変態
温度以下でも上記係合が外れることはなく、線状部材と
体内留置具とがしっかりと連結され、管状器官への挿入
操作中に体内留置具が誤離脱する虞れが少ない。
【0028】なお、本発明の好ましい態様として、第1
の発明における筒体の内部、又は第2の発明におけるフ
ックの外周にバネを設けた場合には、係合が解除される
と同時に、バネの弾性力によってフックが筒体から押し
出されるので、体内留置具をより迅速に分離することが
できる。
【0029】
【実施例】図1〜3には、本考案による管状器官の治療
具の一実施例が示されている。図1に示すように、この
管状器官の治療具は、ガイドワイヤ11と、その先端部
に分離可能に接続された体内留置具21とで構成されて
いる。
【0030】ガイドワイヤ11は、線状部材12を有し
ている。この線状部材12は、弾性を有する金属線材か
らなり、先端部がテーパ状に形成されている。線状部材
12の材質としては、例えばステンレス、ピアノ線、ア
モルファス合金、形状記憶合金等が好ましく用いられ
る。線状部材12の全長は1500〜2000mm程度が好まし
く、テーパ部の長さは30〜350mm 程度が好ましい。ま
た、線状部材12の基部側の太さは0.35〜0.45mm程度が
好ましく、線状部材12の先端部の太さは0.05〜0.4mm
程度が好ましい。なお、線状部材12の少なくとも先端
部近傍には、表面に金めっき等を施すことによって、X
線不透過性を付与することもできる。
【0031】線状部材12の外周には、例えばポリエチ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピレ
ン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、フッ素
樹脂、シリコンゴムなどの合成樹脂膜が被覆されていて
もよい。更に、この合成樹脂膜の表面に、例えばイソシ
アネート基などの官能基を形成し、この官能基にポリエ
チレングリコールなどの親水性ポリマーを結合させるな
どの方法で、親水性ポリマーを被覆してもよい。このよ
うな親水性ポリマーとしては、例えば特公平4−149
91号に開示されたような樹脂が挙げられる。
【0032】線状部材12の先端部外周には、筒体14
を接続するためのコイル13の基端部がろう付けされて
いる。また、コイル13の先端部は、形状記憶合金の筒
体14の基端部内周に圧入され、線状部材12と筒体1
4を連結している。そして、線状部材12の先端も筒体
14の基端部内周に挿入されており、その最先端部に
は、バネ16の基端部がろう付けなどの手段により固着
されている。
【0033】図3を併せて参照すると、筒体14には、
その中間の周壁を舌片状に切り込んで形成した2つのフ
ラップ部15が形成されている。フラップ部15の数
は、本実施例のような2個に限らず、1個又は3個以上
であってもよい。また、複数個のフラップ部を設ける場
合において、フラップ部の配置の仕方に制限はなく、筒
体14の外周面に沿って環状に設けたり、筒体14の長
さ方向に沿って直列状に設けたり、螺旋状に設けるな
ど、後述するフック24の形状に応じて適宜選択するこ
とができる。なお、このようなフラップ部15は、ワイ
ヤーカットなどの方法により形成することができる。
【0034】一方、図4に示すように、体内留置具21
は、金、白金、それらの合金、又は表面に金めっきを施
された金属等のX線不透過性材料からなるダブルコイル
22で構成されている。ダブルコイル22の頭部23
は、管状器官に挿入する際に、管状器官を傷付けること
なく、容易に挿入できるように、ろう付け、溶融等の手
段で丸く形成されている。また、ダブルコイル22の基
端部には、フック24が取付けられている。なお、ダブ
ルコイル22の一次コイルの直径は0.25〜0.4 mmが好ま
しく、その長さは50〜400 mmが好ましい。また、ダブル
コイル22の二次コイルの直径は3〜8mmが好ましい。
【0035】フック24は、金、白金、白金合金、チタ
ン合金、ステンレス等の弾性を有する金属からなり、U
字状に伸びる2つの先端部24aを有する。これらの先
端部24aには、外側に向けて突出する爪部25がそれ
ぞれ形成され、筒体14に挿入されたとき、これらの爪
部25が筒体14のフラップ部15を押し広げて外方に
突出するようになっている。また、フック24の基端部
24b外周には、円弧状の切り欠き24cが形成され、
ダブルコイル22の基端部が、上記フック24の基端部
24b外周に巻き付けられ、上記切り欠き24cに嵌合
することによって連結されている。
【0036】なお、フック24の形状は、このように弾
性的に縮径可能な爪部を有するものであればよく、各種
形状のものが採用できる。例えば、図5に示すフック2
6のように、先端部26aに錨状に突出する爪部27、
27が形成され、基端部26bに上記と同様な切り欠き
26cが形成されたものでもよい。更には、筒体又は棒
体の先端部に軸方向に沿ったスリットを形成し、このス
リットによって形成された分割部の外側に爪部を設けた
ものなどを用いることもできる。
【0037】再び図1を参照すると、体内留置具21
は、そのフック24を、ガイドワイヤ11の先端に取付
けられた筒体14の先端部から挿入され、フック24の
爪部25が、筒体14のフラップ部15を押し広げて外
方に突出することによって、筒体14に係合保持されて
いる。なお、このとき、バネ16の先端は、フック24
の先端に圧接されて、押し縮められた状態になってい
る。
【0038】そして、例えばカテーテル等を通して加温
された生理食塩水等を注入し、筒体14を加熱すると、
図2に示すように、形状記憶合金の形状復帰力によっ
て、筒体14のフラップ部15が内側に閉じ、フック2
4の先端部を弾性的に縮径させて、その爪部25を筒体
14の内部に押し込み、係合が解除される。同時に、バ
ネ16の弾性復帰力によって、フック24が筒体14の
外へ押し出され、体内留置具21が分離されるようにな
っている。なお、上記形状記憶合金の変態点は、35〜
90℃程度が好ましく、45〜80℃がより好ましい。
【0039】次に、図1〜3に示した管状器官の治療具
を用いて、血管の動脈瘤を治療する方法について説明す
る。
【0040】まず、穿刺針を用いて経皮的に血管内にカ
テーテルを挿入し、動脈瘤の入口にカテーテルの先端が
到達するように配置させる。カテーテルとしては、市販
のいずれのものを用いてもよい。次に、カテーテル内
に、本発明の治療具を、体内留置具21のダブルコイル
22を直線状に伸ばした状態にして挿入し、体内留置具
21をカテーテルの先端から押し出して動脈瘤内に配置
する。体内留置具21は、カテーテルから押し出される
と、ダブルコイル22が形状復帰して3次元的に絡まっ
たような形状となる。なお、体内留置具21は、フック
24と筒体14からなる係合部を介して、ガイドワイヤ
11の先端部に連結されているので、一度カテーテルか
ら押し出された後も、その位置が適当でない場合は、カ
テーテル内に引き戻して、操作を再度やり直すことがで
きる。
【0041】次に、体内留置具21が動脈瘤内に確実に
挿入されたことを確認したら、カテーテルを通して加温
された生理食塩水を流し込むか、あるいはヒーター加
熱、高周波誘導などの手段によって筒体14を加熱す
る。その結果、形状記憶合金の形状復帰力によって、図
2に示すように、筒体14のフラップ部15が内側に閉
じて、フック24の爪部25を縮径させ、同時に、バネ
16がフック24を筒体14の外へ押し出して、体内留
置具21が解放される。その結果、体内留置具21がガ
イドワイヤ11から分離して動脈瘤内に留置され、体内
留置具21は、ダブルコイルに復帰して動脈瘤内を埋め
た状態となり、血栓を作って血液の動脈瘤内への流入を
阻止し、動脈瘤の破裂を防止することができる。
【0042】また、本発明の治療具は、用途に応じて、
各種形状の体内留置具を連結して使用することができ
る。これによって、上記のような動脈瘤の治療ばかりで
なく、事故等で血管を損傷したとき大量の出血を防止す
るため、血管を閉塞させる血路閉塞具の挿入などにも利
用することができる。また、管状器官を拡張させるため
のステントの挿入にも利用できる。
【0043】図7には、本発明による管状器官の治療具
の他の実施例が示されている。この管状器官の治療具
は、前記実施例と同様に、ガイドワイヤ31と、その先
端部に取付けられる体内留置具41とを有している。
【0044】ガイドワイヤ31は、図示しない線状部材
を有し、その先端部に、先端がU字状に分岐した二方向
性の形状記憶合金からなるフック32が取付けられてい
る。フック32のU字状に分岐した2つの先端には、外
方に突出した爪部33がそれぞれ設けられている。フッ
ク32は、所定の温度以下では開いた状態となり、所定
温度を超えると閉じるように形状記憶処理されている。
この変態点は、体温よりも高い温度に設定されている。
【0045】また、フック32の基端部には、コイルバ
ネ34がその基端部をフック32に固着され、先端部を
軸方向に伸びるように装着されている。コイルバネ34
は、この実施例ではステンレスからなるが、伸張された
形状に記憶処理された形状記憶合金で形成されていても
よい。
【0046】一方、体内留置具41は、前記実施例と同
様なX線不透過性材料からなるダブルコイル42を有
し、その基端部に、上記と同様な材料からなる筒体43
が取付けられている。この筒体43には、中間部の対向
する周壁に2つの透孔44が形成されている。
【0047】この治療具においては、ガイドワイヤ31
先端のフック32を、その形状記憶合金の変態点よりも
低い温度下において、体内留置具41の筒体43に挿入
すると、開いた形状をなすフック32の弾性力によっ
て、その爪部33が筒体43の透孔44から突出して係
合する。このとき、コイルバネ34は、その先端が筒体
43の基端部に圧接される。
【0048】この管状器官の治療具を用いて、血管の動
脈瘤を治療する場合には、上記のようにガイドワイヤ3
1の先端に体内留置具41を取付け、血管内に挿入され
たカテーテルに挿入し、前述したような操作によって、
体内留置具41を動脈瘤内に挿入する。
【0049】その状態で、カテーテルを通して加温され
た生理食塩水等を注入し、ガイドワイヤ31と体内留置
具41との係合部を加熱すると、形状記憶合金からなる
フック32の先端部が閉じた形状になり、爪部33が筒
体43の透孔43から引っ込んで外れる。すると、筒体
43の基端部に圧接されたコイルバネ34の弾性力によ
って、フック32が筒体43から抜き出され、体内留置
具41がガイドワイヤ31から分離して、動脈瘤内に留
置される。
【0050】なお、上記において、フック32は、変態
点を超えると開いた形状に復帰する一方向性の形状記憶
合金からなるものであってもよい。その場合には、変態
点以下の温度においてフック32を開かせて筒体43に
挿入すればよく、変態点以下の温度で形状記憶合金の剛
性が弱くても、爪部33が筒体43の透孔44に係合す
ることによって、簡単に外れないように連結させること
ができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の管状器官
の治療具によれば、体内留置具が、線状部材の先端部
に、筒体とフックからなる係合部を介して連結され、形
状記憶合金の形状復帰力で解放されるように構成されて
いるので、カテーテルから一度押し出した後も、挿入位
置を修正したい場合には、再びカテーテル内に引き戻し
て操作をやり直すことができる。
【0052】そして、体内留置具が適正な位置に配置さ
れたのを確認してから、例えば、加温された生理食塩水
を流したり、高周波誘導したりして、体内留置具を瞬時
に分離することができるので、挿入作業を短時間で、安
全かつ確実に行うことができる。
【0053】また、フックの先端部に設けられた爪部を
筒体のフラップ部又は透孔から突出させて係合させるよ
うにしたので、形状記憶合金の剛性が低い変態温度以下
でも上記係合が外れることはなく、線状部材と体内留置
具とがしっかりと連結され、管状器官への挿入操作中に
体内留置具が誤離脱する虞れが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管状器官の治療具の一実施例を示す部
分拡大断面図である。
【図2】同治療具において体内留置具が解放された状態
を示す部分拡大断面図である。
【図3】同治療具を示す部分拡大平面図である。
【図4】同治療具の体内留置具を示す斜視図である。
【図5】体内留置具基端部のフックの他の実施例を示す
平面図である。
【図6】従来の治療具を用いて血管の動脈瘤内に体内留
置コイルを挿入する操作を示す説明図である。
【図7】本発明の管状器官の治療具の他の実施例を示す
斜視図である。
【符号の説明】
11 ガイドワイヤ 12 線状部材 13 コイル 14 筒体 15 フラップ部 16 バネ 21 体内留置具 22 ダブルコイル 24、26 フック 25、27 爪部 31 ガイドワイヤ 32 フック 33 爪部 34 コイルバネ 41 体内留置具 42 ダブルコイル 43 筒体 44 透孔

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線状部材の先端部に体内留置具が着脱自
    在に取付けられてなる管状器官の治療具において、 前記線状部材の先端部と、前記体内留置具の基端部と
    に、互いに係合する係合部が設けられ、 前記係合部は、前記線状部材の先端部に取付けられた形
    状記憶合金の筒体と、前記体内留置具の基端部に取付け
    られ、前記筒体の内部に挿入されるフックとからなり、 前記筒体には、その中間の周壁を舌片状に切り込んで形
    成したフラップ部が設けられており、 前記フックは、前記筒体に挿入されたとき、前記筒体の
    前記フラップ部を押し広げて外方に突出する、弾性的に
    縮径可能な爪部を有しており、 前記筒体は、形状記憶合金の変態点以上になると、前記
    フラップ部が閉じるように形状記憶処理されていること
    を特徴とする管状器官の治療具。
  2. 【請求項2】 前記筒体の内部には、基端部を前記線状
    部材の先端部に固着され、先端部が前記フックの先端部
    に圧接されるバネが設けられている請求項1記載の管状
    器官の留置具。
  3. 【請求項3】 前記体内留置具は、ダブルコイルからな
    る請求項1又は2記載の管状器官の治療具。
  4. 【請求項4】 線状部材の先端部に体内留置具が着脱自
    在に取付けられてなる管状器官の治療具において、 前記線状部材の先端部と、前記体内留置具の基端部と
    に、互いに係合する係合部が設けられ、 前記係合部は、前記体内留置具の基端部に取付けられた
    筒体と、前記線状部材の先端部に取付けられ、前記筒体
    の内部に挿入される形状記憶合金のフックとからなり、 前記筒体には、その中間の周壁に透孔が設けられてお
    り、 前記フックは、前記筒体に挿入されたとき、前記筒体の
    前記透孔から突出する弾性的に縮径可能な爪部を有して
    おり、 前記フックは、形状記憶合金の変態点以上になると、前
    記爪部が閉じるように形状記憶処理されていることを特
    徴とする管状器官の治療具。
  5. 【請求項5】 前記フックの外周には、前記フックを前
    記筒体に挿入したとき、前記筒体の端部に圧接されるバ
    ネが設けられている請求項4記載の管状器官の留置具。
  6. 【請求項6】 前記体内留置具は、ダブルコイルからな
    る請求項4又は5記載の管状器官の治療具。
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