JP6564639B2 - 止血デバイス - Google Patents

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Description

この発明は、止血デバイスに係り、特に、穿刺孔の血栓の形成を促進して止血する止血デバイスに関する。
また、この発明は、このような止血デバイスの使用方法にも関している。
血管内に経皮的にカテーテル等の医療器具を挿入して治療や検査などを行う場合には、通常、あらかじめイントロデューサシースを皮膚から血管内に穿刺しておいて、イントロデューサシースの内腔を介して医療器具が血管内に挿入される。その後、イントロデューサシースを抜去する際に、体表から血管に至る穿刺孔の止血が必要となる。比較的外径が小さい注射針などによる穿刺孔は、体表から指などで圧迫するだけでも短時間で止血することができるが、比較的外径が大きいイントロデューサシースによる穿刺孔は、体表から圧迫しただけでは短時間で止血することが困難である。
そこで、特許文献1に示されるような先端部分に前後に配置された2つの拡張可能なバルーンを有する止血デバイスが示されている。このような止血デバイスの先端をイントロデューサシース内に挿入する。そして、まず、前方のバルーンを血管内に挿入し、さらに、拡張させる。次に、イントロデューサシースを穿刺孔に対して後退させて、イントロデューサシース内の後方のバルーンを皮下組織内に露出させ、さらに、拡張させる。このようにして、拡張した2つのバルーンを介して血管内と血管外の両方から血管壁の開口部を圧迫することで、血管壁の開口部の止血を促進することができる。
特表2000−507838号公報
しかしながら、特許文献1の止血デバイスを用いると、血管壁の開口部の止血を行うために皮下組織内でバルーンを拡張させなければならず、これにより、皮下組織がダメージを受けて患者の負担が大きくなるおそれがある。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、患者の負担を軽減しつつ短時間で穿刺孔の止血をすることができる止血デバイスを提供することを目的とする。
また、この発明は、このような止血デバイスの使用方法を供給することも目的としている。
この発明に係る止血デバイスは、穿刺孔を通して体表から血管内にまで挿入される止血デバイスであって、アウターカテーテルと、アウターカテーテルの先端の外周に配置され且つ体表で拡張される第1拡張体と、アウターカテーテル内に進退可能に挿入されるインナーカテーテルと、インナーカテーテルの先端に配置され且つ血管内で拡張される第2拡張体と、第2拡張体よりも基端側に配置され、アウターカテーテルがインナーカテーテルに対して後退することにより穿刺孔内に露出し且つ血液が接触することで血液の凝固が促進する凝固促進部とを備え、拡張した第1拡張体と第2拡張体により閉鎖した穿刺孔内に血栓を形成することを特徴とするものである。
また、凝固促進部は、インナーカテーテルの外表面に凝固促進剤がコーティングされることで形成される構成とすることができる。
さらに、アウターカテーテル内に進退可能に挿入され且つインナーカテーテルが進退可能に挿入されたミドルカテーテルを備え、凝固促進部は、ミドルカテーテルの先端と第2拡張体の基端の間に挟まれると共にインナーカテーテルの外周の一部を覆うように配置され、アウターカテーテル、ミドルカテーテルおよびインナーカテーテルを穿刺孔から抜去した後に穿刺孔内に留置されるという構成にすることもできる。
凝固促進部は、弾性を有し且つ凝固促進剤がコーティングされた凝固促進フィルムから形成され、凝固促進フィルムからインナーカテーテルが抜けるまでミドルカテーテルに対してインナーカテーテルを後退させることで、凝固促進フィルムが弾性によりインナーカテーテルの外径よりも小さな外径を有する形状を形成するものとすることができる。
凝固促進フィルムは、筒形状を有すると共にインナーカテーテルの軸方向に延びる少なくとも1本の断裂部を有し、ミドルカテーテルに対してインナーカテーテルを後退させるときに第2拡張体により断裂部で断裂されて凝固促進フィルムは縮径された筒形状となる構成としても良い。
凝固促進フィルムは、インナーカテーテルの軸方向の一端から他端に延びるスリットを有するほぼ筒形状を有し、凝固促進フィルムからインナーカテーテルが抜けることでスリットの幅が縮小されて凝固促進フィルムは縮径された筒形状となる構成とすることもできる。
凝固促進フィルムは、インナーカテーテルの外周に巻きつくらせん形状を有し、凝固促進フィルムからインナーカテーテルが抜けることで凝固促進フィルムは縮径されたらせん形状となる構成としても良い。
凝固促進部は、形状記憶特性を有し且つ凝固促進剤がコーティングされた筒形状の凝固促進ステントから形成され、凝固促進ステントからインナーカテーテルが抜けるまでミドルカテーテルに対してインナーカテーテルを後退させた後に、凝固促進ステントが形状記憶特性によりインナーカテーテルの外径よりも小さな外径を有する筒形状となるように構成することもできる。
凝固促進ステントは、膨潤剤を内包し、穿刺孔内で膨潤剤が水分を吸収して膨張することにより筒形状の凝固促進ステントの内側の空間が閉鎖される構成としても良い。
この発明によれば、止血デバイスが、アウターカテーテルと、アウターカテーテルの先端の外周に配置され且つ体表で拡張される第1拡張体と、アウターカテーテル内に進退可能に挿入されるインナーカテーテルと、インナーカテーテルの先端に配置され且つ血管内で拡張される第2拡張体と、第2拡張体よりも基端側で且つ少なくとも拡張した第1拡張体と第2拡張体の間に配置され且つ血液が接触することで血液の凝固が促進する凝固促進部とを備え、拡張した第1拡張体と第2拡張体により閉鎖した穿刺孔内に血栓を形成することができるので、患者の負担を軽減しつつ短時間で穿刺孔の止血をすることができる。
この発明の実施の形態1に係る止血デバイスの構成を示す平面図である。 図1における止血デバイスのA−A線断面図である。 実施の形態1に係る止血デバイスの先端部分の構造を示す縦断面図である。 実施の形態1に係る止血デバイスの要部拡大図である。 実施の形態1に係る止血デバイスと血管内に挿入されたイントロデューサシースを示す断面図である。 実施の形態1に係る止血デバイスが血管内に挿入される様子を示す断面図である。 実施の形態1に係る止血デバイスの第2拡張体が拡張される様子を示す断面図である。 イントロデューサシースが抜去される様子を示す断面図である。 実施の形態1に係る止血デバイスの第2拡張体が穿刺孔下端部を圧迫する様子を示す断面図である。 実施の形態1に係る止血デバイスのアウターカテーテルが後退する様子を示す断面図である。 実施の形態1に係る止血デバイスの第1拡張体が拡張する様子を示す断面図である。 実施の形態1に係る止血デバイスの第1拡張体と第2拡張体が穿刺孔を圧迫する様子を示す断面図である。 実施の形態1に係る止血デバイスの第2拡張体が縮小する様子を示す断面図である。 指が残存孔を止血する様子を示す断面図である。 実施の形態2に係る止血デバイスの要部拡大図である。 凝固促進フィルムが保持されている様子を示す要部断面図である。 実施の形態2に係る止血デバイスの第1拡張体と第2拡張体が穿刺孔を圧迫する様子を示す断面図である。 実施の形態2に係る止血デバイスの第2拡張体が縮小する様子を示す断面図である。 実施の形態2に係る止血デバイスのインナーカテーテルが抜去される様子を示す断面図である。 凝固促進フィルムが穿刺孔内に留置される様子を示す断面図である。 指が凝固促進フィルム上端部の近傍を止血する様子を示す断面図である。 指が凝固促進フィルム長尺部を挟みながら止血する様子を示す断面図である。 実施の形態3に係る止血デバイスの要部拡大図である。 実施の形態4に係る止血デバイスの要部拡大図である。 実施の形態5に係る止血デバイスの要部拡大図である。 他の実施の形態に係る止血デバイスを示す断面図である。 さらに他の実施の形態に係る止血デバイスを示す断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る止血デバイス1の構成を示す。この止血デバイス1は、可撓性を有するアウターカテーテル2と、可撓性を有するインナーカテーテル3と、血液が接触することで血液の凝固が促進する凝固促進部4とを有する。管状の形状を有するアウターカテーテル2に、管状の形状を有するインナーカテーテル3が進退可能に挿入されている。アウターカテーテル2の先端部分は開口しており、インナーカテーテル3をアウターカテーテル2に対して前進させることで、アウターカテーテル2の先端からインナーカテーテル3の先端部分が露出する。
アウターカテーテル2の先端の外周には、拡張と縮小が可能な第1拡張体21が配置され、インナーカテーテル3の先端の外周には、拡張と縮小が可能な第2拡張体31が配置されている。このような第1拡張体21および第2拡張体31は、拡張用流体を注入することで拡張させるバルーンで構成することができる。
アウターカテーテル2の基端には、逆止弁22が設けられており、また、アウターカテーテル2の基端の外周に接続されたチューブ23Aを介してシリンジ装着用ポート23が設けられている。シリンジ装着用ポート23は、アウターカテーテル2の内部を通じて第1拡張体21と接続されている。
インナーカテーテル3には、インナーカテーテル3の基端に接続されたチューブ32Aを介してシリンジ装着用ポート32が設けられている。シリンジ装着用ポート32は、インナーカテーテル3の内部を通じて第2拡張体31と接続されている。
図2は、図1における止血デバイス1のA−A線断面図である。アウターカテーテル2は、2重管構造を有しており、内管2Aと外管2Bを有している。内管2Aの内側には、第1内腔24が形成され、また、内管2Aと外管2Bの間には、第2内腔25が形成されている。第1内腔24には、インナーカテーテル3が逆止弁22を通して挿入され、インナーカテーテル3の内側に第3内腔32が形成されている。
図3は、止血デバイス1の先端部分の構造を示す縦断面図である。第1拡張体21の軸方向の両端部が内管2Aの外表面と外管2Bの外表面にそれぞれ接合されており、第1拡張体21により第2内腔25の先端側が覆われている。図示しないが、第2内腔25の基端側は、チューブ23Aを介してシリンジ装着用ポート23と接続されている。このため、シリンジ装着用ポート23に装着されたシリンジからチューブ23Aと第2内腔25を通じて拡張用流体を第1拡張体21に注入し、第1拡張体21を拡張させることができる。また、第1拡張体21の内部の拡張用流体をシリンジで抜き取り、第1拡張体21を収縮させることもできる。
第2拡張体31の軸方向の両端部がインナーカテーテル3の外表面にそれぞれ接合されており、第2拡張体31の内側の空間が穴部34を介して第3内腔33の先端側と接続されている。また、インナーカテーテル3の先端部分は閉じられている。図示しないが、第3内腔33の基端側は、チューブ32Aを介してシリンジ装着用ポート32と接続されている。このため、シリンジ装着用ポート32に装着されたシリンジからチューブ32Aと第3内腔33を通じて拡張用流体を第2拡張体31に注入し、第2拡張体31を拡張させることができる。また、第2拡張体31の内部の拡張用流体をシリンジで抜き取り、第2拡張体31を収縮させることもできる。なお、シリンジ装着用ポート32の代わりに、インナーカテーテル3の基端側にハブを設けて第3内腔33の基端側と接続し、このハブにシリンジを直接接続することでも、第2拡張体31を拡張、あるいは、縮小させることができる。
図4は、止血デバイス1の先端部分を示す要部拡大図である。図4に示されるように、凝固促進部4は、第2拡張体31よりも基端側に配置され、また、インナーカテーテル3の外表面にトロンビンなどの血液凝固促進剤をコーティングすることで形成されている。これにより、インナーカテーテル3の先端がアウターカテーテル2の先端から突出するまでアウターカテーテル2に対してインナーカテーテル3を前進させると、凝固促進部4が第1拡張体21と第2拡張体31との間に配置されることになる。
次に、止血デバイス1の使用方法について、詳細に説明する。
止血デバイス1を使用する際には、図1に示したシリンジ装着用ポート23およびシリンジ装着用ポート32に、それぞれ図示しないシリンジをあらかじめ装着しておく。それぞれのシリンジには、拡張用流体が入っている。
図5は、止血デバイス1と血管63内に挿入されたイントロデューサシース5を示す断面図である。このイントロデューサシース5は、カテーテルなどの医療器具を血管63内に挿入する際に用いられるもので、体表61aから皮下組織61と血管壁62を通過して血管63の内部に挿入されている。このように挿入されたイントロデューサシース5の内腔を介して、医療器具が血管63内に挿入され、治療や検査などが行われる。そして、治療や検査などが終了した後に、イントロデューサシース5内に止血デバイス1の先端を挿入する。なお、イントロデューサシース5の基端には逆止弁51が設けられており、イントロデューサシース5の内腔を通じて基端から血液が流出することが防止されている。
さらに、図6に示されるように、止血デバイス1をイントロデューサシース5に対して前進させて、イントロデューサシース5の内腔を介してアウターカテーテル2の先端とインナーカテーテル3の先端を血管63内に挿入する。このとき、インナーカテーテル3の先端に配置された第2拡張体31をアウターカテーテル2の先端から血管63内に露出させる。なお、アウターカテーテル2の先端から第1内腔24に血液が流入するが、図1に示したようにアウターカテーテル2の基端に逆止弁22が設けられているために、アウターカテーテル2の基端から血液が流出することが防止されている。
そして、シリンジ接続用ポート32に接続された図示しないシリンジからチューブ32Aと第3内腔33を通じて第2拡張体31に拡張用流体を注入することで、図7に示されるように、血管63内において第2拡張体31を拡張し、その後、図8に示されるように、イントロデューサシース5を抜去する。このとき、イントロデューサシース5を挿入する際に形成された穿刺孔64が露出すると共に穿刺孔64から出血することとなるが、図9に示されるように、拡張した第2拡張体31が穿刺孔64の血管壁62側に位置する穿刺孔下端部64aの周囲の血管壁62に接触するまで、アウターカテーテル2とインナーカテーテル3の両方を穿刺孔64に対して後退させ、第2拡張体31を穿刺孔下端部64aに押し付けることで、穿刺孔64からの出血が停止される。また、第2拡張体31の押し付けにより、第2拡張体31を介して穿刺孔下端部64aを圧迫することができる。このとき、一定の張力を保つようにインナーカテーテル3を引っ張り続けることで、第2拡張体31を介して穿刺孔下端部64aを圧迫し続けることができる。
そして、図10に示されるように、インナーカテーテル3に対してアウターカテーテル2を後退させることで、凝固促進部4を穿刺孔64内に露出させる。さらにアウターカテーテル2を後退させることで第1拡張体21を体表61aに露出させ、シリンジ接続用ポート23に接続された他方の図示しないシリンジからチューブ23Aと第2内腔25を通じて第1拡張体21に拡張用流体を注入することで、図11に示されるように、第1拡張体21を拡張させる。このとき、拡張した第1拡張体21と第2拡張体31の間において、凝固促進部4が穿刺孔64内の血液に触れている。
第1拡張体21を拡張させた後、図12に示されるように、第1拡張体21を穿刺孔64の体表61a側に位置する穿刺孔上端部64bの周囲の体表61aに一定の力を保つように押し付けることで、第1拡張体21を介して穿刺孔上端部64bを圧迫することができる。そして、拡張した第1拡張体21と第2拡張体31によって、穿刺孔上端部64bと穿刺孔下端部64aの両側から穿刺孔64を圧迫すると共に、穿刺孔64を閉鎖することができる。このように穿刺孔64を閉鎖することで、穿刺孔64内に血液を滞留させることができる。そして、穿刺孔64内に滞留している血液が凝固促進部4に触れることで凝固が促進され、所定の時間が経過した後にこの血液が凝固して血栓65となる。
その後、シリンジ接続用ポート32に接続された図示しないシリンジで第2拡張体31から拡張用流体を抜き取ることで、図13に示されるように、第2拡張体31を縮小させる。このように第2拡張体を縮小させることで、インナーカテーテル3を抜去することができる。そして、アウターカテーテル2とインナーカテーテル3を抜去する。この時点で穿刺孔64内に血栓65が形成されているが、図14に示されるように、インナーカテーテル3の外径とほぼ同じ内径を有する残存孔66が血栓65の内側に形成され、残存孔66から出血する。
このような残存孔66の止血をするために、アウターカテーテル2とインナーカテーテル3を抜去した後、残存孔66の体表61a側に位置する残存孔上端部66aを指67で一定の力を保つように圧迫する。この残存孔66の内径が穿刺孔64の内径と比較すると格段に小さいために、残存孔上端部66aを指67で圧迫するだけであっても、短時間に残存孔66内に血栓が形成され、穿刺孔64の止血を完了することができる。
このように、拡張した第1拡張体21と第2拡張体31によって閉鎖された穿刺孔64に血液が滞留していることに加えて、この血液の凝固が凝固促進部4によって促進されるために、穿刺孔64内に血栓65を形成し、患者の負担を軽減しつつ短時間で穿刺孔64の止血をすることができる。
なお、アウターカテーテル2およびインナーカテーテル3の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料あるいはこれらの混合物、あるいは上記2種以上の高分子材料を挙げることができる。
また、第1拡張体21および第2拡張体31は、延伸可能な高強度ポリマーから形成されることが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートの主要酸成分あるいは主要グリコール成分を変えたポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、また、これらポリマーの混合物、ポリアミド(ナイロン12、ナイロン11、MXD6ナイロン)、ポリアミドエラストマー、PPS(ポリフェニレンスルフィド)等のポリアリーレンスルフィド等を構成材料として使用することができる。
さらに、凝固促進部4を形成するためにインナーカテーテル3にコーティングする血液凝固促進剤はトロンビンに限られず、例えば、内皮細胞組織因子(TF)、第VII因子、TF−因子VIIa、第IX因子、第X因子、活性化第II因子(第IIa因子)、第XIa因子、プラスミン、第XII因子、第Xa因子、TFP1、第Va因子、プロトロンビナーゼ複合体、プロトロンビン、第V因子、第XI因子、第VIII因子、vWF、第VIIIa因子、第IXa因子およびテナーゼ複合体、その他の血液凝固促進剤を用いる構成とすることもできる。また、プロトロンビン複合体濃縮物、寒冷沈降物、凍結血漿組換え型活性化ヒト第VII因子、フィブロネクチンおよびカルシウムイオン、その他の凝固因子濃縮物を用いる構成とすることもできる。さらに、トラネキサム酸、アミノカプロン酸、アプロチニン、ペプスタチン、ロイペプチン、アンチパイン、キモスタチンおよびガベキサート、その他の抗線維素溶解薬を用いる構成とすることもできる。加えて、コラーゲン、キチン、キトサンおよびアルギン酸塩、その他の血液凝固促進物をインナーカテーテル3の外表面に配置することもできる。
実施の形態2
実施の形態1では、図4に示したように、インナーカテーテル3の外表面に血液凝固促進剤をコーティングすることで凝固促進部4を形成したが、インナーカテーテル3の外表面に血液凝固促進剤をコーティングしないで凝固促進部を形成することもできる。例えば、弾性を有するフィルムに血液凝固促進剤をコーティングした凝固促進フィルムで凝固促進部を形成することもできる。
図15は、実施の形態2に係る止血デバイス7の構成を示す。この止血デバイス7と実施の形態1の止血デバイス1を比較すると、止血デバイス7がミドルカテーテル71と、血液凝固促進剤がコーティングされた凝固促進フィルム72とを有している点が異なる。また、止血デバイス7のインナーカテーテル3には血液凝固促進剤がコーティングされていない点が異なる。
なお、実施の形態2のアウターカテーテル2およびインナーカテーテル3は、実施の形態1のアウターカテーテル2およびインナーカテーテル3と同じものである。
ミドルカテーテル71は、管状の形状を有すると共に先端部分が開口しており、インナーカテーテル3が進退可能に挿入されている。そのために、ミドルカテーテル71に対してインナーカテーテル3を前進させることで、ミドルカテーテル71の先端からインナーカテーテル3の先端を露出させることができる。また、ミドルカテーテル71は、可撓性を有しており、図1に示したアウターカテーテル2の逆止弁22を通してアウターカテーテル2に進退可能に挿入されている。なお、ミドルカテーテル71の形成材料としては、実施の形態1のアウターカテーテル2およびインナーカテーテル3の形成材料と同等の材料を挙げることができる。
凝固促進フィルム72は、弾性を有しており、第2拡張体31の基端とミドルカテーテル71の先端との間に配置されている。また、凝固促進フィルム72は、筒状の形状を有しており、内側にインナーカテーテル3が挿入され、インナーカテーテル3の外周の一部を覆っている。さらに、凝固促進フィルム72の外表面には、実施の形態1で示したトロンビンなどの血液凝固促進剤がコーティングされている。
図16は、凝固促進フィルム72が保持されている様子を示す止血デバイス7の要部断面図である。前述したとおり、インナーカテーテル3がミドルカテーテル71および凝固促進フィルム72の内側に挿入されており、インナーカテーテル3の外径よりも、ミドルカテーテル71の内径および凝固促進フィルム72の内径の方が大きい。また、第2拡張体31はインナーカテーテル3の外周に配置されているため、インナーカテーテル3の外径よりも、第2拡張体31の外径の方が大きい。そして、第2拡張体31の外径よりもミドルカテーテル71の内径の方が大きく形成されており、インナーカテーテル3がミドルカテーテル71内で進退可能となっている。
さらに、凝固促進フィルム72の内径よりも第2拡張体31の外径の方が大きく、また、凝固促進フィルム72の外径よりもミドルカテーテル71の内径の方が小さい。そして、凝固促進フィルム72の内径がインナーカテーテル3の外径よりもわずかに大きい値を有している。
第2拡張体31の外径が凝固促進フィルム72の内径よりも大きいために、凝固促進フィルム72の先端が第2拡張体31の基端に接触している。また、ミドルカテーテル71の内径が凝固促進フィルム71の外径よりも小さいために、凝固促進フィルム72の基端がミドルカテーテル71の先端に接触している。
このようにして、凝固促進フィルム72が第2拡張体31の基端とインナーカテーテル71の先端との間に挟まれて保持されている。そして、凝固促進フィルム72をミドルカテーテル71、あるいは、インナーカテーテル3に接着剤などで固定することなく、凝固促進フィルム72を血管内に運ぶことができる。
また、図15に示されるように、凝固促進フィルム72は、凝固促進フィルム72の先端の一部を開口するように形成された開口部74と、開口部74の基端側からインナーカテーテル3の軸方向にミドルカテーテル71の先端まで延びる1本の線状の断裂部73とを有している。断裂部73は、刃物などの道具を用いることなく、作業者が止血デバイス7の操作時に容易に凝固促進フィルム72を断裂し得るようにしたものである。断裂部73に力を加えることにより断裂部73で凝固促進フィルム72を断裂することができるが、凝固促進フィルム72の強度に応じて、複数の断裂部73が凝固促進フィルム72に形成されていても良い。
なお、断裂部73は、図15に示されるように、凝固促進フィルム72の表面から裏面まで貫通したミシン目状の線でもよく、あるいは、断裂部73以外の部分よりも薄い部分を線状に形成したものでもよく、あるいは、断裂部73以外の部分よりも低い強度を有する素材を線状に配置したものでもよい。
ミドルカテーテル71に対してインナーカテーテル3を後退させることで、第2拡張体31の外径が凝固促進フィルム72の内径よりも大きいために、開口部74が第2拡張体31に押し広げられる。さらに、押し広げられた開口部74を起点にして断裂部73の先端から断裂が始まり、断裂部73に沿って凝固促進フィルム72を断裂しながら第2拡張体31が凝固促進フィルム72の内側を通過する。このようにして、ミドルカテーテル71に対してインナーカテーテル3を後退させることで凝固促進フィルム72からインナーカテーテル3を抜くことができ、また、凝固促進フィルム72を断裂部73で断裂することができる。そして、第2拡張体31とミドルカテーテル71によって保持されていた凝固促進フィルム72が解放される。
断裂部73の断裂が完了すると、凝固促進フィルム72が有する弾性により、断裂された断裂部73が折り重なって凝固促進フィルム72が筒状に変形し、変形した後の凝固促進フィルム72の外径が変形する前の凝固促進フィルム72の外径よりも小さくなる。また、図14に示したように、変形する前の凝固促進フィルム72の内径は、インナーカテーテル3の外径よりもわずかに大きい値を有していたが、変形した凝固促進フィルム72の内径および外径は、インナーカテーテル3の外径よりも小さくなる。
このような止血用デバイス7を用いても、実施の形態1の止血用デバイス1と同様に、患者の負担を軽減しつつ短時間で穿刺孔の止血をすることができる。
実施の形態1と同様の手順で、図17に示されるように、第1拡張体21と第2拡張体31によって、穿刺孔上端部64bと穿刺孔下端部64aの両側から穿刺孔64を圧迫すると共に、穿刺孔64を閉鎖する。このとき、第1拡張体21と第2拡張体31との間において、凝固促進フィルム72が血液に触れている。そして、穿刺孔64内に滞留している血液の凝固が開始される。
その後、第1拡張体21を介して穿刺孔上端部64bを圧迫したままで、シリンジ接続用ポート32に接続された図示しないシリンジで第2拡張体31から拡張用流体を抜き取ることで、図18に示されるように、第2拡張体31を縮小させる。そして、図19に示されるように、ミドルカテーテル71に対して、インナーカテーテル3を後退させると、前述したように、凝固促進フィルム72が断裂部73で断裂されると共に凝固促進フィルム72からインナーカテーテル3が抜ける。また、第2拡張体31とミドルカテーテル71によって保持されていた凝固促進フィルム72が解放される。
前述したように、断裂部73の断裂が完了した後の凝固促進フィルム72が縮径し、縮径した凝固促進フィルム72の外周部に血栓65が形成される。
その後、保持されていた凝固促進フィルム72が既に解放されているために、図20に示されるように、アウターカテーテル2およびミドルカテーテル71を抜去することで、凝固促進フィルム72が穿刺孔64内に留置される。凝固促進フィルム72が穿刺孔64内に収まっているが、穿刺孔64内において血液が凝固促進フィルム72に触れる面積が大きいと血液の凝固をより促進させることができるために、凝固促進フィルム72の長さが穿刺孔64の全長と近いことが望ましい。
そして、前述したように、凝固促進フィルム72の内表面には血液凝固促進剤がコーティングされておらず、凝固促進フィルム72の内側では血液の凝固が遅れているために、凝固促進フィルム上端部72aの近傍において出血する。しかし、凝固促進フィルム72の内径は穿刺孔64の内径と比較すると格段に小さいために、出血が少ない量に抑えられる。
このような凝固促進フィルム72からの止血をするために、図21に示されるように、凝固促進フィルム上端部72aの近傍を指67で圧迫する。
このとき、前述したように、縮径した凝固促進フィルム72の外径がインナーカテーテル3の外径よりも小さいために、実施の形態1の図14に示した残存孔66の内径と比較すると、凝固促進フィルム72の内径の方が小さくなる。これにより、止血デバイス7を用いると、実施の形態1の止血デバイス1を用いるよりも、さらに短い時間で穿刺孔64の止血を完了することができる。
なお、凝固促進フィルム72に用いられるフィルムは、例えば、ポリ乳酸、ゼラチン、ポリグリコール酸、その他の生分解性材料で形成することができる。凝固促進フィルム72がこのような生分解性材料で形成されていると、所定の時間が経過した後に凝固促進フィルム72が体内に吸収される。
また、凝固促進フィルム72に用いられるフィルムは、生体適合性と弾性を有する金属材料、樹脂材料、その他の弾性を有する生体適合性材料でも形成することができる。そして、このようなフィルムに血液凝固促進剤をコーティングすることでも凝固促進フィルム72を形成することができる。
さらに、血液凝固促進作用を有していないフィルムの外表面に血液凝固促進剤をコーティングするという構成に限られず、例えば、血液凝固促進作用を有するコラーゲン、キチン、キトサンあるいはアルギン酸塩、その他の血液凝固促進物をフィルム状に成形することでも、凝固促進フィルム72を形成することができる。
実施の形態2では、凝固促進フィルム72の外表面だけに血液凝固促進剤をコーティングするという構成であったが、外表面と内表面の両面に血液凝固促進剤をコーティングする構成とすることもできる。このようなコーティングをすることで、凝固促進フィルム72の外表面に触れる血液だけではなく、凝固促進フィルム72の内表面に触れる血液も凝固を促進させることができる。
また、凝固促進フィルム72が少なくとも穿刺孔64の上端から下端に渡るように穿刺孔64の全長以上の長さを有する構成にすることもできる。凝固促進フィルム72を長尺に形成した場合には、図22に示されるように、凝固促進フィルム長尺部72bが体表61aに露出する。このような場合には、凝固促進フィルム長尺部72bを二本の指67で挟むようにして穿刺孔上端部68bを圧迫することができる。そして、穿刺孔64の止血が完了した後に、凝固促進フィルム長尺部72bをハサミなどの刃物を用いて切除することができる。
実施の形態3
実施の形態2では、図15に示したように、凝固促進フィルム72が線状の断裂部73を有していたが、断裂部73の代わりにスリットを形成することもできる。
図23は、実施の形態3に係る止血デバイス8の構成を示す。この止血デバイス8と実施の形態2の止血デバイス7を比較すると、止血デバイス8の凝固促進フィルム81が断裂部73の代わりにインナーカテーテル3の軸方向に延びるスリット82を有している点が異なる。
なお、実施の形態3のアウターカテーテル2、インナーカテーテル3およびミドルカテーテル71は、実施の形態2のアウターカテーテル2、インナーカテーテル3およびミドルカテーテル71と同じものである。また、実施の形態3の凝固促進フィルム81は、断裂部73の代わりにスリット82が形成されたほぼ筒状の形状を有しており、実施の形態2の凝固促進フィルム72と同様に、先端に開口部83を有している。さらに、実施の形態3の凝固促進フィルム81は、実施の形態2の凝固促進フィルム72と同様に、第2拡張体31の基端とミドルカテーテル71の先端との間に挟まれるように保持されている。
ミドルカテーテル71に対してインナーカテーテル3を後退させることで、第2拡張体31の外径が凝固促進フィルム81の内径よりも大きいために、開口部83が第2拡張体31に押し広げられると共にスリット82も押し広げられる。そして、スリット82を押し開きながら第2拡張体31が凝固促進フィルム81の内側を通過する。このようにして、ミドルカテーテル71に対してインナーカテーテル3を後退させることで凝固促進フィルム72からインナーカテーテル3を抜くことができ、第2拡張体31とミドルカテーテル71によって保持されていた凝固促進フィルム81が解放される。
なお、開口部83が凝固促進フィルム81に形成されていると、第2拡張体31がスリット82を押し広げやすくなるが、スリット82の先端部分を起点にして第2拡張体31がスリット82を押し広げることもできるため、開口部83を形成しない構成とすることもできる。
保持されていた凝固促進フィルム81が解放されることで、凝固促進フィルム81が有する弾性により、変形した後の凝固促進フィルム81の外径が変形する前の凝固促進フィルム81の外径よりも小さくなる。
このように、止血デバイス8を用いても、縮径した凝固促進フィルム81を穿刺孔内に留置することができるので、実施の形態2の止血デバイス7と同様に、患者の負担を軽減しつつ短時間で穿刺孔を止血することができる。
実施の形態4
実施の形態2では、図15に示したように、筒形状を有する凝固促進フィルム72がインナーカテーテル3の外周の一部を覆っていたが、らせん形状を有する凝固促進フィルムがインナーカテーテル3の外周に巻きつくという構成とすることもできる。
図24は、実施の形態4に係る止血デバイス9の構成を示す。この止血デバイス9と実施の形態2の止血デバイス7を比較すると、止血デバイス9の凝固促進フィルム91が筒形状ではなく、らせん形状を有しており、インナーカテーテル3の外周に巻きついている点が異なる。
なお、実施の形態4のアウターカテーテル2、インナーカテーテル3およびミドルカテーテル71は、実施の形態2のアウターカテーテル2、インナーカテーテル3およびミドルカテーテル71と同じものである。また、実施の形態4の凝固促進フィルム91は、らせん形状を有していること以外、実施の形態2の凝固促進フィルム72と同様に形成されている。
凝固促進フィルム91は、基端部分91aが筒状の形状を有しており、図24に示されるように、インナーカテーテル3が挿入され、また、ミドルカテーテル71の先端に接触している。そして、基端部分91aよりも先端側の凝固促進フィルム91が弾性を有してインナーカテーテル3に巻きついている。
このようにして、凝固促進フィルム91が、実施の形態2の凝固促進フィルム72と同様に、第2拡張体31の基端とミドルカテーテル71の先端との間に挟まれるように保持されている。なお、凝固促進フィルム91の先端部分91bが第2拡張体31の基端の一部にしか接触していないために、先端部分91bをインナーカテーテル3の一部と低い接合強度で接合することで、凝固促進フィルム91の保持の信頼性を高めることができる。
ミドルカテーテル71に対してインナーカテーテル3を後退させることで、第2拡張体31の外径が凝固促進フィルム91の内径よりも大きいために、らせん形状を有する凝固促進フィルム91の先端部分が押し広げられる。なお、凝固促進フィルム91の先端部分91bをインナーカテーテル3の一部と低い接合強度で接合していた場合には、この時点で先端部分91bが剥離する。
さらに、らせん形状を有する凝固促進フィルム91を押し開きながら第2拡張体31が凝固促進フィルム91の内側を通過する。このようにして、ミドルカテーテル71に対してインナーカテーテル3を後退させることで凝固促進フィルム72からインナーカテーテル3を抜くことができ、第2拡張体31とミドルカテーテル71によって保持されていた凝固促進フィルム91が解放される。
保持されていた凝固促進フィルム91が解放されることで、凝固促進フィルム91が有する弾性により、解放された後の凝固促進フィルム91のらせん形状の外径が解放される前の凝固促進フィルム91のらせん形状の外径よりも小さくなる。
このように、止血デバイス9を用いても、縮径した凝固促進フィルム91を穿刺孔内に留置することができるので、実施の形態2の止血デバイス7と同様に、患者の負担を軽減しつつ短時間で穿刺孔を止血することができる。
実施の形態5
実施の形態2では、図15に示したように、筒形状を有する凝固促進フィルム72がインナーカテーテル3の外周の一部を覆っていたが、フィルムを用いないで筒形状を有するステントを用いる構成とすることもできる。
図25は、実施の形態5に係る止血デバイス101の構成を示す。この止血デバイス101と実施の形態2の止血デバイス7を比較すると、止血デバイス101が凝固促進フィルム72の代わりに、血液凝固促進剤がコーティングされた凝固促進ステント102を有している点が異なる。なお、実施の形態5のアウターカテーテル2、インナーカテーテル3およびミドルカテーテル71は、実施の形態2のアウターカテーテル2、インナーカテーテル3およびミドルカテーテル71と同じものである。
実施の形態5の凝固促進ステント102は、形状記憶特性を有する筒状のステントに血液凝固促進剤をコーティングすることで形成されている。また、水分を含むことで膨張する膨潤剤を内包しており、この膨潤剤が水分を含ませて膨張させることで、筒状のステントの内側の空間を閉鎖することができる。さらに、凝固促進ステント102が有する形状記憶特性により、凝固促進ステント102の外径をインナーカテーテル3の内径よりも小さくすることができる。
また、実施の形態5の凝固促進ステント102は、実施の形態2の凝固促進フィルム72と同様に、第2拡張体31の基端とミドルカテーテル71の先端との間に挟まれるように保持されている。
ミドルカテーテル71に対してインナーカテーテル3を後退させることで、第2拡張体31が凝固促進ステント102の内側に引き込まれると共に凝固促進ステント102の内側を通過する。このようにして、ミドルカテーテル71に対してインナーカテーテル3を後退させることで凝固促進ステント102からインナーカテーテル3を抜くことができ、第2拡張体31とミドルカテーテル71によって保持されていた凝固促進ステント102が解放される。
このように解放された筒形状を有する凝固促進ステント102を穿刺孔内に留置した後、形状記憶特性により凝固促進ステント102の外径がインナーカテーテル3の外径よりも小さくなる。さらに、穿刺孔内の血液の水分を吸収した膨潤剤が膨張することで、凝固促進ステント102の内側の空間が閉鎖される。これにより、実施の形態1の図14に示したような残存孔66が形成されることを防止することができる。
このように、止血デバイス101を用いることで、縮径した凝固促進ステント102を穿刺孔内に留置すると共に凝固促進ステント102の内側の空間を閉鎖することができるので、患者の負担を軽減しつつさらに短時間に穿刺孔を止血することができる。
なお、凝固促進ステント102は、Ni−Ti、その他の生体適合性を有する形状記憶合金を用いて形成することができる。また、膨潤剤は、コラーゲン、ポリエチレングリコール、その他の水分を吸収して膨張する生体適合性素材を用いて形成することができる。
なお、実施の形態1〜5では、図2に示したように、アウターカテーテル2の2重管構造により第1拡張体21に接続される第2内腔25を形成しているが、2重管構造ではなくても、このような内腔を形成することができる。
例えば、図26に示されるように、アウターカテーテル111の内側に第1内腔112と第2内腔113を互いに並行するように形成することができる。第1内腔112には、インナーカテーテル3が挿入されている。そして、第2内腔113の先端側は第1拡張体21の内側の空間に接続され、第2内腔113の基端側はチューブ23Aを介してシリンジ装着用ポート23に接続されている。このため、シリンジ装着用ポート23に接続されたシリンジでチューブ23Aと第2内腔113を通じて拡張用流体を第1拡張体21に注入することができる。
また、図27に示されるように、アウターカテーテル114がアウターカテーテル本体115と拡張用流体用管116を有する構成にすることもできる。アウターカテーテル本体115の内側には、第1内腔117が形成されており、第1内腔117には、インナーカテーテル3が挿入されている。拡張用流体用管116は、アウターカテーテル本体115の外周に沿って並行しており、拡張用流体用管116の内側には、第2内腔118が形成されている。そして、第2内腔118の先端側は第1拡張体21の内側の空間に接続され、第2内腔118の基端側はチューブ23Aを介してシリンジ装着用ポート23に接続されている。
1,7,8,9,101 止血デバイス、2,111,114 アウターカテーテル、2A 内管、2B 外管、21 第1拡張体、22,51 逆止弁、23,32 シリンジ装着用ポート、23A,32A チューブ、24,112,117 第1内腔、25,113,118 第2内腔、3 インナーカテーテル、31 第2拡張体、33 第3内腔、34 穴部、4 凝固促進部、5 イントロデューサシース、61 皮下組織、61a 体表、62 血管壁、63 血管、64 穿刺孔、64a 穿刺孔下端部、64b 穿刺孔上端部、65 血栓、66 残存孔、66a 残存孔上端部、67 指、71 ミドルカテーテル、72,81,91 凝固促進フィルム、72a 凝固促進フィルム上端部、72b 凝固促進フィルム長尺部、73 断裂部、74,83 開口部、82 スリット、91a 基端部分、91b 先端部分、102 凝固促進ステント、115 アウターカテーテル本体、116 拡張用流体管。

Claims (9)

  1. 穿刺孔を通して体表から血管内にまで挿入される止血デバイスであって、
    アウターカテーテルと、
    前記アウターカテーテルの先端の外周に配置され且つ体表で拡張される第1拡張体と、
    前記アウターカテーテル内に進退可能に挿入されるインナーカテーテルと、
    前記インナーカテーテルの先端に配置され且つ血管内で拡張される第2拡張体と、
    前記第2拡張体よりも基端側に配置され、前記アウターカテーテルが前記インナーカテーテルに対して後退することにより前記穿刺孔内に露出し且つ血液が接触することで血液の凝固が促進する凝固促進部と
    を備え、拡張した前記第1拡張体と前記第2拡張体により閉鎖した前記穿刺孔内に血栓を形成することを特徴とする止血デバイス。
  2. 前記凝固促進部は、前記インナーカテーテルの外表面に凝固促進剤がコーティングされることで形成される請求項1に記載の止血デバイス。
  3. さらに、前記アウターカテーテル内に進退可能に挿入され且つ前記インナーカテーテルが進退可能に挿入されたミドルカテーテルを備え、
    前記凝固促進部は、前記ミドルカテーテルの先端と前記第2拡張体の基端の間に挟まれると共に前記インナーカテーテルの外周の一部を覆うように配置され、前記アウターカテーテル、前記ミドルカテーテルおよび前記インナーカテーテルを前記穿刺孔から抜去した後に前記穿刺孔内に留置される請求項1に記載の止血デバイス。
  4. 前記凝固促進部は、弾性を有し且つ凝固促進剤がコーティングされた凝固促進フィルムから形成され、
    前記凝固促進フィルムから前記インナーカテーテルが抜けるまで前記ミドルカテーテルに対して前記インナーカテーテルを後退させることで、前記凝固促進フィルムが前記弾性により前記インナーカテーテルの外径よりも小さな外径を有する形状を形成する請求項3に記載の止血デバイス。
  5. 前記凝固促進フィルムは、筒形状を有すると共に前記インナーカテーテルの軸方向に延びる少なくとも1本の断裂部を有し、
    前記ミドルカテーテルに対して前記インナーカテーテルを後退させるときに前記第2拡張体により前記断裂部で断裂されて前記凝固促進フィルムは縮径された筒形状となる請求項4に記載の止血デバイス。
  6. 前記凝固促進フィルムは、前記インナーカテーテルの軸方向の一端から他端に延びるスリットを有するほぼ筒形状を有し、
    前記凝固促進フィルムから前記インナーカテーテルが抜けることで前記スリットの幅が縮小されて前記凝固促進フィルムは縮径された筒形状となる請求項4に記載の止血デバイス。
  7. 前記凝固促進フィルムは、前記インナーカテーテルの外周に巻きつくらせん形状を有し、
    前記凝固促進フィルムから前記インナーカテーテルが抜けることで前記凝固促進フィルムは縮径されたらせん形状となる請求項4に記載の止血デバイス。
  8. 前記凝固促進部は、形状記憶特性を有し且つ凝固促進剤がコーティングされた筒形状の凝固促進ステントから形成され、
    前記凝固促進ステントから前記インナーカテーテルが抜けるまで前記ミドルカテーテルに対して前記インナーカテーテルを後退させた後に、前記凝固促進ステントが前記形状記憶特性により前記インナーカテーテルの外径よりも小さな外径を有する筒形状となる請求項3に記載の止血デバイス。
  9. 前記凝固促進ステントは、膨潤剤を内包し、
    前記穿刺孔内で前記膨潤剤が水分を吸収して膨張することにより筒形状の前記凝固促進ステントの内側の空間が閉鎖される請求項8に記載の止血デバイス
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