<第1実施形態>
<概要>
複数の工程によって生産される製品の生産ライン、例えば、機械組立工場の生産ラインは、ステーションと呼ばれる作業エリアに分割されており、ステーションにおける一連の作業が、管理すべき工程の単位となっている。
以下、本発明にかかる第1実施形態を図面に基づいて説明する。
<全体構成>
図1は、作業実績管理システム100の全体構成を概略的に示す図である。作業実績管理システム100は、管理サーバ装置1000、ファイルサーバ装置1800、生産管理システム1900、作業端末装置2000A、作業端末装置2000B、ネットワーク101、無線基地局120A、及び、無線基地局120Bを備える。
尚、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。また、図1には、作業端末装置2000A、2000Bの2つの作業端末装置が示されているが、より多く設けられていてもよく、無線基地局120A、120Bの2つの無線基地局が示されているが、より多く備えられていてもよい。
作業端末装置2000は、ステーションに1対1に対応して設置されている。作業端末装置2000Aは、ステーション1に設けられ、作業端末装置2000Bは、ステーション2に設けられている。作業端末装置2000Aは、カードリーダ2500Aを備え、作業端末装置2000Bは、カードリーダ2500Bを備えている。
作業端末装置2000は、ネットワーク101及び無線基地局120を介して、管理サーバ装置1000と接続される。ネットワーク101は、工場内ネットワークであり、例えば、Ethernet(登録商標)規格に準拠した有線LAN(Local Area Network)である。無線基地局120は、例えば、WiFi(登録商標)規格に準拠した無線LAN基地局である。
図1のステーション1、及び、ステーション2は、それぞれ生産ライン110における作業エリアである。ステーション1,2において、それぞれステーションに割り当てられた工程の作業が行われる。従って、複数工程によって生産される製品の場合は、その工程分のステーションが設けられる。図1では、ステーション2で行う工程は、ステーション1で行う工程の後工程であるものとする。すなわち、この生産ライン110では、ステーション1で処理された組立機械等の作業対象物は、次に、ステーション2で処理される。
作業対象物にはそれぞれ工程指示カード2510が付加されている。工程指示カード2510は作業対象物と共にステーションを移動する。工程指示カード2510には、作業対象物を特定する情報が記載されている。カードリーダ2500によって工程指示カード2510が読み込まれると、作業端末装置2000にチェックシートが表示される。本実施形態では、作業対象物を特定する情報として、製造オーダ番号を用いる。つまり、ステーションにおける作業は、1つの完成製品を単位とする製造オーダ番号で区別される。
また、ステーションで作業を行う作業者には、それぞれ、作業者ID(Identification Data)が付与されている。作業者は、作業者IDが記載された作業者IDカード2610を備えているものとする。作業者は、原則として、ステーションに入るときには作業端末装置2000に自己の作業者IDを登録し、ステーションから退出するときには、作業者IDの登録を削除する。尚、図1では、ステーション1に作業者が2人、ステーション2に作業者が1人示されているが、この人数に限られない。
作業者が、生産ライン110を流れてきた作業対象物、例えば、その組立作業に必要な部品等に付加されている工程指示カード2510を、カードリーダ2500に読み込ませると、作業端末装置2000にチェックシートが表示される。工程指示カード2510は、1つの完成製品を特定する識別子である製造オーダ番号ごとに発行される。
作業者は、作業端末装置2000に表示されたチェックシートに従い、組立作業などの作業を行い、作業が完了すると、その作業についての実績を、作業端末装置2000に表示されているチェックシートに入力する。各作業端末装置2000に入力された各ステーションの作業実績は、管理サーバ装置1000に集約され管理される。
<チェックシート>
図3は、作業端末装置2000の表示部2300(図2)に表示されるチェック画面WINの例を示す図である。
チェック画面WINには、チェックシート20が表示される。チェック画面WINの左上には、表示されているチェックシート20の識別情報10が表示される。図3では、識別情報10によって、製造オーダ番号が「J040023」で、機種が「MS03−A1J」で、製造予定日が「2014/10/1」の製品のチェックシート20が表示されていることが分かる。
作業者が、作業端末装置2000のカードリーダ2500を用いて、工程指示カード2510の製造オーダ番号「J040023」を読み込むと、図3に示すようなチェック画面WINが作業端末装置2000の表示部2300(図2)に表示される。
チェックシート20は、チェック項目21、任意入力項目22、項目タイプ23、入力欄24、入力時刻25、入力者26、関連図書27の7つの項目から構成されている。
チェックシート20の7つの項目の内、チェック項目21、任意入力項目22、項目タイプ23、関連図書27の4つの項目は、チェックシート20を表示した時に既に設定されている項目である。また、入力欄24、入力時刻25、入力者26の3項目は、作業者が作業実績として入力する項目である。具体的には、作業者が入力欄24に作業結果を入力すると、作業端末装置2000によって、その入力時の時刻が入力時刻25に設定され、作業者の識別子が入力者26に設定される。
チェック項目21は、作業者が実施するチェック処理を示す。チェック項目21は、チェック処理が行われる順番に上から表示されている。任意入力項目22は、入力欄24への入力が、任意であるか否かを示す。任意入力項目22として表示されている「○」は、入力欄24への入力が任意であることを示す。つまり、任意入力項目22として「○」が表示されていない行のチェック項目21に示されているチェック処理を実施することは必須である。一方、任意入力項目22として「○」が表示されている行のチェック項目21に示されているチェック処理は実施されなくてもよい。
項目タイプ23は、入力欄24へ入力するデータのタイプを示す。例えば、作業者は、項目タイプ23として「チェック」が表示されている行の入力欄24へは、「レ」(チェックマーク)を入力する。また、作業者は、項目タイプ23として「数値」が表示されている行の入力欄24へは、数値を入力する。
入力欄24は、チェック項目21に示されているチェック処理の実施結果を示す。入力時刻25は、入力欄24に実施結果が入力された時の時刻を示す。入力者26は、入力欄24に実施結果を入力した作業者を示す。関連図書27は、チェック項目21に示されているチェック処理に関わる関連図書、例えば、図面、作業手順書、試験要領書等を示す関連図書名を示す。例えば、作業者は、チェック項目21として「駆動部本体試運転」と表示されているチェック処理について手順を確認したい場合には、その行の関連図書27として表示されている「手順002」をマウス等で選択する。そうすると、別ウィンドウが開いて「手順002」が示す文書ファイルの内容が表示される。
組立作業を行う際には、チェックシートだけではなく、作業の詳細を記した作業手順書や試験要領書が必要である。実際に製造作業を行う前に、作業者に、これらの図書を元に教育が行われる。しかし、生産ライン110での作業中に、作業者は、これら関連図書の確認を行いたいと思うことがあり得る。
しかし、作業者は、容易に生産ライン110を離れることができないことから、従来は、確認を行うことは難しかった。作業実績管理システム100では、作業者がチェックシート20の関連図書27に表示されている関連図書名を選択すれば、所望の文書ファイルの内容が表示される。このため、作業者は生産ライン110を離れることなく、必要な作業手順書や試験要領書を簡単に確認することが可能となる。結果的に、作業品質が向上することになる。
作業者は、チェックシート20のチェック項目21を見て、チェック処理の作業の手順を把握する。そして、作業が完了すると、作業者は、入力欄24に、任意入力項目22及び項目タイプ23での表示内容に応じて、所定のフォーマットで実績情報を入力する。例えば、入力欄24をマウスで指定した後、例えばダブルクリックしてチェックマークを入力したり、キーボード等を用いて測定数値やテキストなどを入力したりして、入力欄24に実績情報を入力する。
上述したチェック画面WINに表示されたチェックシート20に対して、作業者は、自分のステーションで行った作業について、実績情報を入力する。例えば、ステーション1の、識別子「神鋼太郎」で示される作業者は、チェックシート20の1行目〜3行目までの3つのチェック項目21に示されるチェック処理を実施し、入力欄24に実績情報を入力し、作業対象物をステーション2に送る。
そして、次の工程のステーション2の作業者が、作業端末装置2000のカードリーダ2500を用いて、工程指示カード2510の製造オーダ番号「J040023」を読み込むと、図3に示すような、入力欄24の1〜3行目までに実績情報が表示されたチェックシート20が表示される。ステーション2の作業者は、4つ目のチェック項目21に示されるチェック処理を実施する。このように、作業者は、生産ライン110を流れてくる作業対象物である部品等に対して、各ステーションにおいて組立作業を行い、完成された製品を作成する。
<管理サーバ装置、及び、作業端末装置の構成>
次に、管理サーバ装置1000、ファイルサーバ装置1800、生産管理システム1900、及び、作業端末装置2000の構成を説明する。
図2は、第1実施形態の管理サーバ装置1000、ファイルサーバ装置1800、生産管理システム1900、及び、作業端末装置2000の機能を示すブロック図である。
作業端末装置2000(作業端末の一例)は、例えば、中央演算処理装置(CPU)、メモリおよびその周辺回路等を備えるパーソナルコンピュータ(PC)等である。作業端末装置2000は、メモリに記憶されたプログラムに従ってCPUが動作することにより、制御部2100、通信部2200、表示部2300、操作部2400、カードリーダ2500、及び、作業者ID取得部2600としての機能を備える。
制御部2100(第2取得部の一例、第3取得部の一例、表示制御部の一例)は、作業端末装置2000が備える各機能部を制御する。制御部2100は、作業実績を取得する処理、例えば、チェックシート20を表示部2300に表示させ、操作部2400から作業実績を受け付ける処理等を行う。また、制御部2100は、チェックシート20の関連図書27に表示されている関連図書名が作業者により選択されると、関連図書名の文書ファイルを、管理サーバ装置1000を介してファイルサーバ装置1800から取得し、取得した文書ファイルの内容を表示部2300に表示させる処理を行う。
通信部2200(第1取得部の一例、送信部の一例)は、ネットワーク101、及び、無線基地局120を介して、管理サーバ装置1000と通信する機能を有する。
表示部2300は、例えば、チェックシート20を表示し、操作部2400を用いて作業者により入力された作業実績を入力欄24に表示する。表示部2300は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、及び、プラズマディスプレイ等を有する。
操作部2400は、例えば、作業が完了した旨などの作業実績の作業者による入力を受け付ける。操作部2400は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等を有する。
カードリーダ2500は、作業対象物に付加されている工程指示カード2510のうち、作業対象物を特定する識別子である「製造オーダ番号」を読み込む機能を有する。例えば、製造オーダ番号としてバーコードが用いられている場合は、カードリーダ2500は、バーコードリーダを含み、バーコードリーダで読み込んだバーコードを作業対象物の識別子である「製造オーダ番号」に変換する。
作業者ID取得部2600は、作業者が携帯している作業者IDカード2610から、作業者IDを取得する。例えば、作業者IDが作業者IDカード2610にバーコードで記載されている場合は、作業者ID取得部2600は、バーコードリーダを含み、バーコードリーダで読み込んだバーコードを作業者IDに変換する。また、作業者IDカード2610にICタグが用いられている場合は、作業者ID取得部2600は、ICタグリーダ装置を含む。この場合、作業者がICタグリーダ装置の近くを通過すると、作業者の入退出が検知されることとしてもよい。
管理サーバ装置1000(チェックリスト作成装置の一例)は、例えば、CPU、メモリおよびその周辺回路等を備えるPC等である。管理サーバ装置1000は、メモリに記憶されたプログラムに従ってCPUが動作することにより、制御部1100、通信部1200、表示部1300、操作部1400、機種別項目リスト作成部1600、作業実績収集部1700、機種仕様情報記憶部3000、チェック項目情報記憶部3100、機種別項目リスト記憶部3300、及び、作業実績情報記憶部3400としての機能を備える。
制御部1100は、管理サーバ装置1000が備える各機能部を制御する。制御部1100は、作業実績を収集し管理する処理、例えば、チェックシート20を作業端末装置2000に送信し、作業実績を受信し、受信した作業実績を記憶する処理等を行う。
通信部1200は、ネットワーク101及び無線基地局120を介して、作業端末装置2000と通信する機能を有する。
表示部1300は、LCD等を有し、例えば、機種仕様情報記憶部3000に記憶されている機種仕様データ3010(図4)、チェック項目情報記憶部3100に記憶されているチェック項目データ3110(図5)等を表示する。
操作部1400は、キーボード等を有し、例えば、表示部1300に表示されている機種仕様データ3010及びチェック項目データ3110等に対するデータ入力のためにユーザによって操作される。
機種別項目リスト作成部1600(リスト作成部の一例)は、機種仕様情報記憶部3000に記憶されている機種仕様データ3010と、チェック項目情報記憶部3100に記憶されているチェック項目データ3110とから、製造オーダ番号により特定される注文製品の機種に応じた機種別チェック項目リスト3310(図6)を作成する。
機種別項目リスト作成部1600は、作成した機種別チェック項目リスト3310を機種別項目リスト記憶部3300に保存する。これらの機種仕様データ3010とチェック項目データ3110とは、<データ>の項で説明される。機種別チェック項目リスト3310の作成方法は、<機種別チェック項目リスト作成方法>の項で説明される。
作業実績収集部1700は、作業端末装置2000から送信された製造オーダ番号に応じた機種別チェック項目リスト3310を機種別項目リスト記憶部3300から読み出して作業端末装置2000に送信する。作業実績収集部1700は、作業端末装置2000から受信した作業実績情報を作業実績情報記憶部3400に保存する。作業実績収集部1700は、作業実績テーブル3410を作成する。作業実績収集部1700は、作成した作業実績テーブル3410を作業実績情報記憶部3400に保存する。
機種仕様情報記憶部3000(第1記憶部の一例)は、機種毎の機能を、機種仕様データ3010として記憶する。この機種仕様データ3010は、生産技術担当者により作成される。
チェック項目情報記憶部3100(第2記憶部の一例)は、機能ごとのチェック項目を、チェック項目データ3110として記憶する。このチェック項目データ3110は、生産技術担当者により作成される。
入力確認部1450は、機種仕様データ3010及びチェック項目データ3110に対して生産技術担当者により操作部1400を用いて入力されたデータを確認する。入力確認部1450は、確認したデータ入力に基づき、機種仕様データ3010及びチェック項目データ3110を作成する。入力確認部1450は、作成した機種仕様データ3010を機種仕様情報記憶部3000に保存する。入力確認部1450は、作成したチェック項目データ3110をチェック項目情報記憶部3100に保存する。
機種別項目リスト記憶部3300は、機種毎の機種別チェック項目リスト3310を記憶する。機種別チェック項目リスト3310は、機種別項目リスト作成部1600によって作成され、機種別項目リスト記憶部3300に保存される。
作業実績情報記憶部3400は、製造オーダ番号ごとに、作業実績テーブル3410を記憶する。作業実績テーブル3410は、作業実績収集部1700により作成され、作業実績情報記憶部3400に保存される。
ファイルサーバ装置1800(記憶装置の一例)は、管理サーバ装置1000と通信可能に接続されている。ファイルサーバ装置1800は、管理サーバ装置1000を介して、作業端末装置2000と通信可能に接続されている。ファイルサーバ装置1800は、チェック処理に関連する文書ファイル(関連文書の一例)を記憶し、管理する。例えば、文書ファイルは、PDF(Portable Document Format)等の汎用フォーマットで保存されている。
作業者がチェックシート20の関連図書27に表示されている関連図書名を選択すると、作業端末装置2000は、関連図書名を、管理サーバ装置1000を介してファイルサーバ装置1800に送信する。ファイルサーバ装置1800は、作業端末装置2000から関連図書名を受信すると、受信した関連図書名により指定される文書ファイルを読み出し、読み出した文書ファイルを作業端末装置2000に送信する。
尚、ファイルサーバ装置1800に記憶されている文書ファイルは、管理サーバ装置1000に記憶されていてもよい。この場合には、作業端末装置2000は、関連図書名を管理サーバ装置1000に送信する。管理サーバ装置1000は、作業端末装置2000から受信した関連図書名により指定される文書ファイルを読み出し、読み出した文書ファイルを作業端末装置2000に送信する。
生産管理システム1900は、製品の注文から納品までの計画を管理する。また、生産管理システム1900は、管理サーバ装置1000と通信可能に接続されている。本実施形態では、生産管理システム1900は、製造オーダ番号とオーダされた製品(機種)とを対応付けた注文情報を記憶している。生産管理システム1900は、作業端末装置2000から、管理サーバ装置1000を介して、製造オーダ番号を受信する。生産管理システム1900は、受信した製造オーダ番号に対応付けられた製品(機種)に関連する情報を作業端末装置2000に送信する。
尚、機種仕様情報記憶部3000、チェック項目情報記憶部3100、機種別項目リスト記憶部3300、作業実績情報記憶部3400が記憶している情報、及び、生産管理システム1900が記憶している注文情報は、<データ>の項で説明される。
<データ>
以下、作業実績管理システム100で用いられるデータが説明される。
<機種仕様情報記憶部3000>
図4は、機種仕様データ3010の構成例及びその内容例を示す図である。機種仕様データ3010は、製品の仕様を示すものであり、生産技術担当者によって作成されて、機種仕様情報記憶部3000に記憶される。この機種仕様データ3010は、ある程度の基本構成を共有する機種仕様の製品グループ毎に作成される。図4は、製品グループ「MS03」の機種仕様データ3010の例を示す。
機種仕様データ3010は、機種3011、及び、仕様項目3012を有する。機種3011は、製品グループ「MS03」に属する製品の種類を特定するための機種識別子(製品識別子の一例)を示す。つまり、機種3011は、完成製品を特定するのではなく、製品の種類を特定する。尚、完成製品は、製造オーダ番号により特定される。
仕様項目3012は、機種3011が示す機種の製品(つまり、製品グループ「MS03」に属する製品)のいずれかが有する仕様の項目を示す。仕様項目3012は、製品が有する機能の特徴を表す複数の機能特徴項目3013を含む。図4では、仕様項目3012は、「製品形状」、「制御電圧」及び「販売地区」の3つの機能特徴項目3013を含む。
機能特徴項目3013は、その特徴の選択肢を示す特徴選択肢項目3014を含む。図4では、機能特徴項目3013のうち、「製品形状」は、「タイプA」、「タイプB」及び「タイプC」の3つの特徴選択肢項目3014を含み、「制御電圧」は、「100V」、「200V」及び「400V」の3つの特徴選択肢項目3014を含み、「販売地区」は、「国内」、「アジア」及び「欧州」の3つの特徴選択肢項目3014を含む。
そして、機種3011が示す機種識別子の行と、特徴選択肢項目3014の列とにより規定される2次元マトリックス内の要素(機種仕様項目の一例)に対応させて、各機種識別子により示される製品が有する特徴が示されている。「1」が設定されている要素は、その行の機種識別子により示される製品によって、その列の特徴選択肢項目3014により示される特徴の選択肢が選択されていることを示し、「0」が設定されている要素は、その列の特徴選択肢項目3014により示される特徴の選択肢が選択されていないことを示す。
生産技術担当者が、機種仕様データ3010を作成する場合、まず、機種3011により示される各機種識別子(製品)の仕様の違いを表す機能特徴と、各機能特徴に含まれる特徴選択肢とを機種仕様として選定する。そして、生産技術担当者は、各機種3011により示される各機種識別子(製品)の仕様が、特徴選択肢項目3014により示される各特徴の選択肢のどのような組み合わせで指定されるかを登録する。つまり、生産技術担当者は、機種3011により示される機種識別子の行と特徴選択肢項目3014の列とにより規定される2次元マトリックス内の全ての要素に、「1」又は「0」を設定する。
入力確認部1450は、操作部1400を用いて生産技術担当者により2次元マトリックス内の要素に入力されたデータを確認する。入力確認部1450は、確認の結果、入力データが「1」又は「0」であれば、入力データを受け付ける。一方、入力確認部1450は、確認の結果、入力データが「1」又は「0」でなければ、入力データを受け付けない。この場合、入力確認部1450は、例えば表示部1300にメッセージを表示して、ユーザに注意を喚起してもよい。入力確認部1450は、生産技術担当者による入力データに従って、機種仕様データ3010を作成する。
図4では、「MS03」という製品グループに対し、「製品形状」、「制御電圧」、「販売地区」の違いによって異なる機能の特徴を示す機能特徴項目3013が与えられている例が示されている。各機能特徴項目3013において、「1」が立てられている特徴選択肢項目3014が、選択された特徴を表している。
例えば「MS03−A1J」という機種3011の機種識別子では、機能特徴項目3013の「製品形状」では「タイプA」の要素に、「制御電圧」では「100V」の要素に、「販売地区」では「国内」の要素に、それぞれ「1」が立てられている。このため、この機種識別子の製品の仕様は、タイプAの形状をしており、制御電圧が100V(ボルト)であり、国内販売モデルであることが分かる。
尚、本実施形態では、各機種識別子の製品の仕様は、各機能特徴項目3013において必ず1つのみの特徴選択肢項目3014が選択されている(「1」が立てられている)ものとする。
<チェック項目情報記憶部3100>
図5は、チェック項目データ3110の構成例及びその内容例を示す図である。チェック項目データ3110は、チェック項目の一覧であり、生産技術担当者によって作成されて、チェック項目情報記憶部3100に記憶される。このチェック項目データ3110は、ある程度の基本構成を共有する機種仕様の製品グループ毎に作成される。図5は、製品グループ「MS03」のチェック項目データ3110の例を示す。
チェック項目データ3110は、項目番号3111、チェック項目3112、項目タイプ3113、関連図書3114、任意入力項目3115、チェックポイント3116、適用パターン3117、及び、仕様項目3118を備える。仕様項目3118は、機能特徴項目3119を含む。機能特徴項目3119は、特徴選択肢項目3120を含む。
チェック項目3112は、実施されるチェック処理の内容を示す。項目番号3111(順序情報の一例)は、チェック項目3112に示されるチェック処理が行われる順番を示すものであり、1から昇順に設定される。チェック項目データ3110には、1つのチェック処理が、1レコードとして登録される。従って、項目番号3111は、チェック項目3112に示されるチェック処理を特定する番号と言える。
項目タイプ3113は、チェック項目3112が示すチェック処理の実績情報のタイプを示す。具体的には、項目タイプ3113は、チェックシート20(図3参照)の入力欄24に入力されるデータの型を示す。
項目タイプ3113において、「チェック」は、チェック項目3112が示すチェック処理の内容を行ったことを示す「レ」を入力することを示す。例えば、チェック項目3112が「組立部品の欠品なきことを確認」の場合は、欠品がないことを確認した場合に「レ」を入力する。
項目タイプ3113において、「S/N」は、チェック項目3112が示すチェック処理の内容を行った結果のシリアル番号を入力することを示す。例えば、チェック項目3112により示されるチェック処理が「モータシリアルNo.確認(100V/200V)」の場合は、モータのシリアル番号を入力する。
項目タイプ3113において、「数値」は、チェック項目3112が示すチェック処理の内容を行った結果の値を入力することを示す。例えば、チェック項目3112により示されるチェック処理が「制御電圧値を測定(100V)」の場合は、製品の制御電圧を測定し、その結果である制御電圧値を入力する。項目タイプ3113において、「テキスト」は、チェック項目3112が示すチェック処理に関するコメント等の文字列を入力することを示す。
関連図書3114(文書識別子の一例)は、チェック項目3112が示すチェック処理に関係する関連図書を特定するための関連図書名、例えば、図面名、手順書名等を示す。
任意入力項目3115(任意入力情報の一例)は、チェック項目3112に示されるチェック処理の実施が、必須であるのか、任意であるのかを示す。任意入力項目3115において、「0」はチェック処理の実施が必須であることを示し、「1」はチェック処理の実施が任意であることを示す。
チェック処理のなかには、例えば項目番号3111が「26」のレコードのチェック項目3112「特記事項」のように、何かあれば入力が必要だが、必ずしも入力が必要ではないものもある。そのような場合には、任意入力項目3115に例えば「1」が立てられているチェック項目3112に示されるチェック処理の実施は、任意とする。
チェックポイント3116(チェックポイント情報の一例)は、チェック項目3112が示すチェック処理を行うタイミング条件を示す。具体的には、チェックポイント3116として「1」が設定されているレコードのチェック項目3112に示されるチェック処理は、このレコードの項目番号3111として設定されている番号より小さな番号が設定されているレコードのチェック処理が全て終了した後でなければ、実施できない。
例えば、項目番号3111が「25」のレコードのチェック項目3112に示されるチェック処理「駆動部本体最終確認」は、項目番号3111が「1」〜「24」のレコードのチェック処理が実施されていなければ、実施することができない。
但し、任意入力項目3115が「1」のレコードのチェック処理の実施が済んでいるか否かは問わない。つまり、任意入力項目3115が「1」のレコードのチェック処理の作業実績がチェックシート20に入力されていない場合であっても、作業者は、チェックポイント3116として「1」が設定されているレコードのチェック処理の作業実績をチェックシート20に入力することができる。
多品種少量生産、特にカスタム生産に近い製品組み立ての場合、個別作業の具体的な実施順序が指定されておらず、作業者の裁量に任されている場合や、作業の一部分が、機種仕様ごとに、適宜、部分組立ラインに分離して実施される場合がある。このような場合に対応するため、本実施形態では、ある程度は順序を前後してチェック処理を行うことを許容しつつ、それに制限を加える仕組みが導入されている。
つまり、作業者は、チェックシート20に入力する作業実績を、必ずしも予め定められた順番で入力しなくてもよい場合がある。具体的には、上述のように、チェック項目データ3110にチェックポイント3116という項目が設けられて、以下の制約が設けられている。
(i)チェックポイント3116に「0」が立てられているチェック項目については、それ以前の(項目番号3111がより小さい)チェック項目の入力が全て完了していなくても作業実績を入力できる。
(ii)チェックポイント3116に「1」が立てられているチェック項目については、それ以前の(項目番号3111がより小さい)チェック項目の入力が全て完了していなければ作業実績を入力できない。
(iii)チェックポイント3116に「1」が立てられているチェック項目について作業実績が入力されていなければ、それ以後のチェック項目について作業実績を入力できない。
言い換えれば、チェックポイント3116に「0」が立てられているチェック項目については、作業者の裁量で実施順序を変えて行ってもよいことになる。この制約により、ある程度の作業順序の柔軟さを保ちつつ、必要な作業順序の大枠を担保することができる。
適用パターン3117(文字情報の一例)は、チェック項目3112に示されるチェック処理が、どのような機種の仕様に適用されるかの説明を示す。具体的には、適用パターン3117は、機能特徴項目3119を表す文字列と特徴選択肢項目3120を表す文字列とをつなげた文字列を含む。
仕様項目3118は、機種仕様データ3010(図4参照)の仕様項目3012と同様の仕様の項目を示す。仕様項目3118は、製品が有する機能の特徴を表す機能特徴項目3119を含む。機能特徴項目3119は、その特徴の選択肢を示す特徴選択肢項目3120を含む。
そして、チェック項目3112に示されるチェック処理の行と、仕様項目3118の特徴選択肢項目3120の列とにより規定される2次元マトリックス内の要素(実施選択項目の一例)に対応させて、各チェック項目3112に示されるチェック処理が実施されるか否かが示されている。
「1」が設定されている要素は、その行のチェック項目3112に示されるすチェック処理が、その列の特徴選択肢項目3120に示される特徴の選択肢に対して実施されることを示す。「0」が設定されている要素は、その行のチェック項目3112に示されるチェック処理が、その列の特徴選択肢項目3120に示される特徴の選択肢に対しては実施されないことを示す。
生産技術担当者が、チェック項目データ3110を作成する場合、チェック項目3112に示されるチェック処理が、いずれの特徴選択肢項目3120に示される特徴の選択肢に対して実施されるチェック処理であるかを登録する。つまり、生産技術担当者は、チェック項目3112に示されるチェック処理の行と、特徴選択肢項目3120の列とにより規定される2次元マトリックス内の全ての要素に、「1」又は「0」を設定する。
入力確認部1450は、操作部1400を用いて生産技術担当者により2次元マトリックス内の要素に入力されたデータを確認する。入力確認部1450は、確認の結果、入力データが「1」又は「0」であれば、入力データを受け付ける。一方、入力確認部1450は、確認の結果、入力データが「1」又は「0」でなければ、入力データを受け付けない。この場合、入力確認部1450は、例えば表示部1300にメッセージを表示して、ユーザに注意を喚起してもよい。入力確認部1450は、生産技術担当者による入力データに従って、チェック項目データ3110を作成する。
生産技術担当者が、チェック項目データ3110を作成する際に、チェック項目3112の行と特徴選択肢項目3120の列とで規定される2次元マトリクスの要素に設定する値(つまり、「1」又は「0」)を間違えると、必要なチェック項目3112が表示されなかったり、不要なチェック項目3112が表示されたりして、現場の混乱を招く恐れがある。
そこで、本実施形態では、入力確認部1450は、チェック項目データ3110のマトリックスの各要素が設定されると、レコード毎に、特徴選択肢項目3120の要素が「0」と「1」との双方を含む機能特徴項目3119の名称と、その機能特徴項目3119に属する特徴選択肢項目3120のうち「1」が設定された特徴選択肢項目3120の名称の集合とを組み合わせた文字列を作成する。入力確認部1450は、作成した文字列を適用パターン3117として設定する。その結果、生産技術担当者は、適用パターン3117として設定された文字列を参照することで、正しい特徴選択肢項目3120を選択したか否かの確認を行うことが可能となる。
尚、特徴選択肢項目3120の要素が「0」と「1」との双方を含む機能特徴項目3119の名称を用いるのは、特徴選択肢項目3120の全ての要素が「1」である場合には、機能特徴項目3119の名称を表示しても、特徴選択肢項目3120の選択間違いのチェックとはならないからである。
例えば、図5の項目番号3111が「3」のレコードにおいて、要素に「0」が設定されているのは、機能特徴項目3119が「制御電圧」の特徴選択肢項目3120が「400V」である。従って、入力確認部1450は、機能特徴項目3119の名称「制御電圧」と、その機能特徴項目3119に属する特徴選択肢項目3120のうち「1」が設定された特徴選択肢項目3120の名称「100V」、「200V」の集合とを組み合わせた文字列「制御電圧:100V、200V」を、適用パターン3117として設定する。
また、入力確認部1450は、全ての特徴選択肢項目3120に「1」が設定された場合には、「共通」との文字列を適用パターン3117として設定する。
このように、本実施形態では、各チェック項目3112に対する特徴選択肢項目3120の設定が入力されると、2次元マトリクスの要素への「1」又は「0」の数字で表現されている適用対象が、「制御電圧:400V 販売地区:アジア」などと、より認識しやすい日本語の文字列で適用パターン3117に表示されることになる。よって、生産技術担当者は、自身の入力の意図と、実際に要素に入力された「1」又は「0」とを、より直感的に照合できるので、設定ミスを低減することが可能となる。
<機種別項目リスト記憶部3300>
図6は、機種別チェック項目リスト3310の構成例及びその内容例を示す図である。機種別チェック項目リスト3310は、機種に応じたチェック項目リストである。機種別項目リスト作成部1600は、機種別チェック項目リスト3310を作成する。機種別項目リスト作成部1600は、作成した機種別チェック項目リスト3310を機種別項目リスト記憶部3300に保存する。
機種別チェック項目リスト3310は、作業実績収集部1700によって作業端末装置2000に送信される。作業端末装置2000は、受信した機種別チェック項目リスト3310に基づいてチェックシート20を作成し、作成したチェックシート20を表示部2300に表示する。図6は、製造オーダ番号「J040099」の機種「MS03−A3A」の製品の機種別チェック項目リスト3310の例を示す。
機種別チェック項目リスト3310は、項目番号3311、チェック項目3312、項目タイプ3313、関連図書3314、任意入力項目3315、及び、チェックポイント3316を備える。
項目番号3311、チェック項目3312、項目タイプ3313、関連図書3314、任意入力項目3315、チェックポイント3316は、チェック項目データ3110(図5)の、項目番号3111、チェック項目3112、項目タイプ3113、関連図書3114、任意入力項目3115、チェックポイント3116と同様の項目である。
チェック項目3312は、チェック処理の内容を示す。項目番号3311は、チェック項目3312に示されるチェック処理を特定し、チェック処理の順序を示す。項目タイプ3313は、チェック項目3312に示されるチェック処理の作業実績のタイプを示す。関連図書3314は、チェック項目3312に示されるチェック処理に関係する関連図書名を示す。任意入力項目3315は、チェック項目3312に示されるチェック処理の実施が、必須であるのか、任意であるのかを示す。
チェックポイント3316は、チェック処理を実施する順番を守る必要があるか否かを示す。すなわち、チェックポイント3316として「1」が設定されているレコードのチェック項目3312に示されているチェック処理は、このレコードの項目番号3311として設定されている番号より小さな番号が項目番号3311として設定されているレコードのチェック処理が全て終了した後に、行われなければならない。
機種別チェック項目リスト3310がチェック項目データ3110と異なる点は、チェック項目データ3110に含まれている適用パターン3117と仕様項目3118とを備えないことである。
また、チェック項目データ3110には、製品グループ「MS03」に属する製品のいずれかに行われるチェック処理、言い換えれば、全てのチェック処理が登録されているが、機種別チェック項目リスト3310には、機種「MS03−A3A」の製品のチェック処理のみが登録されている。従って、チェック項目データ3110には、「1」から昇順の番号が設定された項目番号3111のレコードが登録されているが、機種別チェック項目リスト3310には、図6に示されるように、必要なチェック処理の番号が設定された項目番号3311のレコードのみが登録されている。
<機種別チェック項目リストの作成方法>
ここで、機種別項目リスト作成部1600が、機種別チェック項目リスト3310を作成する方法について説明する。
図7は、機種別チェック項目リスト3310の作成方法を説明するための図である。図7では、機種別項目リスト作成部1600が、機種仕様データ3010の機種3011が「MS03−A3A」の製品の機種別チェック項目リスト3310を、作成する場合を考える。
機種別項目リスト作成部1600は、機種仕様データ3010とチェック項目データ3110とから、機種3011が「MS03−A3A」の製品に対して行うべきチェック処理を判断し、項目番号対応表720を作業メモリに作成する。
この項目番号対応表720において、「項目番号」は、チェック項目データ3110の項目番号3111に対応し、「MS03−A3A」は、「項目番号」に対応するチェック項目データ3110の項目番号3111のチェック処理を機種3011が「MS03−A3A」の製品に対して行うか否かの判定結果を示す。
「MS03−A3A」が「1」の場合は、対応する項目番号3111のチェック処理が行われることを示し、「MS03−A3A」が「0」の場合は、対応する項目番号3111のチェック処理が行われないことを示す。
機種別項目リスト作成部1600は、全ての「項目番号」について、チェック処理が行われるか否かを判断し、この項目番号対応表720を作成する。そして、機種別項目リスト作成部1600は、項目番号対応表720の「MS03−A3A」として「1」が設定されている「項目番号」の番号と同じ番号が、項目番号3111として設定されているレコードをチェック項目データ3110から読み出して、機種別チェック項目リスト3310を作成する。
以下、チェック項目データ3110の項目番号3111が「4」のチェック処理を行うか否かの判断を、機種別項目リスト作成部1600が行う方法を説明する。
機種別項目リスト作成部1600は、まず、機種仕様データ3010から機種3011として「MS03−A3A」が設定されているレコードを読み出し(破線の矢印721参照)、機種3011と、その特徴選択肢項目3014とのマトリックス内の要素として設定されている論理値710を抽出する。また、機種別項目リスト作成部1600は、チェック項目データ3110の項目番号3111として「4」が設定されているレコードの要素の論理値709を抽出する。機種別項目リスト作成部1600は、論理値710と、論理値709との論理積711を求める。
次に、機種別項目リスト作成部1600は、求めた論理積711の論理値について、仕様項目3118の機能特徴項目3119ごとに、つまり、3つの論理値ごとに、論理和712を求める。そして、機種別項目リスト作成部1600は、求めた論理和712の論理値について、論理積713を求める。この論理積713の論理値が、機種「MS03−A3A」に対して、項目番号3111が「4」のチェック処理を行うか否かを示す。この論理積713の論理値が「1」の場合、項目番号3111が「4」のチェック処理が行われ、「0」の場合、チェック処理が行われないことを示す。図7では、論理積713の論理値は「0」であるので、項目番号対応表720の「項目番号」の「4」と対応して、「0」が設定される(一点鎖線の矢印722参照)。
<作業実績情報記憶部3400>
図8は、作業実績テーブル3410の構成例及びその内容例を示す図である。作業実績テーブル3410は、作業実績を管理するためのものである。作業実績テーブル3410は、製造オーダ番号ごとに作業実績収集部1700により作成され、作業実績情報記憶部3400に記憶される。作業実績テーブル3410には、作業端末装置2000に表示されたチェックシート20(図3参照)に作業者が入力した作業実績が、1チェック項目につき1レコードとして、作業実績収集部1700により追加される。尚、図8は、製造オーダ番号「J040023」の作業実績テーブル3410の例を示す。
作業実績テーブル3410は、製造オーダ番号3411、項目番号3412、項目タイプ3413、入力実績3414、入力時刻3415、及び、入力者3416を備える。
製造オーダ番号3411は、作業実績テーブル3410が、いずれの製造オーダ番号の製品の作業実績であるかを示す。項目番号3412は、チェック項目(チェック処理)を特定するための番号を示す。項目タイプ3413は、項目番号3412が特定するチェック処理の作業実績のタイプを示す。
入力実績3414は、製造オーダ番号3411の製品に対して、項目番号3412により特定されるチェック項目により示されるチェック処理が行われた結果を示す。この結果は、作業者によってチェックシート20(図3参照)の入力欄24として入力されたものである。
入力時刻3415は、入力実績3414が示すチェック結果が、作業者によってチェックシート20に入力された時刻、つまり、チェックシート20の入力時刻25として表示された時刻を示す。言い換えれば、入力時刻3415は、そのチェック処理が行われた時刻を示す。
入力者3416は、項目番号3412が示すチェック項目のチェック処理を行った作業者の識別子を示す。この識別子は、チェックシート20の入力者26として表示されたものである。
製造オーダ番号3411の製品が、ステーションを流れていく。作業者によってチェック項目が示すチェック処理が行われると、作業実績がチェックシート20に入力される。ステーションでの作業が終了すると、チェックシート20の入力結果に基づき、作業実績テーブル3410にレコードが追加される。
<生産管理システム1900の記憶部>
図9は、注文情報テーブル1910の構成例及びその内容例を示す図である。注文情報テーブル1910は、生産管理システム1900内の記憶部に記憶され、管理されているデータである。生産管理システム1900は、作業端末装置2000から、管理サーバ装置1000を介して、製造オーダ番号を受信すると、注文情報テーブル1910を参照して、その製造オーダ番号に対応する機種仕様を作業端末装置2000に送信する。
注文情報テーブル1910は、製造オーダ番号1911、及び、機種1912を備える。製造オーダ番号1911(製品識別子の一例)は、顧客からの注文を特定するための識別子である。機種1912は、製造オーダ番号1911の識別子が示す注文によって、製造を依頼された製品の機種を特定する識別子を示す。
図9において、機種1912の「MS03−A1J−C」は、受注に応じてカスタム仕様で製造する製品であることを示す。付加コード「C」が、カスタム仕様であることを示す。「MS03−A1J−C」は、機種「MS03−A1J」をベースとしたカスタム仕様であることを示す。機種「MS03−A1J」は、製品識別子から付加コードを除いた識別子により特定される対象製品の一例である。
機種1912が示す識別子の末尾にカスタム仕様を示すコード「C」が付加されている場合、機種別項目リスト作成部1600は、ベースとなる機種に適用される機種別チェック項目リスト3310を作成する。そして、機種別項目リスト作成部1600は、作成した機種別チェック項目リスト3310の任意入力項目3315として「1」を設定する。
カスタム仕様の製品については、機種別項目リスト作成部1600は、このように作成した機種別チェック項目リスト3310を作業端末装置2000に配信し、チェックシート20を表示させることで、全てのチェック項目を任意入力項目として動作させる。つまり、注文品がカスタム仕様の場合でも、ベースとなる機種仕様のまま実施するほとんどのチェック項目については電子化の効果を活用しつつ、カスタム製造指示によって実施しないチェック項目に関してはチェック処理を不要とできる。従って、機種仕様データ3010に機種3011として登録されていないカスタム製造指示による注文品を、作業実績管理システム100において扱うことが可能となる。
従来は、機種仕様データ3010に登録されていないカスタム仕様の機種については、登録されている機種とは別に、カスタム製造指示書を発行したり、新たなチェック項目の追加や不要なチェック項目の削除を行ったりする手間が必要となる場合が多い。しかし、本実施形態の作業実績管理システム100は、カスタム仕様の機種において全てのチェック項目を任意のチェック項目としている。これによって、通常のカスタム仕様ではない製品とカスタム仕様の製品とを扱うことを可能にしている。尚、本実施形態では、カスタム製品については、機種別チェック項目リスト3310内の全ての任意入力項目3315として「1」を設定することとしているが、カスタム製造指示書によって実施しないチェック項目に対してのみ「1」を設定することとしてもよい。
<動作>
以下、作業実績管理システム100の動作について、図10〜図12を用いて説明する。
図10は、作業実績収集処理のフローチャートであり、図11は、チェック項目リスト作成処理のフローチャートであり、図12は、作業実績入力処理のフローチャートである。尚、図10のフローチャートにおいて、破線矢印は、データの流れを示す。
まず、図10の作業実績収集処理から説明する。作業者は、作業を行う予定のステーションに入る際に、そのステーションに設置されている作業端末装置2000にログインする。具体的には、所持する作業者IDカード2610の作業者IDを、作業端末装置2000の作業者ID取得部2600に読み込ませる。作業者ID取得部2600は、読み込んだ作業者IDを制御部2100に通知する。通知を受けた制御部2100は、通知された作業者IDを作業メモリに記憶する。
作業端末装置2000にログインした作業者は、作業対象物が生産ライン110を流れてくると、作業対象物に添付されている工程指示カード2510の「製造オーダ番号」を、カードリーダ2500を用いて読み込む。「製造オーダ番号」を読み込んだカードリーダ2500は、読み込んだ「製造オーダ番号」を制御部2100に通知する(ステップS10)。通知を受けた制御部2100は、通知された「製造オーダ番号」を、通信部2200を介して管理サーバ装置1000に送信する(ステップS11)。
管理サーバ装置1000の制御部1100は、通信部1200を介して「製造オーダ番号」を受信すると、受信した「製造オーダ番号」により特定される製品の機種の機種別チェック項目リスト3310が作成済みであるか否かを判断する(ステップS20)。つまり、生産ライン110で最初に製造する機種である場合は、機種別チェック項目リスト3310は作成されていないからである。制御部1100は、機種別項目リスト記憶部3300に、「製造オーダ番号」により特定される製品の機種別チェック項目リスト3310が記憶されている場合には、作成済みであると判断し(ステップS20でYES)、ステップS23の処理を実行する。
一方、機種別項目リスト記憶部3300に、「製造オーダ番号」により特定される製品の機種別チェック項目リスト3310が記憶されていない場合には、作成されていないと判断し(ステップS20でNO)、制御部1100は、作業端末装置2000から受信した「製造オーダ番号」を生産管理システム1900に送信する(ステップS21)。
「製造オーダ番号」を管理サーバ装置1000から受信した生産管理システム1900は、記憶部に記憶されている注文情報テーブル1910(図9参照)を参照して、受信した「製造オーダ番号」により特定される製品の機種識別子を求める。具体的には、注文情報テーブル1910において、受信した「製造オーダ番号」が製造オーダ番号1911として設定されているレコードに、機種1912として設定されている機種識別子を読み出す。図9の例では、「製造オーダ番号」が「J040023」の場合、機種識別子は「MS03−A1J−C」となる。生産管理システム1900は、求めた機種識別子を、管理サーバ装置1000に送信する(ステップS30)。
管理サーバ装置1000の制御部1100は、機種識別子を生産管理システム1900から受信すると、受信した機種識別子を機種別項目リスト作成部1600に渡して、機種別チェック項目リスト3310(図6参照)の作成を依頼する。依頼を受けた機種別項目リスト作成部1600は、機種識別子の機種別チェック項目リスト3310を作成する(ステップS22)。
ここで、図11を用いて、機種別チェック項目リストの作成処理(図10のステップS22)について説明する。
機種別項目リスト作成部1600は、制御部1100から機種識別子を受け取る(ステップS40)。続いて、ステップS41において、機種別項目リスト作成部1600は、機種仕様情報記憶部3000に記憶されている機種仕様データ3010と、チェック項目情報記憶部3100に記憶されているチェック項目データ3110とを参照して、上記<機種別チェック項目リスト作成方法>で説明したように、受け取った機種識別子が示す製品についての行うべきチェック項目を抽出する(図7の項目番号対応表720を参照)。この際、機種別項目リスト作成部1600は、制御部1100から受け取った機種識別子の末尾に、カスタム仕様を示すコード「C」が付加されている場合は、「−C」を除いて、ベースとなる機種について、チェック項目を抽出する。
次に、機種別項目リスト作成部1600は、制御部1100から受け取った機種識別子の末尾に、カスタム仕様を示すコード「C」が付加されているか否かを判断する(ステップS42)。カスタム仕様を示すコード「C」が付加されている場合は(ステップS42でYES)、チェック項目データ3110から、図7の項目番号対応表720に「1」が設定されている「項目番号」の番号と同じ番号が項目番号3111として設定されているレコードを読み出して、機種別チェック項目リスト3310を作成し、全てのレコードの任意入力項目3315として「1」を設定する(ステップS44)。
一方、制御部1100から受け取った機種識別子の末尾に、カスタム仕様を示すコード「C」が付加されていない場合は(ステップS42でNO)、機種別項目リスト作成部1600は、機種別チェック項目リスト3310を作成する(ステップS43)。
そして、機種別チェック項目リスト3310を作成した機種別項目リスト作成部1600は、作成した機種別チェック項目リスト3310を機種別項目リスト記憶部3300に記憶し、その旨を制御部1100に通知する。これで、図10のステップS22のチェック項目リスト作成処理が終了する。
次に、図10のステップ23において、制御部1100は、作業端末装置2000から受信した「製造オーダ番号」と、生産管理システム1900から受信した機種識別子とを作業実績収集部1700に渡して、作業実績の収集を依頼する。
依頼を受けた作業実績収集部1700は、制御部1100から渡された機種識別子の機種別チェック項目リスト3310を、機種別項目リスト記憶部3300から読み出し、作業端末装置2000に送信する(ステップS23)。また、作業実績収集部1700は、作業実績情報記憶部3400に、作業端末装置2000から受信した「製造オーダ番号」の作業実績テーブル3410が記憶されている場合には、その作業実績テーブル3410を読み出して、作業端末装置2000に送信する。つまり、2つ目以降のステーションの作業端末装置2000には、作業実績テーブル3410も送信されることになる。
作業端末装置2000の制御部2100は、管理サーバ装置1000から機種別チェック項目リスト3310を受信すると、作業実績入力処理を行う(ステップS12)。2つ目以降のステーションの作業端末装置2000は、作業実績テーブル3410も受信する。
ここで、図12を用いて、作業実績入力処理(図10のステップS12)について説明する。制御部2100は、管理サーバ装置1000から機種別チェック項目リスト3310及び作業実績テーブル3410を受信する(ステップS50)。次いで、制御部2100は、機種別チェック項目リスト3310及び作業実績テーブル3410を基にチェックシート20を作成し、作成したチェックシート20を表示部2300に表示する(ステップS51)。具体的には、制御部2100は、チェック項目21、任意入力項目22、項目タイプ23、入力欄24、入力時刻25、入力者26、関連図書27の7つの項目からなるチェックシート20を含むチェック画面WIN(図3参照)を表示部2300に表示する。
制御部2100は、機種別チェック項目リスト3310の各レコードのチェック項目3312に示されているチェック処理を、レコード順に、チェックシート20の各行のチェック項目21に表示する。また、制御部2100は、機種別チェック項目リスト3310の任意入力項目3315に「1」が設定されているレコードに対応するチェックシート20の行の任意入力項目22に「○」を表示する。
制御部2100は、機種別チェック項目リスト3310の各レコードの項目タイプ3313に設定されている作業実績の入力タイプを、チェックシート20の各行の項目タイプ23に表示する。制御部2100は、機種別チェック項目リスト3310の各レコードの関連図書3314に設定されている関連図書名を、チェックシート20の各行の関連図書27に表示する。
また、制御部2100は、作業実績テーブル3410の各レコードの内容を、チェックシート20の対応する項目に表示する。具体的には、制御部2100は、作業実績テーブル3410の各レコードの入力実績3414に設定されている作業実績、入力時刻3415に設定されている時刻、入力者3416に設定されている作業者IDを、それぞれ、当該レコードの項目番号3412に設定されている番号に対応する行の入力欄24、入力時刻25、入力者26に表示する。
表示部2300のチェック画面WINにチェックシート20を表示した制御部2100は、操作部2400を介した作業者のチェックシート20への入力項目を判定する(ステップS52)。
制御部2100は、チェックシート20の関連図書27の関連図書名が選択されたと判定すると(ステップS52で「関連図書」)、選択された関連図書名を、管理サーバ装置1000を介してファイルサーバ装置1800に送信する。作業端末装置2000から関連図書名を受信したファイルサーバ装置1800は、受信した関連図書名により指定される文書ファイルを読み出し、読み出した文書ファイルを作業端末装置2000に送信する。ファイルサーバ装置1800から文書ファイルを受信した制御部2100は、表示部2300にウィンドウを開き、受信した文書ファイルを表示する(ステップS53)。
また、ステップS52において、制御部2100は、チェックシート20の入力欄24の入力領域にデータが入力されたと判定すると(ステップS52で「入力欄」)、入力された入力領域に、入力が可能か否かを判断する(ステップS54)。
具体的には、制御部2100は、入力された入力領域の行(以下、「入力行」という)に対応する機種別チェック項目リスト3310のレコードのチェックポイント3316に「0」が設定されている場合には、入力可能であると判断する。
但し、制御部2100は、入力行に対応する機種別チェック項目リスト3310のレコードのチェックポイント3316に「0」が設定されている場合でも、その入力行より上に作業実績が入力されていない行があり、その行に対応する機種別チェック項目リスト3310のレコードのチェックポイント3316に「1」が設定されている場合には、入力不可能であると判断する。
また、制御部2100は、入力行に対応する機種別チェック項目リスト3310のレコードのチェックポイント3316に「1」が設定されている場合には、その入力行より上の全ての行に作業実績が入力されている場合に、入力可能であると判断する。
また、制御部2100は、入力行に対応する機種別チェック項目リスト3310のレコードのチェックポイント3316に「1」が設定されている場合であって、その入力行より上のいずれかの行に作業実績が入力されていない場合、その入力されていない行が任意入力項目の行である場合には入力可能であると判断し、任意入力項目の行でない場合には入力不可能であると判断する。
尚、制御部2100は、行が任意入力項目の行であるか否かを、その行に対応する機種別チェック項目リスト3310のレコードの任意入力項目3315に設定されている値によって判断する。制御部2100は、任意入力項目3315に、「1」が設定されていれば任意入力項目の行であると判断し、「0」が設定されていれば任意入力項目の行でないと判断する。
制御部2100は、入力が不可能であると判断した場合には(ステップS54でNO)、表示部2300にエラーメッセージを表示し、処理をステップS52に戻す。
また更に、制御部2100は、ステップS54において、入力されたデータの型が、入力された行の項目タイプ23として表示している型に合致するか否かを判断してもよい。制御部2100は、合致しない(例えば、項目タイプ23が数値である入力欄24にアルファベットが入力された)と判断すると(ステップS54でNO)、表示部2300にエラーメッセージを表示して、処理をステップS52に戻してもよい。
ステップS54において、データが入力された入力領域が、入力が可能であると判断した場合(ステップS54でYES)、制御部2100は、タイマー(不図示)から現在時刻を取得して、チェックシート20の入力行の入力時刻25に取得した時刻を書き込み、作業メモリに記憶されている作業者IDを、チェックシート20の入力行の入力者26に書き込む(ステップS55)。
続いて、制御部2100は、作業メモリに作業者IDが記憶されていたか否かを判断する(ステップS56)。作業メモリに作業者IDが記憶されていれば(ステップS56でYES)、処理はステップS58に進む。
一方、作業メモリに作業者IDが記憶されていない場合(ステップS56でNO)、制御部2100は、作業者に対するメッセージを表示部2300に表示する等によって、作業者が所持する作業者IDカード2610の作業者IDを、作業端末装置2000の作業者ID取得部2600に読み込ませるように指示して、作業者IDを取得する(ステップS57)。制御部2100は、取得した作業者IDを作業メモリに記憶し、チェックシート20の入力行の入力者26に書き込む。
尚、作業メモリに記憶されている作業者IDにより示される作業者が、チェック処理を行う資格がない場合等に、制御部2100は、チェック処理を行う資格を有する別の作業者に作業者IDを入力させることとしてもよい。この場合は、制御部2100は、例えば作業メモリに作業者IDと資格を有するチェック処理とを対応させて記憶しておく。
ステップS58において、制御部2100は、作業者が操作部2400を用いて作業終了の操作を行ったか否かを判断する。例えば、所定のボタンを押下する等の終了操作を作業者が行ったことを検知した場合(ステップS58でYES)、制御部2100は、処理をステップS59に進める。また、作業者が作業終了の操作を行ったことを検知しない場合(ステップS58でNO)、制御部2100は、処理をステップS52に戻す。
ステップS59において、制御部2100は、作業者が作業実績を入力したチェックシート20の1以上の入力行の項目タイプ23、入力欄24、入力時刻25、入力者26に表示されているデータと、入力行に対応する機種別チェック項目リスト3310のレコードの項目番号3311に設定されている項目番号と、作業対象物の「製造オーダ番号」とを、作業実績データとして、管理サーバ装置1000に送信する。これで、図10のステップS12の作業実績入力処理が終了する。
次に、図10のステップ24において、管理サーバ装置1000の作業実績収集部1700は、作業端末装置2000から作業実績データを受信すると、受信した作業実績データから、レコードを作成し、作業実績テーブル3410(図8参照)に追加する。具体的には、作業実績収集部1700は、作業実績データとして受信したデータの項目番号ごとに、「製造オーダ番号」を製造オーダ番号3411として設定し、項目番号を項目番号3412として設定し、項目タイプ23のデータを項目タイプ3413として設定し、入力欄24のデータを入力実績3414として設定し、入力時刻25のデータを入力時刻3415として設定し、入力者26のデータを入力者3416として設定したレコードを作成し、作業実績テーブル3410に追加する。
<第2実施形態>
第1実施形態では、作業端末装置2000から製造オーダ番号を受信すると、管理サーバ装置1000の機種別項目リスト作成部1600が、機種仕様データ3010とチェック項目データ3110とに基づいて、機種別チェック項目リスト3310を作成することとしている。これに対して、第2実施形態では、予め、対象となる製品グループに属する全ての機種について、行うべきチェック項目を判断して記憶しておく点が異なる。
従って、第2実施形態の処理では、機種別項目リスト作成部1600は、機種別チェック項目一覧テーブル3210(後述の図14)を参照して、製造オーダ番号により特定される製品の機種に応じた機種別チェック項目リスト3310を作成することになる点のみが、第1実施形態の処理(図10〜図12参照)と異なる。以下、第1実施形態との相違点のみを説明する。
図13は、第2実施形態の管理サーバ装置1000、ファイルサーバ装置1800、生産管理システム1900、及び、作業端末装置2000の機能を示すブロック図である。第2実施形態の管理サーバ装置1000の構成は、図13に示すように、第1実施形態の管理サーバ装置1000に、機種別チェック項目一覧作成部1500と機種別チェック項目一覧記憶部3200とを追加したものである。
図14は、機種別チェック項目一覧テーブル3210の構成例及びその内容例を示す図である。機種別チェック項目一覧テーブル3210は、製品グループに属する全ての機種のチェック項目リストである。機種別チェック項目一覧作成部1500は、機種別チェック項目一覧テーブル3210を作成し、作成した機種別チェック項目一覧テーブル3210を機種別チェック項目一覧記憶部3200(マスタ情報記憶部の一例)に記憶させる。図14は、製品グループ「MS03」の機種別チェック項目一覧テーブル3210の例を示す。
機種別チェック項目一覧テーブル3210(マスタ情報の一例)は、項目番号3211、チェック項目3212、項目タイプ3213、関連図書3214、任意入力項目3215、チェックポイント3216、適用パターン3217、及び、機種仕様3218を備える。
項目番号3211、チェック項目3212、項目タイプ3213、関連図書3214、任意入力項目3215、チェックポイント3216、適用パターン3217は、チェック項目データ3110(図5)の、項目番号3111、チェック項目3112、項目タイプ3113、関連図書3114、任意入力項目3115、チェックポイント3116、適用パターン3117と同様の項目である。
チェック項目3212は、チェック処理の内容を示す。項目番号3211(順序情報の一例)は、チェック項目3212に示されるチェック処理を特定する。項目タイプ3213は、チェック項目3212に示されるチェック処理の実績情報のタイプを示す。関連図書3214は、チェック項目3212に示されるチェック処理に関係する関連図書名を示す。任意入力項目3215は、チェック項目3212に示されるチェック処理の実施が、必須であるのか、任意であるのかを示す。
チェックポイント3216(チェックポイント情報の一例)は、チェック項目3112に示されるチェック処理を行うタイミング条件を示す。具体的には、チェックポイント3216として「1」が設定されているレコードのチェック項目3212に示されるチェック処理は、このレコードの項目番号3211として設定されている番号より小さな番号が項目番号3211として設定されているレコードのチェック処理が全て終了した後に、行わなければならない。
適用パターン3217は、チェック項目3112が示すチェック処理の内容が、どのような機種の仕様に適用されるかの説明を示す。
機種仕様3218(機種仕様情報の一例)は、製品グループに属する各製品を識別する機種識別子を含む。機種仕様3218は、機種識別子の列と、項目番号3211〜適用パターン3217を含む行とにより規定される2次元マトリックス内の要素に対応させて、各機種識別子が示す製品に対して、各チェック項目3212が示すチェック処理が行われるか否かを示す。「1」が設定されている要素は、その列の機種識別子が示す製品に対して、その行のチェック項目3212に示されるチェック処理が行われることを示す。「0」が設定されている要素は、その列の機種識別子が示す製品に対して、その行のチェック項目3212に示されるチェック処理が行われないことを示す。
機種別チェック項目一覧作成部1500は、機種仕様情報記憶部3000に記憶されている機種仕様データ3010と、チェック項目情報記憶部3100に記憶されているチェック項目データ3110とから、機種毎に、第1実施形態の<機種別チェック項目リスト作成方法>で説明したように、全ての「項目番号」について、チェック処理が行われるか否かを判断し、機種別チェック項目一覧テーブル3210を作成する。
第2実施形態の作業実績管理システム100の作業実績収集処理と、第1実施形態の作業実績管理システム100の作業実績収集処理との異なる点は、図10のフローチャートのステップS22のチェック項目リスト作成処理のみである。
第1実施形態の機種別項目リスト作成部1600は、図11のフローチャートで示す処理を行うが、第2実施形態の機種別項目リスト作成部1600は、機種別チェック項目一覧記憶部3200に記憶される機種別チェック項目一覧テーブル3210から、所望の機種の機種別チェック項目リスト3310(図6)を作成する。具体的には、第2実施形態の機種別項目リスト作成部1600は、所望の機種識別子が機種仕様3218として設定されている列の要素に「1」が設定されている行を読み出して、所望の機種別チェック項目リスト3310を作成する。
各機種仕様3218に対して、個別に機種別チェック項目リスト3310を作成するとなると、図14から分かるように、27通りの機種別チェック項目リスト3310を作成することが必要となり、情報のメンテナンスに多大な労力が必要となる。しかし、第2実施形態では、図14に示されるように、製品グループ毎に情報を集約して機種別チェック項目一覧テーブル3210が作成されている。これによって、リスト作成の負荷を減らすことができ、作成したリストの閲覧性を高めることができる。
<第3実施形態>
チェックシート20は、製造実績記録の役割と、品質記録の役割とを担っている。したがって、チェックシート20を作成する基となる機種仕様データ3010、チェック項目データ3110、機種別チェック項目リスト3310、機種別チェック項目一覧テーブル3210等の仕様に関連する情報の内容を変更する際には、通常、製造部門あるいは品質保証部門の承認を受ける必要がある。
そのため、仕様に関連する情報の変更前後における差分情報が抽出されて明示されると、変更後の仕様に関連する情報の良否を確認することが容易になる。第3実施形態では、変更前の機種別チェック項目一覧テーブル3210と、変更後の機種別チェック項目一覧テーブル3210との差分情報が抽出されている。
図15は、機種別チェック項目一覧記憶部3200に記憶されている機種別チェック項目一覧テーブル3210の一例を示す図である。図16は、機種別チェック項目一覧記憶部3200に記憶されている機種別チェック項目一覧テーブル3210の別の例を示す図である。
図16の機種別チェック項目一覧テーブル3210(第2マスタ情報の一例)は、図15の機種別チェック項目一覧テーブル3210(第1マスタ情報の一例)の一部が変更されて作成されたものである。図15の機種仕様3218は、第1機種仕様情報の一例である。図16の機種仕様3218は、第2機種仕様情報の一例である。
機種別チェック項目一覧テーブル3210において変更される項目としては、チェック項目3212に示されるチェック処理の内容、項目タイプ3213、チェックポイント3216、機種仕様3218に含まれる機種識別子、チェック項目3212の行と機種識別子の列とによって規定される2次元マトリクスの要素の値等が考えられる。
この第3実施形態では、チェック項目3212が「ケーシングシリアルNo.確認」の項目番号3211が「3」から「7」」に変更されている。そのチェック項目3212が「ケーシングシリアルNo.確認」の適用パターン3217が「共通」から「国内」に変更されている。
項目番号3211が「10」でチェック項目3212が「駆動部本体組立確認」のチェックポイント3216が「1」から「0」に変更されている。項目番号3211が「13」でチェック項目3212が「駆動部本体試運転」の関連図書3214が「手順003」から「手順006」に変更されている。また、機種仕様3218に特別仕様「MS03−B3ES」が追加されている。
図17は、第3実施形態の管理サーバ装置1000、ファイルサーバ装置1800、生産管理システム1900、及び、作業端末装置2000の機能を示すブロック図である。第3実施形態の管理サーバ装置1000の構成は、図17に示されるように、第2実施形態の管理サーバ装置1000に、マスタ情報管理部1750を追加したものである。
マスタ情報管理部1750は、機種別チェック項目一覧記憶部3200に記憶される機種別チェック項目一覧テーブル3210の変更内容を管理する。マスタ情報管理部1750は、機種別チェック項目一覧テーブル3210が変更された場合に、変更前後の機種別チェック項目一覧テーブル3210の差分情報を抽出する。この第3実施形態では、マスタ情報管理部1750は、図15の機種別チェック項目一覧テーブル3210と図16の機種別チェック項目一覧テーブル3210との差分情報を抽出する。
図18は、マスタ情報管理部1750による変更前後の機種別チェック項目一覧テーブル3210の差分情報を抽出する手順の一例を概略的に示すフローチャートである。
まず、ステップS1801において、マスタ情報管理部1750は、機種別チェック項目一覧記憶部3200から、図15の機種別チェック項目一覧テーブル3210と、図16の機種別チェック項目一覧テーブル3210とを取得する。
次に、ステップS1802において、マスタ情報管理部1750は、取得された図15の機種別チェック項目一覧テーブル3210と、図16の機種別チェック項目一覧テーブル3210とから、それぞれ、チェック関連情報を抜き出す。マスタ情報管理部1750は、それぞれ、抜き出したチェック関連情報にグループ情報を付加して、チェック付加情報を作成する。
図19は、図15の機種別チェック項目一覧テーブル3210から抜き出されたチェック関連情報3220にグループ情報3231が付加されたチェック付加情報3230を示す図である。図20は、図16の機種別チェック項目一覧テーブル3210から抜き出されたチェック関連情報3220にグループ情報3231が付加されたチェック付加情報3230を示す図である。
図19、図20に示されるように、チェック関連情報3220は、機種別チェック項目一覧テーブル3210のうち、項目番号3211からチェックポイント3216までのデータを含む。図19のチェック関連情報3220は、第1チェック関連情報の一例である。図20のチェック関連情報3220は、第2チェック関連情報の一例である。
グループ情報3231は、項目番号3211が「1」の項目から順に設定される。本第3実施形態では、図19、図20に示されるように、グループ情報3231の値として最初に「P1」が設定される。
マスタ情報管理部1750は、「チェックポイント3216が「1」である項目であって、かつ、項目番号3211を除くチェック関連情報3220(本第3実施形態では、チェック項目3212からチェックポイント3216までの5項目)が同一内容である項目が、変更前後の両方のチェック関連情報3220(つまり機種別チェック項目一覧テーブル3210)に存在する」という条件が満たされる場合に、その次の項目からグループ情報3231の値を変化させる。
例えば図19では、チェック項目3212が「駆動部本体組立確認」のチェックポイント3216は「1」であるが、図20では、対応するチェック項目3212が「駆動部本体組立確認」のチェックポイント3216は「0」になっている。したがって、「チェックポイント3216が「1」である項目が、変更前後の両方の機種別チェック項目一覧テーブル3210に存在する」という条件が満たされないため、グループ情報3231の値は変化せず、グループ情報3231の値は「P1」のままとなる。
また、図19及び図20では、チェック項目3212が「駆動部本体最終確認」の項目について、「チェックポイント3216が「1」である項目であって、かつ、項目番号3211を除くチェック関連情報3220(本第3実施形態では、チェック項目3212からチェックポイント3216までの5項目)が同一内容である項目が、変更前後の両方のチェック関連情報3220(つまり機種別チェック項目一覧テーブル3210)に存在する」という条件が満たされる。このため、次の項目番号3211が「26」の項目からグループ情報3231の値が変化して、グループ情報3231の値として「P2」が設定される。なお、値が「1」のチェックポイント3216は、第1チェックポイント情報の一例である。
なお、グループ情報3231の値として、「1」、「2」、「3」のように数字を用いて順に増やしてもよい。あるいは、グループ情報3231の値として、「A」、「B」、「C」のように符号を用いて順に変化させてもよい。
図19、図20の例では、チェック項目3212が「駆動部本体最終確認」の項目番号3211は、変更前の機種別チェック項目一覧テーブル3210のチェック関連情報3220(図19)でも、変更後の機種別チェック項目一覧テーブル3210のチェック関連情報3220(図20)でも、共に「25」で同一であった。これに対して、例えば変更後の機種別チェック項目一覧テーブル3210において、新たな項目が追加され、「駆動部本体最終確認」の項目番号3211が「25」から増えている場合も考えられる。しかし、この場合でも、項目番号3211は「同一内容である項目」の判断には用いられないため、上記の判断には影響しない。その結果、上記と同様に、次の項目からグループ情報3231の値が変化する。
ここで、グループ情報3231が、さらに説明される。機種別チェック項目一覧テーブル3210におけるチェックポイント3216は、上述のように、チェック処理を実施する順番を守る必要があるか否かを示す。すなわち、チェックポイント3216に「1」が設定されている場合には、製造ラインでの作業の実施に当たって、チェックポイント3216が「1」の項目を超えてチェック処理の実施の順番を入れ替えることは禁止されている。このように、実際の作業を制約するため、機種別チェック項目一覧テーブル3210においても、チェック処理の実施の順番がチェックポイントを超えて入れ替わっていないかどうかを確認する必要がある。
そこで、各チェック項目3212に対して、「グループ情報」を付与することを考える。この「グループ情報」の値として、例えば最初に「Q1」を設定する。チェックポイント3216が「0」に設定されていれば、チェック項目3212の順に「グループ情報」は同一値に設定される。そして、チェックポイント3216が「1」に設定されていれば、その次の項目から「グループ情報」の値を例えば「Q2」に変化させる。つまり、チェック処理の実施の順番が制約されるチェック項目の範囲において、同じ値の「グループ情報」が設定されることになる。
機種別チェック項目一覧テーブル3210の変更前後における内容の重複を判断する際に、「グループ情報」を考慮して判断すると、同じ値の「グループ情報」を共有するチェック項目同士については、チェック処理の順番が入れ替わっても差異として認識されずに重複していると判断される。しかし、「グループ情報」の値が異なるようなチェック処理の順番の入替については差異として認識される。これによって、チェックポイントを跨いだチェック処理の実施の順番の入替について確認できる。
通常、チェックポイント3216が「1」に設定されるチェック処理は、配管工程の最後、又は試運転工程の最後など、各工程の最後に「**工程の最終確認」という定型の内容である場合が多く、チェックポイント3216の値が頻繁に変更されることはない。このように、チェックポイント3216の値が変更されない場合には、上記「グループ情報」を用いてもよい。
例えば、図20において、項目番号3211が「10」のチェックポイント3216が「1」の場合、つまり変更されずに図19と同じ場合を考える。この場合には、上記「グループ情報」は、図19及び図20の両方とも、項目番号3211が、「1」から「10」までは「Q1」に設定され、「11」から「25」までは「Q2」に設定され、「26」以降は「Q3」に設定される。
しかしながら、まれにチェックポイント3216の値が「0」から「1」に変更されたり、「1」から「0」に変更されたりする場合がある。その場合には、上記「グループ情報」の値は、変更前後のチェック付加情報3230において互いに順次ずれて設定されてしまう。
例えば図19のチェック付加情報3230では、上記「グループ情報」の値は、項目番号3211が、「1」から「10」までは「Q1」に設定され、「11」から「25」までは「Q2」に設定され、「26」以降は「Q3」に設定される。
これに対して、例えば図20のチェック付加情報3230では、上記「グループ情報」の値は、項目番号3211が、「1」から「25」までは「Q1」に設定され、「26」以降は「Q2」に設定される。
したがって、例えば項目番号3211が「14」から「16」のように、チェック項目3212に示されるチェック処理の内容及び実施の実質的な順番に変更がなくても、重複していないと判断されてしまう。
そこで、本第3実施形態では、グループ情報3231の値は、上記「グループ情報」と異なり、上述のように、「チェックポイント3216が「1」である項目であって、かつ、項目番号3211を除くチェック関連情報3220が同一内容である項目が、変更前後の両方のチェック関連情報3220(つまり機種別チェック項目一覧テーブル3210)に存在する」という条件が満たされると、次の項目番号3211の項目から変化する。
この条件によって、図19に示されるように、チェックポイント3216が「1」に設定されている項目番号3211が「10」の次の項目では、グループ情報3231の値は変化せずに「P1」のままになる。その結果、図19の変更前のチェック付加情報3230と図20の変更後のチェック付加情報3230とで、グループ情報3231の値がずれることを防止できる。その結果、変更前後の差分を正しく抽出できる。
この第3実施形態では、項目番号3211が「10」のチェックポイント3216の値が、変更前の「1」から変更後の「0」に変更されている。このような変更以外に、例えばチェックポイント3216がそれぞれ「1」に設定されている各項目の間に新たにチェックポイント3216が「1」に設定された項目を追加する変更、チェックポイント3216が「1」に設定されている項目を削除する変更などの場合でも、上記条件が満たされないため、グループ情報3231の値がずれることを防止できる。
図18に戻って、ステップS1803において、マスタ情報管理部1750は、変更前のチェック付加情報3230(図19)と、変更後のチェック付加情報3230(図20)とを並べて、並列情報3240を作成する。
図21は、並列情報3240を示す図である。図21において、項目番号(旧)3211aは、変更前の機種別チェック項目一覧テーブル3210(図15)の項目番号3211を表し、項目番号(新)3211bは、変更後の機種別チェック項目一覧テーブル3210(図16)の項目番号3211を表す。図21に示されるように、並列情報3240には、変更前後の機種別チェック項目一覧テーブル3210のチェック付加情報3230(図19、図20)の情報が、内容の重複に関わらず全て含まれている。
図18に戻って、ステップS1804において、マスタ情報管理部1750は、並列情報3240において項目番号3211a,3211b以外の項目(本第3実施形態では、チェック項目3212からグループ情報3231までの6項目)の内容が重複する項目を1行にまとめて、異なる内容の項目のみが並べられたチェック統合情報3250(図22)を作成する。
マスタ情報管理部1750は、一般的には、Ruby又はPerl等の高級言語で実装されているハッシュテーブル実装を用いればよい。項目の内容を表す特徴的な識別情報であるハッシュコードが用いられると、項目の内容が同じであれば同一のハッシュコードが付与され、項目の内容が異なっていれば、異なるハッシュコードが付与される。マスタ情報管理部1750は、ハッシュコードを用いることによって、重複する内容を1行にまとめて、異なる内容の項目のみが並べられたリストを得ることができる。
図22は、チェック統合情報3250(第1統合情報の一例)を示す図である。並列情報3240において、変更前後の機種別チェック項目一覧テーブル3210のチェック付加情報3230の内容が重複する項目があった場合、図22では、項目としては1行のみが示されているが、項目番号(旧)3211aと項目番号(新)3211bとにそれぞれ番号が記載されているため、変更前後の両方に項目があったことが分かる。
項目番号(旧)3211aと項目番号(新)3211bとのいずれか一方にしか番号が記載されていない項目は、変更がされた項目、追加された項目、又は削除された項目であり、変更前後のいずれか一方にしか存在しない項目である。
上述のように、本第3実施形態では、マスタ情報管理部1750は、並列情報3240からチェック統合情報3250を作成する際において、変更前後の内容が重複するか否かの判断に項目番号3211a,3211bを用いていない。
ここで、図22を参照して、変更前後の内容が重複するか否かの判断に項目番号3211a,3211bが用いられる場合が検討される。この場合、項目番号(旧)3211aが「7」で項目番号(新)3211bが「3」の項目は、他の項目が全て同じであるが、重複していないと判断される。同様に。項目番号(旧)3211aが「3」で項目番号(新)3211bが「7」の項目は、他の項目が全て同じであるが、重複していないと判断される。
このように、項目番号3211a,3211b以外の項目が全て同じであっても、重複していないと判断される。その結果、チェック統合情報3250が煩雑になってしまう。また、実際の製造ラインにおける作業では、必ずしも、チェック処理の実施の順序が厳密に問われないことも多い。そこで、本第3実施形態では、マスタ情報管理部1750は、変更前後の内容が重複するか否かの判断に項目番号3211a,3211bを用いていない。
図18に戻って、ステップS1805において、マスタ情報管理部1750は、変更前の機種別チェック項目一覧テーブル3210の機種仕様3218(図19)のコード情報と、変更後の機種別チェック項目一覧テーブル3210の機種仕様3218(図20)のコード情報とを並べて、機種仕様コード並列情報3260を作成する。
図23は、機種仕様コード並列情報3260を示す図である。図23において、機種仕様(旧)3218aの機種識別子は、変更前の機種別チェック項目一覧テーブル3210の機種仕様3218の機種識別子を表し、機種仕様(新)3218bの機種識別子は、変更後の機種別チェック項目一覧テーブル3210の機種仕様3218の機種識別子を表す。図23に示されるように、機種仕様コード並列情報3260には、変更前後の機種別チェック項目一覧テーブル3210の機種仕様3218(図19、図20)の機種識別子が、内容の重複に関わらず全て含まれている。
図18に戻って、ステップS1806において、マスタ情報管理部1750は、機種仕様コード並列情報3260の内容が重複するものを1つにまとめて、異なる内容のみが並べられた機種仕様コード統合情報3270(図24)を作成する。
図24は、機種仕様コード統合情報3270(第2統合情報の一例)を示す図である。本第3実施形態では、変更後の機種別チェック項目一覧テーブル3210の機種仕様3218(図20)は、変更前の機種別チェック項目一覧テーブル3210の機種仕様3218(図19)に対して、特別仕様「MS03−B3ES」が追加されただけである。したがって、図24の機種仕様コード統合情報3270の機種仕様(旧・新)3218cの機種識別子は、図20に示される変更後の機種別チェック項目一覧テーブル3210の機種仕様3218の機種識別子と同じである。
図18において、マスタ情報管理部1750は、ステップS1805〜S1806を、ステップS1802〜S1804と並列に実行してもよく、ステップS1802〜S1804の後で実行してもよく、ステップS1802〜S1804より先に実行してもよい。
次に、ステップS1807において、マスタ情報管理部1750は、まず、ステップS1804で作成されたチェック統合情報3250と、ステップS1806で作成された機種仕様コード統合情報3270とを組み合わせて、組合せテーブル3280を作成する。
図25は、組合せテーブル3280を示す図である。図25に示されるように、組合せテーブル3280は、図22に示されるチェック統合情報3250と、図24に示される機種仕様コード統合情報3270とが並べられて構成されたものである。図25では、組合せテーブル3280の機種仕様(旧・新)3218cにおける機種識別子の列と、チェック項目3212等の行とにより規定される2次元マトリクス内の各セルは空欄になっている。
図18に戻って、ステップS1807において、さらに、マスタ情報管理部1750は、差分ベクトルを生成する。マスタ情報管理部1750は、図25では空欄になっていた組合せテーブル3280の各セルに、生成した差分ベクトルを記載する。差分ベクトルは、変更前の機種別チェック項目一覧テーブル3210(図15)に関する第1要素と、変更後の機種別チェック項目一覧テーブル3210(図16)に関する第2要素とを含む。
図26は、差分ベクトルが記載された組合せテーブル3280を示す図である。なお、図26では、項目タイプ3213〜グループ情報3231の図示が省略されている。
差分ベクトルの第1要素は、変更前の機種別チェック項目一覧テーブル3210(図15)の対応するセルの値である。差分ベクトルの第2要素は、変更後の機種別チェック項目一覧テーブル3210(図16)の対応するセルの値である。すなわち、差分ベクトルの第1要素及び第2要素は、機種仕様3218cの機種識別子により示される製品に対して、対応するチェック項目3212により示されるチェック処理が実施される場合には「1」に設定され、実施されない場合には「0」に設定される。また、対応するチェック項目3212が無い場合又は変更された場合には、本第3実施形態では、第1要素及び第2要素は、「2」に設定される。
図26において、一例として、チェック項目3212が「ケーシングシリアルNo.確認」の行と機種仕様(旧・新)3218cの機種識別子「MS03−A1A」の列とにより規定されるセルの差分ベクトルが説明される。
図15に示される変更前の機種別チェック項目一覧テーブル3210において、チェック項目3212が「ケーシングシリアルNo.確認」の行と機種仕様3218の機種識別子「MS03−A1A」の列とにより規定されるセルには「1」が設定されている。このため、差分ベクトルの第1要素は、「1」になる。
図16に示される変更後の機種別チェック項目一覧テーブル3210において、チェック項目3212が「ケーシングシリアルNo.確認」の行と機種仕様3218の機種識別子「MS03−A1A」の列とにより規定されるセルには「0」が設定されている。このため、差分ベクトルの第2要素は、「0」になる。
したがって、図26に示されるように、チェック項目3212が「ケーシングシリアルNo.確認」の行と機種仕様(旧・新)3218cの機種識別子「MS03−A1A」の列とにより規定されるセルの差分ベクトルは、[1,0]になる。
図26において、別の例として、項目番号(旧)3211aが「10」の行と機種仕様(旧・新)3218cの機種識別子「MS03−A1J」の列とにより規定されるセルの差分ベクトルが説明される。
図15に示される変更前の機種別チェック項目一覧テーブル3210において、項目番号3211が「10」の行と機種仕様3218の機種識別子「MS03−A1J」の列とにより規定されるセルには「1」が設定されている。このため、差分ベクトルの第1要素は、「1」になる。
一方、図26の組合せテーブル3280には、項目番号(新)3211bが「10」の行が存在している。これによって、変更後の機種別チェック項目一覧テーブル3210には、項目番号(旧)3211aが「10」の行は存在していないことが表されている。このため、差分ベクトルの第2要素は、「2」になる。
したがって、図26に示されるように、項目番号(旧)3211aが「10」の行と機種仕様(旧・新)3218cの機種識別子「MS03−A1J」の列とにより規定されるセルの差分ベクトルは、[1,2]になる。
図18に戻って、ステップS1808において、マスタ情報管理部1750は、組合せテーブル3280(図26)に記載された差分ベクトルを、差分ベクトル変換表3285(図27)を用いて変換値に変換する。マスタ情報管理部1750は、差分ベクトルに代えて変換値が記載された差分チェック表3290(図28)を作成して、図18の処理を終了する。
図27は、差分ベクトル変換表3285を示す図である。図28は、差分チェック表3290(差分情報の一例)を示す図である。
差分ベクトルの第1要素が「0」又は「2」であって第2要素が「0」又は「2」の場合には、変更前後において、対応するチェック処理が実施されない又は対応するチェック処理が存在しないことを意味する。そこで、差分ベクトル[0,0]、[0,2]、[2,0]、[2,2]は、図27に示されるように、変換値「0」に変換される。
差分ベクトルの第1要素が「1」であって第2要素が「1」の場合には、変更前後において、対応するチェック処理が実施されることを意味する。そこで、差分ベクトル[1,1]は、図27に示されるように、変換値「1」に変換される。
差分ベクトルの第1要素が「0」又は「2」であって第2要素が「1」の場合には、変更前には実施されていなかったチェック処理又は変更前には存在していなかったチェック処理が、変更後には実施されることを意味する。そこで、差分ベクトル[0,1]、[2,1]は、図27に示されるように、変換値「A」に変換される。例えば図28において、項目番号(新)3211bが「10」の行の各セルである。値「A」は、追加を意味するADDの先頭文字から採用されている。
差分ベクトルの第1要素が「1」であって第2要素が「0」又は「2」の場合には、変更前には実施されていたチェック処理が、変更後には実施されなくなった又は対応するチェック処理が存在しなくなったことを意味する。そこで、差分ベクトル[1,0]、[1,2]は、図27に示されるように、変換値「D」に変換される。例えば図28において、機種識別子「MS03−B3ES」の列を除く、項目番号(旧)3211aが「10」の行である。値「D」は、削除を意味するDELETEの先頭文字から採用されている。
図28に示される差分チェック表3290では、実施されていなかったチェック処理が新たに実施される場合には、変換値「A」が表示され、実施されていたチェック処理が新たに実施されなくなる場合には、変換値「D」が表示される。
このように、第3実施形態では、差分ベクトルのままではなくて、差分ベクトルを文字に変換し、文字で差分を表している。したがって、製造部門あるいは品質保証部門の担当者は、変更前の機種別チェック項目一覧テーブル3210(図15)に対する変更後の機種別チェック項目一覧テーブル3210(図16)の変更された箇所を容易に理解することができる。
尚、第1実施形態及び第2実施形態の管理サーバ装置1000の機能部は、複数の装置に分散していてもよい。例えば、第2実施形態では、機種別チェック項目一覧作成部1500、機種仕様情報記憶部3000、及び、チェック項目情報記憶部3100が、管理サーバ装置1000とは別のサーバ装置に設けられてもよい。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。