JP6606018B2 - 成分濃度測定装置および方法 - Google Patents

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本発明は、成分濃度測定装置、特に、血液成分、例えばグルコースを測定対象とした測定装置に関するものである。
高齢化により、生活習慣病に対する対応が大きな課題になりつつあり、血液の成分に対する注目が集まっている。しかし、現在までに開発された技術は、採取したサンプルを試薬と反応させたり、専用のセンサに吸着させたりといった1つのセンサで1つの成分を検出するようになっており、マルチなセンシング技術が注目されている。そこで、電磁波を照射したときに、測定対象とする血液成分(例えば、血糖値の場合はグルコース分子)に吸収されることを利用して、透過あるいは反射した電磁波を測定する方法が行われている。
しかし、グルコースと電磁波との相互作用は小さく、また生体に安全に照射し得る電磁波の強度には制限があり、さらに生体が電磁波に対して散乱体であるために、生体の血糖値測定においては、十分な効果を挙げるに至っていない。
そこで、電磁波を照射し局所的に加熱して熱膨張を起こして発生する音波を観測する、光音響法が注目されている。
光音響法には、パルス(pulse)法と連続波(continuous-wave、以下CWとする)法の二つの方式がある。しかし、従来のパルス法やCW法では、数回にわたる血漿中のグルコース濃度測定中に、グルコース濃度以外の他の血漿中パラメータ(例えば体温や、他の成分の濃度等)も変わる可能性が高いので、グルコース選択性が悪く、正確なグルコース濃度を得ることが難しいという問題点があった。
そこで、CW法に属する方法として、カムー セルジュ(S.Camou)らにより光パワーバランスシフト(Optical power balance shift:OPBS)法が開発されている(特許文献1−3参照)。
このOPBS法を実施するための従来の成分濃度測定装置の構成例を図16に示す。成分濃度測定装置は、レーザ光を放射するレーザダイオード1−1,1−2と、レーザダイオード1−1,1−2を駆動するレーザドライバ2と、レーザダイオード1−1,1−2から放射されたレーザ光を導く光ファイバ3−1,3−2と、レーザダイオード1−1,1−2から放射されたレーザ光を合波する光カプラ4と、光カプラ4によって合波されたレーザ光を導く光ファイバ5と、光音響効果によって被測定物11から発生する光音響信号を検出し、音圧に比例した電気信号に変換する音響センサ6と、音響センサ6から出力された電気信号を増幅する増幅器7と、参照信号を発生するファンクションジェネレータ8と、増幅器7の出力信号とファンクションジェネレータ8から出力された参照信号とを入力として、増幅器7の出力信号から所望の周波数の測定信号を検出するロックインアンプ9と、ファンクションジェネレータ8およびロックインアンプ9を制御すると共に、ロックインアンプ9が検出した測定信号を処理して特定の成分濃度を導出するコンピュータからなる情報処理装置10とから構成される。
図16に示した成分濃度測定装置を用いた従来のOPBS法では、まずレーザドライバ2は、ファンクションジェネレータ8から出力される参照信号に応じて矩形波の駆動電流をレーザダイオード1−1(第1の光源)に供給することにより、レーザダイオード1−1から放射される光を強度変調する。レーザダイオード1−1から放射された強度変調光は、光ファイバ3−1によって導かれ、光カプラ4および光ファイバ5を介して被測定物11に照射される(図17ステップS100)。
音響センサ6は、被測定物11から発生する光音響信号を検出し、増幅器7は、音響センサ8から出力された電気信号を増幅する。ロックインアンプ9は、増幅器7の出力に含まれる信号のうち、ファンクションジェネレータ8から出力される参照信号によって決まる周波数の測定信号を検出する。
情報処理装置10は、ファンクションジェネレータ8が発生する参照信号の周波数を変化させることにより、レーザドライバ2からレーザダイオード1−1に供給される駆動電流の周波数を変化させ、光変調周波数を漸次変化させると共に、ロックインアンプ9が検出する測定信号の周波数(光変調周波数と同一の周波数)を漸次変化させる光変調周波数掃引を行う(図17ステップS101)。こうして、変調周波数と測定信号の振幅(音圧)との関係を取得し(図17ステップS102)、測定信号の振幅が最大の変調周波数であるピーク変調周波数を探索する(図17ステップS103)。
次に、レーザダイオード1−1を再び動作させて光を出力させ(図17ステップS104)、続いてレーザダイオード1−2(第2の光源)を動作させて光を出力させる(図17ステップS105)。2つのレーザダイオード1−1,1−2から放射される光の波長は異なる。
情報処理装置10は、ファンクションジェネレータ8が発生する2つの参照信号の周波数を変化させることにより、レーザドライバ2からレーザダイオード1−1,1−2に供給される駆動電流の周波数を変化させ、光変調周波数を上記のピーク変調周波数に設定すると共に、ロックインアンプ9が検出する測定信号の周波数をピーク変調周波数に設定する。このとき、レーザドライバ2から、同一周波数で逆位相の矩形波の駆動電流をレーザダイオード1−1,1−2に供給させることにより、レーザダイオード1−1,1−2から放射される光を同一周波数(ピーク変調周波数)で逆位相の信号によりそれぞれ強度変調する(図17ステップS106)。
レーザダイオード1−1,1−2から放射された強度変調光は、それぞれ光ファイバ3−1,3−2によって導かれ、光カプラ4によって合波され、さらに光ファイバ5によって導かれ、被測定物11に照射される。情報処理装置10は、レーザドライバ2からレーザダイオード1−1に供給される駆動電流の大きさを所定値にすることにより、レーザダイオード1−1から放射される光の強度を固定し(図17ステップS107)、レーザドライバ2からレーザダイオード1−2に供給される駆動電流の大きさを変化させることにより、レーザダイオード1−2から放射される光の強度を漸次変化させる光強度掃引を行い、測定信号の振幅が最小になるようにレーザダイオード1−2から放射される光の強度を調節する(図17ステップS108)。
そして、一定時間経過後(図17ステップS109)、再びレーザダイオード1−1,1−2を動作させ、レーザダイオード1−1から放射される光の強度を固定し(図17ステップS110)、測定信号の振幅が最小になるようにレーザダイオード1−2から放射される光の強度を調節する(図17ステップS111)。そして、情報処理装置10は、ステップS108で得られた光強度とステップS111で得られた光強度から、光強度の変化量を計算する(図17ステップS112)。
このように、従来のOPBS法では、光波長が異なり位相差が180°の2つの光ビームを被測定物に対して、同一光出力口から照射し、2つの光ビームの強度を増減させながら、光音響信号の振幅が最小の箇所の位相の変曲点を探し、この結果から血液中に溶解している分子濃度を求める。具体的には、2つの光ビームのうち一方の光ビームの強度を変えながら、光音響信号の振幅が最小となる光強度を探すことで、光強度の変化量より被測定物内の特定成分(例えばグルコース)の濃度の正確な測定を行う。
特開2014−50563号公報 特開2013−106874号公報 特開2012−179212号公報
被測定物を収容するケースが円筒形、すなわち光音響エネルギーが閉じ込められる空間が円筒空洞である場合の、この円筒空洞内での共振を例にとった音波の共振モードを図18に示す。ここで、Rは円筒の半径、Lは円筒の長さ、jは半径方向(Radial)のモードの番号、mは円周方向(Azimuthal)のモードの番号、qは長手方向(Longitudinal)のモードの番号である。
変調周波数と音圧との関係を図19に示す。図19中の(101)、(200)、(102)、(300)は共振モード(jmq)を示しており、例えば(101)は半径方向のモードの番号jが1、円周方向のモードの番号mが0、長手方向のモードの番号qが1であることを示している。このように、円筒形の共振器内では、音波は様々なモードで共振し、それらが複雑に干渉し合った音波の分布が生じている。
CW光を用いた従来の光音響法においては、光の照射により生じる音波の分布と定在波の音波の干渉によって測定値が大きく変わってしまうという問題があった。すなわち、被測定物に含まれる対象の成分の濃度の検量線の傾きが数倍のオーダーで変わってしまうという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、被測定物に含まれる測定対象の成分に対する濃度測定感度の音響モード依存性を補償することができる成分濃度測定装置および方法を提供することを目的とする。
本発明の成分濃度測定装置は、互いに異なる波長の複数の光を同一の周波数で且つ異なる位相の信号によりそれぞれ強度変調して被測定物に照射する光照射手段と、前記複数の強度変調光のうち少なくとも1つの光の強度を変化させる光強度制御手段と、前記被測定物の温度を制御する温度制御手段と、光照射によって前記被測定物から発生する光音響信号を検出して電気信号を出力する光音響信号検出手段と、前記光強度制御手段が変化させた光の強度を測定する光強度測定手段と、前記被測定物の温度が異なる2つの時点について、それぞれ前記電気信号の強度が最低となったときの前記光強度測定手段の測定結果から得られる光強度の変化量と、既知のデータセットから得られる光強度の変化量に基づいて、前記光音響信号の共振モードである音響モードを推定する音響モード推定手段と、この音響モード推定手段が推定した音響モードと、前記被測定物に含まれる測定対象の成分に対する濃度測定感度と音響モードとの既知の関係に基づいて、前記測定対象の成分に対する濃度測定感度の補正係数を決定する補正係数決定手段と、前記光強度測定手段の測定結果から得られる光強度の変化量と前記補正係数に基づいて前記測定対象の成分の濃度を導出する濃度導出手段とを備え、前記光照射手段は、異なる2つの波長の光を前記被測定物に同時に照射し、前記音響モード推定手段は、第1の波長の光の強度を一定にして第2の波長の光の強度を変化させて前記電気信号の強度が最低となったときの前記第2の波長の光の強度の測定結果と、前記温度制御手段により前記被測定物の温度を変化させた後に前記第1の波長の光の強度を一定にして前記第2の波長の光の強度を変化させて前記電気信号の強度が最低となったときの前記第2の波長の光の強度の測定結果とから得られる光強度の変化量と、既知のデータセットから得られる光強度の変化量に基づいて、前記音響モードを推定することを特徴とするものである。
また、本発明の成分濃度測定装置の1構成例において、前記被測定物に照射される複数の光は、これら複数の光の波長に対する、前記被測定物に含まれる測定対象の成分以外の成分の光吸収係数が略等しいことを特徴とするものである。
また、本発明の成分濃度測定装置の1構成例において、前記光照射手段は、異なる波長の複数の光をそれぞれ平行光にして前記被測定物の略同一領域に同軸で照射し、異なる波長の複数の光のビーム径は略等しいことを特徴とするものである。
また、本発明の成分濃度測定装置の1構成例は、さらに、前記被測定物を収容し、前記光音響信号を増幅するための共振器を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の成分濃度測定装置の1構成例において、前記共振器は、前記光照射手段から照射される光の光軸に対して略直交する面を2つ持ち、これらの面は互いに平行平面となっていることを特徴とするものである。
また、本発明の成分濃度測定方法は、互いに異なる波長の複数の光を同一の周波数で且つ異なる位相の信号によりそれぞれ強度変調して被測定物に照射する光照射ステップと、前記複数の強度変調光のうち少なくとも1つの光の強度を変化させる光強度制御ステップと、光照射によって前記被測定物から発生する光音響信号を検出して電気信号を出力する光音響信号検出ステップと、前記光強度制御ステップで変化させた光の強度を測定する光強度測定ステップと、前記被測定物の温度が異なる2つの時点について、それぞれ前記電気信号の強度が最低となったときの前記光強度測定ステップの測定結果から得られる光強度の変化量と、既知のデータセットから得られる光強度の変化量に基づいて、前記光音響信号の共振モードである音響モードを推定する音響モード推定ステップと、この音響モード推定ステップで推定した音響モードと、前記被測定物に含まれる測定対象の成分に対する濃度測定感度と音響モードとの既知の関係に基づいて、前記測定対象の成分に対する濃度測定感度の補正係数を決定する補正係数決定ステップと、前記光強度測定ステップの測定結果から得られる光強度の変化量と前記補正係数に基づいて前記測定対象の成分の濃度を導出する濃度導出ステップとを含み、前記光照射ステップは、異なる2つの波長の光を前記被測定物に同時に照射するステップを含み、前記音響モード推定ステップは、第1の波長の光の強度を一定にして第2の波長の光の強度を変化させて前記電気信号の強度が最低となったときの前記第2の波長の光の強度の測定結果と、温度制御手段により前記被測定物の温度を変化させた後に前記第1の波長の光の強度を一定にして前記第2の波長の光の強度を変化させて前記電気信号の強度が最低となったときの前記第2の波長の光の強度の測定結果とから得られる光強度の変化量と、既知のデータセットから得られる光強度の変化量に基づいて、前記音響モードを推定するステップを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、互いに異なる波長の複数の光を同一の周波数で且つ異なる位相の信号によりそれぞれ強度変調して被測定物に照射する光照射手段と、複数の強度変調光のうち少なくとも1つの光の強度を変化させる光強度制御手段と、被測定物の温度を制御する温度制御手段と、光照射によって被測定物から発生する光音響信号を検出して電気信号を出力する光音響信号検出手段と、光強度制御手段が変化させた光の強度を測定する光強度測定手段と、被測定物の温度が異なる2つの時点について、それぞれ電気信号の強度が最低となったときの光強度測定手段の測定結果から得られる光強度の変化量と、既知のデータセットから得られる光強度の変化量に基づいて、光音響信号の共振モードである音響モードを推定する音響モード推定手段と、音響モード推定手段が推定した音響モードと、被測定物に含まれる測定対象の成分に対する濃度測定感度と音響モードとの既知の関係に基づいて、測定対象の成分に対する濃度測定感度の補正係数を決定する補正係数決定手段とを設けることにより、被測定物内の測定対象の成分に対する濃度測定感度の、音響モードによる変化を補償することができ、測定感度を向上させることができる。
また、本発明では、被測定物を収容する共振器を設けることにより、光照射によって被測定物から発生する光音響信号を増幅することができる。
また、本発明では、第1の波長の光の強度を一定にして第2の波長の光の強度を変化させて電気信号の強度が最低となったときの第2の波長の光の強度の測定結果と、温度制御手段により被測定物の温度を変化させた後に第1の波長の光の強度を一定にして第2の波長の光の強度を変化させて電気信号の強度が最低となったときの第2の波長の光の強度の測定結果とから得られる光強度の変化量と、既知のデータセットから得られる光強度の変化量に基づいて、音響モードを推定することができる。
また、本発明では、光照射手段が、異なる波長の複数の光をそれぞれ平行光にして被測定物の略同一領域に同軸で照射することにより、音波の干渉の影響を低減することができる。
グルコース濃度の応答特性を示す図である。 変調周波数と音波強度の関係を示す図である。 本発明の参考例に係る成分濃度測定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の参考例に係る成分濃度測定装置の情報処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の参考例に係る成分濃度測定装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明の参考例における変調周波数と音波強度との関係の1例を示す図である。 本発明の参考例における光強度変化の例を示す図である。 本発明の参考例における音響モードと光強度の変化量の比との関係の1例を示す図である。 本発明の参考例におけるグルコース濃度感度と音響モードとの関係の1例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る成分濃度測定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る成分濃度測定装置の情報処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る成分濃度測定装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態における光強度変化の例を示す図である。 本発明の実施の形態における音響モードと光強度の変化量の比との関係の1例を示す図である。 音波の反射率と音響インピーダンスとの関係を示す図である。 従来の成分濃度測定装置の構成を示すブロック図である。 従来の光パワーバランスシフト法を説明するフローチャートである。 円筒空洞内での音波の共振モードを説明する図である。 変調周波数と音圧との関係の1例を示す図である。
[発明の原理]
本発明では、コリメートされた光を用いることで音波の干渉の影響を低減する。被測定物の形状が自由に変更できる場合は、音波の波長の半分に対して径の方が細い円筒形状の被測定物を用いることで、コリメート光と同等の効果を得ることができる。コリメートされた光は、強度分布として以下の式(1)のように表すことができる。
また、光音響効果で生じる音波の大きさSは、以下の式(2)のように表すことができる。
式(1)、式(2)において、Cは定数、αは特定の波長の光に対する被測定物の光吸収係数、qは音響モード、F(α,q)は光吸収係数αと音響モードqの関数、ωは変調周波数、wは光ビーム径、zは被測定物表面からの深さ、rは光軸から放射方向の距離、Iは光強度である。
光吸収係数αは式(3)のように記述することができる。
式(3)において、ΔCは被測定物内の特定成分の濃度、ΔTは被測定物の温度、βは特定成分のモル吸光度、γは被測定物の温度吸光度である。なお、α0は初期状態の被測定物の光吸収係数を表している。
たとえば、円筒形の共振器内においては、音響波のモードは以下のような式(4)、式(5)で与えられる。音響波のモードには、長手方向、円周方向、半径方向のモードがある。
式(4)、式(5)において、cは被測定物内の音速、qは光軸方向の音響モード、Rは円筒の半径、Lは円筒の長さ、αm,nは被測定物壁面で径方向の音圧変化が0という境界条件を満たすn次の根である。
例えば、コリメートされた光を被測定物に照射する場合、qは円筒軸方向の定在波モードに相当する(図18)。また、関数Fは、この場合、近似的に式(6)のように記述することができるため、モードごとに離散的な値をとる。
ここで、光吸収係数αi、関数Fiのiは光の波長に対応する添え字である。平行平板間の音波の共振においても、円筒内の音波の共振と同様に扱うことができる。ここで、波長が異なり、180°位相がずれた2つの光を被測定物に照射する場合に発生する音波の大きさSは、それぞれの光により生ずる音波の重ね合わせとして次のように表すことができる。
1,S2は2つの音波の大きさである。OPBS法では、音波の信号強度が最少、すなわち理想的にゼロになる状態を考えることと同等であることから、S1=S2となる。
被測定物内の特定の成分がΔCだけ濃度変化したとすると、以下の式(8)が成立する。
1は第1の光の強度、I2は第2の光の強度、ΔI2は被測定物内の特定成分がΔCだけ濃度変化したときの第2の光の強度の変化量である。式(8)から、当該成分濃度変化と光強度変化の関係は式(9)、式(10)のように近似できる。
式(9)、式(10)より音響モードqおよび背景光吸収が分かれば、濃度変化の感度が求められる。被測定物をほぼ水と仮定し、グルコース濃度が変化したときの応答特性の例を図1に示す。図1によれば、グルコース濃度に比例して光強度が変化していくこと、音響モードqにより感度が変化することが示される。また、音響モードqが変化すると、感度が大きく変化してしまうことが分かる。
そこで、音響モードの補正を行う必要がある。この補正は、測定に用いる波長の光とは別の第3の波長の光あるいは温度に対する吸収スペクトルのデータセットを用意し、実測データに対する数値的補正を行うことで実現することができる。式(9)、式(10)および既知の吸収係数差を用いて音波の共振モードの干渉誤差を補正する後述の参考例の方法と本発明の方法の2つについて説明する。
参考例の方法
第1の波長の光を被測定物に照射し、光の変調周波数を任意の範囲で掃引することで図2に示すような変調周波数と音圧との関係を取得する。この図2のピークから被測定物内での音波の共振周波数を選択することができる。
次に前述のとおり、光波長が異なり位相差が180°の2つの光ビームを被測定物に対して、同一の光出力口から照射する。このときの光変調周波数は上記で選択した変調周波数である。第1の波長の光の強度を一定に固定し、第2の波長の光の強度を増減させながら、生じる音波強度が極小となる、第2の波長の光の強度I0を測定する。
次に、第2の波長の光を被測定物に対する光吸収係数が既知の第3の波長の光に切り替えて、上記と同様に第3の波長の光の強度を増減させながら、生じる音波強度が極小となる、第3の波長の光の強度I1を測定する。求めた光強度I0,I1より光強度I0に対する光強度の変化量(I1−I0)の比ΔI/Iは式(11)のようになる。
ここで、十分コリメートされた光を用いた場合、上式の関係は各音響モードqに対して次式で与えられる。
関数Fi,光吸収係数αiのiは光の波長に対応する添え字である。F1は第1の波長の光に関する光吸収係数αと音響モードqの関数、F2は第2の波長の光に関する光吸収係数αと音響モードqの関数、F1’は第3の波長を用いるときの第1の波長の光に関する光吸収係数αと音響モードqの関数、F2’は第3の波長の光に関する光吸収係数αと音響モードqの関数、α2は第2の波長の光に対する被測定物の光吸収係数である。
よって、式(11)と式(12)の応答を比較し、最も濃度測定感度が近しい応答を探し音響モードqを求めることができる。音響モードqを用いて式(9)より現在の変調周波数における濃度測定感度Gqが推測できる。この濃度測定感度Gqを音響モードq=0のときの濃度測定感度G0と同じになるように定数係数Aを決定すると、補償された濃度との関係は次式で表される。
本発明の方法
参考例の方法と同様に、第1の波長の光を被測定物に照射し、光の変調周波数を任意の範囲で掃引することで図2に示すような変調周波数と音圧との関係を取得する。この図2のピークから被測定物内での音波の共振周波数を選択することができる。
次に前述のとおり、光波長が異なり位相差が180°の2つの光ビームを被測定物に対して、同一光出力口から照射する。このときの変調周波数は上記で選択した変調周波数である。第1の波長の光の強度を一定に固定し、第2の波長の光の強度を増減させながら、生じる音波強度が極小となる、第2の波長の光の強度I0を測定する。
次に、温度制御器を用いて被測定物の温度をΔTだけ変化させ、上記と同様に第2の波長の光の強度を増減させながら、生じる音波強度が極小となる、第2の波長の光の強度I1を測定する。求めた光強度I0,I1より光強度I0に対する光強度の変化量(I1−I0)の比ΔI/Iは式(15)のようになる。
被測定物の温度変化に対する光吸収係数変化は、スペクトルデータセットより光吸収係数の温度依存性γで与えた場合、次式で温度に対する応答特性が与えられる。
γ1は第1の波長の光に対する被測定物の光吸収係数α1の温度依存性、γ2は第2の波長の光に対する被測定物の光吸収係数α2の温度依存性である。
よって、式(15)と式(16)の応答を比較し、最も感度が近しい応答を探し音響モードqを求めることができる。音響モードqを用いて式(9)より現在の変調周波数における濃度測定感度Gqが推測できる。この濃度測定感度Gqを音響モードq=0のときの濃度測定感度G0と同じになるように定数係数Aを決定すると、補償された濃度との関係は次式で表される。
光音響法の音波共振モードの補償方法についてグルコース水溶液の場合を例にとって下記に示す。
参考例
以下、本発明の参考例について図面を参照して説明する。図3は本発明の参考例に係る成分濃度測定装置の構成を示すブロック図である。本参考例の成分濃度測定装置は、レーザ光を放射するレーザダイオード1−1,1−2,1−3と、レーザダイオード1−1,1−2,1−3を駆動するレーザドライバ2と、レーザダイオード1−1,1−2,1−3から放射されたレーザ光を導く光ファイバ3−1,3−2,3−3と、レーザダイオード1−1,1−2,1−3から放射されたレーザ光を合波する光カプラ4と、光カプラ4によって合波されたレーザ光を導く光ファイバ5と、光音響効果によって被測定物11から発生する光音響信号を検出し、音圧に比例した電気信号に変換する光音響信号検出手段となる音響センサ6と、音響センサ6から出力された電気信号を増幅する増幅器7と、参照信号を発生するファンクションジェネレータ8と、増幅器7の出力信号とファンクションジェネレータ8から出力された参照信号とを入力として、増幅器7の出力信号から所望の周波数の測定信号を検出するロックインアンプ9と、レーザドライバ2とファンクションジェネレータ8とロックインアンプ9とを制御すると共に、ロックインアンプ9が検出した測定信号を処理して特定の成分濃度を導出するコンピュータからなる情報処理装置10とから構成される。
レーザダイオード1−1,1−2,1−3とレーザドライバ2とファンクションジェネレータ8とは、光照射手段を構成している。情報処理装置10とファンクションジェネレータ8とは、光強度制御手段を構成している。
レーザダイオード1−1,1−2,1−3の例としては、例えば分布帰還型半導体レーザ(DFB−LD)等がある。音響センサ6の例としては、圧電センサを用いるマイクロホンがある。
なお、被測定物11は例えば円筒形の光音響セル(不図示)内に導入され、光音響セルに設けられたガラス製の光学窓を通してレーザ光が照射されるようになっている。
図4は情報処理装置10の構成を示すブロック図である。情報処理装置10は、ファンクションジェネレータ8を制御するジェネレータ制御部100と、ファンクションジェネレータ8を介して光の強度を制御する光強度制御部101と、レーザダイオード1−1〜1−3から放射された光の強度を測定する光強度測定手段となる光強度測定部102と、強度を変化させる光の波長が異なる2つの時点または被測定物11の温度が異なる2つの時点について、それぞれ測定信号の強度が最低となったときの光強度の測定結果から得られる光強度の変化量を算出する光強度変化量算出部103と、強度を変化させる光の波長が異なる2つの時点または被測定物11の温度が異なる2つの時点について、それぞれ測定信号の強度が最低となったときの光強度の測定結果から得られる光強度の変化量と、既知のデータセットから得られる光強度の変化量に基づいて、光音響信号の共振モードである音響モードを推定する音響モード推定部104と、音響モード推定部104が推定した音響モードと、被測定物11に含まれる特定成分(例えばグルコース)に対する濃度測定感度と音響モードとの既知の関係に基づいて、特定成分に対する濃度測定感度の補正係数を決定する補正係数決定部105と、被測定物11内の特定成分の濃度を導出する濃度導出部106と、情報記憶のための記憶部107とを有する。
次に、本参考例の成分濃度測定装置の動作を図5のフローチャートを参照して説明する。初めに、レーザダイオード1−1(第1の光源)のみを動作させる。レーザドライバ2から駆動電流が供給されると、レーザダイオード1−1はレーザ光(連続光)を放射する。このとき、レーザドライバ2から矩形波の駆動電流が供給されることにより、レーザダイオード1−1は強度変調光を放射する。レーザダイオード1−1から放射される光の波長(第1の波長)は例えば1382nmである。レーザダイオード1−1から放射された強度変調光は、光ファイバ3−1によって導かれ、光カプラ4および光ファイバ5を介して被測定物11に照射される(図5ステップS200)。
音響センサ6は、被測定物11から発生する光音響信号を検出し、増幅器7は、音響センサ8から出力された電気信号を増幅する。ロックインアンプ9は、増幅器7の出力に含まれる信号のうち、ファンクションジェネレータ8から出力される参照信号によって決まる周波数の測定信号を検出する。
情報処理装置10のジェネレータ制御部100は、ファンクションジェネレータ8が発生する参照信号の周波数を変化させることにより、レーザドライバ2からレーザダイオード1−1に供給される駆動電流の周波数を変化させ、光変調周波数を漸次変化させると共に、ロックインアンプ11が検出する測定信号の周波数(光変調周波数と同一の周波数)を漸次変化させる光変調周波数掃引を行う(図5ステップS201)。
こうして、変調周波数と測定信号の振幅(音圧)との関係を取得し(図5ステップS202)、測定信号の振幅が最大の変調周波数であるピーク変調周波数を探索する(図5ステップS203)。本参考例において得られた変調周波数と音波強度との関係を図6に示す。
次に、レーザダイオード1−1を再び動作させて連続光を出力させ(図5ステップS204)、続いてレーザダイオード1−2(第2の光源)を動作させて連続光を出力させる(図5ステップS205)。レーザダイオード1−1から放射される光の波長は例えば1382nm、レーザダイオード1−2から放射される光の波長(第2の波長)は例えば1610nmであり、2つのレーザダイオード1−1,1−2から放射される光の波長は異なる。
情報処理装置10のジェネレータ制御部100は、ファンクションジェネレータ8が発生する2つの参照信号の周波数を変化させることにより、レーザドライバ2からレーザダイオード1−1,1−2に供給される駆動電流の周波数を変化させ、光変調周波数を上記のピーク変調周波数に設定すると共に、ロックインアンプ9が検出する測定信号の周波数をピーク変調周波数に設定する。このとき、レーザドライバ2から、同一周波数で逆位相の矩形波の駆動電流をレーザダイオード1−1,1−2に供給させることにより、レーザダイオード1−1,1−2から放射される光を同一周波数(ピーク変調周波数)で逆位相の信号によりそれぞれ強度変調する(図5ステップS206)。したがって、本参考例では、互いに異なる波長の2波のレーザ光を同一周波数で逆位相の信号によりそれぞれ強度変調して2つの強度変調光を生成することになる。
レーザダイオード1−1,1−2から放射された強度変調光は、それぞれ光ファイバ3−1,3−2によって導かれ、光カプラ4によって合波され、さらに光ファイバ5によって導かれ、被測定物11に照射される。
情報処理装置10の光強度制御部101は、ファンクションジェネレータ8を制御して、レーザダイオード1−1を駆動するための参照信号の電圧を所定値に設定することにより、レーザドライバ2からレーザダイオード1−1に供給される駆動電流の大きさを一定にし、レーザダイオード1−1から放射される光の強度を一定にする(図5ステップS207)。
また、情報処理装置10の光強度制御部101は、ファンクションジェネレータ8を制御して、レーザダイオード1−2を駆動するための参照信号の電圧を変化させることにより、レーザドライバ2からレーザダイオード1−2に供給される駆動電流の大きさを変化させ、レーザダイオード1−2から放射される光の強度を漸次変化させる光強度掃引を行い、ロックインアンプ9から出力される測定信号の振幅が最小になるようにレーザダイオード1−2から放射される光の強度を調節する(図5ステップS208)。
情報処理装置10の光強度測定部102は、レーザダイオード1−2から放射される光の強度を測定する。光強度測定部102は、ファンクションジェネレータ8から出力されている、レーザダイオード1−2の駆動用の参照信号の電圧を取得する。情報処理装置10の記憶部107には、参照信号の電圧とレーザダイオード1−2から放射される光の強度との関係を示すキャリブレーションデータが予め記憶されている。キャリブレーションデータは、電圧と強度の実測により予め求めておくことができる。光強度測定部102は、このようなキャリブレーションデータを参照し、取得した参照信号の電圧を、レーザダイオード1−2から放射された光の強度に換算する。光強度測定部102は、測定信号の振幅が最小となるときの、レーザダイオード1−2から放射される光の強度I0を記憶部107に格納する(図5ステップS209)。
次に、レーザダイオード1−2の動作を停止させて、レーザダイオード1−3(第3の光源)を動作させて連続光を出力させる(図5ステップS210)。レーザダイオード1−3から放射される光の波長(第3の波長)は例えば1650nmであり、2つのレーザダイオード1−1,1−3から放射される光の波長は異なる。
情報処理装置10のジェネレータ制御部100は、ファンクションジェネレータ8が発生する2つの参照信号の周波数を変化させることにより、レーザドライバ2からレーザダイオード1−1,1−3に供給される駆動電流の周波数を変化させ、光変調周波数を上記のピーク変調周波数に設定すると共に、ロックインアンプ9が検出する測定信号の周波数をピーク変調周波数に設定する。このとき、レーザドライバ2から、同一周波数で逆位相の矩形波の駆動電流をレーザダイオード1−1,1−3に供給させることにより、レーザダイオード1−1,1−3から放射される光を同一周波数(ピーク変調周波数)で逆位相の信号によりそれぞれ強度変調する(図5ステップS211)。
情報処理装置10の光強度制御部101は、ファンクションジェネレータ8を制御して、レーザダイオード1−3を駆動するための参照信号の電圧を変化させることにより、レーザドライバ2からレーザダイオード1−3に供給される駆動電流の大きさを変化させ、レーザダイオード1−3から放射される光の強度を漸次変化させる光強度掃引を行い、ロックインアンプ9から出力される測定信号の振幅が最小になるようにレーザダイオード1−3から放射される光の強度を調節する(図5ステップS212)。上記のとおり、レーザダイオード1−1から放射される光の強度は一定である。
情報処理装置10の光強度測定部102は、レーザダイオード1−3から放射される光の強度を測定する。光強度測定部102は、ファンクションジェネレータ8から出力されている、レーザダイオード1−3の駆動用の参照信号の電圧を取得する。上記と同様に、情報処理装置10の記憶部107には、参照信号の電圧とレーザダイオード1−3から放射される光の強度との関係を示すキャリブレーションデータが予め記憶されている。光強度測定部102は、このようなキャリブレーションデータを参照し、取得した参照信号の電圧を、レーザダイオード1−3から放射された光の強度に換算する。光強度測定部102は、測定信号の振幅が最小となるときの、レーザダイオード1−3から放射される光の強度I1を記憶部107に格納する(図5ステップS213)。
情報処理装置10の光強度変化量算出部103は、ステップS209,S213で求めた光強度I0,I1より光強度I0に対する光強度の変化量ΔI=(I1−I0)の比ΔI/Iを、式(11)により計算する(図5ステップS214)。
レーザダイオード1−3から放射される第3の波長の光に対する被測定物11の光吸収係数がレーザダイオード1−2から放射される第2の波長の光に対する被測定物11の光吸収係数よりも0.02/mm大きい場合の光強度の変化量の比ΔI/Iを図7に示す。図7によると、ΔI/I=4.7%という結果が得られる。
次に、情報処理装置10の音響モード推定部104は、表1のような所定のデータセットを用いて、光強度の変化量の比ΔI2/I2を式(12)、式(13)により音響モードq毎に計算する(図5ステップS215)。データセットは、第1、第2、第3の波長と、これらの波長の光に対する特定成分(例えばグルコース)の光吸収係数との関係を表すものである。
関数F1は第1の波長の光に関する光吸収係数α1=0.30/mmと音響モードqから計算することができ、関数F2は第2の波長の光に関する光吸収係数α2=0.28/mmと音響モードqから計算することができる。Δα2は光吸収係数α1に対する光吸収係数α2の変化量である。被測定物11の長さLは既知の値である。
ステップS215の計算の結果から、図8に示すような音響モードqと光強度の変化量の比ΔI2/I2との関係が得られる。情報処理装置10の音響モード推定部104は、ステップS214で計算された光強度の変化量の比ΔI/Iと、ステップS215で計算した光強度の変化量の比ΔI2/I2とが等しくなる音響モードqの値を、今回のピーク変調周波数での音響モードの値として決定する(図5ステップS216)。本参考例の例では、q=2であることが推測できる。
情報処理装置10の補正係数決定部105は、音響モード推定部104が推定した音響モードqの値に対応する、被測定物11内の特定成分(本参考例の例ではグルコース)の濃度の測定感度Gqを、濃度測定感度と音響モードqとの既知の関係(図9)から求め、この濃度測定感度Gqに対する音響モードq=0のときの濃度測定感度G0の比G0/Gqを補正係数Aとして決定する(図5ステップS217)。
図9によると、音響モードq=2のときの濃度測定感度Gqは音響モードq=0のときの濃度測定感度G0より約5倍大きいので、補正係数決定部105は、補正係数A=1/5と求めることができる。
情報処理装置10の濃度導出部106は、ステップS214で計算された光強度の変化量の比ΔI/I(音響モードq=2のときの光強度の変化量の比ΔI2/I2)と、補正係数決定部105が決定した補正係数Aとから、測定開始時から任意の時間経過後の時点における被測定物11内の特定成分の濃度の変化量ΔC[%]を式(14)により計算する(図5ステップS218)。
最後に、濃度導出部106は、ステップS218で計算した特定成分の濃度の変化量ΔC[%]と特定成分の既知の参照濃度とから、任意の時間経過後の時点における特定成分の濃度を計算する(図5ステップS219)。なお、参照濃度は、被測定物11に対して標準的な血糖測定法を実施することにより得ることができる。標準的な血糖測定法を実施するには、血糖測定器の本体に、グルコースセンサーを差し込み、針を専用の機械(または本体)にセットして、指などから採血し、グルコースセンサーに血を吸収させる。標準的な血糖測定法は、既知濃度のグルコース液を標準校正液として機械動作確認用に用いる。初期動作時に機械が正常に動いているかを確認したり、血糖値が異常値にあるか(正常に機械が動作しているか)を確認したりするときに用いる。このような標準的な血糖測定法を、測定開始時の例えばピーク変調周波数の選択時に実施しておけばよい。
以上のようにして、本参考例では、被測定物11内の特定成分に対する濃度測定感度の、音響モードによる変化を補償することができ、測定感度を向上させることができる。
実施の形態
次に、本発明の実施の形態について説明する。図10は本発明の実施の形態に係る成分濃度測定装置の構成を示すブロック図であり、図3と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態の成分濃度測定装置は、レーザダイオード1−1,1−2と、レーザドライバ2と、光ファイバ3−1,3−2と、光カプラ4と、光ファイバ5と、音響センサ6と、増幅器7と、ファンクションジェネレータ8と、ロックインアンプ9と、情報処理装置10aと、被測定物11の温度を変化させる温度制御器12とから構成される。
図11は本実施の形態の情報処理装置10aの構成を示すブロック図である。情報処理装置10aは、ジェネレータ制御部100と、光強度制御部101と、光強度測定部102と、光強度変化量算出部103と、音響モード推定部104と、補正係数決定部105と、濃度導出部106と、記憶部107と、被測定物11の温度を制御する温度制御部108とを有する。
次に、本実施の形態の成分濃度測定装置の動作を図12のフローチャートを参照して説明する。初めに、レーザダイオード1−1(第1の光源)のみを動作させる。レーザドライバ2から駆動電流が供給されると、レーザダイオード1−1はレーザ光(連続光)を放射する。このとき、レーザドライバ2から矩形波の駆動電流が供給されることにより、レーザダイオード1−1は強度変調光を放射する。参考例と同様に、レーザダイオード1−1から放射される光の波長(第1の波長)は例えば1382nmである。レーザダイオード1−1から放射された強度変調光は、光ファイバ3−1によって導かれ、光カプラ4および光ファイバ5を介して被測定物11に照射される(図12ステップS300)。
音響センサ6は、被測定物11から発生する光音響信号を検出し、増幅器7は、音響センサ8から出力された電気信号を増幅する。ロックインアンプ9は、増幅器7の出力に含まれる信号のうち、ファンクションジェネレータ8から出力される参照信号によって決まる周波数の測定信号を検出する。
情報処理装置10aのジェネレータ制御部100は、ファンクションジェネレータ8が発生する参照信号の周波数を変化させることにより、レーザドライバ2からレーザダイオード1−1に供給される駆動電流の周波数を変化させ、光変調周波数を漸次変化させると共に、ロックインアンプ11が検出する測定信号の周波数を漸次変化させる光変調周波数掃引を行う(図12ステップS301)。こうして、変調周波数と測定信号の振幅(音圧)との関係を取得し(図12ステップS302)、測定信号の振幅が最大の変調周波数であるピーク変調周波数を探索する(図12ステップS303)。
次に、レーザダイオード1−1を再び動作させて連続光を出力させ(図12ステップS304)、続いてレーザダイオード1−2(第2の光源)を動作させて連続光を出力させる(図12ステップS305)。レーザダイオード1−1から放射される光の波長は例えば1382nm、レーザダイオード1−2から放射される光の波長(第2の波長)は例えば1610nmである。
情報処理装置10aのジェネレータ制御部100は、ファンクションジェネレータ8が発生する2つの参照信号の周波数を変化させることにより、レーザドライバ2からレーザダイオード1−1,1−2に供給される駆動電流の周波数を変化させ、光変調周波数を上記のピーク変調周波数に設定すると共に、ロックインアンプ9が検出する測定信号の周波数をピーク変調周波数に設定する。このとき、レーザドライバ2から、同一周波数で逆位相の矩形波の駆動電流をレーザダイオード1−1,1−2に供給させることにより、レーザダイオード1−1,1−2から放射される光を同一周波数(ピーク変調周波数)で逆位相の信号によりそれぞれ強度変調する(図12ステップS306)。
レーザダイオード1−1,1−2から放射された強度変調光は、それぞれ光ファイバ3−1,3−2によって導かれ、光カプラ4によって合波され、さらに光ファイバ5によって導かれ、被測定物11に照射される。
情報処理装置10aの光強度制御部101は、ファンクションジェネレータ8を制御して、レーザダイオード1−1を駆動するための参照信号の電圧を所定値に設定することにより、レーザドライバ2からレーザダイオード1−1に供給される駆動電流の大きさを一定にし、レーザダイオード1−1から放射される光の強度を一定にする(図12ステップS307)。
また、光強度制御部101は、ファンクションジェネレータ8を制御して、レーザダイオード1−2を駆動するための参照信号の電圧を変化させることにより、レーザドライバ2からレーザダイオード1−2に供給される駆動電流の大きさを変化させ、レーザダイオード1−2から放射される光の強度を漸次変化させる光強度掃引を行い、ロックインアンプ9から出力される測定信号の振幅が最小になるようにレーザダイオード1−2から放射される光の強度を調節する(図12ステップS308)。
情報処理装置10aの光強度測定部102は、参考例と同様に、レーザダイオード1−2から放射される光の強度を測定する。そして、光強度測定部102は、測定信号の振幅が最小となるときの、レーザダイオード1−2から放射される光の強度I0を記憶部107に格納する(図12ステップS309)。
次に、情報処理装置10aの温度制御部108は、温度制御器12を制御して被測定物11の温度をΔT(例えば1℃)だけ上げる(図12ステップS310)。
情報処理装置10aの光強度制御部101は、ファンクションジェネレータ8を制御して、レーザダイオード1−2を駆動するための参照信号の電圧を変化させることにより、レーザドライバ2からレーザダイオード1−2に供給される駆動電流の大きさを変化させ、レーザダイオード1−2から放射される光の強度を漸次変化させる光強度掃引を行い、ロックインアンプ9から出力される測定信号の振幅が最小になるようにレーザダイオード1−2から放射される光の強度を調節する(図12ステップS311)。上記のとおり、レーザダイオード1−1から放射される光の強度は一定である。
情報処理装置10aの光強度測定部102は、レーザダイオード1−2から放射される光の強度をステップS309と同様に測定する。そして、光強度測定部102は、測定信号の振幅が最小となるときの、レーザダイオード1−2から放射される光の強度I1を記憶部107に格納する(図12ステップS312)。
情報処理装置10aの光強度変化量算出部103は、ステップS309,S312で求めた光強度I0,I1より光強度I0に対する光強度の変化量ΔI=(I1−I0)の比ΔI/Iを、式(15)により計算する(図12ステップS313)。被測定物11の温度を1℃上げた場合の温度変化前後の光強度の変化量の比ΔI/Iを図13に示す。図13によると、ΔI/I=1.8%という結果が得られる。
次に、情報処理装置10aの音響モード推定部104は、表2のような所定のデータセットを用いて、光強度の変化量の比ΔI2/I2を式(16)、式(17)により音響モードq毎に計算する(図12ステップS314)。データセットは、第1、第2、第3の波長と、これらの波長の光に対する特定成分(例えばグルコース)の光吸収係数と、これら光吸収係数の温度依存性との関係を表すものである。
γ1は第1の波長の光に対する被測定物の光吸収係数α1の温度依存性(温度吸光度)、γ2は第2の波長の光に対する被測定物の光吸収係数α2の温度依存性である。関数F1は第1の波長の光に関する光吸収係数α1=0.30/mmと音響モードqから計算することができ、関数F2は第2の波長の光に関する光吸収係数α2=0.28/mmと音響モードqから計算することができる。被測定物11の長さLは既知の値である。
ステップS314の計算の結果から、図14に示すような音響モードqと光強度の変化量の比ΔI2/I2との関係が得られる。情報処理装置10aの音響モード推定部104は、ステップS313で計算された光強度の変化量の比ΔI/Iと、ステップS314で計算した光強度の変化量の比ΔI2/I2とが等しくなる音響モードqの値を、今回のピーク変調周波数での音響モードの値として決定する(図12ステップS315)。本実施の形態の例では、q=1であることが推測できる。
情報処理装置10aの補正係数決定部105は、音響モード推定部104が推定した音響モードqの値に対応する、被測定物11内の特定成分(本実施の形態の例ではグルコース)の濃度の測定感度Gqを、濃度測定感度と音響モードqとの既知の関係(図9)から求め、この濃度測定感度Gqに対する音響モードq=0のときの濃度測定感度G0の比G0/Gqを補正係数Aとして決定する(図12ステップS316)。
図9によると、音響モードq=1のときの濃度測定感度Gqは音響モードq=0のときの濃度測定感度G0より約3倍大きいので、補正係数決定部105は、補正係数A=1/3と求めることができる。
情報処理装置10aの濃度導出部106は、ステップS313で計算された光強度の変化量の比ΔI/I(音響モードq=1のときの光強度の変化量の比ΔI2/I2)と、補正係数決定部105が決定した補正係数Aとから、測定開始時から任意の時間経過後の時点における被測定物11内の特定成分の濃度の変化量ΔC[%]を式(18)により計算する(図12ステップS317)。
最後に、濃度導出部106は、ステップS317で計算した特定成分の濃度の変化量ΔC[%]と特定成分の既知の参照濃度とから、任意の時間経過後の時点における特定成分の濃度を計算する(図12ステップS318)。
こうして、本実施の形態では、上記の参考例と同様の効果を得ることができる。
音波の反射伝搬は、音響インピーダンスを用いて評価することができ、例えば異種材料界面における反射率Rおよび透過率Tは下式で表すことができる。
1は第1の材料の音響インピーダンス、Z2は第1の材料と接する第2の材料の音響インピーダンスである。音響インピーダンスZは式(21)で表すことができる。
ρは材料の密度、Cは材料内での音速である。音響インピーダンスの差によって、反射、透過する音波が決定される。図15に音波の反射率と音響インピーダンスとの関係を示す。被測定物11と共振器材料界面との反射率が0.8以上であることが共振器(被測定物11を収容する光音響セル)として機能することの必要条件である。この条件を満たす材料として、たとえばガラスや鉄や銅をはじめとした各種金属がある。照射する光により生じる音波の周波数は、式(22)のように記述することができる。共振器は、照射される光の光軸に対して略直交する面を2つ持ち、これらの2つの面は互いに平行平面となっていることが好ましい。
λは音波の波長、Cは被測定物11内での音速、fは光の変調周波数である。本発明の光音響を用いた測定方法においては、光の変調周波数を100kHz−1MHzとした場合、この時の音波の波長は1mm弱から12mmとなる。たとえば、軸方向2次のモードを得るためには、共振長はおよそ波長程度に設定する必要がある。
なお、参考例および実施の形態において、被測定物11に照射される複数の光は、これら複数の光の波長に対する、被測定物11に含まれる測定対象の成分以外の成分の光吸収係数が略等しいことが好ましい。
また、参考例および実施の形態において、異なる波長の複数の光を光学系(不図示)によりそれぞれ平行光にして被測定物11の略同一領域に同軸で照射することが好ましい。また、このとき異なる波長の複数の光のビーム径は略等しいことが好ましい。
参考例および実施の形態の情報処理装置10,10aは、例えばCPU(Central Processing Unit)、記憶装置およびインタフェースを備えたコンピュータとこれらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って参考例および実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、血液グルコース、アルブミン等の成分の濃度をモニターする技術に適用することができる。
1−1〜1−3…レーザダイオード、2…レーザドライバ、3−1〜3−3,5…光ファイバ、4…光カプラ、6…音響センサ、7…増幅器、8…ファンクションジェネレータ、9…ロックインアンプ、10,10a…情報処理装置、11…被測定物、12…温度制御器、100…ジェネレータ制御部、101…光強度制御部、102…光強度測定部、103…光強度変化量算出部、104…音響モード推定部、105…補正係数決定部、106…濃度導出部、107…記憶部、108…温度制御部。

Claims (6)

  1. 互いに異なる波長の複数の光を同一の周波数で且つ異なる位相の信号によりそれぞれ強度変調して被測定物に照射する光照射手段と、
    前記複数の強度変調光のうち少なくとも1つの光の強度を変化させる光強度制御手段と、
    前記被測定物の温度を制御する温度制御手段と、
    光照射によって前記被測定物から発生する光音響信号を検出して電気信号を出力する光音響信号検出手段と、
    前記光強度制御手段が変化させた光の強度を測定する光強度測定手段と、
    前記被測定物の温度が異なる2つの時点について、それぞれ前記電気信号の強度が最低となったときの前記光強度測定手段の測定結果から得られる光強度の変化量と、既知のデータセットから得られる光強度の変化量に基づいて、前記光音響信号の共振モードである音響モードを推定する音響モード推定手段と、
    この音響モード推定手段が推定した音響モードと、前記被測定物に含まれる測定対象の成分に対する濃度測定感度と音響モードとの既知の関係に基づいて、前記測定対象の成分に対する濃度測定感度の補正係数を決定する補正係数決定手段と、
    前記光強度測定手段の測定結果から得られる光強度の変化量と前記補正係数に基づいて前記測定対象の成分の濃度を導出する濃度導出手段とを備え
    前記光照射手段は、異なる2つの波長の光を前記被測定物に同時に照射し、
    前記音響モード推定手段は、第1の波長の光の強度を一定にして第2の波長の光の強度を変化させて前記電気信号の強度が最低となったときの前記第2の波長の光の強度の測定結果と、前記温度制御手段により前記被測定物の温度を変化させた後に前記第1の波長の光の強度を一定にして前記第2の波長の光の強度を変化させて前記電気信号の強度が最低となったときの前記第2の波長の光の強度の測定結果とから得られる光強度の変化量と、既知のデータセットから得られる光強度の変化量に基づいて、前記音響モードを推定することを特徴とする成分濃度測定装置。
  2. 請求項記載の成分濃度測定装置において、
    前記被測定物に照射される複数の光は、これら複数の光の波長に対する、前記被測定物に含まれる測定対象の成分以外の成分の光吸収係数が略等しいことを特徴とする成分濃度測定装置。
  3. 請求項1または2記載の成分濃度測定装置において、
    前記光照射手段は、異なる波長の複数の光をそれぞれ平行光にして前記被測定物の略同一領域に同軸で照射し、
    異なる波長の複数の光のビーム径は略等しいことを特徴とする成分濃度測定装置。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の成分濃度測定装置において、
    さらに、前記被測定物を収容し、前記光音響信号を増幅するための共振器を備えることを特徴とする成分濃度測定装置。
  5. 請求項記載の成分濃度測定装置において、
    前記共振器は、前記光照射手段から照射される光の光軸に対して略直交する面を2つ持ち、これらの面は互いに平行平面となっていることを特徴とする成分濃度測定装置。
  6. 互いに異なる波長の複数の光を同一の周波数で且つ異なる位相の信号によりそれぞれ強度変調して被測定物に照射する光照射ステップと、
    前記複数の強度変調光のうち少なくとも1つの光の強度を変化させる光強度制御ステップと、
    光照射によって前記被測定物から発生する光音響信号を検出して電気信号を出力する光音響信号検出ステップと、
    前記光強度制御ステップで変化させた光の強度を測定する光強度測定ステップと、
    前記被測定物の温度が異なる2つの時点について、それぞれ前記電気信号の強度が最低となったときの前記光強度測定ステップの測定結果から得られる光強度の変化量と、既知のデータセットから得られる光強度の変化量に基づいて、前記光音響信号の共振モードである音響モードを推定する音響モード推定ステップと、
    この音響モード推定ステップで推定した音響モードと、前記被測定物に含まれる測定対象の成分に対する濃度測定感度と音響モードとの既知の関係に基づいて、前記測定対象の成分に対する濃度測定感度の補正係数を決定する補正係数決定ステップと、
    前記光強度測定ステップの測定結果から得られる光強度の変化量と前記補正係数に基づいて前記測定対象の成分の濃度を導出する濃度導出ステップとを含み、
    前記光照射ステップは、異なる2つの波長の光を前記被測定物に同時に照射するステップを含み、
    前記音響モード推定ステップは、第1の波長の光の強度を一定にして第2の波長の光の強度を変化させて前記電気信号の強度が最低となったときの前記第2の波長の光の強度の測定結果と、温度制御手段により前記被測定物の温度を変化させた後に前記第1の波長の光の強度を一定にして前記第2の波長の光の強度を変化させて前記電気信号の強度が最低となったときの前記第2の波長の光の強度の測定結果とから得られる光強度の変化量と、既知のデータセットから得られる光強度の変化量に基づいて、前記音響モードを推定するステップを含むことを特徴とする成分濃度測定方法。
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