JP6404741B2 - 成分濃度測定装置および測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、血液中に存在するグルコース、アルブミンなどの成分の濃度を非侵襲で測定する技術に係り、特に、被測定物に照射した光により発生する音響波を検出して濃度を測定する成分濃度測定装置および測定方法に関するものである。
糖尿病患者の血糖値を連続モニターするための方法として光音響法があり、簡単にまとめると、以下のような特徴がある。
(a)光音響法は、連続的な血液グルコースモニタリングを提供する。
(b)糖尿病患者にとって無痛で、血液サンプルを必要とせず、糖尿病患者に不快感を与えることがない。
(c)他の光学的な技術と比べて、光散乱による測定精度劣化の影響が小さい。
(d)光学と音響学の結合により高感度の特性を得ることができる。
光音響法には、パルス(pulse)法と連続波(continuous-wave、以下CWとする)法の二つの方式がある。しかし、従来のパルス法やCW法では、数回にわたる血漿中のグルコース濃度測定中に、グルコース濃度以外の他の血漿中パラメータ(例えば体温や、他の成分の濃度等)も変わる可能性が高いので、グルコース選択性が悪く、正確なグルコース濃度を得ることが難しいという問題点があった。
そこで、互いにπ(180°)だけ位相を異にした2つの波長の連続した矩形波により成分濃度を測定する技術として、発明者らにより光パワーバランスシフト(Optical power balance shift:OPBS)法が開発されている(特許文献1−3参照)。
特許文献1−3に開示されたOPBS法では、光波長が異なり、互いに位相差がπの2つの矩形連続波形の光ビームを被測定物に対して、同一光出力口から照射する。このとき、2つの光ビームのパワーを増減させながら、光音響信号の振幅が最小な箇所の位相の変曲点を探し、この探索結果から血液中に溶解している分子濃度を求める。2つの光ビームのうち一方の光ビームのパワーP1を一定にし、もう一方の光ビームのパワーP2を変えながら、光音響信号強度が最低となる光パワーを探す。光音響信号強度が最低となる光パワーP2の変化量より被測定物内の特定成分(例えばグルコース)の濃度の正確な測定を行う。
図7は特許文献1−3に開示された従来の成分濃度測定装置の構成を示すブロック図である。成分濃度測定装置は、レーザ光を放射するレーザダイオード1−1,1−2と、レーザダイオード1−1,1−2を駆動するレーザドライバ2と、レーザダイオード1−1,1−2から放射されたレーザ光を導く光ファイバ3−1,3−2と、レーザダイオード1−1,1−2から放射されたレーザ光を合波する光カプラ4と、光カプラ4によって合波されたレーザ光を導く光ファイバ5と、光音響効果によって被測定物11から発生する光音響信号を検出し、音圧に比例した電気信号に変換する音響センサ6と、音響センサ6から出力された電気信号を増幅する増幅器7と、参照信号を発生するファンクションジェネレータ8と、増幅器7の出力信号とファンクションジェネレータ8から出力された参照信号とを入力として、増幅器7の出力信号から所望の周波数の測定信号を検出するロックインアンプ9と、ファンクションジェネレータ8およびロックインアンプ9を制御すると共に、ロックインアンプ9が検出した測定信号を処理して特定の成分濃度を導出するコンピュータからなる情報処理装置10とから構成される。
従来のOPBS法では、測定開始時にレーザダイオード1−1,1−2から放射する2つの光ビームのうち一方の光ビームのパワーを、ファンクションジェネレータ8からの出力を調節することで変えながら、光音響信号強度が最低となる光パワーを探す。さらに、測定開始時から時間tが経過した後に、同様に光ビームのパワーを変えて、光音響信号強度が最低となる光パワーを探す。
測定開始時にレーザダイオード1−2から放射する光ビームのパワーP2を変えて光音響信号強度が最低となったときに(レーザダイオード1−1から放射する光ビームのパワーP1は一定)、ファンクションジェネレータ8から出力されている、レーザダイオード1−2の駆動用の参照信号の電圧をV2(t=0)とし、測定開始時から任意の時間tが経過した後に光ビームのパワーP2を変えて光音響信号強度が最低となったときに、ファンクションジェネレータ8から出力されている、レーザダイオード1−2の駆動用の参照信号の電圧をV2(t)とすると、被測定物11内の特定成分の濃度Cは次式により求めることができる。
Figure 0006404741
すなわち、従来のOPBS法では、被測定物11に照射される光ビームのパワーをファンクションジェネレータ8の出力電圧から間接的に求めることで、被測定物11内の特定成分の濃度Cを求めるようにしていた。
特開2014−50563号公報 特開2013−106874号公報 特開2012−179212号公報
以上のように、従来のOPBS法では、被測定物に照射される光ビームのパワーをファンクションジェネレータの出力電圧から間接的に求めており、光ビームのパワーを直接測定していないため、光ビームのパワーの測定精度を確保できず、濃度測定の精度が十分でないという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、血液グルコース濃度等の成分濃度を高い精度で測定することができる成分濃度測定装置および測定方法を提供することを目的とする。
本発明の成分濃度測定装置は、互いに異なる波長の2波の光を同一の周波数で且つ異なる位相の信号によりそれぞれ強度変調する光照射手段と、この光照射手段から放射された2つの強度変調光を伝搬させる第1、第2の光ファイバと、この第1、第2の光ファイバを伝播した2つの強度変調光を合波して被測定物に照射する光カプラと、前記2つの強度変調光のうち一方の光のパワーを変化させる光パワー制御手段と、光照射によって前記被測定物から発生する光音響信号を検出して電気信号を出力する光音響信号検出手段と、前記第1、第2の光ファイバを伝搬する光の一部を分岐させ、前記光照射手段から前記光カプラに入射する途中の2つの強度変調光のパワーを測定する光強度測定手段と、この光強度測定手段の測定結果に基づいて前記被測定物に含まれる測定対象の成分の濃度を導出する濃度導出手段とを備え、前記濃度導出手段は、1回目の測定時点において前記電気信号の強度が最低となったときの前記一方の光のパワーと、1回目の測定時点において前記一方の光のパワーを変化させたときから前記電気信号の強度が最低となるまでの間の他方の光のパワーの時間平均、または前記電気信号の強度が最低となったときの前記他方の光のパワーと、2回目の測定時点において前記電気信号の強度が最低となったときの前記一方の光のパワーと、2回目の測定時点において前記一方の光のパワーを変化させたときから前記電気信号の強度が最低となるまでの間の前記他方の光のパワーの時間平均、または前記電気信号の強度が最低となったときの前記他方の光のパワーとに基づいて、前記測定対象の成分の濃度を導出することを特徴とするものである。
また、本発明の成分濃度測定装置は、互いに異なる波長の2波の光を同一の周波数で且つ異なる位相の信号によりそれぞれ強度変調する光照射手段と、この光照射手段から放射された2つの強度変調光を合波して被測定物に照射する光カプラと、この光カプラから前記被測定物まで合波光を伝搬させる光ファイバと、前記2つの強度変調光のうち一方の光のパワーを変化させる光パワー制御手段と、光照射によって前記被測定物から発生する光音響信号を検出して電気信号を出力する光音響信号検出手段と、前記光ファイバを伝搬する光の一部を分岐させ、前記光カプラから前記被測定物に照射される途中の2つの強度変調光のパワーを測定する光強度測定手段と、この光強度測定手段の測定結果に基づいて前記被測定物に含まれる測定対象の成分の濃度を導出する濃度導出手段とを備え、前記濃度導出手段は、1回目の測定時点において前記電気信号の強度が最低となったときの前記一方の光のパワーと、1回目の測定時点において前記一方の光のパワーを変化させたときから前記電気信号の強度が最低となるまでの間の他方の光のパワーの時間平均、または前記電気信号の強度が最低となったときの前記他方の光のパワーと、2回目の測定時点において前記電気信号の強度が最低となったときの前記一方の光のパワーと、2回目の測定時点において前記一方の光のパワーを変化させたときから前記電気信号の強度が最低となるまでの間の前記他方の光のパワーの時間平均、または前記電気信号の強度が最低となったときの前記他方の光のパワーとに基づいて、前記測定対象の成分の濃度を導出することを特徴とするものである。
また、本発明の成分濃度測定方法は、互いに異なる波長の2波の光を同一の周波数で且つ異なる位相の信号によりそれぞれ強度変調して得られた2つの強度変調光を第1、第2の光ファイバによって伝播させ、この第1、第2の光ファイバを伝播した2つの強度変調光を光カプラによって合波して被測定物に照射する光照射ステップと、前記2つの強度変調光のうち一方の光のパワーを変化させる光パワー制御ステップと、光照射によって前記被測定物から発生する光音響信号を検出して電気信号を出力する光音響信号検出ステップと、前記第1、第2の光ファイバを伝搬する光の一部を分岐させ、前記光カプラに入射する途中の2つの強度変調光のパワーを測定する光強度測定ステップと、この光強度測定ステップの測定結果に基づいて前記被測定物に含まれる測定対象の成分の濃度を導出する濃度導出ステップとを含み、前記濃度導出ステップは、1回目の測定時点において前記電気信号の強度が最低となったときの前記一方の光のパワーと、1回目の測定時点において前記一方の光のパワーを変化させたときから前記電気信号の強度が最低となるまでの間の他方の光のパワーの時間平均、または前記電気信号の強度が最低となったときの前記他方の光のパワーと、2回目の測定時点において前記電気信号の強度が最低となったときの前記一方の光のパワーと、2回目の測定時点において前記一方の光のパワーを変化させたときから前記電気信号の強度が最低となるまでの間の前記他方の光のパワーの時間平均、または前記電気信号の強度が最低となったときの前記他方の光のパワーとに基づいて、前記測定対象の成分の濃度を導出するステップを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の成分濃度測定方法は、互いに異なる波長の2波の光を同一の周波数で且つ異なる位相の信号によりそれぞれ強度変調して得られた2つの強度変調光を光カプラによって合波し、この光カプラから被測定物まで光ファイバによって合波光を伝搬させる光照射ステップと、前記2つの強度変調光のうち一方の光のパワーを変化させる光パワー制御ステップと、光照射によって前記被測定物から発生する光音響信号を検出して電気信号を出力する光音響信号検出ステップと、前記光ファイバを伝搬する光の一部を分岐させ、前記光カプラから前記被測定物に照射される途中の2つの強度変調光のパワーを測定する光強度測定ステップと、この光強度測定ステップの測定結果に基づいて前記被測定物に含まれる測定対象の成分の濃度を導出する濃度導出ステップとを含み、前記濃度導出ステップは、1回目の測定時点において前記電気信号の強度が最低となったときの前記一方の光のパワーと、1回目の測定時点において前記一方の光のパワーを変化させたときから前記電気信号の強度が最低となるまでの間の他方の光のパワーの時間平均、または前記電気信号の強度が最低となったときの前記他方の光のパワーと、2回目の測定時点において前記電気信号の強度が最低となったときの前記一方の光のパワーと、2回目の測定時点において前記一方の光のパワーを変化させたときから前記電気信号の強度が最低となるまでの間の前記他方の光のパワーの時間平均、または前記電気信号の強度が最低となったときの前記他方の光のパワーとに基づいて、前記測定対象の成分の濃度を導出するステップを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、互いに異なる波長の複数の光を同一の周波数で且つ異なる位相の信号によりそれぞれ強度変調して被測定物に照射する光照射手段と、光パワーを制御する光パワー制御手段と、光照射によって被測定物から発生する光音響信号を検出して電気信号を出力する光音響信号検出手段と、光強度測定手段と、光強度測定手段の測定結果に基づいて被測定物に含まれる測定対象の成分の濃度を導出する濃度導出手段とを設け、光強度測定手段によって複数の強度変調光のうち少なくとも1つの光のパワーを直接測定することにより、被測定物に含まれる測定対象の成分の濃度を導出するので、測定対象の成分の濃度を高い精度で測定することが可能になる。
また、本発明では、光照射手段から光カプラまで2つの強度変調光を伝搬させる第1、第2の光ファイバのうち第1の光ファイバを伝搬する光の一部を分岐させ、光照射手段から光カプラに入射する途中の2つの強度変調光のうち一方の光のパワーを測定することにより、第1の光ファイバの取り回しによる外乱の影響を防ぎつつ光のパワーを測定することができ、パワーの測定精度を高めることで、測定対象の成分の濃度を高い精度で測定することが可能になる。
また、本発明では、第1、第2の光ファイバを伝搬する光の一部を分岐させ、光照射手段から光カプラに入射する途中の2つの強度変調光のパワーを測定することにより、第1、第2の光ファイバの取り回しによる外乱の影響を防ぎつつ光のパワーを測定することができ、パワーの測定精度を高めることで、測定対象の成分の濃度を高い精度で測定することが可能になる。また、本発明では、一方の光のパワーに加えて、他方の光のパワーも測定することで、2つの強度変調光のドリフトの影響を除くことができ、より高い精度で測定対象の成分の濃度を高い精度で測定することが可能になる。
また、本発明では、光カプラから被測定物まで合波光を伝搬させる光ファイバを伝搬する光の一部を分岐させ、光カプラから被測定物に照射される途中の2つの強度変調光のパワーを測定することにより、光ファイバの取り回しによる外乱の影響を防ぎつつ光のパワーを測定することができ、パワーの測定精度を高めることで、測定対象の成分の濃度を高い精度で測定することが可能になる。また、本発明では、一方の光のパワーに加えて、他方の光のパワーも測定することで、2つの強度変調光のドリフトの影響を除くことができ、より高い精度で測定対象の成分の濃度を高い精度で測定することが可能になる。
本発明の第1の実施の形態に係る成分濃度測定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る成分濃度測定装置の情報処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る成分濃度測定装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る成分濃度測定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る成分濃度測定装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る成分濃度測定装置の構成を示すブロック図である。 従来の成分濃度測定装置の構成を示すブロック図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る成分濃度測定装置の構成を示すブロック図であり、図7と同様の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態の成分濃度測定装置は、レーザ光を放射するレーザダイオード1−1,1−2と、レーザダイオード1−1,1−2を駆動するレーザドライバ2と、レーザダイオード1−1,1−2から放射されたレーザ光を導く光ファイバ3−1,3−2と、レーザダイオード1−1,1−2から放射されたレーザ光を合波する光カプラ4と、光カプラ4によって合波されたレーザ光を導く光ファイバ5と、光音響効果によって被測定物11から発生する光音響信号を検出し、音圧に比例した電気信号に変換する光音響信号検出手段となる音響センサ6と、音響センサ6から出力された電気信号を増幅する増幅器7と、参照信号を発生するファンクションジェネレータ8と、増幅器7の出力信号とファンクションジェネレータ8から出力された参照信号とを入力として、増幅器7の出力信号から所望の周波数の測定信号を検出するロックインアンプ9と、ファンクションジェネレータ8およびロックインアンプ9を制御すると共に、ロックインアンプ9が検出した測定信号を処理して特定の成分濃度を導出するコンピュータからなる情報処理装置10aと、レーザダイオード1−2から放射され光ファイバ3−2を伝搬する光の一部を分岐させる光スプリッタ12と、レーザダイオード1−2から放射された光のパワーを測定する光強度測定装置13と、光スプリッタ12と光強度測定装置13とを繋ぐ光ファイバ14とから構成される。
レーザダイオード1−1,1−2とレーザドライバ2とファンクションジェネレータ8とは、光照射手段を構成している。情報処理装置10aとファンクションジェネレータ8とは、光パワー制御手段を構成している。光スプリッタ12と光強度測定装置13と光ファイバ14とは、光強度測定手段を構成している。
レーザダイオード1−1,1−2の例としては、例えば分布帰還型半導体レーザ(DFB−LD)等がある。音響センサ6の例としては、マイクロホンがある。
光強度測定装置13としては、例えば光パワーメータや、フォトダイオードを用いた光強度測定回路を用いることができる。
図2は情報処理装置10aの構成を示すブロック図である。情報処理装置10aは、ファンクションジェネレータ8を介して光パワーを制御する光パワー制御部101と、ロックインアンプ9から出力される測定信号の強度が最低となる点を探索する探索部102と、光強度測定装置13の測定結果を取得する光パワー取得部103と、被測定物11内の特定成分(例えばグルコース)の濃度を導出する濃度導出部104と、情報記憶のための記憶部105とを有する。
次に、本実施の形態の成分濃度測定装置の動作を図3のフローチャートを参照して説明する。レーザドライバ2から駆動電流が供給されると、レーザダイオード1−1,1−2はレーザ光を放射する。このとき、ファンクションジェネレータ8は、レーザダイオード1−1を駆動するための参照信号と、レーザダイオード1−2を駆動するための参照信号とを出力する。
レーザドライバ2は、ファンクションジェネレータ8から出力される2つの参照信号に応じて、同一周波数で逆位相の矩形波の駆動電流をレーザダイオード1−1,1−2に供給することにより、レーザダイオード1−1,1−2から放射される光を同一周波数で逆位相の信号によりそれぞれ強度変調する。
レーザダイオード1−1から放射される光の波長は例えば1384nm、レーザダイオード1−2から放射される光の波長は例えば1610nmであり、2つのレーザダイオード1−1,1−2から放射される光の波長は異なる。ファンクションジェネレータ8から出力される2つの参照信号の周波数は同一であり、位相がπ(180°)だけ異なっている。したがって、本実施の形態では、互いに異なる波長の2波のレーザ光を同一周波数で逆位相の信号によりそれぞれ強度変調して2つの強度変調光を生成することになる。
レーザダイオード1−1,1−2から放射された強度変調光は、それぞれ光ファイバ3−1,3−2によって導かれ、光カプラ4によって合波され、さらに光ファイバ5によって導かれ、被測定物11に照射される(図3ステップS1)。
情報処理装置10aの光パワー制御部101は、ファンクションジェネレータ8を制御して、レーザダイオード1−2を駆動するための参照信号の電圧を変化させることにより、レーザドライバ2からレーザダイオード1−2に供給される駆動電流の大きさを変化させ、レーザダイオード1−2から放射される光のパワーP2を漸次変化させる光パワー掃引を行う(図3ステップS2)。このとき、レーザダイオード1−1を駆動するための参照信号の電圧は一定、すなわちレーザダイオード1−1から放射される光のパワーP1は一定である。
光強度測定装置13は、レーザダイオード1−2から放射される光を光スプリッタ12および光ファイバ14を介して受光し、レーザダイオード1−2から放射された光のパワーP2を測定する。音響センサ6は、被測定物11から発生する光音響信号を検出し、増幅器7は、音響センサ6から出力された電気信号を増幅する。ロックインアンプ9は、増幅器7の出力に含まれる信号のうち、ファンクションジェネレータ8から出力される参照信号によって決まる周波数の測定信号を検出する。
情報処理装置10aの探索部102は、ロックインアンプ9から出力される測定信号の強度が最低(光音響信号の強度が最低)となる点を探索する(図3ステップS3)。
情報処理装置10aの光パワー取得部103は、測定信号の強度が最低となったときに光強度測定装置13の測定結果を取得する(図3ステップS4)。この測定結果は、記憶部105に格納される。こうして、最初の測定において測定信号の強度が最低となったときにレーザダイオード1−2から放射されている光のパワーP2(t=0)を測定することができる。
次に、測定開始時から任意の時間t経過後における測定について説明する。まず、2つのレーザダイオード1−1,1−2を動作させて、レーザダイオード1−1,1−2からの2つの光を合波して被測定物11に照射する(図3ステップS5)。この動作はステップS1と同じである。
情報処理装置10aの光パワー制御部101は、レーザダイオード1−2から放射される光のパワーP2を漸次変化させる光パワー掃引を行う(図3ステップS6)。この動作はステップS2と同じである。
情報処理装置10aの探索部102は、測定信号の強度が最低となる点を探索する(図3ステップS7)。この動作はステップS3と同じである。
そして、情報処理装置10aの光パワー取得部103は、測定信号の強度が最低となったときに光強度測定装置13の測定結果を取得する(図3ステップS8)。この測定結果は、記憶部105に格納される。こうして、任意の時間t経過後の測定において測定信号の強度が最低となったときにレーザダイオード1−2から放射されている光のパワーP2(t)を測定することができる。
被測定物11内の特定成分(例えばグルコース)の濃度Cは次式により求めることができる。
Figure 0006404741
情報処理装置10aの濃度導出部104は、パワーP2(t=0),P2(t)の測定結果から式(2)により測定値OPBS(t)を求め、この測定値OPBS(t)から被測定物11内の特定成分の濃度Cを導出する(図3ステップS9)。測定値OPBS(t)と特定成分の濃度Cとの関係は、特定成分の濃度Cが既知の被測定物11を用いた実験により予め調べておくことができる。この測定値OPBS(t)と特定成分の濃度Cとの関係は記憶部105に記憶されている。こうして、濃度導出部104は、記憶部105に記憶されている関係に基づいて、測定値OPBS(t)から被測定物11内の特定成分の濃度Cを導出することができる。
以上のように、本実施の形態では、レーザダイオード1−2から放射された光のパワーを直接測定し、被測定物11内の特定成分の濃度Cを導出するので、特定成分の濃度Cを高い精度で測定することが可能になる。
従来のOPBS法では、被測定物11に照射される光のパワーをファンクションジェネレータ8の出力電圧から間接的に求めていたが、一般に、ファンクションジェネレータ8で制御できる光強度の分解能よりも、光強度測定装置13の測定精度の方が高い。したがって、光パワーの測定精度を高めることにより、特定成分の濃度Cの測定精度を高めることができる。
また、従来のOPBS法では、被測定物11に照射される光のパワーをファンクションジェネレータ8の出力電圧で高精度に制御できたとしても、レーザダイオード1−1,1−2の出力のドリフト等により光のパワーが変動するので、パワーの測定精度を高めることは難しい。これに対して、本実施の形態では、レーザダイオード1−2から放射される光のパワーを直接測定するので、パワーの測定精度を高めることができる。
なお、光ファイバ3−2の取り回しによる外乱の影響を防ぐため、光スプリッタ12による光の分岐は光カプラ4にできるだけ近い位置で行うことが望ましい。また、光ファイバ14の取り回しによる外乱の影響を防ぐため、光スプリッタ12と光強度測定装置13とを最短距離で繋ぐことが望ましい。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4は本発明の第2の実施の形態に係る成分濃度測定装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態の成分濃度測定装置は、レーザダイオード1−1,1−2と、レーザドライバ2と、光ファイバ3−1,3−2と、光カプラ4と、光ファイバ5と、音響センサ6と、増幅器7と、ファンクションジェネレータ8と、ロックインアンプ9と、情報処理装置10bと、光スプリッタ12と、レーザダイオード1−1,1−2から放射された光のパワーを測定する光強度測定装置13aと、光ファイバ14と、レーザダイオード1−1から放射され光ファイバ3−1を伝搬する光の一部を分岐させる光スプリッタ15と、光スプリッタ15と光強度測定装置13aとを繋ぐ光ファイバ16とから構成される。
情報処理装置10bとファンクションジェネレータ8とは、光パワー制御手段を構成している。光スプリッタ12,15と光強度測定装置13aと光ファイバ14,16とは、光強度測定手段を構成している。
情報処理装置10bの構成は、情報処理装置10aと同様であるので、図2の符号を用いて説明する。
光強度測定装置13aとしては、光強度測定装置13と同様に、光パワーメータや、フォトダイオードを用いた光強度測定回路を用いることができる。ただし、本実施の形態では、2つのレーザダイオード1−1,1−2から放射される光のパワーを同時に測定するので、2系統の構成が必要になる。
次に、本実施の形態の成分濃度測定装置の動作を図5を参照して説明する。図5のステップS10,S11の処理は、図3のステップS1,S2と同じである。
光強度測定装置13aは、レーザダイオード1−2から放射された光を光スプリッタ12および光ファイバ14を介して受光し、レーザダイオード1−2から放射された光のパワーP2を測定すると同時に、レーザダイオード1−1から放射された光を光スプリッタ15および光ファイバ16を介して受光し、レーザダイオード1−1から放射された光のパワーP1を測定する。
情報処理装置10bの光パワー取得部103は、ステップS11による光パワーP2の掃引開始に応じて光強度測定装置13aの測定結果の取得を開始する(図5ステップS12)。ここでは、レーザダイオード1−1から放射された光のパワーP1の測定結果を取得すればよい。この測定結果は、記憶部105に格納される。
情報処理装置10bの探索部102は、ロックインアンプ9から出力される測定信号の強度が最低(光音響信号の強度が最低)となる点を探索する(図5ステップS13)。
情報処理装置10bの光パワー取得部103は、測定信号の強度が最低となったときに光強度測定装置13aの測定結果を取得する(図5ステップS14)。この測定結果は、記憶部105に格納される。こうして、最初の測定においてレーザダイオード1−2から放射される光のパワーP2を変化させる掃引を開始したときから測定信号の強度が最低となるまでの間にレーザダイオード1−1から放射された光のパワーP1と、測定信号の強度が最低となったときにレーザダイオード1−2から放射されている光のパワーP2(t=0)とを測定することができる。
次に、測定開始時から任意の時間t経過後における測定について説明する。図5のステップS15,S16,S17,S18の処理は、ステップS10,S11,S12,S13と同じである。
情報処理装置10bの光パワー取得部103は、ロックインアンプ9から出力される測定信号の強度が最低となったときに光強度測定装置13aの測定結果を取得する(図5ステップS19)。この光強度測定装置13aの測定結果は、記憶部105に格納される。こうして、任意の時間t経過後の測定においてレーザダイオード1−2から放射される光のパワーP2を変化させる掃引を開始したときから測定信号の強度が最低となるまでの間にレーザダイオード1−1から放射された光のパワーP1と、測定信号の強度が最低となったときにレーザダイオード1−2から放射されている光のパワーP2(t)とを測定することができる。
最初の測定においてレーザダイオード1−2から放射される光のパワーP2を変化させる掃引を開始したときから測定信号の強度が最低となるまでの間にレーザダイオード1−1から放射された光のパワーP1の時間平均をP1(t=0)、任意の時間t経過後の測定においてレーザダイオード1−2から放射される光のパワーP2を変化させる掃引を開始したときから測定信号の強度が最低となるまでの間にレーザダイオード1−1から放射された光のパワーP1の時間平均をP1(t)とすると、被測定物11内の特定成分(例えばグルコース)の濃度Cは次式により求めることができる。
Figure 0006404741
情報処理装置10bの濃度導出部104は、パワーP1(t=0),P2(t=0),P1(t),P2(t)の測定結果から式(3)により測定値OPBS(t)を求め、この測定値OPBS(t)から被測定物11内の特定成分の濃度Cを導出する(図5ステップS20)。第1の実施の形態と同様に、測定値OPBS(t)と特定成分の濃度Cとの関係は、特定成分の濃度Cが既知の被測定物11を用いた実験により予め調べておくことができる。この測定値OPBS(t)と特定成分の濃度Cとの関係は記憶部105に記憶されている。こうして、濃度導出部104は、記憶部105に記憶されている関係に基づいて、測定値OPBS(t)から被測定物11内の特定成分の濃度Cを導出することができる。
以上のように、本実施の形態では、レーザダイオード1−1,1−2から放射された光のパワーを直接測定し、被測定物11内の特定成分の濃度Cを導出するので、特定成分の濃度Cを高い精度で測定することが可能になる。
第1、第2の実施の形態では、レーザダイオード1−1から放射される光のパワーP1を一定としているが、実際にはレーザダイオード1−1の出力のドリフトや光ファイバ3−1の取り回しによる外乱の影響を受ける。本実施の形態では、レーザダイオード1−1から放射される光のパワーを直接測定するので、ドリフトや外乱の影響を除くことができ、第1の実施の形態と比較して、より高い精度で特定成分の濃度Cを測定することが可能になる。
なお、光ファイバ3−1の取り回しによる外乱の影響を防ぐため、光スプリッタ15による光の分岐は光カプラ4にできるだけ近い位置で行うことが望ましい。また、光ファイバ14,16の取り回しによる外乱の影響を防ぐため、光スプリッタ12,15と光強度測定装置13aとを最短距離で繋ぐことが望ましい。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図6は本発明の第3の実施の形態に係る成分濃度測定装置の構成を示すブロック図であり、図1、図4と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態の成分濃度測定装置は、レーザダイオード1−1,1−2と、レーザドライバ2と、光ファイバ3−1,3−2と、光カプラ4と、光ファイバ5と、音響センサ6と、増幅器7と、ファンクションジェネレータ8と、ロックインアンプ9と、情報処理装置10cと、レーザダイオード1−1,1−2から放射された光のパワーを測定する光強度測定装置13bと、光カプラ4によって合波され光ファイバ5を伝搬する光の一部を分岐させる光スプリッタ17と、光スプリッタ17と光強度測定装置13bとを繋ぐ光ファイバ18とから構成される。
情報処理装置10cとファンクションジェネレータ8とは、光パワー制御手段を構成している。光スプリッタ17と光強度測定装置13bと光ファイバ18とは、光強度測定手段を構成している。
情報処理装置10cの構成は、情報処理装置10aと同様であるので、図2の符号を用いて説明する。
光強度測定装置13bとしては、光強度測定装置13と同様に、光パワーメータや、フォトダイオードを用いた光強度測定回路を用いることができる。ただし、本実施の形態では、2つのレーザダイオード1−1,1−2から放射され光カプラ4によって合波された光を分離して、分離した光のパワーを同時に測定するので、2系統の構成に加えて、光強度測定装置13bの内部で光を分離する構成が必要になる。上記のとおり、2つのレーザダイオード1−1,1−2から放射される光の波長は異なるので、周知の波長分離手段によって2つの光を分離して、別々にパワーを測定することができる。
次に、本実施の形態の成分濃度測定装置の動作を説明する。本実施の形態においても、成分濃度測定装置の処理の流れは第2の実施の形態と同様であるので、図5の符号を用いて説明する。
上記で説明したとおり、図5のステップS10,S11の処理は、図3のステップS1,S2と同じである。
光強度測定装置13bは、光カプラ4によって合波された光を光スプリッタ17および光ファイバ18を介して受光し、受光した光をレーザダイオード1−1から放射された光とレーザダイオード1−2から放射された光に分離して、レーザダイオード1−1から放射された光のパワーP1を測定すると同時に、レーザダイオード1−2から放射された光のパワーP2を測定する。
情報処理装置10cの光パワー取得部103は、ステップS11による光パワーP2の掃引開始に応じて光強度測定装置13bの測定結果の取得を開始する(図5ステップS12)。ここでは、レーザダイオード1−1から放射された光のパワーP1の測定結果を取得すればよい。この測定結果は、記憶部105に格納される。
情報処理装置10cの探索部102は、ロックインアンプ9から出力される測定信号の強度が最低となる点を探索する(図5ステップS13)。
情報処理装置10cの光パワー取得部103は、測定信号の強度が最低となったときに光強度測定装置13bの測定結果を取得する(図5ステップS14)。この測定結果は、記憶部105に格納される。こうして、最初の測定においてレーザダイオード1−2から放射される光のパワーP2を変化させる掃引を開始したときから測定信号の強度が最低となるまでの間にレーザダイオード1−1から放射された光のパワーP1と、測定信号の強度が最低となったときにレーザダイオード1−2から放射されている光のパワーP2(t=0)とを測定することができる。
次に、測定開始時から任意の時間t経過後における測定について説明する。上記で説明したとおり、図5のステップS15,S16,S17,S18の処理は、ステップS10,S11,S12,S13と同じである。
情報処理装置10cの光パワー取得部103は、測定信号の強度が最低となったときに光強度測定装置13bの測定結果を取得する(図5ステップS19)。この測定結果は、記憶部105に格納される。こうして、任意の時間t経過後の測定においてレーザダイオード1−2から放射される光のパワーP2を変化させる掃引を開始したときから測定信号の強度が最低となるまでの間にレーザダイオード1−1から放射された光のパワーP1と、測定信号の強度が最低となったときにレーザダイオード1−2から放射されている光のパワーP2(t)とを測定することができる。
情報処理装置10cの濃度導出部104は、パワーP1(t=0),P2(t=0),P1(t),P2(t)の測定結果から式(3)により測定値OPBS(t)を求め、この測定値OPBS(t)から被測定物11内の特定成分の濃度Cを導出する(図5ステップS20)。
以上のように、本実施の形態では、レーザダイオード1−1,1−2から放射される光のパワーを直接測定し、被測定物11内の特定成分の濃度Cを導出するので、特定成分の濃度Cを高い精度で測定することが可能になる。
本実施の形態では、第2の実施の形態と同様にレーザダイオード1−1,1−2から放射される光のパワーを直接測定するが、光カプラ4によって合波された光を分岐して光パワーを測定するので、光ファイバ3−1,3−2,5の取り回しによる外乱の影響を除くことができ、第2の実施の形態と比較して、より高い精度で特定成分の濃度Cを測定することが可能になる。
なお、光ファイバ5の取り回しによる外乱の影響を防ぐため、光スプリッタ17による光の分岐は被測定物11にできるだけ近い位置で行うことが望ましい。また、光ファイバ18の取り回しによる外乱の影響を防ぐため、光スプリッタ17と光強度測定装置13bとを最短距離で繋ぐことが望ましい。
また、第2、第3の実施の形態では、最初の測定においてレーザダイオード1−2から放射される光のパワーP2を変化させる掃引を開始したときから測定信号の強度が最低となるまでの間にレーザダイオード1−1から放射された光のパワーP1の時間平均をP1(t=0)、任意の時間t経過後の測定においてレーザダイオード1−2から放射される光のパワーP2を変化させる掃引を開始したときから測定信号の強度が最低となるまでの間にレーザダイオード1−1から放射された光のパワーP1の時間平均をP1(t)としているが、最初の測定において測定信号の強度が最低となったときにレーザダイオード1−1から放射されている光のパワーをP1(t=0)、任意の時間t経過後の測定において測定信号の強度が最低となったときにレーザダイオード1−1から放射されている光のパワーをP1(t)としてもよい。
また、第1〜第3の実施の形態において、測定値OPBS(t)は2つの波長の被測定物のグルコース濃度あるいは温度に対する光吸収係数応答特性B[−/(g/dL)]あるいはB[−/deg.C]の差によって決まる。例えば、グルコース濃度が1g/dL変わった時に変化する吸収係数の差が10-3/(g/dL)とするとグルコースの濃度変化を10mg/dLオーダで測定を行うためには、光強度測定装置13,13a,13bの測定精度は有効数字5ケタ程度以上であることが望ましい。
第1〜第3の実施の形態の情報処理装置10a,10b,10cは、例えばCPU(Central Processing Unit)、記憶装置およびインタフェースを備えたコンピュータとこれらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1〜第3の実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、血液グルコース、アルブミン等の成分の濃度をモニターする技術に適用することができる。
1−1,1−2…レーザダイオード、2…レーザドライバ、3−1,3−2,5,14,16,18…光ファイバ、4…光カプラ、6…音響センサ、7…増幅器、8…ファンクションジェネレータ、9…ロックインアンプ、10a,10b,10c…情報処理装置、11…被測定物、12,15,17…光スプリッタ、13,13a,13b…光強度測定装置、101…光パワー制御部、102…探索部、103…光パワー取得部、104…濃度導出部、105…記憶部。

Claims (4)

  1. 互いに異なる波長の2波の光を同一の周波数で且つ異なる位相の信号によりそれぞれ強度変調する光照射手段と、
    この光照射手段から放射された2つの強度変調光を伝搬させる第1、第2の光ファイバと、
    この第1、第2の光ファイバを伝播した2つの強度変調光を合波して被測定物に照射する光カプラと、
    前記2つの強度変調光のうち一方の光のパワーを変化させる光パワー制御手段と、
    光照射によって前記被測定物から発生する光音響信号を検出して電気信号を出力する光音響信号検出手段と、
    前記第1、第2の光ファイバを伝搬する光の一部を分岐させ、前記光照射手段から前記光カプラに入射する途中の2つの強度変調光のパワーを測定する光強度測定手段と、
    この光強度測定手段の測定結果に基づいて前記被測定物に含まれる測定対象の成分の濃度を導出する濃度導出手段とを備え、
    前記濃度導出手段は、1回目の測定時点において前記電気信号の強度が最低となったときの前記一方の光のパワーと、1回目の測定時点において前記一方の光のパワーを変化させたときから前記電気信号の強度が最低となるまでの間の他方の光のパワーの時間平均、または前記電気信号の強度が最低となったときの前記他方の光のパワーと、2回目の測定時点において前記電気信号の強度が最低となったときの前記一方の光のパワーと、2回目の測定時点において前記一方の光のパワーを変化させたときから前記電気信号の強度が最低となるまでの間の前記他方の光のパワーの時間平均、または前記電気信号の強度が最低となったときの前記他方の光のパワーとに基づいて、前記測定対象の成分の濃度を導出することを特徴とする成分濃度測定装置。
  2. 互いに異なる波長の2波の光を同一の周波数で且つ異なる位相の信号によりそれぞれ強度変調する光照射手段と、
    この光照射手段から放射された2つの強度変調光を合波して被測定物に照射する光カプラと、
    この光カプラから前記被測定物まで合波光を伝搬させる光ファイバと、
    前記2つの強度変調光のうち一方の光のパワーを変化させる光パワー制御手段と、
    光照射によって前記被測定物から発生する光音響信号を検出して電気信号を出力する光音響信号検出手段と、
    前記光ファイバを伝搬する光の一部を分岐させ、前記光カプラから前記被測定物に照射される途中の2つの強度変調光のパワーを測定する光強度測定手段と、
    この光強度測定手段の測定結果に基づいて前記被測定物に含まれる測定対象の成分の濃度を導出する濃度導出手段とを備え、
    前記濃度導出手段は、1回目の測定時点において前記電気信号の強度が最低となったときの前記一方の光のパワーと、1回目の測定時点において前記一方の光のパワーを変化させたときから前記電気信号の強度が最低となるまでの間の他方の光のパワーの時間平均、または前記電気信号の強度が最低となったときの前記他方の光のパワーと、2回目の測定時点において前記電気信号の強度が最低となったときの前記一方の光のパワーと、2回目の測定時点において前記一方の光のパワーを変化させたときから前記電気信号の強度が最低となるまでの間の前記他方の光のパワーの時間平均、または前記電気信号の強度が最低となったときの前記他方の光のパワーとに基づいて、前記測定対象の成分の濃度を導出することを特徴とする成分濃度測定装置。
  3. 互いに異なる波長の2波の光を同一の周波数で且つ異なる位相の信号によりそれぞれ強度変調して得られた2つの強度変調光を第1、第2の光ファイバによって伝播させ、この第1、第2の光ファイバを伝播した2つの強度変調光を光カプラによって合波して被測定物に照射する光照射ステップと、
    前記2つの強度変調光のうち一方の光のパワーを変化させる光パワー制御ステップと、
    光照射によって前記被測定物から発生する光音響信号を検出して電気信号を出力する光音響信号検出ステップと、
    前記第1、第2の光ファイバを伝搬する光の一部を分岐させ、前記光カプラに入射する途中の2つの強度変調光のパワーを測定する光強度測定ステップと、
    この光強度測定ステップの測定結果に基づいて前記被測定物に含まれる測定対象の成分の濃度を導出する濃度導出ステップとを含み、
    前記濃度導出ステップは、1回目の測定時点において前記電気信号の強度が最低となったときの前記一方の光のパワーと、1回目の測定時点において前記一方の光のパワーを変化させたときから前記電気信号の強度が最低となるまでの間の他方の光のパワーの時間平均、または前記電気信号の強度が最低となったときの前記他方の光のパワーと、2回目の測定時点において前記電気信号の強度が最低となったときの前記一方の光のパワーと、2回目の測定時点において前記一方の光のパワーを変化させたときから前記電気信号の強度が最低となるまでの間の前記他方の光のパワーの時間平均、または前記電気信号の強度が最低となったときの前記他方の光のパワーとに基づいて、前記測定対象の成分の濃度を導出するステップを含むことを特徴とする成分濃度測定方法。
  4. 互いに異なる波長の2波の光を同一の周波数で且つ異なる位相の信号によりそれぞれ強度変調して得られた2つの強度変調光を光カプラによって合波し、この光カプラから被測定物まで光ファイバによって合波光を伝搬させる光照射ステップと、
    前記2つの強度変調光のうち一方の光のパワーを変化させる光パワー制御ステップと、
    光照射によって前記被測定物から発生する光音響信号を検出して電気信号を出力する光音響信号検出ステップと、
    前記光ファイバを伝搬する光の一部を分岐させ、前記光カプラから前記被測定物に照射される途中の2つの強度変調光のパワーを測定する光強度測定ステップと、
    この光強度測定ステップの測定結果に基づいて前記被測定物に含まれる測定対象の成分の濃度を導出する濃度導出ステップとを含み、
    前記濃度導出ステップは、1回目の測定時点において前記電気信号の強度が最低となったときの前記一方の光のパワーと、1回目の測定時点において前記一方の光のパワーを変化させたときから前記電気信号の強度が最低となるまでの間の他方の光のパワーの時間平均、または前記電気信号の強度が最低となったときの前記他方の光のパワーと、2回目の測定時点において前記電気信号の強度が最低となったときの前記一方の光のパワーと、2回目の測定時点において前記一方の光のパワーを変化させたときから前記電気信号の強度が最低となるまでの間の前記他方の光のパワーの時間平均、または前記電気信号の強度が最低となったときの前記他方の光のパワーとに基づいて、前記測定対象の成分の濃度を導出するステップを含むことを特徴とする成分濃度測定方法。
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