JP6605878B2 - 締め付け装置 - Google Patents

Description

本発明は、後端部に係合孔を伴って形成された工具保持脚部を解放可能に保持するための締め付け装置に関し、締め付け装置は：
前方に面する表面、及び前方に面する表面と交差し、かつ工具保持脚部を受け入れるために前方に面する表面から後方に延伸する設置孔を有するハウジング；
ハウジングの内側で往復運動可能に設置された引っ張り棒であって、前端部において、工具保持脚部の係合孔の内側の係合構成と係合するように適合された係合手段が提供され、後部において、引っ張り棒の長手方向の軸に関して横方向に引っ張り棒を通って延伸する引っ張り棒開口部を伴って形成された、引っ張り棒；並びに
引っ張り棒開口部を通って延在し、かつカム構成を備えるカムシャフトであって、ハウジング内で回転可能にジャーナル支持され、かつカムシャフトを回転させるときの、カム構成によってハウジングに関する引っ張り棒の軸方向の移動を与えるように適合された、カムシャフトを備える。

上の導入部分で概説された締め付け装置は、製造業内で、よく知られており、かつ様々な材料の加工対象物の機械加工のための種々の工具を保持するために当該製造業内で広く使用されている。締め付け装置は、随意に、例えば、ドリル若しくはフライス工具を保持するために、回転可能なスピンドル上に配置され得、又は例えば、旋削工具を保持するために回転不可能であり得る。

この種の締め付け装置を用いることの１つの大きな利点は、約１００°から２００°までカムシャフトを単に回転させることによって工具の素早い締め付けを可能にし、それは、工具が大きな力でハウジングの設置孔に引き込まれること、かつそれによって、締め付け装置によってしっかりと保持されることをもたらす。また、工具の解放は、容易であり得、かつカムシャフトを逆方向へ回転させることによって急速に実行され得る。通常は、工具保持脚部と同様にハウジングの孔は、また、それらが工具から後方へ軸方向に先細になるように、わずかに円錐状に作られている。このやり方において、工具と締め付け装置との間の接続は、また、任意の動きを完全に免れ、このことは、工具による高精度な機械加工を可能にする正確な位置に工具が保持されることをもたらすに違いない。

しかしながら、この種の先行技術の締め付け装置を用いることの１つの欠点は、工具保持脚部の望ましい断面寸法が頻繁に使用されることによって、引っ張り棒が、ハウジングの前端部からその孔を通して挿入されることができないように、比較的大きな断面寸法を伴って作られるということである。引っ張り棒がそのような大きな断面寸法を伴って作られなければならない理由は、引っ張り棒開口部が、締め付け及び解放の間にカムシャフトの回転を実行するオペレータのために、カムシャフトの望ましい移動及び望ましい力の低減を提供するために、十分なサイズのカム構成を有するカムシャフトを受け入れる必要があるからである。しかしながら、それによって工具保持脚部が脚部孔の中へ引き込まれる望ましい力に耐えるために、引っ張り棒の十分な引張強度を保証するために、引っ張り棒開口部を取り囲む引っ張り棒の残っている脚部分は、十分な断面寸法を伴って作られなければならない。締め付け装置の先行技術の設計の実施例は、本明細書におけるこれ以後の本発明の詳細な説明との関連でより詳細に説明される。したがって、締め付け装置を組み立てる場合に、引っ張り棒を適当な場所に位置決めするために、引っ張り棒は、現在まで、締め付け装置の後端部から挿入されてきており、又は脚部孔スリーブが、引っ張り棒が前端部からハウジングの中へ挿入された後で、締め付け装置の前端部に設置されてきた。このことの１つの結論は、締め付け装置の全体の寸法が、望ましいものと比べて小さく、かつ細く作られることができないということである。別の結論は、締め付け装置は、締め付け装置を製造することがより高価になることをもたらす余剰な設置詳細部分を備えるということであり、それは材料の費用及び組立を実行するための費用の両方に関するものである。

本発明の目的は、それによって引っ張り棒がハウジングの前端部からその孔を通ってハウジングの中へ挿入される、締め付け装置を提供することである。少なくともこの目的は、請求項１に記載の締め付け装置によって達成され得る。

したがって、本発明の基礎は、引っ張り棒がハウジングの前端部からハウジングの孔を通って挿入され得るように、非常に小さい全体の断面寸法を有する引っ張り棒が作られ得るという洞察である。このことは、先行技術の締め付け装置におけるように、単一の連続的なカム構成の代わりに、カム構成を２つの個別のカム構成へ分割する凹部を有するカムシャフトが提供されることによって達成される。このやり方において、２つの脚部分の内側表面を提供することが可能であり、２つの脚部分は引っ張り棒の前方及び後方部分を互いに相互接続し、引っ張り棒の長手方向において強化する頂上部を有し、その頂上部は、カムシャフトを回転させるときに、カム構成間の凹部内にフィットする。引っ張り棒の構造的な強度に対するこれらの頂上部からの貢献のために、引っ張り棒の全体の断面寸法は小さく作られることができるので、引っ張り棒は、ハウジングの前端部からハウジングの孔を通って挿入されることができる。引っ張り棒を通るカムシャフトのための開口部は、軸方向に垂直な方向よりも軸方向においてより大きい自由空間を伴って作られることができ、それによって、カムシャフトの最も大きい寸法は、開口部を通るカムシャフトの挿入の間に軸方向において方向付けられ得る。

本発明が、特許請求の範囲内で、多くの種々のやり方によって変形され得、かつ修正され得ることは明らかである。例えば、本明細書のこれ以後において説明され、かつ示される本発明の例示的な実施形態において、締め付け装置の設置孔は、円錐状に形成され、かつ類似するように形作られた設置脚部を有する工具保持部を締め付けるために、いくらか「三角形」又は多角形の断面を有する。しかしながら、設置孔は、また、他のタイプの設置脚部を締め付けるために種々の形を有し得る。更に、例示的な実施形態において、締め付け装置の引っ張り棒は、前端部において着脱可能なボルトが提供される。このことは、引っ張り棒を通る冷却媒体のための流路を配置することをより容易にするので、とりわけ有利である。しかしながら、無論、引っ張り棒は、また、引っ張り棒の残りの部分と統合される適切な形の前方に向けられたスタッドを伴って形成され得る。

この出願全体の説明及び特許請求の範囲において、「前方」という用語は、それを通って工具保持脚部が締め付けの間に挿入される、設置孔の外側開口部に向かう方向又は位置を示すために使用される。その類推において、「後部」又は「後方」という用語は、設置孔の外側開口部から離れる方向又は位置を示すために使用される。

本発明による締め付け装置の例示的な実施形態と同様に、先行技術の締め付け装置の実施形態が、本明細書のこれ以後において図面を参照しながら説明される。

先行技術の締め付け装置の実施形態を示している。 先行技術の締め付け装置の実施形態を示している。 先行技術の締め付け装置の実施形態を示している。 工具保持部に結合された本発明による締め付け装置の斜視図である。 図４による分解斜視図である。 締め付け装置のカムシャフトの斜視図である。 図６のカムシャフトの下から見た図である。 締め付け装置の引っ張り棒の斜視図である。 図８における引っ張り棒のカットオフ斜視図である。 締め付け装置のハウジング、引っ張り棒、及びカムシャフトの部分的カットスルー斜視図である。 初期段階、ロックされていない段階における図１２のＸＩ‐ＸＩ線に沿った、締め付け装置及び工具保持部を通る長手方向の断面である。 図１１による側面図である。 図１１及び図１２による部分的カットスルー斜視図である。 起動された段階、ロックされた段階における図１２のＸＩ‐ＸＩ線に沿った、締め付け装置及び工具保持部を通る長手方向の断面である。 図１４におけるＸＶ線に沿った長手方向の断面である。 図１４におけるＸＶＩ線に沿った長手方向の断面である。 図１４におけるＸＶＩＩ‐ＸＶＩＩ線に沿った断面である。 解放された段階、ロックされていない段階における図１２のＸＩ‐ＸＩ線に沿った、締め付け装置及び工具保持部を通る長手方向の断面である。 図1８におけるＸＩＸ線に沿った長手方向の断面である。 図１８におけるＸＸ線に沿った長手方向の断面である。

（先行技術の締め付け装置の詳細な説明）
請求項１の前文による先行技術の締め付け装置が、今や、図１から図３を参照することによって短く説明される。この先行技術の締め付け装置は、回転不可能な種類のものであり、例えば、旋削工具を保持するように適合されている。図１から明らかなように、締め付け装置１の外側ハウジングは、概して箱状に形作られ、かつ概略的に示されている工具保持部２に接続されるように示されている。図２は、締め付け装置の中に備えられる全ての個別の構成要素を示す、締め付け装置及び工具保持部の分解斜視図である。構成要素のうちの１つは、ハウジングの中の孔４に挿入される引っ張り棒３である。引っ張り棒３は、締め付け機構を制御し、その機能はここでは説明されず、工具保持部がしっかりと締め付け機構に結合されるロックされた段階と、工具保持部が締め付け装置から解放される解放段階との間にある。締め付け機構の制御は、ハウジングの中の孔４の軸方向における引っ張り棒３の移動によって実行される。引っ張り棒の移動は、今度は、ハウジングを通って、かつ引っ張り棒開口部を通って延在するカムシャフト５を回転させることによって実行され、かつカムシャフト５は、引っ張り棒を通る開口部の後部表面上で望ましいように作動することができるカム構成が提供され、カム構成は、引っ張り棒を後方に移動させ、又は前方表面上で望ましいように作動することができるカム構成が提供され、それは、適切に、引っ張り棒を前方に移動させる。

しかしながら、解放カム表面と同様にロッキングカム平面を備えるカム構成のために、カムシャフトは、どちらかというと大きい断面寸法を有し、その結果、引っ張りの棒開口部は、そのカム構成を有するカムシャフトを受け入れるために、対応する大きな断面寸法を有するように形成されなければならない。結果として、引っ張り棒は、引っ張り棒の前方部分及び後部分を接続し、かつ引っ張り棒開口部のそれぞれの側部上に位置付けられる、脚部分もまた生じる得る力に耐えるために特定の断面寸法を有しなければならないので、どちらかというと大きい断面寸法を有するように形成される。これは、工具及び工具保持部のための設置脚部の一般的に使用される寸法を伴って、引っ張り棒が、通路が小さすぎるので、締め付け装置の前端部から挿入されることができないということをもたらす。本明細書において開示される先行技術の締め付け装置において、この問題は、工具保持部の設置脚部のための脚部孔を画定するハウジングの孔４内に個別のスリーブ６を設置することによって解決されてきた。したがって、引っ張り棒は、脚部孔スリーブ６を設置する前に、ハウジングの中へ設置される。

そのような解決法の１つの問題は、締め付け装置を製造するための費用が増加するということである。別の問題は、個別の脚部孔スリーブを使用することは、それ自身の製造公差を有する１つの更なる構成要素を導入するということであり、それは、工具によって実行される機械加工作業の精度を悪化させる。
（本発明による締め付け装置の実施形態の詳細な説明）

最初に図４が参照され、そこでは、本発明による締め付け装置１０、及び締め付け装置の前端部に結合された概略的なカットオフされた工具保持部１１が、斜視図において示されている。工具保持部は、ここで概略的に示されており、それによって、そのカットオフ、後端部だけが示されているが、実際には、機械加工工具の何らかの形態が工具保持部に接続され、それは、工具保持部と統合されるか、又は個別の接続された部品としてかのいずれかにおいてである。後端部において、締め付け装置は、設置胴部１２が提供され、それは、例えば、示されていない作業機械の回転するスピンドルなどに接続されるように適合される。締め付け装置は、内側の孔１４を有する、いくらか細長い円筒状の形のハウジング１３を備える（図５参照）。そのエンベロープ表面において、ハウジングは、ハウジングを通るカムシャフト１６の設置のための通り孔１５が提供され、かつそれは、カムシャフトの端部においてヘックスソケットドライブ（ｈｅｘ ｓｏｃｋｅｔ ｄｒｉｂｅ）１７の形態における係合構成へのアクセスを与える。

図５は、締め付け装置の部分を形成する様々な構成要素を示す、図４による締め付け装置及び工具保持部１１の分解斜視図である。締め付け装置のように、また、工具保持部は設置脚部１８が提供され、それらは両方とも、示されている実施形態において、ＵＳ５３４０２４８において開示される種類のものであり、軸方向の孔、及びいくらか「三角形」又は多角形、すなわち円形ではない断面を有する円錐状の脚部を備え、それは、対応するように形作られた孔１４の中へ引き込まれるように適合される。円錐状の形は、軸方向と同様に半径方向の動きがない接続を保証し、一方、「三角形」の形は、設置孔に関する設置脚部の回転不可能な固定を保証する。工具保持部の設置脚部１８を締め付け装置の設置孔に引き込むために、後者は、円筒形状に形成されたハウジング１３の孔１４内に配置される、引っ張り棒１９、圧縮バネ２０、補強リング２１、弾力性を有するオーリング２２、複数の係合セグメント２３、及びエンドボルト（ｅｎｄ ｂｏｌｔ）２４を備える結合機構が提供される。２つの密封リング２５が、また、引っ張り棒とハウジングの内側の孔との間に配置される。通り孔１５は、その中心軸２６に垂直なハウジングを通って形成され、かつ組立てられた状態において、カムシャフト１６は、通り孔の中へ挿入され、かつ引っ張り棒開口部２７を通って挿入される。

カムシャフト１６は、図６による斜視図、図７による端面図においてより詳細に示され、図７は、図６の下から見られたものである。一端部において、カムシャフトは、カムシャフトを設定するためのヘックスソケットレンチによって係合されるように適合されたヘックスソケットドライブ１７の形態における係合構成を用いて形成された頭部を備える。ヘックスソケットドライブの周りで、頭部は、ハウジングの一側面において回転可能にジャーナル支持された、座面２８として機能する大きい円形の表面が提供される。カムシャフトの中間部分は、凹部３０によって間隔を空けられた２つの同一なカム構成２９を有するように形成され、それは、カムシャフトの周方向において延伸する。他方の端部において、カムシャフトは、ハウジングの他の側面において回転可能にジャーナル支持された、座面３１として機能する小さい円形の表面が提供され、ハウジングに関する回転の程度を制限するためのストップラグ（ｓｔｏｐ ｌｕｇ）３２もまた同様に提供される。図７から見られ得るように、カム構成は、各々、２つのカム表面を有する。より具体的には、最初の１つは、設置孔から離れる軸方向において引っ張り棒を後方へ移動させるために作動可能であり、かつ工具を締め付け装置にロックするロッキングカム表面３３であり、次の１つは、設置孔へ向かって軸方向において引っ張り棒を前方へ移動させるために作動可能であり、かつ工具を締め付け装置から解放する解放カム表面３４である。

今度は図８及び図９を参照すると、引っ張り棒１９は、完全な斜視図及びカットオフ斜視図においてそれぞれ示されている。この種の先行技術の締め付け装置のように、開口部２７は、その長手方向の軸に垂直な方向において引っ張り棒を通って形成され、それを通って、カムシャフトが締め付け装置の組立てられた状態において延在する。しかしながら、本発明にしたがって、２つの脚部分３５の内側表面は、引っ張り棒の前方部分及び後方部分を互いに相互接続し、引っ張り棒の長手方向において強化する頂上部３６が提供され、その頂上部は、カムシャフトを回転させるときに、カム構成２９間の凹部３０内にフィットする。引っ張り棒の構造的な強度に対するこれらの頂上部からの貢献のために、引っ張り棒の全体の断面寸法は小さく作られることができるので、引っ張り棒は、ハウジングの前端部からハウジングの孔を通って挿入されることができる。引っ張り棒を通るカムシャフトのための開口部は、軸方向に垂直な方向よりも軸方向においてより大きい自由空間を伴って作られることができ、それによって、カムシャフトの最も大きい寸法は、図１０において示されるように、開口部２７を通るカムシャフト１６の挿入の間に軸方向において方向付けられ得る。

図１１は、全てのその構成要素が適切な位置に設置された、組立てられた状態の工具保持部１１及び締め付け装置１０の長手方向の軸又は中心軸に沿った断面である。締め付け装置は、ここでは、工具脚部１８がちょうど設置孔に挿入されたが、カムシャフト１６が起動されてしまう前の場合の初期状態であり、カムシャフト１６が起動されてしまうと、工具脚部は、締め付け装置に結合されてしまい、ハウジング１３の設置孔の中への大きな力によって引き込まれる。見られ得るように、エンドボルト２４は、引っ張り棒１９の前端部の孔の中へねじ留めされ、かつその中心軸２６と同心である。更に、係合セグメント２３は、工具保持部の後端部における係合孔の内側表面と、エンドボルト及び引っ張り棒の前端部との間に形成された空間内の、引っ張り棒及びエンドボルトの周りに設置される。係合セグメントは、補強リング２１の内側の溝と係合している各々の係合セグメントの外側延伸フランジ部３７によって適切な位置に保持され、かつ弾力性を有するオーリング２２は、係合セグメントの後端部における外側に面する溝構成内に位置決めされる。係合セグメントの前端部は、外側に向けられた係合フランジ３８を伴って形成され、それらは、工具保持部の係合孔の内側の内側係合溝４８との係合へ向かうように適合されているが、係合溝との係合から外れたこの初期状態にある。更に、圧縮バネ２０は、引っ張り棒１９と補強リング２１との間に設置され、かつ補強リング及び係合セグメントを前方へ移動させるように作動する。この初期段階において、解放カム表面３４が引っ張り棒開口部の前方表面上で作動し、かつ引っ張り棒を前方へ押すように、カムシャフトが回転される。

図１１の初期段階から、図１２において示されるように、解放位置からロック位置へとカムシャフトは約１０５°回転され得、そこで、カム構成のロッキングカム表面３３は、引っ張り棒開口部の後部表面上で作動し、かつ引っ張り棒１９を後方へ押す。このロック位置は、図１３による締め付け装置及び工具保持部の中心軸２６に沿った部分的カットスルー斜視図、及び図１４による中心軸に沿った長手方向の断面において示されている。これらの図面から見られ得るように、補強リング２１及び係合セグメント２３は、未だ、圧縮バネ２０によって工具保持脚部１８の端面に向かって前方に押されており、一方、引っ張り棒１９及びエンドボルト２４は、引っ張り棒開口部の後部表面上で作動するカムシャフト１６のロッキングカム表面３３によって後方へ引かれる。これは、係合セグメントの前端部が、エンドボルト２４上の後方に面する斜めの表面３９上をスライドすることによって、外側に移動されることをもたらす。このやり方において、係合セグメントの前端部上の係合フランジ３８は、外側へ移動され、かつ工具保持部の係合孔の内側の係合溝の中へ移動され、それによって、工具保持脚部１８は、引っ張り棒１９によって、ハウジングの設置孔の表面に抗するしっかりとした支持へと引かれる。

図１５は、図１４におけるＸＶ線に沿った長手方向の断面であり、引っ張り棒開口部２７の後部表面上で作動するロッキングカム表面３３を示しており、かつ結論として、引っ張り棒１９をロックされた段階へと後方へ押している。

図１６は、図１４におけるＸＶＩ線に沿った長手方向の断面であり、ロックされた位置におけるカムシャフトのストップラグ３２を示している。しかしながら、停止位置は、例えば、工具保持脚部及び締め付け装置のロッキング機構の部分である構成要素の正確な寸法に応じていくらか変化し得るので、正確に予め定義された位置ではない。

図１７は、図１４のＸＶＩＩ‐ＸＶＩＩ線に沿った断面であり、ロックされた段階の引っ張り棒のカム部分２９間の凹部内に位置決めされた引っ張り棒の脚部分３５のうちの１つの内側表面上の強化する頂上部３６を示している。

図１８において、締め付け装置の解放段階における工具保持部１１及び締め付け装置１０の中心軸２６に沿った、長手方向の断面が示されている。明らかなように、カムシャフト１６は、各々のカム部分が引っ張り棒開口部の前方表面上で作動し、かつ引っ張り棒１９が、それ故、前方に押されるように、解放位置へと回転される。したがって、係合セグメント２３は、それらの係合が、工具保持脚部の係合孔の内側上の係合溝から係合解除されるように、内側へ移動され、工具保持脚部は、今度はそれ故、ハウジング１０の設置孔から引き出され得る。

図１９は、図１８におけるＸＩＸ線に沿った長手方向の断面であり、引っ張り棒開口部２７の後部表面上で作動するカムシャフトの解放カム表面３４を示しており、かつ引っ張り棒１９を前方へ押している。

図２０は、図１８におけるＸＸ線に沿った長手方向の断面であり、解放された位置におけるカムシャフトのストップラグ３２を示している。ロッキング位置とは異なって、解放位置は、ハウジング内に形成された凹部によって決められた確実な位置であり、それは、カムシャフトがその位置よりも更に回転することができるのは望ましくないからである。

本発明の例示された実施形態は、また、冷却媒体のための流路のシステムが提供され、それは、随意に、液体又は気体であり得、設置胴部から工具保持部の外側端部における開示されていない機械加工工具への冷却媒体の流通を可能にする。流路は、共通して参照番号４０によって示され、図１１、図１４、及び図１８から見られ得るように、ハウジングの設置胴部１２の後端部からハウジングの孔へ延伸し、図８、図９、図１０、及び図１７から見られるように、引っ張り棒１９及びその脚部分３５を通して、かつ図５から見られ得るように、引っ張り棒の前端部の中へ広がっている。その後、冷却媒体は、締め付け装置の係合機構を通って流れ得、かつその後、図５、図１０、図１１及び図１８から見られ得るように、エンドボルト内に形成されたチャネルを通して工具保持部の係合孔へと到達する。このように配置された流路システムの１つの利点は、冷却媒体が引っ張り棒開口部及びそこに位置決めされたカムシャフトを通らないということであり、それによって、カムシャフトは、カムシャフトとハウジングとの間の冷却流体の漏れを避けるために密封される必要がないということである。代わりに、引っ張り棒と、引っ張り棒開口部の各々の側面上のハウジングの内側孔との間に、密封リング２５を配置すれば十分である。

１ 締め付け装置
２ 工具保持部
３ 引っ張り棒
４ ハウジングの孔
５ カムシャフト
６ スリーブ
１０ 締め付け装置
１１ 工具保持部
１２ 設置胴部
１３ ハウジング
１４ ハウジングの孔
１５ 通り孔
１６ カムシャフト
１７ ヘックスソケットドライブ
１８ 工具保持脚部
１９ 引っ張り棒
２０ 圧縮バネ
２１ 補強リング
２２ 弾力性を有するオーリング
２３ 複数の係合セグメント
２４ エンドボルト
２５ 密封リング
２６ 中心軸
２７ 引っ張り棒開口部
２８ 座面
２９ 間隔を空けられた２つの同一なカム構成
３０ 凹部
３１ 座面
３２ ストップラグ
３３ ロッキングカム表面
３４ 解放カム表面
３５ 引っ張り棒の脚部分
３６ 頂上部
３７ 外側延伸フランジ部
３８ 外側に向けられた係合フランジ
３９ エンドボルト上の後方に面する斜めの表面
４０ 流路

Claims (4)

1. 後端部に係合孔を伴って形成された工具保持脚部（１８）を解放可能に保持するための締め付け装置であって：
   前方に面する表面、及び前記前方に面する表面と交差し、かつ前記工具保持脚部を受け入れるために前記前方に面する表面から後方に延伸する設置孔（１４）を有するハウジング（１３）；
   前記ハウジングの内側で往復運動可能に設置された引っ張り棒（１９）であって、前端部において、前記工具保持脚部の前記係合孔の内側の係合構成（４８）と係合するように適合された係合手段（２３）が提供され、後部において、前記引っ張り棒の長手方向の軸に関して横方向に前記引っ張り棒を通って延伸する引っ張り棒開口部（２７）を伴って形成された、引っ張り棒；並びに
   前記引っ張り棒開口部を通って延在し、かつカム構成（２９）を備えるカムシャフト（１６）であって、前記ハウジング内で回転可能にジャーナル支持され、かつ前記カムシャフトを回転させるときの、前記カム構成によって前記ハウジングに関する前記引っ張り棒の軸方向の移動を与えるように適合された、カムシャフトを備え；
   前記カムシャフト（１６）は、２つの同一なカム構成（２９）であって、凹部（３０）によって間隔が空けられ、かつ各々が、ロックされた位置へと後方へ前記引っ張り棒（１９）を促すように作動可能な第１のカム表面（３３）を備え、前記ロックされた位置において前記工具保持脚部（１８）を前記締め付け装置にしっかりとロックし、かつ前記各々が、ロックされていない位置へと前方へ前記引っ張り棒を確実に移動させるように作動可能な第２のカム表面（３４）を備え、前記ロックされていない位置において前記工具保持脚部は前記締め付け装置から解放可能である、２つの同一なカム構成（２９）を備えることを特徴とし、並びに
   前記開口部の内側の前記引っ張り棒は、前記引っ張り棒の長手方向の軸に平行な方向において前記開口部（２７）の各々の側面上に頂上部（３６）が形成され、各々の前記頂上部（３６）は前記カムシャフトを回転させるときに前記カムシャフトの前記凹部内にフィットすることを特徴とする、締め付け装置。
2. 前記引っ張り棒（１９）は、前記引っ張り棒の前端部においてエンドボルト（２４）が提供される、請求項１に記載の締め付け装置。
3. 前記引っ張り棒（１９）を通り、かつ前記引っ張り棒の脚部分（３５）を通り、かつ前記引っ張り棒の前端部内に広がるのみならず、前記締め付け装置の後端部から前記ハウジングの内側孔へ延伸する、冷却媒体のための流路（４０）が提供され、かつ
   密封リング（２５）が、前記引っ張り棒と、前記引っ張り棒開口部（２７）の各々の側面上の前記ハウジングの内側孔との間に配置される、請求項１又は２に記載の締め付け装置。
4. 冷却媒体のための流路（４０）が、また、前記エンドボルト（２４）を通して配置される、請求項２、又は請求項２に従属する請求項３に記載の締め付け装置。

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