次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明において、図1において、紙面に向かって左側を「前側」、紙面に向かって右側を「後側」とし、紙面に向かって奥側を「左側」、紙面に向かって手前側を「右側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
図1に示すように、カラープリンタ1は、装置本体2内に、用紙Pを供給する給紙部20と、給紙された用紙Pに画像を形成する画像形成部30と、画像が形成された用紙Pを排出する排紙部90と、制御装置100とを備えている。
装置本体2の上部には、開口部2Aが形成されており、この開口部2Aは、装置本体2に回動可能に支持されるアッパーカバー3で開閉される。アッパーカバー3の上面は、装置本体2から排出された用紙Pを蓄積する排紙トレイ4となっており、下面にはLEDユニット40を保持する複数のLED取付部材5が設けられている。
給紙部20は、装置本体2内の下部に設けられ、装置本体2に対して着脱自在な給紙トレイ21と、給紙トレイ21から用紙Pを画像形成部30へ搬送する用紙供給機構22とを備えている。用紙供給機構22は、給紙トレイ21の前側に設けられ、給紙ローラ23、分離ローラ24および分離パッド25を備えている。
給紙部20では、給紙トレイ21内の用紙Pが、一枚ずつ分離されて上方へ送られ、紙粉取りローラ26とピンチローラ27の間を通過する過程で紙粉が除去された後、搬送経路28を通って後ろ向きに方向転換され、画像形成部30に供給される。
画像形成部30は、4つのLEDユニット40と、4つのプロセスカートリッジ50と、転写ユニット70と、クリーニング装置10と、定着ユニット80とを備えている。
LEDユニット40は、LED取付部材5に対して揺動可能に連結されており、装置本体2に設けられる位置決め部材によって適宜位置決めされて支持されている。LEDユニット40は、LED素子が複数並んで配置されたLEDアレイを有し、後述する感光体ドラム51に向かって光を照射し、露光する。
プロセスカートリッジ50は、アッパーカバー3と給紙部20との間で前後方向に並んで配置され、感光体ドラム51、帯電器52、現像ローラ53、トナーを収容するトナー収容室54、クリーニングローラ55、除電ランプ56などを備えて構成されている。感光体ドラム51、帯電器52、現像ローラ53、クリーニングローラ55、除電ランプ56は、それぞれ、感光体、帯電器、現像ローラ、吸着ローラ、除電部の一例である。
プロセスカートリッジ50は、ブラック用、イエロー用、マゼンタ用およびシアン用の各色のトナーが入った50K、50Y、50M、50Cの符号で示すものが用紙Pの搬送方向(後述のベルト面の移動方向:前方から後方へ向かう方向)上流からこの順で並んで配置されている。なお、本明細書および図面において、トナーの色に対応した感光体ドラム51、現像ローラ53、クリーニングローラ55などを特定する場合には、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのそれぞれに対応させて、K、Y、M、Cの記号を付することとする。
感光体ドラム51は、複数のプロセスカートリッジ50のそれぞれに設けられ、複数のプロセスカートリッジ50が前述したように配置されることで、前後方向に沿って一列に配列されている。
帯電器52は、各感光体ドラム51に対応するよう複数設けられている。帯電器52には、後に詳述するように帯電バイアスVgが印加されるようになっており、感光体ドラム51を帯電させることが可能となっている。なお本実施例において帯電器52は、帯電ワイヤ、及びグリッドを有するスコロトロン帯電器であり、帯電バイアスVgは、グリッドに印加されるバイアスであるものとする。感光体ドラム51の表面電位は、グリッドの電位に応じたものとなる。すなわち、帯電バイアスVgは、感光体ドラム51の表面電位を制御するバイアスであるものとする。
現像ローラ53は、後に詳述するように感光体ドラム51に接触して感光体ドラム51上の静電潜像にトナーを供給するものである。なお、本実施形態では、トナーを現像ローラ53から感光体ドラム51に供給する際には、現像ローラ53と符号を省略して示す供給ローラとの間でトナーが摩擦されることなどによって、トナーがプラスに帯電されるようになっている。
クリーニングローラ55は、各感光体ドラム51に対応するように各感光体ドラム51に隣接して複数設けられている。クリーニングローラ55には、クリーニングバイアスVcが印加されるようになっており、これにより、感光体ドラム51上に付着するトナーの少なくとも一部をクリーニングローラ55で一時的に保持(回収)することが可能となっている。なお、本実施形態では、感光体ドラム51上に付着するトナーの少なくとも一部をクリーニングローラ55で一時的に保持する場合には、クリーニングバイアスVcをトナーと逆極性のマイナスとしている。このようにすれば、トナーは、プラスに帯電される感光体ドラム51からクリーニングローラ55上へ移動しやすくなる。
除電ランプ56は、例えば、LED(発光ダイオード)などの光源を備えて構成されており、オン状態の場合に、感光体ドラム51に対して光を照射することで感光体ドラム51上の電荷を除去する。後に詳述の転写ユニット70よりも感光体ドラム51の回転方向下流側に位置することから、転写後に感光体ドラム51に残留する電荷を除去する(除電する)。これにより、残留する電荷が次回の静電潜像に影響を与え、最終的に用紙Pに形成された画像に現われることを防ぐように機能する。
転写ユニット70は、給紙部20と各プロセスカートリッジ50との間に設けられ、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト73および転写ローラ74とを備えている。
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間に無端状のベルトからなる搬送ベルト73が張設されている。搬送ベルト73は、その外側の面として、各感光体ドラム51に対向して接するベルト面73A(対向面)を有し、当該ベルト面73Aが各感光体ドラム51の配列方向に沿って移動するように、駆動ローラ71によって回転するようになっている。また、搬送ベルト73の内側には、各感光体ドラム51との間で搬送ベルト73を挟持する転写ローラ74が、各感光体ドラム51に対向して4つ配置されている。この転写ローラ74には、転写時に定電流制御によって転写バイアスが掛けられる。
クリーニング装置10は、搬送ベルト73に摺接して、搬送ベルト73上に付着したトナー等を回収する装置であり、搬送ベルト73の下方に配置されている。具体的に、クリーニング装置10は、摺接ローラ11と、回収ローラ12と、ブレード13と、廃トナー収容器14とを備えている。
摺接ローラ11は、搬送ベルト73の外周面に接触するように配置され、搬送ベルト73の内周面に配置されたバックアップローラ15との間に回収バイアスが印加されることで搬送ベルト73上の付着物を回収している。
回収ローラ12は、摺接ローラ11に接触するローラであり、摺接ローラ11上に付着した付着物を回収している。そして、回収ローラ12上の付着物は、当該回収ローラ12に摺接するように配置されたブレード13によって削り取られて、廃トナー収容器14内に入り込むようになっている。
上記、クリーニングローラ55、転写ユニット70及びクリーニング装置10によれば、クリーニングローラ55で一時的に保持したトナーを、廃トナー収容器14内に回収する清掃制御を実行することが可能である。具体的な手順としては、まずは、クリーニングバイアスVcとして、帯電バイアスVgよりも大きなプラスのバイアスを印加等することで、クリーニングローラ55上のトナーを感光体ドラム51上に再び移す。次に、転写ユニット70に例えばマイナスの転写バイアスを印加することで、感光体ドラム51上のトナーを搬送ベルト73上に移す。そして、搬送ベルト73上のトナーを、クリーニング装置10によって、上述のように廃トナー収容器14内に回収する。
定着ユニット80は、各プロセスカートリッジ50および転写ユニット70の後側に配置され、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置され加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを備えている。
このように構成される画像形成部30では、まず、各感光体ドラム51の表面が、帯電器52への帯電バイアスVgの印加により一様にプラスに帯電された後、各LEDユニット40で露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、各感光体ドラム51上に画像データに基づく静電潜像が形成される。その後、静電潜像に現像ローラ53よりプラスのトナーが供給されることで、感光体ドラム51上にトナー像が担持される。
搬送ベルト73上に供給された用紙Pが各感光体ドラム51と搬送ベルト73の内側に配置される各転写ローラ74との間を通過することで、各感光体ドラム51上に形成されたトナー像が用紙P上に転写される。そして、用紙Pが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙P上に転写されたトナー像が熱定着される。
排紙部90は、定着ユニット80の出口から上方に向かって延び、前方に反転するように形成された排紙側搬送経路91と、用紙Pを搬送する複数対の搬送ローラ92とを備えている。トナー像が転写され、熱定着された用紙Pは、搬送ローラ92によって排紙側搬送経路91を搬送され、装置本体2の外部に排出されて排紙トレイ4に蓄積される。
続いて、カラープリンタ1の電気的構成について説明する。カラープリンタ1は、図2に示すように、制御装置100と、ROM101と、RAM102と、NVRAM(不揮発性RAM)103と、を備えている。また、カラープリンタ1は、給紙部20と、画像形成部30と、排紙部90と、接離機構110と、受付部120と、駆動部130と、タイマ140と、を備え、これらが制御装置100に電気的に接続されている。
ROM101には、カラープリンタ1を制御するための各種制御プログラムや各種設定、初期値等が記憶されている。RAM102は、各種制御プログラムが読み出される作業領域として、あるいは、データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。制御装置100は、ROM101から読み出した制御プログラムに従って、その処理結果をRAM102またはNVRAM103に記憶させながら、カラープリンタ1の各構成要素を制御する。
給紙部20、画像形成部30、排紙部90は、制御装置100によって制御され、上述のように、用紙Pに画像形成を行う。特に、帯電器52、現像ローラ53、クリーニングローラ55は、それぞれ、帯電バイアスVg、現像バイアスVb、クリーニングバイアスVcを印加される。また、除電ランプ56のオン・オフが制御される。
また、図3に示すように、現像ローラ53は、接離機構110を制御装置100により制御することで、感光体ドラム51に対して近接・離間可能となっている。以下、具体的に記載する。
各色のプロセスカートリッジ50の上方(図1)の同位置には、突起部111がそれぞれ設けられている。また、接離機構110は、各色のプロセスカートリッジ50にわたって図1の前後方向に延びる直動カム112であって、突起部111K、111Y、111M、111Cに、それぞれ対応する押上部113K、113Y、113M、113Cを有する直動カム112を備えている。この構成においては、すべての押上部113がそれぞれ対応する突起部111の前方に位置する状態において、すべての現像ローラ53がそれぞれ対応する感光体ドラム51に接触した第1状態となっている。この状態から、駆動部130の駆動によって、直動カム112が後方向に動作することで、突起部111が、それぞれ対応する押上部113に押し上げられることにより、現像ローラ53もあわせて押し上げられる。すなわち、現像ローラ53が、感光体ドラム51に対して上方に離間した状態となる。
なお、押上部113Y、113M、113C及び対応する突起部111Y、111M、111Cと比べて、押上部113Kは、対応する突起部111Kに対して、より前方に設けられている。すなわち、駆動部130の駆動によって、直動カム112が後方向に動作すると、まず、現像ローラ53Y、53M、53Cが離間し、続いて、現像ローラ53Kが離間する構成となっている。
このような接離機構110によって、すべての現像ローラ53K、53Y、53M、53Cが、それぞれ対応する感光体ドラム51K、51Y、51M、51Cに接触している状態(たとえば、カラー印刷を行う場合、第1状態)から、すべての現像ローラ53K、53Y、53M、53Cが、それぞれ対応する感光体ドラム51K、51Y、51M、51Cから、離間している状態(たとえば、清掃制御を行う場合、第3状態)に変化させる場合には、ブラック用(モノクロ用)の現像ローラ53Kのみが感光体ドラム51Kに接触し、その他の3色の現像ローラ53Y、53M、53Cは対応する感光ドラム51に対して離間している状態(たとえば、モノクロ印刷を行う場合、第2状態)を経る。
受付部120は、カラープリンタ1に対する画像形成の指示を受付けるものであり、例えば、LANケーブルやUSBケーブル等を介して接続された装置と通信を行うためのハードウェアや、液晶ディスプレイおよびスタートキー、ストップキー、テンキー等から構成されるボタン群を備え、ユーザに向けた各種の表示を行い、ユーザによる指示入力を受け付けるもの等である。
駆動部130は、制御装置100によって制御され、給紙部20、画像形成部30、排紙部90、接離機構110等に駆動力を伝達する。特に、感光体ドラム51は、駆動部130からの駆動力の伝達の有無によって、回転及び停止が制御される。
タイマ140は、計測した時間に応じた信号を、制御装置100に伝達する。
次に、図4、図5に示すフローチャートを参照して、カラープリンタ1の実施する、画像形成及び画像形成後の清掃制御を含む、画像形成機能について詳細に説明する。なお、以下の各バイアス等の数値は一例であり、本発明はこの数値に限定されない。
図4、図5に示す、画像形成機能のフローチャートは、受付部120によって、例えば画像形成ジョブを受付ける等して、画像形成機能の実行指示を受け付けたと制御装置100が判断した場合に、プロセスカートリッジ50ごとに実行される。なお、画像形成機能の開始時において、帯電バイアスVg、現像バイアスVb、クリーニングバイアスVcは印加されておらず、現像ローラ53は感光体ドラム51に対して離間している。また、感光体ドラム51は、回転を停止している。また、除電ランプ56はオフされている。以下、例として、プロセスカートリッジ50Cについて述べる。なお、プロセスカートリッジ50M、50Yについても同様であるが、プロセスカートリッジ50Kについては、後に異なるフローチャートで述べるものとする。
画像形成機能では、制御装置100は、まず、画像形成処理を行う(S100)。
より詳しくは、制御装置100は、まず、画像形成用の帯電バイアスVg、現像バイアスVb、クリーニングバイアスVcを印加するとともに、感光体ドラム51の回転を開始する(S200)。なお、感光体ドラム51の回転開始及び停止の制御時において、搬送ベルト73等も回転開始及び停止の制御がなされるものとする。なお、本実施例においては、画像形成用の帯電バイアスVgとして850V、画像形成用の現像バイアスVbとして400Vを印加する。これは、用紙Pに画像形成が可能な電圧値である。すなわち、画像形成用の帯電バイアスVgと画像形成用の現像バイアスVbとのバイアスの差の絶対値は、450Vである。これは、所定バイアス差を例えば150Vとした場合、所定バイアス差よりも大きい。この所定バイアス差は、感光体ドラム51上の露光部分以外の部分にトナーが付着するかぶりが認められ始めると想定される、帯電バイアスVgと現像バイアスVbとのバイアスの差である。なお、所定バイアス差は、150Vに限られず、例えば、一般にかぶりが認められ始める150V以下の任意の値であってもよく、特に、100V〜150Vの範囲の任意の値であってもよい。なお、S200において帯電器52に、帯電バイアスVgとして例えば850Vを印加する処理は、帯電処理及び帯電工程の一例である。また、現像ローラ53に、現像バイアスVbとして400Vを印加する処理は、現像処理及び現像工程の一例である。また、現像ローラ53を感光体ドラム51に対して、離間した状態から、接触した状態に近接させる処理は、近接処理及び近接工程の一例である。また、現像ローラ53を離間させるS120の処理よりも前に、感光体ドラム51上のトナーを静電吸着することが可能なクリーニングバイアスVcをクリーニングローラ55に印加するS200の処理は、吸着処理及び吸着工程の一例である。
また、S200の処理においては、制御装置100は、画像形成用のクリーニングバイアスVcとして−200Vを印加する。トナーは現像ローラ53等によってプラスに帯電されるから、これは、感光体ドラム51上のトナーを静電吸着することが可能な電圧値である。なお、この処理において印加する−200Vは、離間前バイアスの一例である。また、S200の処理においては、制御装置100は、現像ローラ53を感光体ドラム51に接触させ、駆動ローラ71や転写ローラ74、摺接ローラ11等の回転を開始し、除電ランプ56をオンとし、適宜画像形成に必要なその他のバイアスの印加を開始する。
次に、受け付けた画像形成の指示内容に基づいて、制御装置100は、感光体ドラム51にトナー像を形成すなわち露光及び現像する(S205)。なお、S205の処理に付随して、制御装置100は、感光体ドラム51に形成されたトナー像を給紙した用紙Pに転写し排紙部90に排紙するものとする。そして、制御装置100は、S205の後、受け付けた画像形成の指示によって指示された画像形成枚数分の画像の感光体ドラム51への形成すなわち露光及び現像を行ったか否かを判断する(S210)。指示された画像形成枚数分の画像の感光体ドラム51への形成すなわち露光及び現像を行っていないと判断する場合には(S210:NO)、制御装置100は、引き続き画像形成を行う(S205)。
一方、制御装置100は、指示された画像形成枚数分の画像の感光体ドラム51への形成すなわち露光及び現像を行ったと判断する場合には(S210:YES)、感光体ドラム51への画像形成が完了したとして除電ランプ56をオフとし(S215)、画像形成処理を終了する。S215の処理は除電制御処理の一例である。
続いて、制御装置100は、画像形成処理終了から、時間T1が経過したか否かを判断する(S105)。時間T1は、画像形成処理終了後に、帯電バイアスVgの低下を開始するまでの時間である。時間T1が経過したと判断するまで(S105:NO)、制御装置100は、繰り返し判断を行う。
時間T1が経過したと判断する場合(S105:YES)、制御装置100は、帯電器52に印加する帯電バイアスVgを低下させる。また、感光体ドラム51の回転を停止する(S110)。本実施例では、帯電バイアスVgを、850Vから、1/2の、425Vに低下させるものとする。この処理によって、現像バイアスVbと帯電バイアスVgとの差の絶対値は、25Vとなる。帯電器52に印加する帯電バイアスVgを、画像形成処理中の850Vから、850Vよりも絶対値が小さい425VとするS110の処理は、低下処理及び低下工程の一例である。
次に、制御装置100は、時間T1の経過から、さらに時間T2が経過したか否かを判断する(S115)。時間T2は、帯電バイアスVg低下後に、現像ローラ53を離間させ始めるまでの時間であり、すなわち、接離機構110の動作を開始するまでの時間である。この時間T2は、現像ローラ53が完全に離間した後に感光体ドラム51の表面電位V0と現像ローラ53の表面の電位との電位差が所定電位差以下となるように設定される。時間T2が経過したと判断するまで(S115:NO)、制御装置100は、繰り返し判断を行う。なお、本実施例では、感光体ドラム51の表面電位V0は、帯電バイアスVgと同値に収束する。特に、帯電バイアスVgを低下させた場合には、感光体ドラム51の表面電位V0は、低下させた帯電バイアスVgの値まで徐々に減衰して同値となる。さらに、現像ローラ53の表面の電位は、現像バイアスVbの値と同値とする。これにより、本実施例では、時間T2は、感光体ドラム51の表面電位と、現像ローラ53の表面の電位との電位差が、所定電位差以下、つまり150V以下となるまでの時間よりも短い。
時間T2が経過したと判断する場合(S115:YES)、制御装置100は、接離機構110を動作させて、離間を行う(S120)。なお、S110の処理の後、現像ローラ53を離間させるS120の処理は、離間処理及び離間工程の一例である。また、現像ローラ53が接離機構110の動作によって位置する、感光体ドラム51に対して最も遠い位置は非現像位置の一例であり、現像ローラ53が感光体ドラム51に対して接触している位置は現像位置の一例である。S120に続いて制御装置100は、時間T2の経過から、さらに時間T3が経過したか否かを判断する(S122)。時間T3は、接離機構110の動作開始から、現像ローラ53が完全に離間するまでの時間よりも長い時間であり、時間T3が経過したと判断するまで(S122:NO)、制御装置100は、繰り返し判断を行う。そして、時間T3が経過したと判断する場合(S122:YES)、制御装置100は、現像ローラ53への現像バイアスVbの印加を停止させる(S125)。すなわち、現像バイアスVbを、400Vから0Vとする。S120の処理の後、S122で現像ローラ53の離間が完了したと判断した後に、現像バイアスVbの印加を停止するS125の処理は、停止処理及び停止工程の一例である。
次に、制御装置100は、S125の現像バイアスVbの印加を停止する処理から、時間T4が経過したか否かを判断する(S130)。時間T4は、S110の帯電バイアスVgの低下によって感光体ドラム51の表面電位が減衰し、安定するまでの時間である。すなわち、本実施例では、時間T4は、感光体ドラム51の表面電位が、425Vに減衰するまでの時間である。時間T4が経過したと判断するまで(S130:NO)、制御装置100は、繰り返し判断を行う。
時間T4が経過したと判断する場合(S130:YES)、制御装置100は、クリーニングバイアスVcとして、トナーと同符号かつ、帯電バイアスVgより絶対値の大きいバイアスを、クリーニングローラ55に印加する。また、感光体ドラム51の回転を開始する(S135)。本実施例では、クリーニングバイアスVcを、−200Vから、650Vとする。この処理により、クリーニングローラ55上のクリーニングローラ55と同符号のトナーは、より電位の低い感光体ドラム51上に移動する。そして、感光体ドラム51及び搬送ベルト73が回転中であることから、転写ローラ74と、クリーニング装置10にも適宜バイアスを印加等することで、クリーニングローラ55上のトナーを、廃トナー収容器14に収容することができる。現像ローラ53を離間させるS120の処理よりも後に、トナーと同符号かつ帯電バイアスVgより絶対値が大きく同符号のクリーニングバイアスVcを、クリーニングローラ55に印加することによって、クリーニングローラ55上のトナーを感光体ドラム51上に移動させるS135の処理は、吐出処理の一例である。
S135の処理の後、制御装置100は、時間T5が経過したか否かを判断する(S140)。時間T5は、上述のように、クリーニングローラ55上のトナーを廃トナー収容器14に収容するのに必要な時間である。時間T5が経過したと判断するまで(S140:NO)、制御装置100は、繰り返し判断を行う。
時間T5が経過したと判断する場合(S140:YES)、制御装置100は、クリーニングローラ55上のトナーの廃トナー収容器14への収容が完了したとして、帯電器52への帯電バイアスVgの印加を停止し、感光体ドラム51の回転を停止し、クリーニングローラ55へのクリーニングバイアスVcの印加を停止する(S145)。すなわち、帯電バイアスVgを、425Vから0Vとし、クリーニングバイアスVcを650Vから0Vとする。さらに、制御装置100は、他の構成要素に印加したバイアス等も停止し(S150)、画像形成機能を終了する。
<タイミングチャートの説明>
次に、図6に示すタイミングチャートを参照して、画像形成処理から清掃制御に移行するタイミングを詳細に説明する。
図6に示すように、画像形成処理中においては、帯電バイアスVgを850V、現像バイアスVbを400V、クリーニングバイアスVcを−200Vとしている。また、この状態において、現像ローラ53は感光体ドラム51に接触しており、除電ランプ56はオンであり、現像ローラ53の接触部における感光体ドラム51の表面電位V0は、850Vである。この状態において、まず、画像形成処理が終了する(時刻t1)。この時刻t1において、除電ランプ56をオフとする。その後、制御装置は、帯電バイアスVgを、850Vから425Vに低下させ、感光体ドラム51の回転を停止する(時刻t2)。帯電バイアスVgを低下させた時刻t2より、感光体ドラム51の表面電位は、減衰が生じる。なお、画像形成が終了する時刻t1から、現像ローラ53を感光体ドラム51から離間させるために接離機構110の動作を開始する時刻t3まで、現像バイアスVbの値は一定である。
時刻t2後、時刻t3において、現像ローラ53を感光体ドラム51から離間させるために接離機構110の動作が開始される。時刻t3の後、時刻t4において接離機構110の動作が完了し、現像ローラ53は感光体ドラム51に対して非現像位置に位置される。さらに、時刻t4の後、時刻t5において現像バイアスVbの印加を停止する。時刻t4よりも後の時刻である時刻t6は、感光体ドラム51の表面電位V0の減衰が進行することによって、感光体ドラム51の表面電位が550Vまで低下する時刻である。すなわち、時刻t6は時刻t4における現像ローラ53の表面の電位(400V)との電位差が150Vとなる時刻である。
現像ローラ53の感光体ドラム51からの離間が行われた後、さらに感光体ドラム51の表面電位V0の減衰が進行することによって、感光体ドラム51の表面電位V0が、時刻t4での現像ローラ53の表面の電位400Vとの電位差が150Vとなる550Vまで低下する(時刻t6)。この、感光体ドラム51の表面電位V0と現像ローラ53の表面の電位との電位差が150V程度の場合において、現像ローラ53が感光体ドラム51に接触していると、現像ローラ53上のトナーが感光体ドラム51上の露光部分以外に付着するかぶりが生じる可能性がある。しかしながら、本実施例では、その前に現像ローラ53を感光体ドラム51から離間させているため、かぶりを抑制できる。
時刻t4で、感光体ドラム51の表面電位V0が550Vまで低下した後、さらに感光体ドラム51の表面電位V0の減衰が進行することによって、感光体ドラム51の表面電位V0が、帯電バイアスVgと同じ425Vまで低下する(時刻t7)。550Vは、非現像位置への移動が完了されなかった場合に保たれる現像ローラ53の表面の電位400Vとの電位差が150Vとなる電位である。この際、クリーニングバイアスVcが−200Vから650Vに制御され、感光体ドラム51の回転が開始され、上述した清掃制御が行われ、画像形成機能が終了する。
本実施形態によれば、まず帯電バイアスVgを時刻t2、S110で低下させることで感光体ドラム51の劣化を抑制しつつ、現像ローラ53を離間してから(時刻t4、S120)、現像バイアスVbの印加を停止するので(t5、S125)、帯電バイアスVgの低下によって徐々に減衰していく感光体の表面電位と現像ローラ53の表面との電位差が、現像位置にて大きくなることを抑制しかぶりを抑制できる。
また、時刻t7、S135の処理によって、吸着ローラ53上の静電吸着トナーを感光体ドラム51上へ吐出できる。
また、上記吐出における帯電バイアスVgは、時刻t2、S110において低下させた425Vであるから、上記吐出のために帯電バイアスVgを調整する必要が無い。
また、時刻t2、S110の処理時において、感光体ドラム51は回転停止するから、感光体ドラム51の劣化を抑制できる。
また、画像形成処理の完了後(時刻t1、S210:YES)、かつ、帯電バイアスVgの低下(時刻t2、S110)よりも前において、除電ランプ56を停止する(時刻t1、S215)から、感光体ドラム51の表面電位の減衰が緩やかになる可能性を高めることで、時刻t2、S110の低下処理をより早く行える可能性を高め、感光体ドラム51の劣化をより抑制できる。また、除電ランプ56の不必要な稼動を抑制することができる。
また、現像ローラ53は、時刻t3、S120の処理時までにおいて、感光体ドラム51に対して接触状態であるから、近接した状態によるかぶりだけではなく、物理的な接触によるかぶりの可能性もある。このような場合に、離間によって物理的な接触を無くすことができるから、かぶりの抑制の効果をより高めることができる。
続いて、図4とは異なる、図7に示すフローチャートを参照して、カラープリンタ1の実施する画像形成機能についての他の例を詳細に説明する。
図7に示すフローチャートにおいては、図4に示すフローチャートの時間T1が経過したか否かを判断するS105と、帯電バイアスVgを低下させるS110との間に、処理S107が追加されている。
S107では、制御装置100は、感光体ドラム51の、新品から現在までの積算の画像形成枚数が、所定枚数より多いか否かを判断することにより、感光体ドラム51が劣化したか否かを判断する。なお、積算の画像形成枚数は、NVRAM103に記憶されており、新品の感光体ドラム51に交換されることにより値がリセットされ、画像形成を行う毎に、その画像形成枚数が加算される。
積算の画像形成枚数が、所定枚数より少ないと判断する場合(S107:NO)には、制御装置100は、感光体ドラム51が劣化していないとして、帯電バイアスVgを低下させるS110の処理に移行する。
一方、積算の画像形成枚数が、所定枚数より多いと判断する場合(S107:YES)には、感光体ドラム51が劣化しているとして、制御装置100は、S105の時間T1の経過後、さらに、時間T6が経過したか否かを判断する(S109)。時間T6は、感光体ドラム51の劣化に伴い表面電位の減衰が急となることを考慮し、帯電バイアスVgの低下を遅らせるために待機される時間である。時間T6が経過したと判断するまで(S109:NO)、制御装置100は、S109の判断を行う。
時間T6が経過したと判断する場合(S109:YES)には、制御装置100は、帯電バイアスVgを低下させるS110の処理に移行する。
次に、図8に示すタイミングチャートを参照して、図7のフローチャートにおいて、画像形成処理から清掃制御に移行するタイミングを詳細に説明する。
S107で感光体ドラム51が劣化していないと判断される場合の帯電バイアスVgと、感光体ドラム51の表面電位V0に対して、S107で感光体ドラム51が劣化していると判断される場合には、帯電バイアスをVg1、感光体ドラム51の表面電位をV01とする。
帯電バイアスVgは、制御装置100によって、上述のとおり時刻t2で低下されるが、帯電バイアスVg1は、時刻t2よりも遅い時刻t8で低下される。これは、図8に示すように、感光体ドラム51の表面電位V01が、表面電位V0よりも早く減衰するためであり、S107で感光体ドラム51が劣化していると判断される場合には、減衰する時間である、帯電バイアスVg1の低下の実行と現像ローラ53の離間の実行との時間を短くするよう制御されている。
その後、接離機構110の動作がいずれの場合も同じ時刻t3において開始され、感光体ドラム51の表面電位V01は、例えば、感光体ドラム51の表面電位V0と同じt6において、550Vに減衰する。
本実施形態によれば、感光体ドラム51の劣化に伴い、感光体ドラム51の表面電位の減衰傾向が急となることに応じて、適切なタイミングで帯電バイアスVgを低下及び現像ローラ53を離間することで、より感光体ドラム51の劣化を抑制しつつ、かぶりを抑制できる。
特に、帯電バイアスVgを低下させるタイミングを時刻t2から時刻t7とすることで、すなわち、感光体ドラム51への画像形成の完了から帯電バイアスVbの低下までの時間を長くすることで、現像ローラ53の離間し始めるタイミング(時刻t3、S120)を変えなくても、帯電バイアスVgの低下から、現像ローラ53の離間までの時間を短くすることができる。
続いて、図4、図7とは異なる、図9に示すフローチャートを参照して、カラープリンタ1の実施する画像形成機能についての他の例を詳細に説明する。
図9に示すフローチャートは、プロセスカートリッジ50Kについて実行されるものであり、プロセスカートリッジ50K以外については図4に示すフローチャートが並行に実行されるものとする。図9に示すフローチャートにおいては、図4に示すフローチャートのS105において経過したかどうか判断する時間がT1ではなくT7であり(S1052)、現像を離間させる処理(S120)が存在しない。プロセスカートリッジ50C、50M、50Yは、第1の画像形成部の一例であり、プロセスカートリッジ50Kは、第2の画像形成部の一例である。
このようなフローチャートのS1002において、プロセスカートリッジ50C、50M、50Y、50Kによる対応するすべての感光体ドラム51への画像形成が完了した後、S1052において、制御装置100は、時間T7が経過したか否かを判断する。時間T7は、全色の現像ローラ53が接触状態において離間処理を行った場合には上述のようにプロセスカートリッジ50Kにおける離間がプロセスカートリッジ50C、50M、50Yにおける離間よりも後に行われることを考慮し、帯電バイアスVgの低下を遅らせるために待機される時間である。すなわち、時間T7は、時間T1よりも長い時間となる。時間T7が経過したと判断するまで(S1052:NO)、制御装置100は判断を行う。
時間T7が経過したと判断した場合には(S1052:YES)、制御装置100は、帯電器52Kに印加する帯電バイアスVgkの値を低下させる、S110と同様のS1102の処理を行う。
S1102の処理後、制御装置100は、時間T7経過後からの時間T2と時間T3の時間の和である時間T2+T3の経過後に(S1152:YES)、Vbを低下させる(S1252)。なお、図4に示すフローチャートが並行して実行されていることから、時間T5経過後からの時間T2+T3の経過によって(S1152:YES)、現像ローラ53Kは非現像位置に位置される。時間T1+T2+T3から時間t5−t4を除いた時間は、第1の時間の一例であり、時間T7+T2+T3から時間t11−t10を除いた時間は、第2の時間の一例である。なお、時間t5−t4と時間t11−t10は同じ時間である。また、プロセスカートリッジ50C、50M、50Yに対する現像ローラ53の離間は、第1の離間処理の一例であり、プロセスカートリッジ50Kに対する現像ローラ53の離間は、第2の離間処理の一例である。
次に、図10に示すタイミングチャートを参照して、図9のフローチャートにおいて、画像形成処理から清掃制御に移行するタイミングを詳細に説明する。
プロセスカートリッジ50K以外の感光体ドラム51の表面電位V0に対して、感光体ドラム51Kの表面電位をV0kとする。
帯電バイアスVgkは、制御装置100によって、上述のとおり画像形成終了時の時刻t1から、時間T1よりも長い時間T5経過後の、時刻t9に低下される。これは、図10に示すように、プロセスカートリッジ50Kが非現像位置に移動完了するタイミング(時刻t10)が、プロセスカートリッジ50K以外のプロセスカートリッジ50が非現像位置に移動完了するタイミング(時刻t4)に対して、遅くなるためである。
その後、現像ローラ53Kは、時刻t9から時間T2+T3経過後の時刻t11において非現像位置へ移動完了され、感光体ドラム51Kの表面電位V0kは、時刻t12において、550Vに減衰し、時刻t13において、425Vまで減衰する。
本実施形態によれば、現像ローラ53が離間する前の、感光体ドラム51の表面電位の減衰が可能な時間の長短(時刻t1からt7と、時刻t1からt13)に応じて、帯電バイアスVgを低下(時刻t2、t9)することで、より感光体ドラム51の劣化を抑制しつつ、かぶりを抑制できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、制御装置100がすべての制御を行っていたが、複数の制御装置100で実行されてもよい。また、実施形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
前記実施形態では、画像形成装置をカラープリンタ1としたが、これに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などでもよい。
前記実施形態では、LEDアレイ方式で露光する画像形成装置であったが、これに限らず例えばレーザスキャナ方式で露光する画像形成装置であってもよい。
前記実施形態では、トナーをプラスに帯電し画像形成処理及び清掃制御を行う構成であったが、トナーをマイナスに帯電させる方式であってもよい。この場合、各バイアス等のプラスマイナスを逆とすればよい。
前記実施形態では、S100の画像形成処理中において、現像ローラ53を感光体ドラム51に対して接触させていたが、接触させなくても良く、画像形成処理後に、S100の画像形成処理中よりも、現像ローラ53を感光体ドラム51に対して離間させればよい。
前記実施形態では、S135の処理でクリーニングバイアスVcを650Vとして開始する、クリーニングローラ55上のトナーを感光体ドラム51上に移動させる処理において、帯電バイアスVgは、S110の処理で850Vから低下させた425Vであったが、このようでなくてもよい。すなわち、S110の処理で低下させた帯電バイアスVgの値と、クリーニングローラ55上のトナーを感光体ドラム51上に移動させる処理における帯電バイアスVgの値は、同じでなくても良い。ただし、同じとすれば、帯電バイアスVgを調整する必要が無いという効果を奏する。
前記実施形態では、感光体ドラム51上の電荷を除去する構成として、光を感光体ドラム51に照射する除電ランプ56を採用したが、このようでなくてもよく、例えば、感光体ドラム51上に電荷を付与するなど、感光体ドラム51上の電荷を除去する構成であれば何でも良い。
前記実施形態では、画像形成完了のタイミングが同一であり(時刻t1)、現像ローラ53の非現像位置への移動完了のタイミングが異なる(時刻t4、t10)場合について、例えば帯電バイアスVgを550V以下に低下させるタイミングを変更することにより(時刻t2、t9)、感光体ドラム51の表面電位が550V以下となる前に現像ローラ53を離間させていたが、このようでなくてもよい。例えば、プロセスカートリッジ50が用紙Pの搬送方向上流側に位置するか下流側に位置するかによって画像形成完了のタイミングが異なり、現像ローラ53の離間のタイミングが同一である場合についても、同様に帯電バイアスVgを550V以下に低下させるタイミングを変更すること等により、各プロセスカートリッジ50において、感光体ドラム51の表面電位が550V以下となる前に現像ローラ53を離間させる構成としてもよい。
前記実施形態では、画像形成が終了する時刻t1から、時刻t5にて現像バイアスVbの印加を停止するまで、現像バイアスVbの値は一定であったが、このようでなくてもよい。例えば、帯電バイアスVgを低下させる時刻t2において、帯電バイアスVgと同様に現像バイアスVbを所定値に低下させても良いし、徐々に低下させてもよい。
前記実施形態では、制御装置100は、帯電バイアスVg低下(S110)後に、接離機構110の動作を開始して現像ローラ53の離間動作を開始していた(S120)が、このようでなくてもよい。すなわち、現像ローラ53の非現像位置への移動完了が帯電バイアスVg低下後となる程度に、帯電バイアスVg低下前に現像ローラ53の離間動作を開始してもよい。
前記実施形態では、制御装置100は、帯電バイアスVg低下(S110)後、かつ現像ローラ53の非現像位置への移動を完了した後(S122:YES)に、感光体ドラム51を停止していたが(S145)、このようでなくてもよい。例えば、帯電バイアスVg低下(S110)後、かつ現像ローラ53が非現像位置へ移動完了する前に、感光体ドラム51を停止する構成であってもよい。
前記実施形態では、制御装置100は、S125の現像バイアスVbの印加を停止する処理の後に、S135、S145等の処理を行っていたが、例えばS125の処理は、S135の後やS145の後等でもよい。
前記実施形態においては、帯電器52としてスコロトロン帯電器を用いていたがこれに限らず、コロトロン帯電器や接触帯電方式の帯電器であってもよい。この場合にも、帯電バイアスVgは、感光体ドラム51の表面電位を制御するバイアスを指すものとする。
前記実施形態においては、感光体ドラム51の表面電位は、帯電バイアスVgと同値に収束したが、異なる値に収束してもよいし、さらに、現像ローラ53の表面の電位は、現像バイアスVbの値と同値とならなくてもよい。この場合には、所定電位差も、所定バイアスと同様、感光体ドラム51上の露光部分以外の部分にトナーが付着するかぶりが認められ始めると想定される電位差であって、上記を満たす任意の値を取りうる。また、所定電位差と所定バイアスとは、上記のように、各バイアスと各構成の表面の電位は同値とならないものとすれば、同じ値であるとは限らない。
前記実施形態においては、S110で帯電バイアスVgの値を0Vより大きい値に低下させていたが、例えば0Vに低下させてもよい。このようにすれば、帯電バイアスVgを0Vより大きい値に帯電させる場合よりも感光体ドラム51の劣化を抑制できる。
前記実施形態においては、感光体ドラム51の劣化の度合いを2段階に判断し劣化の度合いが大きい場合には帯電バイアスVgを低下させるタイミングを遅く、すなわち感光体ドラム51への画像形成の完了から帯電バイアスVgを低下させるまでの時間を長くしていたが、このようでなくてもよい。例えば、感光体ドラム51の劣化の度合いを複数段階に判断し、劣化の度合いが大きいほど帯電バイアスVgを低下させるタイミングを遅くする構成であっても良い。また、感光体ドラム51が劣化していると判断する場合に、帯電バイアスVgを低下させるタイミングを遅くするのではなく、現像ローラ53の離間し始めるタイミングを早くするすなわち感光体ドラム51への画像形成の完了から現像ローラ53の離間し始めまでの時間を短くすることによって、帯電バイアスVgの低下のタイミングから現像ローラ53の離間を行うタイミングまでの時間を短くしても良い。あるいは帯電バイアスVgを低下させるタイミングと現像ローラ53の離間し始めるタイミングの両方のタイミングを変化させることによって、帯電バイアスVgの低下のタイミングから現像ローラ53の離間を行うタイミングまでの時間を短くしても良い。
前記実施形態においては、現像ローラ53が離間する際に感光体ドラム51は停止しているが、このような構成でなくてもよい。感光体ドラム51を回転していれば、清掃制御等において、感光体ドラム51の回転を開始する必要が生じる可能性が低くなるという効果を奏する。