JP6604003B2 - ポリイミド前駆体溶液組成物及びそれを用いたポリイミド膜の製造方法 - Google Patents

ポリイミド前駆体溶液組成物及びそれを用いたポリイミド膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリイミド前駆体溶液組成物及びそれを用いたポリイミド膜の製造方法に関する。
一般に、ポリイミド膜は、原料である芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを有機溶媒中で重合して得られるポリアミック酸溶液を基材に塗布し、これを加熱して溶媒を除去するとともにイミド化して製造される。しかし、ポリアミック酸は分子量が大きいため、溶液中のポリアミック酸の濃度を高くすると溶液が高粘度になり取り扱いが困難になる。
この問題を解決するために、芳香族テトラカルボン酸ジエステルと芳香族ジアミン成分からなるポリイミド前駆体溶液(ナイロン塩型モノマー溶液)を用いる方法が提案されている(特許文献1、2)。
特開平10−182820号公報 特開2005−247987号公報
芳香族テトラカルボン酸ジエステルと芳香族ジアミンとを溶媒に溶解したポリイミド前駆体溶液(ナイロン塩型モノマー溶液)は、高濃度かつ低溶液粘度とすることができるが、得られるポリイミドが結晶性となるモノマーの組み合わせでは十分な特性を有するポリイミド膜が得られない場合があった。特に、テトラカルボン酸成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸化合物を、ジアミン成分としてp−フェニレンジアミンをそれぞれ用いると、結晶性のポリイミド樹脂が得られ易く、ナイロン塩型モノマー溶液からは十分な特性を有するポリイミド膜が得られ難いという問題があった。
本発明は、耐熱性や機械的特性などに優れたポリイミド膜を製造することができる、高濃度かつ低溶液粘度のポリイミド前駆体溶液組成物を提供することを目的とする。
本発明は以下の項に関する。
1. 芳香族テトラカルボン酸ジエステルからなる芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを含有するポリイミド前駆体溶液組成物であって、
前記芳香族テトラカルボン酸成分は、50モル%以上が3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステルからなり、
前記芳香族ジアミン成分は、p−フェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを含み、芳香族ジアミン成分中のパラフェニレンジアミンの割合が50モル%以上であり、
イミダゾール類を含むことを特徴とする、ポリイミド前駆体溶液組成物。
2. 芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とからなるポリイミド前駆体の濃度が20質量%であるときの溶液粘度が0.01Pa・s以下である、前記項1に記載のポリイミド前駆体溶液組成物。
3. 前記項1または2のいずれかに記載のポリイミド前駆体溶液組成物を基材に塗布し、加熱によりイミド化する、ポリイミド膜の製造方法。
4. インクジェット法によりポリイミド前駆体溶液組成物を塗布する、前記項3に記載のポリイミド膜の製造方法。
本発明のポリイミド前駆体溶液組成物は、高濃度かつ低溶液粘度であり、得られるポリイミドが結晶性となるモノマーの組み合わせであるにもかかわらず、十分な特性を有するポリイミド膜が得られる。そのため、本発明のポリイミド前駆体溶液組成物は、インクジェット用インクとして好適に用いることができる。
本発明は、有機溶媒中に、芳香族テトラカルボン酸のエステルからなる芳香族テトラカルボン酸成分と、芳香族ジアミン成分と、イミダゾール類とを溶解したポリイミド前駆体溶液組成物である。芳香族テトラカルボン酸のエステルとしては、芳香族テトラカルボン酸ジエステル(ハーフエステルともいう)を挙げることができ、具体的には、芳香族テトラカルボン酸の4個のカルボキシル基のうち2個のカルボキシル基がエステル化されており、かつ芳香環上の隣接する2個のカルボキシル基の一方がエステル化された化合物が挙げられる。芳香族テトラカルボン酸ジエステルにおけるエステルとしては、低級アルキルエステル、好ましくはジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル等の炭素数1〜3のアルキルエステルが挙げられる。
本発明において、芳香族テトラカルボン酸成分は、主として、すなわち、その50モル%以上、好ましくは70モル%以上、特に好ましくは90モル%以上が3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステルからなる。エステルとしては、ジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル等の炭素数1〜3のアルキルエステルが挙げられる。
芳香族テトラカルボン酸ジエステルは、公知の方法により製造することができる。例えば、対応する芳香族テトラカルボン酸二無水物に対して2倍モル量以上、好ましくは2〜3倍モル量のアルコール(低級アルコール、好ましくは炭素数1〜3のアルコール)を反応させて容易に製造することができる。この方法においては、原料の酸無水物環がアルコールと反応して開環し、芳香環上の隣接する炭素上にそれぞれエステル基とカルボキシル基を有するジエステル(ハーフエステル)となる。
本発明では、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステル以外の芳香族テトラカルボン酸成分(芳香族テトラカルボン酸ジエステル)を50モル%以下の範囲で用いてもよい。3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステルと組み合わせて用いることができるテトラカルボン酸ジエステルとしては、特に限定するものではないが、例えば、ピロメリット酸ジエステル、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジエステル、オキシジフタル酸ジエステルなどを好適に挙げることができる。用いる芳香族テトラカルボン酸ジエステルは一種である必要はなく、複数種の混合物であっても構わない。
本発明において、芳香族ジアミン成分は、主として、すなわち、その50モル%以上、好ましくは70モル%以上、特に好ましくは90モル%以上がp−フェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとからなる。また、芳香族ジアミン成分中のパラフェニレンジアミンの割合が、50モル%以上、特に、50〜85モル%であることが好ましい。パラフェニレンジアミンの割合が多すぎると良好な特性を有するポリイミド膜が得られない場合がある。
本発明では、p−フェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエーテル以外の芳香族ジアミン成分を用いてもよい。用いることができる芳香族ジアミンとしては、特に限定するものではないが、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4’−メチレンビス(2,6−キシリジン)、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼンなどを好適に挙げることができる。用いる芳香族ジアミンは一種である必要はなく、複数種の混合物であっても構わない。
本発明のポリイミド前駆体溶液組成物は、さらにイミダゾール類を含有する。イミダゾール類としては、特に限定するものではないが、下記化学式(1)の化合物を好適に挙げることができる。
Figure 0006604003
化学式(1)において、X〜Xは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数が1〜5のアルキル基である。
前記化学式(1)のイミダゾール類においては、X〜Xが、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数が1〜5のアルキル基であって、X〜Xのうち少なくとも2個が、炭素数が1〜5のアルキル基であるイミダゾール類、すなわち置換基として2個以上のアルキル基を有するイミダゾール類がより好ましい。置換基として2個以上のアルキル基を有するイミダゾール類としては、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−エチル−2−メチルイミダゾール、及び1−メチル−4−エチルイミダゾールなどが好適である。
イミダゾール類の使用量は、特に限定するものではないが、芳香族テトラカルボン酸ジエステルと芳香族ジアミンとの合計量に対して1〜50質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
本発明のポリイミド前駆体溶液組成物は、前記の芳香族テトラカルボン酸ジエステルと芳香族ジアミンとを略等モル量用い、前記のイミダゾール類と共に有機極性溶媒中に均一に溶解することによって調製することができる。これらの成分を溶解させる場合は必要に応じて加熱してもよい。なお、有機極性溶媒中においては、芳香族テトラカルボン酸ジエステルのカルボン酸イオンと芳香族ジアミンのアンモニウムイオンとがイオン対を形成しており、実質的にはモノマーの混合物の状態であると考えられる。
本発明のポリイミド前駆体溶液組成物を用いるポリイミド膜の形成は、基板上にポリイミド前駆体溶液組成物を塗布後、連続的にまたは段階的に昇温してイミド化することにより行う。一般的に、芳香族カルボキシル基と芳香族アミノ基の縮合反応は、強力な脱水触媒の非存在下では進行しないとされる。そのため、本発明のポリイミド前駆体溶液組成物を用いる場合、反応機構的には芳香族テトラカルボン酸ジエステルが加熱により脱アルコールして酸無水物となり、この酸無水物基とアミノ基とが反応してアミック酸基(アミド酸基)を形成した後、脱水閉環してイミド基となる、という三段階の反応を経由していると推定される。
用いる有機極性溶媒は、芳香族テトラカルボン酸ジエステルと芳香族ジアミンとを溶解することができればよく、さらに、イミド化の途中で生成すると考えられるポリアミック酸を溶解できることが好ましい。特に限定するものではないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン等の環状エステル溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート溶媒、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶媒、m−クレゾール、p−クレゾール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール等のフェノール系溶媒、アセトフェノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。使用する有機溶剤は、1種類であっても、2種類以上であってもよい。本発明においてはアミド系溶媒を用いることが好ましく、また、必要に応じてグリコール系溶媒と混合して用いることも好ましい。
本発明のポリイミド前駆体溶液組成物は、芳香族テトラカルボン酸ジエステルと芳香族ジアミンとの合計の濃度であるモノマー濃度が、好ましくは10質量%〜75質量%、より好ましくは20質量%〜50質量%である。また、モノマー濃度が20質量%であるときの、30℃における溶液粘度は、好ましくは0.1Pa・s以下、より好ましくは0.05Pa・s以下、特に好ましくは0.01Pa・s以下であることが取り扱い上好適である。
本発明のポリイミド前駆体溶液組成物は、必要に応じて、さらに、化学イミド化剤(例えば、無水酢酸などの酸無水物や、ピリジン、イソキノリンなどのアミン化合物、イミダゾール化合物)、フィラー(例えば、シリカ、アルミナなどの絶縁性フィラー、カーボン、金属粒子などの導電性フィラー、アルミナ、窒化ホウ素、窒化ケイ素などの高熱伝導性フィラー、チタン酸バリウムなどの誘電体フィラー、)、染料、顔料、シランカップリング剤などを添加することができる。
本発明においては、基材に前記ポリイミド前駆体溶液組成物を塗布し、加熱することによりポリイミド膜を形成する。基材への塗布は、公知の方法を用いることができるが、インクジェット法が好適である。インクジェット法を用いることにより、特定のパターンを有するポリイミド膜を基板上に形成することができる。
ポリイミド膜は、ポリイミド前駆体溶液組成物を塗布した基板を加熱処理し、溶媒を除去するとともにイミド化(脱水閉環)することによって得られる。加熱処理条件は、特に限定されないが、概ね100℃以上、好ましくは120℃〜600℃、より好ましくは150℃〜500℃で、更に好ましくは150℃〜400℃で、好ましくは段階的に温度を上げながら、0.01時間〜30時間、好ましくは0.01〜10時間加熱処理することが好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
以下の例で用いた特性の測定方法を以下に示す。
<溶液粘度(回転粘度)>
トキメック社製E型粘度計を用いて30℃で測定した。
<被膜の状態観察>
得られた被覆層について目視により状態観察を行った。濁りや割れが見られないもの、折り曲げても容易に割れないものを良好、割れが見られ、折り曲げると容易に割れるものを不良とした。
<熱線膨張係数(CTE)>
長さ15mm/幅4mmにサンプリングしたサンプルを、セイコーインスツルメンツ製SS6100を用い、引張りモード、荷重4gf、昇温速度20℃/分で熱機械分析を行い、50℃から200℃、50℃から350℃のTMAカーブより算出した。
<粘度の経時変化観察>
初期粘度を測定後、25℃で30日保存し再度粘度測定を行った。
以下の例で使用した化合物の略号について説明する。
s−BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
PPD:p−フェニレンジアミン
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
PGL:プロピレングリコール
EtOH:エタノール
1,2−DMZ:1,2−ジメチルイミダゾ−ル
〔実施例1〕
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mLのガラス製の反応容器に、溶媒としてNMP213gを加え、これにs−BPDA147.11g(0.50モル)、エタノール55.28g(1.2モル)を加え、80℃で10時間攪拌し、溶解させた。この溶液にODA40.05g(0.20モル)、PPD32.44g(0.30モル)を加え、50℃で3時間撹拌し溶解させた。この溶液に1,2−DMZ48.8g(溶液の10wt%分)を加え、モノマー濃度40.9質量%、溶液粘度1.1Pa・sのポリイミド前駆体組成物を得た。
このポリイミド前駆体組成物を、基材のガラス板上に塗布し、120℃にて30分間、150℃にて10分間、200℃にて10分間、250℃にて10分間、400℃にて10分間加熱処理を行い、厚み20μmのポリイミド被膜を得た。得られたポリイミド被膜について、被膜の状態観察と熱膨張係数(CTE)を測定した。評価結果を表1に示した。
〔実施例2〕
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mLのガラス製の反応容器に、溶媒としてNMP82g、PGL82gを加え、これにs−BPDA147.11g(0.50モル)、エタノール55.28g(1.2モル)を加え、80℃で10時間攪拌し、溶解させた。この溶液にODA40.05g(0.20モル)、PPD32.44g(0.30モル)を加え、50℃で3時間撹拌し溶解させた。この溶液に1,2−DMZ43.9g(溶液の10wt%分)を加え、モノマー濃度45.5質量%、溶液粘度2.1Pa・sのポリイミド前駆体組成物を得た。
このポリイミド前駆体組成物を、基材のガラス板上に塗布し、120℃にて30分間、150℃にて10分間、200℃にて10分間、250℃にて10分間、400℃にて10分間加熱処理を行い、厚み20μmのポリイミド被膜を得た。得られたポリイミド被膜について、被膜の状態観察と熱膨張係数を測定した。評価結果を表1に示した。
〔実施例3〕
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mLのガラス製の反応容器に、溶媒としてNMP80g、PGL80gを加え、これにs−BPDA147.11g(0.50モル)、エタノール55.28g(1.2モル)を加え、80℃で10時間攪拌し、溶解させた。この溶液にODA30.04g(0.15モル)、PPD37.85g(0.35モル)を加え、50℃で3時間撹拌し溶解させた。この溶液に1,2−DMZ43.0g(溶液の10wt%分)を加え、モノマー濃度45.5質量%、溶液粘度3.0Pa・sのポリイミド前駆体組成物を得た。
このポリイミド前駆体組成物を、基材のガラス板上に塗布し、120℃にて30分間、150℃にて10分間、200℃にて10分間、250℃にて10分間、400℃にて10分間加熱処理を行い、厚み20μmのポリイミド被膜を得た。得られたポリイミド被膜について、被膜の状態観察と熱膨張係数を測定した。評価結果を表1に示した。
〔比較例1〕
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mLのガラス製の反応容器に、溶媒としてNMP192gを加え、これにs−BPDA132.40g(0.45モル)、エタノール49.76g(1.08モル)を加え、80℃で10時間攪拌し、溶解させた。この溶液にODA36.04g(0.18モル)、PPD29.20g(0.27モル)を加え、50℃で3時間撹拌し溶解させ、モノマー濃度45.0質量%、溶液粘度1.7Pa・sのポリイミド前駆体組成物を得た。
このポリイミド前駆体組成物を、基材のガラス板上に塗布し、120℃にて30分間、150℃にて10分間、200℃にて10分間、250℃にて10分間、400℃にて10分間加熱処理を行い、厚み20μmのポリイミド被膜を得た。得られたポリイミド被膜について、被膜の状態観察を行った。評価結果を表1に示した。
〔参考例1〕
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mLのガラス製の反応容器に、溶媒としてNMP198gを加え、これにs−BPDA117.70g(0.40モル)、エタノール44.23g(0.96モル)を加え、80℃で10時間攪拌し、溶解させた。この溶液にODA48.06g(0.24モル)、PPD17.30g(0.16モル)を加え、50℃で3時間撹拌し溶解させ、モノマー濃度43.0質量%、溶液粘度0.7Pa・sのポリイミド前駆体組成物を得た。
このポリイミド前駆体組成物を、基材のガラス板上に塗布し、120℃にて30分間、150℃にて10分間、200℃にて10分間、250℃にて10分間、400℃にて10分間加熱処理を行い、厚み20μmのポリイミド被膜を得た。得られたポリイミド被膜について、被膜の状態観察と熱膨張係数を測定した。評価結果を表1に示した。
〔参考例2〕
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mLのガラス製の反応容器に、溶媒としてNMP198gを加え、これにs−BPDA117.70g(0.40モル)、エタノール44.23g(0.96モル)を加え、80℃で10時間攪拌し、溶解させた。この溶液にODA48.06g(0.24モル)、PPD17.30g(0.16モル)を加え、50℃で3時間撹拌し溶解させた。この溶液に1,2−DMZ42.6g(溶液の10wt%分)を加え、モノマー濃度39.1質量%、溶液粘度0.6Pa・sのポリイミド前駆体組成物を得た。
このポリイミド前駆体組成物を、基材のガラス板上に塗布し、120℃にて30分間、150℃にて10分間、200℃にて10分間、250℃にて10分間、400℃にて10分間加熱処理を行い、厚み20μmのポリイミド被膜を得た。得られたポリイミド被膜について、被膜の状態観察と熱膨張係数を測定した。評価結果を表1に示した。
Figure 0006604003

Claims (4)

  1. 芳香族テトラカルボン酸ジエステルからなる芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを含有するポリイミド前駆体溶液組成物であって、
    前記芳香族テトラカルボン酸成分は、50モル%以上が3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジエステルからなり、
    前記芳香族ジアミン成分は、p−フェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを含み、芳香族ジアミン成分中のパラフェニレンジアミンの割合が50モル%以上であり、
    イミダゾール類を含むことを特徴とする、ポリイミド前駆体溶液組成物。
  2. 芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とからなるポリイミド前駆体の濃度が20質量%であるときの溶液粘度が0.01Pa・s以下である、請求項1に記載のポリイミド前駆体溶液組成物。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載のポリイミド前駆体溶液組成物を基材に塗布し、加熱によりイミド化する、ポリイミド膜の製造方法。
  4. インクジェット法によりポリイミド前駆体溶液組成物を塗布する、請求項3に記載のポリイミド膜の製造方法。
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