JP6603659B2 - クレンジング化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、油性汚れを落とすクレンジング化粧料であって、ポンプ方式の容器に充填して使用する用途に好適なクレンジング化粧料に関する。本願は、2014年6月9日に日本に出願した、特願2014−118680号、及び2014年11月28日に日本に出願した、特願2014−241793号の優先権を主張し、その内容をここに援用する。
皮脂による汚れやメイクアップ化粧料による汚れ(=メイク汚れ)等の皮膚の油性汚れを落とす目的で使用されるクレンジング化粧料としては、皮脂やメイク汚れにすばやく馴染み、水で濯ぐことによりすっきりと洗い流すことができるものが求められており、油剤と界面活性剤を含む液状のクレンジング化粧料が好ましく使用されている(特許文献1)。しかし、液状のクレンジング化粧料は、ポンプ方式の容器に充填して使用する場合、吐出時に飛び散ったり、手に取った際に指の間からたれ落ちたり、容器の吐出口から液だれして容器を汚染したりすることが問題であった。
国際公開第2013/172187号
この問題を解決する方法としては、増粘剤を添加して油剤を適度に増粘する方法が考えられる。しかし、従来の増粘剤(例えば、特開平8−59765号公報に記載のポリスチレン−水素化ポリイソプレンブロックコポリマー)では、粘度が高くなりすぎてポンプ方式の容器からの吐出性や、皮膚に塗布する際の展延性が悪くなることがわかった。
また、特開2009−155592号公報には、親水性又は親油性化合物のゲル化剤として、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)が記載されているが、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)は油剤に溶解し難く、これを油剤の増粘剤として使用することは困難であることがわかった。
従って、本発明の目的は、油性汚れの洗浄力に優れ、且つ水で洗い流すことができるクレンジング化粧料であって、手に取ったときにたれ落ちにくく、展延性に優れ、ポンプ方式の容器に充填した際の吐出性に優れるクレンジング化粧料を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、下記式(1)で表される化合物は油剤を任意の粘度にまで増粘し、その粘度を安定的に維持することができること、前記化合物によって適度に増粘された油剤と界面活性剤とを含むクレンジング化粧料は、油性汚れの洗浄力に優れ、水で洗い流すことができ、ポンプ方式の容器に充填した際には吐出性に優れ、手に取ったときにたれ落ちにくく、又容器の吐出口から液だれしにくく、皮膚に塗布する際は展延性に優れることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、増粘剤(A)と油剤(B)と界面活性剤(C)とを含むクレンジング化粧料であって、増粘剤(A)として下記式(1)
1−(CONH−R2n (1)
(式中、R1はベンゼン、ベンゾフェノン、ビフェニル、ナフタレン、シクロヘキサン、又はブタンの構造式からn個の水素原子を除いた基であり、R2は炭素数4以上の脂肪族炭化水素基である。nは3以上の整数を示す。n個のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい)
で表される化合物をクレンジング化粧料の0.1〜10.0重量%含むクレンジング化粧料を提供する。
本発明は、また、25℃、せん断速度10s-1における粘度が300〜3000mPa・sである前記のクレンジング化粧料を提供する。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1] 増粘剤(A)と油剤(B)と界面活性剤(C)とを含むクレンジング化粧料であって、増粘剤(A)として下記式(1)
1−(CONH−R2n (1)
(式中、R1はベンゼン、ベンゾフェノン、ビフェニル、ナフタレン、シクロヘキサン、又はブタンの構造式からn個の水素原子を除いた基であり、R2は炭素数4以上の脂肪族炭化水素基である。nは3以上の整数を示す。n個のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい)
で表される化合物をクレンジング化粧料の0.1〜10.0重量%含むクレンジング化粧料。
[2] 式(1)で表される化合物が、式(1)中のn個のR2が全て同一の基である化合物及び/又は式(1)中のn個のR2が2種の異なる基である化合物である[1]に記載のクレンジング化粧料。
[3] 式(1)で表される化合物が、式(1)中のn個のR2が全て同一に、炭素数4〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基である化合物である[1]又は[2]に記載のクレンジング化粧料。
[4] 式(1)で表される化合物が、式(1)中のn個のR2が2種の異なる基(R21、R22)であり、R21、R22の一方が炭素数4〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基であり、R21、R22の他方が炭素数6〜20の直鎖状アルキル基又は直鎖状アルケニル基である化合物である[1]又は[2]に記載のクレンジング化粧料。
[5] 式(1)で表される化合物の分子量が500〜1300である[1]〜[4]の何れか1つに記載のクレンジング化粧料。
[6] 油剤(B)が、炭化水素、天然油、エステル、シリコーン油、高級脂肪酸、及び高級アルコールから選択される少なくとも1種である[1]〜[5]の何れか1つに記載のクレンジング化粧料。
[7] 界面活性剤(C)が、エステル型非イオン性界面活性剤である[1]〜[6]の何れか1つに記載のクレンジング化粧料。
[8] 油剤(B)の含有量がクレンジング化粧料の40.0〜99.0重量%である[1]〜[7]の何れか1つに記載のクレンジング化粧料。
[9] 界面活性剤(C)の含有量がクレンジング化粧料の1.0〜40.0重量%である[1]〜[8]の何れか1つに記載のクレンジング化粧料。
[10] 式(1)で表される化合物の含有量が、油剤(B)100重量部に対して0.5〜10.0重量部である[1]〜[9]の何れか1つに記載のクレンジング化粧料。
[11] 25℃、せん断速度10s-1における粘度が300〜3000mPa・sである[1]〜[10]の何れか1つに記載のクレンジング化粧料。
本発明のクレンジング化粧料は、上記式(1)で表される化合物によって増粘されて適度な粘性を有し、その粘性が経時安定的に保持された油剤と界面活性剤とを含有するため、油性汚れの洗浄力に優れ、皮膚の汚れやメイク汚れと容易に馴染み、水で濯ぐことによりすっきりと洗い流すことができる。さらに、適度な粘度を有するため手に取ったときに指の間からたれ落ちにくく、且つ展延性に優れる。さらにまた、ポンプ方式の容器に充填した際は吐出性に優れ、容器の吐出口から液だれしにくい。そのため、本発明のクレンジング化粧料はポンプ方式の容器に充填して使用する皮膚の油性汚れのクレンジング用途に好適である。
[増粘剤(A)]
本発明は、下記式(1)で表される化合物を増粘剤として使用することを特徴とする。
1−(CONH−R2n (1)
式(1)中、R1はベンゼン、ベンゾフェノン、ビフェニル、ナフタレン、シクロヘキサン、又はブタンの構造式からn個の水素原子を除いた基であり、R2は炭素数4以上の脂肪族炭化水素基である。nは3以上の整数(好ましくは3〜4、特に好ましくは4)を示す。n個のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記R2は炭素数4以上の脂肪族炭化水素基であり、例えば、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデシル、ミリスチル、ステアリル、ノナデシル基等の炭素数4〜20程度(好ましくは4〜18)の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基;2−ブテニル、2−ペンテニル、イソペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、7−オクテニル、9−デセニル、11−ドデセニル、オレイル基等の炭素数4〜20程度(好ましくは6〜18)の直鎖状又は分岐鎖状アルケニル基;ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、オクチニル、デシニル、ペンタデシニル、オクタデシニル基等の炭素数4〜20程度(好ましくは6〜18)の直鎖状又は分岐鎖状アルキニル基等を挙げることができる。
式(1)で表される化合物としては、なかでも、n個のR2が全て同一の基である化合物、若しくはn個のR2が2種の異なる基である化合物が、油剤(B)の溶解性に優れ、油剤(B)を所望の粘度に増粘することができる点で好ましい。
式(1)で表される化合物のうち、n個のR2が全て同一の基(R21)である化合物(前記R21は、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基を示す)としては、なかでも、R21が炭素数4〜20程度(好ましくは6〜18、特に好ましくは6〜12)の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基である化合物が好ましい。
式(1)で表される化合物のうち、n個のR2が2種の異なる基(R21、R22)である化合物(前記R21、R22は、互いに異なって炭素数4以上の脂肪族炭化水素基を示す)としては、なかでも、R21、R22の一方が炭素数4〜20程度(好ましくは4〜18、特に好ましくは4〜15、最も好ましくは4〜12、更に好ましくは4〜10)の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基であり、R21、R22の他方が炭素数6〜20程度(好ましくは12〜20、特に好ましくは15〜20、最も好ましくは16〜20)の直鎖状アルキル基又は直鎖状アルケニル基である化合物が好ましい。
式(1)で表される化合物のうち、nが4である化合物としては、例えば、下記式で表される化合物等を挙げることができる。下記式中のR21、R22は前記に同じ。一分子中に複数のR21が存在する場合、それらは同一の基である。R22についても同様である。nが4以外の整数(例えば、n=3)である化合物は、下記式で表される化合物に対応する化合物等を挙げることができる。
Figure 0006603659
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本発明においては、式(1)で表される化合物のなかでも、n個のR2が2種の異なる基である化合物が、幅広い油剤に対して優れた増粘性を有する点で好ましい。
また、本発明の式(1)で表される化合物の分子量は、例えば500〜1300程度、好ましくは600〜1300、特に好ましくは800〜1300、最も好ましくは900〜1200である。式(1)で表される化合物の分子量が上記範囲を外れると、増粘効果が低減する傾向がある。
式(1)で表される化合物は、例えば、下記1又は2の方法等により製造することができる。
1.下記式(2)
1−(COOH)n (2)
(R1、nは前記に同じ)
で表されるカルボン酸を塩化チオニルと反応させてカルボン酸クロライドを得、得られたカルボン酸クロライドにアミン(R2−NH2)(R2は前記に同じ)を反応させる方法
2.前記式(2)で表されるカルボン酸に対応するカルボン酸無水物にアミン(1)(R2−NH2)を反応させてアミック酸を得、更にアミン(2)(R2−NH2、アミン(1)と同一であってもよく、異なっていてもよい)を縮合剤を用いて縮合させる方法
上記1の製造方法で使用する式(2)で表されるカルボン酸としては、例えば、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸(=ピロメリット酸)、2,4,5−ベンゾフェノントリカルボン酸、3,4,3’−ベンゾフェノントリカルボン酸、3,4,4’−ベンゾフェノントリカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、1,1’−ビフェニル−2,4,4’−トリカルボン酸、1,1’−ビフェニル−2,3,3’,4’−テトラカルボン酸、1,6,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,3−ナフタレントリカルボン酸、1,3,8−ナフタレントリカルボン酸、1,4,6−ナフタレントリカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等を挙げることができる。
上記1の製造方法で使用するアミン(R2−NH2)としては、例えば、n−ブチルアミン、s−ブチルアミン、へキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ミリスチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン等の、前記R2が炭素数4以上(好ましくは、炭素数4〜20)の脂肪族炭化水素基(好ましくは、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基)であるアミンを挙げることができる。
カルボン酸クロライドとアミンの反応は、例えばアミンを仕込んだ系内にカルボン酸クロライドを滴下することにより行うことができる。
アミンの使用量は、カルボン酸クロライド1モルに対して、例えば4〜8モル程度、好ましくは4〜6モルである。ここで、2種以上の異なるアミンを使用すると、式(1)で表される化合物のうちn個のR2が2種以上の異なる基である化合物が得られる。
カルボン酸クロライドとアミンの反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行うことができる。前記溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル等の飽和又は不飽和炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;スルホラン等のスルホラン系溶媒;ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒;シリコーンオイル等の高沸点溶媒等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記溶媒の使用量としては、カルボン酸クロライドとアミンの総量に対して、例えば50〜300重量%程度である。溶媒の使用量が上記範囲を上回ると反応成分の濃度が低くなり、反応速度が低下する傾向がある。
カルボン酸クロライドとアミンの反応(=滴下)は、通常、常圧下で行われる。また、上記反応(=滴下時)の雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。反応温度(=滴下時温度)は、例えば30〜60℃程度である。反応時間(=滴下時間)は、例えば0.5〜20時間程度である。反応(=滴下)終了後は、熟成工程を設けてもよい。熟成工程を設ける場合、熟成温度は例えば30〜60℃程度、熟成時間は例えば1〜5時間程度である。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法でも行うことができる。
反応終了後、得られた反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、吸着、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
上記2の製造方法では、例えば、カルボン酸無水物とアミン(1)及び下記溶媒を系内に仕込み、熟成させることによりアミック酸を形成し、その後、アミン(2)と縮合剤(例えば、カルボジイミド又はその塩)を仕込み、熟成させることにより式(1)で表される化合物を製造することができる。ここで、2種以上の異なるアミンを使用すると、本発明の式(1)で表される化合物のうちn個のR2が2種以上の異なる基である化合物が得られる。
前記カルボン酸無水物としては、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸−1,2:4,5−二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,1’−ビフェニル−2,3,3’,4’−テトラカルボン酸−2,3:3’,4’−二無水物、ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸−1,8:4,5−二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸−1,2:4,5−二無水物、meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等を好適に使用することができる。
前記アミン(1)、(2)としては、上記1の製造方法で使用できるアミンと同様の例を挙げることができる。
アミン(1)の使用量としては、カルボン酸無水物1モルに対して、例えば2〜4モル程度、好ましくは2〜3モルである。また、アミン(2)の使用量としては、カルボン酸無水物1モルに対して、例えば2〜4モル程度、好ましくは2〜3モルである。
前記カルボジイミドは下記式(3)で表される。
R−N=C=N−R’ (3)
上記式(3)中、R、R’としては、例えば、ヘテロ原子含有置換基を有していてもよい、炭素数3〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、及び3〜8員のシクロアルキル基等を挙げることができる。R、R’は同一であってもよく、異なっていてもよい。また、RとR’は互いに結合して(−N=C=N−)基と共に環を形成していてもよい。
前記炭素数3〜8の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基としては、例えば、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、s−ペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、s−ヘキシル、t−ヘキシル基等を挙げることができる。
前記3〜8員のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル基等を挙げることができる。
前記ヘテロ原子含有置換基としては、アミノ基、ジメチルアミノ基等のジ(C1-3)アルキルアミノ基等の窒素原子含有置換基を挙げることができる。
カルボジイミドとしては、例えば、ジイソプロピルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド等を挙げることができる。また、カルボジイミドの塩としては、例えば、塩酸塩(具体的には、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩等)等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
カルボジイミドの使用量としては、カルボン酸無水物1モルに対して、例えば2〜6モル程度、好ましくは2〜4モルである。
前記溶媒としては、アミック酸の溶解性に優れるプロトン受容性溶媒(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等)を使用することが好ましい。これらは1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
前記溶媒の使用量としては、アミック酸の総量に対して、例えば50〜300重量%程度、好ましくは100〜250重量%である。溶媒の使用量が上記範囲を上回ると反応成分の濃度が低くなり、反応速度が低下する傾向がある。
上記反応は、通常、常圧下で行われる。また、上記反応の雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。熟成温度(反応温度)は、例えば30〜70℃程度である。カルボン酸無水物とアミンの熟成時間は、例えば0.5〜5時間程度であり、アミック酸とアミンの熟成時間は、例えば0.5〜20時間程度である。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法でも行うことができる。
反応終了後、得られた反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、吸着、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
式(1)で表される化合物はアミド結合部位において水素結合により自己会合してファイバー状の自己組織体を形成することができる。更に、R2基が油剤(B)に対して親和性を有する。そのため、油剤(B)と相溶させることにより、油剤(B)を適度に、且つ経時安定的に増粘することができる。特に、式(1)中のR2が2種以上の異なる基である場合は適度の結晶性を有するため、油剤(B)の種類に限定されることなく増粘することができ、より広い範囲の油剤(B)に対して増粘作用を発揮することができる。すなわち、幅広い油剤選択性を有する。
[油剤(B)]
本発明の油剤としては、液状やペースト状の油を使用することが好ましいが、固体状の油であっても、液状のクレンジング化粧料を調製できる範囲内であれば使用することができる。また、本発明の油剤は極性油であっても、非極性油であってもよい。
本発明の油剤としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素;ヒマワリ油、マカデミアナッツ油、アボガド油、アーモンド油、小麦胚芽油、米胚芽油、オリーブ油、ホホバ油、月見草油、ヤシ油、山茶花油、ローズヒップ油等の天然油;イソノナン酸2−エチルへキシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、ラウリン酸ヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、イソパルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オクタン酸セチル、オクタン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸エチル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、2−エチルヘキサン酸イソステアリル、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン等のエステル類;メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン油;ラウリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[界面活性剤(C)]
本発明の界面活性剤(C)には、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤が含まれる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明においては、なかでも、安全性の点で非イオン性界面活性剤を使用することが好ましい。
非イオン性界面活性剤には、エステル型非イオン性界面活性剤、エーテル型非イオン性界面活性剤、及びエーテル・エステル型非イオン性界面活性剤が含まれる。
前記エステル型非イオン性界面活性剤としては、例えば、ジグリセリンモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン(5)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(7)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ポリオキシエチレン(3)グリセリルモノイソステアレート、ポリオキシエチレン(6)グリセリルモノイソステアレート、ポリオキシエチレン(8)グリセリルモノイソステアレート、ポリオキシエチレン(10)グリセリルモノイソステアレート、ポリオキシエチレン(15)グリセリルモノイソステアレート、ポリオキシエチレン(20)グリセリルモノイソステアレート、ポリオキシエチレン(30)グリセリルモノイソステアレート、ポリオキシエチレン(10)グリセリルトリイソステアレート、ポリオキシエチレン(20)グリセリルトリイソステアレート、ポリオキシエチレン(30)グリセリルトリイソステアレート、ポリオキシエチレン(40)グリセリルトリイソステアレート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン(6)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン(8)トリメチロールプロパントリミリステート、ポリオキシエチレン(20)トリメチロールプロパントリミリステート、ポリオキシエチレン(30)トリメチロールプロパントリミリステート等のポリオキシエチレントリメチロールプロパン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン(30)ソルビトールテトラオレエート、ポリオキシエチレン(40)ソルビトールテトラオレエート等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン(6)ジイソステアレート、ポリオキシエチレン(12)ジイソステアレート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル等を挙げることができる。
前記エーテル型非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルや、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等を挙げることができる。
前記エーテル・エステル型非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(5)セチルエーテルステアレート、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテルステアレート等を挙げることができる。
本発明においては、なかでもエステル型非イオン性界面活性剤を使用することが安全性の点で好ましく、特にポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
[クレンジング化粧料]
本発明のクレンジング化粧料は、増粘剤(A)と油剤(B)と界面活性剤(C)とを含む。
本発明のクレンジング化粧料の粘度[25℃、せん断速度10s-1における]は、例えば300〜3000mPa・s程度、好ましくは500〜3000mPa・s、特に好ましくは1000〜3000mPa・s、最も好ましくは2000〜3000mPa・sである。そのため、ポンプ方式の容器に充填して使用する場合は、吐出時に飛び散りにくく、吐出口からの液だれを防止することができる。その上、皮膚に塗布する際は、指の間からたれ落ちにくく、且つ展延性に優れる。すなわち、使用性に優れる。一方、粘度が上記範囲を上回ると、吐出性や使用性が低下する傾向があり、粘度が上記範囲を下回ると、吐出時に飛び散ったり、手に取った際に指の間からたれ落ちたり、容器の吐出口から液だれして容器を汚染したりする場合がある。
本発明のクレンジング化粧料は、例えば、増粘剤(A)と油剤(B)とを相溶させる工程を経て得られた油組成物に、界面活性剤(C)を混合することにより製造することができる。前記油組成物は、より詳細には、上記増粘剤(A)と油剤(B)の全量を混合して加温し、相溶させた後、冷却することにより製造することができる。また、油剤(B)の一部に上記増粘剤(A)を混合して、加温、相溶させた後、冷却し、その後、残りの油剤(B)を混合する方法でも製造することができる。
本発明のクレンジング化粧料における式(1)で表される化合物の含有量(2種以上使用する場合はその総量)は、本発明のクレンジング化粧料に含まれる油剤(B)100重量部に対して、例えば0.5〜10.0重量部程度、好ましくは1.0〜5.0重量部である。
また、式(1)で表される化合物の含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、クレンジング化粧料全量の0.1〜10.0重量%であり、下限は好ましくは1.0重量%である。また、上限は、好ましくは7.0重量%、特に好ましくは5.0重量%である。式(1)で表される化合物を前記範囲で配合することにより油剤(B)に適度な粘度を付与することができ、使用性及び吐出性に優れたクレンジング化粧料を得ることができる。一方、式(1)で表される化合物の含有量が上記範囲を下回ると、クレンジング化粧料の粘度を安定的に保持することが困難となる傾向がある。また、式(1)で表される化合物の含有量が上記範囲を上回っても有利な効果は得られ難く、かえってクレンジング化粧料の展延性や吐出性が低下する場合がある。
本発明のクレンジング化粧料には増粘剤(A)として、式(1)で表される化合物以外の他の増粘剤を含有してもよいが、クレンジング化粧料に含まれる全増粘剤に占める式(1)で表される化合物の割合は、例えば30重量%以上、好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上、最も好ましくは85重量%以上である。式(1)で表される化合物の割合の上限は100重量%である。他の増粘剤の含有量が過剰となると、本発明の効果が得られにくくなる傾向がある。尚、本発明における「増粘剤」とは、粘性を付与する増粘剤、ゲル化するゲル化剤、及び組成物の成分を均一に安定化する安定剤を含む概念である。
油剤(B)の含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、クレンジング化粧料全量の例えば40.0〜99.0重量%程度であり、下限は好ましくは50.0重量%、特に好ましくは60.0重量%、最も好ましくは65.0重量%である。また、上限は、好ましくは90.0重量%、特に好ましくは85.0重量%、最も好ましくは80.0重量%である。油剤(B)を上記範囲で含有するクレンジング化粧料は、油性汚れの洗浄力に優れ、使用性及び吐出性に優れる。
増粘剤(A)と油剤(B)の組み合わせは、増粘剤(A)と油剤(B)が相溶する組み合わせであれば特に制限されない。
相溶の際の温度は増粘剤(A)と油剤(B)の種類によって適宜選択されるものであり特に制限されないが、100℃を越えないことが好ましく、油剤(B)の沸点が100℃以下の場合には沸点程度が好ましい。
相溶後の冷却は、室温(例えば、1〜30℃)以下にまで冷却することができればよく、室温で徐々に冷却してもよいし、氷冷等により急速冷却してもよい。
界面活性剤(C)の含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、クレンジング化粧料全量の例えば1.0〜40.0重量%程度であり、好ましくは5.0〜25.0重量%、特に好ましくは10.0〜25.0重量%、最も好ましくは15.0〜25.0重量%である。界面活性剤(C)の使用量が上記範囲を下回ると、クレンジング化粧料を水で洗い流すことが困難となる傾向がある。一方、界面活性剤(C)の使用量が上記範囲を上回ると、皮膚への刺激が強くなり、安全性が低下する傾向がある。
本発明のクレンジング化粧料は、上記成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、通常のクレンジング化粧料に用いられる成分(以後、「他の成分」と称する場合がある)を1種又は2種以上含有していてもよい。前記他の成分としては、例えば、防腐剤、抗菌剤、消炎剤、収斂剤、保湿剤、酸化防止剤、アルコール類、水、着色剤、香料等を挙げることができる。
本発明のクレンジング化粧料における他の成分の含有量は、例えば10.0重量%以下程度、好ましくは7.0重量%以下、特に好ましくは5.0重量%以下である。
本発明のクレンジング化粧料は上記特性を兼ね備える為、クレンジング化粧料を塗布し、手指で軽くマッサージすることにより皮膚の汚れや油性化粧料(例えば、ファンデーション、日焼け止め化粧料、口紅、マスカラ等)によるメイク汚れ等の油性汚れに馴染ませることができ、その後、水で洗い流すことにより、すっきりと落とすことできる。また、ポンプ方式の容器に充填した際は、飛び散ること無く吐出させることができ、吐出口からのたれ落ちも抑制できる。そのため、本発明のクレンジング化粧料はポンプ方式の容器に充填して使用する油性汚れ用クレンジング化粧料として好適である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、反応生成物の構造は1H−NMRにより確認した。
調製例1(増粘剤(1):1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸テトラ(ヘキシルアミド)の合成)
ジムロート冷却管、窒素導入口、滴下ロート、及び熱電対を備えた100mL4つ口セパラブルフラスコにクロロホルム20mL、ヘキシルアミン3.6g(0.036mol)を仕込んで、系内温度を40℃に設定した。
その後、ピロメリット酸テトラクロリド3g(0.009mol)の10mLクロロホルム溶液を2時間かけて滴下し、更に2時間熟成を行った。
その後、得られた粗液の低沸分をエバポレータにて除去し、メタノールで洗浄し、白色の湿粉を得た。更に得られた湿粉についてCHCl3/CH3OH(70/30(v/v))で再結晶を行い、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸テトラ(ヘキシルアミド)(分子量:586)を3.5g得た(収率:67%)。
調製例2(増粘剤(2):1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸テトラ(オクチルアミド)の合成)
ヘキシルアミンに代えてオクチルアミン4.8g(0.036mol)を使用した以外は調製例1と同様にして、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸テトラ(オクチルアミド)(分子量:699)を3.7g得た(収率:59%)。
調製例3(増粘剤(3):1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸ジ(2−エチルヘキシルアミド)ジ(オレイルアミド)の合成)
ジムロート冷却管、窒素導入口、滴下ロート、及び熱電対を備えた100mL4つ口セパラブルフラスコにピリジン20mL、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸−1,2:4,5−二無水物3.0g(0.014mol)、オレイルアミン7.4g(0.028mol)を仕込んだ。系内温度を50℃に設定し、3時間熟成した。
その後、2−エチルヘキシルアミン3.6g(0.028mol)、ジイソプロピルカルボジイミド7.0g(0.056mol)を仕込み、更に8時間熟成を行った。
その後、得られた粗液の低沸分をエバポレータにて除去し、メタノールで洗浄し、淡黄色の湿粉を得た。更に得られた湿粉についてCHCl3/CH3OH(70/30(v/v))で再結晶を行い、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸ジ(2−エチルヘキシルアミド)ジ(オレイルアミド)(分子量:975)[1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸−1,4−ジ(2−エチルヘキシルアミド)−2,5−ジ(オレイルアミド)と1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸−1,5−ジ(2−エチルヘキシルアミド)−2,4−ジ(オレイルアミド)の混合物]を5.9g得た(収率:51%)。
調製例4(増粘剤(4):3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラ(ドデシルアミド)の合成)
ジムロート冷却管、窒素導入口、滴下ロート、及び熱電対を備えた100mL4つ口セパラブルフラスコにクロロホルム20mL、ドデシルアミン11.4g(0.062mol)を仕込んだ。系内温度を50℃に設定し、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラクロリド4.97g(0.011mol)の10mLクロロホルム溶液を0.5時間かけて滴下し、更に4時間熟成を行った。その後、得られた粗液の低沸分をエバポレータにて除去し、メタノールで洗浄し、淡黄色の湿粉を得た。更に得られた湿粉についてCHCl3/CH3OH(70/30(v/v))で再結晶を行い、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラ(ドデシルアミド)(分子量:923)を2.4g得た(収率:27%)。
調製例5(増粘剤(5):1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸ジ(2−エチルヘキシルアミド)ジ(オレイルアミド)の合成)
ジムロート冷却管、窒素導入口、滴下ロート、及び熱電対を備えた100mL4つ口セパラブルフラスコにピリジン20mL、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸−1,2:3,4−二無水物4.2g(0.021mol)、オレイルアミン11.3g(0.042mol)を仕込んだ。系内温度を50℃に設定し、3時間熟成した。
その後、2−エチルヘキシルアミン5.4g(0.042mol)、ジイソプロピルカルボジイミド5.8g(0.048mol)を仕込み、更に8時間熟成を行った。
その後、得られた粗液の低沸分をエバポレータにて除去し、メタノールで洗浄し、淡黄色の湿粉を得た。得られた湿粉についてCHCl3/CH3OH(70/30(v/v))で再結晶を行い、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸ジ(2−エチルヘキシルアミド)ジ(オレイルアミド)(分子量:1024.95)[1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸−1,4−ジ(2−エチルヘキシルアミド)−2,3−ジ(オレイルアミド)と1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸−1,3−ジ(2−エチルヘキシルアミド)−2,4−ジ(オレイルアミド)の混合物]を16.7g得た(収率:83%)。
調製例6(増粘剤(6):1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸ジ(n−ブチルアミド)ジ(オレイルアミド)の合成)
ジムロート冷却管、窒素導入口、滴下ロート、及び熱電対を備えた100mL4つ口セパラブルフラスコにピリジン20mL、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸−1,2:4,5−二無水物4.5g(0.02mol)、オレイルアミン10.7g(0.04mol)を仕込んだ。系内温度を50℃に設定し、3時間熟成した。
その後、n−ブチルアミン2.9g(0.02mol)、ジイソプロピルカルボジイミド5.5g(0.044mol)を仕込み、更に8時間熟成を行った。
その後、得られた粗液の低沸分をエバポレータにて除去し、メタノールで洗浄し、淡黄色の湿粉を得た。得られた湿粉についてCHCl3/CH3OH(70/30(v/v))で再結晶を行い、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸ジ(n−ブチルアミド)ジ(オレイルアミド)(分子量:869.43)[1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸−1,4−ジ(n−ブチルアミド)−2,5−ジ(オレイルアミド)と1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸−1,5−ジ(n−ブチルアミド)−2,4−ジ(オレイルアミド)の混合物]を11.6g得た(収率:67%)。
調製例7(増粘剤(7):1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)の合成)
ジムロート冷却管、窒素導入口、滴下ロート、及び熱電対を備えた100mL4つ口セパラブルフラスコにピリジン20mL、1,2,3−プロパントリカルボン酸2.97g(0.017mol)、ジイソプロピルカルボジイミド7.0g(0.056mol)を仕込み、系内温度を50℃に設定して、3時間熟成した。
更に2−メチルシクロヘキシルアミン5.7g(0.051mol)を仕込み8時間熟成を行った。
その後、得られた粗液の低沸分をエバポレータにて除去し、メタノールで洗浄し、淡黄色の湿粉を得た。更に得られた湿粉についてアセトンで洗浄し、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)を4.7g得た(収率:61%)。
実施例1
(クレンジング化粧料の調製)
調製例1で得られた増粘剤(1)2重量部と、油剤としてのオクタン酸セチル(商品名「CEH」、高級アルコール工業(株)製)78重量部とを混合し、80℃で加熱撹拌してこれらを相溶させ、その後、25℃まで冷却して油組成物(1)を得、得られた油組成物(1)に界面活性剤として、ポリオキシエチレン(10)グリセリルモノイソステアレート(商品名「EMALEX GWIS-110」、日本エマルジョン(株)製)10重量部、及びポリオキシエチレン(8)グリセリルモノイソステアレート(商品名「EMALEX GWIS-108」、日本エマルジョン(株)製)10重量部を混合してクレンジング化粧料(1)(25℃、せん断速度10s-1における粘度:2400mPa・s)を得た。
(評価)
得られたクレンジング化粧料(1)を、口径2.5mm、吐出量が1.5mLのノズル吐出口がついたポンプ式容器に充填し、20名の女性パネラーが2週間使用して、ポンプ式容器による使用性(吐出口の液だれや、吐出時の飛び散りを防止できるか)、クレンジング化粧料の使用感(手に取った時に指の間からたれ落ちないか、展延性がよいか)、水洗のしやすさについて5段階(+2:非常に良い、+1:良い、0:普通、−1:悪い、−2:非常に悪い)で評価し、その評価点の平均値から、下記基準に従ってクレンジング化粧料を総合的に評価した。
<評価基準>
◎:1.0点以上
○:0点以上、1.0点未満
×:0点未満
実施例2〜6、比較例1〜2
下記表に示す処方(単位は重量部)に変更した以外は実施例1と同様にしてクレンジング化粧料を得、それらについて実施例1と同様にして評価を行った。
Figure 0006603659
本発明のクレンジング化粧料は、ポンプ方式の容器に充填して使用する場合の使用性、及び使用感に優れ、且つ水で容易に洗い流すことができる。一方、増粘剤を使用しなかった場合は、吐出時にクレンジング化粧料が飛び散り易く、吐出口から液だれし易かった。また、指の間からたれ落ちて使用し難かった。更に、従来公知の増粘剤(1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド))を使用した場合は、前記増粘剤が油剤に溶解しなかったため、増粘効果が得られず、増粘剤を使用しなかった場合と同様の結果であった。
本発明のクレンジング化粧料は、油性汚れの洗浄力に優れ、皮膚の汚れやメイク汚れと容易に馴染み、水で濯ぐことによりすっきりと洗い流すことができる。さらに、適度な粘度を有するため手に取ったときに指の間からたれ落ちにくく、且つ展延性に優れる。さらにまた、ポンプ方式の容器に充填した際は吐出性に優れ、容器の吐出口から液だれしにくい。そのため、本発明のクレンジング化粧料はポンプ方式の容器に充填して使用する皮膚の油性汚れのクレンジング用途に好適である。

Claims (2)

  1. 増粘剤(A)と油剤(B)と界面活性剤(C)とを含むクレンジング化粧料であって、増粘剤(A)として下記式(1)
    1−(CONH−R2n (1)
    (式中、R1はベンゼン、ベンゾフェノン、ビフェニル、ナフタレン、シクロヘキサン、又はブタンの構造式からn個の水素原子を除いた基であり、R2は炭素数4以上の脂肪族炭化水素基である。nは3以上の整数を示す。但し、R1がベンゼン又はシクロヘキサン又はブタンの構造式からn個の水素原子を除いた基の場合、nは4である。n個のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい)
    で表される化合物をクレンジング化粧料の0.1〜10.0重量%含むクレンジング化粧料。
  2. 25℃、せん断速度10s-1における粘度が300〜3000mPa・sである請求項1に記載のクレンジング化粧料。
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