JP6602676B2 - 地中外殻構造体の構築方法 - Google Patents
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Description
前記継手は、隣接する一方の角型鋼殻エレメントに備えられた凹型継手と、隣接する他方の角型鋼殻エレメントに備えられた凸型継手との嵌合による継手構造とし、
前記角型鋼殻エレメントの設置は、隣接する角型鋼殻エレメント間において、相対的に先行して設置される角型鋼殻エレメントを先行エレメントとし、相対的に後行で設置される角型鋼殻エレメントを後行エレメントとし、
前記凹型継手を備えた角型鋼殻エレメントについては推進工法によって設置する前に、単位エレメント毎に凹型継手内の一部又は全部にパラフィンを充填することにより地下水が凹型継手内を流路として発進部側に漏水しないように止水を図っておき、
前記先行エレメントを推進用掘進機に後続させながら地中に設置した後、前記後行エレメントの凸型継手を設置済みの先行エレメントの凹型継手内に嵌合させた状態とし、推進用掘進機に後続させながら地中に設置する工程において、前記先行エレメントの凹型継手内に充填してあるパラフィンを前記後行エレメントの施工前に、凹型継手内に温水又はスチームを送り込んでパラフィンを溶解させ撤去するとともに、凹型継手内に水を充填した状態とした後、前記後行エレメントの設置を行い、その後、前記後行エレメントの設置後に前記凹型継手内にグラウト材を注入することにより充填水をグラウト材によって置換して各エレメント間の止水を行い、
その後、隣接するエレメント間の隔壁を撤去してエレメント間を連通させ、前記エレメント内部にコンクリートを充填して構造体を構築した後、この構造体の内部の土砂を掘削することにより地中に外殻構造体を構築することを特徴とする地中外殻構造体の構築方法が提供される。
本発明に係る地中外殻構造体の構築方法は、断面視で周方向に閉合するように、例えば図1に示されるように、円形状に沿って、継手を介して相互に連結された多数の角型鋼殻エレメント1…、2…を推進工法により地中に設置した後、鋼殻エレメント1…、2…内にコンクリートを充填して構造体を構築し、その後に構造体の内部の土砂を掘削し、地中に外殻構造体を構築するものである。
本発明では、角型鋼殻エレメント1…、2…(以下、単にエレメントという。)の割り付けに当たって、図1に示されるように、多数の角型鋼殻エレメント1…、2…の内、一つ置きの角型鋼殻エレメントを先行エレメント1、1…として割り付け(着色で示したエレメント)、好ましくはすべての先行エレメント1、1…を設置した後、隣接する二つの先行エレメント1、1の間に設置される角型鋼殻エレメントを後行エレメント2、2…として割り付ける(白抜きで示したエレメント)。すなわち、従来のように、設置済みの鋼殻エレメントに隣接する鋼殻エレメントを継手同士を嵌合させながら順番に推進設置していく手順によるのではなく、図2にも示されるように、一つ置きの角型鋼殻エレメントを先行エレメント1、1…として設置した後、隣接する二つの先行エレメント1、1の間に後行エレメント2を設置する手順による。従って、施工誤差が分散し累積することが無いため、たとえ長距離施工であってもすべてのエレメントを円滑に設置できるようになる。
前記パッキン5A、5Bは、両側からそれぞれ開口中央方向に向けて延びる板厚約0.3〜1.0mm程度の2枚の屈曲板状体を対向させることによって構成され、外側端部が凹型継手の開口縁に固定され、中央端側が自由端とされることにより板バネとして作用するものである。前記パッキン5A、5Bの自由端同士は、突き合わされるように設けられている。後行エレメント2の板状の凸型継手25を嵌合させたときに、パッキン5A、5Bが溝部内側に向けて拡開するようになる。
更に、図示されるように、前記パッキン5A,5Bの外側には、前記開口の両側からそれぞれ開口中央方向に向けて延びる板バネ状の補助パッキン6A,6Bを設けることもできる。前記止水部Sを二重のパッキンによって構成することにより、確実な止水を図ることができる。また、これら二重のパッキンの間に、シール材を注入しておくことにより、更に確実な止水を図ることができる。
前記パッキン5A、5B及び補助パッキン6A、6Bの取り付けは、外側に配設された押え金具7A(7B)を介して、ボルト8A(8B)によって固設されている。
前記先行エレメント1の推進設置時に先頭に装備される掘削機3(以下、先行エレメント用掘削機という。)は、前面部分に、図9に示されるように、先行エレメント1の断面形状で掘削するために、回転式掘削ヘッド30と、遊星カッター31、31…と、サブカッター32とを備えたカッター部を備える。また、前面部分に、掘削面の四隅に前記凹型継手14〜17を含む領域を掘削するための継手部カッター33〜36が装備されている。具体的には、先行エレメント用掘削機4の四隅にそれぞれ、3方向に伸びるスポーク状の掘削アームからなる継手カッター33〜36が装備されている。
先ず、最初に前述した先行エレメント1、1…を推進工法により地中に設置する。発進部から先行エレメント用掘削機3を発進させるとともに、この掘削機3の後部に所定長さの先行エレメント1(単位エレメント1A)を順次継ぎ足しながら後続させ、かつ発進部に設置された元押しジャッキにより先行エレメント1の後部から推力を与えるようにする。
上記第1形態例では、角型鋼殻エレメント1…、2…(以下、単にエレメントという。)の割り付けに当たって、図1に示されるように、多数の角型鋼殻エレメント1…、2…の内、一つ置きの角型鋼殻エレメントを先行エレメント1、1…(着色で示したエレメント)として割り付け、好ましくはすべての先行エレメント1、1…を設置した後、隣接する二つの先行エレメント1、1の間に設置される角型鋼殻エレメントを後行エレメント2、2…(白抜きで示したエレメント)として割り付けるようにしたが、図19に示されるように、角型鋼殻エレメント1’の設置手順は、隣接方向に並び順とする場合でも、本発明を同様に適用することが可能である。
前記角型鋼殻エレメント1’(後行エレメント)の凸型継手24、26を設置済みの角型鋼殻エレメント1’(先行エレメント)の凹型継手15、17内に嵌合させた状態とし、前記推進用掘進機3’に後続させながら地中に設置する工程において、前記先行エレメントの凹型継手15、17内に充填してあるパラフィンを前記後行エレメントの施工前に、凹型継手15、17内に温水又はスチームを送り込んでパラフィン18を溶解させ撤去するとともに、凹型継手15、17内に水を充填した状態とした後、前記後行エレメントの設置を行い、その後、前記後行エレメントの設置後に前記凹型継手15、17内にグラウト材を注入することにより充填水をグラウト材によって置換して各エレメント間の止水を行う。
(1)上記第1形態例では、すべての先行エレメント1,1…を設置した後、先行エレメント1,1の間に後行エレメント2を設置する手順としたが、後行エレメント2は両側の先行エレメント1,1の設置が完了していれば、それらの間に設置することが可能であるため、すべての先行エレメント1,1…の設置が完了する前の任意の時期に設置するようにしてもよい。
Claims (6)
- 断面視で周方向に閉合するように、継手を介して相互に連結された多数の角型鋼殻エレメントを推進工法により地中に設置した後、前記角型鋼殻エレメント内にコンクリートを充填して構造体を構築し、その後に構造体の内部の土砂を掘削し、地中に外殻構造体を構築する地中外殻構造体の構築方法において、
前記継手は、隣接する一方の角型鋼殻エレメントに備えられた凹型継手と、隣接する他方の角型鋼殻エレメントに備えられた凸型継手との嵌合による継手構造とし、
前記角型鋼殻エレメントの設置は、隣接する角型鋼殻エレメント間において、相対的に先行して設置される角型鋼殻エレメントを先行エレメントとし、相対的に後行で設置される角型鋼殻エレメントを後行エレメントとし、
前記凹型継手を備えた角型鋼殻エレメントについては推進工法によって設置する前に、単位エレメント毎に凹型継手内の一部又は全部にパラフィンを充填することにより地下水が凹型継手内を流路として発進部側に漏水しないように止水を図っておき、
前記先行エレメントを推進用掘進機に後続させながら地中に設置した後、前記後行エレメントの凸型継手を設置済みの先行エレメントの凹型継手内に嵌合させた状態とし、推進用掘進機に後続させながら地中に設置する工程において、前記先行エレメントの凹型継手内に充填してあるパラフィンを前記後行エレメントの施工前に、凹型継手内に温水又はスチームを送り込んでパラフィンを溶解させ撤去するとともに、凹型継手内に水を充填した状態とした後、前記後行エレメントの設置を行い、その後、前記後行エレメントの設置後に前記凹型継手内にグラウト材を注入することにより充填水をグラウト材によって置換して各エレメント間の止水を行い、
その後、隣接するエレメント間の隔壁を撤去してエレメント間を連通させ、前記エレメント内部にコンクリートを充填して構造体を構築した後、この構造体の内部の土砂を掘削することにより地中に外殻構造体を構築することを特徴とする地中外殻構造体の構築方法。 - 前記多数の角型鋼殻エレメントの設置手順は、一つ置きの角型鋼殻エレメントを先行エレメントとし、これら先行エレメントを設置した後、隣接する二つの先行エレメントの間に設置される角型鋼殻エレメントを後行エレメントとし、かつ前記先行エレメントは四隅にそれぞれ後行エレメント側に開口を向けたコ字状断面の凹型継手を備えているとともに、前記後行エレメントは四隅にそれぞれ前記凹型継手内に挿入される板状の凸型継手を備えている請求項1記載の地中外殻構造体の構築方法。
- 前記多数の角型鋼殻エレメントの設置手順は、隣接方向に並び順とし、隣接する2つの角型鋼殻エレメントの内、先順で設置される角型鋼殻エレメントを先行エレメントとし、これに続いて後順で設置される角型鋼殻エレメントを後行エレメントとし、かつ各角型鋼殻エレメントは、左右の一方側に後行エレメント側に開口を向けたコ字状断面の凹型継手を備えているとともに、左右の他方側に先行エレメント側に前記凹型継手内に挿入される板状の凸型継手を備えている請求項1記載の地中外殻構造体の構築方法。
- 前記角型鋼殻エレメントの凹型継手の開口部に止水部を備えているとともに、該止水部は前記開口の両側からそれぞれ開口中央方向に向けて延びる板バネ状のパッキンを有し、前記凹継手と凸継手の嵌合時に、前記板状の凸型継手が前記パッキンを拡開させるように変形させながら前記両側のパッキンの間に嵌挿されるようにしてある請求項1〜3いずれかに記載の地中外殻構造体の構築方法。
- 隣接するエレメント同士を上部及び下部に配設した複数の鋼棒により相互に連結する請求項1〜4いずれかに記載の地中外殻構造体の構築方法。
- 前記隣接する角型鋼殻エレメント間において、凹型継手と凸型継手との嵌合部の内面側に防水シートを張設して二重の止水構造とする請求項1〜5いずれかに記載の地中外殻構造体の構築方法。
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