JP6602675B2 - 切羽前方の地質探査方法 - Google Patents

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本発明は、トンネル等の掘削に当たり、事前に切羽前方の地質を探査する方法に関する。
トンネル掘削に当たっては、切羽崩落災害等のトラブル防止或いはトンネル掘削時の支保パターンの妥当性を事前に評価する観点から、切羽前方の地山調査に係るニーズが高まっている。
トンネル坑内から行われる切羽前方の地質探査方法の一つとして、ドリルジャンボによって切羽前方に穿孔を形成し、この穿孔を用いて地盤内を伝播する弾性波の速度を測定する速度検層が確立されている。
前記速度検層には起振位置及び受振位置によって各種の方法があり、図13に示されるように、穿孔50内に受振器51を設置し、切羽面Sをハンマー52で打撃することによって起振したときの弾性波の速度を測定するダウンホール法(下記特許文献1など)、図14に示されるように、切羽面Sに受振器51を設置し、ドリルジャンボ53に搭載されたドリフタ54を作動して穿孔用ビット55が穿孔50の先端面を起振したときの弾性波の速度を測定するアップホール法(下記特許文献2など)などが知られている。
特開平11−182171号公報 特開2011−102706号公報
前記ダウンホール法は、切羽前方の地質探査方法として一般的であるが、地山が悪く孔荒れしている場合、受振器の挿入・回収が不能になるため適用できない、などの問題があった。
一方、前記アップホール法は、前記ダウンホール法の問題が解消できる技術として実用化が期待される方法であるが、ドリルジャンボに搭載されたドリフタを作動させることによって地山を起振するため、(1)油圧ユニットの稼働に伴う振動(ノイズ)が発生する、(2)打撃の制御が難しく連続打撃となってしまう、などの問題があり、良好な弾性波の観測波形を得るのが非常に難しかった。
そこで本発明の主たる課題は、孔壁が崩壊しやすい不良地山でも実施でき、良好な弾性波の観測波形が得られる切羽前方の地質探査方法を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、トンネル空間内から、ロッドの先端に穿孔用ビットが備えられた穿孔機によって切羽前方の地山に穿孔を行い、任意の穿孔長さ位置において、トンネル空間内で前記ロッドに対して、前記ロッドの半径方向に突出する打撃面を有する打撃用治具を取り付けるとともに、切羽面に受振器を設置し、
前記穿孔機の運転を停止した状態で、ハンマーによって前記打撃面を前記ロッドの軸方向に打撃して前記穿孔用ビットの先端から地山に弾性波を発生させ、前記受振器により弾性波を計測して地山の弾性波速度を求めることを特徴とする切羽前方の地質探査方法が提供される。
上記請求項1記載の発明は、切羽面に受振器を設置し、穿孔の先端面で地山に弾性波を発生させるアップホール法による速度検層であるため、ダウンホール法で問題となっていた、地山が悪く孔荒れしている場合に受振器の挿入・回収が不能になる問題が解決できるようになる。
特に、本方法では、トンネル空間内で前記ロッドに対して、前記ロッドの半径方向に突出する打撃面を有する打撃用治具を取り付け、この打撃用治具の打撃面をハンマーで打撃することによって、ロッドの軸方向に打撃力を加える点に特徴を有している。ここで、ロッドの軸方向に打撃力を加える方法としては、トンネル空間内でロッドの連結部分を分解し、露出したロッドの端面をハンマーで直接打撃する方法も考えられるが、この方法では、ロッドを分解する作業と、再度ロッドを組み立てる作業とが必要となり、余計な手間及び時間がかかる問題がある。これに対して、本発明に係る地質探査方法では、前述の通り、ロッドに前記打撃用治具を取り付け、この打撃用治具の打撃面をハンマーで打撃しているため、穿孔内に穿孔用ビット及びロッドを挿入した穿孔作業中のそのままの状態で、ロッドの分解・組立てを行うことなく速度検層が可能となるため、測定作業の手間が大幅に軽減できるようになる。
また、穿孔内に受振器を設置する必要がないため、地山が悪く孔荒れしている場合でも測定が可能である。
更に、本地質探査方法では、前記穿孔機の運転を停止した静穏な環境下で、前記受振器により弾性波を計測して地山の弾性波速度を求めているため、ノイズが少なく、良好な弾性波の観測波形を得ることができるようになる。また、地山に弾性波を発生させる際、前記打撃面を制御容易な人力でハンマー打撃することにより行っているため、連続打撃が容易に回避でき、良好な弾性波の観測波形を得ることができるようになる。
請求項2に係る本発明として、前記穿孔機のドリフタにより前記穿孔用ビットを前記穿孔の先端面に押し付けた状態で前記打撃面をハンマーによって打撃する請求項1記載の切羽前方の地質探査方法が提供される。
上記請求項2記載の発明では、前記穿孔機のドリフタにより前記穿孔用ビットを前記穿孔の先端面に押し付けた状態で前記打撃面をハンマーによって打撃しているため、ロッドと孔壁との接触に伴うノイズが低減でき、穿孔の先端面に確実に弾性波を発生させることができるようになる。
請求項3に係る本発明として、前記ロッドは、少なくとも前記打撃用治具が取り付けられる部分に、外周面の対向する両側面が切り欠かれ、平行な平坦面が形成されている請求項1、2いずれかに記載の切羽前方の地質探査方法が提供される。
上記請求項3記載の発明では、前記ロッドの少なくとも前記打撃用治具が取り付けられる部分に、外周面の対向する両側面が切り欠かれ、平行な平坦面を形成することによって、この平坦面に前記打撃用治具が固定しやすくなり、ハンマーによる打撃時の打撃用治具のずれが確実に防止できるようになる。
請求項4に係る本発明として、前記受振器は、前記切羽面に対し間隔をあけて複数設置されている請求項1〜3いずれかに記載の切羽前方の地質探査方法が提供される。
上記請求項4記載の発明では、前記受振器を切羽面に対して間隔をあけて複数設置してあるため、各受振器で観測した観測データの相互補完を行うことによって、ある程度のノイズが除去でき、初動波の読み取り精度が向上できるようになる。
以上詳説のとおり本発明によれば、孔壁が崩壊しやすい不良地山において受振器の挿入・回収が不能になる課題が解決でき、良好な弾性波の観測波形が得られるようになる。
地質探査システム1の縦断面図である。 打撃用治具6を示す、(A)は正面図、(B)は側面図である。 ロッド3の変形例を示す、打撃用治具6の正面図である。 穿孔5及び受振器8の設置位置を示すトンネル切羽面Sの正面図である。 従来の方法による時系列波形図(その1)である。 本地質探査方法による時系列波形図(その1)である。 従来の地質探査方法による時系列波形図(その2)である。 本地質探査方法による時系列波形図(その2)である。 本地質探査方法による走時曲線である。 従来の地質探査方法(ダウンホール法)による走時曲線である。 本地質探査方法による弾性波速度を示す図である。 従来の地質探査方法(ダウンホール法)による弾性波速度を示す図である。 従来のダウンホール法による地質探査システムを示す縦断面図である。 従来のアップホール法による地質探査システムを示す縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1に示されるように、本発明に係る地質探査システム1は、トンネル空間内から切羽S前方の地山に穿孔5を形成する穿孔作業を行う、ロッド3の先端に穿孔用ビット4が備えられた穿孔機2と、任意の穿孔長さ位置において、トンネル空間内で前記ロッド3に対して取り付けられ、ロッド3の半径方向に突出する打撃面7を有する打撃用治具6と、切羽面Sに設置された受振器8と、前記打撃用治具6を打撃するハンマー10に取り付けられた起振信号発生用センサ(図示せず)と、前記受振器8及び起振信号発生用センサがケーブルを介して接続され、前記受振器8及び起振信号発生用センサによって計測されたデータが電送され記録される計測器9とから構成されている。
前記穿孔機2は、走行可能な台車(図示せず)に対して、ガイドセル11に前後進可能に搭載されたドリフタ12と、このドリフタ12にシャンクロッド13を介して接続され、先端に穿孔用ビット4を備えた穿孔ロッド3とが搭載された、ドリルジャンボなどの穿孔用重機である。
前記打撃用治具6は、詳細には図2に示されるように、ロッド3に対して半径方向の外側に突出するとともに、ロッド3の軸方向に直交するドリフタ12側に面した打撃面7が備えられたブロック状の打撃部14と、前記打撃部14の下端両側にそれぞれ下方に向けて延出し、ロッド3の両側を挟み込むようにしてロッド3に固定される一対の脚部15、15とから構成されたものである。前記打撃用治具6は、トンネル空間内で、ロッド3を分解することなく、穿孔機2による穿孔作業を行っている状態のロッド3に対して、後付けで着脱可能に取り付けられるものである。
前記打撃用治具6のロッド3に対する固定は、前記一対の脚部15、15のうち、少なくとも一方側の前記脚部15に1又は複数のねじ孔16が設けられ、このねじ孔16に対し外側から螺合された締付けボルト17の先端と、他方側の脚部15の内側との間でロッド3を締め付けることにより行われる。
前記締付けボルト17は、ハンマー打撃時の打撃用治具6のずれを防止し、打撃力をロッド3に伝達しやすくするため、ロッド3の軸方向に離間して2箇所以上、図示例では2箇所設けるのが好ましい。これに伴い、前記脚部15は、図2(B)に示されるように、ロッド3の軸方向に沿う部材長さが、打撃部14の部材長さより前後に長く突出して形成するのが好ましい。
また、前記締付けボルト17の先端面にローレット加工などを施して細かい凹凸状に形成することにより、ロッド3との滑り防止を図るのが好ましい。
前記ロッド3は、少なくとも前記打撃用治具6が取り付けられる部分に、外周面の対向する両側面が切り欠かれ、平行な平坦面が形成されるようにするのが好ましい。これにより、この平行な平坦面を、締付けボルト17の先端と脚部15の内側とで挟持することにより、前記打撃用治具6が固定しやすくなり、ハンマーによる打撃時の打撃用治具6のずれが確実に防止できるようになる。図2に示される例では、ロッド3として、断面六角形状のものを用いることにより、外周面の対向する両側面が前記平坦面となっている。また、図3に示されるように、ロッド3として、断面円形状のものを用い、前記打撃用治具6を取り付ける部分の外周面の対向する両側面が前記平坦面となるように切欠き加工を施してもよい。当然ながら、ロッド3が全長に亘って、図3に示される断面形状を有していてもよい。
前記ロッド3に対する打撃用治具6の固定をより強固にするため、打撃部14の上端面とロッド3の下端面との間を、例えばブルマン(登録商標)などの挟持金具によって固定してもよい。
前記受振器8は、切羽Sの所定位置に設置され、ハンマー10によって打撃用治具6の打撃面7を打撃して穿孔用ビット4の先端から地山に発生された弾性波を受振する機器である。
前記受振器8は、図4に示されるように、穿孔5の設置位置を基準として、切羽Sの一定方向に所定の間隔で複数設置するのが好ましい。前記受振器8を複数設置することによって、各受振器8で観測した観測データの相互補完を行うことで、ある程度のノイズが除去でき、初動波の読み取り精度が向上できるようになる。図示例では、穿孔5の近傍及び、そこから水平方向に8箇所設置されている。より詳細には、穿孔5の近傍に、切羽Sに垂直な成分の弾性波を受振する受振器8(1チャンネル(ch))及び切羽Sに平行な成分の弾性波を受振する受振器8(2ch)を設置するとともに、穿孔5から2m間隔で切羽Sと垂直な成分の弾性波を受振する2つの受振器8(3ch、4ch)を設置し、更に2つ目の受振器8(4ch)から1m間隔で切羽Sと垂直な成分の弾性波を受振する6つの受振器8及び、4つ目と6つ目にそれぞれ切羽Sと平行な成分の弾性波を受振する受振器8(5ch〜12ch)を設置している。
一方、前記ハンマー10に設置される起振信号発生用センサは、前記ハンマー10によって打撃用治具6の打撃面7を打撃した際の起振データを測定する機器である。
打撃に用いる前記ハンマー10としては、金属製、プラスチック製、木製、ゴム製などいずれでもよいが、鉄製の大型ハンマーを用いるのが好ましい。
以上の構成からなる地質探査システム1を用いて地質探査を行うには、次の手順による。先ず第1に、前記穿孔機2によって、トンネル空間内から切羽Sの前方の地山に穿孔5を形成する穿孔作業を行う。そして、任意の穿孔長さ位置において、トンネル空間内で前記ロッド3に対して前記打撃用治具6を取り付ける。前記穿孔作業は、短尺ロッドを順次継ぎ足して延伸する継ぎノミ方式により行われる。なお、切羽面Sには前記受振器8、8…が設置されるとともに、前記ハンマー10には前記起振信号発生用センサが設置されている。
次いで、前記穿孔機2の運転を停止した状態で、前記ハンマー10によって、前記打撃用治具6の打撃面7を、ロッド3の軸方向の穿孔用ビット4側に向けて打撃し、穿孔用ビット4の先端から地山に弾性波を発生させ、前記受振器8、8…により弾性波を計測して地山の弾性波速度を求める。
このように、本地質探査方法は、切羽面Sに受振器8を設置し、穿孔5の先端面で地山に弾性波を発生させるアップホール法による速度検層であるため、ダウンホール法で問題となっていた、地山が悪く孔荒れしている場合に受振器の挿入・回収が不能になる問題が解決でき、測定作業の手間が大幅に軽減できるようになる。
特に、本地質探査方法では、トンネル空間内で前記ロッド3に対して打撃用治具6を取り付け、この打撃用治具6の打撃面7をハンマー10で打撃することによって、ロッド3の軸方向に打撃力を加える点に特徴を有している。ここで、ロッドの軸方向に打撃力を加える方法としては、トンネル空間内でロッドの連結部分を分解し、露出したロッドの端面をハンマーで直接打撃する方法も考えられるが、この方法では、ロッドを分解する作業と、再度ロッドを組み立てる作業とが必要となり、余計な手間及び時間がかかる問題がある。これに対して、本地質探査方法では、前述の通り、穿孔5内に穿孔用ビット4及びロッド3を挿入した穿孔作業中のそのままの状態で、ロッド3の分解・組立てを行うことなく速度検層が可能となるため、測定作業の手間が大幅に軽減できるようになる。
また、穿孔5内に受振器を設置する必要がないため、地山が悪く孔荒れしている場合でも測定が可能である。
更に、本地質探査方法では、前記穿孔機2の運転を停止した静穏な環境下で、前記受振器8により弾性波を計測して地山の弾性波速度を求めているため、ノイズが少なく、良好な弾性波の観測波形を得ることができるようになる。また、前記打撃面7を打撃する際、制御容易な人力でのハンマー打撃を行っているため、連続打撃が回避でき、良好な弾性波の観測波形を得ることができるようになる。
前記ハンマー10によって打撃面7を打撃する際、穿孔機2のドリフター12により前記穿孔用ビット4を穿孔5の先端面(孔底面)に押し付けた状態で行うようにするのが好ましい。これにより、ロッド3が孔壁に接触しにくくなり、これらの接触に伴うノイズが低減できるとともに、ハンマー10による打撃によってロッド3及び穿孔用ビット4を介して穿孔5の先端面に確実に弾性波を発生させることができるようになる。
以下、実際のトンネル工事現場において、本発明に係る地質探査方法と従来の地質探査方法とを用いて観測したデータを比較調査した概要について説明する。
第1の比較調査としては、図5及び図6に示されるように、弾性波測定中の穿孔機の運転が観測データに与える影響を調べた。図5は、従来の地質探査方法として、図14に示されるように、切羽面に受振器を設置し、ドリルジャンボに搭載されたドリフタを作動して穿孔用ビットによって穿孔の先端面を起振したときの弾性波を測定する従来のアップホール法を用いて観測した弾性波の時系列波形である。また、図6は、本地質探査方法を用いて観測した弾性波の時系列波形である。図5及び図6中、1ch〜12chは、図4に示される各番号の受振器8により観測されたデータであり、13chは起振データである。
図5に示されるように、従来の地質探査方法では、穿孔機の運転によるノイズが多く、打撃による初動波の立ち上がり位置の判読が難しくなっていた。これに対して、本地質探査方法では、図6に示されるように、穿孔機2の運転を停止した状態で弾性波の計測が行われているため、ノイズが少なく、各測定ポイントで弾性波の立ち上がり位置が明瞭となる。このように、穿孔機2の運転を停止した静穏な環境下で計測することによって、ノイズが低減でき、良好な弾性波の観測波形が得られるようになる。
次に第2の比較調査として、図7及び図8に示されるように、起振方法が観測データに与える影響を調べた。図7は、上記と同様に図14に示される従来のアップホール法を用いて観測した弾性波の時系列波形である。また、図8は、本地質探査方法を用いて観測した弾性波の時系列波形である。図7に示されるように、従来の地質探査方法では、ドリフタを作動して穿孔用ビットによって穿孔の先端面を起振しているため、13chの起振波形に示されるように、打撃を制御するのが難しく、ショットマークが複数現れる連続打撃となってしまい、初動波の立ち上がり位置の特定が容易ではない。これに対して、図8に示されるように、本地質探査方法では、ハンマー10により打撃用治具6の打撃面7を打撃することによってロッド3及び穿孔用ビット4を介して穿孔5の先端面を起振しているため、13chの起振波形に示されるように、1回の打撃に対応した観測波形のみが得られ、初動波の立ち上がり位置が特定しやすい。それでも避けられない小さなノイズについては、複数の受振器8、8…を用いた相互補完により除去することが可能である。具体的には、図8に示されるように、比較的初動波の立ち上がり位置が明瞭な11ch及び12chの22ms付近を初動波到達時間を基準とし、その他の受振器を見てみると、多少のノイズは認められるものの、初動波到達時間が概ね同一時間上に並んでいることがわかる(6ch〜12ch)。このように、穿孔5に近い受振器(1ch〜5ch)のみでは、初動波到達時間の読み取りが難しく、弾性波速度値の解析が困難であるが、他の比較的ノイズが少ないと思われる受振器のデータを補完することにより初動波の立ち上がり位置が特定できるようになる。
第3の比較調査として、本地質探査方法と、穿孔内に受振器を設置し、切羽面をハンマーで打撃するダウンホール法(図13)との比較を行った。図9は本地質探査方法による走時曲線であり、図10はダウンホール法による走時曲線である。走時曲線の傾きは区間速度値に対応しており、これに基づいて得た弾性波平均速度をそれぞれ図11及び図12に示す。図9〜図12に示されるように、走時曲線は、両方法ともに似た形状の曲線が得られている。また、弾性波の平均速度は、本地質探査方法で幾分低い値となっているものの、両方法とも概ね同等の速度値が得られている。従って、本地質探査方法とダウンホール法の速度構造には、概ね整合性が認められ、本地質探査方法は切羽前方の地山探査方法として有効な方法であると言える。
1…地質探査システム、2…穿孔機、3…ロッド、4…穿孔用ビット、5…穿孔、6…打撃用治具、7…打撃面、8…受振器、9…計測器、10…ハンマー

Claims (4)

  1. トンネル空間内から、ロッドの先端に穿孔用ビットが備えられた穿孔機によって切羽前方の地山に穿孔を行い、任意の穿孔長さ位置において、トンネル空間内で前記ロッドに対して、前記ロッドの半径方向に突出する打撃面を有する打撃用治具を取り付けるとともに、切羽面に受振器を設置し、
    前記穿孔機の運転を停止した状態で、ハンマーによって前記打撃面を前記ロッドの軸方向に打撃して前記穿孔用ビットの先端から地山に弾性波を発生させ、前記受振器により弾性波を計測して地山の弾性波速度を求めることを特徴とする切羽前方の地質探査方法。
  2. 前記穿孔機のドリフタにより前記穿孔用ビットを前記穿孔の先端面に押し付けた状態で前記打撃面をハンマーによって打撃する請求項1記載の切羽前方の地質探査方法。
  3. 前記ロッドは、少なくとも前記打撃用治具が取り付けられる部分に、外周面の対向する両側面が切り欠かれ、平行な平坦面が形成されている請求項1、2いずれかに記載の切羽前方の地質探査方法。
  4. 前記受振器は、前記切羽面に対し間隔をあけて複数設置されている請求項1〜3いずれかに記載の切羽前方の地質探査方法。
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