JP6602219B2 - 合成樹脂製パイプの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、合成樹脂製のパイプに関する。特に内圧が負荷される圧力配管に使用される合成樹脂製パイプに関するものである。
種々の機器に、耐圧性の圧力配管が使用されている。例えば、自動車の自動変速機の油圧回路や、空調装置の冷媒循環回路などにおいて、耐圧性の圧力配管が使用されている。これら圧力配管においては、内圧が負荷されるので、圧力配管がその圧力に耐えることが求められる。従来、圧力配管には、耐圧性の観点から金属製のパイプが使用されることが多かったが、近年では、製造の効率性や軽量化、周辺部材との一体化のためなどの種々の要求に応じるため、圧力配管に合成樹脂製のパイプが使用されることがある。
例えば、油圧回路や液送回路などにおいて、内部に管路が設けられた管路ブロックを対向配置させて、それぞれの管路ブロックに設けられている管路を、互いに接続して、一連の管路とする技術が利用されている。そして、管路ブロック間の管路の接続においては、接続作業を容易にしながらシール性を確保するために、Oリングが装着された管状のコネクタ部材が管路ブロック間に介装されることが多く、このコネクタ部材を合成樹脂製とする試みがなされている。
例えば、特許文献1には、合成樹脂の射出成形により形成されたパイプ状のコネクタ部材が開示されており、射出成形を行う際のゲートの配置を調整することによりコネクタ部材の耐圧性を向上させることが開示されている。
特開2014−151471号公報
しかしながら、このような合成樹脂製のパイプには、さらなる耐圧性の向上が求められている。耐圧性を向上させるため、合成樹脂にガラス繊維などの補強繊維を混ぜたり、ゲート形状をリングゲートやディスクゲートにしたりする試みが行われては来たが、パイプの内外径の制約や、パイプの中心線形状などといった制約があって、合成樹脂製パイプの耐圧性の向上には限界があった。
本発明の目的は、圧力配管に使用される合成樹脂製パイプの耐圧性を高めることにある。
発明者は、合成樹脂製パイプの外周部に補強筒体を一体化することを着想し、鋭意検討を行った。そして、パイプ軸方向に特定の形態で断続的に補強筒体を一体化すると、補強筒体が一体化されていない部分でもパイプの耐圧性を高められることを発見し、補強筒体を効率的に設けつつ合成樹脂製パイプの耐圧性を向上できることを見出して、本発明を完成させた。
本発明は、内圧が負荷される圧力配管に使用される合成樹脂製パイプの製造方法であって、合成樹脂製パイプの両端部の外周面には、シール部材が装着されるべきシール溝、もしくは雄ネジが設けられており、当該シール溝もしくは雄ネジの間に延在する合成樹脂製パイプ中間部には、少なくとも1つの補強筒体がパイプの外周側に一体化されており、前記中間部においては、前記補強筒体が一体化された部分と補強筒体が一体化されていない部分とが交互に設けられていて、補強筒体が一体化されていない部分のパイプ軸方向長さL2は、合成樹脂製パイプの直径をDとして、0.3D≦L2≦1.5Dの長さとされており、補強筒体が直筒状であり、補強筒体の長さL1が、0.5D≦L1≦2Dの長さとされているとの構成を前記合成樹脂製パイプが有するとともに、補強筒体を準備する工程、インサート射出成型用の金型を準備する工程、金型を型開きして所定の位置に補強筒体を配置し、金型を型閉じした後に、金型に樹脂材料を射出し、樹脂を硬化させて、パイプの外周に補強筒体が一体化された合成樹脂製パイプを成形するインサート射出成型工程を有する、合成樹脂製パイプの製造方法である(第1発明)。
第1発明においては、補強筒体の外周面に、凹溝、凸条、穴または突起が設けられることが好ましい(第発明)
第1発明にかかる合成樹脂製パイプによれば、内圧に対するパイプの耐圧性が高められ
さらに、補強筒体が一体化される部分を少なくしながら効率的にパイプの耐圧性が高められる。また、第1発明の合成樹脂製パイプの製造方法によれば、インサート射出成型を行う際に補強筒体をインサート成形の金型内部に所定の位置および姿勢で配置する作業がしやすくなり、製造が効率的なものとなる。また、さらに、第発明のようにすると、合成樹脂製パイプを射出成形により製造する際に補強筒体の位置決めを的確に行うことができ、その製造が効率的に行える。
第1実施形態の合成樹脂製パイプを示す一部断面図である。 第1実施形態の合成樹脂製パイプによって、管路ブロックの管路が接続される例を示す断面図である。 第2実施形態の合成樹脂製パイプを示す一部断面図である。 第3実施形態の合成樹脂製パイプを示す一部断面図である。 第4実施形態の合成樹脂製パイプを示す一部断面図である。
以下図面を参照しながら、自動車の自動変速機の油圧回路に使用される管路ブロックの接続に用いられるコネクタ部材を例として、発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
図1には本発明第1実施形態の合成樹脂製パイプ(コネクタ部材)1を示す。図1の上側半分を断面図、下側半分を外観図で示している。図3、図4、図5も同様である。合成樹脂製パイプ1は、合成樹脂製の部材であり、円形断面を有する中空の直管状に形成されている。コネクタ部材1には、シール溝111,111が形成されていて、シール用のOリング2、2が装着されて使用に供される。
シール溝111,111は、合成樹脂製パイプ1の両端部の外周面に設けられている。シール溝111とOリングに替えて、後述する実施形態のように、合成樹脂製パイプ1の端部の外周面に雄ネジを設けてもよい。あるいは、一方の端部にシール溝があり、他方の端部に雄ネジが設けられていてもよい。
合成樹脂製パイプ(コネクタ部材)1は、合成樹脂の射出成型により形成された中空管状のパイプ本体11と、パイプ本体11の外周側に一体化された補強筒体12とを含んで構成されている。そして、補強筒体12は、パイプ本体11の両端のシール溝の間の部分であるパイプ中間部11Mに設けられている。すなわち、合成樹脂製パイプ1において、シール溝111,111(もしくは雄ネジ)の間に延在する合成樹脂製パイプ中間部11Mには、少なくとも1つの補強筒体12がパイプの外周側に一体化されている。
パイプ中間部11Mにおいては、補強筒体12が一体化された部分と補強筒体12が一体化されていない部分とが交互に設けられている。すなわち、パイプ中間部11Mにおいては、補強された部分と補強されていない部分とが軸方向に交互に並んでいる。
本実施形態においては、1つの補強体12がパイプ中間部11Mのパイプ長さ方向中央部に設けられており、補強体12が設けられた部位の両側に、補強されていない部位11N、11Nが設けられている。
補強筒体12が一体化されていない部分11Nのパイプ軸方向長さL2は、合成樹脂製パイプの直径をDとして、0.3D≦L2≦1.5Dの長さとされている。すなわち、補強されていない部分11Nの長さL2は、概ねパイプの直径程度の長さにされる。好ましくは、長さL2は、0.5D≦L2≦1.2Dとされる。なお、補強されていない部分11Nが複数ある場合には、それぞれの補強されていない部分の長さL2が異なっていてもよい。パイプの耐圧性を効率よく高める観点からは、補強されていない部分の長さL2が互いにほぼ同じとされることが好ましい。なお、合成樹脂製パイプの直径Dは、それぞれの部位における外径を用いて、それぞれの位置における長さL2の好ましい範囲を決定して長さL2を定めればよい。
本実施形態では、補強筒体12が一体化されていない部分11Nのパイプ軸方向長さL2は、0.8D程度とされている。
パイプ本体11を構成する合成樹脂は、特に限定されない。好ましくは、ポリプロピレン樹脂などのオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂などの熱可塑性樹脂や、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどが使用できる。合成樹脂に補強繊維などを配合してもよい。本実施形態のコネクタ部材1におけるパイプ本体11はポリアミド樹脂により形成されている。パイプ本体11の形成は、典型的には射出成形により行われるが、切削加工等、他の成形方法を利用するものであってもよい。
補強筒体12は、パイプ本体11の外周側に一体化されて、パイプ本体11が内圧により拡径し、破断するのを阻止する働きをする。補強筒体12はパイプ本体11の外周面形状に合致する形状に形成されていればよいが、直筒状に形成されていることが好ましい。補強筒体12は典型的には金属製であり、アルミニウムや鉄・ステンレス・鋼等の材料で構成することができる。また、ガラス繊維や炭素繊維などの補強繊維を引きそろえたプリグレブを、補強繊維が周方向に配向されるようにリング状に巻きつけて、補強筒体12を構成してもよい。補強筒体の厚み等の具体的仕様は、補強筒体の構成材料と、求められる補強効果とを考慮して決定すればよい。
円筒状の補強筒体12の長さL1は、合成樹脂製パイプの直径をDとして、0.5D≦L1≦2Dの長さとされることが好ましい。特に好ましくは、長さL1は0.7D≦L1≦1.5Dとされる。本実施形態では、補強筒体12の長さ、すなわち、補強筒体12が一体化された部分のパイプ軸方向長さL1は、0.8D程度とされている。
また、補強筒体12の外周面に、凹溝、凸条、穴または突起が設けられることが好ましい。本実施形態の補強筒体12には、リング状の凹溝121が設けられている。凹溝、凸条、穴または突起が設けられていると、インサート成形により合成樹脂製パイプ1を成形する際に、これらを利用して補強筒体12を金型内部に確実に保持し、補強筒体12の位置を正確に位置決めできる。
合成樹脂製パイプ(コネクタ部材)1によって油圧回路を構成する管路ブロックの管路が接続される様子を、図2を参照して説明する。図2には管路ブロック3,4の一部を断面で、合成樹脂製パイプ1を外観で示している。ここで、管路ブロックとは、内部に管路が形成された部材であり、所定の管路ブロックを所定の位置関係で対向配置すると、内部の管路が連絡して一連の管路が完成するように構成された部材のことである。管路ブロックは、典型的には鉄系合金やアルミ合金、合成樹脂などにより構成される。管路ブロックには好ましくは複数の管路が形成されている。これら管路は、典型的には機械加工などによって形成されている。
合成樹脂製パイプ1は、対向配置される管路ブロック3,4の間に介装されて、管路31,41を接続する。本実施形態においては、圧力制御弁側の管路ブロック3と、配管側の管路ブロック4があり、それぞれの管路ブロックには、ブロックの内側に管路31,41が穴あけ加工によって設けられている。図2のように、コネクタ部材1、1が管路31,41に入り込むように配置され、管路ブロック3,4が対向配置されて組み立てられると、互いに対向する位置の管路31,41が合成樹脂製パイプ1を通じて接続される。合成樹脂製パイプ1は、Oリング2、2が取り付けられた状態で、その両端部がそれぞれ管路31および管路41に挿入されて、これら管路を接続する。
なお、本実施形態においては、管路ブロック3,4に設けられた管路31,41は、管路ブロックの端面付近が段付き形状とされている。これは、挿入された合成樹脂製パイプ1が、一方の管路に過度に入り込んでしまうのを防止するためである。過度の入り込みが防止できるのであれば、管路は段付き形状でなく直管状であってもよい。
合成樹脂製パイプ1の製造方法について説明する。まず、いわゆるインサート射出成型法と呼ばれる、合成樹脂の射出成形を利用した方法で、合成樹脂製パイプ1を製造する方法について説明する。
射出成型工程に先立って、補強筒体12を準備しておく。補強筒体12は金属のパイプ形成加工、プレス加工や切削加工などの公知の製造方法により、所定の形状のものが製造できる。
インサート射出成型用の金型を準備する。この金型は、典型的には、合成樹脂製パイプ1の外周面形状と略一致する形状のキャビティを形成可能な1対のキャビティ型と、合成樹脂製パイプ1の内周面形状と略一致する形状のコア型とを含むよう、構成される。
インサート射出成型用の金型を型開きして、所定の位置に補強筒体を配置する。この時、補強筒体12が、外周面に、凹溝、凸条、穴または突起を有していると、それらを利用して、補強筒体12の軸方向位置を的確に維持した状態で、インサート射出成型用の金型の内部に補強筒体12が保持できて好ましい。その後、金型を型閉じする。
型閉じされた金型に、ゲートを通じて液状の樹脂材料を射出し、キャビティを充填する。そして、樹脂を硬化する。樹脂の硬化は、冷却や加熱など、使用する樹脂の性質に応じて行われる。樹脂が硬化すると、パイプ本体11の外周の所定の位置に補強筒体12が一体化された合成樹脂製パイプ1となるので、型開きして合成樹脂製パイプ1を取り出せばよい。この様なインサート射出成型法を利用した製造方法で合成樹脂製パイプ1を製造すれば、耐圧性に優れる合成樹脂製パイプ1を効率的に製造することができる。
合成樹脂製パイプ1を他の方法により製造することもできる。例えば、補強筒体12が補強繊維を周方向に配置して形成されたものである場合には、以下の方法により、合成樹脂製パイプ1を製造してもよい。
まず、パイプ本体11を射出成形や、切削加工などを利用して製造する。また、補強繊維(例えばガラス繊維)が一方向に引きそろえられてシート状にされた補強繊維プリグレブを所定の幅と長さに裁断したものを、準備する。そのプリグレブの裁断片(テープ)を、パイプ本体11の外周部に、補強繊維が周方向に配向されるように巻きつける。そして、プリグレブに含まれる樹脂成分を硬化させて、巻きつけたプリグレブを筒状の補強筒体12にすれば、合成樹脂製パイプ1が得られる。
上記合成樹脂製パイプ1の作用及び効果について説明する。
合成樹脂製パイプ1によれば、内圧に対するパイプの耐圧性が向上する。合成樹脂製パイプ1には、補強筒体が一体化されていない部分11Nがあるが、その部分においても、耐圧性が向上する。発明者の検討によれば、補強筒体が一体化されていない部分11Nのパイプ軸方向長さL2が、合成樹脂製パイプの直径をDとして、0.3D≦L2≦1.5Dの長さとされていれば、補強筒体12が一体化されていない部分11Nにおいても、耐圧性の向上が認められることがわかった。
パイプの耐圧性に関する一般的な技術的理解は、内圧の負荷によって、管壁に周方向の引っ張り応力、いわゆるフープストレスが発生し、このフープストレスが大きくなると、管壁が耐えられなくなって、管壁に軸方向に沿った亀裂が生じ破裂に至る、というものである。この技術理解に基づけば、内圧により発生するフープストレスに対し、パイプの最も弱い部位で管壁の破裂が起こることになるため、たとえ補強を行った箇所の耐圧性は向上できてもても、補強しない場所では、耐圧性の向上が見込めないことになる。
したがって、このような技術理解に基づいて設計する限り、補強は、パイプの全長にわたって行う必要がある。そのような補強は不可能ではないが、補強が大がかりとなるため、そもそもパイプを合成樹脂化しようとしていた、軽量化、低コスト化、周辺部材の一体化等の要請を没却してしまうものである。
上記合成樹脂製パイプ1は補強筒体12が配されていない部分でも耐圧強度向上が認められ、その点で、一般的な技術的理解を超える効果が得られている。
補強筒体12が一体化されていない部分11Nにおいて、合成樹脂製パイプの耐圧性が向上するメカニズムは以下のものであると推察する。
合成樹脂製パイプ1が内圧により破裂する過程を詳細に考察していくと、フープストレスが樹脂の強度に達しても、直ちに亀裂の発生や破裂に至るわけではないと考えられる。フープストレスが大きくなって、管壁の一部でフープストレスが材料強度を超えると、その部分で管壁が伸び変形を起こしながら、フープストレスが材料強度を超える領域が徐々に大きくなっていき、その領域が管の内周面から外周面にわたって広がるようになると、内外を貫通する亀裂が発生し、管が破裂に至るものと推定される。この過程で、合成樹脂製のパイプは拡径していき、最終的に亀裂の発生に至るものと考えられる。
一方、補強筒体12が一体化されている部分では、補強筒体12の働きにより、パイプ本体11の拡径が抑制・防止されることになる。すなわち、補強筒体12が設けられた部分ではパイプ本体は実質的に拡径しない。このため、補強筒体12が一体化されていない部分11Nにおいても、補強筒体12に隣接する部分では補強筒体による拡径抑制効果が及ぶ。すると、補強筒体12が一体化されていない部分11Nにおいて、管壁の一部でフープストレスが材料強度を超えても、管の拡径が抑制されていれば、フープストレスが材料強度を超える領域がそれ以上拡大しなくなって、亀裂の発生や破裂に至らなくなり、耐圧性が向上するものと推定される。
発明者は合成樹脂製パイプ1の耐圧試験を繰り返し行う中で、合成樹脂製パイプ1の両端部のシール部分やネジ部分といった、パイプが外周から拘束される部位がある場合には、内圧をかけた際の合成樹脂製パイプ1の亀裂の発生が、そうした拘束された部位に隣り合う箇所には発生しにくいことを発見した。こうした知見も、上記推定を裏付けるものである。
補強筒体12が一体化されていない部分11Nにおいて、補強筒体12の存在によって管の拡径が抑制される効果は、補強筒体から離れるほど弱まるものであると考えられるが、発明者の検討によれば、補強筒体が一体化されていない部分11Nのパイプ軸方向長さL2が、合成樹脂製パイプの直径をDとして、L2≦1.5Dの長さとされていれば、耐圧性の向上効果が十分に得られることがわかった。
また、補強筒体が一体化されていない部分11Nのパイプ軸方向長さL2が、0.3D≦L2となっていると、補強筒体12を小型化して、互いに離して配置することができるようになり、効率的に合成樹脂製パイプ1の耐圧性を向上させることができる。
また、上記実施形態の合成樹脂製パイプ1のように、補強筒体が直筒状であり、補強筒体の長さL1が、0.5D≦L1≦2Dの長さとされていると、補強筒体の形状が単純化され、かつ、効率的に補強できるようになる。例えば、補強筒体をL1=0.8Dの直筒状に形成するようにすれば、この補強筒体は、補強の効率に優れると共に、長さの異なる種々の合成樹脂製パイプの補強に共用化することができ、経済的かつ効率的に、補強された合成樹脂製パイプが製造できる。また、0.5D≦L1とされていると、そのような補強筒体をインサート成形の金型内部に所定の位置及び姿勢で配置する作業がしやすくなる。また、L1≦2Dとされていると、補強筒体が小型化できて経済的であると共に、より多くの種類の合成樹脂製パイプに適用しやすくなる。
また、補強筒体の外周面に、凹溝、凸条、穴または突起が設けられるようにした場合には、こうした凹溝、凸条、穴または突起を利用して、インサート成形用の金型の中で補強筒体の位置を正確かつ確実に位置決めできるようになり、合成樹脂製パイプ1の耐圧性を確実に高めることができるようになる。
また、補強筒体の数が1つであり、補強筒体がパイプの長さ方向中央部に設けられるようにすると、補強体の数量を最小限にしながら、合成樹脂製パイプの耐圧性向上が図れて、特に好ましい。
発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、以下に示す実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
図3は、第2実施形態の合成樹脂製パイプ5を示す一部断面図である。本実施形態においては、2つの補強筒体52、52が、パイプ本体51の外周に一体化されている。また、合成樹脂製パイプ5の両端部には雄ネジ511,511が設けられていて、この雄ネジが隣接する部材との接続に使用される。本実施形態においても、両端部の雄ネジと雄ネジの間の部分で、補強筒体がない部分51N,51Nと、補強筒体52が設けられた部分とが、所定の長さL2,L1で交互に設けられており、この点は第1実施形態と同様である。
第2実施形態の合成樹脂製パイプ5であっても、第1実施形態と同様に、パイプの耐圧性を向上できる。補強筒体が設けられる数は、パイプの全長等に対応させて1つ、2つ、もしくは3つ以上であってもよい。補強筒体が一体化されていない部分のパイプ軸方向長さL2が、合成樹脂製パイプの直径をDとして、0.3D≦L2≦1.5Dの長さとされていれば、耐圧性の向上効果が得られる。
また、合成樹脂製パイプの両端部は、第1実施形態のようにシール溝とシール部材が設けられるものであってもよいし、第2実施形態のように雄ネジが設けられるものであってもよい。いずれであっても、合成樹脂製パイプが使用に供される場合には、合成樹脂製パイプの両端部がパイプの外側から拘束されることになり、両端部に隣接する補強されていない部分(11N、51N)の拡径の抑制に貢献できるからである。
また、本実施形態の補強筒体52のように、補強筒体がリング状の凸条521を備えるものであっても、第1実施形態における凹溝121と同様に、補強筒体の位置決めに利用できる。凸条521に替えて、突起や穴を設けても、同様に、インサート成形時の位置決めを確実にできる。
図4は、第3実施形態の合成樹脂製パイプ6を示す一部断面図である。合成樹脂製パイプは、本実施形態のように、曲げ部を有するものであってもよい。本実施形態においても、合成樹脂製パイプ6の両端部には雄ネジ611,611が設けられ、パイプ本体61の外周部に補強筒体62,62が一体化されて、両端部の雄ネジと雄ネジの間の部分で、補強筒体がない部分61N,61Nと、補強筒体62が設けられた部分とが、所定の長さL2,L1で交互に設けられており、この点は第2実施形態と同様である。
第3実施形態の合成樹脂製パイプ6によっても、同様に、耐圧性の向上効果が得られる。なお、本実施形態では、補強筒体62には、凹溝などが設けられていないが、金型の工夫等により望ましい位置に補強筒体が配置できるのであれば、凹溝などは無くてもよい。
図5は、第4実施形態の合成樹脂製パイプ7を示す一部断面図である。この実施形態においては、複数の、少なくとも2つの補強筒体72,72がパイプ(パイプ本体71)の外周側に一体化されていて、少なくとも合成樹脂製パイプ7の両端部に、それぞれ前記補強筒体72,72が設けられる。第4実施形態では、3つの補強筒体72,72が、合成樹脂製パイプ7の両端部と中央とに設けられている。
本実施形態においても、合成樹脂製パイプ7においては、補強筒体72、72が一体化された部分と補強筒体が一体化されていない部分71N,71Nとが交互に設けられていて、補強筒体72が一体化されていない部分71Nのパイプ軸方向長さL2は、合成樹脂製パイプの直径をDとして、0.3D≦L2≦1.5Dの長さとされている点、及び、かかる構成により、耐圧性の向上効果が得られる点は、他の実施形態と同様である。すなわち、合成樹脂製パイプの両端部の外周に、シール溝や雄ネジを設けてもよいが、本実施形態のように補強筒体を設けてもよい。
なお、合成樹脂製パイプの端部に補強筒体72を設ける場合には、補強筒体の外周面をシール面に利用してもよいし、補強筒体の外周面に雄ネジを設けて接続に供してもよい。あるいは、合成樹脂製パイプの端部に設けられる補強筒体をフランジ付のものにしてもよい。
また、補強筒体の形状が直管状であると、補強筒体の形成や、インサート成形等の点で有利であるが、補強筒体そのものや合成樹脂製パイプの製造に差し支えなければ、補強筒体の形状は折れ曲がり管や曲げ管状であってもよい。また、補強繊維プリグレブをパイプ本体に巻きつける方法で補強筒体を製造するようにすると、曲がり管状の補強筒体であっても簡単に形成することができる。
合成樹脂製パイプが使用される用途は、内圧が負荷される圧力配管であれば特に限定されない。上記実施形態の説明では、自動車の変速機用の圧力回路に使用される、管路ブロックのコネクタ部材を例として、合成樹脂製パイプの使用例を説明したが、他の用途、例えば、オイル圧送用パイプや、水圧測定用の接続管、曲げ形状の油圧配管などにも使用できる。
本発明の合成樹脂製パイプは、圧力配管に使用でき、産業上の利用価値が高い。
1 合成樹脂製パイプ
11 パイプ本体
111 シール溝
11N 補強筒体がない部分
12 補強筒体
121 凹溝
2 Oリング
3,4 管路ブロック
31,41 管路
5,6,7 合成樹脂製パイプ
51,61,71 パイプ本体
511、611 雄ネジ
51N、61N、71N 補強筒体がない部分
52、62、72 補強筒体

Claims (2)

  1. 内圧が負荷される圧力配管に使用される合成樹脂製パイプの製造方法であって、
    合成樹脂製パイプの両端部の外周面には、シール部材が装着されるべきシール溝、もしくは雄ネジが設けられており、
    当該シール溝もしくは雄ネジの間に延在する合成樹脂製パイプ中間部には、少なくとも1つの補強筒体がパイプの外周側に一体化されており、
    前記中間部においては、前記補強筒体が一体化された部分と補強筒体が一体化されていない部分とが交互に設けられていて、
    補強筒体が一体化されていない部分のパイプ軸方向長さL2は、合成樹脂製パイプの直径をDとして、0.3D≦L2≦1.5Dの長さとされており、
    補強筒体が直筒状であり、補強筒体の長さL1が、0.5D≦L1≦2Dの長さとされているとの構成を前記合成樹脂製パイプが有するとともに、
    補強筒体を準備する工程、
    インサート射出成型用の金型を準備する工程、
    金型を型開きして所定の位置に補強筒体を配置し、金型を型閉じした後に、金型に樹脂材料を射出し、樹脂を硬化させて、パイプの外周に補強筒体が一体化された合成樹脂製パイプを成形するインサート射出成型工程を有する、
    合成樹脂製パイプの製造方法
  2. 補強筒体の外周面に、凹溝、凸条、穴または突起が設けられるように補強筒体を準備する請求項に記載の合成樹脂製パイプの製造方法
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