JP6602064B2 - 多孔質膜 - Google Patents

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Description

本発明は多孔質膜に関する。
気体中や液体中の塵などの不純物を濾過するための膜として、捕集効率が高い多孔質材料を積層させることで得られる膜(多孔質膜)が検討されている(特許文献1)。特許文献1には、多孔質フッ素樹脂層に、混紡不織布を積層したフィルタ濾材が記載されており、混紡不織布が、芯にポリエステル及び鞘にポリオレフィンを用いた芯鞘繊維と、ポリエステル繊維と、芯にポリエステル及び鞘に共重合ポリエステルを用いた芯鞘繊維とを含むことが記載されている。
特開2013−173078号公報
本発明者らの検討によると、特許文献1に記載の多孔質膜では、通気性が低く、また、積層した膜が剥離する場合があった。
したがって、本発明の目的は通気性が高く、密着強度が高い多孔質膜を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかる第一の実施形態の多孔質膜は、第一の層と第二の層とを有し、前記第一の層が多孔質フッ素樹脂で形成され、前記第一の層の膜厚が15μm以下であり、前記第二の層が、ポリエチレンを含む第一の繊維とポリプロピレンを含む第二の繊維とを含有し、前記第二の層の第一の繊維の平均繊維径が、0.1μm以上5.0μm以下であり、前記第二の層の第二の繊維の平均繊維径が、0.1μm以上5.0μm以下であり、前記第一の繊維及び前記第二の繊維が下記条件(1)を満足し、前記第二の層における、前記第一の繊維と前記第二の繊維の質量比率が、20:80〜80:20であり、ガーレー値が5.0s以下であることを特徴とする。
条件(1):前記第一の繊維の平均繊維径が前記第二の繊維の平均繊維径より大きく、前記第二の繊維の平均繊維径に対する前記第一の繊維の平均繊維径が、6.7倍以上16.7倍以下である
本発明によれば、通気性が高く、密着強度が高い多孔質膜を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明者らが特許文献1に記載の多孔質膜について検討したところ、混紡不織布(第二の層)に用いられている繊維の繊維径が太いために、多孔質フッ素樹脂層(第一の層)と第二の層との接着面積が大きいために、通気性が低下していることが分かった。更に、接着点と接着点の間隔が広くなっており、その結果、層間の密着強度が低く、剥離が生じてしまう。
そこで、本発明者らが、多孔質フッ素樹脂層(第一の層)に積層する第二の層に用いる繊維の平均繊維径及び軟化点について検討を重ねた結果、本願発明の構成を満足することで、通気性と層間の密着強度とを両立することができることが分かった。
具体的には、第一の実施形態としては、多孔質膜が多孔質フッ素樹脂で形成される第一の層と、第二の層と、を有する構成とし、第二の層が、第一の繊維と第二の繊維とを含有し、第二の層の第一の繊維径の平均繊維径が、0.1μm以上15.0μm以下であり、第二の層の第二の繊維径の平均繊維径が、0.1μm以上15.0μm以下であり、第一の繊維及び第二の繊維が下記条件(1)及び下記条件(2)の少なくとも一方を満足し、第二の層における、第一の繊維と第二の繊維の質量比率が、20:80〜80:20であることが必要であることが分かった。
条件(1):前記第一の繊維の平均繊維径が前記第二の繊維の平均繊維径より大きく、前記第二の繊維の平均繊維径に対する前記第一の繊維の平均繊維径が、1.2倍以上50.0倍以下である。
条件(2):前記第一の繊維の軟化点と前記第二の繊維の軟化点との差が10℃以上[|(第一の繊維の軟化点)−(第二の繊維の軟化点)|≧10℃]である。
また、第二の実施形態としては、多孔質膜が多孔質フッ素樹脂で形成される第一の層と、第二の層と、を有する構成とし、第二の層が、第一の材料及び第二の材料を含む繊維を含有し、繊維の平均繊維径が、0.1μm以上15.0μm以下であり、第一の材料の軟化点と、第二の材料の軟化点との差が10℃以上であり、第二の層における、第一の材料と第二の材料の質量比率が、20:80〜80:20であることが必要であることが分かった。
尚、本発明において「軟化点」とは、融点を有する繊維の場合は融点を、融点を有さず、ガラス転移点を有する繊維の場合はガラス転移点を、それぞれ指すものとする。また、本発明の実施例において、繊維の平均繊維径は、繊維表面を走査型電子顕微鏡で観察し、任意の10点以上の繊維の太さを測定し、その平均値を算出することで得た。
係る構成によって効果が得られるメカニズムは判明していないが、本発明者らは、上記の条件を満足することで、第一の層と第二の層との接着点が小さくなり、接着点同士の間隔も狭くなるため、通気性と層間の密着強度を共に向上することができる、と考えている。
[多孔質膜]
本発明において、多孔質膜は、第一の層と第二の層とを有する。更には、第二の層の上に、第三の層を有すること、即ち、第一の層と第二の層と第三の層とをこの順に有することが好ましい。第三の層の上に、更に別の層を有していてもよい。また、本発明の効果が得られるのであれば、各層間に別の層を有していてもよい。本発明において、第一の層と第二の層とは隣り合う層であることが好ましい。また、各々の層は層内の孔径が深さ方向に傾斜がかかっていてもよい。
本発明において、多孔質膜のJIS L 1913:2010で規定される引張試験における単位幅あたりの塑性変形開始荷重が200N/m以上であることが好ましく、300N/m以上であることがより好ましく、4,000N/m以下であることが好ましい。本発明の実施例において、引張試験は、引張試験機AKG−kNX(島津製作所製)で測定した。その際、測定する試料のサイズを25mm±0.5mm×150mmとし、つかみ間隔を50mm±0.5mm、引張速度を20±0.02mm/minとした。塑性変形が開始した時の荷重を試験片幅で除した値が単位幅あたりの塑性変形開始荷重である。
本発明において、多孔質膜の通気性はJIS P8117で規定されるガーレー試験機により測定されるガーレー値が10s以下であることが好ましく、7s以下であることがより好ましく、3s以下であることが特に好ましい。尚、ガーレー値が低いもの程、通気性が高いことを意味する。
以下、本発明の多孔質膜を構成する各層について、それぞれ説明する。
[第一の層]
本発明において、第一の層はフッ素樹脂である。フッ素樹脂は、表面自由エネルギーが低く、クリーニング性が高い。フッ素樹脂としては、具体的に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)が挙げられる。これらの樹脂は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができ、複数の膜が積層された構成でもよい。
本発明において、第一の層の、JIS L 1092で規定される耐水圧は、200kPa以上であることが好ましく、300kPa以上がより好ましい。
本発明において、第一の層の膜厚は、20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、3μm以上が好ましい。本発明の実施例において、膜厚は、直進式のマイクロメーターOMV_25(ミツトヨ製)で任意の10点の膜厚を測定し、その平均値を算出することで得た。
本発明において、第一の層の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは1.9μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることがより好ましく、1.0μm以下であることが特に好ましく、0.4μm以下であることが更に好ましい。表面形状の測定は、ピンホール等による共焦点光学系を用いたレーザー顕微鏡(例えば波長405nm程度の半導体レーザーが用いられる)を用いて、観察測定範囲における反射をZ軸方向にスキャンしたデータを合成することで形状が得られる。本発明の実施例において、表面粗さは、VK9710レーザー顕微鏡(キーエンス製)を用いて、対物レンズ50倍(CF IC EPI PLAN Apo 50X ニコン製)で表面から深さ200μmまでのデータをRPDモードで取得し、得られたデータをノイズフィルター(メディアン)処理し、カットオフλcを0.08μmとして、表面粗さを基準線長さ200μmで算出した。
[第二の層]
本発明において、第二の層の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは10μm以下であることが好ましく、6.0μm以下であることがより好ましく、4.0μm以下であることが特に好ましい。
本発明において、第二の層の、JIS B 0031で規定される局部山頂の平均間隔が3μm以上40μm以下であることが好ましく、3μm以上15μm以下であることがより好ましい。表面形状の測定は、ピンホール等による共焦点光学系を用いたレーザー顕微鏡(例えば波長405nm程度の半導体レーザーが用いられる)を用いて、観察測定範囲における反射をZ軸方向にスキャンしたデータを合成することで形状が得られる。本発明の実施例において、局部山頂の平均間隔は、キーエンス社製レーザー顕微鏡VK9710を用いて、対物レンズ50倍(CF IC EPI PLAN Apo 50X ニコン製)で表面から深さ200μmまでのデータをRPDモードで取得し、得られたデータをノイズフィルター(メディアン)処理し、カットオフλcを0.08μmとして、断面プロファイルから局部山頂の平均間隔を基準線長さ200μmで算出した。
本発明において、第二の層は通気性をもつ支持層であることが好ましい。具体的には、第一の層よりも通気性に優れたもの、例えば、不織布、織布、メッシュ(網状ネット)及びその他の多孔質材料が挙げられる。中でも、強度、柔軟性及び作業性の観点から、不織布が好ましい。
本発明の第一の実施形態において、第二の層は二種類の繊維を含有する。これら二種類の繊維は、混合されていてもよいし、芯構造と鞘構造とから構成される芯鞘構造を形成していてもよい。また、第二の層の平均繊維径は、0.1μm以上15.0μm以下であることが必要である。平均繊維径は、0.1μm以上10.0μm以下であることが好ましく、0.1μm以上5.0μm以下であることがより好ましい。
第二の層の材料としては、特に限定されないが、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など)、ポリウレタン、ナイロン、ポリアミド、ポリエステル(ポリエチレンテレフタラート(PET)など)、ポリスルフォン(PSF)、フッ素樹脂などの単一素材、またはこれらの複合材料などが好ましい。
[第三の層]
本発明の多孔質膜は上述の通り、更に第三の層を有していてもよい。第三の層の材料としては、第二の層の材料として上記で例示したものと同様のものを用いることができる。剛性の観点から不織布が好ましい。第三の層の表面は平滑であることが好ましい。また、第三の層の平均孔径は、第二の層の平均孔径よりも大きいことが好ましい。尚、本発明において、平均孔径は、パームポロメメーターCFP−1200A(PMI製)により測定した。
本発明において、第三の層を構成する繊維の中の最も低い軟化点の繊維と、第二の層を構成する繊維の中の最も低い軟化点の繊維との軟化点の差が5℃以上であることが好ましい。本発明においては、繊維の芯よりも外側の材質の軟化点が低い芯鞘構造でもよい。
[多孔質膜の製造方法]
本発明において、多孔質膜を製造する方法は、特に限定されないが、第一の層を作製する工程、第二の層を作製する工程、及び各層を積層化する工程を有する方法が好ましい。
第一の層として、PTFEを用いた多孔質膜を作製する方法について、以下に例を挙げて説明する。
PTFEファインパウダーに潤滑剤を加えて均一に混合する。PTFEファインパウダーとしては、例えば、ポリフルオンF−104(ダイキン工業製)、フルオンCD−123(旭硝子製)などが挙げられる。潤滑剤としては、例えばミネラルスピリッツ、ナフサなどが挙げられる。
潤滑処理したPTFEファインパウダーをシリンダ内で圧縮してペレットを形成し、未焼成状態でラム押し出し機から押し出してシート状に成形し、対になったロールにより適当な厚さ、通常は0.05〜0.7mmに圧延する。圧延されたシートに含まれる潤滑剤は、加熱により除去され、PTFEシートが得られる。
次に、このPTFEシートを、温度をかけながらPTFEシートの長手方向(圧延方向)に延伸し、その後、温度をかけながらPTFEシートの幅方向に延伸する。PTFEペーストの加熱と延伸処理の方法で様々な孔径、空隙率、厚みの多孔質体が形成できる。
延伸の際に、PTFEの軟化点より低い加熱温度で1軸以上の方向に比較的高速度で延伸するとPTFE多孔質体はきわめて小さい繊維により相互に連結された1μmより大きな大寸法の結節部を含む繊維構造を有し、その空隙率は40〜97%と高く、きわめて高強度である。
また、成形体を半焼成状態にした後に延伸する方法や、PTFEの軟化点(327℃)以上の温度に加熱焼成した後、あるいは、軟化点以上に加熱焼成しながら延伸する方法もある。
また、Electro Spining(ES)法などで得られたフッ素樹脂繊維を熱圧などで膜化したものを用いてもよい。
第二の層として、不織布を用いる場合、その作製方法としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法やES法などでフリースを形成したのち、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、水流交絡法などで繊維間を接合する方法が挙げられる。
第一の層と第二の層を積層して多孔質膜を形成する方法は、熱ラミネートが望ましい。熱のかけ方は特に限定されないが、ローラー表面温度、ローラー間の通過時間、ローラー間の圧力を適宜調整して、ローラー間を通してラミネーションが行われる。
第三の層を更に積層させる場合は、第一の層及び第二の層と共に積層させてもよいし、順次積層させてもよく、積層順に関しても適宜選択すればよい。
例えば、熱ラミネーションにより多孔質膜を積層する方法では、接触する二つの層の層中の繊維の中の最も低い軟化点が高い方の層側から加熱することが好ましい。高い方の層側から加熱することで、接触する低い方の層の表面近傍のみを加熱することが可能であるため、通気性の低下を抑制することができる。
本発明において、第三の層を積層する場合、第一の層はフッ素系樹脂で構成されているため、第二の層、第三の層の中の繊維の中の最も低い軟化点は、第一の層の軟化点より低い軟化点の繊維を選択すればよい。したがって、第三の層を構成する繊維の中の最も低い軟化点が第二の層を構成する繊維の中の最も低い軟化点よりも高い場合には、第一の層側と第三の層側の両方から加熱することで三つの層を一度に積層させることができる。また、第一の層側から加熱して、あらかじめ第一の層と第二の層を接着させた後に第三の層側から加熱することで、三つの層を積層させることができる。さらには、第三の層側から加熱して、あらかじめ第二の層と第三の層を接着させた後に第一の層側から加熱することで、三つの層を積層させることができる。一方、第三の層を構成する繊維の中の最も低い軟化点が第二の層を構成する繊維の中の最も低い軟化点よりも低い場合には、第一の層側から加熱することで三つの層を一度に積層させることができる。また、第一の層側から加熱して、あらかじめ第一の層と第二の層を接着させた後に第一の層側から加熱することで、三つの層を積層させることができる。更には、第二の層側から加熱して、あらかじめ第二の層と第三の層を接着させた後に第一の層側から加熱することで、三つの層を積層させることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。
第一の層として、以下の表1に記載の膜厚、算術平均粗さRa、耐水圧であるPTFE膜をそれぞれ用意した。
第二の層として、以下の表2及び3に記載の膜厚、算術平均粗さRa、局部山頂の平均間隔である膜をそれぞれ用意した。2−a〜2−nは、第一の繊維と第二の繊維とを含有する膜である。具体的にはポリエチレンとポリプロピレンの繊維を用いた。2−oは、ポリエチレン(第一の繊維)を含有する膜である。2−p、2−q、2−rは、第一の材料(ポリエチレン)及び第二の材料(ポリプロピレン)を含む繊維を含有する膜であり、第一の材料が「鞘構造」であり、第二の材料が「芯構造」である「芯鞘構造」であった。
第三の層として、以下の表4に記載の膜厚、軟化点であるポリエチレン膜(3−a)、ポリエチレンテレフタレート膜(3−b)、ポリプロピレン(3−c)膜をそれぞれ用意した。
そして、以下の表5の組合せで、第一の層と第二の層と第三の層とを熱圧ラミネーションによって積層し多孔質膜を得た。実施例5は、第一の層側と第三の層側の両方から加熱して三つの層を積層させた。更に、得られた多孔質膜の塑性変形開始荷重及びガーレー値を上述の方法で測定した。結果を表5に示す。
[評価]
上記で得られた多孔質膜について、以下の評価方法により評価を行った。評価結果を表6に示す。本発明においては、下記の各評価項目の評価基準のAA〜Bを好ましいレベルとし、Cを許容できないレベルとした。
<通気性>
上記で測定したガーレー値を元に、以下の評価基準で通気性を評価した。
AA:ガーレー値が3s以下であった
A:ガーレー値が3sより大きく7s以下であった
B:ガーレー値が7sより大きく10s以下であった
C:ガーレー値が10sより大きかった。
<密着強度>
上記で得られた多孔質膜をフィルタとして用いた場合における、多孔質膜の層間の剥離の有無を観察し、密着強度を評価した。評価基準は以下の通りである。
B:層間の剥離が発生していなかった
C:層間に剥離が発生していた。
<局所変形抑制効果>
上記で得られた多孔質膜をフィルタとして用いた場合における、第一の層の変形を観察し評価した。評価基準は以下の通りである。
B:変形が見られなかった。又は、変形が僅かに見られたが、気にならないレベルであった
C:変形が大きく見られた。
<濾過性>
上記で得られた多孔質膜を、有効面積100cmの円形ホルダにセットし、塵埃を含む空気(石英粉塵を、粒子径2μm以下の粒子が5×10個/Lとなるよう供給したもの)を透過速度5.3cm/秒で供給、通過させ、上流側の粒子濃度(個/L)と、下流側の粒子濃度(個/L)とをパーティクルカウンターKC−18(リオン製)で測定し、下記式を用いて捕集効率を求めた。捕集効率が高い程、濾過性が高いことを意味する。評価基準は以下の通りである。
捕集効率(%)=(1−下流側の粒子濃度/上流側の粒子濃度)×100
A:捕集効率が99%以上であった
B:捕集効率が98%以上99%未満であった
C:捕集効率が98%未満であった。
<圧力分布の抑制効果>
圧力分布の抑制効果を評価するために、上記で得られた多孔質膜を拭き取り部材として用い、インクジェット式プリンターのメンテナンスにおいて、多孔質膜を、インクを吐出するヘッドのノズルが形成されたノズル面に押し当て部材で当接させ、多孔質膜とヘッドを、相対的に移動させることで、ノズル面に付着したインク滴、ごみ、埃、紙粉などを払拭した。多孔質膜はRoll to Rollで、巻き取りローラーで搬送して拭きとり部材として用いた。拭き取り後のノズルが形成された面の表面を光学顕微鏡で観察することで拭きムラの発生の有無を評価した。拭きムラが抑制されている程、圧力分布の抑制効果が高いことを意味する。評価基準は以下の通りである。
A:拭きムラが見られなかった
B:僅かに拭きムラが見られたが、気にならないレベルであった
C:拭きムラが生じていた。
<搬送性>
上記で得られた多孔質膜をRoll To Rollで搬送し、拭きとり部材として用いた場合において、搬送時にかかる張力による変形の有無を観察した。変形が少ない程、搬送性が高いことを意味する。評価基準は以下の通りである。
A:塑性変形がみられず、更に張力がかけられた
B:塑性変形がみられなかった
C:塑性変形がみられた。

Claims (3)

  1. 第一の層と第二の層とを有する多孔質膜であって、
    前記第一の層が多孔質フッ素樹脂で形成され、
    前記第一の層の膜厚が15μm以下であり、
    前記第二の層が、ポリエチレンを含む第一の繊維とポリプロピレンを含む第二の繊維とを含有し、
    前記第二の層の第一の繊維の平均繊維径が、0.1μm以上5.0μm以下であり、
    前記第二の層の第二の繊維の平均繊維径が、0.1μm以上5.0μm以下であり、
    前記第一の繊維及び前記第二の繊維が下記条件(1)を満足し、
    前記第二の層における、前記第一の繊維と前記第二の繊維の質量比率が、20:80〜80:20であり、
    ガーレー値が5.0s以下であることを特徴とする多孔質膜。
    条件(1):前記第一の繊維の平均繊維径が前記第二の繊維の平均繊維径より大きく、前記第二の繊維の平均繊維径に対する前記第一の繊維の平均繊維径が、6.7倍以上16.7倍以下である。
  2. 前記多孔質膜が、前記第二の層の上に、更に、第三の層を有し、
    前記第三の層が前記第二の層よりも平均孔径が大きい請求項1に記載の多孔質膜。
  3. 前記第三の層を構成する繊維の中の最も低い軟化点の繊維と、前記第二の層を構成する繊維の中の最も低い軟化点の繊維との軟化点の差が5℃以上である請求項に記載の多孔質膜。
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