JP6601706B2 - 足場隙間体感研修装置 - Google Patents
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Description
この特許文献1に開示された発明は、歩行路を構成する路面部に形成された升目状開口に路面再現部材が嵌め込まれるとともに、路面部の両側に手摺りが設置された構造となっている。
このような構造により、日常生活や労働の場において歩行者が実際に歩行する可能性のある路面が容易に再現される。したがって、歩行者はそれらの路面上を歩行する際に遭遇する様々な危険を事前に体感したり、体験したりすることができる。
特許文献2に開示された「架構」は、上段支柱によって支持される床スラブが、基礎スラブを起点として立設される複数の下段支柱に沿ってチェーン駆動機構により上下方向へ移動可能に設置されるとともに、基礎スラブを支持するアウトリガが収納可能に形成されたことを特徴としている。
このような構造によれば、トラックなどの車両からの荷降ろしや荷積みの際の人的作業を最少限にすることができる。
特許文献3に開示された発明である「移動型安全体感設備用架構」は、床スラブが、基礎スラブを起点として立設されるテレスコピック型の複数の支柱によって昇降可能に支持され、アウトリガによって基礎スラブが支持されるとともに、基礎スラブよりも高所に荷揚げ手段が設置された構造となっている。
このような構造によれば、支柱を短縮させることで、車両に搭載した際の高さが低くなり、輸送状態が安定化するため、輸送時の安全性が高まる。したがって、作業現場が遠隔地にある場合でも、当該「架構」を安全に輸送して、作業現場近郊において、吊荷のハンドリングに関する模擬実習等を作業者に体験させることができる。
特許文献1に記載された発明は、確かに、様々な路面を歩行するという体験を通して、路面の状況が通常と異なる場合に起こり得る危険を予知するという作業者の能力を高めることができるものの、上述の高所作業を行う作業者に対する研修機材としては利用することができない。
また、特許文献2や特許文献3に係る発明では、明細書にも記載されているように、吊荷のハンドリングに関する模擬実習に加え、上述の「安全帯ぶら下がり体感実習」や「安全帯落下検証実習」を行うことができる。しかしながら、これらの発明では、高所作業時に設置される作業用足場の隙間の大きさにより危険性がどの程度高まるか等の間隔を身につけるための研修機材として利用することができない。
デッキ部に設けられた開口部を作業用足場の隙間に見立てた場合、この隙間を利用することにより作業用足場の隙間からの墜落という状況を高所作業等を行う作業者等に疑似体験させることができる。したがって、本発明の足場隙間体感研修装置は、当該作業者の危険予知能力を訓練するための研修機材としての機能を有している。
上記構造の足場隙間体感研修装置を、受講者に作業用足場板の隙間からの墜落を疑似体験させる研修機材として用いた場合、本発明は第1の発明の作用に加え、開口部の端縁に沿って水平方向へ足場板をスライドさせることにより、デッキ部に形成される開口部の大きさが変化するという作用を有する。
このような構造の足場隙間体感研修装置においては、第2の発明の作用に加え、足場板のスライド機構がガイドレールとガイドローラという簡単な形状の部材の組合せによって容易に実現されるという作用を有する。
このような構造の足場隙間体感研修装置においては、第3の発明の作用に加え、足場板の把持具に設けられた係止部が係止具の係止溝に係止することにより、足場板が架台に対して固定されるという作用を有する。
このような構造の足場隙間体感研修装置においては、第1乃至第4の発明の作用に加えて、安全枠によってデッキ部に搭乗した受講者等の落下が防止されるという作用を有する。
このような構造の足場隙間体感研修装置において、作業用足場の隙間からの墜落を体験する研修等にデッキ部の開口部を使用しない場合には、開口部と取付具を利用して「安全帯ぶら下がり体感実習」を行うことができる。その際に、取付具は、安全帯に繋いだロープ等を吊り下げるために用いられる。
なお、図3(a)では踏み台を破線で示し、図4(a)及び図4(c)では足場板と固定具を破線で示している。
なお、デッキ部2の上面には、研修の受講者の落下を防止するための安全枠3が設けられており、架台1の側面には、デッキ部2へと繋がる階段4が取り付けられている。また、安全枠3のうち、対向するように配置された箇所には、金属パイプ等からなる取付具5が架設されている。そして、デッキ部2の下には、踏み台16を設置するのに十分な空間が設けられている(図3(a)参照)。
なお、ガイドレール9は、複数本の支柱10によってそれぞれ水平に支持され、開口部6を挟んで対向するように配置される一対の桁材11a,11aの上面に固定されている。そして、足場板8の下面には、平行な一対の端縁に沿ってガイドローラ12,12がガイドレール9の上を走行可能に設置されている。
この場合、受講者は開口部6の大きさを変更して、その開口部6から墜落する体験を繰り返すことができる。これにより、受講者は、作業用足場の隙間について、頭、胸、腹、臀部等の各自の体形や、前向きか、横向きか、若しくは保護具を装着しているか等の作業姿勢に応じて、墜落する可能性がある最小サイズを容易に確認することができる。したがって、受講者は、確認した隙間の最小サイズに基づき、各自の体形や作業姿勢ごとに作業用足場の隙間からの墜落の危険性を高い精度で予測することができる。すなわち、本発明の足場隙間体感研修装置を利用すれば、より適切に作業用足場の隙間からの墜落事故を防止するための対策を立てることができる。
また、桁材11a,11aの間には、複数の桁材11bが跨設されており、この桁材11bの上面には、一対の係止具15,15が桁材11aと平行をなすように設置されている。すなわち、係止具15は桁材11a,11bを介して架台1に固定されている。
なお、係止具15は長尺状の板材であり、その側面の一つに複数の係止溝15aが幅方向に対して平行に設けられ、この係止溝15aを上方へ向けた状態で桁材11bに固定されている。一方、把持具13は、係止具15の係止溝15aに対して係止可能に形成された棒状の係止部13a(図4(b)及び図4(c)参照)を有している。そして、足場板8に対して把持具13は、足場板8の移動に伴って、この係止部13aが係止具15の係止溝15aに順次係止可能な位置に取り付けられている。
なお、本実施例では、足場板8を架台1に対してスライドさせることにより、デッキ部2の開口部6の大きさを4通りに調節可能となっている。
Claims (3)
- 鉄骨部材を用いて直方体状に枠組みされた架台と、
この架台によって水平に支持されるとともに平面視矩形状をなす開口部が設けられたデッキ部と、
前記開口部の一対の端縁に沿って水平方向へスライド可能に前記開口部に跨設された足場板と、
この足場板の下面に一端が枢着されるとともに棒状の係止部が側方へ突出するように形成された把持具と、
前記架台によって支持されるとともに前記デッキ部の前記開口部の平行な一対の端縁に沿うように前記デッキ部の下方に設置された一対のガイドレールと、
この一対のガイドレール上を走行可能に配置されるとともに前記足場板の下面に設置された一対のガイドローラと、
前記ガイドレールと平行をなすように前記架台に固定されて前記足場板の下方に設置されるとともに複数の係止溝を有する長尺状の係止具と、を備え、
前記係止溝は、前記係止具の長手方向に沿うとともに前記足場板に対向するように設けられ、
前記把持具の前記係止部が前記ガイドレールに対して直交するとともに前記足場板の移動に伴って前記係止具の複数の前記係止溝に対して順次係止可能に配置されたことを特徴とする足場隙間体感研修装置。 - 前記デッキ部を囲むように前記架台の上面に立設される安全枠を備えたことを特徴とする請求項1に記載の足場隙間体感研修装置。
- 前記安全枠に固定され前記デッキ部の前記開口部を跨ぐように設置される棒状の取付具を備えたことを特徴とする請求項2に記載の足場隙間体感研修装置。
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