JP6600562B2 - 揺動バレルの移載装置 - Google Patents
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Description
揺動バレルの振り角が左右にズレたままであると、次に揺動バレルを処理槽内へ向けて下降させる際に、待機する揺動駆動機構側の出力部と揺動バレル側に設けられた入力部とが噛み合わず、駆動の伝動がうまくできなかったり、伝動機構との噛合部分に損傷を生じさせたりするおそれがあった。
即ち、本発明に係る揺動バレルの移載装置は、筒軸を水平方向に向けた透水性の筒形周壁とこの筒形周壁の両端部を塞いだ端壁とで形成され且つ前記筒形周壁の一部に被処理品の出し入れ口が設けられた揺動バレルと、前記揺動バレルを両端壁の外側から挟持して前記筒軸中心に回動自在に保持する保持枠と、前記保持枠を昇降させることにより前記揺動バレルの下方に設置される処理槽に対して槽内に貯留の処理液に前記揺動バレルを漬けたり引き上げたりする昇降機構と、前記昇降機構が前記保持枠を昇降させるときの昇降軌道に設けられる姿勢矯正部と、を有し、前記保持枠からは前記揺動バレルに対して外部より回転力を受けるための入力軸が前記筒軸と平行する方向で突出しており、前記姿勢矯正部は前記入力軸を径方向に挟んで昇降自在とさせる上下貫通溝を備えており、前記上下貫通溝は前記入力軸の軸径と同等幅に形成された主溝部とこの主溝部の上側へ連通して上方ほ
ど開口幅を広げた下降ガイドとを有していることを特徴とする。
前記姿勢矯正部は、前記主溝部の下側へ連通して下方ほど開口幅を広げた上昇ガイドを有したものとしてもよい。
前記伝動部は、前記入力軸の軸径と同等幅に形成された軸止め部とこの軸止め部の上側へ連通して上方ほど開口幅を広げた受入ガイドとを有したものとするのが好適である。
図1乃至図5は、本発明に係る揺動バレルの移載装置(以下、「本発明装置」と言う)1を示している。本発明装置1は、揺動バレル2と、この揺動バレル2を保持する保持枠3と、この保持枠3と共に揺動バレル2を昇降させる昇降機構4とを有している。そして、保持枠3を昇降させる位置に、姿勢矯正部5が設けられる構成となっている。
揺動バレル2は、水平(水平から上方又は下方へ少し傾いた方向を含む)に設定される筒軸P(図4参照)に沿って互いに離反して設けられる一対の端壁7,7と、これら一対の端壁7,7間をわたる状態で端壁7の外周部を取り囲んで設けられる筒形周壁8とを有している。揺動バレル2は、筒軸Pを中心として揺りカゴ状の揺動(部分回転の正逆繰り返し)をする。
撹拌効果を高めるには、出し入れ口10を真上へ向けたときに端壁7の中心位置よりもやや上方となる偏心位置に筒軸Pを設定するのが好適である。
また、図例では揺動バレル2が1つだけのものを示してあるが、筒軸Pに沿って横並びで複数の揺動バレル2が連結されたものとしてもよいし、連結ではなく横長一体形のものとしてもよい。
一方の支持体12には高さ方向に複数の歯車を噛み合わせた歯車列13が設けられている。この歯車列13は、外部より付与される回転力を揺動バレル2に対して伝えるためのものであって、この歯車列13のうち、最も高位に配置された歯車の回転軸は支持体12を貫通して、筒軸Pの方向に沿うように(平行する状態で)保持枠3の外方へ向けて突出している。この突出した回転軸が入力軸15とされている。
本実施形体において、昇降機構4に採用した具体的な構成は、処理槽20の側部に近接させて立設したレール枠25に対して昇降ガイドレール26を横移動可能に設け、この昇降ガイドレール26に対して保持枠3を吊り下げるためのハンガー部材27を昇降可能に設け、このハンガー部材27により保持枠3を保持させるものとした。
ハンガー部材27による保持枠3の保持は、ハンガー部材27に対し、側面視L字状に形成された掬い上げ部材28を互いに対向させた状態で設け、他方、保持枠3には、掬い上げ部材28と係合離脱自在とするための棒状の係合突起29を両支持体12からそれぞれ外方へ向けて突出するように設けることで行ってある。
なお、このような構成であるため、例えば特定の処理槽20の上部に保持枠3を預け置き、揺動バレル2を処理液21に漬けた状態とさせているときには、この保持枠3から昇降機構4を離反させることができる。そのため、この昇降機構4により他の保持枠3を横
移動させたり他の保持枠3を他の処理槽20に対して昇降させたりできるようになる。これにより、昇降機構4(ハンガー部材27)の必要数を減らし、設備コストを低く抑えることができる。また、設備全体としての稼動効率を高めることにも繋がり、好適である。
図5に示すように、揺動駆動機構35は、処理槽20の側部に設けられた伝動部36と、この伝動部36を処理槽20の側部に沿わせつつ水平方向で往復動作させる往復台37とを有している。
往復台37は水平方向に移動自在に保持されており、例えばモータ42により回転するクランクレバー43から、リンク44を介して往復台37の連結部45へ往復駆動を伝えるようにしたリンク機構等を採用することができる。
なお、本実施形態では、図1乃至図3に示すように、保持枠3における一方の支持体12に対して、保持枠3が処理槽20上に預け置かれたときに処理槽20の上縁部に合致する位置に、2本の位置決め棒47,47を入力軸15と同じ向きへ突設させてある。そして、処理槽20の上縁部には、これら位置決め棒47,47と当接しつつ抱き込むようにした振れ止め部材48を設けた。
次に、姿勢矯正部5について説明する。
また、この姿勢矯正部5は、処理槽20上に預け置かれた保持枠3を昇降機構4が上昇させる際に、入力軸15(偏心軸部18)を真っ直ぐ上昇させることができ、これにより、揺動バレル2を、出し入れ口10が真上を向いた正しい姿勢に矯正することもできるようになっている。
本実施形体において、姿勢矯正部5に採用した具体的な構成は、昇降機構4が保持枠3を昇降させるときの昇降軌道にその左右両側から臨むように、左右一対のガイド板51,51を突き合わせるようにし、これら両板間に、前記した上下貫通溝50を形成させてある。
52と、この主溝部52の上側へ連通して上方ほど開口幅を広げた下降ガイド53と、主溝部52の下側へ連通して下方ほど開口幅を広げた上昇ガイド54とを有したものとなっている。
ここにおいて、上下貫通溝50を上から下へ向けて偏心軸部18が通過する際にあって、偏心軸部18が親軸部17の中心から傾いた状態となっていたとしても、偏心軸部18は、上下貫通溝50の下降ガイド53によるカム作用(上広がりの傾斜面に当接して偏心軸部18が真下へ向けられる作用)を受けて、主溝部52へと導かれるようになる。
ところで、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、処理槽20はめっき槽であることが限定されるものではなく、酸洗い槽、水洗槽、色付け槽等々、様々な処理槽であってもよい。また、言うまでもなく、めっきの種類、被処理品の材質や形状などは何ら限定されるものではない。
2 揺動バレル
3 保持枠
4 昇降機構
5 姿勢矯正部
7 端壁
8 筒形周壁
10 出し入れ口
12 支持体
13 歯車列
15 入力軸
17 親軸部
18 偏心軸部
20 処理槽
21 処理液
25 レール枠
26 昇降ガイドレール
27 ハンガー部材
28 掬い上げ部材
29 係合突起
35 揺動駆動機構
36 伝動部
37 往復台
40 軸止め部
41 受入ガイド
42 モータ
43 クランクレバー
44 リンク
45 連結部
47 位置決め棒
48 振れ止め部材
50 上下貫通溝
51 ガイド板
52 主溝部
53 下降ガイド
54 上昇ガイド
P 筒軸
Claims (5)
- 筒軸を水平方向に向けた透水性の筒形周壁とこの筒形周壁の両端部を塞いだ端壁とで形成され且つ前記筒形周壁の一部に被処理品の出し入れ口が設けられた揺動バレルと、
前記揺動バレルを両端壁の外側から挟持して前記筒軸中心に回動自在に保持する保持枠と、
前記保持枠を昇降させることにより前記揺動バレルの下方に設置される処理槽に対して槽内に貯留の処理液に前記揺動バレルを漬けたり引き上げたりする昇降機構と、
前記昇降機構が前記保持枠を昇降させるときの昇降軌道に設けられる姿勢矯正部と、を有し、
前記保持枠からは前記揺動バレルに対して外部より回転力を受けるための入力軸が前記筒軸と平行する方向で突出しており、
前記姿勢矯正部は前記入力軸を径方向に挟んで昇降自在とさせる上下貫通溝を備えており、
前記上下貫通溝は前記入力軸の軸径と同等幅に形成された主溝部とこの主溝部の上側へ連通して上方ほど開口幅を広げた下降ガイドとを有している
ことを特徴とする揺動バレルの移載装置。 - 前記保持枠から突出する前記入力軸は、当該入力軸の回転軸心と同一軸心を有する親軸部とこの親軸部から径方向に離れた位置で当該親軸部と平行する向きに設けられた偏心軸とを有しており、
前記処理槽の側部には、前記揺動バレルが前記処理槽内の処理液に漬かる高さとされたときに前記入力軸の前記偏心軸を嵌め入れる伝動部と、
前記入力軸の回転軸心に対して水平面内で直交する方向へ向けて前記伝動部を往復動させる往復台と、が設けられており、
前記伝動部と前記往復台とによって前記揺動バレルに揺りカゴ状の揺動を生じさせる揺動駆動機構が構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の揺動バレルの移載装置。 - 前記姿勢矯正部は、前記入力軸の前記偏心軸を前記主溝部へ通過させる配置で設けられていることを特徴とする請求項2記載の揺動バレルの移載装置。
- 前記姿勢矯正部は、前記主溝部の下側へ連通して下方ほど開口幅を広げた上昇ガイドを有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の揺動バレルの移載装置。
- 前記伝動部は、前記入力軸の軸径と同等幅に形成された軸止め部とこの軸止め部の上側へ連通して上方ほど開口幅を広げた受入ガイドとを有していることを特徴とする請求項2記載の揺動バレルの移載装置。
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