JP6600407B2 - 内燃機関冷却システム - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関を冷却するシステムに関する。
車両に設けられた内燃機関を冷却するシステムにおいて、冷却水の流路を切り替えるための弁として、ヒータを備える電子制御式のサーモスタットが用いられている(特許文献1参照)。
サーモスタットは、温度変化に伴いワックスの体積が変化することによって開閉するワックス式である。かかるサーモスタットは、冷却水の温度が上昇した場合に加え、ヒータによって加熱された場合にも開弁する。
特許文献1に記載の技術では、目標冷却水温ごとに設定されたヒータ通電電力をヒータに通電することによって、目標冷却水温でサーモスタットを開弁させている(特許文献1の図2及び図3等参照)。
特許第5152595号公報
しかし、特許文献1には、エンジンの暖機完了後にヒータへの通電電力を冷却水温と目標冷却水温との偏差等によって補正することは記載されている(特許文献1の図9等参照)ものの、ヒータへの通電開始のタイミングについては記載されていない。
ここで、電子制御式かつワックス式のサーモスタットでは、冷却水の水温が上がったりヒータによる加熱が行われたりしても、ワックスの体積が変化するのに要する時間だけ当該サーモスタットの開弁応答が遅れることがある。
例えば、エンジンの暖機中に低熱負荷領域から高熱負荷領域へ急速に移行した場合には、サーモスタット開弁前に冷却水の水温が急速に上昇してしまい、エンジン部品の冷却性が損なわれることによってエンジンの耐久寿命に影響が出るおそれがある。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、ヒータによるサーモスタットの加熱を好適に行うことが可能な内燃機関冷却システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の内燃機関冷却システムは、内燃機関と、前記内燃機関を冷却するための冷却用流体が循環する冷却回路と、前記冷却用流体を冷却するためのラジエータと、前記冷却回路から分岐して前記冷却用流体を前記ラジエータに導くとともに、前記ラジエータを通過した前記冷却用流体を前記冷却回路に戻すためのラジエータ回路と、前記冷却回路と前記ラジエータ回路とが接続された部位に設けられており、前記冷却回路と前記ラジエータ回路との間を開閉するサーモスタットと、前記サーモスタットを加熱するためのヒータと、前記ヒータを制御する制御装置と、を備え、前記サーモスタットは、第一の所定温度未満で前記冷却回路と前記ラジエータ回路との間を遮断する閉状態となるとともに、前記第一の所定温度以上で前記冷却回路と前記ラジエータ回路との間を開放する開状態となり、前記制御装置は、前記内燃機関の回転速度及び機関負荷と前記サーモスタットを流通する前記冷却用流体の目標温度とが関連付けられた目標温度マップを備え、前記回転速度及び前記機関負荷に対応する前記目標温度が前記第一の所定温度よりも低い第二の所定温度以下であり、前記サーモスタットを流通する前記冷却用流体の温度が前記目標温度未満であり、かつ、前記冷却用流体の前記目標温度と前記温度との差の絶対値が所定値の絶対値よりも小さい場合に、前記ヒータへの通電を開始することによって前記サーモスタットを開状態とし、前記冷却用流体の前記目標温度が前記第二の所定温度よりも高く前記第一の所定温度未満であり、かつ、前記冷却用流体の前記温度が前記目標温度未満である場合と、前記冷却用流体の前記目標温度が前記第二の所定温度以下であり、前記冷却用流体の前記温度が前記目標温度未満であり、かつ、前記冷却用流体の前記目標温度と前記温度との差の絶対値が前記所定値の絶対値以上である場合とに、前記サーモスタットを閉状態に維持する範囲で前記ヒータへのスタンバイ通電を行うことを特徴とする。
かかる構成によると、内燃機関の回転速度、機関負荷(空気充填率)、及び、サーモスタットを流通する冷却用流体の水温に基づいて、ヒータへの通電を開始するタイミングを決定するので、ヒータによるサーモスタットの加熱を好適に行うことができ、冷却用流体の温度の異常上昇を防止することができる。
また、かかる構成によると、内燃機関が高熱負荷である場合において、ヒータによるサーモスタットの加熱を好適に行うことができ、冷却水の水温の異常上昇を防止することができる。
また、かかる構成によると、ヒータへの通電(プレ通電及び本通電)に先行してサーモスタットを閉状態に維持する範囲でヒータへのスタンバイ通電を行うので、サーモスタットを予熱することによって開弁応答性を向上することができる。
また、いわゆるプレ通電とスタンバイ通電とを組み合わせることによって、プレ通電における閾値としての所定値(目標温度−検出された冷却用流体の温度)を大きくする(すなわち、ゼロに近づける)ことができる。
前記制御装置は、前記冷却用流体の前記温度が大きいほどスタンバイ通電におけるデューティ比が小さくなるように、又は、前記冷却用流体の前記目標温度と前記温度との差の絶対値が小さいほどスタンバイ通電におけるデューティ比が小さくなるように、前記ヒータをデューティ制御する構成であってもよい。
かかる構成によると、冷却用流体の温度が大きいほどスタンバイ通電におけるデューティ比が小さくなるように、ヒータをデューティ制御するので、サーモスタットを閉状態に維持する範囲でヒータを好適に予熱することができる。
また、本発明の内燃機関冷却システムは、内燃機関と、前記内燃機関を冷却するための冷却用流体が循環する冷却回路と、前記冷却用流体を冷却するためのラジエータと、前記冷却回路から分岐して前記冷却用流体を前記ラジエータに導くとともに、前記ラジエータを通過した前記冷却用流体を前記冷却回路に戻すためのラジエータ回路と、前記冷却回路と前記ラジエータ回路とが接続された部位に設けられており、前記冷却回路と前記ラジエータ回路との間を開閉するサーモスタットと、前記サーモスタットを加熱するためのヒータと、前記ヒータを制御する制御装置と、を備え、前記サーモスタットは、第一の所定温度未満で前記冷却回路と前記ラジエータ回路との間を遮断する閉状態となるとともに、前記第一の所定温度以上で前記冷却回路と前記ラジエータ回路との間を開放する開状態となり、前記制御装置は、前記サーモスタットを流通する前記冷却用流体の目標温度が前記第一の所定温度よりも低い第二の所定温度よりも高く前記第一の所定温度未満であり、かつ、前記サーモスタットを流通する前記冷却用流体の温度が前記目標温度未満である場合と、前記冷却用流体の前記目標温度が前記第二の所定温度以下であり、前記冷却用流体の前記温度が前記目標温度未満であり、かつ、前記冷却用流体の前記目標温度と前記温度との差の絶対値が所定値の絶対値以上である場合とに、前記サーモスタットを閉状態に維持する範囲で前記ヒータへのスタンバイ通電を行うことを特徴とする。
かかる構成によると、サーモスタットを予熱することによって開弁応答性を向上することができる。
本発明によると、ヒータによるサーモスタットの加熱を好適に行うことができる。
本発明の実施形態に係る内燃機関冷却システムを示す模式図であり、(a)は、サーモスタットが閉状態となってラジエータに冷却水が流れていない状態を示す図、(b)は、サーモスタットが開状態となってラジエータに冷却水が流れている状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る内燃機関冷却システムを示すブロック図である。 (a)は、目標水温マップの一例を示す図であり、(b)は、通電デューティ比マップの一例をグラフ化して示す図である。 (a)は、プレ通電デューティ比マップの一例をグラフ化して示す図であり、(b)は、スタンバイ通電デューティ比マップの一例をグラフ化して示す図である。 (a)は、エンジンの回転速度及びトルクと、エンジンの熱負荷と、の関係を示す図であり、(b)は、エンジンの冷却水の水温及びエンジンの熱負荷と、サーモスタットのヒータの制御領域と、の関係を示す模式図である。 プレ通電を行う場合と行わない場合の比較結果を示す図であって、(a)はエンジンの空気充填率、(b)はヒータのデューティ比、(c)は水温センサによって検出された水温、(d)はエンジンのシリンダ間温度、のそれぞれの経時変化の一例を示すグラフである。 水温センサによって検出された水温と、サーモスタットの開閉状態及びヒータの通電状態と、の関係を示す図であり、(a)は低熱負荷の場合、(b)は中熱負荷の場合、(c)は高熱負荷の場合を示す図である。 スタンバイ通電を行う場合と行わない場合との比較結果を示す図であって、(a)はエンジンの空気充填率、(b)はヒータのデューティ比、(c)は水温センサによって検出された水温、(d)はエンジンのシリンダ間温度、のそれぞれの経時変化の一例を示すグラフである。 目標水温及び水温センサによって検出された水温に基づくヒータの制御手法及びサーモスタットの開閉状態を説明するためのフローチャートである。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1(a)(b)に示すように、本発明の実施形態に係る内燃機関冷却システム1は、冷却用流体である冷却水を循環させることによって、車両に設けられた内燃機関としてのエンジン21を冷却するシステムである。ここで、図1(a)(b)における矢印は、冷却水の流れ方向を示す。
<内燃機関冷却システム>
内燃機関冷却システム1は、冷却水が流通する回路として、冷却回路11と、バイパス回路12と、ラジエータ回路13と、過給機回路14と、を備える。
また、内燃機関冷却システム1は、かかる回路11〜14上に、内燃機関としてのエンジン21と、開閉弁としてのサーモスタット22と、ヒータコア23と、ポンプ24と、ラジエータ25と、過給機26と、気液分離器27と、を備える。
<回路>
はじめに、内燃機関冷却システム1において冷却水が流通する回路について説明する。
≪冷却回路≫
冷却回路11は、エンジン21を冷却するための冷却水を循環させるための回路である。
冷却回路11の上流側端部は、エンジン21の冷却水出口21aと接続されており、冷却回路11の下流側端部は、エンジン21の冷却水入口21bと接続されている。
冷却回路11上には、上流側(冷却水出口21a側)から順に、サーモスタット22、ヒータコア23及びポンプ24が設けられている。
≪バイパス回路≫
バイパス回路12は、冷却回路11において、サーモスタット22の閉弁状態で冷却水をサーモスタット22からヒータコア23よりも下流側へ流すための回路である。
バイパス回路12の上流側端部は、冷却回路11のサーモスタット22が設けられた部位と接続されており。バイパス回路12の下流側端部は、冷却回路11のヒータコア23よりも下流側となる部位と接続されている。
≪ラジエータ回路≫
ラジエータ回路13は、冷却回路11内の冷却水を、ラジエータ25を経由して冷却回路11へ戻すための回路である。
ラジエータ回路13の上流側端部は、冷却回路11のサーモスタット22が設けられた部位と接続されており、ラジエータ回路13の下流側端部は、冷却回路11のポンプ24が設けられた部位と接続されている。
ラジエータ回路13上には、ラジエータ25が設けられている。
≪過給機回路≫
過給機回路14は、冷却回路11内の冷却水を、過給機26を経由して冷却回路11へ戻すための回路である。
過給機回路14の上流側端部は、エンジン21の冷却水出口21aと接続されており、過給機回路14の下流側端部は、冷却回路11のポンプ24が設けられた部位と接続されている。
過給機回路14には、過給機26及び気液分離器27が設けられている。
<回路上の装置>
続いて、内燃機関冷却システム1の回路11〜14上に設けられた装置について説明する。
≪エンジン≫
エンジン21は、当該エンジン21が設けられた車両の駆動源であり、図示しないシリンダブロック、シリンダヘッド、ピストン、コンロッド、クランクシャフト等によって構成されている。
≪サーモスタット≫
サーモスタット22は、冷却回路11とラジエータ回路13との接続部位に設けられており、冷却回路11とラジエータ回路13との間を開閉する弁である。
より詳細には、サーモスタット22は、いわゆるワックス式のサーモスタットであり、温度変化に伴うワックスの体積変化によって、冷却回路11からラジエータ回路13への入口を開閉する。
本実施形態において、サーモスタット22は、第一の所定温度(例えば、105℃)未満では閉状態となって冷却回路11からラジエータ回路13への冷却水の流通を遮断するとともに冷却回路11からバイパス回路12への冷却水の流通を許容し、第一の所定温度以上では開状態となって冷却回路11からラジエータ回路13への冷却水の流通を許容するとともに冷却回路11からバイパス回路12への冷却水の流通を遮断する。
また、サーモスタット22は、いわゆる電子制御式のサーモスタットであり、後記するヒータ42を一体的に備え、制御装置50の制御によってヒータ42が発熱し、かかる発熱によって加熱されて開閉することができる(図2参照)。
≪ヒータコア≫
ヒータコア23は、冷却回路11に設けられており、エンジン21における熱交換によって加熱された冷却水と車室から当該ヒータコア23に導入された空気とを熱交換させ、かかる熱交換によって空気を加熱する装置である。ヒータコア23によって加熱された空気は、車室内に戻される。
≪ポンプ≫
ポンプ24は、冷却回路11とラジエータ回路13及び過給機回路14との接続部位に設けられており、後記する制御装置50によるモータ41の制御に基づき、冷却回路11、ラジエータ回路13及び過給機回路14内の冷却水を汲み出してエンジン21の冷却水入口21bへ向かわせる冷却水の流れを作り出す。
≪ラジエータ≫
ラジエータ25は、ラジエータ回路13に設けられており、エンジン21における熱交換によって加熱された冷却水と車両の走行によって当該ラジエータ25に送風される空気とを熱交換させ、かかる熱交換によって冷却水を冷却する装置である。
≪過給機≫
過給機26は、過給機回路14に設けられており、後記する制御装置50による制御に基づき、空気を圧縮してエンジン21へ供給する装置である。過給機26は、過給機回路14を流通する冷却水によって冷却される。
≪気液分離器≫
気液分離器27は、過給機回路14に設けられており、冷却水に含まれる気体を当該冷却水から分離する装置である。
<センサ類、制御装置等>
図2に示すように、内燃機関冷却システム1は、吸気量センサ31と、回転速度センサ32と、水温センサ33と、モータ41と、ヒータ42と、制御装置50と、を備える。
≪吸気量センサ≫
吸気量センサ31は、エンジン21の機関負荷の一例である空気吸入量を算出するためのパラメータとして、エンジン21の吸気弁に吸入される吸気量を検出し、検出された吸気量を制御装置50へ出力するセンサである。
≪回転速度センサ≫
回転速度センサ32は、エンジン21の機関負荷の一例である空気吸入量を算出するためのパラメータとして、エンジン21の出力軸であるクランク軸の回転速度を検出し、検出された回転速度を制御装置50へ出力するセンサである。
≪水温センサ≫
水温センサ33は、冷却回路11のサーモスタット22が設けられた部位に流通する冷却水(すなわち、エンジン21との熱交換によって加熱された冷却水)の温度(水温)を検出し、検出された水温を制御装置50へ出力するセンサである。
≪モータ≫
モータ41は、制御装置50の制御によって回転し、前記したポンプ24を作動させる。
≪ヒータ≫
ヒータ42は、サーモスタット22と一体的に設けられており、制御装置50の制御によって通電して発熱し、サーモスタット22を加熱する。
制御装置50によるヒータ42への通電量は、デューティ制御可能である。
≪制御装置≫
制御装置50は、エンジン21を含む内燃機関冷却システム1を制御するエンジンECU(Electrical Control Unit)であり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力回路等によって構成されている。
制御装置50は、ヒータ42を制御するための機能部として、記憶部51と、機関負荷計測部52と、目標水温算出部53と、ヒータ制御部54と、を備える。
≪記憶部≫
記憶部51には、目標水温マップ51aと、本通電デューティ比マップ51bと、プレ通電デューティ比マップ51cと、スタンバイ通電デューティ比マップ51dと、が記憶されている。
≪目標水温マップ≫
図3(a)に示すように、目標水温マップ51aは、空気充填率[%]と、エンジン21の回転速度[rpm]と、冷却水の目標水温[℃]と、が関連付けられたマップである。
本実施形態において、目標水温マップ51aの目標水温は、エンジン21の空気充填率が大きくなるほど当該目標水温が低くなるように、かつ、エンジン21の回転速度が大きくなるほど当該目標水温が低くなるように設定されている。
≪本通電デューティ比マップ≫
図3(b)に示すように、本通電デューティ比マップ51bは、本通電を行うためのマップであって、冷却水の目標水温[℃]と、冷却水の目標水温と水温センサ33によって検出された水温との差[℃]と、本通電(サーモスタット22の本加熱)におけるヒータ42のデューティ比と、が関連付けられている。
≪プレ通電デューティ比マップ≫
図4(a)に示すように、プレ通電デューティ比マップ51cは、高熱負荷における暖機過程においてプレ通電を行うためのマップであって、エンジン回転速度[rpm]と、エンジン21の空気充填率[%]と、プレ通電(サーモスタット22のプレ加熱)におけるヒータ42のデューティ比と、が関連付けられている。
本実施形態において、プレ通電デューティ比マップ51cは、エンジン回転速度及びエンジン21の空気充填率から、高熱負荷条件で通電デューティ比がゼロよりも大きくなるように設定されている。
また、プレ通電デューティ比マップ51cは、冷却水の目標水温と水温センサ33によって検出された水温との差が所定値(例えば、−5℃)よりも大きい場合に、当該マップ51cを使用するように設定されている。
≪スタンバイ通電デューティ比マップ≫
図4(b)に示すように、スタンバイ通電デューティ比マップ51dは、水温センサ33によって検出された水温[℃]と、スタンバイ通電におけるヒータ42のデューティ比と、が関連付けられたマップである。
本実施形態において、スタンバイ通電デューティ比マップ51dのデューティ比は、サーモスタット22を閉状態に維持する範囲、すなわち、サーモスタット22が開弁するデューティ比未満となる範囲(図4(b)のサーモスタット22開弁デューティ比よりも下側)に設定されている。
また、スタンバイ通電デューティ比マップ51dのデューティ比は、ある程度の水温以上において、水温センサ33によって検出された水温が高くなるほど当該デューティ比が小さくなるように設定されている。
≪機関負荷計測部≫
機関負荷計測部52は、機関負荷算出用パラメータ検出部から出力された機関負荷算出用パラメータを取得し、取得された機関負荷算出用パラメータに基づいて、エンジン21の機関負荷を計測(算出)する。
本実施形態において、機関負荷計測部52は、吸気量センサ31によって検出されたエンジン21の吸気量と、回転速度センサ32によって検出されたエンジン21の回転速度と、を取得し、取得された吸気量及び回転速度に基づいて、機関負荷としての空気充填率を計測(算出)し、計測された空気充填率を目標水温算出部53へ出力する。
空気充填率は、エンジン21に吸入されている空気量の割合である。
なお、機関負荷計測部52は、吸気量及び回転速度に加え、過給機26の作動状態にも基づいて空気充填率を計測することも可能である。
≪目標水温算出部≫
目標水温算出部53は、機関負荷計測部52によって計測された機関負荷(空気充填率)と、回転速度センサ32によって検出されたエンジン21の回転速度と、を取得し、取得された機関負荷及び回転速度に基づいて、冷却水の目標水温を算出する。
本実施形態において、目標水温算出部53は、取得された空気充填率及び回転速度に基づいて目標水温マップ51aを参照し、取得された空気充填率及び回転速度に対応する目標水温を読み出すことによって当該目標水温を算出し、算出された目標水温をヒータ制御部54へ出力する。
≪ヒータ制御部≫
ヒータ制御部54は、目標水温算出部53によって算出された目標水温と、水温センサ33によって検出された冷却水の水温(実水温)と、を取得し、取得された目標水温及び水温に基づいてヒータ42を制御する。
本実施形態において、ヒータ制御部54は、エンジン21が高熱負荷の状態における暖機過程でヒータ42にプレ通電及び本通電を行ってサーモスタット22を開弁させる制御(サーモスタット22のプレ加熱及び本加熱)と、エンジン21が中熱負荷の状態における暖機過程でヒータ42に本通電を行ってサーモスタット22を開弁させる制御(サーモスタット22の本加熱)と、エンジン21が低熱負荷又は中熱負荷の状態における暖機過程でヒータ42にスタンバイ通電を行う制御(サーモスタット22のスタンバイ加熱)と、を行う。これらの制御手法については、後記する動作例において詳細に説明する。
<目標水温、所定温度及び所定値の関係>
目標水温は、サーモスタット22を開弁すべき温度である。目標水温が第一の所定温度未満である場合には、水温センサ33によって検出された水温が目標水温以上である場合に、ヒータ制御部54がヒータ42への本通電を行う。
第一の所定温度は、サーモスタット22の開弁温度であって、目標水温マップ51aにおける目標水温の最大値に設定されている。
第二の所定温度は、目標水温マップ51aにおける目標水温の最小値以上最大値未満(本実施形態では、最小値)に設定されている。
目標水温と水温との差に関する所定値は、水温センサ33によって検出された水温と目標水温との温度差が所定値よりも大きい場合に、ヒータ制御部54がヒータ42へのプレ通電を行う。すなわち、プレ通電を行うことによって、水温が目標水温に達した時にサーモスタット22が開弁するように設定されている。
<第一の動作例>
続いて、内燃機関冷却システム1の第一の動作例について説明する。ここで、図5(b)に示す暖機過程及び暖機後の領域の例では、第一の所定温度が低熱負荷における目標温度と等しく設定されており、第二の所定温度が高熱負荷における目標温度と等しく設定されている。
図5(a)に示すように、エンジン21の回転速度及びエンジン21のトルクの両方が小さい場合には、エンジン21の熱負荷は小さく、エンジン21の回転速度及びエンジン21のトルクの一方が大きい場合には、エンジン21の熱負荷は大きい。
≪低熱負荷における暖機過程≫
図5(b)に示すように、エンジン21の水温が低く(第一の所定温度(例えば、105℃)以下)、かつ、エンジン21の熱負荷が小さい(換言すると、エンジン21を冷却する必要性が比較的小さく、目標水温が高く設定される)場合には、制御装置50のヒータ制御部54は、ヒータ42に通電しない。
このとき、内燃機関冷却システム1は、図1(a)に示すように、サーモスタット22がラジエータ回路13を閉じた状態となる。
かかる状態において、内燃機関冷却システム1の冷却水は、ラジエータ25に流通して冷却されることがないため、エンジン21は、暖機される。
≪低熱負荷における暖機後≫
図5(b)に示すように、低熱負荷における暖機過程において冷却水の水温が上昇し、冷却水の水温が第一の所定温度(105℃、すなわち、サーモスタット22の開弁温度)に達した場合には、内燃機関冷却システム1は、図1(b)に示すように、制御装置50のヒータ制御部54がヒータ42に通電せずとも、サーモスタット22がラジエータ回路13を開いた状態となる。
かかる状態において、内燃機関冷却システム1の冷却水の一部は、ラジエータ25に流通して冷却されるため、エンジン21は、冷却される。
≪中熱負荷における暖機過程≫
図5(b)に示すように、エンジン21の水温が低く(第一の所定温度(105℃)以下)、かつ、エンジン21の熱負荷が小さい(換言すると、エンジン21を冷却する必要性が比較的小さく、目標水温が高く設定される)場合には、制御装置50のヒータ制御部54は、ヒータ42に通電しない。
このとき、内燃機関冷却システム1は、図1(a)に示すように、サーモスタット22がラジエータ回路13を閉じた状態となる。
かかる状態において、内燃機関冷却システム1の冷却水は、ラジエータ25に流通して冷却されることがないため、エンジン21は、暖機される。
≪中熱負荷における暖機後:サーモスタット22の本加熱≫
図5(b)に示すように、中熱負荷における暖機過程において冷却水の水温が上昇し、冷却水の水温が第一の所定温度よりも低い目標水温(例えば、95℃)に達した場合には、制御装置50のヒータ制御部54は、ヒータ42への通電(本通電)を開始する。本通電のデューティ比は、図3(b)の本通電デューティ比マップ51bにおいて、目標水温と水温との差が大きい場合に当該デューティ比は小さく、目標水温と水温との差が小さくなるほど当該デューティ比が大きくなるように設定されており、ヒータ制御部54は、かかる通電デューティ比マップを参照してヒータ42への本通電を行う。
このとき、内燃機関冷却システム1は、図1(b)に示すように、サーモスタット22がラジエータ回路13を開いた状態となる。
かかる状態において、内燃機関冷却システム1の冷却水の一部は、ラジエータ25に流通して冷却されるため、エンジン21は、冷却される。
≪高熱負荷における暖機過程:サーモスタット22のプレ加熱≫
図5(b)に示すように、エンジン21の水温が低く、かつ、エンジン21の熱負荷が大きい(換言すると、エンジン21を冷却する必要性が比較的大きく、目標水温が低く設定される)場合には、制御装置50のヒータ制御部54は、冷却水の水温が目標水温未満であり、かつ、冷却水の目標水温と水温との差の絶対値が所定値(−5℃)の絶対値よりも小さい場合に、ヒータ42への通電(プレ通電)を行う。プレ通電のデューティ比は、図4(a)のプレ通電デューティ比マップ51cに示されるように、高熱負荷において100%である。
このとき、内燃機関冷却システム1は、図1(b)に示すように、サーモスタット22がラジエータ回路13を開くとともにバイパス回路12を閉じた状態となる。
かかる状態において、内燃機関冷却システム1の冷却水の一部は、ラジエータ25に流通して冷却されるため、エンジン21は、冷却される。
ここで、ヒータ制御部54は、取得されたエンジン回転速度及び空気充填率に基づいてプレ通電デューティ比マップ51cを参照し、取得されたエンジン回転速度及び空気充填率に対応するデューティ比を読み出し、読み出されたデューティ比に基づいてヒータ42をデューティ制御する。
≪高熱負荷における暖機後:サーモスタット22の本加熱≫
図5(b)に示すように、高熱負荷における暖機過程において冷却水の水温が上昇し、冷却水の目標水温と検出水温との差が所定値(−5℃)よりも小さくなった場合には、内燃機関冷却システム1は、図1(b)に示すように、制御装置50のヒータ制御部54は、ヒータ42への通電(本通電)を引き続き行う。本通電のデューティ比は、図3(b)の通電デューティ比マップ51bにおける、目標水温大、目標水温と水温との差が0℃以下、の領域に示される。
かかる状態において、内燃機関冷却システム1の冷却水の一部は、ラジエータ25に流通して冷却されるため、エンジン21は、冷却される。
図6(b)に点線で示すように、内燃機関冷却システム1において、高熱負荷における暖機過程においてプレ通電を実行しない場合には、ヒータ制御部54は、水温センサ33によって検出された冷却水の水温が目標水温(90℃)に達する時刻t3でヒータ42への通電を開始し、その後、時刻t4でサーモスタット22を開弁させる。この場合、サーモスタット22が開弁した時の冷却水の水温は、目標水温である90℃よりも高い120℃である(図6(c)参照)。
一方、図6(b)に実線で示すように、内燃機関冷却システム1において、高熱負荷における暖機過程においてプレ通電を実行する場合には、ヒータ制御部54は、時刻t3よりも前の時刻t1でヒータ42への通電を開始し、その後、時刻t4よりも前の時刻t2でサーモスタット22を開弁させる。この場合、サーモスタット22が開弁した時の冷却水の水温は、目標水温である90℃である(図6(c)参照)。
また、図6(d)に実線及び点線で示すように、プレ通電を実行した場合のエンジン21のシリンダ間温度は、プレ通電を実行しない場合のエンジン21のシリンダ間温度よりも低く抑えられている。
したがって、内燃機関冷却システム1は、プレ通電によってエンジン21のシリンダ間温度を保障することができる。
<第二の動作例>
続いて、内燃機関冷却システム1の第二の動作例について、第一の動作例との相違点を中心に説明する。第二の動作例は、サーモスタット22が閉状態である場合に、ヒータ42のスタンバイ通電を行う動作例である。
≪低熱負荷及び中熱負荷における暖機過程:サーモスタット22のスタンバイ加熱≫
本動作例において、制御装置50のヒータ制御部54は、図7(a)(b)に示すように、低熱負荷及び中熱負荷における暖機過程において、冷却水の目標水温が第二の所定温度(90℃)よりも高く、かつ、冷却水の温度がそれぞれの目標温度(低熱負荷:105℃、中熱負荷:95℃)未満である場合に、サーモスタット22を閉状態に維持する範囲でヒータ42へのスタンバイ通電を行う。かかるスタンバイ通電によって、サーモスタット22は、閉状態を維持したまま開状態とならないように加熱される(スタンバイ加熱)。
≪高熱負荷における暖機過程:サーモスタット22のスタンバイ加熱≫
また、制御装置50のヒータ制御部54は、図7(c)に示すように、高熱負荷における暖機過程において、冷却水の目標水温と水温センサ33によって検出された水温との差が所定値(−5℃)以下である場合に、サーモスタット22を閉状態に維持する範囲でヒータ42へのスタンバイ通電を行う。かかるスタンバイ通電によって、サーモスタット22は、閉状態を維持したまま開状態とならないように加熱される(スタンバイ加熱)。
すなわち、ヒータ制御部54は、冷却水の目標水温が第二の所定温度よりも高く第一の所定温度未満であり、かつ、冷却水の水温が目標水温未満である場合、すなわち、低熱負荷及び中熱負荷における暖機過程、及び、冷却水の目標水温が第二の所定温度以下であり、かつ、冷却水の目標水温と水温との差が所定値以下である場合、すなわち、高熱負荷における暖機過程でのプレ通電よりも前、にサーモスタット22を閉状態に維持する範囲でヒータ42へのスタンバイ通電を行う。
ここで、ヒータ制御部54は、取得された目標水温及び水温に基づいてスタンバイ通電デューティ比マップ51dを参照し、取得された目標水温及び水温に対応するデューティ比を読み出し、読み出されたデューティ比に基づいてヒータ42をデューティ制御する。
図8に示す例では、図8(a)〜(d)に示すように、エンジン21の回転速度及びトルクが上昇する前の低熱負荷の暖機過程において、プレ通電及び本通電に先行してスタンバイ通電を行うことによって、スタンバイ通電を行わずにプレ通電及び本通電を行う場合と比較して、図8(c)(d)に示すように、水温センサ33によって検出された水温の最大値をT1だけ下げるとともに、エンジン21のシリンダ間温度の最大値をT2だけ下げることができる。
<目標水温及び水温に基づくヒータの制御手法>
続いて、目標水温及び水温センサによって検出された水温に基づくヒータの制御手法及びサーモスタットの開閉状態について、図9を参照して説明する。ここで説明する制御手法は、スタンバイ通電を行う第二の動作例に対応している。
本制御例において、目標水温算出部による目標水温の算出(ステップS2)、及び、ヒータ制御部54によるヒータ42の制御手法の決定(ステップS3〜S11A,11B,11C,11D)は、イグニションスイッチがONである場合(ステップS1でYes)に繰り返し実行される。
≪低熱負荷の場合≫
ステップS2で算出された目標水温が第一の所定温度(105℃)以上である(本実施形態では、目標水温が第一の所定温度と等しい)場合(ステップS3でYes)において、水温センサ33によって検出された水温が第一の所定温度未満である場合(ステップS4でNo)には、ヒータ制御部54は、ヒータ42へのスタンバイ通電を行い、サーモスタット22は、閉弁状態となる(ステップS11A)。
また、水温センサ33によって検出された水温が第一の所定温度以上である場合(ステップS4でYes)には、ヒータ制御部54は、ヒータ42への通電を行わず、サーモスタット22は、水温によって開弁状態となる(ステップS11D)。
≪中熱負荷の場合≫
ステップS2で算出された目標水温が第二の所定温度(90℃)よりも大きく第一の所定温度(105℃)よりも小さい場合(ステップS3でNo、かつ、ステップS5でYes)において、水温センサ33によって検出された水温が目標水温未満である場合(ステップS6でNo、かつ、ステップS7でNo)には、ヒータ制御部54は、ヒータ42へのスタンバイ通電を行い、サーモスタット22は、閉弁状態となる(ステップS11A)。
また、水温センサ33によって検出された水温が目標水温以上である場合(ステップS7でYes)には、ヒータ制御部54は、ヒータ42への本通電を行い、サーモスタット22は、開弁状態となる(ステップS11C)。ステップS11Cでは、検出水温を目標水温で一定に保つために、検出された水温が第一の所定温度よりも大きい場合であっても、ヒータ制御部54は、ヒータ42への本通電を行う。
≪高熱負荷の場合≫
水温センサ33によって検出された水温が「目標水温−所定値」以上である場合(ステップS8でNo、ステップS9でNo、かつ、ステップS10でYes)には、ヒータ制御部54は、ヒータ42へのプレ通電を行い、サーモスタット22は、開弁状態となる(ステップS11B)。
また、水温センサ33によって検出された水温が目標水温以上である場合(ステップS8でNo、かつ、ステップS9でYes)には、ヒータ制御部54は、ヒータ42への本通電を行い、サーモスタット22は、開弁状態となる(ステップS11C)。
前記した関係をまとめると、表1のようになる。
Figure 0006600407
本発明の実施形態に係る内燃機関冷却システム1は、エンジン21の回転速度、機関負荷(空気充填率)、及び、サーモスタット22を流通する冷却水の水温に基づいて、ヒータ42への通電を開始するタイミングを決定するので、ヒータ42によるサーモスタット22の加熱を好適に行うことができ、サーモスタット22開弁前の冷却水の水温の異常上昇を防止することができる。
また、内燃機関冷却システム1は、エンジン21の回転速度及び機関負荷(空気充填率)が高熱負荷条件にあり、冷却水の水温が目標水温未満であり、かつ、冷却水の前記目標水温と水温との差の絶対値が所定値の絶対値よりも小さい場合に、ヒータ42への通電を開始するので、エンジン21が高熱負荷である場合において、ヒータ42によるサーモスタット22の加熱を好適に行うことができ、サーモスタット22開弁前の冷却水の水温の異常上昇を防止することができる。
また、内燃機関冷却システム1は、冷却水の目標水温と水温との差が小さいほど通電におけるデューティ比が大きくなるように、ヒータ42をデューティ制御するので、冷却水の水温が目標水温を超えた場合にはヒータ42のデューティ比を大きくし、ラジエータ25への冷却水の流量を増加させることができる。
また、内燃機関冷却システム1は、ヒータ42への通電(プレ通電及び本通電)に先行してサーモスタット22を閉状態に維持する範囲でヒータ42へのスタンバイ通電を行うので、サーモスタット22を予熱することによって開弁応答性を向上することができる。
また、プレ通電とスタンバイ通電とを組み合わせることによって、プレ通電における閾値としての所定値(目標水温−水温)を小さくする(すなわち、ゼロに近づける)ことができる。
また、内燃機関冷却システム1は、冷却水の水温が大きいほどスタンバイ通電におけるデューティ比が小さくなるように、ヒータ42をデューティ制御するので、サーモスタット22を閉状態に維持する範囲でヒータ42を好適に予熱することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、機関負荷としての空気充填率の計測(算出)手法は、前記したものに限定されない。例えば、機関負荷計測部52は、エンジン21のスロットル開度又はブースト(吸気負圧)と回転速度とに基づいて空気充填率を計測(算出)する構成であってもよい。
また、機関負荷計測部52は、空気充填率以外の機関負荷を計測(算出)する構成であってもよい。
すなわち、機関負荷計測部52は、機関負荷算出用パラメータ検出部によって検出された機関負荷算出用パラメータを取得し、取得された機関負荷算出用パラメータに基づいて、エンジン21の機関負荷を計測(算出)する構成であればよい。
また、プレ通電の閾値としての所定値は、目標水温ごとに異なる値に設定されていてもよい。
1 内燃機関冷却システム
11 冷却回路
13 ラジエータ回路
21 エンジン(内燃機関)
22 サーモスタット
25 ラジエータ
42 ヒータ
50 制御装置

Claims (3)

  1. 内燃機関と、
    前記内燃機関を冷却するための冷却用流体が循環する冷却回路と、
    前記冷却用流体を冷却するためのラジエータと、
    前記冷却回路から分岐して前記冷却用流体を前記ラジエータに導くとともに、前記ラジエータを通過した前記冷却用流体を前記冷却回路に戻すためのラジエータ回路と、
    前記冷却回路と前記ラジエータ回路とが接続された部位に設けられており、前記冷却回路と前記ラジエータ回路との間を開閉するサーモスタットと、
    前記サーモスタットを加熱するためのヒータと、
    前記ヒータを制御する制御装置と、
    を備え、
    前記サーモスタットは、第一の所定温度未満で前記冷却回路と前記ラジエータ回路との間を遮断する閉状態となるとともに、前記第一の所定温度以上で前記冷却回路と前記ラジエータ回路との間を開放する開状態となり、
    前記制御装置は、
    前記内燃機関の回転速度及び機関負荷と前記サーモスタットを流通する前記冷却用流体の目標温度とが関連付けられた目標温度マップを備え、
    前記回転速度及び前記機関負荷に対応する前記目標温度が前記第一の所定温度よりも低い第二の所定温度以下であり、前記サーモスタットを流通する前記冷却用流体の温度が前記目標温度未満であり、かつ、前記冷却用流体の前記目標温度と前記温度との差の絶対値が所定値の絶対値よりも小さい場合に、前記ヒータへの通電を開始することによって前記サーモスタットを開状態とし、
    前記冷却用流体の前記目標温度が前記第二の所定温度よりも高く前記第一の所定温度未満であり、かつ、前記冷却用流体の前記温度が前記目標温度未満である場合と、前記冷却用流体の前記目標温度が前記第二の所定温度以下であり、前記冷却用流体の前記温度が前記目標温度未満であり、かつ、前記冷却用流体の前記目標温度と前記温度との差の絶対値が前記所定値の絶対値以上である場合とに、前記サーモスタットを閉状態に維持する範囲で前記ヒータへのスタンバイ通電を行う
    ことを特徴とする内燃機関冷却システム。
  2. 前記制御装置は、前記冷却用流体の前記温度が大きいほどスタンバイ通電におけるデューティ比が小さくなるように、又は、前記冷却用流体の前記目標温度と前記温度との差の絶対値が小さいほどスタンバイ通電におけるデューティ比が小さくなるように、前記ヒータをデューティ制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関冷却システム。
  3. 内燃機関と、
    前記内燃機関を冷却するための冷却用流体が循環する冷却回路と、
    前記冷却用流体を冷却するためのラジエータと、
    前記冷却回路から分岐して前記冷却用流体を前記ラジエータに導くとともに、前記ラジエータを通過した前記冷却用流体を前記冷却回路に戻すためのラジエータ回路と、
    前記冷却回路と前記ラジエータ回路とが接続された部位に設けられており、前記冷却回路と前記ラジエータ回路との間を開閉するサーモスタットと、
    前記サーモスタットを加熱するためのヒータと、
    前記ヒータを制御する制御装置と、
    を備え、
    前記サーモスタットは、第一の所定温度未満で前記冷却回路と前記ラジエータ回路との間を遮断する閉状態となるとともに、前記第一の所定温度以上で前記冷却回路と前記ラジエータ回路との間を開放する開状態となり、
    前記制御装置は、
    前記サーモスタットを流通する前記冷却用流体の目標温度が前記第一の所定温度よりも低い第二の所定温度よりも高く前記第一の所定温度未満であり、かつ、前記サーモスタットを流通する前記冷却用流体の温度が前記目標温度未満である場合と、前記冷却用流体の前記目標温度が前記第二の所定温度以下であり、前記冷却用流体の前記温度が前記目標温度未満であり、かつ、前記冷却用流体の前記目標温度と前記温度との差の絶対値が所定値の絶対値以上である場合とに、前記サーモスタットを閉状態に維持する範囲で前記ヒータへのスタンバイ通電を行う
    ことを特徴とする内燃機関冷却システム。
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