JPWO2017159766A1 - 内燃機関冷却システム - Google Patents
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Abstract
Description
サーモスタットは、温度変化に伴いワックスの体積が変化することによって開閉するワックス式である。かかるサーモスタットは、冷却水の温度が上昇した場合に加え、ヒータによって加熱された場合にも開弁する。
ここで、電子制御式かつワックス式のサーモスタットでは、冷却水の水温が上がったりヒータによる加熱が行われたりしても、ワックスの体積が変化するのに要する時間だけ当該サーモスタットの開弁応答が遅れることがある。
例えば、エンジンの暖機中に低熱負荷領域から高熱負荷領域へ急速に移行した場合には、サーモスタット開弁前に冷却水の水温が急速に上昇してしまい、エンジン部品の冷却性が損なわれることによってエンジンの耐久寿命に影響が出るおそれがある。
また、いわゆるプレ通電とスタンバイ通電とを組み合わせることによって、プレ通電における閾値としての所定値(目標温度−検出された冷却用流体の温度)を大きくする(すなわち、ゼロに近づける)ことができる。
内燃機関冷却システム1は、冷却水が流通する回路として、冷却回路11と、バイパス回路12と、ラジエータ回路13と、過給機回路14と、を備える。
また、内燃機関冷却システム1は、かかる回路11〜14上に、内燃機関としてのエンジン21と、開閉弁としてのサーモスタット22と、ヒータコア23と、ポンプ24と、ラジエータ25と、過給機26と、気液分離器27と、を備える。
はじめに、内燃機関冷却システム1において冷却水が流通する回路について説明する。
冷却回路11は、エンジン21を冷却するための冷却水を循環させるための回路である。
冷却回路11の上流側端部は、エンジン21の冷却水出口21aと接続されており、冷却回路11の下流側端部は、エンジン21の冷却水入口21bと接続されている。
冷却回路11上には、上流側(冷却水出口21a側)から順に、サーモスタット22、ヒータコア23及びポンプ24が設けられている。
バイパス回路12は、冷却回路11において、サーモスタット22の閉弁状態で冷却水をサーモスタット22からヒータコア23よりも上流側へ流すための回路である。
バイパス回路12の上流側端部は、冷却回路11のサーモスタット22が設けられた部位と接続されており。バイパス回路12の下流側端部は、冷却回路11のヒータコア23よりも下流側となる部位と接続されている。
ラジエータ回路13は、冷却回路11内の冷却水を、ラジエータ25を経由して冷却回路11へ戻すための回路である。
ラジエータ回路13の上流側端部は、冷却回路11のサーモスタット22が設けられた部位と接続されており、ラジエータ回路13の下流側端部は、冷却回路11のポンプ24が設けられた部位と接続されている。
ラジエータ回路13上には、ラジエータ25が設けられている。
過給機回路14は、冷却回路11内の冷却水を、過給機26を経由して冷却回路11へ戻すための回路である。
過給機回路14の上流側端部は、エンジン21の冷却水出口21aと接続されており、過給機回路14の下流側端部は、冷却回路11のポンプ24が設けられた部位と接続されている。
過給機回路14には、過給機26及び気液分離器27が設けられている。
続いて、内燃機関冷却システム1の回路11〜14上に設けられた装置について説明する。
エンジン21は、当該エンジン21が設けられた車両の駆動源であり、図示しないシリンダブロック、シリンダヘッド、ピストン、コンロッド、クランクシャフト等によって構成されている。
サーモスタット22は、冷却回路11とラジエータ回路13との接続部位に設けられており、冷却回路11とラジエータ回路13との間を開閉する弁である。
より詳細には、サーモスタット22は、いわゆるワックス式のサーモスタットであり、温度変化に伴うワックスの体積変化によって、冷却回路11からラジエータ回路13への入口を開閉する。
本実施形態において、サーモスタット22は、第一の所定温度(例えば、105℃)未満では閉状態となって冷却回路11からラジエータ回路13への冷却水の流通を遮断するとともに冷却回路11からバイパス回路12への冷却水の流通を許容し、第一の所定温度以上では開状態となって冷却回路11からラジエータ回路13への冷却水の流通を許容するとともに冷却回路11からバイパス回路12への冷却水の流通を遮断する。
ヒータコア23は、冷却回路11に設けられており、エンジン21における熱交換によって加熱された冷却水と車室から当該ヒータコア23に導入された空気とを熱交換させ、かかる熱交換によって空気を加熱する装置である。ヒータコア23によって加熱された空気は、車室内に戻される。
ポンプ24は、冷却回路11とラジエータ回路13及び過給機回路14との接続部位に設けられており、後記する制御装置50によるモータ41の制御に基づき、冷却回路11、ラジエータ回路13及び過給機回路14内の冷却水を汲み出してエンジン21の冷却水入口21bへ向かわせる冷却水の流れを作り出す。
ラジエータ25は、ラジエータ回路13に設けられており、エンジン21における熱交換によって加熱された冷却水と車両の走行によって当該ラジエータ25に送風される空気とを熱交換させ、かかる熱交換によって冷却水を冷却する装置である。
過給機26は、過給機回路14に設けられており、後記する制御装置50による制御に基づき、空気を圧縮してエンジン21へ供給する装置である。過給機26は、過給機回路14を流通する冷却水によって冷却される。
気液分離器27は、過給機回路14に設けられており、冷却水に含まれる気体を当該冷却水から分離する装置である。
図2に示すように、内燃機関冷却システム1は、吸気量センサ31と、回転速度センサ32と、水温センサ33と、モータ41と、ヒータ42と、制御装置50と、を備える。
吸気量センサ31は、エンジン21の機関負荷の一例である空気吸入量を算出するためのパラメータとして、エンジン21の吸気弁に吸入される吸気量を検出し、検出された吸気量を制御装置50へ出力するセンサである。
回転速度センサ32は、エンジン21の機関負荷の一例である空気吸入量を算出するためのパラメータとして、エンジン21の出力軸であるクランク軸の回転速度を検出し、検出された回転速度を制御装置50へ出力するセンサである。
水温センサ33は、冷却回路11のサーモスタット22が設けられた部位に流通する冷却水(すなわち、エンジン21との熱交換によって加熱された冷却水)の温度(水温)を検出し、検出された水温を制御装置50へ出力するセンサである。
モータ41は、制御装置50の制御によって回転し、前記したポンプ24を作動させる。
ヒータ42は、サーモスタット22と一体的に設けられており、制御装置50の制御によって通電して発熱し、サーモスタット22を加熱する。
制御装置50によるヒータ42への通電量は、デューティ制御可能である。
制御装置50は、エンジン21を含む内燃機関冷却システム1を制御するエンジンECU(Electrical Control Unit)であり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力回路等によって構成されている。
制御装置50は、ヒータ42を制御するための機能部として、記憶部51と、機関負荷計測部52と、目標水温算出部53と、ヒータ制御部54と、を備える。
記憶部51には、目標水温マップ51aと、本通電デューティ比マップ51bと、プレ通電デューティ比マップ51cと、スタンバイ通電デューティ比マップ51dと、が記憶されている。
図3(a)に示すように、目標水温マップ51aは、空気充填率[%]と、エンジン21の回転速度[rpm]と、冷却水の目標水温[℃]と、が関連付けられたマップである。
図3(b)に示すように、本通電デューティ比マップ51bは、本通電を行うためのマップであって、冷却水の目標水温[℃]と、冷却水の目標水温と水温センサ33によって検出された水温との差[℃]と、本通電(サーモスタット22の本加熱)におけるヒータ42のデューティ比と、が関連付けられている。
図4(a)に示すように、プレ通電デューティ比マップ51cは、高熱負荷における暖機過程においてプレ通電を行うためのマップであって、エンジン回転速度[rpm]と、エンジン21の空気充填率[%]と、プレ通電(サーモスタット22のプレ加熱)におけるヒータ42のデューティ比と、が関連付けられている。
また、プレ通電デューティ比マップ51cは、冷却水の目標水温と水温センサ33によって検出された水温との差が所定値(例えば、−5℃)よりも大きい場合に、当該マップ51cを使用するように設定されている。
図4(b)に示すように、スタンバイ通電デューティ比マップ51dは、水温センサ33によって検出された水温[℃]と、スタンバイ通電におけるヒータ42のデューティ比と、が関連付けられたマップである。
また、スタンバイ通電デューティ比マップ51dのデューティ比は、ある程度の水温以上において、水温センサ33によって検出された水温が高くなるほど当該デューティ比が小さくなるように設定されている。
機関負荷計測部52は、機関負荷算出用パラメータ検出部から出力された機関負荷算出用パラメータを取得し、取得された機関負荷算出用パラメータに基づいて、エンジン21の機関負荷を計測(算出)する。
本実施形態において、機関負荷計測部52は、吸気量センサ31によって検出されたエンジン21の吸気量と、回転速度センサ32によって検出されたエンジン21の回転速度と、を取得し、取得された吸気量及び回転速度に基づいて、機関負荷としての空気充填率を計測(算出)し、計測された空気充填率を目標水温算出部53へ出力する。
空気充填率は、エンジン21に吸入されている空気量の割合である。
なお、機関負荷計測部52は、吸気量及び回転速度に加え、過給機26の作動状態にも基づいて空気充填率を計測することも可能である。
目標水温算出部53は、機関負荷計測部52によって計測された機関負荷(空気充填率)と、回転速度センサ32によって検出されたエンジン21の回転速度と、を取得し、取得された機関負荷及び回転速度に基づいて、冷却水の目標水温を算出する。
本実施形態において、目標水温算出部53は、取得された空気充填率及び回転速度に基づいて目標水温マップ51aを参照し、取得された空気充填率及び回転速度に対応する目標水温を読み出すことによって当該目標水温を算出し、算出された目標水温をヒータ制御部54へ出力する。
ヒータ制御部54は、目標水温算出部53によって算出された目標水温と、水温センサ33によって検出された冷却水の水温(実水温)と、を取得し、取得された目標水温及び水温に基づいてヒータ42を制御する。
本実施形態において、ヒータ制御部54は、エンジン21が高熱負荷の状態における暖機過程でヒータ42にプレ通電及び本通電を行ってサーモスタット22を開弁させる制御(サーモスタット22のプレ加熱及び本加熱)と、エンジン21が中熱負荷の状態における暖機過程でヒータ42に本通電を行ってサーモスタット22を開弁させる制御(サーモスタット22の本加熱)と、エンジン21が低熱負荷又は中熱負荷の状態における暖機過程でヒータ42にスタンバイ通電を行う制御(サーモスタット22のスタンバイ加熱)と、を行う。これらの制御手法については、後記する動作例において詳細に説明する。
目標水温は、サーモスタット22を開弁すべき温度である。目標水温が第一の所定温度未満である場合には、水温センサ33によって検出された水温が目標水温以上である場合に、ヒータ制御部54がヒータ42への本通電を行う。
第一の所定温度は、サーモスタット22の開弁温度であって、目標水温マップ51aにおける目標水温の最大値に設定されている。
第二の所定温度は、目標水温マップ51aにおける目標水温の最小値以上最大値未満(本実施形態では、最小値)に設定されている。
目標水温と水温との差に関する所定値は、水温センサ33によって検出された水温と目標水温との温度差が所定値よりも大きい場合に、ヒータ制御部54がヒータ42へのプレ通電を行う。すなわち、プレ通電を行うことによって、水温が目標水温に達した時にサーモスタット22が開弁するように設定されている。
続いて、内燃機関冷却システム1の第一の動作例について説明する。ここで、図5(b)に示す暖機過程及び暖機後の領域の例では、第一の所定温度が低熱負荷における目標温度と等しく設定されており、第二の所定温度が高熱負荷における目標温度と等しく設定されている。
図5(b)に示すように、エンジン21の水温が低く(第一の所定温度(例えば、105℃)以下)、かつ、エンジン21の熱負荷が小さい(換言すると、エンジン21を冷却する必要性が比較的小さく、目標水温が高く設定される)場合には、制御装置50のヒータ制御部54は、ヒータ42に通電しない。
このとき、内燃機関冷却システム1は、図1(a)に示すように、サーモスタット22がラジエータ回路13を閉じた状態となる。
かかる状態において、内燃機関冷却システム1の冷却水は、ラジエータ25に流通して冷却されることがないため、エンジン21は、暖機される。
図5(b)に示すように、低熱負荷における暖機過程において冷却水の水温が上昇し、冷却水の水温が第一の所定温度(105℃、すなわち、サーモスタット22の開弁温度)に達した場合には、内燃機関冷却システム1は、図1(b)に示すように、制御装置50のヒータ制御部54がヒータ42に通電せずとも、サーモスタット22がラジエータ回路13を開いた状態となる。
かかる状態において、内燃機関冷却システム1の冷却水の一部は、ラジエータ25に流通して冷却されるため、エンジン21は、冷却される。
図5(b)に示すように、エンジン21の水温が低く(第一の所定温度(105℃)以下)、かつ、エンジン21の熱負荷が小さい(換言すると、エンジン21を冷却する必要性が比較的小さく、目標水温が高く設定される)場合には、制御装置50のヒータ制御部54は、ヒータ42に通電しない。
このとき、内燃機関冷却システム1は、図1(a)に示すように、サーモスタット22がラジエータ回路13を閉じた状態となる。
かかる状態において、内燃機関冷却システム1の冷却水は、ラジエータ25に流通して冷却されることがないため、エンジン21は、暖機される。
図5(b)に示すように、低熱負荷における暖機過程において冷却水の水温が上昇し、冷却水の水温が第一の所定温度よりも低い目標水温(例えば、95℃)に達した場合には、制御装置50のヒータ制御部54は、ヒータ42への通電(本通電)を開始する。本通電のデューティ比は、図3(b)の本通電デューティ比マップ51bにおいて、目標水温と水温との差が大きい場合に当該デューティ比は小さく、目標水温と水温との差が小さくなるほど当該デューティ比が大きくなるように設定されており、ヒータ制御部54は、かかる通電デューティ比マップを参照してヒータ42への本通電を行う。
このとき、内燃機関冷却システム1は、図1(b)に示すように、サーモスタット22がラジエータ回路13を開いた状態となる。
かかる状態において、内燃機関冷却システム1の冷却水の一部は、ラジエータ25に流通して冷却されるため、エンジン21は、冷却される。
図5(b)に示すように、エンジン21の水温が低く、かつ、エンジン21の熱負荷が大きい(換言すると、エンジン21を冷却する必要性が比較的大きく、目標水温が低く設定される)場合には、制御装置50のヒータ制御部54は、冷却水の目標水温と水温との差が所定値(−5℃)よりも大きい場合に、ヒータ42への通電(プレ通電)を行う。プレ通電のデューティ比は、図4(a)のプレ通電デューティ比マップ51cに示されるように、高熱負荷において100%である。
このとき、内燃機関冷却システム1は、図1(b)に示すように、サーモスタット22がラジエータ回路13を開くとともにバイパス回路12を閉じた状態となる。
かかる状態において、内燃機関冷却システム1の冷却水の一部は、ラジエータ25に流通して冷却されるため、エンジン21は、冷却される。
図5(b)に示すように、高熱負荷における暖機過程において冷却水の水温が上昇し、冷却水の目標水温と検出水温との差が所定値(−5℃)よりも小さくなった場合には、内燃機関冷却システム1は、図1(b)に示すように、制御装置50のヒータ制御部54は、ヒータ42への通電(本通電)を引き続き行う。本通電のデューティ比は、図3(b)の通電デューティ比マップ51bにおける、目標水温大、目標水温と水温との差が0℃以下、の領域に示される。
かかる状態において、内燃機関冷却システム1の冷却水の一部は、ラジエータ25に流通して冷却されるため、エンジン21は、冷却される。
したがって、内燃機関冷却システム1は、プレ通電によってエンジン21のシリンダ間温度を保障することができる。
続いて、内燃機関冷却システム1の第二の動作例について、第一の動作例との相違点を中心に説明する。第二の動作例は、サーモスタット22が閉状態である場合に、ヒータ42のスタンバイ通電を行う動作例である。
本動作例において、制御装置50のヒータ制御部54は、図7(a)(b)に示すように、低熱負荷及び中熱負荷における暖機過程において、冷却水の目標水温が第二の所定温度(90℃)よりも高く、かつ、それぞれの目標温度(低熱負荷:105℃、中熱負荷:95℃)未満である場合に、サーモスタット22を閉状態に維持する範囲でヒータ42へのスタンバイ通電を行う。かかるスタンバイ通電によって、サーモスタット22は、閉状態を維持したまま開状態とならないように加熱される(スタンバイ加熱)。
また、制御装置50のヒータ制御部54は、図7(c)に示すように、高熱負荷における暖機過程において、冷却水の目標水温と水温センサ33によって検出された水温との差が所定値(−5℃)以下である場合に、サーモスタット22を閉状態に維持する範囲でヒータ42へのスタンバイ通電を行う。かかるスタンバイ通電によって、サーモスタット22は、閉状態を維持したまま開状態とならないように加熱される(スタンバイ加熱)。
続いて、目標水温及び水温センサによって検出された水温に基づくヒータの制御手法及びサーモスタットの開閉状態について、図9を参照して説明する。ここで説明する制御手法は、スタンバイ通電を行う第二の動作例に対応している。
ステップS2で算出された目標水温が第一の所定温度(105℃)以上である(本実施形態では、目標水温が第一の所定温度と等しい)場合(ステップS3でYes)において、水温センサ33によって検出された水温が第一の所定温度未満である場合(ステップS4でNo)には、ヒータ制御部54は、ヒータ42へのスタンバイ通電を行い、サーモスタット22は、閉弁状態となる(ステップS11A)。
ステップS2で算出された目標水温が第二の所定温度(90℃)よりも大きく第一の所定温度(105℃)よりも小さい場合(ステップS3でNo、かつ、ステップS5でYes)において、水温センサ33によって検出された水温が目標水温未満である場合(ステップS6でNo、かつ、ステップS7でNo)には、ヒータ制御部54は、ヒータ42へのスタンバイ通電を行い、サーモスタット22は、閉弁状態となる(ステップS11A)。
水温センサ33によって検出された水温が「目標水温−所定値」以上である場合(ステップS8でNo、ステップS9でNo、かつ、ステップS10でYes)には、ヒータ制御部54は、ヒータ42へのプレ通電を行い、サーモスタット22は、開弁状態となる(ステップS11B)。
また、プレ通電とスタンバイ通電とを組み合わせることによって、プレ通電における閾値としての所定値(目標水温−水温)を大きくする(すなわち、ゼロに近づける)ことができる。
例えば、機関負荷としての空気充填率の計測(算出)手法は、前記したものに限定されない。例えば、機関負荷計測部52は、エンジン21のスロットル開度又はブースト(吸気負圧)と回転速度とに基づいて空気充填率を計測(算出)する構成であってもよい。
また、機関負荷計測部52は、空気充填率以外の機関負荷を計測(算出)する構成であってもよい。
すなわち、機関負荷計測部52は、機関負荷算出用パラメータ検出部によって検出された機関負荷算出用パラメータを取得し、取得された機関負荷算出用パラメータに基づいて、エンジン21の機関負荷を計測(算出)する構成であればよい。
また、プレ通電の閾値としての所定値は、目標水温ごとに異なる値に設定されていてもよい。
11 冷却回路
13 ラジエータ回路
21 エンジン(内燃機関)
22 サーモスタット
25 ラジエータ
42 ヒータ
50 制御装置
バイパス回路12は、冷却回路11において、サーモスタット22の閉弁状態で冷却水をサーモスタット22からヒータコア23よりも下流側へ流すための回路である。
バイパス回路12の上流側端部は、冷却回路11のサーモスタット22が設けられた部位と接続されており。バイパス回路12の下流側端部は、冷却回路11のヒータコア23よりも下流側となる部位と接続されている。
図5(b)に示すように、中熱負荷における暖機過程において冷却水の水温が上昇し、冷却水の水温が第一の所定温度よりも低い目標水温(例えば、95℃)に達した場合には、制御装置50のヒータ制御部54は、ヒータ32への通電(本通電)を開始する。本通電のデューティ比は、図3(b)の本通電デューティ比マップ51bにおいて、目標水温と水温との差が大きい場合に当該デューティ比は大きく、目標水温と水温との差が小さくなるほど当該デューティ比が小さくなるように設定されており、ヒータ制御部54は、かかる通電デューティ比マップを参照してヒータ42への本通電を行う。
このとき、内燃機関冷却システム1は、図1(b)に示すように、サーモスタット22がラジエータ回路13を開いた状態となる。
かかる状態において、内燃機関冷却システム1の冷却水の一部は、ラジエータ25に流通して冷却されるため、エンジン21は、冷却される。
本動作例において、制御装置50のヒータ制御部54は、図7(a)(b)に示すように、低熱負荷及び中熱負荷における暖機過程において、冷却水の目標水温が第二の所定温度(90℃)よりも高く、かつ、冷却水の温度がそれぞれの目標温度(低熱負荷:105℃、中熱負荷:95℃)未満である場合に、サーモスタット22を閉状態に維持する範囲でヒータ42へのスタンバイ通電を行う。かかるスタンバイ通電によって、サーモスタット22は、閉状態を維持したまま開状態とならないように加熱される(スタンバイ加熱)。
また、プレ通電とスタンバイ通電とを組み合わせることによって、プレ通電における閾値としての所定値(目標水温−水温)を小さくする(すなわち、ゼロに近づける)ことができる。
Claims (6)
- 内燃機関と、
前記内燃機関を冷却するための冷却用流体が循環する冷却回路と、
前記冷却用流体を冷却するためのラジエータと、
前記冷却回路から分岐して前記冷却用流体を前記ラジエータに導くとともに、前記ラジエータを通過した前記冷却用流体を前記冷却回路に戻すためのラジエータ回路と、
前記冷却回路と前記ラジエータ回路とが接続された部位に設けられており、前記冷却回路と前記ラジエータ回路との間を開閉するサーモスタットと、
前記サーモスタットを加熱するためのヒータと、
前記ヒータを制御する制御装置と、
を備え、
前記サーモスタットは、第一の所定温度未満で前記冷却回路と前記ラジエータ回路との間を遮断する閉状態となるとともに、前記第一の所定温度以上で前記冷却回路と前記ラジエータ回路との間を開放する開状態となり、
前記制御装置は、
前記内燃機関の回転速度、前記内燃機関の機関負荷、及び、前記サーモスタットを流通する前記冷却用流体の温度に基づいて、前記ヒータへの通電を開始することによって前記サーモスタットを開状態とする
ことを特徴とする内燃機関冷却システム。 - 前記制御装置は、
前記内燃機関の前記回転速度及び前記機関負荷と前記サーモスタットを流通する前記冷却用流体の目標温度とが関連付けられた目標温度マップを備え、
前記回転速度及び前記機関負荷に対応する前記目標温度が前記第一の所定温度よりも低い第二の所定温度以下であり、かつ、前記冷却用流体の前記目標温度と前記温度との差が所定値よりも大きい場合に、前記ヒータへの通電を開始することによって前記サーモスタットを開状態とする
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関冷却システム。 - 前記制御装置は、前記冷却用流体の前記目標温度と前記温度との差が大きいほど通電におけるデューティ比が大きくなるように、前記ヒータをデューティ制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関冷却システム。 - 前記制御装置は、前記冷却用流体の前記目標温度が前記第二の所定温度よりも高く前記第一の所定温度未満であり、かつ、前記冷却用流体の前記温度が前記目標温度未満である場合と、前記冷却用流体の前記目標温度が前記第二の所定温度以下であり、かつ、前記冷却用流体の前記目標温度と前記温度との差が前記所定値以下である場合とに、前記サーモスタットを閉状態に維持する範囲で前記ヒータへのスタンバイ通電を行う
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の内燃機関冷却システム。 - 前記制御装置は、前記冷却用流体の前記温度が大きいほどスタンバイ通電におけるデューティ比が小さくなるように、前記ヒータをデューティ制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関冷却システム。 - 内燃機関と、
前記内燃機関を冷却するための冷却用流体が循環する冷却回路と、
前記冷却用流体を冷却するためのラジエータと、
前記冷却回路から分岐して前記冷却用流体を前記ラジエータに導くとともに、前記ラジエータを通過した前記冷却用流体を前記冷却回路に戻すためのラジエータ回路と、
前記冷却回路と前記ラジエータ回路とが接続された部位に設けられており、前記冷却回路と前記ラジエータ回路との間を開閉するサーモスタットと、
前記サーモスタットを加熱するためのヒータと、
前記ヒータを制御する制御装置と、
を備え、
前記サーモスタットは、第一の所定温度未満で前記冷却回路と前記ラジエータ回路との間を遮断する閉状態となるとともに、前記第一の所定温度以上で前記冷却回路と前記ラジエータ回路との間を開放する開状態となり、
前記制御装置は、
前記サーモスタットを流通する前記冷却用流体の目標温度が前記第一の所定温度よりも低い第二の所定温度よりも高く前記第一の所定温度未満であり、かつ、前記サーモスタットを流通する前記冷却用流体の温度が前記目標温度未満である場合と、前記冷却用流体の前記目標温度が前記第二の所定温度以下であり、かつ、前記冷却用流体の前記目標温度と前記温度との差が所定値以下である場合とに、前記サーモスタットを閉状態に維持する範囲で前記ヒータへのスタンバイ通電を行う
ことを特徴とする内燃機関冷却システム。
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