JP6599955B2 - 固定子枠、固定子及び回転電機 - Google Patents
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Description
上述した固定子枠においては、冷媒の流通量を増やして、固定子の冷却効率をより向上させることが求められている。
(2) (1)の固定子枠において、軸方向の両端部に位置する前記螺旋溝の外側の溝山(例えば、後述する溝山231)は、前記環状溝に向けて縮径するテーパ部(例えば、後述するテーパ部232)を有していてもよい。
(3) (1)又は(2)の固定子枠において、前記螺旋溝は、一条溝又は多条溝のいずれでもよい。
(4)また、本発明は、(1)〜(3)までのいずれかの固定子枠と、前記固定子枠の内周側に設けられる略筒形状の鉄心(例えば、後述する鉄心21)と、を備える固定子(例えば、後述する固定子20)に関する。
(5)また、本発明は、(4)の固定子と、回転軸(例えば、後述する回転軸32)に支持され、前記固定子の内周側に設けられる回転子(例えば、後述する回転子30)と、を備える回転電機(例えば、後述する電動機1)に関する。
また、後述する回転軸32の回転中心となる線を「回転軸線S」と呼称し、この回転軸線Sに沿う方向を「軸方向」ともいう。
図1は、本実施形態の電動機1の構成を説明する断面図である。なお、図1に示す電動機1の構成は一例であり、本発明に係る固定子枠を適用可能であれば、どのような構成であってもよい。
フレーム10は、電動機1の外装部材であり、フレーム本体11と、軸穴12と、を備える。
フレーム本体11は、固定子20を包囲すると共に保持する筐体である。フレーム本体11は、軸受13を介して回転子30を保持する。フレーム本体11は、供給口14、排出口15及び孔部16を備える。
軸穴12は、回転軸32(後述)が貫通する穴である。
固定子20は、回転子30を回転させるための回転磁界を形成する複合部材である。固定子20は、全体として円筒形に形成され、フレーム10の内部に固定されている。固定子20は、鉄心21と、固定子枠22と、を備える。
図2は、流路23を一条の螺旋溝230により構成した場合の概念図である。
図2に示すように、本実施形態の流路23は、固定子枠22の外周面に一条の螺旋溝230として形成されている。この一条の螺旋溝230は、一つの導入部230aと一つの排出部230bを備える。また、固定子枠22において、軸方向(X方向)の両端部には、外周面の周方向に沿って環状溝240が形成されている。環状溝240は、軸方向の一端側及び他端側において、螺旋溝230の導入部230a及び排出部230bとそれぞれ連通すると共に、冷媒の供給口14及び排出口15(図1参照)とも連通する。
図1に示すように、固定子20の鉄心21からは、巻線26と電気的に接続された動力線27が引き出されている。この動力線27は、電動機1の外部に設置された電源装置に接続される(不図示)。電動機1の動作時に、例えば、鉄心21に三相交流電流が供給されることにより、回転子30を回転させるための回転磁界が形成される。
回転子30は、固定子20により形成された回転磁界との磁気的な相互作用により回転する部品である。回転子30は、固定子20の内周側に設けられる。
図3は、固定子枠22に形成された流路23の形状を示す概念図である。なお、図3は、固定子枠22に形成された流路23の一部の形状を示している。
図4は、固定子枠22の外周面に形成された螺旋溝230の溝深さの分布を示す概念図である。
図5Aは、本実施形態における螺旋溝230の形成方法を示す概念図である。図5Bは、従来例における螺旋溝230の形成方法を示す概念図である。
図5Aに示すように、固定子枠22を回転させながら、バイト等の工具200を固定子枠22の回転速度に同期した送り速度(以下、「同期送り速度」ともいう)で軸方向に移動させることにより、固定子枠22の外周面を切削できる。具体的には、開始地点STから、工具200による切削を開始し、領域A1では、溝深さが徐々に深くなるように、矢印D1で示す軌跡に沿って工具200を移動させる。領域A3では、溝深さが一定となるように、矢印D2で示す軌跡に沿って工具200を移動させる。領域A2では、溝深さが徐々に浅くなるように、矢印D3で示す軌跡に沿って工具200を移動させ、終了地点FNで工具200を固定子枠22から離す。
従来の手法による螺旋溝230の形成方法では、固定子枠22の軸方向の一端側から他端側に向けて一定の溝深さの螺旋溝230を形成する。このような螺旋溝230を形成するには、図5Bに示すように、工具200を所定の深さまで軸方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に送り込んで、その位置から軸方向に沿って移動させる必要がある。
図6は、固定子枠22の一端側の端部に位置する螺旋溝230に形成されたテーパ部232を示す概念図である。図7A〜図7Dは、図6に示す固定子枠22を軸回りに一回転させた場合のテーパ部232の形状を示す概念図である。
実施形態においては、流路23を一条の螺旋溝230により構成した場合について説明したが、これに限定されない。図9は、流路23を多条の螺旋溝330により構成した場合の概念図である。図9では、テーパ部232等の図示を省略する。
図9に示すように、多条の螺旋溝330は、複数の導入部330aと複数の排出部330bとを備える。各導入部330aから導入された冷媒は、固定子枠22の外周面を螺旋状に沿うように、それぞれの流路23内を流通した後、対応する各排出部330bから外部に排出される。図9に示すように、流路23を多条の螺旋溝330とした構成において、軸方向の一端側及び他端側に設けられたテーパ部232(不図示)は、各螺旋溝と連通する。
また、実施形態では、本発明に係る固定子枠及び固定子を適用可能な回転電機として電動機を例をとして説明したが、これに限定されない。回転電機は、発電機であってもよい。
Claims (5)
- 回転電機の固定子を冷却する機能を備える略筒形状の固定子枠であって、
冷媒の流路として、軸方向の一端側から他端側に向けて、外周面の周方向に沿って螺旋状に設けられる螺旋溝と、
軸方向の一端側及び他端側において前記螺旋溝の端部とそれぞれ連通し、外周面の周方向に沿って環状に設けられる環状溝と、
を備え、
前記螺旋溝は、軸方向の一端側及び他端側の領域では、溝深さが軸方向の中央付近の領域に向けて傾斜するように深くなる、固定子枠。 - 軸方向の両端部に位置する前記螺旋溝の外側の溝山は、前記環状溝に向けて縮径するテーパ部を有する、請求項1に記載の固定子枠。
- 前記螺旋溝は、一条溝又は多条溝である、請求項1又は請求項2に記載の固定子枠。
- 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の固定子枠と、
前記固定子枠の内周側に設けられる略筒形状の鉄心と、
を備える固定子。 - 請求項4に記載の固定子と、
回転軸に支持され、前記固定子の内周側に設けられる回転子と、
を備える回転電機。
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