JP6599673B2 - ヒアルロン酸および/またはその塩、ならびに、該ヒアルロン酸および/またはその塩を含む食品、化粧料、および医薬品 - Google Patents
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Description
前記酸性原料ヒアルロン酸溶液は、15質量%以上35質量%以下の前記原料ヒアルロン酸および/またはその塩を含み、かつ、前記酸性原料ヒアルロン酸溶液は、前記原料ヒアルロン酸および/またはその塩100質量部に対して、5質量部以上60質量部以下の前記低級アルコールを含む。
本発明の一実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩は、平均分子量が3,500以下であり、2糖の割合が1質量%以上30質量%以下であり、塩素含量および硫黄含量がいずれも1.0質量%以下であり、かつ、かさ密度(bulk density)が0.15g/cm3よりも大きい。
本発明において、「ヒアルロン酸」とは、グルクロン酸とN−アセチルグルコサミンとの2糖からなる繰り返し構成単位を1以上有する多糖類をいう。また、「ヒアルロン酸の塩」としては、特に限定されないが、食品または薬学上許容しうる塩であることが好ましく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明において、「かさ密度」は、「第十六改正日本薬局方、3.粉体物性測定法、3.01 かさ密度およびタップ密度測定法」に記載の方法に準じて測定された値である。本実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩は、平均分子量が3,500以下であり、かつ、かさ密度が0.15g/cm3よりも大きく、好ましくは0.25g/cm3よりも大きいことにより、低分子でありながら、打錠適性(tableting adequacy)等の取扱性(handling ability)に優れている。また、かさ密度の上限は特に限定していないが、かさ密度が大きすぎると取扱性に問題が生じる場合があるため、0.5g/cm3以下であることができ、さらに0.4g/cm3以下であることができる。
本実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩は、純度をより高くできる点で、平均分子量が3,500以下であり、2,500以下であることが好ましく、一方、通常800以上であり、1,000以上であることが好ましい。なお、本発明において、ヒアルロン酸および/またはその塩の平均分子量は、後述するHPLCを用いた方法にて測定することができる。
本実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩は、純度が90%以上であることができ、95%以上であることが好ましく、98%以上であることがより好ましい。
本実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩は、色の色相を表すb値(以下、単に「b値」ともいう)が10以下であることができ、8以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、通常0以上である。
本実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩によれば、塩素含量および硫黄含量がいずれも1質量%以下であることにより、打錠適性に優れている。ヒアルロン酸および/またはその塩中の塩素含量または硫黄含量が1質量%を超えると、塩化ナトリウム等の塩素の金属塩や硫酸ナトリウムなどの硫化物の金属塩が増えることによって、粒子形状の不均一性が増し、打錠時の結着力を弱めると推察される。これに対して、本実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩は、塩素含量および硫黄含量がいずれも1質量%以下であり、塩素の含量および硫黄の含量が少ないことから、粒子形状の均一性が増し、打錠時の結着力が高められるため、打錠適性が向上する。
本実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩は、打錠適性により優れている点で、平均粒子径が10μm以上40μm以下であることができ、さらに10μm以上35μm以下であることができ、15μm以上であることが好ましく、一方、30μm以下であることが好ましい。
粒子径の標準偏差(standard deviation)は、本実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩の粒子径のばらつきを示す指標である。本実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩は、粒子径のばらつきが少ないため、密度をより高めることができることにより、打錠適性をより高めることができる点で、粒子径の標準偏差が0.1以上0.4以下であることができ、さらに0.1以上0.3以下であることができ、0.15以上であることが好ましく、一方、0.25以下であることが好ましい。
本実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩は、ヒアルロン酸本来の生理機能を発揮できる点で、2糖の割合が1質量%以上30質量%以下であり、5質量%以上であることが好ましく、8質量%以上であることがより好ましく、一方、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩は、抗原性をより低減できる点で、ヒアルロン酸分解酵素を含有しないことができる。本発明において、「ヒアルロン酸分解酵素を含有しない」とは、本実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩におけるヒアルロン酸分解酵素の含有量が1質量%以下であることをいう。抗原性が低減されている点で、例えば、本実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩は、酸分解(例えば後述する本実施形態に係る製造方法)により得られた、酸分解ヒアルロン酸および/またはその塩であることが好ましく、より具体的には、製造方法のいずれかで酸分解を経て得られた酸分解ヒアルロン酸および/またはその塩であることがより好ましい。
本実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩は、8糖に由来する生理活性をより確実に発揮できる点で、8糖の割合が1質量%以上30質量%以下であることができ、5質量%以上であることがより好ましい。
本実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩は、2糖、4糖、6糖および8糖の合計が5質量%以上80質量%以下であることができ、10質量%以上であることが好ましく、一方、70質量%以下であることが好ましい。
本実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩は、該ヒアルロン酸および/またはその塩の5質量%水溶液の動粘度が2.0mm2/s以下(好ましくは、1.5mm2/s以下、より好ましくは1.3mm2/s以下)であることができる。
本実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩によれば、平均分子量が3,500以下であり、2糖の割合が1質量%以上30質量%以下であり、塩素含量および硫黄含量がいずれも1質量%以下であり、かつ、かさ密度が0.15g/cm3よりも大きいことにより、例えば打錠適性等の取扱性に優れている。
本発明の一実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩の製造方法(以下、「第1製造方法」ともいう。)は、低級アルコール(loweralcohol)と、平均分子量が3,500以上10万以下の原料ヒアルロン酸および/またはその塩と、酸と、を含む酸性原料ヒアルロン酸溶液を調製する工程と、前記調製する工程で得られた前記酸性原料ヒアルロン酸溶液中で前記原料ヒアルロン酸および/またはその塩を酸加水分解する工程(以下、「液相(liquid phase)分解工程」ともいう。)と、前記酸加水分解により得られた加水分解物を含む酸性溶液を陰イオン交換樹脂で処理する工程(以下、「陰イオン交換樹脂処理工程」ともいう。)と、前記樹脂処理された前記加水分解物を噴霧乾燥(spray−drying)または凍結乾燥(freeze−drying)させる工程(以下、「噴霧乾燥工程」または「凍結乾燥工程」ともいう。)と、を含み、前記酸性原料ヒアルロン酸溶液は、15質量%以上35質量%以下の前記原料ヒアルロン酸および/またはその塩を含み、かつ、前記酸性原料ヒアルロン酸溶液は、前記原料ヒアルロン酸および/またはその塩100質量部に対して、5質量部以上60質量部以下の前記低級アルコールを含む。
酸性原料ヒアルロン酸溶液を調製する工程では、低級アルコールと、平均分子量が3,500以上10万以下の原料ヒアルロン酸および/またはその塩と、酸と、を含む酸性原料ヒアルロン酸溶液を調製する。
本実施形態に係る製造方法において、分子量が3,500以下であり白色度が高いヒアルロン酸および/またはその塩を得ることができる点で、酸性原料ヒアルロン酸溶液に含まれる原料ヒアルロン酸および/またはその塩の分子量は5,000以上であることが好ましく、6,000以上であることがより好ましく、8,000以上であることが好ましく、一方、5万以下であることが好ましく、2万以下であることがより好ましい。
本発明において、原料ヒアルロン酸および/またはその塩(ならびに、後述する出発原料ヒアルロン酸および/またはその塩)の平均分子量は、下記の方法にて測定することができる。即ち、約0.05gのヒアルロン酸(本品)を精密に量り、0.2mol/L濃度の塩化ナトリウム溶液に溶かし、正確に100mLとした溶液及びこの溶液8mL、12mL並びに16mLを正確に量り、それぞれに0.2mol/L濃度の塩化ナトリウム溶液を加えて正確に20mLとした溶液を試料溶液とする。この試料溶液および0.2mol/L濃度の塩化ナトリウム溶液につき、日本薬局方(第十六改正)一般試験法の粘度測定法(第1法毛細管粘度測定法)により30.0±0.1℃で比粘度を測定し(式(A))、各濃度における還元粘度を算出する(式(B))。還元粘度を縦軸に、本品の換算した乾燥物に対する濃度(g/100mL)を横軸にとってグラフを描き、各点を結ぶ直線と縦軸との交点から極限粘度を求める。ここで求められた極限粘度をLaurentの式(式(C))に代入し、平均分子量を算出する(Torvard C Laurent,Marion Ryan,and Adolph Pietruszkiewicz,”Fractionation of hyaluronic Acid”,Biochemina et Biophysica Acta.,42,476−485(1960)、四方田千佳子、「ヒアルロン酸ナトリウム製剤のSEC−MALLSによる分子量評価」、国立衛研報、第121号,030−033(2003))。
(式A)
比粘度={試料溶液の所要流下秒数)/(0.2mol/L塩化ナトリウム溶液の所要流下秒数)}−1
(式B)
還元粘度(dL/g)=比粘度/(本品の換算した乾燥物に対する濃度g/100mL))
(式C)
極限粘度(dL/g)=3.6×10−4M0.78
M:平均分子量
酸性原料ヒアルロン酸溶液では、原料ヒアルロン酸および/またはその塩が酸性原料ヒアルロン酸溶液中に溶解する濃度にするのが好ましい。
原料ヒアルロン酸および/またはその塩の溶解性に優れている点で、酸性原料ヒアルロン酸溶液に使用される溶媒は含水溶媒(好ましくは水)であることが好ましいが、原料ヒアルロン酸および/またはその塩を溶解させることができるのであれば、該溶媒は、水、または、水と混和する有機溶媒を30質量%以下含む含水溶媒であってもよい。
本発明において「低級アルコール」とは、炭素原子数1、2または3のアルコールをいい、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、および2−プロパノールが挙げられる。このうち、1種または2種以上を低級アルコールとして使用することができる。低級アルコールとしては、例えば、メタノールおよび/またはエタノールが好ましく、エタノールがより好ましい。
前記酸性原料ヒアルロン酸溶液に含まれる酸は、該酸性原料ヒアルロン酸溶液のpHを酸性に調整できる酸であれば、いずれの酸を使用することができる。酸の使用量を低減できる観点から、該酸は例えば、塩酸、硫酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、スルホン基含有有機酸(例えば、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸)、フッ素原子含有有機酸(例えば、トリフルオロ酢酸)等の有機酸を使用することができる。
前記酸性原料ヒアルロン酸溶液を調製する工程では、前記低級アルコールと、前記原料ヒアルロン酸および/またはその塩との混合物(ここで、前記混合物は、前記原料ヒアルロン酸および/またはその塩100質量部に対して5質量部以上60質量部以下の前記低級アルコールを含む。)を、酸を含む液(酸性液)に添加することにより、前記酸性原料ヒアルロン酸溶液を調製することができる。
また、液相分解工程において、原料ヒアルロン酸および/またはその塩の褐変を防止し、かつ原料ヒアルロン酸および/またはその塩の低分子化を達成できる点で、前記酸性原料ヒアルロン酸溶液のpHは0.2以上2以下であることができ、0.3以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.8以上であることがさらに好ましく、一方、1.8以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.0以下であることがさらに好ましい。
液相分解工程(第1低分子化工程)では、平均分子量が3,500以上10万以下の原料ヒアルロン酸および/またはその塩を15質量%以上35質量%以下含む酸性原料ヒアルロン酸溶液中に保持して、前記原料ヒアルロン酸および/またはその塩を酸加水分解する。これにより、原料ヒアルロン酸および/またはその塩が酸加水分解により低分子化されて、分子量がより小さい加水分解物(ヒアルロン酸および/またはその塩)が得られる。
液相分解工程では、低分子化されたヒアルロン酸および/またはその塩の褐変を防ぐことができる点から、反応液の温度は通常85℃以下(好ましくは80℃以下)であることが好ましく、60℃以上(好ましくは65℃以上)であることがより好ましい。
液相分解工程では、低分子化されたヒアルロン酸および/またはその塩の褐変を防ぐことができる点から、反応時間は通常30分以上10時間以下であることが好ましく、60分以上8時間以下であることがより好ましい。
液相分解工程によって、平均分子量が3,500以下(好ましくは2,800以下、より好ましくは2,500以下、一方、好ましくは1,000以上、より好ましくは1,200以上)のヒアルロン酸および/またはその塩を得ることができる。
本実施形態に係る製造方法では、前記液相分解工程の後、前記酸加水分解により得られた加水分解物を含む酸性溶液を陰イオン交換樹脂で処理する。ここで、加水分解物は、原料ヒアルロン酸および/またはその塩が低分子化されて得られた、原料ヒアルロン酸および/またはその塩よりも分子量が小さいヒアルロン酸および/またはその塩である。
本実施形態に係る製造方法は、陰イオン交換樹脂処理工程の後に、前記樹脂処理(陰イオン交換樹脂による処理)された前記加水分解物を噴霧乾燥または凍結乾燥させる工程を含む。
噴霧乾燥工程では、前記加水分解物を含む液を噴霧乾燥させて、固体のヒアルロン酸および/またはその塩の製造方法を得る。すなわち、前記噴霧乾燥工程により、分子量が3,500以下であり、2糖の割合が1質量%以上30質量%以下であり、塩素含量および硫黄含量がいずれも1.0質量%以下であり、かつ、かさ密度が0.15g/cm3よりも大きいヒアルロン酸および/またはその塩を得ることができる。
より具体的には、噴霧乾燥工程では、噴霧を適切に行うことができる点で、噴霧乾燥させる液は、加水分解物を8質量%以上35質量%以下含むことが好ましく、10質量%以上含むことがより好ましく、11質量%以上含むことがさらに好ましく、一方、30質量%以下であることが好ましく、28質量%以下含むことがより好ましく、26質量%以下含むことがさらに好ましく、24質量%以下含むことが特に好ましい。
噴霧乾燥工程では、市販の噴霧乾燥装置を用いて噴霧乾燥を行うことができる。市販の噴霧乾燥装置としては、ディスク型スプレードライヤーやベーン型スプレードライヤーが挙げられる。
噴霧乾燥工程では、ヒアルロン酸および/またはその塩の凍結および褐変を防止できる点で、噴霧乾燥工程におけるヒーター温度は通常200℃以下(好ましくは180℃以下)であることが好ましく、150℃以上(好ましくは100℃以上)であることがより好ましい。
より具体的には、凍結乾燥工程では、凍結を適切に行うことができる点で、凍結乾燥させる液は、加水分解物を8質量%以上35質量%以下含むことが好ましく、10質量%以上含むことがより好ましく、11質量%以上含むことがさらに好ましく、一方、28質量%以下含むことがより好ましく、26質量%以下含むことがさらに好ましく、24質量%以下含むことが特に好ましい。
凍結乾燥工程では、市販の凍結乾燥装置を用いて凍結乾燥を行うことができる。市販の凍結乾燥装置としては、アルバック社凍結乾燥機(DFR-5N-B)が挙げられる。
凍結乾燥工程では、ヒアルロン酸および/またはその塩の褐変を防止できる点で、凍結乾燥工程における温度は通常−20℃以下(好ましくは−30℃以下)であることが好ましく、−80℃以上(好ましくは−70℃以上)であることがより好ましい。
本実施形態に係る製造方法では、前記液相分解工程(第1低分子化工程)の前に、第2低分子化工程として、平均分子量が3,000以上50万以下の出発原料ヒアルロン酸および/またはその塩を酸性含水媒体(medium)中に分散させて、前記原料ヒアルロン酸および/またはその塩を得る工程(以下、「固相(solid phase)分解工程」ともいう。)をさらに含むことができる。
出発原料ヒアルロン酸および/またはその塩は、原料ヒアルロン酸および/またはその塩の出発原料であり、原料ヒアルロン酸および/またはその塩よりも平均分子量が大きい。
本実施形態に係る製造方法では、出発原料ヒアルロン酸および/またはその塩を分散させる酸性含水媒体に使用する溶媒としては、水溶性有機溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどのアルコール系溶媒(なかでも、低級アルコール)、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等を挙げることができ、これらを単独でまたは組み合わせて使用することができる。
酸性含水媒体中において原料ヒアルロン酸および/またはその塩の溶解を防止し、収率低下を防ぐ点から、酸性含水媒体の全量に対する水の割合は40容量%以下が好ましく、30容量%以下がさらに好ましく、通常、1容量%以上である。
また、固相分解工程では、原料ヒアルロン酸および/またはその塩の褐変を防止し、かつ原料ヒアルロン酸および/またはその塩の低分子化を達成できる点で、前記酸性含水媒体のpHは1以下であることが好ましく、0以上であることがより好ましい。
なお、固相分解工程の代わりに、第2低分子化工程として、例えば、酵素分解、熱分解、原料ヒアルロン酸および/またはその塩が反応液に溶解した状態における酸分解、アルカリ分解、電子線照射による分解、および超音波による分解から選ばれる少なくとも1種の方法によって出発原料ヒアルロン酸および/またはその塩を低分子化して、原料ヒアルロン酸および/またはその塩を得ることができるが、最終的に得られるヒアルロン酸および/またはその塩における単糖、2糖、8糖の割合をコントロールしやすい点で、固相分解工程(すなわち、出発原料ヒアルロン酸および/またはその塩を酸性含水媒体に分散させ、該出発原料ヒアルロン酸および/またはその塩を固体状態で酸と反応させる方法)によって加水分解する方法が好ましい。
固相分解工程では、低分子化されたヒアルロン酸および/またはその塩の褐変を防ぐことができる点から、反応液の温度は通常95℃以下(好ましくは90℃以下)であることが好ましく、55℃以上(好ましくは60℃以上)であることがより好ましい。
固相分解工程では、低分子化されたヒアルロン酸および/またはその塩の褐変を防ぐことができる点から、反応時間は通常30分以上10時間以下であることが好ましく、60分以上2時間以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る製造方法によれば、液相分解工程と、陰イオン交換樹脂処理工程と、噴霧乾燥工程または凍結乾燥工程と、を含むことにより、前記陰イオン交換樹脂処理工程で得られた液を使用して前記噴霧乾燥工程または凍結乾燥工程を行うことができるため、上記実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩を固体として効率的に得ることができる。
(1)酵素を用いたヒアルロン酸および/またはその塩の低分子化方法と比較して、本実施形態に係る製造方法によれば、純度および白色度が高いヒアルロン酸および/またはその塩を得ることができ、抗原性をより低減することができ、かつ、製造コストを低減することができる。
本発明の一実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩の製造方法は、平均分子量が3,500以下のヒアルロン酸および/またはその塩を8質量%以上35質量%以下含む液を噴霧乾燥または凍結乾燥させて、固体のヒアルロン酸および/またはその塩の製造方法を得る工程を含む。
本発明の一実施形態に係る食品は、上記実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩を含む。より具体的には、本実施形態に係る食品は、上記実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩を0.1質量%以上100質量%以下含有することができる。
本発明の一実施形態に係る化粧料は、上記実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩を含む。
本発明の一実施形態に係る医薬品は、上記実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩を含む。より具体的には、本実施形態に係る医薬品は、上記実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩を5質量%以上100質量%以下含有することができる。
本発明の一実施形態に係るヒアルロン酸および/またはその塩は、平均分子量が3,500以下であり、かつ、以下の特徴(1)ないし(13)のうち1つまたはそれ以上(2個,3個,4個,5個,6個,7個,8個,9個,10個,11個,12個または13個)を有する。
(2)純度が90%以上である。
(3)色の色相を表すb値が10以下である。
(4)平均粒子径が10μm以上40μm以下である。
(5)粒子径の標準偏差が0.1以上0.4以下である。
(6)塩素含量が1.0質量%以下である。
(7)硫黄含量が1.0質量%以下である。
(8)2糖の割合が1質量%以上30質量%以下である。
(9)ヒアルロン酸分解酵素を含有しない。
(10)8糖の割合が1質量%以上30質量%以下である。
(11)2糖、4糖、6糖および8糖の合計が5質量%以上80質量%以下である。
(12)5質量%水溶液の動粘度が2.0mm2/s以下である。
(13)単糖の割合が3質量%以下である。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されない。
分子量1万の原料ヒアルロン酸約5kgをエタノール1kgで湿潤させ、攪拌機およびジャケットを装備した50L容タンクで2%塩酸25L(pH1.0、25kg)に添加し、原料ヒアルロン酸を約16質量%含む酸性原料ヒアルロン酸水溶液(pH約1)を調製し、これを70℃で5時間保持し、加水分解を実施した(液相分解工程)。さらに、得られた加水分解物を含む液を陰イオン交換樹脂処理(商品名:ダイヤイオンもしくはセパビーズ、三菱化学製)を行い、水8Lで押し出すとともに希釈し、80メッシュフィルターによって樹脂を除去した。25%水酸化ナトリウム水溶液2kg添加し、pHを4.0以上6.5以下に調製した。得られた溶液(ヒアルロン酸の濃度:12質量%、ここで、ヒアルロン酸の濃度は、原料ヒアルロン酸の添加量をヒアルロン酸の含有量とみなして算出した。)を噴霧乾燥(ヒーター温度:180℃)によって乾燥させ、白色微粉末のヒアルロン酸4.5kg(収率約90%)を得た。
HPLC分析装置:商品名「アライアンスPDAシステム」,日本ウォーターズ株式会社製
使用カラム:ゲル濾過カラム(商品名「Diol−120」,株式会社ワイエムシイ製
分析サンプル:ヒアルロン酸の0.1%(w/v)水溶液
カラム温度:40℃
流速:1mL/分
ヒアルロン酸の0.1%(w/v)水溶液の注入量:20μL
移動相:0.003Mリン酸バッファー(0.15M NaCl含有,pH7.0)
乾燥した分子量1万の原料ヒアルロン酸約2kgを攪拌機およびジャケットを装備した50L容タンクで2%塩酸25L(pH1.0、25kg)に添加し、原料ヒアルロン酸を約7質量%含む酸性原料ヒアルロン酸水溶液(pH約1)を調製し、これを70℃で5時間保持し、加水分解を実施した(液相分解工程)。さらに、得られた加水分解物に25質量%水酸化ナトリウム水溶液2kg添加し、pHを4.0以上6.5以下に調製した上で陰イオン交換樹脂処理(商品名:ダイヤイオンもしくはセパビーズ、三菱化学製)を行い、水18Lで押し出すとともに希釈し、80メッシュフィルターによって樹脂を除去した。得られた溶液(ヒアルロン酸の濃度:4質量%、ここで、ヒアルロン酸の濃度は、原料ヒアルロン酸の添加量をヒアルロン酸の含有量とみなして算出した。)を噴霧乾燥(ヒーター温度:180℃)によって乾燥したところ、霧状となり、ヒアルロン酸を回収することができなかった。
噴霧乾燥を行う代わりに凍結乾燥を行った以外は比較例1と同様にして、比較例2の白色微粉末のヒアルロン酸1.9kgを得た。
攪拌機およびジャケットを装備した200L容タンクに、8%塩酸28L(28kg)とエタノール100Lを満たし、攪拌しながら液温が70℃となるよう加熱した。70℃に達温後、攪拌しながら、平均分子量30万の出発原料ヒアルロン酸5kgをタンクに投入した。塩酸含有含水エタノール(pH0.2)の温度を70℃に維持するよう加熱を行ないながら、ヒアルロン酸微粉末が分散状態となるように攪拌し、攪拌を1時間行った(固相分解工程)。次いで、塩酸含有含水エタノールをデカンテーションにより除去した後、残存する固形物(エタノール1kgで湿潤した状態の原料ヒアルロン酸)約6kgに2%塩酸25L(pH1.0、25kg)を添加し、原料ヒアルロン酸を約16質量%含む酸性原料ヒアルロン酸水溶液(pH約1)を調製し、70℃で5時間加水分解を実施した(液相分解工程)。さらに、得られた加水分解物を含む液を陰イオン交換樹脂処理(商品名:ダイヤイオンもしくはセパビーズ、三菱化学製)を行い、水12Lで押し出すとともに希釈し、80メッシュフィルターによって樹脂を除去した。25%水酸化ナトリウム水溶液2kg添加し、pHを4.0以上6.5以下に調製した。得られた溶液(ヒアルロン酸の濃度:11質量%、ここで、ヒアルロン酸の濃度は、出発原料ヒアルロン酸の添加量をヒアルロン酸の含有量とみなして算出した。)を噴霧乾燥(ヒーター温度:180℃)によって乾燥させ、白色微粉末のヒアルロン酸4.5kg(収率約90%)を得た。なお、固相分解工程で得られた原料ヒアルロン酸の平均分子量を別途測定したところ約1万であった。
実施例2において主に、使用するタンクの容量、出発原料ヒアルロン酸の質量、塩酸の質量、エタノールの質量、水酸化ナトリウムの質量を全て100分の1に変更しスケールダウンし、噴霧乾燥する際のヒアルロン酸溶液の濃度を14質量%とした以外は、同様の方法で、実施例3のヒアルロン酸を得た。
実施例3において主に、樹脂を除去した後に得られた溶液に水を添加してヒアルロン酸の濃度を調整した以外は、同様の方法で、実施例4のヒアルロン酸11質量%を含む溶液を得た。この溶液を凍結乾燥させて、実施例4のヒアルロン酸を得た。
実施例2において主に、樹脂を除去した後に得られた溶液に水を添加してヒアルロン酸の濃度を調整した以外は、同様の方法で、比較例3のヒアルロン酸約1質量%(0.6質量%)を含む溶液を得た。この溶液を凍結乾燥させて、比較例3のヒアルロン酸を得た。
比較例3において主に、樹脂を除去した後に得られた溶液に添加する水の量を変更した他は比較例3と同様の方法にて、比較例4のヒアルロン酸6質量%を含む溶液を得た。この溶液を凍結乾燥させて、比較例4のヒアルロン酸を得た。
実施例2において主に、樹脂を除去した後に得られた溶液に添加する水の量を変更した他は比較例3と同様の方法にて、比較例5のヒアルロン酸6質量%を含む溶液を得た。この溶液を実施例2と同様の噴霧乾燥したところ、霧状となり、ヒアルロン酸を回収することができなかった。
2L容ビーカーに、8%塩酸280mL(280g)とエタノール1Lを満たし、攪拌しながら液温が70℃となるよう湯浴で加熱した。70℃に達温後、攪拌しながら、平均分子量30万の出発原料ヒアルロン酸50gをビーカーに投入した。塩酸含有含水エタノール(pH0.2)の温度を70℃に維持するよう加熱を行ないながら、ヒアルロン酸微粉末が分散状態となるように攪拌し、攪拌を1時間行った(固相分解工程)。次いで、塩酸含有含水エタノールをデカンテーションにより除去した後、残存する固形物を減圧乾燥により乾燥させた。乾燥後のヒアルロン酸約50gに2%塩酸150mL(pH1.0、150g)を添加したところヒアルロン酸がダマになり完全には溶解できなかったが、そのまま原料ヒアルロン酸を約25質量%含む酸性原料ヒアルロン酸水溶液(pH約1)を調製し、70℃で5時間加水分解を実施した(液相分解工程)。さらに、得られた加水分解物を含む液を陰イオン交換樹脂処理(商品名:ダイヤイオンもしくはセパビーズ、三菱化学製)を行い、水120mLで押し出すとともに希釈し、80メッシュフィルターによって樹脂を除去した。25%水酸化ナトリウム水溶液20g添加し、pHを4.0以上6.5以下に調製した。得られた溶液(ヒアルロン酸の濃度:15質量%、ここで、ヒアルロン酸の濃度は、出発原料ヒアルロン酸の添加量をヒアルロン酸の含有量とみなして算出した。)を噴霧乾燥によって乾燥させたところ、褐変したヒアルロン酸が得られ、得られたヒアルロン酸はb値が10以上であった。また、単糖の割合は4%であった。
実施例2において主に、固相分解工程の加水分解時間を2時間とし、陰イオン交換樹脂で処理をする前に、水酸化ナトリウムを添加して中和した後、エタノールを添加してヒアルロン酸を沈殿させ、比較例7のヒアルロン酸を得た。
攪拌機およびジャケットを装備した200L容タンクに、8%塩酸28L(28kg)とエタノール100Lを満たし、攪拌しながら液温が70℃となるよう加熱した。70℃に達温後、攪拌しながら、平均分子量30万の出発原料ヒアルロン酸5kgをタンクに投入した。塩酸含有含水エタノール(pH0.2)の温度を70℃に維持するよう加熱を行ないながら、ヒアルロン酸微粉末が分散状態となるように攪拌し、攪拌を1時間行った(固相分解工程)。次いで、塩酸含有含水エタノールをデカンテーションにより除去した後、残存する固形物(エタノール1kgで湿潤した状態の原料ヒアルロン酸)約6kgに2%塩酸25L(pH1.0、25kg)を添加し、原料ヒアルロン酸を約16質量%含む酸性原料ヒアルロン酸水溶液(pH約1)を調製し、70℃で5時間加水分解を実施した(液相分解工程)。25%水酸化ナトリウム水溶液2kg添加し、pHを4.0以上6.5以下に調製した。得られた溶液(ヒアルロン酸の濃度:15質量%、ここで、ヒアルロン酸の濃度は、出発原料ヒアルロン酸の添加量をヒアルロン酸の含有量とみなして算出した。)を噴霧乾燥によって乾燥させ、白色微粉末のヒアルロン酸4.5kg(収率約90%)を得た。なお、固相分解工程で得られた原料ヒアルロン酸の平均分子量を別途測定したところ約1万であった。
攪拌機およびジャケットを装備した200L容タンクに、8%塩酸14L(14kg)とエタノール53Lを満たし、攪拌しながら液温が70℃となるよう加熱した。70℃に達温後、攪拌しながら、平均分子量30万の出発原料ヒアルロン酸5kgをタンクに投入した。塩酸含有含水エタノール(pH0.2)の温度を70℃に維持するよう加熱を行ないながら、ヒアルロン酸微粉末が分散状態となるように攪拌し、攪拌を1時間行った(固相分解工程)。次いで、塩酸含有含水エタノールをデカンテーションにより除去した後、残存する固形物(エタノール1.5kgで湿潤した状態の原料ヒアルロン酸)約6.5kgに2%塩酸25L(pH1.0、25kg)を添加し、原料ヒアルロン酸を約16質量%含む酸性原料ヒアルロン酸水溶液(pH約1)を調製し、70℃で3時間加水分解を実施した(液相分解工程)。さらに、得られた加水分解物を含む液を陰イオン交換樹脂処理(商品名:ダイヤイオンもしくはセパビーズ、三菱化学製)を行い、水8Lで押し出すとともに希釈し、80メッシュフィルターによって樹脂を除去した。25%水酸化ナトリウム水溶液2kg添加し、pHを4.0以上6.5以下に調製した。得られた溶液(ヒアルロン酸の濃度:12質量%、ここで、ヒアルロン酸の濃度は、出発原料ヒアルロン酸の添加量をヒアルロン酸の含有量とみなして算出した。)を凍結乾燥によって乾燥させ、白色微粉末のヒアルロン酸4.5kg(収率約90%)を得た。なお、固相分解工程で得られた原料ヒアルロン酸の平均分子量を別途測定したところ約1万であった。
攪拌機およびジャケットを装備した200L容タンクに、8%塩酸14L(14kg)とエタノール53Lを満たし、攪拌しながら液温が70℃となるよう加熱した。70℃に達温後、攪拌しながら、平均分子量30万の出発原料ヒアルロン酸5kgをタンクに投入した。塩酸含有含水エタノール(pH0.2)の温度を70℃に維持するよう加熱を行ないながら、ヒアルロン酸微粉末が分散状態となるように攪拌し、攪拌を1時間行った(固相分解工程)。次いで、塩酸含有含水エタノールをデカンテーションにより除去した後、残存する固形物(エタノール1.5kgで湿潤した状態の原料ヒアルロン酸)約6.5kgに2%塩酸25L(pH1.0、25kg)を添加し、原料ヒアルロン酸を約16質量%含む酸性原料ヒアルロン酸水溶液(pH約1)を調製し、70℃で6時間加水分解を実施した(液相分解工程)。さらに、得られた加水分解物を含む液を陰イオン交換樹脂処理(商品名:ダイヤイオンもしくはセパビーズ、三菱化学製)を行い、水8Lで押し出すとともに希釈し、80メッシュフィルターによって樹脂を除去した。25%水酸化ナトリウム水溶液2kg添加し、pHを4.0以上6.5以下に調製した。得られた溶液(ヒアルロン酸の濃度:12質量%、ここで、ヒアルロン酸の濃度は、出発原料ヒアルロン酸の添加量をヒアルロン酸の含有量とみなして算出した。)を凍結乾燥によって乾燥させ、白色微粉末のヒアルロン酸4.5kg(収率約90%)を得た。なお、固相分解工程で得られた原料ヒアルロン酸の平均分子量を別途測定したところ約1万であった。
実施例3において主に、樹脂を除去した後に得られた溶液を水押し希釈せずにそのまま用いた以外は、同様の方法で、実施例7のヒアルロン酸22質量%を含む溶液を得た。この溶液を噴霧乾燥させて、実施例7のヒアルロン酸を得た。
実施例3において、樹脂を除去した後に得られた溶液に水を添加してヒアルロン酸濃度を調整した以外は、同様の方法で、実施例8のヒアルロン酸9質量%を含む溶液を得た。この溶液を噴霧乾燥させて、実施例8のヒアルロン酸を得た。
実施例7において、固相分解工程において使用したエタノールをメタノールに置き換えた以外は同様の方法で、実施例9のヒアルロン酸22質量%を含む溶液を得た。この溶液を噴霧乾燥させて、実施例9のヒアルロン酸を得た。
実施例1において、分子量3.8万の原料ヒアルロン酸を用いた以外は、同様の方法で、実施例10のヒアルロン酸を得た。実施例10のヒアルロン酸は分子量、ヒアルロン酸の純度、b値、かさ密度、粒度分布(平均粒子径および粒子径の標準偏差を含む)、塩素含量、2糖の割合、ならびに、2糖、4糖、6糖、8糖の合計の割合において、実施例1と同等であった。
分子量11万の原料ヒアルロン酸約5kgをエタノール1kgで湿潤させ、攪拌機およびジャケットを装備した50L容タンクで2%塩酸25L(pH1.0、25kg)に添加し、原料ヒアルロン酸を約16質量%含む酸性原料ヒアルロン酸水溶液(pH約1)を調製しようとしたところ、ヒアルロン酸溶液が非常に高粘度となり、攪拌することができなかった。
分子量11万の原料ヒアルロン酸約0.2kgをエタノール0.05kgで湿潤させ、攪拌機およびジャケットを装備した50L容タンクで2%塩酸25L(pH1.0、25kg)に添加し、原料ヒアルロン酸を約0.8質量%含む酸性原料ヒアルロン酸水溶液(pH約1)を調製し、これを70℃で10時間保持し、加水分解を実施した(液相分解工程)。さらに、得られた加水分解物を含む液を陰イオン交換樹脂処理(商品名:ダイヤイオンもしくはセパビーズ、三菱化学製)し、水8Lで押し出すとともに希釈し、80メッシュフィルターによって樹脂を除去した。25%水酸化ナトリウム水溶液2kg添加し、pHを4.0以上6.5以下に調製した。得られた溶液(ヒアルロン酸の濃度:約0.6質量%、ここで、ヒアルロン酸の濃度は、原料ヒアルロン酸の添加量をヒアルロン酸の含有量とみなして算出した。)を噴霧乾燥(ヒーター温度:180℃)によって乾燥させたとろ、霧状となり、ヒアルロン酸を回収することができなかった。
本配合例では、以下に記す処方にて、実施例1で得られたヒアルロン酸を配合した美容液(美白保湿エッセンス)を調製した。本配合例で使用した、実施例1で得られたヒアルロン酸は適度な結着性を有し、粉が舞いにくく本配合例では製剤化が容易であった。
ヒアルロン酸(実施例1) 1.0%
加水分解ヒアルロン酸0.1%
1,3−ブチレングリコール5.0%
グリセリン1.5%
POEソルビタンモノステアリン酸エステル1.0%
ソルビタンモノステアリン酸エステル0.5%
キサンタンガム0.2%
アルギン酸ナトリウム0.2%
カルボキシビニルポリマー0.2%
水酸化カリウム0.1%
オリーブ油0.2%
トコフェロール0.1%
EDTA−2ナトリウム0.02%
アルギニン0.15%
グリチルリチン酸ジカリウム0.05%
アルブチン0.2%
パルミチン酸レチノール0.2%
クジンエキス0.2%
海藻エキス0.2%
トラネキサム酸0.1%
エラスチン0.1%
コラーゲン0.1%
リン酸アスコルビン酸マグネシウム0.1%
クエン酸ナトリウム1.0%
クエン酸0.1%
プロピルパラベン0.1%
メチルパラベン0.15%
香料適量
精製水残量
本配合例では、以下に記す処方にて、実施例1で得られたヒアルロン酸を配合したソフトカプセルを調製した。本配合例で使用した、実施例1で得られたヒアルロン酸は適度な結着性を有し、カプセルへの充填率が高く、本配合例では製剤化が容易であった。
ヒアルロン酸(実施例1) 20%
オリーブ油35%
ミツロウ5%
中鎖脂肪酸トリグリセリド5%
ゼラチン25%
グリセリン10%
本配合例では、以下に記す処方にて、実施例1で得られたヒアルロン酸を配合した散剤(顆粒剤)を調製した。本配合例で使用した、実施例1で得られたヒアルロン酸は適度な結着性を有し、粉が舞いにくく本配合例では製剤化が容易であった。
ヒアルロン酸(実施例1) 10%
乳糖60%
トウモロコシデンプン25%
ヒプロメロース5%
本配合例では、以下に記す処方にて、実施例1で得られたヒアルロン酸を配合した錠剤を調製した。本配合例で使用した、実施例1で得られたヒアルロン酸は適度な結着性を有し、打錠適性に優れているため、本配合例では製剤化が容易であった。
ヒアルロン酸(実施例1) 25%
乳糖24%
結晶セルロース20%
トウモロコシデンプン15%
デキストリン15%
二酸化ケイ素1%
本配合例では、以下に記す処方にて、実施例1で得られたヒアルロン酸を配合したスパウトパウチ入り白桃ゼリー飲料を調製した。本配合例で使用した、実施例1で得られたヒアルロン酸は適度な結着性を有し、粉が舞いにくく本配合例では調製が容易であった。
ヒアルロン酸(実施例1) 0.20%
キサンタンガム1.00%
カラギーナン0.5%
デキストリンアルコール3.0%
スクラロース1%
4倍濃縮白桃果汁5.00%
クエン酸0.60%
クエン酸ナトリウム0.20%
L−アスコルビン酸0.10%
ピーチ香料0.20%
精製水残量
Claims (6)
- 平均分子量が3,500以下であり、
単糖の割合が1.5質量%以上3質量%以下であり、
2糖の割合が1質量%以上30質量%以下であり、
8糖の割合が5質量%以上30質量%以下であり、
塩素含量および硫黄含量がいずれも1.0質量%以下であり、
かつ、かさ密度が0.15g/cm3よりも大きい、
ヒアルロン酸および/またはその塩の加水分解物。 - 請求項1において、
平均粒子径が10μm以上40μm以下である、
ヒアルロン酸および/またはその塩の加水分解物。 - 請求項1または2において、
粒子径の標準偏差が0.1以上0.4以下である、
ヒアルロン酸および/またはその塩の加水分解物。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のヒアルロン酸および/またはその塩の加水分解物を含む、食品。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のヒアルロン酸および/またはその塩の加水分解物を含む、化粧料。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のヒアルロン酸および/またはその塩の加水分解物を含む、医薬品。
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