JP6597571B2 - ステータ - Google Patents

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Description

本発明は、回転電機のステータに関する。
複数の導体セグメントを連結して形成したセグメントコイルがステータコアに装着された回転電機のステータが知られている。このようなステータにおいて、セグメントコイルの固定とセグメントコイルの放熱を目的として、ステータコアに装着されたセグメントコイル間全域に絶縁用のワニスを含浸させてから硬化させるワニス処理が行われるのが一般的である。
ところで、上述したステータにおいて、ステータコアの軸方向端面に、セグメントコイルを構成する導体セグメントを曲げ成形する作業を補助するためのステータカフサが配置される場合がある。ステータカフサは、外側環状部、内側環状部、外側環状部と内側環状部の間を放射状に連結する複数のカフサティース、および、外側環状部と内側環状部と周方向に隣り合うカフサティースとにより囲まれて形成された複数のカフサスロットを有する。特許文献1には、このようなカフサティースを備えたステータにおいて、カフサティースと周方向において同じ位置に、外径側から内径側に向かって軸方向中央側に傾斜するテーパ面が形成された外側配置部を有するものが記載されている。ステータカフサをこのように構成することで、ステータコアとセグメントコイルとを結合させる部分にワニスを多く供給できるとしている。
特開2016−039712号公報
特許文献1に記載されたステータでは、ステータカフサの外側配置部においてセグメントコイルの荷重を受ける。しかしながら、セグメントコイルの荷重を受ける外側配置部において上述したテーパ面が形成されていると、当該テーパ面ではセグメントコイルをうまく支えることができないので、ステータコアに対してセグメントコイルを適正に位置決めできないおそれがある。また、外側配置部のテーパ面でセグメントコイルの荷重を受けたときに、ステータカフサに無理な力がかかってステータカフサが破損するおそれがある。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、ステータカフサにより、ステータコアとセグメントコイルとの結合の信頼性を高めることができ、かつ、セグメントコイルの荷重を適正に支えることができるステータを提供することを目的とする。
本発明は、ステータであって、円環状のヨーク部、前記ヨーク部の内周面から径方向に突出する複数のステータティース、および、隣り合う前記ステータティースの間に形成された複数のスロットを有するステータコアと、外側環状部、内側環状部、前記外側環状部と前記内側環状部の間を放射状に連結する複数のカフサティース、および、前記外側環状部と前記内側環状部と周方向に隣り合う前記カフサティースとにより囲まれて形成された複数のカフサスロットを有し、前記外側環状部が前記ヨーク部上に位置し、前記複数のカフサスロットの位置が前記複数のスロットの位置とそれぞれ対応するように前記ステータコアの軸方向一端面に配置されたステータカフサと、前記スロットおよび前記カフサスロットを通って前記ステータティースに巻回された複数の導体セグメントを有するセグメントコイルと、を備え、前記セグメントコイルはワニスによって前記ステータコアに固定され、前記ステータカフサにおける前記外側環状部には、前記カフサティースと周方向において同じ位置に軸方向に突出した第1突出部が設けられ、前記第1突出部には、前記スロットへとワニスを案内するための周方向に沿う第1ワニス案内溝と、前記セグメントコイルの軸方向への移動を規制するための軸方向に垂直な第1コイル支持面と、が形成されたものである。
カフサスロットの第1突出部に形成された第1コイル支持面は、セグメントコイルの荷重を受ける。ステータカフサの第1突出部において、第1コイル支持面がセグメントコイルの軸方向への移動を規制するように軸方向に垂直に形成されているため、軸方向に突出したセグメントコイルと第1コイル支持面との接触面積を大きくすることができる。これにより、ステータカフサにおいてセグメントコイルの荷重を適正に支えることができる。第1突出部に着地したワニスは、第1突出部に形成された周方向に沿う第1ワニス案内溝に沿って流れ、スロットへと案内される。すなわち、ステータカフサの第1突出部に第1ワニス案内溝を形成したことで、ワニスを効率良くスロット内に供給することができる。セグメントコイルが挿入されたスロット内の部分では、ステータコアとセグメントコイルが近接しているので、この部分において、ステータコアとセグメントコイルを結合させる。従って、第1ワニス案内溝によりワニスを効率良くスロット内に供給することで、ステータコアとセグメントコイルとの結合の信頼性を高めることができる。
さらに、前記ステータカフサにおける前記内側環状部には、前記カフサティースと周方向において同じ位置に軸方向に突出した第2突出部が設けられ、前記第2突出部には、前記スロットへとワニスを案内するための周方向に沿う第2ワニス案内溝と、前記セグメントコイルの軸方向への移動を規制するための軸方向に垂直な第2コイル支持面と、が形成されたものである。
ステータカフサの第2突出部において、第2コイル支持面がセグメントコイルの軸方向への移動を規制するように軸方向に垂直に形成されているため、軸方向に突出したセグメントコイルと第2コイル支持面との接触面積を大きくすることができる。第1突出部に形成された第1コイル支持面とともに、上述したように第2突出部に形成された第2コイル支持面でセグメントコイルの荷重を受けることで、ステータカフサにおいてセグメントコイルの荷重をより適正に支えることができる。また、カフサスロットにおいて、第1突出部に周方向に沿う第1ワニス案内溝を形成するとともに、第2突出部に周方向に沿う第2ワニス案内溝を形成したことで、ステータコアとセグメントコイルとを結合させる部分にワニスをより効率良く供給することができる。これにより、ステータコアとセグメントコイルとの結合の信頼性をより高めることができる。
本発明によれば、ステータカフサにより、ステータコアとセグメントコイルとの結合の信頼性を高めることができ、かつ、セグメントコイルの荷重を適正に支えることができる。
本実施の形態にかかるステータの構成を示す斜視図である。 本実施の形態にかかるステータにおけるセグメントコイルを構成する導体セグメントの外観図である。 本実施の形態にかかるステータにおけるステータカフサの構成を示す平面図である。 図3の破線Aで囲んだ領域を示す拡大斜視図である。 図3のV−Vに沿う断面図である。 変形例1にかかるステータカフサの、図4に対応する拡大斜視図である。 図6のVII−VIIに沿う断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
まず、図1を参照して本実施の形態にかかる回転電機のステータ10の構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかるステータ10の構成を示す斜視図である。図1では、ステータ10を、実際の使用状態とは90度異なる向きとして、軸方向Zが鉛直方向(図1における上下方向)に向いた状態で示している。図1に示すように、ステータ10は、ステータコア12と、ステータカフサ40と、セグメントコイル30と、を備えている。
ステータコア12は、円板状の磁性材である電磁鋼板を複数個、軸方向に積層することにより形成される。ステータコア12は、円環状のヨーク部13と、ヨーク部13の内周面の周方向複数位置から径方向に突出する複数のステータティース14と、を有する。また、ステータコア12は、隣り合うステータティース14の間に形成された複数のスロット15を有する。
ステータカフサ40は、ステータコア12の軸方向一端面(図1の上端面)に配置される。ステータカフサ40の詳細については後述する。セグメントコイル30は、後述する導体セグメント31を複数有する。複数の導体セグメント31は、スロット15および後述するカフサスロット51を通ってステータティースに巻回されている。
図2は、セグメントコイル30(図1参照)を構成する導体セグメント31の外観図である。図2に示すように、導体セグメント31は、エッジワイズ曲げ加工によって、断面矩形の平角導体Dを略U字状に形成し、表面を絶縁被覆したものである。導体セグメント31は、リード先端部31aと、スロット内導線部31bと、反リード部31cと、を有する。リード先端部31aは、図1に示すステータコア12において軸方向一端面(図1の上端面)より突出する部分である。リード先端部31aにおける先端は、絶縁被覆が剥離されている。スロット内導線部31bは、図1に示すステータコア12のスロット15に挿入される部分である。反リード部31cは、ステータコア12において軸方向他端側(図1の下側)に位置する部分である。反リード部31cには、クランク状のクランク部31eが形成されている。
図2に示す導体セグメント31は、ステータコア12(図1参照)において、複数個がステータコア12の径方向に並んだ状態で、複数のスロット15を挟んで周方向に離れた2つのスロット15に挿入される。そして、図2に示す導体セグメント31におけるリード先端部31a、すなわち、ステータコア12(図1参照)の軸方向一端面より突出した部分は、ステータコア12の軸方向に対して傾斜するように曲げ加工される。後述するステータカフサ40は、導体セグメント31におけるリード先端部31aを曲げ加工する作業を補助するためのものである。導体セグメント31におけるリード先端部31aを曲げ加工した後で、径方向に隣り合う導体セグメント31を、リード先端部31aの被覆が剥離された部分において互いに溶接して連結することにより、セグメントコイル30(図1参照)が形成される。さらに、セグメントコイル30は、ワニスによってステータコア12に固定される。
次に、ステータカフサ40の構成について以下に説明する。なお、以下の説明では図1についても適宜参照する。
図3は、ステータカフサ40の構成を示す平面図である。図3に示すように、ステータカフサ40は、円環状の外側環状部41と、外側環状部41と同じ中心軸を有する円環状の内側環状部45と、外側環状部41と内側環状部45の間を放射状に連結する複数のカフサティース50と、を有する。また、ステータカフサ40は、外側環状部41と内側環状部45と周方向に隣り合うカフサティース50とにより囲まれて形成された矩形状の細長孔である複数のカフサスロット51を有する。ステータカフサ40は、非磁性であり、PPS(Poly Phenylene Sulfide)などの樹脂材料により形成される。ステータカフサ40は、外側環状部41がステータコア12のヨーク部13上に位置している。
図4は、図3の破線Aで囲んだ領域を示す拡大図である。図4に示すように、ステータカフサ40は、複数のカフサスロット51の位置が複数のスロット15の位置とそれぞれ対応するようにステータコア12の軸方向一端面に配置されている。すなわち、カフサスロット51は対応するスロット15の軸方向開口端と連通する。上述したように、複数の導体セグメント31(図2参照)は、スロット15およびカフサスロット51を通ってステータティースに巻回される。ステータカフサ40におけるカフサティース50は半円形状に形成されている。導体セグメント31におけるリード先端部31a(図2参照)は、カフサティース50の円弧状に湾曲した部分に接触して曲げられる。
図4に示すように、ステータカフサ40における外側環状部41には、カフサティース50と周方向において同じ位置に軸方向に突出した第1突出部42が設けられている。第1突出部42は、四角柱状で、径方向から見て上端が円弧状になるように上端の周方向両端が面取りされ、セグメントコイル30(図1参照)の軸方向への移動を規制するための軸方向に垂直な第1コイル支持面42bが形成されている。また、第1突出部42は、セグメントコイル30(図1参照)の径方向外側への移動を規制するための軸方向に平行な第3コイル支持面42cが形成されている。さらに、第1突出部42には、カフサスロット51を経由してスロット15へとワニスを案内するための周方向に沿う第1ワニス案内溝42aが形成されている。なお、内側環状部45には、カフサティース50と周方向において同じ位置に軸方向に突出した突出部が設けられていてもよい。
図5は、図4のV−Vに沿う断面図である。図5に示すように、カフサスロット51の第1突出部42に形成された第1コイル支持面42bは、セグメントコイル30の荷重F1を受ける。ステータカフサ40の第1突出部42において、第1コイル支持面42bがセグメントコイル30の軸方向への移動を規制するように軸方向に垂直になるように形成されているため、軸方向に突出したセグメントコイル30と第1コイル支持面42bとの接触面積を大きくすることができる。これにより、ステータカフサ40においてセグメントコイルの荷重を適正に支えることができる。
上述したように、セグメントコイル30は、ワニスによってステータコア12に固定される。図5に示すように、ステータコア12に対するセグメントコイル30の固定において、ステータコア12は、ステータカフサ40によって軸方向を上下方向に一致させる。そしてこの状態で、矢印α1で示すように上方からワニスを滴下させる。
図4および図5に示すように、第1突出部42に着地したワニスは、第1ワニス案内溝42aに沿って矢印γ1で示すように流れ、カフサスロット51を経由してスロット15へと案内される。すなわち、第1突出部42に第1ワニス案内溝42aを形成したことによりワニスを効率良くスロット15内に供給することができる。セグメントコイル30が挿入されたスロット15内の部分では、ステータコア12とセグメントコイル30が近接しているので、この部分において、ステータコア12とセグメントコイル30を結合させる。従って、第1ワニス案内溝42aによりワニスを効率良くスロット15内に供給することで、ステータコア12とセグメントコイル30との結合の信頼性を高めることができる。
[変形例1]
図6は、変形例1にかかるステータカフサ140の、図4に対応する拡大図である。図6に示すように、ステータカフサ140の内側環状部45には、カフサティース50と周方向において同じ位置に軸方向に突出した第2突出部46が設けられている。内側環状部45に設けられた第2突出部46の構成は、外側環状部41に設けられた第1突出部42の構成と基本的には同様ある。すなわち、第2突出部46は、四角柱状で、径方向から見て上端が円弧状になるように上端の周方向両端が面取りされ、セグメントコイル30の軸方向への移動を規制するための軸方向に垂直な第1コイル支持面42bが形成されている。さらに、第2突出部46には、カフサスロット51へとワニスを案内するための周方向に沿う第2ワニス案内溝46aが形成されている。
図7は、図6のVII−VIIに沿う断面図である。図7に示すように、カフサスロット51の第2突出部46に形成された第2コイル支持面46bは、セグメントコイル30と接しており、セグメントコイル30の荷重F2を受ける。ステータカフサ40の第2突出部46において、第2コイル支持面46bがセグメントコイル30の軸方向への移動を規制するように軸方向に垂直に形成されているため、軸方向に突出したセグメントコイル30と第2コイル支持面46bとの接触面積を大きくすることができる。第1突出部42に形成された第1コイル支持面42bとともに、上述したように第2突出部46に形成された第2コイル支持面46bでセグメントコイル30の荷重を受けることで、ステータカフサ40においてセグメントコイルの荷重をより適正に支えることができる。
図7に示すように、ステータコア12に対するセグメントコイル30の固定において、ステータコア12は、ステータカフサ140によって軸方向を上下方向に一致させる。そしてこの状態で、矢印α2で示すように上方からワニスを滴下させる。
図6および図7に示すように、第2突出部46に着地したワニスは、第2ワニス案内溝46aに沿って矢印γ2で示すように流れ、カフサスロット51を経由してスロット15へと案内される。第1突出部42に第1ワニス案内溝42aを形成するとともに、第2突出部46に第2ワニス案内溝46aを形成することで、ワニスをより効率良くスロット15内に供給することができる。上述したように、セグメントコイル30が挿入されたスロット15内の部分では、ステータコア12とセグメントコイル30が近接しているので、この部分において、ステータコア12とセグメントコイル30を結合させる。従って、本変形例のようにステータカフサ140を構成することで、ワニスをより効率良くスロット15内に供給することができるので、ステータコア12とセグメントコイル30との結合の信頼性をより高めることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
10 ステータ
12 ステータコア
13 ヨーク部
14 ステータティース
15 スロット
30 セグメントコイル
31 導体セグメント
31a リード先端部
31b スロット内導線部
31c 反リード部
31e クランク部
40,140 ステータカフサ
41 外側環状部
42 第1突出部
42a 第1ワニス案内溝
42b 第1コイル支持面
45 内側環状部
46 第2突出部
46a 第2ワニス案内溝
46b 第2コイル支持面
50 カフサティース
51 カフサスロット

Claims (1)

  1. 円環状のヨーク部、前記ヨーク部の内周面から径方向に突出する複数のステータティース、および、隣り合う前記ステータティースの間に形成された複数のスロットを有するステータコアと、
    外側環状部、内側環状部、前記外側環状部と前記内側環状部の間を放射状に連結する複数のカフサティース、および、前記外側環状部と前記内側環状部と周方向に隣り合う前記カフサティースとにより囲まれて形成された複数のカフサスロットを有し、前記外側環状部が前記ヨーク部上に位置し、前記複数のカフサスロットの位置が前記複数のスロットの位置とそれぞれ対応するように前記ステータコアの軸方向一端面に配置されたステータカフサと、
    前記スロットおよび前記カフサスロットを通って前記ステータティースに巻回された複数の導体セグメントを有するセグメントコイルと、を備え、
    前記セグメントコイルはワニスによって前記ステータコアに固定され、
    前記ステータカフサにおける前記外側環状部には、前記カフサティースと周方向において同じ位置に軸方向に突出した第1突出部が設けられ、前記第1突出部には、前記スロットへとワニスを案内するための周方向に沿う第1ワニス案内溝と、前記セグメントコイルの軸方向への移動を規制するための軸方向に垂直な第1コイル支持面と、前記セグメントコイルの径方向外側への移動を規制するための軸方向に平行な第3コイル支持面と、が形成され
    前記第1突出部において、前記第1ワニス案内溝は前記第3コイル支持面以外の面に形成されている、ステータ。
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