JP6597258B2 - 電力変換装置及び電源システム並びに電力変換装置の制御方法 - Google Patents
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Description
かかる従来の問題点に鑑み、本発明は、複合型の電力変換装置におけるDC/DCコンバータの損失を低減することを目的とする。
本開示は、複数種類の直流電源と需要家内の交流電路との間に設けられ、直流/交流の電力変換を行う電力変換装置であって、前記交流電路のピーク電圧より高い電圧を出力可能な太陽光発電の出力電路と接続され、かつ、蓄電池とも接続されるDCバスと、前記DCバスの2線間に接続された中間コンデンサと、前記蓄電池と前記DCバスとの間に設けられたDC/DCコンバータと、前記DCバスと前記交流電路との間に設けられたインバータと、前記DC/DCコンバータ及び前記インバータの動作制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記インバータの動作制御によって、前記交流電路へ電力を出力するとともに前記太陽光発電の出力制御を行わせる第1運用モード、及び、前記インバータの動作制御によって前記交流電路へ出力する電力を目標値に合わせるとともに、前記DC/DCコンバータの動作制御によって前記太陽光発電の出力制御を行わせる第2運用モードを有する電力変換装置である。
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
この場合、計測した電力に基づいて制御部によりフィードバック制御を行うことにより、逆潮流の電力を所望の値に制御することができる。
インバータの出力電力から計測部が計測した電力を差し引いた値とは、負荷の消費電力である。負荷の消費電力を、DC/DCコンバータの出力電力目標値に設定すれば、負荷の消費電力は、蓄電池の放電によって全て賄われる。従って、太陽光発電の電力は全て売電可能となる。そこで、インバータの出力電力からDC/DCコンバータの出力電力を差し引いた電力すなわち、太陽光発電の電力が最大となるようMPPT制御を行えば、太陽光発電によって発電し得る最大電力を売電に供することができる。
計測部で計測した電力が0になるようにインバータの出力電力目標値を設定すれば、インバータの出力電力は全て、需要家内の負荷の電力として消費される。すなわち、売電も買電も0であり、需要家内で電力の自給自足の状態となる。この状態において、蓄電池の放電時には、インバータの出力電力からDC/DCコンバータによる放電電力を差し引いた電力が、太陽光発電の電力である。また、蓄電池の充電時には、インバータの出力電力とDC/DCコンバータの充電電力とを足し合わせた電力が、太陽光発電の電力である。そこで、これらの太陽光発電の電力が最大となるようMPPT制御を行えば、太陽光発電によって発電し得る最大電力を用いて自給自足の状態とすることができる。
この場合、太陽光発電が行われていない場合に、逆流防止回路により、太陽電池に電流が流れることを防止できる。
逆流防止回路としてのダイオードは、制御不要で最も簡素である。並列のダイオードを有する半導体スイッチは、制御が必要ではあるが、オン抵抗がダイオードより小さい利点がある。
この場合、休止時間をとることにより損失を低減して、DC/DCコンバータの変換効率を高めることができる。中間コンデンサは小容量であるので、このような電力変換に適する。なお、大容量のコンデンサとは、直流電路の2線間に、単相交流電力を出力するための無効電力を供給するものであり、小容量の中間コンデンサとは半導体スイッチのスイッチングによって発生するリプルを平滑化する程度のものである。
この場合、もし、太陽光発電の出力電圧が交流電路のピーク電圧より低い場合に、当該DC/DCコンバータを動作させて必要な昇圧を行うことができる。昇圧が不要となる場合は、DC/DCコンバータのハイサイドのスイッチング素子を常時閉路の状態とすればよい。昇圧が必要となる機会が少ないとすると、スイッチングを行う時間が少ない分、電力の損失は抑えられる。また、かかるDC/DCコンバータには、常時スイッチングするものと同等な性能は不要であり、昇圧に寄与せず単に通電するだけの直流リアクトルは磁気飽和してもよい。また、ローサイドのスイッチング素子は低電流容量で足りる。従って、性能を落として小型で安価なDC/DCコンバータを、太陽光発電用として限定的に使用することができる。すなわち、太陽光発電用DC/DCコンバータを設けたとしても、その損失を抑え、かつ、小型で安価な太陽光発電用DC/DCコンバータとすることができる。
この場合、休止時間をとることにより損失を低減して、太陽光発電用DC/DCコンバータ又は蓄電池用のDC/DCコンバータの変換効率を高めることができる。中間コンデンサは小容量であるので、このような電力変換に適する。
このような電源システムは、太陽光発電パネルの出力に対して、DC/DCコンバータを接続しなくても、交流電路への供給電力が特に制限されていない状態のときは、インバータでMPPT制御を行わせることができる。交流電路への供給電力が制限されている場合は、供給電力を目標電力に合わせる制御をインバータに行わせ、MPPT制御についてはDC/DCコンバータに行わせることができる。こうして、太陽光発電パネルの出力を常に最大限に活用することができる。
以下、実施形態の詳細について図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る電力変換装置1を含む電源システム100の回路図の一例である。図において、電力変換装置1は、複数種類の直流電源と需要家内の交流電路との間に設けられ、直流/交流の電力変換を行う装置であり、一般に、パワーコンディショナと呼ばれる。この電力変換装置1は、例えば2種類の直流電源が接続されている。すなわち、ストリングを成す太陽電池2の集合体としての太陽光発電パネル3、及び、蓄電池4が、それぞれ、電力変換装置1に接続されている。蓄電池4としては例えば、リチウムイオン電池等の二次電池を使用することができる。
なお、計測部8は、物理的には電力変換装置1と離れて設けられるが、機能的には、電力変換装置1の一部でもある。
なお、半導体のスイッチ115の代わりにリレーを用いることも可能ではある。オン抵抗が小さいという点ではリレーの方が優れているが、開閉の耐久性に関しては半導体が圧倒的に優れている。
インバータ14は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であるスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4をフルブリッジ接続したものであり、各スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4にはそれぞれ、ダイオードd1,d2,d3,d4が逆並列に接続されている。
DC/DCコンバータ18は、直流リアクトル20、IGBTであるスイッチング素子Q5,Q6、スイッチング素子Q5,Q6にそれぞれ逆並列に接続されたダイオードd5,d6を備えるチョッパ回路である。なお、このDC/DCコンバータ18は非絶縁型であるが、絶縁型のDC/DCコンバータを用いることも可能である。
ここで言うシングル発電とは、太陽光発電のみ又は蓄電池4のみを稼働させることである。
この運用では、太陽電池2による太陽光発電が行われているときには、蓄電池4には放電も充電も行わせない。従って、太陽光発電中は、DC/DCコンバータ18は停止している。インバータ14は、太陽光発電のMPPT制御を行う。
この状態で、蓄電池4には夜間料金の時間帯に充電を行う。このとき、インバータ14は、交流から直流への整流を行うDC/ACコンバータとして動作させる。
DC/DCコンバータ18は、スイッチング素子Q5がオフで、スイッチング素子Q6がオン・オフを所定のデューティで繰り返し、降圧を行う。充電は一定電力で行われる。
この運用は、太陽電池2が発電しているときに蓄電池4も放電を行う点でシングル発電の制御と異なる。この場合、制御部50は、蓄電池4の放電電力Pbが、需要家内の負荷6の消費電力と一致するようにフィードバック制御を行う。具体的には、以下の式(1)に示すように、放電電力Pbが、インバータ14の出力電力Paから計測部8で測定した電力Pmを差し引いた値と一致するように制御する。
Pb=Pa−Pm ・・・(1)
Pp=Pa−Pb ・・・(2)
太陽電池2が発電していないときの蓄電池4の制御は、シングル発電の場合と同じである。
この運用では、太陽電池2の発電と負荷6の消費電力との多寡によって、蓄電池4に対する制御が変わる。インバータ14の出力電力Paは、負荷6の消費電力と一致し、計測部8が計測する電力Pmが0になるように制御する。すなわち、
Pm=0 ・・・(3)
である。
上記の各運用の形態(シングル発電、ダブル発電、自給自足)において、制御部50は、太陽光発電の出力制御(MPPT制御)の主体が何か、という観点から、第1運用モード、及び、第2運用モードを有していると言える。
すなわち、第1運用モードでは、太陽光発電の出力制御を行うのはインバータ14であり、制御部50は、インバータ14の動作制御によって、交流電路5へ電力を出力するとともに太陽光発電の出力制御を行わせる。
第2運用モードでは、太陽光発電の出力制御を行うのはDC/DCコンバータ18であり、制御部50は、インバータ14の動作制御によって交流電路5へ出力する電力を目標値に合わせるとともに、DC/DCコンバータ18の動作制御によって太陽光発電の出力制御を行わせる。
図3は、第2実施形態に係る電力変換装置1を含む電源システム100の回路図の一例である。第1実施形態(図1)との違いは、逆流防止回路11の太陽電池側に数ミリファラッドの大容量の直流側コンデンサ28を設け、中間コンデンサ27としては、100マイクロファラッド以下のフィルムコンデンサを設けた点であり、それ以外の回路構成は、第1実施形態と同様である。
図4及び図5は、最小スイッチング変換方式における、DC/DCコンバータ18及びインバータ14の動作の特徴を簡略に示す波形図である。両図は同じ内容を示しているが、図4は特に、直流入力から交流出力までの振幅の関係が見やすいように表示し、図5は特に、制御のタイミングが見やすいように表示している。図4の上段及び図5の左欄はそれぞれ、比較のために、最小スイッチング変換方式ではない伝統的なスイッチング制御を表す波形図である。また、図4の下段及び図5の右欄はそれぞれ、最小スイッチング変換方式の動作を示す波形図である。
図6は、第3実施形態に係る電力変換装置1を含む電源システム100の回路図の一例である。第1実施形態(図1)との違いは、図1の逆流防止回路11に代えて、太陽電池2と中間コンデンサ12との間に太陽光発電用のDC/DCコンバータ30及び直流側コンデンサ32を設けた点であり、それ以外の回路構成は、第1実施形態と同様である。
図7は、第4実施形態に係る電力変換装置1を含む電源システム100の回路図の一例である。第3実施形態(図6)との違いは、図6における大容量の中間コンデンサ12を小容量の中間コンデンサ27に置き換え、大容量の直流側コンデンサ28を太陽電池2とDC/DCコンバータ30との間に設けた点である。それ以外の回路構成は、第4実施形態と同様である。
なお、太陽光発電を行わないときは、第2実施形態(図3)と同様に、蓄電池4用のDC/DCコンバータ18とインバータ14とで、最小スイッチング変換を行うことができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
但し、明細書及び図面に開示した通りの全ての構成要素を備える電力変換装置及び電源システムも、本発明に含まれるものであることは言うまでもない。
2 太陽電池
3 太陽光発電パネル
4 蓄電池
5 交流電路
6 負荷
7 商用電力系統
8 計測部
10 出力電路
11 逆流防止回路
12 中間コンデンサ
13 DCバス
14 インバータ
15 交流リアクトル
16 交流側コンデンサ
17 直流側コンデンサ
18 DC/DCコンバータ
20 直流リアクトル
21,23,24 電圧センサ
22,25 電流センサ
27 中間コンデンサ
28 直流側コンデンサ
31 直流リアクトル
32 直流側コンデンサ
50 制御部
81 電流センサ
82 電圧センサ
100 電源システム
110 ダイオード
111,112 抵抗
113 コンパレータ
114 ドライバ
115 スイッチ
115d ボディダイオード
d1〜d7 ダイオード
Q1〜Q8 スイッチング素子
Claims (11)
- 複数種類の直流電源と需要家内の交流電路との間に設けられ、直流/交流の電力変換を行う電力変換装置であって、
前記交流電路のピーク電圧より高い電圧を出力可能な太陽光発電の出力電路と接続され、かつ、蓄電池とも接続されるDCバスと、
前記DCバスの2線間に接続された中間コンデンサと、
前記蓄電池と前記DCバスとの間に設けられたDC/DCコンバータと、
前記DCバスと前記交流電路との間に設けられたインバータと、
前記DC/DCコンバータ及び前記インバータの動作制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、前記インバータの動作制御によって、前記交流電路へ電力を出力するとともに前記太陽光発電の最大電力点追従制御を行わせる第1運用モード、及び、前記インバータの動作制御によって前記交流電路へ出力する電力を目標値に合わせるとともに、前記蓄電池を充電し又は放電させる前記DC/DCコンバータの動作制御によって前記太陽光発電の最大電力点追従制御を行わせる第2運用モードを有し、前記交流電路への供給電力が制限されていないときは前記第1運用モードを実行し、前記供給電力が制限されているときは前記第2運用モードを実行する電力変換装置。 - 前記交流電路に接続された負荷と商用電力系統との間に設けられ、電力を計測する計測部を備えている請求項1に記載の電力変換装置。
- 前記制御部は、前記インバータの出力電力から前記計測部が計測した電力を差し引いた値を、前記DC/DCコンバータの出力電力目標値に設定し、前記インバータの出力電力から前記DC/DCコンバータの出力電力を差し引いた電力が最大となるよう、前記インバータを制御する請求項2に記載の電力変換装置。
- 前記制御部は、前記計測部で計測した電力が0になるように前記インバータの出力電力目標値を設定し、前記インバータの出力電力から前記DC/DCコンバータによる放電電力を差し引いた電力、又は、前記インバータの出力電力と前記DC/DCコンバータの充電電力とを足し合わせた電力が最大になるよう、前記DC/DCコンバータを制御する請求項2に記載の電力変換装置。
- 前記太陽光発電の出力を前記DCバスに接続する電路に、前記中間コンデンサから前記太陽光発電の出力電路に向かって流れようとする電流を阻止する逆流防止回路を備えた請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
- 前記逆流防止回路は、ダイオード、又は、ダイオードを並列に有する半導体スイッチである請求項5に記載の電力変換装置。
- 前記太陽光発電の出力電路と前記逆流防止回路との間の直流電路の2線間に数ミリファラッドの大容量のコンデンサを配置して、前記中間コンデンサは100マイクロファラッド以下の小容量とし、
前記太陽光発電が行われていないとき、前記蓄電池と前記交流電路との間で、交流半サイクルの間に前記DC/DCコンバータと、前記インバータとを交互に休止させて電力変換を行う請求項5又は請求項6に記載の電力変換装置。 - 前記太陽光発電の出力電路と前記DCバスとの間に、太陽光発電が行われているがその出力電圧が前記交流電路のピーク電圧より低いときにのみ昇圧動作を行い、それ以外は単に通電を行う太陽光発電用DC/DCコンバータを設けた請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
- 前記太陽光発電の出力電路と前記太陽光発電用DC/DCコンバータとの間の直流電路の2線間に数ミリファラッドの大容量のコンデンサを配置して、前記中間コンデンサは100マイクロファラッド以下の小容量とし、
前記太陽光発電が行われているがその出力電圧が前記交流電路のピーク電圧より低いとき、前記太陽光発電の出力電路と前記交流電路との間で、交流半サイクルの間に前記太陽光発電用DC/DCコンバータと、前記インバータとを交互に休止させて電力変換を行い、
前記太陽光発電が行われていないとき、前記蓄電池と前記交流電路との間で、交流半サイクルの間に前記蓄電池用の前記DC/DCコンバータと、前記インバータとを交互に休止させて電力変換を行う請求項8に記載の電力変換装置。 - 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の電力変換装置と、前記太陽光発電を行う太陽電池の集合体としての太陽光発電パネルと、前記蓄電池とを備えている電源システム。
- 交流電路のピーク電圧より高い電圧を出力可能な太陽光発電の出力電路と接続され、かつ、蓄電池とも接続されるDCバスと、前記DCバスの2線間に接続された中間コンデンサと、前記蓄電池と前記DCバスとの間に設けられたDC/DCコンバータと、前記DCバスと需要家内の交流電路との間に設けられたインバータと、前記DC/DCコンバータ及び前記インバータの動作制御を行う制御部と、を備え、直流/交流の電力変換を行う電力変換装置について、前記制御部によって実行される電力変換装置の制御方法であって、
第1運用モードでは、前記インバータの動作制御によって、前記交流電路へ電力を出力するとともに前記太陽光発電の最大電力点追従制御を行わせ、
第2運用モードでは、前記インバータの動作制御によって前記交流電路へ出力する電力を目標値に合わせるとともに、前記蓄電池を充電し又は放電させる前記DC/DCコンバータの動作制御によって前記太陽光発電の最大電力点追従制御を行わせ、かつ、
前記交流電路への供給電力が制限されていないときは前記第1運用モードを実行し、前記供給電力が制限されているときは前記第2運用モードを実行する、電力変換装置の制御方法。
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