JP6707980B2 - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6707980B2
JP6707980B2 JP2016094805A JP2016094805A JP6707980B2 JP 6707980 B2 JP6707980 B2 JP 6707980B2 JP 2016094805 A JP2016094805 A JP 2016094805A JP 2016094805 A JP2016094805 A JP 2016094805A JP 6707980 B2 JP6707980 B2 JP 6707980B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reactor
voltage
side switch
current
converter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016094805A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017028982A (ja
Inventor
由晴 中島
由晴 中島
綾井 直樹
直樹 綾井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Publication of JP2017028982A publication Critical patent/JP2017028982A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6707980B2 publication Critical patent/JP6707980B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Inverter Devices (AREA)

Description

開示は、電力変換装置及びその制御方法に関する。
太陽光発電パネルによって発電された電力、又は、蓄電池に蓄えられた電力を、電力系統に接続された負荷に提供するための電力変換装置は、太陽光発電パネルの出力電圧又は蓄電池の端子間電圧を昇圧するDC/DC変換部と、直流を交流に変換するインバータとを備えている。
この場合、DC/DC変換部は、太陽光発電パネル又は蓄電池から入力された電圧を、高周波のスイッチングにより、必要とする交流の波高値以上の一定電圧まで昇圧してDCバスに出力する。インバータは、この一定電圧を高周波のスイッチングにより交流波形に変換して出力する。
ここで、上記の電力変換装置では、DC/DC変換部及びインバータが、常時、高周波のスイッチングを行っている。高周波のスイッチングにより、相応のスイッチング損失が生じ、これが、変換効率を悪くする原因となる。このようなスイッチング損失を低減して変換効率を高めるには、例えば、DC/DC変換部とインバータとを交流1周期内で交互にスイッチング動作させる制御方式を適用することができる(例えば、特許文献1参照。)。この場合、電力変換装置全体としてのスイッチング回数が低減される。
特開2014−241714号公報
しかしながら、上記の制御方式を採用した電力変換装置においては、指示した通りの出力が得られない場合があることがわかってきた。特に、可能な出力電力の範囲内で、小出力電力を指示した場合に、指令値と実際の出力電力との間に差が出る傾向が見られる。そのため、受電点を超えて系統側に逆電力を供給しないように蓄電池の電力を制御する際に、指令値と実際の出力値との差を考慮して蓄電池の出力を抑制する等の煩雑な運用をしなければならない。これは、特に支障を来す問題ではないが、さらに高品質な電力変換装置とするには、改善の余地がある。
かかる課題に鑑み、本開示は、小電力を指示した場合に、指令値と実際の出力電力との差を縮めることができる電力変換装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
本開示は以下の発明を含む。但し、本発明は、特許請求の範囲によって定められるものである。
開示は、物としての一表現によれば、交流電路に接続された負荷と直流電源との間に設けられる電力変換装置であって、前記交流電路の交流電圧を検出する電圧センサと、前記負荷とDCバスとの間に設けられたAC/DC変換部と、前記DCバスに接続されたコンデンサと、前記DCバスと前記直流電源との間に設けられ、直流リアクトル、並びに、前記直流リアクトルと前記DCバスの高電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するハイサイドスイッチ、及び、前記直流リアクトルと前記DCバスの低電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するローサイドスイッチ、を含むDC/DC変換部と、前記直流リアクトルに流れる電流を検出する電流センサと、前記直流電源の両端電圧を直流電源電圧として検出する電圧センサと、前記交流電圧に基づく交流電圧目標値の絶対値と前記直流電源電圧に基づく直流電圧目標値とを互いに比較し、その大小関係に基づいて、前記AC/DC変換部及び前記DC/DC変換部のいずれか一方を主体としたスイッチング動作により昇圧を行わせる期間と、他方を主体としたスイッチング動作により降圧を行わせる期間とが交互に出現する制御方式を実行し、かつ、前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの一方向にのみ通電経路を確保した状態では電流が不連続になる期間が発生する場合、少なくとも当該期間は、前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの双方向に通電経路を確保する制御部と、を備えている電力変換装置である。
また、本開示は、方法としての一表現によれば、交流電路に接続された負荷と直流電源との間に設けられ、前記負荷とDCバスとの間に設けられたAC/DC変換部と、前記DCバスと前記直流電源との間に設けられ、直流リアクトル、並びに、前記直流リアクトルと前記DCバスの高電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するハイサイドスイッチ、及び、前記直流リアクトルと前記DCバスの低電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するローサイドスイッチ、を含むDC/DC変換部とを備える電力変換装置の制御方法であって、前記交流電圧に基づく交流電圧目標値の絶対値と前記直流電源電圧に基づく直流電圧目標値とを互いに比較し、その大小関係に基づいて、前記AC/DC変換部及び前記DC/DC変換部のいずれか一方を主体としたスイッチング動作により昇圧を行わせる期間と、他方を主体としたスイッチング動作により降圧を行わせる期間とが交互に出現する制御を実行し、かつ、前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの一方向にのみ通電経路を確保した状態では電流が不連続になる期間が発生する場合、少なくとも当該期間は、前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの双方向に通電経路を確保する、電力変換装置の制御方法である。
なお、上記電力変換装置及びその制御方法について、交流電路には電力系統(商用電力系統)が接続され、また、直流電源は蓄電池であるとすれば、それぞれ以下のようにも表現できる。
すなわち、本開示は、物としての他の表現によれば、電力系統及び電力系統に接続された負荷と蓄電池との間に設けられる電力変換装置であって、前記電力系統の交流電圧を検出する電圧センサと、前記負荷とDCバスとの間に設けられたAC/DC変換部と、前記DCバスに接続されたコンデンサと、前記DCバスと前記蓄電池との間に設けられ、直流リアクトル、並びに、前記直流リアクトルと前記DCバスの高電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するハイサイドスイッチ、及び、前記直流リアクトルと前記DCバスの低電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するローサイドスイッチ、を含むDC/DC変換部と、前記直流リアクトルに流れる電流を検出する電流センサと、前記蓄電池の両端電圧を蓄電池電圧として検出する電圧センサと、前記交流電圧に基づく交流電圧目標値の絶対値と前記蓄電池電圧に基づく直流電圧目標値とを互いに比較し、その大小関係に基づいて、前記AC/DC変換部及び前記DC/DC変換部のいずれか一方を主体としたスイッチング動作により昇圧を行わせる期間と、他方を主体としたスイッチング動作により降圧を行わせる期間とが交互に出現する制御方式を実行し、かつ、前記直流リアクトルに所定値より大きい電流が流れるときは前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの一方向に通電経路を確保し、前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときは前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの双方向に通電経路を確保する制御部と、を備えている電力変換装置である。
また、本開示は、方法としての他の表現によれば、電力系統及び電力系統に接続された負荷と蓄電池との間に設けられ、前記負荷とDCバスとの間に設けられたAC/DC変換部と、前記DCバスと前記蓄電池との間に設けられ、直流リアクトル、並びに、前記直流リアクトルと前記DCバスの高電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するハイサイドスイッチ、及び、前記直流リアクトルと前記DCバスの低電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するローサイドスイッチ、を含むDC/DC変換部とを備える電力変換装置の制御方法であって、前記交流電圧に基づく交流電圧目標値の絶対値と前記蓄電池電圧に基づく直流電圧目標値とを互いに比較し、その大小関係に基づいて、前記AC/DC変換部及び前記DC/DC変換部のいずれか一方を主体としたスイッチング動作により昇圧を行わせる期間と、他方を主体としたスイッチング動作により降圧を行わせる期間とが交互に出現する制御を実行し、かつ、前記直流リアクトルに所定値より大きい電流が流れるときは前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの一方向に通電経路を確保し、前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときは前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの双方向に通電経路を確保する、電力変換装置の制御方法である。
開示によれば、指令値と実際の出力電力との差を縮めることができる。
本発明の一実施形態に係る電力変換装置を備えた充放電システムの一例を示す単線接続図である。 電力変換装置の詳細な回路図の一例である。 電力変換装置が蓄電池の充電中である場合の動作を概念的に示した電圧波形の図である。 電力変換装置が蓄電池を放電させている場合の動作を概念的に示した電圧波形の図である。 電力変換装置を含む計測システムの概略構成を示す図である。 スイッチの一方がオフのスイッチング方式で、出力電力の指令値を2000W、出力電流目標値10Aとしたときのシミュレーション結果を示すグラフである。 常時相補スイッチング方式で、出力電力の指令値を2000W、出力電流目標値10Aとしたときのシミュレーション結果を示すグラフである。 本実施形態の、切り替え方式で、出力電力の指令値を2000W、出力電流目標値10A、直流リアクトルの電流の「所定値」を1Aとしたときのシミュレーション結果を示すグラフである。 スイッチの一方がオフのスイッチング方式で、出力電力の指令値を200W、出力電流目標値1Aとしたときのシミュレーション結果を示すグラフである。 常時相補スイッチング方式で、出力電力の指令値を200W、出力電流目標値1Aとしたときのシミュレーション結果を示すグラフである。 本実施形態の、切り替え方式で、出力電力の指令値を200W、出力電流目標値1A、直流リアクトルの電流の「所定値」を1Aとしたときのシミュレーション結果を示すグラフである。 図9における、縦軸の電流値のスケールを拡大した図である。 図10における、縦軸の電流値のスケールを拡大した図である。 図11における、縦軸の電流値のスケールを拡大した図である。
[実施形態の要旨]
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
(1)これは、交流電路に接続された負荷と直流電源との間に設けられる電力変換装置であって、前記交流電路の交流電圧を検出する電圧センサと、前記負荷とDCバスとの間に設けられたAC/DC変換部と、前記DCバスに接続されたコンデンサと、前記DCバスと前記直流電源との間に設けられ、直流リアクトル、並びに、前記直流リアクトルと前記DCバスの高電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するハイサイドスイッチ、及び、前記直流リアクトルと前記DCバスの低電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するローサイドスイッチ、を含むDC/DC変換部と、前記直流リアクトルに流れる電流を検出する電流センサと、前記直流電源の両端電圧を直流電源電圧として検出する電圧センサと、制御部とを備えたものである。制御部は、前記交流電圧に基づく交流電圧目標値の絶対値と前記直流電源電圧に基づく直流電圧目標値とを互いに比較し、その大小関係に基づいて、前記AC/DC変換部及び前記DC/DC変換部のいずれか一方を主体としたスイッチング動作により昇圧を行わせる期間と、他方を主体としたスイッチング動作により降圧を行わせる期間とが交互に出現する制御方式を実行し、かつ、前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの一方向にのみ通電経路を確保した状態では電流が不連続になる期間が発生する場合、少なくとも当該期間は、前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの双方向に通電経路を確保する。
このような電力変換装置では、AC/DC変換部及びDC/DC変換部のいずれか一方により昇圧を行わせる期間と、他方により降圧を行わせる期間とが交互に出現することで、全体としてのスイッチング回数を低減する「最小スイッチング変換方式」を実行する。この場合、DC/DC変換部内の直流リアクトルに流れる電流が脈流になることがわかっている。脈流には、スイッチングによる高周波のインダクタリプルが含まれる。インダクタリプルを含む脈流が0に近づくと、インダクタリプルの振れ幅により電流値はマイナス領域に入ろうとする。ところが、ここで、DC/DC変換部内で直流リアクトルの一方向にのみ通電経路を確保した状態では、電流が不連続になる期間が発生することになる。電流が不連続になると、その本来の平均値を正確に検出することができない。そこで、この電力変換装置では、DC/DC変換部内で直流リアクトルの一方向にのみ通電経路を確保した状態では電流が不連続になる期間が発生する場合、少なくとも当該期間は、DC/DC変換部内で直流リアクトルの双方向に通電経路を確保する。これにより、一方向では不連続になりそうな電流(小電流)が直流リアクトルに流れるときは、直流リアクトル内で双方向の電流の流れが可能となる。その結果、出力電力の指令値が相対的に小さいときに、電力変換装置の出力電力と指令値との差を縮小することができる。
(2)また、(1)の電力変換装置において、前記直流電源から出力させ、前記DC/DC変換部を昇圧動作させる場合の前記制御部は、前記不連続になる期間が発生しないときは前記ハイサイドスイッチをオフに保持して前記ローサイドスイッチを動作させ、前記不連続になる期間が発生するときは前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを相補的に動作させ、
前記直流電源から出力させ、前記DC/DC変換部を昇圧動作させない場合の前記制御部は、前記不連続になる期間が発生しないときは前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを共にオフに保持し、前記不連続になる期間が発生するときは前記ハイサイドスイッチをオン、前記ローサイドスイッチをオフに保持する。
この場合、直流電源放電時の電力変換装置の出力電力と指令値との差を縮小することができる。
(3)また、(1)の電力変換装置において、前記DC/DC変換部を降圧動作させ、前記直流電源を充電する場合の前記制御部は、前記不連続になる期間が発生しないときは前記ローサイドスイッチをオフに保持して前記ハイサイドスイッチを動作させ、前記不連続になる期間が発生するときは前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを相補的に動作させ、
前記DC/DC変換部を降圧動作させずに前記直流電源を充電する場合の前記制御部は、前記不連続になる期間が発生しないときは前記ハイサイドスイッチをオン、前記ローサイドスイッチをオフに保持し、前記不連続になる期間が発生するときも前記ハイサイドスイッチをオン、前記ローサイドスイッチをオフに保持する。
この場合、直流電源充電時の電力変換装置への入力電力と指令値との差を縮小することができる。
(4)一方、他の観点からは、交流電路に接続された負荷と直流電源との間に設けられ、前記負荷とDCバスとの間に設けられたAC/DC変換部と、前記DCバスと前記直流電源との間に設けられ、直流リアクトル、並びに、前記直流リアクトルと前記DCバスの高電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するハイサイドスイッチ、及び、前記直流リアクトルと前記DCバスの低電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するローサイドスイッチ、を含むDC/DC変換部とを備える電力変換装置の制御方法である。この制御方法では、前記交流電圧に基づく交流電圧目標値の絶対値と前記直流電源電圧に基づく直流電圧目標値とを互いに比較し、その大小関係に基づいて、前記AC/DC変換部及び前記DC/DC変換部のいずれか一方を主体としたスイッチング動作により昇圧を行わせる期間と、他方を主体としたスイッチング動作により降圧を行わせる期間とが交互に出現する制御を実行し、かつ、前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの一方向にのみ通電経路を確保した状態では電流が不連続になる期間が発生する場合、少なくとも当該期間は、前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの双方向に通電経路を確保する。
このような電力変換装置の制御方法では、AC/DC変換部及びDC/DC変換部のいずれか一方により昇圧を行わせる期間と、他方により降圧を行わせる期間とが交互に出現することで、全体としてのスイッチング回数を低減する「最小スイッチング変換方式」を実行する。この場合、DC/DC変換部内の直流リアクトルに流れる電流が脈流になることがわかっている。脈流には、スイッチングによる高周波のインダクタリプルが含まれる。インダクタリプルを含む脈流が0に近づくと、インダクタリプルの振れ幅により電流値はマイナス領域に入ろうとする。ところが、ここで、DC/DC変換部内で直流リアクトルの一方向にのみ通電経路を確保した状態では、電流が不連続になる期間が発生することになる。電流が不連続になると、その本来の平均値を正確に検出することができない。そこで、この電力変換装置では、DC/DC変換部内で直流リアクトルの一方向にのみ通電経路を確保した状態では電流が不連続になる期間が発生する場合、少なくとも当該期間は、DC/DC変換部内で直流リアクトルの双方向に通電経路を確保する。これにより、一方向では不連続になりそうな電流(小電流)が直流リアクトルに流れるときは、直流リアクトル内で双方向の電流の流れが可能となる。その結果、出力電力の指令値が相対的に小さいときに、電力変換装置の出力電力と指令値との差を縮小することができる。
なお、上記(1)〜(4)について、交流電路には電力系統(商用電力系統)が接続され、また、直流電源は蓄電池であるとすれば、それぞれ以下の(5)〜(8)のようにも表現できる。
(5)これは、電力系統及び電力系統に接続された負荷と蓄電池との間に設けられる電力変換装置であって、前記電力系統の交流電圧を検出する電圧センサと、前記負荷とDCバスとの間に設けられたAC/DC変換部と、前記DCバスに接続されたコンデンサと、前記DCバスと前記蓄電池との間に設けられ、直流リアクトル、並びに、前記直流リアクトルと前記DCバスの高電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するハイサイドスイッチ、及び、前記直流リアクトルと前記DCバスの低電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するローサイドスイッチ、を含むDC/DC変換部と、前記直流リアクトルに流れる電流を検出する電流センサと、前記蓄電池の両端電圧を蓄電池電圧として検出する電圧センサと、制御部とを備えたものである。制御部は、前記交流電圧に基づく交流電圧目標値の絶対値と前記蓄電池電圧に基づく直流電圧目標値とを互いに比較し、その大小関係に基づいて、前記AC/DC変換部及び前記DC/DC変換部のいずれか一方を主体としたスイッチング動作により昇圧を行わせる期間と、他方を主体としたスイッチング動作により降圧を行わせる期間とが交互に出現する制御方式を実行し、かつ、前記直流リアクトルに所定値より大きい電流が流れるときは前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの一方向に通電経路を確保し、前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときは前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの双方向に通電経路を確保する。
なお、所定値より大きい電流が流れるとき、とは、不連続になる期間が発生しないときの一例であり、所定値より小さい電流が流れるとき、とは、不連続になる期間が発生するときの一例である。すなわち、所定値は、不連続になるかならないかの境界に設定すればよい。
このような電力変換装置では、AC/DC変換部及びDC/DC変換部のいずれか一方により昇圧を行わせる期間と、他方により降圧を行わせる期間とが交互に出現することで、全体としてのスイッチング回数を低減する。また、このような電力変換装置では、直流リアクトルに所定値より大きい電流が流れるときはDC/DC変換部内で直流リアクトルの一方向に通電経路を確保し、直流リアクトルに所定値より小さい電流が流れるときはDC/DC変換部内で直流リアクトルの双方向に通電経路を確保する。これにより、直流リアクトルに所定値より小さい電流が流れるときは、直流リアクトル内で双方向の電流の流れが可能となる。従って、所定値より小さい電流の符号が逆極性に転じて逆方向電流となっても、その電流は直流リアクトルに流れる。その結果、出力電力の指令値が小さいときに、電力変換装置の出力電力と指令値との差を縮小することができる。
(6)また、(5)の電力変換装置において、前記蓄電池を放電させ、前記DC/DC変換部を昇圧動作させる場合の前記制御部は、前記直流リアクトルに前記所定値より大きい電流が流れるときは前記ハイサイドスイッチをオフに保持して前記ローサイドスイッチを動作させ、前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときは前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを相補的に動作させ、
前記蓄電池を放電させ、前記DC/DC変換部を昇圧動作させない場合の前記制御部は、前記直流リアクトルに前記所定値より大きい電流が流れるときは前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを共にオフに保持し、前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときは前記ハイサイドスイッチをオン、前記ローサイドスイッチをオフに保持する。
この場合、蓄電池放電時の電力変換装置の出力電力と指令値との差を縮小することができる。
(7)また、(5)の電力変換装置において、前記DC/DC変換部を降圧動作させ、前記蓄電池を充電する場合の前記制御部は、前記直流リアクトルに前記所定値より大きい電流が流れるときは前記ローサイドスイッチをオフに保持して前記ハイサイドスイッチを動作させ、前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときは前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを相補的に動作させ、
前記DC/DC変換部を降圧動作させずに前記蓄電池を充電する場合の前記制御部は、前記直流リアクトルに前記所定値より大きい電流が流れるときは前記ハイサイドスイッチをオン、前記ローサイドスイッチをオフに保持し、前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときも前記ハイサイドスイッチをオン、前記ローサイドスイッチをオフに保持する。
この場合、蓄電池充電時の電力変換装置への入力電力と指令値との差を縮小することができる。
(8)一方、他の観点からは、電力系統及び電力系統に接続された負荷と蓄電池との間に設けられ、前記負荷とDCバスとの間に設けられたAC/DC変換部と、前記DCバスと前記蓄電池との間に設けられ、直流リアクトル、並びに、前記直流リアクトルと前記DCバスの高電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するハイサイドスイッチ、及び、前記直流リアクトルと前記DCバスの低電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するローサイドスイッチ、を含むDC/DC変換部とを備える電力変換装置の制御方法である。この制御方法では、前記交流電圧に基づく交流電圧目標値の絶対値と前記蓄電池電圧に基づく直流電圧目標値とを互いに比較し、その大小関係に基づいて、前記AC/DC変換部及び前記DC/DC変換部のいずれか一方を主体としたスイッチング動作により昇圧を行わせる期間と、他方を主体としたスイッチング動作により降圧を行わせる期間とが交互に出現する制御を実行し、かつ、前記直流リアクトルに所定値より大きい電流が流れるときは前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの一方向に通電経路を確保し、前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときは前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの双方向に通電経路を確保する。
このような電力変換装置の制御方法では、AC/DC変換部及びDC/DC変換部のいずれか一方により昇圧を行わせる期間と、他方により降圧を行わせる期間とが交互に出現することで、全体としてのスイッチング回数を低減する。また、このような制御方法では、直流リアクトルに所定値より大きい電流が流れるときはDC/DC変換部内で直流リアクトルの一方向に通電経路を確保し、直流リアクトルに所定値より小さい電流が流れるときはDC/DC変換部内で直流リアクトルの双方向に通電経路を確保する。これにより、直流リアクトルに所定値より小さい電流が流れるときは、直流リアクトル内で双方向の電流の流れが可能となる。従って、所定値より小さい電流の符号が逆極性に転じて逆方向電流となっても、その電流は直流リアクトルに流れる。その結果、出力電力の指令値が小さいときに、電力変換装置の出力電力と指令値との差を縮小することができる。
[実施形態の詳細]
<充放電システム>
図1は、本発明の一実施形態に係る電力変換装置を備えた充放電システムの一例を示す単線接続図である。図において、電力変換装置1の一端には直流電源2が接続され、他端には交流電路3が接続されている。直流電源2は例えば蓄電池である(以下、蓄電池2という。)。この充放電システムは、交流電路3から供給される交流電力を電力変換装置1により直流電力に変換し、蓄電池2に充電する運転を行う。また、その逆に、蓄電池2を放電させて、その直流電力を電力変換装置1により交流電力に変換し、交流電路3に給電することができる。
電力変換装置1は、主な構成要素として、蓄電池2側に設けられたDC/DC変換部10と、交流電路3側に設けられたAC/DC変換部11と、これら2つの変換部の動作を制御する制御部12とを備えている。
制御部12は例えば、コンピュータを含み、ソフトウェア(コンピュータプログラム)をコンピュータが実行することで、2つの変換部(10,11)に対して必要な制御機能を実現する。ソフトウェアは、制御部12の記憶装置(図示せず。)に格納される。但し、コンピュータを含まないハードウェアのみの回路で制御部12を構成することも可能ではある。
<電力変換装置>
《回路構成》
図2は、電力変換装置1の詳細な回路図の一例である。
図において、電力変換装置1は、蓄電池2と、交流電路3との間に設けられている。交流電路3には、需要家の負荷3L及び、負荷3Lに接続された電力系統(商用電力系統)3Sが含まれている。DC/DC変換部10の低電位側(図の左側)には、電圧センサ14、電流センサ17、及び、平滑用のコンデンサ15が設けられている。電圧センサ14は蓄電池2と並列接続され、蓄電池2の両端電圧を検出する。検出された電圧の情報は、制御部12に提供される。電流センサ17は、DC/DC変換部10の直流リアクトル16に流れる電流を検出する。検出された電流の情報は、制御部12に提供される。
DC/DC変換部10は、直流リアクトル16と、スイッチング素子Q1と、スイッチング素子Q2とを備え、直流チョッパ回路を構成している。各スイッチング素子Q1,Q2としては、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)を使用することができる。MOSFETのスイッチング素子Q1,Q2はそれぞれ、並列に、ダイオード(ボディダイオード)d1,d2を有している。各スイッチング素子Q1,Q2は、制御部12により制御される。
以下、DC/DC変換部10内にあるアーム内上側のスイッチング素子Q1をハイサイドスイッチQ1、アーム内下側のスイッチング素子Q2をローサイドスイッチQ2と称する。
AC/DC変換部11とDC/DC変換部10とを繋ぐDCバス18には、平滑用のコンデンサ19が接続されている。このコンデンサ19は、小容量(μFレベル)であり、高周波(例えば20kHz)でスイッチングされた電圧に対して平滑作用を発揮するが、商用周波数の2倍程度の周波数(100Hz又は120Hz)で変化する電圧に対しては平滑作用を発揮しない。
AC/DC変換部11は、フルブリッジ回路を構成するスイッチング素子Q3〜Q6を備えている。これらスイッチング素子Q3〜Q6は、例えば、MOSFETである。MOSFETの場合は、スイッチング素子Q3〜Q6がそれぞれ、ダイオード(ボディダイオード)d3〜d6を有している。各スイッチング素子Q3〜Q6は、制御部12により制御される。
AC/DC変換部11と交流電路3との間には、フィルタ回路21が設けられている。フィルタ回路21は、交流リアクトル22と、交流リアクトル22より交流電路3側(図の右側)に設けられた平滑用のコンデンサ23とを備えている。フィルタ回路21は、AC/DC変換部11で発生する高周波ノイズが交流電路3側へ漏れ出ないように、通過を阻止している。また、交流リアクトル22に流れる電流を検出する電流センサ24が設けられている。電流センサ24によって検出された電流の情報は、制御部12に提供される。
また、コンデンサ23、負荷4、電力系統3Sと並列に、電圧センサ25が設けられている。一方、電流センサ26は、負荷3Lと電力変換装置1とを接続する電路に設けられている。電圧センサ25によって検出された電圧の情報、及び、電流センサ26によって検出された電流の情報は、それぞれ、制御部12に提供される。
《充放電動作の概要》
上記のように構成された電力変換装置1は、電力系統3Sの電力により、蓄電池2を充電する動作、及び、蓄電池2の放電電力により、負荷3Lに電力を供給する動作、の双方向動作が可能である。充電・放電いずれの場合も、交流1/2サイクルの間に、AC/DC変換部11及びDC/DC変換部10が交代でスイッチング動作する。
蓄電池2を充電する場合、AC/DC変換部11が交流リアクトル22と協働して昇圧を行い、DC/DC変換部10は、電圧・電流を単に通過させるだけの「スルー」機能を発揮する状態と、AC/DC変換部11が単に整流のみを行い、DC/DC変換部10は、降圧を行う状態とがある。なお、AC/DC変換部11が昇圧を行う場合の交流リアクトル22は、AC/DC変換部11の一部である。
一方、蓄電池2を放電させる場合には、DC/DC変換部10が昇圧を行い、AC/DC変換部11は周期的な極性反転のみを行う状態と、DC/DC変換部10は「スルー」機能を発揮して、AC/DC変換部11が降圧のインバータ機能(極性反転も含む。)を発揮する状態と、がある。
《電圧波形図で見た充電動作》
図3は、上記のように構成された電力変換装置1が、例えば、蓄電池2の充電中である場合の動作を概念的に示した電圧波形の図である。
(a)は、交流電圧目標値Vinv*の絶対値(ピーク値約141V,実効値約100V)、及び、直流電圧目標値Vg’(約48V)を示す。交流電圧目標値Vinv*とは、交流電圧Vaに基づいて、理想的にはこれよりも数度位相が遅れた状態を狙った、充電動作時におけるAC/DC変換部11の入力端での電圧となるべき値である。交流リアクトル22のインピーダンスを無視すれば、Vinv*=Vaである。直流電圧目標値Vg’とは、蓄電池電圧Vgに直流リアクトル16の電圧降下を考慮した値である。直流リアクトル16のインピーダンスを無視すれば、Vg’=Vgである。
なお、ここで言う電圧値は一例に過ぎない。制御部12は、これら2つの電圧を比較し、比較結果に基づいてAC/DC変換部11及びDC/DC変換部10を制御する。
ここで、
(α)時刻t0〜t1,t2〜t3,t4〜t5の期間では、交流電圧目標値Vinv*の絶対値が直流電圧目標値Vg’より小さくなる(又はVg’以下になる)。
(β)また、例えば、時刻t1〜t2,t3〜t4の期間では、交流電圧目標値Vinv*の絶対値が直流電圧目標値Vg’以上となる(又は、Vg’より大きくなる)。
そこで、(α)か(β)かの場合分けにより、主にスイッチング動作する変換部を交代させる。
なお、Vg’=|Vinv*|の場合は、(α)、(β)のいずれか一方に含めればよいので、以下、交流電圧目標値Vinv*の絶対値が直流電圧目標値Vg’より小さい場合と、交流電圧目標値Vinv*の絶対値が直流電圧目標値Vg’より大きい場合とに着目して説明する。
まず、(b)に示すように、交流電圧目標値Vinv*の絶対値が直流電圧目標値Vg’より小さい期間(t0〜t1,t2〜t3,t4〜t5)では、制御部12は、AC/DC変換部11をスイッチング動作させ、交流リアクトル22との協働による昇圧を行わせる。なお、ここで言うスイッチングとは、例えば20kHz程度の高周波スイッチングを意味し、同期整流を行う程度(商用周波数の2倍)の低周波なスイッチングのことではない(以下同様)。
一方、これらの期間(t0〜t1,t2〜t3,t4〜t5)においてDC/DC変換部10はローサイドスイッチQ2がオフ、ハイサイドスイッチQ1がオンの状態となり、電圧・電流をそのままスルー(通過)させる状態となっている。なお、(b)に示す縦縞模様は、実際にはPWM(Pulse Width Modulation)パルス列であり、直流電圧目標値Vg’まで昇圧させるための電位差に応じてデューティが異なる。この結果、DCバス18に現れる電圧は、(c)に示すような波形となる。
また、交流電圧目標値Vinv*の絶対値が直流電圧目標値Vg’より大きい期間(t1〜t2,t3〜t4)では、制御部12は、AC/DC変換部11のスイッチング動作を停止させ、代わりに、DC/DC変換部10をスイッチング動作させ、降圧を行わせる。スイッチング動作を停止したAC/DC変換部11は、ダイオードd1〜d4による全波整流を行う状態となる。
(d)に示す縦縞模様は、実際にはPWMパルス列であり、交流電圧目標値Vinv*の絶対値と直流電圧目標値Vg’との電位差に応じてデューティが異なる。降圧の結果、(e)に示す所望の直流電圧目標値Vg’が得られ、これにより、蓄電池2を充電することができる。
以上のように、AC/DC変換部11とDC/DC変換部10とが、交互にスイッチング動作し、一方がスイッチング動作するときは他方はスイッチング動作を停止している。すなわちAC/DC変換部11及びDC/DC変換部10のそれぞれに、スイッチング動作の停止期間が生じる。こうして、2つの変換部が常にスイッチング動作する制御方式と比べて、この制御方式では、電力変換装置1全体としてのスイッチング損失を大幅に低減することができる。
《充電時の制御の仕様》
ここで、電力変換装置1における諸量を、以下のように定義する。
Ia*:電力系統3Sからの電流目標値
Iin:DC/DC変換部10の直流電流検出値(電流センサ17)
Iin*:DC/DC変換部10の電流目標値
Iinv*:AC/DC変換部11の交流電流目標値
Ig*:蓄電池2の直流電流目標値
Ic:コンデンサ19に流れる電流
Ica:コンデンサ23に流れる電流
Va:交流電圧
Vg:蓄電池電圧
Vinv*:AC/DC変換部11の交流電圧目標値
Vo*:DC/DC変換部10のDCバス18側での電圧目標値
Pin:蓄電池2への入力電力
LOSS:電力変換装置1の電力損失
η:電力変換装置1の電力変換効率
蓄電池2への入力電力Pinの平均値〈Pin〉は、
〈Pin〉=〈Iin×Vg〉 ・・・(1)
である。なお、記号〈 〉は、平均値を表すものとする(以下同様)。
また、電力系統3Sからの電流目標値の平均値〈Ia*〉は、
〈Ia*〉=〈Ig*×Vg〉/(η×〈Va〉) ・・・(2)
である。ここで、ηは、電力変換装置1の変換効率を表す定数である。
また、電流目標値Ia*は、
Ia*=(21/2)×〈Ia*〉×sinωt ・・・(3)
である。
一方、AC/DC変換部11に対する交流電流目標値Iinv*は、コンデンサ23のキャパシタンスCaを考慮して、
Iinv*=Ia* − s CaVa ・・・(4)
である。ここで、「s」は、ラプラス演算子である(以下同様。)。
また、交流電圧目標値Vinv*は、交流リアクトル22のインピーダンスをZaとすると、
Vinv*=Va−Za Iinv* ・・・(5)
である。
また、DC/DC変換部10への入力電圧目標値Vo*は、
Vo*=Max(Vg+Z Iin,Vinv*の絶対値) ・・・(6)
とすることができる。なお、「Max」は、( )内の大きい方を表す。Zは、直流リアクトル16のインピーダンスである。ここで、(Vg+Z Iin)は、前述の直流電圧目標値Vg’である。
また、DC/DC変換部電流目標値Iin*は、
Iin*=
{(Iinv*×Vinv*)−(s C Vo*)×Vo*} /
(Vg+ZIin) ・・・(7)
である。
なお、コンデンサ19の静電容量C及び電力損失PLOSSが、(Iinv*×Vinv*)に比べて十分小さい場合、下記式(8)が成立する。この式(8)によって求まるIin*を式(6)、(7)の右辺に含まれるIinとして用いることができる。
Iin*=(Iinv*×Vinv*)/Vg ・・・(8)
以上のようにして、制御部12は、AC/DC変換部11への交流電圧目標値Vinv*の絶対値が、直流電圧目標値(Vg+Z Iin)よりも高い部分の電圧を出力する際には、DC/DC変換部10を動作させ、また、AC/DC変換部11への交流電圧目標値Vinv*の絶対値が、直流電圧目標値(Vg+Z Iin)よりも低い部分の電圧を出力する際にはAC/DC変換部11を動作させるように制御を行う。こうして、AC/DC変換部11及びDC/DC変換部10のスイッチング損失を低減し、より高効率で直流電力を出力することができる。
さらに、DC/DC変換部10及びAC/DC変換部11は、ともに制御部12が設定した目標値に基づいて動作するため、両回路の高周波スイッチング期間が交互に切り替わるように動作を行っても、AC/DC変換部11に入力される交流電流に位相ずれや歪みが生じるのを抑制することができる。
《電圧波形図で見た放電動作》
図4は、電力変換装置1が、蓄電池2を放電させている場合の動作を概念的に示した電圧波形の図である。
(a)は、交流電圧目標値Vinv*の絶対値(ピーク値約141V,実効値約100V)、及び、直流電圧目標値Vg’(約48V)を示す。交流電圧目標値Vinv*とは、交流電圧Vaに基づいて、理想的にはこれよりも数度位相が進んだ状態を狙った、放電動作時におけるAC/DC変換部11の出力端での電圧となるべき値である。交流リアクトル22のインピーダンスを無視すれば、Vinv*=Vaである。直流電圧目標値Vg’とは、蓄電池電圧Vgに直流リアクトル16の電圧降下を考慮した値である。直流リアクトル16のインピーダンスを無視すれば、Vg’=Vgである。
なお、ここで言う電圧値は一例に過ぎない。制御部12は、これら2つの電圧を比較し、比較結果に基づいてAC/DC変換部11及びDC/DC変換部10を制御する。
まず、交流電圧目標値Vinv*の絶対値が直流電圧目標値Vg’より大きい期間(t1〜t2,t3〜t4)では、制御部12は、DC/DC変換部10をスイッチング動作させ、昇圧を行わせる(図4の(b))。この結果、DCバス18には(c)に示す電圧が現れる。
一方、交流電圧目標値Vinv*の絶対値が直流電圧目標値Vg’より小さい期間(t0〜t1,t2〜t3,t4〜t5)では、制御部12は、AC/DC変換部11をインバータとしてスイッチング動作させ、降圧を行わせる(図4の(d))。また、このスイッチング動作とは別に、AC/DC変換部11は、電力系統3Sの周波数の2倍に相当する周波数(例えば100Hz)の周期ごとに通電の極性を反転させる。このスイッチング動作は、例えば20kHzのスイッチング動作と比べると極めて低速である。一方、AC/DC変換部11がスイッチング動作を行っている間(t0〜t1,t2〜t3,t4〜t5)、DC/DC変換部10では、ハイサイドスイッチQ1,ローサイドスイッチQ2が共にオフの状態となり、ダイオードd1を通して電圧・電流をそのままスルー(通過)させる状態となっている。
この結果、(e)に示す所望の交流波形が得られる。
《放電時の制御の仕様》
ここで、充電時と同様に、電力変換装置1における諸量を、以下のように定義する。
Ia*:交流電路3への電流目標値
Iin:DC/DC変換部10の直流電流検出値(電流センサ17)
Iin*:DC/DC変換部10の電流目標値
Iinv*:AC/DC変換部11の交流電流目標値
Ig*:蓄電池2の直流電流目標値
Ic:コンデンサ19に流れる電流
Ica:コンデンサ23に流れる電流
Va:交流電圧
Vg:蓄電池電圧
Vinv*:AC/DC変換部11の交流電圧目標値
Vo*:DC/DC変換部10のDCバス18側での電圧目標値
Pin:蓄電池2からの出力電力(逆の入力電力)
LOSS:電力変換装置1の電力損失
η:電力変換装置1の電力変換効率
蓄電池2からの出力電力Pinの平均値〈Pin〉は、
〈Pin〉=〈Iin×Vg〉 ・・・(1’)
また、交流電路3への電流目標値の平均値〈Ia*〉は、
〈Ia*〉=〈Ig*×Vg〉/(η×〈Va〉) ・・・(2’)
である。ここで、ηは、電力変換装置1の変換効率を表す定数である。
また、電流目標値Ia*は、
Ia*=(21/2)×〈Ia*〉×sinωt ・・・(3’)
である。
一方、AC/DC変換部11に対する交流電流目標値Iinv*は、コンデンサ23のキャパシタンスCaを考慮して、
Iinv*=Ia* + s CaVa ・・・(4’)
である。
また、交流電圧目標値Vinv*は、交流リアクトル22のインピーダンスをZaとすると、
Vinv*=Va+Za Iinv* ・・・(5’)
である。
また、DC/DC変換部10への入力電圧目標値Vo*は、
Vo*=Max(Vg−Z Iin,Vinv*の絶対値) ・・・(6’)
とすることができる。なお、「Max」は、( )内の大きい方を表す。Zは、直流リアクトル16のインピーダンスである。ここで、(Vg−Z Iin)は、直流電圧目標値Vg’である。
また、DC/DC変換部電流目標値Iin*は、
Iin*=
{(Iinv*×Vinv*)+(s C Vo*)×Vo*} /
(Vg−ZIin) ・・・(7’)
である。
なお、コンデンサ19の静電容量C及び電力損失PLOSSが、(Iinv*×Vinv*)に比べて十分小さい場合、下記式(8’)が成立する。この式(8’)によって求まるIin*を式(6’)、(7’)の右辺に含まれるIinとして用いることができる。
Iin*=(Iinv*×Vinv*)/Vg ・・・(8’)
以上のようにして、制御部12は、AC/DC変換部11の交流電圧目標値Vinv*の絶対値が、直流電圧目標値(Vg−Z Iin)よりも高い部分の電圧を出力する際には、DC/DC変換部10を動作させ、また、AC/DC変換部11の交流電圧目標値Vinv*の絶対値が、直流電圧(Vg−Z Iin)よりも低い部分の電圧を出力する際にはAC/DC変換部11を動作させるように制御を行う。こうして、AC/DC変換部11及びDC/DC変換部10のスイッチング損失を低減し、より高効率で直流電力を出力することができる。
さらに、DC/DC変換部10及びAC/DC変換部11は、ともに制御部12が設定した目標値に基づいて動作するため、両回路の高周波スイッチング期間が交互に切り替わるように動作を行っても、AC/DC変換部11から出力される交流電流に位相ずれや歪みが生じるのを抑制することができる。
《制御の特徴》
上記のような制御(充電・放電)は、DC/DC変換部10及びAC/DC変換部11を常時スイッチング動作させず、交互に休止時間を作ることで全体としてスイッチングを減らす、いわば「最小スイッチング変換方式」である。このような電力変換装置1では、AC/DC変換部11及びDC/DC変換部10のいずれか一方により昇圧を行わせる期間と、他方により降圧を行わせる期間とが交互に出現することで、全体としてのスイッチング回数を低減する。これにより、電力変換装置1としてのスイッチング損失を低減し、電力変換の効率を高めることができる。
なお、上記のような最小スイッチング変換方式での制御を行うと、例えば蓄電池2を放電させる際に直流リアクトル16に流れる電流は、脈流になることがわかっている。この脈流の脈動周期は、電力系統3Sの周期の1/2である。すなわち、直流リアクトル16に流れる電流は脈流であり、1周期ごとに0になる。直流リアクトル16に流れる脈流が0になるタイミングは、交流電流のゼロクロスと同じタイミングである。なお、蓄電池2を充電する際に直流リアクトル16に流れる電流も、同様に、脈流になることがわかっている。
以下、この脈流を考慮したDC/DC変換部10の制御に関して具体的に説明する。
《DC/DC変換部の付加的制御》
次に、DC/DC変換部10についての付加的な制御について説明する。
DC/DC変換部10のスイッチング方式としては、一般に、以下の方式がある。なお、以下の(i)、(ii)の方式は、参考例であり、実施形態ではない。
(i)一方がオフのスイッチング方式
昇圧動作時は、ハイサイドスイッチQ1がオフに保持され、ローサイドスイッチQ2がPWM制御によりオン・オフを繰り返す。
降圧動作時は、ローサイドスイッチQ2がオフに保持され、ハイサイドスイッチQ1がPWM制御によりオン・オフを繰り返す。
(ii)常時相補スイッチング方式
昇圧動作・降圧動作共に、2つのスイッチQ1,Q2がPWM制御によりオン・オフを繰り返し、ハイサイドスイッチQ1がオンのときローサイドスイッチQ2がオフ、ハイサイドスイッチQ1がオフのときローサイドスイッチQ2がオン、となる常時相補動作を行う。
本実施形態では、条件に応じて上記(i)、(ii)を切り替えるスイッチングを行う。これを、以下、切り替え方式と称する。
具体的には、制御部12の制御により、直流リアクトル16に所定値より大きい電流が流れるときはDC/DC変換部10内で直流リアクトル16の一方向に通電経路を確保する。一方、直流リアクトル16に所定値より小さい電流が流れるときはDC/DC変換部10内で直流リアクトル16の双方向に通電経路を確保する。通電経路には、ハイサイドスイッチQ1及びその並列ダイオードd1、並びに、ローサイドスイッチQ2が関与する。なお、所定値より大きい電流が流れるとき、とは、直流リアクトル16に流れる電流が不連続になる期間が発生しないときの一例であり、所定値より小さい電流が流れるとき、とは、不連続になる期間が発生するときの一例である。すなわち、所定値は、不連続になるかならないかの境界に設定すればよい。
上記の一方向とは、例えば蓄電池2を放電させるときは図2の直流リアクトル16を右方向に抜ける電流の方向である。直流リアクトル16に所定値より小さい電流が流れるときは電流が逆極性(逆方向電流)となる場合があるが、直流リアクトル16の双方向に通電経路を確保することで、逆方向の電流も流せる。このように、逆方向の電流を阻止しないことによって、出力電力の指令値(Vinv*×Iinv*)と実際の出力電力との差を縮めることができるという知見が得られた。
上記知見について詳しく説明すると、直流リアクトル16に流れる電流は脈流であり、1周期ごとに0になる。直流リアクトル16に流れる脈流が0になるタイミングは、交流電圧・交流電流のゼロクロスと同じタイミングである。最小スイッチング変換方式では、ゼロクロス及びその前後の近傍で高周波スイッチングを行うのは、AC/DC変換部11である。但し、直流電源側の電圧によっては、DC/DC変換部10も、ゼロクロス近傍の位相でスイッチング動作する。
直流リアクトル16に流れる脈流には、スイッチングによる高周波のインダクタリプルが含まれる。インダクタリプルを含む脈流が0に近づくと、インダクタリプルの振れ幅により電流値はマイナス領域に入ろうとする。ところが、その場合、DC/DC変換部10内で直流リアクトル16の一方向にのみ通電経路を確保した状態では、電流が不連続になる期間が発生することになる。電流が不連続になると、その本来の平均値を正確に検出することができない。そこで、この電力変換装置1では、DC/DC変換部10内で直流リアクトル16の一方向にのみ通電経路を確保した状態では電流が不連続になる期間が発生する場合、少なくとも当該期間は、DC/DC変換部10内で直流リアクトル16の双方向に通電経路を確保する。これにより、一方向では不連続になりそうな電流(小電流)が直流リアクトル16に流れるときは、直流リアクトル16内で双方向の電流の流れが可能となる。その結果、出力電力の指令値が相対的に小さいときに、電力変換装置の出力電力と指令値との差を縮小することができると考えられる。
例えば、直流リアクトル16に流れる電流が大きい場合(例えば10A)は、脈流の振幅が大きく、高周波のインダクタリプルが0レベルから十分に高い電流域で振れているため、電流が逆極性に振れることは無いか又は、僅かに逆極性に振れたとしても電流の検出値に大きな影響は無い。従って、電流センサ17は、精度良く、電流を検出することができる。その結果、制御の精度も良くなると考えられる。
一方、直流リアクトル16に流れる電流が小さい場合(例えば1A)は、脈流の振幅が小さく、高周波のインダクタリプルが0レベルに近いところで振れるため、電流が逆極性にも振れようとする場合がある。その場合、逆極性に振れようとする電流を上記(i)のように遮断してしまうと、電流センサ17は逆極性に振れようとしたときの本来の電流を検出できず、結果的に不連続な波形をサンプリングして検出することになる。そのため、検出値は正確さを欠く。
逆方向への通電を確保するためには、常時相補的にスイッチング素子Q1をオンにすることが考えられる。しかし、その場合、スイッチング損失を低減しようとする最小スイッチング変換方式の利点を減殺する。
そこで、必要な場合にのみ、相補的スイッチングを行う切り替え方式が好適であるとの結論に至った。
具体的には、蓄電池2を放電させ、DC/DC変換部10を昇圧動作させる場合の制御部12は、直流リアクトル16に所定値より大きい電流が流れるときはハイサイドスイッチQ1をオフに保持してローサイドスイッチQ2を動作させ、直流リアクトル16に所定値より小さい電流が流れるときはハイサイドスイッチQ1及びローサイドスイッチQ2を相補的に動作させる。
また、蓄電池2を放電させ、DC/DC変換部10を昇圧動作させない場合の制御部12は、直流リアクトル16に所定値より大きい電流が流れるときはハイサイドスイッチQ1及びローサイドスイッチQ2を共にオフに保持し、直流リアクトル16に所定値より小さい電流が流れるときはハイサイドスイッチQ1をオン、ローサイドスイッチQ2をオフに保持する。
この場合、蓄電池放電時の電力変換装置1の出力電力と指令値との差を縮小することができる。
さらに、DC/DC変換部10を降圧動作させ、蓄電池2を充電する場合の制御部12は、直流リアクトル16に所定値より大きい電流が流れるときはローサイドスイッチQ2をオフに保持してハイサイドスイッチQ1を動作させ、直流リアクトル16に所定値より小さい電流が流れるときはハイサイドスイッチQ1及びローサイドスイッチQ2を相補的に動作させる。
また、DC/DC変換部10を降圧動作させずに蓄電池2を充電する場合の制御部12は、直流リアクトル16に所定値より大きい電流が流れるときはハイサイドスイッチQ1をオン、ローサイドスイッチQ2をオフに保持し、直流リアクトル16に所定値より小さい電流が流れるときもハイサイドスイッチQ1をオン、ローサイドスイッチQ2をオフに保持する。
この場合、蓄電池充電時の電力変換装置1への入力電力と指令値との差を縮小することができる。
《検証》
図5は、電力変換装置1を含む計測システムの概略構成を示す図である。この計測システムにより、例えば蓄電池2を放電させる場合の、指令値と出力電力との関係を調べることができる。図において、電力変換装置1は、その出力電力(例えば1kW)が負荷3L(1kW)で全て消費され電力系統3Sに逆潮流させないよう、制御されている。計測ユニット6は、電流センサ5による電流検出に基づいて逆潮流を監視している。計測ユニット6は、電力変換装置1と、通信線を介して通信し、計測データを取得すると共に、出力電力を指令することができる。計測ユニット6への運転指令は、パソコン7から近距離無線通信等で与えることができる。蓄電池2の充電時は、電流が逆方向となり、電力系統3Sから電力変換装置1を介して充電が行われる。
電力変換装置1に対する出力電力の指令値をマイナス(充電)からプラス(放電)へ直線的に変化させ、実際の出力電力の測定値を調べた結果、大電力では指令値と測定値と良く近似するが、小電力の場合、指令値と測定値との差が大きくなる傾向が見られた。
図6は、前述の(i)すなわち、一方がオフのスイッチング方式で、出力電力の指令値を2000W、出力電流目標値10Aとしたときのシミュレーション結果を示すグラフである。(a)は、出力電流(50Hz,周期0.02秒)、(b)は直流リアクトル16に流れる電流、(c)はローサイドスイッチQ2のゲート信号、(d)はハイサイドスイッチQ1のゲート信号を、それぞれ示している。一方がオフのスイッチング方式のため、(d)に示すように、ハイサイドスイッチQ1はオフを保持している。
この場合の出力電力(平均)は、2008Wであった。
図7は、前述の(ii)すなわち、常時相補スイッチング方式で、出力電力の指令値を2000W、出力電流目標値10Aとしたときのシミュレーション結果を示すグラフである。(a)は、出力電流(50Hz,周期0.02秒)、(b)は直流リアクトル16に流れる電流、(c)はローサイドスイッチQ2のゲート信号、(d)はハイサイドスイッチQ1のゲート信号を、それぞれ示している。常時相補スイッチング方式のため、(c)、(d)は互いに1/0が反転したものとなる。
この場合の出力電力(平均)は、2009Wであった。
そして、図8は、本実施形態の、切り替え方式で、出力電力の指令値を2000W、出力電流目標値10A、直流リアクトル16の電流の「所定値」を1Aとしたときのシミュレーション結果を示すグラフである。(a)は、出力電流(50Hz,周期0.02秒)、(b)は直流リアクトル16に流れる電流、(c)はローサイドスイッチQ2のゲート信号、(d)はハイサイドスイッチQ1のゲート信号を、それぞれ示している。ローサイドスイッチQ2がスイッチング動作を行っている期間は、直流リアクトル16の電流が1Aより大きいため、ハイサイドスイッチQ1はオフを保持している。DC/DC変換部10がスイッチング動作を停止している期間に直流リアクトル16に流れる電流が1Aより小さくなると、ハイサイドスイッチQ1がオンになる。
この場合の出力電力(平均)は、2009Wであった。
図9及び図12は、前述の(i)すなわち、一方がオフのスイッチング方式で、出力電力の指令値を200W、出力電流目標値1Aとしたときのシミュレーション結果を示すグラフである。図12は、図9における縦軸の電流値のスケールを拡大した図である。図9(又は図12)において、(a)は、出力電流(50Hz,周期0.02秒)、(b)は直流リアクトル16に流れる電流、(c)はローサイドスイッチQ2のゲート信号、(d)はハイサイドスイッチQ1のゲート信号を、それぞれ示している。一方がオフのスイッチング方式のため、(d)に示すように、ハイサイドスイッチQ1はオフを保持している。ここで、注目すべきは、(b)に示す電流が、スイッチング動作中に、0に張り付いている(マイナスになれないため0になっている)箇所がある点である。すなわち、電流の波形は不連続になっている。
この場合の出力電力(平均)は、392Wであった。
図10及び図13は、前述の(ii)すなわち、常時相補スイッチング方式で、出力電力の指令値を200W、出力電流目標値1Aとしたときのシミュレーション結果を示すグラフである。図13は、図10における縦軸の電流値のスケールを拡大した図である。図10(又は図13)において、(a)は、出力電流(50Hz,周期0.02秒)、(b)は直流リアクトル16に流れる電流、(c)はローサイドスイッチQ2のゲート信号、(d)はハイサイドスイッチQ1のゲート信号を、それぞれ示している。常時相補スイッチング方式のため、(c)、(d)は互いに1/0が反転したものとなる。(b)に示すように、電流はマイナスの領域に入り込んでいる。すなわち、図9のように、0に張り付いてはいない(波形は連続している。)。
この場合の出力電力(平均)は、361Wであった。
そして、図11及び図14は、本実施形態の、切り替え方式で、出力電力の指令値を200W、出力電流目標値1A、直流リアクトル16の電流の「所定値」を1Aとしたときのシミュレーション結果を示すグラフである。図14は、図11における縦軸の電流値のスケールを拡大した図である。図11(又は図14)において、(a)は、出力電流(50Hz,周期0.02秒)、(b)は直流リアクトル16に流れる電流、(c)はローサイドスイッチQ2のゲート信号、(d)はハイサイドスイッチQ1のゲート信号を、それぞれ示している。ローサイドスイッチQ2がスイッチング動作を行っている期間のうち、直流リアクトル16の電流が1Aより大きいときは、ハイサイドスイッチQ1はオフを保持しているが、電流が1Aより小さくなると、ハイサイドスイッチQ1がローサイドスイッチQ2と相補的にスイッチング動作を行う。また、DC/DC変換部10がスイッチング動作を停止している期間で直流リアクトル16に流れる電流が1Aより小さいときは、ハイサイドスイッチQ1がオン保持になる。すなわち、ここでも、ハイサイドスイッチQ1がローサイドスイッチQ2と相補的に動作している。(b)に示すように、電流はマイナスの領域に入り込んでいる。すなわち、図9のように、0に張り付いてはいない(波形は連続している。)。
この場合の出力電力(平均)は、361Wであった。
《検証のまとめ》
電力の指令値が2000Wという大電力の指令値の際は、3方式ともに、2008W若しくは2009Wという指令値に近い値が出ている。一方、電力の指令値が200Wという小電力の指令値の際は、3方式とも誤差が出るが、(i)の方式に比べて、常時相補スイッチング方式及び、本実施形態の切り替え方式は、誤差が小さくなり、指令値に近づいている。常時相補スイッチング方式と、本実施形態の切り替え方式とでは、数値に差が無いが、図10の(d)と図11の(d)との比較によっても明らかなように、本実施形態の切り替え方式は、スイッチング回数が少ない。従って、常時相補スイッチング方式よりもスイッチング損失が低減され、駆動電力が低減される。
このように、本実施形態の電力変換装置1及びその制御方法によれば、最小スイッチング変換方式による高効率を実現しつつ、電力を指令値に近づけることができる。また、電力を指令値に近づけるためのスイッチング損失は、常時相補スイッチング方式より少ない。但し、高効率を最優先しない場合には、常時相補スイッチング方式を行うことも、排除しない。
《その他》
なお、上記実施形態では、直流電源2は蓄電池であるとして説明したが、直流電源2は蓄電池以外であってもよい。例えば、直流電源が太陽光発電パネルであってもよい。その場合、電力変換装置1は、充電方向への変換動作をすることはできないが、太陽光発電パネルの出力を交流に変換して負荷3Lに供給し、また、負荷3Lに供給してもなお余る電力は、電力系統3と系統連系して売電することができる。そして、この場合も、上述の切り替え方式により、電力変換の制御精度を高めることができる。なお、直流リアクトル16の双方向通電を確保した場合、太陽光発電パネル自体には電流の流入はないが、この場合の電流は、コンデンサ15に流すことができる。
また、上記実施形態では、電力系統3Sを含む交流電路3に接続されている電力変換装置1を示したが、これに限らず、電力系統3Sとは接続されていない自立電源システムに用いる電力変換装置1であってもよい。
《補記》
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 電力変換装置
2 直流電源(例えば蓄電池)
3 交流電路
3L 負荷
3S 電力系統
5 電流センサ
6 計測ユニット
7 パソコン
10 DC/DC変換部
11 AC/DC変換部
12 制御部
14 電圧センサ
15 コンデンサ
16 直流リアクトル
17 電流センサ
18 DCバス
21 フィルタ回路
22 交流リアクトル
23 コンデンサ
24 電流センサ
25 電圧センサ
26 電流センサ
d1〜d6 ダイオード
Q1 スイッチング素子/ハイサイドスイッチ
Q2 スイッチング素子/ローサイドスイッチ
Q3〜Q6 スイッチング素子

Claims (8)

  1. 交流電路に接続された負荷と直流電源との間に設けられる電力変換装置であって、
    前記交流電路の交流電圧を検出する電圧センサと、
    前記負荷とDCバスとの間に設けられたAC/DC変換部と、
    前記DCバスに接続されたコンデンサと、
    前記DCバスと前記直流電源との間に設けられ、直流リアクトル、並びに、前記直流リアクトルと前記DCバスの高電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するハイサイドスイッチ、及び、前記直流リアクトルと前記DCバスの低電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するローサイドスイッチ、を含むDC/DC変換部と、
    前記直流リアクトルに流れる電流を検出する電流センサと、
    前記直流電源の両端電圧を直流電源電圧として検出する電圧センサと、
    前記交流電圧に基づく交流電圧目標値の絶対値と前記直流電源電圧に基づく直流電圧目標値とを互いに比較し、その大小関係に基づいて、前記AC/DC変換部及び前記DC/DC変換部のいずれか一方のみのスイッチング動作により昇圧を行わせる期間と、他方のみのスイッチング動作により降圧を行わせる期間とが交互に出現する制御方式を実行する制御部と、を備え、
    前記制御方式により前記DC/DC変換部がスイッチング動作を休止すべき期間であっても前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの一方向にのみ通電経路を確保した状態では電流が不連続になる期間が発生する場合、当該期間は、前記制御部は、前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの双方向に通電経路を確保し、
    前記直流電源から出力させ、前記DC/DC変換部を昇圧動作させる場合の前記制御部は、前記不連続になる期間が発生しないときは前記ハイサイドスイッチをオフに保持して前記ローサイドスイッチを動作させ、前記不連続になる期間が発生するときは前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを相補的に動作させ、
    前記直流電源から出力させ、前記DC/DC変換部を昇圧動作させない場合の前記制御部は、前記不連続になる期間が発生しないときは前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを共にオフに保持し、前記不連続になる期間が発生するときは前記ハイサイドスイッチをオン、前記ローサイドスイッチをオフに保持する、電力変換装置。
  2. 交流電路に接続された負荷と直流電源との間に設けられる電力変換装置であって、
    前記交流電路の交流電圧を検出する電圧センサと、
    前記負荷とDCバスとの間に設けられたAC/DC変換部と、
    前記DCバスに接続されたコンデンサと、
    前記DCバスと前記直流電源との間に設けられ、直流リアクトル、並びに、前記直流リアクトルと前記DCバスの高電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するハイサイドスイッチ、及び、前記直流リアクトルと前記DCバスの低電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するローサイドスイッチ、を含むDC/DC変換部と、
    前記直流リアクトルに流れる電流を検出する電流センサと、
    前記直流電源の両端電圧を直流電源電圧として検出する電圧センサと、
    前記交流電圧に基づく交流電圧目標値の絶対値と前記直流電源電圧に基づく直流電圧目標値とを互いに比較し、その大小関係に基づいて、前記AC/DC変換部及び前記DC/DC変換部のいずれか一方のみのスイッチング動作により昇圧を行わせる期間と、他方のみのスイッチング動作により降圧を行わせる期間とが交互に出現する制御方式を実行する制御部と、を備え、
    前記制御方式により前記DC/DC変換部がスイッチング動作を休止すべき期間であっても前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの一方向にのみ通電経路を確保した状態では電流が不連続になる期間が発生する場合、当該期間は、前記制御部は、前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの双方向に通電経路を確保し、
    前記DC/DC変換部を降圧動作させ、前記直流電源を充電する場合の前記制御部は、前記不連続になる期間が発生しないときは前記ローサイドスイッチをオフに保持して前記ハイサイドスイッチを動作させ、前記不連続になる期間が発生するときは前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを相補的に動作させ、
    前記DC/DC変換部を降圧動作させずに前記直流電源を充電する場合の前記制御部は、前記不連続になる期間が発生しないときは前記ハイサイドスイッチをオン、前記ローサイドスイッチをオフに保持し、前記不連続になる期間が発生するときも前記ハイサイドスイッチをオン、前記ローサイドスイッチをオフに保持する、電力変換装置。
  3. 電力系統及び電力系統に接続された負荷と蓄電池との間に設けられる電力変換装置であって、
    前記電力系統の交流電圧を検出する電圧センサと、
    前記負荷とDCバスとの間に設けられたAC/DC変換部と、
    前記DCバスに接続されたコンデンサと、
    前記DCバスと前記蓄電池との間に設けられ、直流リアクトル、並びに、前記直流リアクトルと前記DCバスの高電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するハイサイドスイッチ、及び、前記直流リアクトルと前記DCバスの低電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するローサイドスイッチ、を含むDC/DC変換部と、
    前記直流リアクトルに流れる電流を検出する電流センサと、
    前記蓄電池の両端電圧を蓄電池電圧として検出する電圧センサと、
    前記交流電圧に基づく交流電圧目標値の絶対値と前記蓄電池電圧に基づく直流電圧目標値とを互いに比較し、その大小関係に基づいて、前記AC/DC変換部及び前記DC/DC変換部のいずれか一方のみのスイッチング動作により昇圧を行わせる期間と、他方のみのスイッチング動作により降圧を行わせる期間とが交互に出現する制御方式を実行する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記直流リアクトルに所定値より大きい電流が流れるときは前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの一方向に通電経路を確保し、
    前記制御方式により前記DC/DC変換部がスイッチング動作を休止すべき期間であっても前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときは前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの双方向に通電経路を確保し、
    前記蓄電池を放電させ、前記DC/DC変換部を昇圧動作させる場合の前記制御部は、前記直流リアクトルに前記所定値より大きい電流が流れるときは前記ハイサイドスイッチをオフに保持して前記ローサイドスイッチを動作させ、前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときは前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを相補的に動作させ、
    前記蓄電池を放電させ、前記DC/DC変換部を昇圧動作させない場合の前記制御部は、前記直流リアクトルに前記所定値より大きい電流が流れるときは前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを共にオフに保持し、前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときは前記ハイサイドスイッチをオン、前記ローサイドスイッチをオフに保持する、電力変換装置。
  4. 電力系統及び電力系統に接続された負荷と蓄電池との間に設けられる電力変換装置であって、
    前記電力系統の交流電圧を検出する電圧センサと、
    前記負荷とDCバスとの間に設けられたAC/DC変換部と、
    前記DCバスに接続されたコンデンサと、
    前記DCバスと前記蓄電池との間に設けられ、直流リアクトル、並びに、前記直流リアクトルと前記DCバスの高電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するハイサイドスイッチ、及び、前記直流リアクトルと前記DCバスの低電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するローサイドスイッチ、を含むDC/DC変換部と、
    前記直流リアクトルに流れる電流を検出する電流センサと、
    前記蓄電池の両端電圧を蓄電池電圧として検出する電圧センサと、
    前記交流電圧に基づく交流電圧目標値の絶対値と前記蓄電池電圧に基づく直流電圧目標値とを互いに比較し、その大小関係に基づいて、前記AC/DC変換部及び前記DC/DC変換部のいずれか一方のみのスイッチング動作により昇圧を行わせる期間と、他方のみのスイッチング動作により降圧を行わせる期間とが交互に出現する制御方式を実行する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記直流リアクトルに所定値より大きい電流が流れるときは前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの一方向に通電経路を確保し、
    前記制御方式により前記DC/DC変換部がスイッチング動作を休止すべき期間であっても前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときは前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの双方向に通電経路を確保し、
    前記DC/DC変換部を降圧動作させ、前記蓄電池を充電する場合の前記制御部は、前記直流リアクトルに前記所定値より大きい電流が流れるときは前記ローサイドスイッチをオフに保持して前記ハイサイドスイッチを動作させ、前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときは前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを相補的に動作させ、
    前記DC/DC変換部を降圧動作させずに前記蓄電池を充電する場合の前記制御部は、前記直流リアクトルに前記所定値より大きい電流が流れるときは前記ハイサイドスイッチをオン、前記ローサイドスイッチをオフに保持し、前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときも前記ハイサイドスイッチをオン、前記ローサイドスイッチをオフに保持する、電力変換装置
  5. 交流電路に接続された負荷と直流電源との間に設けられる電力変換装置であって、
    前記交流電路の交流電圧を検出する電圧センサと、
    前記負荷とDCバスとの間に設けられたAC/DC変換部と、
    前記DCバスに接続されたコンデンサと、
    前記DCバスと前記直流電源との間に設けられ、直流リアクトル、並びに、前記直流リアクトルと前記DCバスの高電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するハイサイドスイッチ、及び、前記直流リアクトルと前記DCバスの低電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するローサイドスイッチ、を含むDC/DC変換部と、
    前記直流リアクトルに流れる電流を検出する電流センサと、
    前記直流電源の両端電圧を直流電源電圧として検出する電圧センサと、
    前記交流電圧に基づく交流電圧目標値の絶対値と前記直流電源電圧に基づく直流電圧目標値とを互いに比較し、その大小関係に基づいて、前記AC/DC変換部及び前記DC/DC変換部のいずれか一方を主体としたスイッチング動作により昇圧を行わせる期間と、他方を主体としたスイッチング動作により降圧を行わせる期間とが交互に出現する制御方式を実行し、かつ、前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの一方向にのみ通電経路を確保した状態では電流が不連続になる期間が発生する場合、少なくとも当該期間は、前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの双方向に通電経路を確保する制御部と、を備え、
    前記直流電源から出力させ、前記DC/DC変換部を昇圧動作させる場合の前記制御部は、前記不連続になる期間が発生しないときは前記ハイサイドスイッチをオフに保持して前記ローサイドスイッチを動作させ、前記不連続になる期間が発生するときは前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを相補的に動作させ、
    前記直流電源から出力させ、前記DC/DC変換部を昇圧動作させない場合の前記制御部は、前記不連続になる期間が発生しないときは前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを共にオフに保持し、前記不連続になる期間が発生するときは前記ハイサイドスイッチをオン、前記ローサイドスイッチをオフに保持する、電力変換装置。
  6. 交流電路に接続された負荷と直流電源との間に設けられる電力変換装置であって、
    前記交流電路の交流電圧を検出する電圧センサと、
    前記負荷とDCバスとの間に設けられたAC/DC変換部と、
    前記DCバスに接続されたコンデンサと、
    前記DCバスと前記直流電源との間に設けられ、直流リアクトル、並びに、前記直流リアクトルと前記DCバスの高電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するハイサイドスイッチ、及び、前記直流リアクトルと前記DCバスの低電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するローサイドスイッチ、を含むDC/DC変換部と、
    前記直流リアクトルに流れる電流を検出する電流センサと、
    前記直流電源の両端電圧を直流電源電圧として検出する電圧センサと、
    前記交流電圧に基づく交流電圧目標値の絶対値と前記直流電源電圧に基づく直流電圧目標値とを互いに比較し、その大小関係に基づいて、前記AC/DC変換部及び前記DC/DC変換部のいずれか一方を主体としたスイッチング動作により昇圧を行わせる期間と、他方を主体としたスイッチング動作により降圧を行わせる期間とが交互に出現する制御方式を実行し、かつ、前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの一方向にのみ通電経路を確保した状態では電流が不連続になる期間が発生する場合、少なくとも当該期間は、前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの双方向に通電経路を確保する制御部と、を備え、
    前記DC/DC変換部を降圧動作させ、前記直流電源を充電する場合の前記制御部は、前記不連続になる期間が発生しないときは前記ローサイドスイッチをオフに保持して前記ハイサイドスイッチを動作させ、前記不連続になる期間が発生するときは前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを相補的に動作させ、
    前記DC/DC変換部を降圧動作させずに前記直流電源を充電する場合の前記制御部は、前記不連続になる期間が発生しないときは前記ハイサイドスイッチをオン、前記ローサイドスイッチをオフに保持し、前記不連続になる期間が発生するときも前記ハイサイドスイッチをオン、前記ローサイドスイッチをオフに保持する、電力変換装置。
  7. 電力系統及び電力系統に接続された負荷と蓄電池との間に設けられる電力変換装置であって、
    前記電力系統の交流電圧を検出する電圧センサと、
    前記負荷とDCバスとの間に設けられたAC/DC変換部と、
    前記DCバスに接続されたコンデンサと、
    前記DCバスと前記蓄電池との間に設けられ、直流リアクトル、並びに、前記直流リアクトルと前記DCバスの高電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するハイサイドスイッチ、及び、前記直流リアクトルと前記DCバスの低電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するローサイドスイッチ、を含むDC/DC変換部と、
    前記直流リアクトルに流れる電流を検出する電流センサと、
    前記蓄電池の両端電圧を蓄電池電圧として検出する電圧センサと、
    前記交流電圧に基づく交流電圧目標値の絶対値と前記蓄電池電圧に基づく直流電圧目標値とを互いに比較し、その大小関係に基づいて、前記AC/DC変換部及び前記DC/DC変換部のいずれか一方を主体としたスイッチング動作により昇圧を行わせる期間と、他方を主体としたスイッチング動作により降圧を行わせる期間とが交互に出現する制御方式を実行し、かつ、前記直流リアクトルに所定値より大きい電流が流れるときは前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの一方向に通電経路を確保し、前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときは前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの双方向に通電経路を確保する制御部と、を備え
    前記蓄電池を放電させ、前記DC/DC変換部を昇圧動作させる場合の前記制御部は、前記直流リアクトルに前記所定値より大きい電流が流れるときは前記ハイサイドスイッチをオフに保持して前記ローサイドスイッチを動作させ、前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときは前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを相補的に動作させ、
    前記蓄電池を放電させ、前記DC/DC変換部を昇圧動作させない場合の前記制御部は、前記直流リアクトルに前記所定値より大きい電流が流れるときは前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを共にオフに保持し、前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときは前記ハイサイドスイッチをオン、前記ローサイドスイッチをオフに保持する、電力変換装置。
  8. 電力系統及び電力系統に接続された負荷と蓄電池との間に設けられる電力変換装置であって、
    前記電力系統の交流電圧を検出する電圧センサと、
    前記負荷とDCバスとの間に設けられたAC/DC変換部と、
    前記DCバスに接続されたコンデンサと、
    前記DCバスと前記蓄電池との間に設けられ、直流リアクトル、並びに、前記直流リアクトルと前記DCバスの高電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するハイサイドスイッチ、及び、前記直流リアクトルと前記DCバスの低電位側電路との間に設けられた、並列ダイオードを有するローサイドスイッチ、を含むDC/DC変換部と、
    前記直流リアクトルに流れる電流を検出する電流センサと、
    前記蓄電池の両端電圧を蓄電池電圧として検出する電圧センサと、
    前記交流電圧に基づく交流電圧目標値の絶対値と前記蓄電池電圧に基づく直流電圧目標値とを互いに比較し、その大小関係に基づいて、前記AC/DC変換部及び前記DC/DC変換部のいずれか一方を主体としたスイッチング動作により昇圧を行わせる期間と、他方を主体としたスイッチング動作により降圧を行わせる期間とが交互に出現する制御方式を実行し、かつ、前記直流リアクトルに所定値より大きい電流が流れるときは前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの一方向に通電経路を確保し、前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときは前記DC/DC変換部内で前記直流リアクトルの双方向に通電経路を確保する制御部と、を備え
    前記DC/DC変換部を降圧動作させ、前記蓄電池を充電する場合の前記制御部は、前記直流リアクトルに前記所定値より大きい電流が流れるときは前記ローサイドスイッチをオフに保持して前記ハイサイドスイッチを動作させ、前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときは前記ハイサイドスイッチ及び前記ローサイドスイッチを相補的に動作させ、
    前記DC/DC変換部を降圧動作させずに前記蓄電池を充電する場合の前記制御部は、前記直流リアクトルに前記所定値より大きい電流が流れるときは前記ハイサイドスイッチをオン、前記ローサイドスイッチをオフに保持し、前記直流リアクトルに前記所定値より小さい電流が流れるときも前記ハイサイドスイッチをオン、前記ローサイドスイッチをオフに保持する、電力変換装置
JP2016094805A 2015-07-21 2016-05-10 電力変換装置 Active JP6707980B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015143816 2015-07-21
JP2015143816 2015-07-21

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017028982A JP2017028982A (ja) 2017-02-02
JP6707980B2 true JP6707980B2 (ja) 2020-06-10

Family

ID=57946082

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016094805A Active JP6707980B2 (ja) 2015-07-21 2016-05-10 電力変換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6707980B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017028982A (ja) 2017-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102278331B1 (ko) 변환 장치
JP6414546B2 (ja) インバータ装置
US10530238B2 (en) Power conversion device and method for controlling same
JP6187587B2 (ja) インバータ装置
JP6303970B2 (ja) 変換装置
KR102441722B1 (ko) 변환 장치
US9780691B1 (en) AC-DC power conversion apparatus to output boosted DC voltage
JP2017108559A (ja) 電力変換装置及び電源システム並びに電力変換装置の制御方法
US10348190B2 (en) Conversion device for converting voltage in a non-insulated manner and method for controlling the same
JP6349974B2 (ja) 変換装置
US10211744B2 (en) Secondary side current mode control for a converter
JP6717117B2 (ja) 充放電制御方法、電池システム及び蓄電池システム
CN109104890B (zh) 电力转换装置以及用于控制电力转换装置的方法
JP6707980B2 (ja) 電力変換装置
JPH10225108A (ja) 昇降圧dc/dcコンバータ
JP2017184450A (ja) 電力変換装置並びに蓄電池の充電制御方法及び放電制御方法
JP2013247732A (ja) 電源装置
JP6946799B2 (ja) 電源システム
JP2016127717A (ja) 電力変換装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200421

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200504

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6707980

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250