JP6596800B2 - 熱対流生成システムおよびコンベクションpcr法 - Google Patents
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Description
液体を循環させるための環状流路を有する熱対流生成用チップを回転可能に固定することができる回転軸と、
前記環状流路内の液体を加熱又は冷却する第1熱源部を有する第1温度調節部と、
前記環状流路内の液体を加熱又は冷却する第2熱源部を有する第2温度調節部と、
前記回転軸を回転駆動することにより前記環状流路全体を前記回転軸の軸線回りに回転させる回転駆動手段と、を備え、前記液体が前記環状流路を流通する方向と直交する方向(環状流路より呈される円と一致する平面)で前記環状流路を平面視したとき、該平面上にある前記環状流路の重心(環状流路の中心)と、前記軸線と前記平面との交点である前記回転軸の回転中心とが一致しない熱対流生成装置と、
液体を循環させるための環状流路を有する熱対流生成用チップと
を含む熱対流生成システムであって、
前記回転中心と前記重心(環状流路の中心)とをつなげた直線に対して、前記重心(環状流路の中心)を中心として、30°以上〜150°以下または210°以上〜330°以下となる範囲のうち、いずれか一方の範囲のみに、前記第2熱源部が少なくとも1つ位置して該範囲内で前記環状流路の流路エリアを加熱又は冷却し、
前記第1熱源部は、第2熱源部によって加熱又は冷却される前記環状流路の流路エリア以外の流路エリアを加熱または冷却し、
前記熱対流生成用チップは、前記環状流路に連通した液体供給路を有し、前記回転駆動により熱対流生成用チップに加わる遠心力により前記液体供給路中の液体が前記環状流路に供給され、
前記液体供給路は、
前記液体を受け入れる受入部と、
前記受入部と前記環状流路とを連通させるとともに、前記受入部内の液体を毛細管現象により吸引する吸引通路と、
を有し、
前記吸引通路は、前記吸引通路の中間部と前記環状流路との間に位置する第1領域と、前記吸引通路と前記受入部との間に位置する第2領域とを有し、
前記回転をさせることにより、前記第1領域内の液体が前記第2領域内の液体から分離して前記環状流路へ供給される、熱対流生成システムである。
PCR反応溶液を構成する検体液、反応試薬溶液、その他PCR反応に必要な液体を個別に又は一体に環状流路内に導入する液導入工程、
環状流路内で前記PCR反応溶液を所定速度で還流させてコンベクションPCRを行うPCR反応工程、を含み、
PCR反応中に、第1温度調節手段の熱源部と第2温度調節手段の熱源部との温度差を10℃以上に維持する、コンベクションPCR法。
図1に本発明に係る第1実施形態の熱対流生成システム100の外観(前面)を示し、図1Aに図1の熱対流生成装置1等の分解斜視図を示す。
図2(A)に熱対流生成用チップ10の基板11の裏面を示す。図2(B)に(A)のA―A線に沿った熱対流生成用チップ10の断面を矢視方向に見た図を示す。
環状流路14は、検体液と反応試薬溶液との混合液(詳細は後述)等の液体を導入して環状流路14内で熱対流させるためのものである。環状流路14は、熱対流生成用チップ10が回転駆動された際に環状流路14内の液体が環状流路14を循環するようにシャフト41の回転軸AXと所定の位置関係を有して設けられている。
環状流路14の壁面の表面粗さを所定以下に抑えることより環状流路14のぬれ残り(環状流路等の壁面の濡れ性が撥水的であることにより液体が付着しない部分)の発生を抑制することができる観点から、環状流路14の壁面の表面粗さRaは、好ましくは100nm以下であり、より好ましくは50nm以下であり、さらに好ましくは30nm以下である。
環状流路の形状は、典型的には、図1および図1Aの第1実施形態で例示されるように、前記液体が環状流路14を流通する方向(環状流路14により呈される円と一致する平面)と直交する方向で環状流路14を平面視したとき(平面として見たとき)に真円状の帯状であることが好ましい。環状流路14を真円状とすることにより、流路長を最短にでき、コンベクションPCRを短時間で効率よく行うことができる。しかしながら、熱対流が生じるのであれば環状流路の形状は真円状に限定されず、上記平面視した状態で流路内の液が循環可能なその他の形状、例えば、長円状、楕円状、多角形状(例;三角形状、四角形状、それ以上の多角形状)の環状に形成されていてもよい。
熱対流生成用チップには、任意に、環状流路に液体を供給するための、環状流路に連通した液体供給路を設けてもよい。第1実施形態の熱対流生成システム100(図2(A)参照)では、前記液体が前記環状流路を流通する方向(環状流路14により呈される円と一致する平面)と直交する方向で前記環状流路14を平面視したとき(平面として見たとき)、回転中心AXと重心(環状流路の中心)Qとをつなげた径方向の線Zと交わる環状流路14の部位に連通するように液体供給路15が設けられている。なお、「流路エリア」とは、環状流路14を上記平面視したときの環状流路14の領域を意味する。
熱対流生成用チップには、任意に、環状流路の液体に含まれるガスを抜くための、環状流路に連通したガス排出路を設けてもよい。第1実施形態の熱対流生成システムでは、ガス排出路16は、環状流路14から図2(A)の上側から順に、ガスを外部へ排出するための孔16dと、該孔16dに連通したディスク状の基板11の径方向の線Zに沿って延びる細長い伸延部16aと、その一端に連通接続された涙滴状のガス溜り部16bと、その先端部と環状流路14とを連通接続する幅狭の連通部16cとを有している(図2(A)参照)。
ステージ20は、熱源30(第1ヒータ31および第2ヒータ32)を支持するとともに、ステージ20の上に配置される熱対流生成用チップ10にモータ40の回転力を伝達するためのものである。ステージ20の材質としては、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート等の合成樹脂または金属を使用することができる。ステージ20は、回転しやすさを考慮して、図2の第1実施形態で例示したように円盤状に形成されることが好ましいが、回転可能であれば特に限定されない。
第1実施形態で用いられるステージ20は、図1Aに示すように、熱対流生成用チップ10をステージ20に対して同心状に位置決めするとともに、ステージ20と熱対流生成用チップ10とを相対回転不能に連結手段により連結されている。この連結手段の構造は特に限定されないが、例えば、熱対流生成用チップ10の中心軸に対して偏心した熱対流生成用チップの下面の位置に凹部または凸部を形成し、ステージの中心軸に対して偏心したステージの上面の位置に凸部又は凹部と形成し、ステージの凹部または凸部と熱対流生成用チップの凸部または凹部とを嵌合させる構造でもよい。なお、熱対流生成用チップ10の中心軸は、中心孔17の中心を通る軸で熱対流生成装置を組み立てた状態で軸線AXと一致する。
ステージ20には、図1Aに示すように、第1ヒータ31と第2ヒータ32とを挿入装着するためのヒータ装着孔21が設けられている。ヒータ装着孔21は、第1ヒータ31と第2ヒータ32とのセット数に応じて複数設けてもよく、軸線AX周りに等角度間隔に配置されていることが好ましい。図1Aに示すように、円弧状のヒータ装着孔21がシャフト41の軸線AX周りに90°の角度間隔をおいて4箇所設けられており、軸線AXに対して対象に配置されている。
第1実施形態の熱対流生成システム100の例では、熱源30は、図1Aに示したように、リング状の第2ヒータ32と、その内側に同心状に配置される別のリング状の第1ヒータ31とからなる。なお、第1ヒータ31と第2ヒータ32とは個別に温度制御・維持される。
第1ヒータは、環状流路の所定の流路エリアにある液体を加熱または冷却するものである。ここでの「加熱」とは、第1ヒータ31の熱源部31bにより、その上方に位置する環状流路14内の液体の温度を上昇させることを意味し、ここでの「冷却」とは、第1ヒータ31の熱源部31bにより、その上方に位置する環状流路14内の液体の温度を低下させることを意味する。
第2ヒータは、環状流路の所定の流路エリアにある液体を加熱または冷却するものである。ここでの「加熱」とは、第2ヒータ32の熱源部32bにより、その上方に位置する環状流路14内の液体の温度を上昇させることを意味し、ここでの「冷却」とは、第1ヒータ32の熱源部32bにより、その上方に位置する環状流路14内の液体の温度を低下させることを意味する。第1実施形態の熱対流生成装置の例(図1及び図1A参照)では、第2ヒータ32は、リング状の連結部32aと、その周方向に等間隔を置いて設けられた(4つの)L字状の柱状の熱源部32bとを有している。
図2(A)及び図3を参照しながら、環状流路14と第1ヒータ31および第2ヒータ32との位置関係について説明する。
環状流路14を上述したように平面視したとき(図2(A)または図3に示すように平面視したとき)に、第1ヒータ31の熱源部31bの上面と重なる流路エリアの面積が流路エリア全体に対して占める割合は、前述の条件(ヒータの設置条件)を満たせば特に限定されず、PCRの反応条件(特にアニーリング時間、アニーリング温度および環状流路内での液体の流速)を考慮して適宜変更することができる。詳細は、後述の「第1ヒータと第2ヒータとの面積比」で説明する。具体例としては、図2(A)及び図3に示した第1実施形態のように、環状流路14の流路エリアと一致する第1ヒータ31の面積を流路エリア全体に対して70〜75%程度に設定する例が挙げられる。
環状流路14を平面視したとき(図2(A)または図3に示すように平面視したとき)に、第2ヒータ32の熱源部32bの上面と重なる流路エリアの面積が流路エリア全体の面積に対して占める割合は、前述の条件(ヒータの設置条件)を満たせば特に限定されず、PCRの反応条件(特にPCRにおける変性時間、変性温度および環状流路内での液体の流速)を考慮して適宜変更することができる。詳細は、後述の「第1ヒータと第2ヒータとの面積比」で説明する。具体例としては、図2(A)及び図3に示した第1実施形態のように、環状流路14の流路エリアと一致する第2ヒータ32の面積を流路エリア全体の面積に対して15〜20%程度とする例が挙られる。
第2ヒータ32の熱源部が環状流路14の流路エリアと重なる面積と、第1ヒータ31が環状流路の流路エリアと重なる面積との比は、1:11〜1:2であることが好ましい。クリアランスCLが環状流路14と平面視で重なる流路エリアを除いた流路エリア内で上記の比率の面積比となるように第1ヒータ31と第2ヒータ32が設けられることが好ましい。
クリアランスCLは、熱対流生成システム100の環状流路14を上記平面視したときに、クリアランスCLと重なる環状流路14の流路エリアの面積が流路エリア全体の面積に対して0.1〜15%の範囲を占めるように設定することが好ましい。
熱対流生成システム100によりコンベクションPCRを行う場合、第1ヒータ31の温度は、PCR法におけるアニーリング温度に設定される。アニーリング温度はプライマーの変性温度(Tm値)に基づいて決定される温度であり、一般的には(Tm値−5℃)が適切とされる。ここで、Tm値は設計したPCR用のプライマーの塩基配列に基づいて、例えば下式(1)から算出することができる。
Tm値(℃)=2(nA+nT)+4(nC+nG)+35−2(nA+nT+nC+nG)・・・(1)
(計算式において、nA、nT、nCおよびnGはそれぞれ、プライマーに含まれるアデニン、チミン、シトシンおよびグアニンの塩基数を表す。)
フォワードとリバースのプライマーのTm値はなるべく近くなるように設計されているが、離れている場合は低い方のTm値に基づいてアニーリング温度を設定すればよい。RT−PCRの場合、Tm値は逆転写反応温度より低くならないよう、例えば50℃以上に設定される。典型的には、アニーリング温度としてよく使用されている55℃〜65℃の温度に第1ヒータ31の温度が設定される。
熱対流生成システム100によりコンベクションPCRを行う場合、熱対流生成システム100の第2ヒータ32の温度は、2本鎖の核酸部分に熱を加えて1本鎖の核酸を形成するために必要な温度、一般的には約95℃に設定される。第2ヒータ32は、少なくともコンベクションPCRを行っている間は上記温度で維持される。
(1)第2ヒータの温度−第1ヒータの温度≧10℃、
(2)第1ヒータの温度−クリアランス部分の気温)≧10℃、
(3)第2ヒータの温度−クリアランス部分の気温)≧10℃。
回転駆動手段は、回転軸を回転させて該回転軸に固定した熱対流生成用チップを所定の態様で回転させる手段である。第1実施形態では、前述したように、回転軸としてのシャフト41を有し、制御手段により動作制御されて所望の態様で回転軸を回転するモータ40等が回転駆動手段に該当する。モータに限らず、所望の態様で回転駆動ができる手段であればよい。
図1Aに示すように、第1ヒータ31で発生する熱を放熱して、第1ヒータ31を冷却するヒートシンク60を設けてもよい。ヒートシンク60により、安価な製造コストで余分な熱を除去することができ、熱対流PCRの精度を向上することができる。
図1及び図1Aを参照しながら組み立てについて説明する。ステージ20に対して前述したように第1ヒータ31および第2ヒータ32を固定・支持させた状態で、熱対流生成用チップ10と、ステージ20とを前述した連結手段により相互に固定する。そして、熱対流生成用チップ10、ステージ20、第1ヒータ31及び第2ヒータ32を積層させた状態で、図1および図1Aに示すように、モータ40のシャフト41をステージ20の中心孔24および熱対流生成用チップ10の中心孔17へそれぞれ挿通する。この状態でモータ40のシャフト41とステージ20とは適宜の手段(嵌合等)により固定され、組み立てが完了する。なお、このような組み立ては、液導入工程(詳細は後述)の前に行ってもよいし、後に行ってもよい。
熱対流生成システム100の制御手段50は、図4に示すように、演算制御部51、表示部52、入力部53を有し、第1ヒータ31、第2ヒータ32、モータ40、(場合により、励起光光源91、蛍光検出器92、検知光光源93、検知光検出器94)等とそれぞれ電気的に接続されている。演算制御部51は、CPU、ROM及びRAM等を含むマイクロコンピュータにより構成されている。CPUは、入力部から入力される情報とROMに格納されたプログラムに従って、第1ヒータ31、第2ヒータ32及びモータ40に給電したり、その動作を制御する。なお、前記プログラムにはPCR用の動作プログラムが含まれる。表示部52は液晶表示装置を有し、入力部53はキーボードやマウス等の入力デバイスを有する。第1ヒータ31および第2ヒータ32の温度及びモータ40による熱対流生成用チップ10の回転駆動速度は、制御手段50の入力部53を介して調節可能となっている。
熱対流生成システム100は、図5に例示するように、任意に、環状流路14内から発した蛍光を受光して定量する光学検出系90を有する。上記光学検出系90は、励起光光源91と、蛍光検出器92と、検知光光源93と、検知光検出器94とを有する。光学検出系90は、制御手段50に動作制御されて各種動作を行い、各種データを制御手段50の演算制御部へ伝送する。環状流路14の近傍には、検知光光源93が射出する検知光を反射または散乱させる被検知部P1が設けられている。
以下、上記第1実施形態の熱対流生成システムを用いたコンベクション(熱対流)PCR法について説明する。本発明に係るコンベクションPCR法は、液導入工程、PCR反応工程、検出工程をこの順に含む。なお、上記「PCR」には、逆転写PCR(RT−PCR)や、定量的PCRであるリアルタイムPCR等の各種PCRが含まれる。
本発明で使用されるPCR反応溶液は、検体液および反応試薬溶液から構成される。なお、PCRを行う前の時点で検体液と反応試薬溶液とを混合しておく必要はない。
検体液とは、PCRで増幅すべき核酸を含む液を意味する。検体液には、対象のDNA,RNA,疑似核酸等を含む溶液、検体を含む液体が含まれる。例えば、RT−PCRを行う場合には、インフルエンザウィルスやノロウィルス、その他の感染症ウィルス全般、細胞からの発現RNAの抽出液等が検体液として用いられる。ワンステップで検体から増幅対象の核酸を溶出させてPCRを行う場合には、インフルエンザウィルスやノロウィルス、その他の感染症ウィルス全般、細胞を緩衝液や水等の適切な溶液に懸濁したものを検体液として用いることができる。
反応試薬溶液とは、検体液に含まれる増幅対象の核酸をPCR法により増幅するのに必要な試薬、酵素を含む溶液を意味する。検体液が核酸を含む溶液である場合には、反応試薬溶液は、dNTP,MgCl2、各種ポリメラーゼ等を含む溶液を意味する。
液導入工程は、PCR反応溶液を構成する検体液、反応試薬溶液、その他PCR反応に必要な液体を個別に又は一体に環状流路内に導入する工程である。
PCR反応工程は、環状流路内でPCR反応溶液を所定速度で還流させてコンベクションPCRを行う工程である。液導入工程の前に、第2ヒータ32を前述した所定のPCRの変性温度に設定しておき、第1ヒータ31を所定のPCRのアニーリング温度に設定しておくことが望ましい。
熱対流生成用チップ10の回転速度は、環状流路14内のPCR反応溶液に含まれる2本鎖DNA(核酸分子)が変性して1本鎖DNAになるのに必要な時間をかけて第2ヒータ32の上方の流路エリアを通過し、且つ、プライマーのアニーリング及び核酸分子の伸長にとって必要な時間をかけて第1ヒータ31の上方の流路エリアを通過するように設定される。
図20は第1実施形態で用いたモータの電源の電圧と該モータの回転数との関係を示すグラフであり、速度と遠心力との関係(F=mv2/r、g=(2πN)2r)より相対重力加速度と第1実施形態で用いたモータの回転数との関係を求め、さらに電圧と相対重力加速度との関係を求めることにより作成したものである。図21は相対重力加速度とモータ40の電源の電圧との関係を示すグラフである。
熱対流生成用チップ10を回転させるモータ40の駆動時間は、第2ヒータ32による加熱と第1ヒータ31による冷却とがそれぞれPCRのサーマルサイクル数と同数となるように設定される。
検出工程は、環状流路内の液体に含まれる物質を検出および定量する工程である。例えば、PCR法では、増殖する2本鎖の核酸分子内に蛍光物質がインターカレートされるため、この蛍光を検出することでPCR反応液中の核酸を検出および定量することができる。また、例えば、リアルタイムPCRの場合では、所定の蛍光物質を含むキメラププローブが鋳型の核酸に結合した後に、ポリメラーゼによる核酸伸長の際にRNaseHによりキメラププローブが切断され、該切断によりPCR反応液中に蛍光を発する物質が増加するため、該蛍光を検出および定量することができる。
液体を循環させるための環状流路14を有する熱対流生成用チップ10を回転可能に固定することができるシャフト41と、環状流路14内の液体を加熱又は冷却する第1熱源部31bを有する第1ヒータ31と、環状流路14内の液体を加熱又は冷却する第2熱源部32bを有する第2ヒータ32と、シャフト41を回転駆動することにより環状流路14の全体をシャフト41の軸線AX回りに回転させるモータ40(回転駆動手段)と、を備え、前記液体が環状流路14を流通する方向(環状流路により呈される円)と直交する方向で環状流路14を平面視したとき、該平面上にある環状流路14の重心(環状流路14の中心)Qと、軸線AXと前記平面との交点である前記回転軸AXの回転中心(図2(A)ではシャフト41の中心)とが一致しない熱対流装置であって、上記回転中心と重心(環状流路14の中心)Qとをつなげた直線Zに対して、重心(環状流路14の中心)Qを中心として、30°以上〜150°以下または210°以上〜330°以下となる範囲のうち、図2(A)または図3に示すように、いずれか一方の範囲のみに、第2熱源部32bが少なくとも1つ位置して該範囲内で前記環状流路の流路エリアを加熱または冷却し、前記第1熱源部31bは、第2熱源部32bによって加熱または冷却される環状流路14の流路エリア以外の流路エリア(平面視でクリアランスCLと環状流路14とが重なるエリアを除いた流路エリア)を加熱または冷却する熱対流生成装置であるので、熱対流生成用チップ10を回転させて環状流路14内でPCR反応液等の液体を循環させた際に、該液体が環状流路14内の2つの温度領域(第1ヒータ31上方の環状流路14の流路エリア、第2ヒータ32上方の環状流路14の流路エリア(図2(A)または図3参照))以外の温度になっている時間が殆ど無い状態で、何度も反復される安定した熱対流生成が得られる。また、熱対流生成装置を運転する環境の温度が変化しても安定して同じ熱対流が得られる。
第2に実施形態の熱対流生成システム200について説明する。第2実施形態の熱対流生成システム200は、熱対流生成用チップ(図6,図7参照)10Aと、第1実施形態の熱対流生成装置1とを少なくとも有する。熱対流生成装置1は、前述したように、シャフト41と、第1ヒータ31および第2ヒータ32と、モータ40等を有する。なお、熱対流生成装置1自体の構成については、第1実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
図6に示すように、熱対流生成用チップは、基板11Aと、基板11Aに積層された蓋体13Aとを有し、各部材の中心に中心孔17を有する。図8(A)に基板11Aの表面を示し、図8(B)に基板11Aの裏面を示す。図8(A)および(B)に示すように、基板11Aは、環状流路14Aと、第1〜第3液体供給路15A,15B,15Cとを備える。これらの複数の液体供給路は、以下に述べるように、それぞれが異なる液体を収納し、環状流路14Aに供給するよう設けることができる。なお、基板11A等の各部材の材質については第1実施形態について説明した通りである。
次に図6〜図11を参照して熱対流生成用チップ10Aの使用方法を説明する。まず、第1液体供給路の第1受入部16Aに検体液を注入する(図8参照)。第1液体供給路の第1受入部16Aに注入する検体液の量は、第1液体供給路の第1吸引通路17Aに充填される検体液の量よりも多いが、後述する理由から検体液の量を正確に秤量する必要はない。
前述の熱対流生成用チップ10Aの使用方法で説明した通り、熱対流生成装置1に熱対流生成用チップ10Aを取り付けて組み立てを完了した状態において、第1ヒータ31および第2ヒータ32が熱対流生成用チップ10Aの下面に当接し、図8(A)に示したように、第1実施形態の環状流路14と第1ヒータ31および第2ヒータ32と同様の配置関係となる。なお、この配置関係は、図3に示したように変更してもよい。第2実施形態においても上記構成により第1実施形態で説明した作用および効果が得られる。
熱対流生成用チップ10Aをその中心軸周りに回転をさせることにより、前記第1領域T内の液体が前記第2領域S内の液体から分離して前記環状流路14へ供給されるので、ユーザは環状流路14内へ導入する液体を秤量しなくとも、所定量の液体を環状流路14Aに供給することができる。したがって、ユーザが液体を秤量する手間を省くことができる。このように手間を省いて精度よく液体の秤量ができること、および、第2実施形態の熱対流生成装置200が第1実施形態の熱対流生成装置100と同様の熱源構成を有するために第1実施形態と同様に環状流路14Aを流れる液体の温度制御を効率良く行うことができることとから、作業者の手技に依らず、極めて再現性、安定性の高い熱対流、これを利用した熱対流PCRを実現することできる。
次に、本発明の第3実施形態の熱対流生成システム300について説明する。第2実施形態の熱対流生成システム300は、熱対流生成用チップ(図8)10Bと、第1実施形態の熱対流生成装置1とを少なくとも有する。熱対流生成装置1は、シャフト41と、第1ヒータ31および第2ヒータ32と、モータ40等を有する。なお、熱対流生成装置1自体の構成については、第1実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
図12は、本発明の第2実施形態の熱対流生成用チップ10Bの斜視図であり、図13は、熱対流生成用チップ10Bの分解斜視図である。なお、本実施形態において、第2実施形態と対応する部分には同一の符号を使用し、第1実施形態と重複する説明を省略する。
図15に第1基板の斜視図を示す。図15に示すように、第1基板10Baは、第1受入部101Aと、第1吸引通路102Aと、空気孔103Aと、孔104U,105Uと、導気用孔103Bu,103Cuと、矩形孔106Uとを有する。
図16に第2基板の斜視図を示す。第2基板10Bbは、1つの穴104Mと、該穴104Mから延びる第2吸引通路102Bと、1つの孔105Mと、導気用孔103Bmと、導気用穴103Cmと、矩形孔106Mとを有する。穴104Mと第1基板の孔104Uとによって第2液体供給路15Baの第2受入部101Bが形成される(図14参照)。導気用孔103Bmと、第1基板の導気用孔103Buとによって第2液体供給路15Caの空気孔103Bが形成される(図14参照)。
図17に第3基板の斜視図を示す。第3基板10Bcは、1つの孔105Bと、第3吸引通路102Cと、導気用孔103Cbと、矩形孔106Bと、溝107と、導入通路18とを有する。
熱対流生成装置1に熱対流生成用チップ10Bを取り付けて組み立てを完了した状態において、第1ヒータ31および第2ヒータ32が熱対流生成用チップ10Bの下面に当接し、図14に示したように、第1実施形態の環状流路14と第1ヒータ31および第2ヒータ32と同様の配置関係となる。なお、この配置関係は、図3に示したように変更してもよい。第3実施形態においても上記構成により第1実施形態で説明した作用および効果が得られる。
前記検体液を環状流路14Bに供給する第1液体供給路15Aaの第1領域T'の容積と、前記反応試薬溶液を環状流路14Bに供給する第2液体供給路15Baの前記第1領域T'の溶液とを合わせた容積が、環状流路14Bの容積に等しいものであるので、環状流路14Bの各々に対してPCR反応溶液の各液体を同時に供給することができ、また前述のように遠心により液体供給路の中間部で液体が分離して、所定量の液体だけが環状流路へと流入するのでユーザが各液体を秤量する手間を省くことができる。
以下の内容で熱対流生成システム100により液体温度の変化について温度シミュレーションを行った。
熱対流生成用チップ10を構成する基板11と蓋体13のうち、基板11については厚さ2.0mm、直径40mm、蓋体13については、厚さ0.19mm、直径40mmに設定した。
環状流路14は、流路高さ(S):0.3mm、流路の幅(W):0.5mm、環状流路の直径(外径)(D):6mmに設定した(図2(B)参照)。
熱対流生成装置1の周囲の環境温度を10℃に設定し、後述の熱対流を行っている間、この温度を維持することとした。
第1ヒータ31と第2ヒータ32との間にあるクリアランスCLは0.5mmに設定した。このクリアランスCLの面積(平面視した場合:図2(A)参照)は環状流路14全体の流路エリアの約7%である。
図20,図21を参考にしてモータ40のシャフト41の回転速度(熱対流生成用チップ10の回転速度)を5G相当の電圧、すなわち、4.0Vをモータに印加した際に得られるシャフトの回転数(約520rpm)に決定した。すなわち、熱対流生成用チップ10を520rpmで回転させることを意味する。
第2ヒータ32の温度を102℃に設定し、第1ヒータ31の温度を60℃に設定した。そして、モータ40を駆動して速度520rpmで熱対流生成用チップ10を回転させて上記液体を遠心力かけた場合について調べたところ、環状流路14内で前記液体が約8秒間で1周する結果となった。環状流14路内において液体が環状流路を1周する際に変化する温度のプロファイルを図22(A)に示す。
比較例1では、特開2014−39498号公報(特許文献3)の図4に示すような熱源(図2(A)のように平面視したときの、2つのヒータ間のクリアランスの合計面積が環状流路14全体の流路エリアの約38%)を使用して実施例1と同様に環状流路内を移動する液体の温度シミュレーションを行った。この結果を図22(B)に示す。
実施例2では、熱対流生成装置の周囲の環境温度を25℃に変更したこと以外は実施例1と同様に環状流路内を移動する液体の温度シミュレーションを行った。この結果を図22(C)に示す。
比較例2では、特開2014−39498号公報(特許文献3)の図4に示すような熱源(図2(A)のように平面視したときの、2つのヒータ間のクリアランスの合計面積が環状流路14全体の流路エリアの約38%)を使用して実施例2と同様に環状流路内を移動する液体の温度シミュレーションを行った。この結果を図22(D)に示す。
実施例3では、熱対流生成装置の周囲の環境温度を40℃に変更したこと以外は実施例2と同様に環状流路内を移動する液体の温度シミュレーションを行った。この結果を図22(E)に示す。
比較例3では、特開2014−39498号公報(特許文献3)の図4に示すような熱源(図2(A)のように平面視したときの、2つのヒータ間のクリアランスの合計面積が環状流路14全体の流路エリアの約38%)を使用して実施例3と同様に環状流路内を移動する液体の温度シミュレーションを行った。この結果を図22(F)に示す。
比較例1〜3の結果を図22(B),(D),(F)に示す。ここで、明るいグレー色の帯は環状流路14内の液体が第1ヒータ31の上方の環状流路の流路エリアを通過していることを表す。また、暗いグレーの帯の部分は、環状流路14内の液体が第2ヒータ32の上方の環状流路14の流路エリアを通過していることを意味する。さらに白色の帯の部分は、環状流路14内の液体がヒータ等が存在しない空気の上方の環状流路14の流路エリアを通過していることを意味する。
10,10A,10B・・・熱対流生成用チップ
10Ba・・・第1基板
10Bb・・・第2基板
10Bc・・・第3基板
11,11A・・・基板
13,13A,13B・・・蓋体
14,14A,14B・・・環状流路
15・・・液体供給路
15a・・・伸延部
15b・・・液溜り部
15c・・・連通部
15A,15Aa・・・第1液体供給路
15B,15Ba・・・第2液体供給路
15C,15Ca・・・第3液体供給路
15D・・・液体供給孔
16・・・ガス排出路
16a・・・伸延部
16b・・・ガス溜り部
16c・・・連通部
16A,101A・・・第1受入部
16B,101B・・・第2受入部
16C,101C・・・第3受入部
17・・・中心孔
17A,102A・・・第1吸引通路
17B,102B・・・第2吸引通路
17C,102C・・・第3吸引通路
18A,18B,18C,103A・・・空気孔
19・・・導入室
19a・・・導入通路
19A・・・導入室
20・・・ステージ
21・・・ヒータ装着孔
22・・・第1ねじ挿通孔
23・・・第2ねじ挿通孔
24・・・中心孔
25a・・・凹部
25b・・・第1内壁面
25c・・・第2内壁面
25d・・・境界部
25,25A・・・カバー部
26・・・案内通路
26A・・・案内通路形成部
27・・・溝
28・・・孔
29・・・開口
30・・・熱源
31・・・第1ヒータ
31a・・・連結部
31b・・・熱源部
31c・・・孔
32・・・第2ヒータ
32a・・・連結部
32b・・・熱源部
32c・・・貫通孔
32a・・・リング状の連結部
40・・・モータ
41・・・シャフト
50・・・制御手段
51・・・演算制御部
52・・・表示部
53・・・入力部
60・・・ヒートシンク
81・・・熱対流生成装置
90・・・光学検出系
91・・・励起光光源
92・・・蛍光検出器
93・・・検知光光源
94・・・検知光検出器
95・・・被検知部
96・・・演算制御部
97・・・制御手段
103Bu,103Bm,103Cu,103Cm,103Cb・・・導気用孔
104U,104M・・・穴
105U,105M,105B・・・孔
106U,106B,106M・・・矩形孔
107・・・溝
108・・・導入通路
109U,109M,109B・・・溝
110・・・孔
100,200,300・・・熱対流生成システム
AX・・・軸線
L1・・・光
L2・・・検知光
P1・・・検知ポイント
Sa・・・入口
S,S'・・・第2領域
T,T'・・・第1領域
Claims (14)
- 液体を循環させるための環状流路を有する熱対流生成用チップを回転可能に固定することができる回転軸と、
前記環状流路内の液体を加熱又は冷却する第1熱源部を有する第1温度調節部と、
前記環状流路内の液体を加熱又は冷却する第2熱源部を有する第2温度調節部と、
前記回転軸を回転駆動することにより前記環状流路全体を前記回転軸の軸線回りに回転させる回転駆動手段と、を備え、前記液体が前記環状流路を流通する方向と直交する方向(環状流路より呈される円と一致する平面)で前記環状流路を平面視したとき、該平面上にある前記環状流路の重心(環状流路の中心)と、前記軸線と前記平面との交点である前記回転軸の回転中心とが一致しない熱対流生成装置と、
液体を循環させるための環状流路を有する熱対流生成用チップと
を含む熱対流生成システムであって、
前記回転中心と前記重心(環状流路の中心)とをつなげた直線に対して、前記重心(環状流路の中心)を中心として、30°以上〜150°以下または210°以上〜330°以下となる範囲のうち、いずれか一方の範囲のみに、前記第2熱源部が少なくとも1つ位置して該範囲内で前記環状流路の流路エリアを加熱又は冷却し、
前記第1熱源部は、第2熱源部によって加熱又は冷却される前記環状流路の流路エリア以外の流路エリアを加熱または冷却し、
前記熱対流生成用チップは、前記環状流路に連通した液体供給路を有し、前記回転駆動により熱対流生成用チップに加わる遠心力により前記液体供給路中の液体が前記環状流路に供給され、
前記液体供給路は、
前記液体を受け入れる受入部と、
前記受入部と前記環状流路とを連通させるとともに、前記受入部内の液体を毛細管現象により吸引する吸引通路と、
を有し、
前記吸引通路は、前記吸引通路の中間部と前記環状流路との間に位置する第1領域と、前記吸引通路と前記受入部との間に位置する第2領域とを有し、
前記回転をさせることにより、前記第1領域内の液体が前記第2領域内の液体から分離して前記環状流路へ供給される、熱対流生成システム。 - 前記吸引通路は、前記中間部で鋭角状に屈曲している、請求項1に記載の熱対流生成システム。
- 前記吸引通路は、前記中間部に空気を導入する空気孔をさらに有する、請求項1又は請求項2に記載の熱対流生成システム。
- 前記液体供給路を複数設け、
該複数の液体供給路は、液体供給路ごとに異なる液体を前記環状流路に供給する請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱対流生成システム。 - 前記複数の液体供給路は、検体液を前記環状流路に供給する液体供給路と、PCRを行うための反応試薬溶液を前記環状流路に供給する液体供給路を含み、
前記検体液を前記環状流路に供給する液体供給路の前記第1領域の容積と、前記反応試薬溶液を前記環状流路に供給する液体供給路の前記第1領域の容積とを合わせた容積は、前記環状流路の容積に等しい、請求項4に記載の熱対流生成システム。 - 第1熱源部と第2熱源部との間にクリアランスを有し、
前記平面視をしたときの該クリアランスの面積が流路エリア全体の面積に対して0.1〜15%の範囲にある、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱対流生成システム。 - 第1温度調節部の第1熱源部と第2温度調節部の第2熱源部とが面一の平板部を有し、
前記平面視をした状態で、前記クリアランス部分が、第2熱源部を囲うように各熱源部が形成および配置されている、請求項6に記載の熱対流生成システム。 - 前記平面視をしたときに、第2温度調節部の第2熱源部と重なる前記環状流路の流路エリアが、第1温度調節部の第1熱源部と重なる前記環状流路の流路エリアよりも面積が小さい、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱対流生成システム。
- 前記回転軸の軸線に対して前記環状流路が対称となるように複数配置されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の熱対流生成システム。
- 前記環状流路の壁面の表面粗さRaが100nm以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の熱対流生成システム。
- 前記環状流路が前記平面視をしたときに真円状である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の熱対流生成システム。
- 前記環状流路の壁面の材質が、環状オレフィン、ポリプロピレン、及びポリカーボネートのうちのいずれかである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の熱対流生成システム。
- 前記環状流路内の液体に含まれる蛍光色素を励起する励起光を前記環状流路内の前記液体に照射する励起光光源と、
前記蛍光色素に前記励起光を照射することにより前記蛍光色素によって放出される蛍光を検出する蛍光検出器と、
前記蛍光検出器によって検出された蛍光に基づいて核酸の複製量を算出する演算制御部と、
を含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の熱対流生成システム。 - 請求項1〜13のいずれか一項に記載の熱対流生成システムを使用したコンベクションPCR法であって、
PCR反応溶液を構成する検体液、反応試薬溶液、その他PCR反応に必要な液体を個別に又は一体に環状流路内に導入する液導入工程、
環状流路内で前記PCR反応溶液を所定速度で還流させてコンベクションPCRを行うPCR反応工程、を含み、
PCR反応中に、第1温度調節手段の熱源部と第2温度調節手段の熱源部との温度差を10℃以上に維持する、コンベクションPCR法。
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