JP2011064474A - 試料分析チップ、これを用いた試料分析装置及び試料分析方法 - Google Patents

試料分析チップ、これを用いた試料分析装置及び試料分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】チップ上に形成されたウェルへ送液を行い、反応を行う試料分析チップにおいて、送液方法が簡易でかつ各ウェルの液量ばらつきがなく試薬類への外部環境の影響を防ぐことが可能な試料分析チップおよびこれを用いた試料分析方法を提供すること。
【解決手段】基材に複数のウェルと、各ウェルに繋がる流路と、流路に溶液を注入するための注入口107とを有し、該基材を回転させてウェルに溶液を配液する試料分析チップであって、回転前の段階で溶液が存在する液溜め部106と、液溜めと各ウェルとを連絡する流路とがウェルより回転中心側に設けられ、ウェルの少なくとも一つには、熱溶融性物質502が配置されていることを特徴とする試料分析チップとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生化学反応の検出や分析等に用いる試料分析チップ及び試料分析方法に関する。
従来、例えばDNA反応、たんぱく質反応等の生化学反応の分野において、微量の試料溶液を処理する反応装置として、μ−TAS(Total Analysis System)やLab−on−Chipと呼ばれる技術が知られている。これは、1個のチップやカートリッジに複数の反応室(以下、ウェル)や流路を供えたものであり、複数の検体の解析、あるいは複数の反応を行うことができる。これらの技術はチップ及びカートリッジを小型化することで扱う薬品を少量にすることが出来、様々なメリットがあるとされてきた。
そのメリットとは例えば従来使用していた強酸や強アルカリ薬品の分量が微量化することで人体への影響や環境への影響が格段に低くなること、また、生化学反応等に用いられる高額な試薬類の消費量が微量化することで分析、反応に費やすコストを低減できること、などが挙げられる。
チップやカートリッジを用いて生化学反応を最も効率よく行うためには、複数のウェルにそれぞれ異なる種類の薬品や検体、酵素を配置し、これら薬品や検体、酵素と反応を起こす試薬を一本ないし数本の主導管からまとめてウェルに流し入れ、異なった複数の反応を生じさせる必要がある。
この手法を用いれば、複数種の検体を同じ試薬で同時に処理をしたり、また逆に一種類の検体に同時に複数の処理を施したりすることが出来、従来かかっていた時間や手間を大幅に減らすことが可能である。
この種の手法を用いる際、複数の反応場に等量のサンプルを送液する技術と、各ウェルの中身を混ざり合わないようにする技術が重要となる。このようなウェルへの送液を行うチップについての先行技術としては以下のものが挙げられる。
特許文献1では、液溜めから遠心力を用いてウェルへの送液を行うチップにおいて、ウェルを独立させるために流路を変形、密封している。そのため流路を押しつぶす機構が必要であり、自動化が困難である。また、従来の遠心送液チップのように中央の液溜りから周囲のウェルに遠心送液を行うと、各ウェルへの送液量にばらつきが生じてしまう。
特許文献2では、遠心方法を自転+公転を織り交ぜることで各ウェルへの送液量にばらつきを解決している。しかし、この手法もチップが自転+公転するための複雑な機構とスペースが必要となる。
特許文献3では液体貯留部と遠心方向に伸びる流路を有するウェルを複数連結させた分析用媒体が公開されているが、この文献では液の配液性などには注視しておらず、逆にウェルに詰まった空気との押し合いで流体を制御するとある。この手法では液体貯留部と液体貯留部の間流路の液体は送液されない上、各ウェルに送液される液量は大きくバラつき、反応のたびに結果に差異が生じてしまう。
また、特許文献4では、マイクロチャネル内に予め充填しておいた熱溶融性物質を、ヒーターで粘度制御しつつ、入り口からの空圧により移動させて、マイクロチャネル内での流体制御を行なう、という方法が公開されている。しかし、この手法では、空圧制御機構が必要であり、一度に多くの反応を行なう溶液処理チップにおいては、熱溶融性物質の移動を制御するための形状や機構が複雑になってしまう。
また、一般的に酵素反応を行なう際、反応開始温度になる前に酵素と基質が接触すると、望んでいない副反応や反応阻害が起こり、反応効率が低下するという問題が発生する場合がある。チップ上での酵素反応においても、例えば酵素を各反応チャンバに充填しておき、試料溶液として基質を送液する場合、送液が完了した時点で酵素と基質が接触し、副反応や反応阻害が起きてしまう可能性がある。
さらに、生化学反応をチップ上で行う際、試料溶液分配後、反応チャンバ内を加熱して反応を行なう場合が多く、試料溶液の蒸発を防ぐために、さらにミネラルオイルなどの蒸発防止材を注入したり、チップの物理的な封止を行なわなければならないことがあり、作業工程が多くなるということがある。
特表2004−502164号公報 特許第3699721号公報 特開2008−83017号公報 米国特許第7,195,036号
以上のような従来技術の問題点を鑑みて、本発明はウェルへの送液を行う試料分析チップにおいて、送液方法が簡易でかつ各ウェルの液量ばらつきがない低コストの試料分析チップであって、試薬類への外部環境の影響を防ぐことが可能な試料分析チップおよびこれを用いた試料分析方法を提供することを課題とする。
上記のような問題を解決するために為された本発明の請求項1に係る発明は、基材に複数のウェルと、各ウェルに繋がる流路と、流路に溶液を注入するための注入口とを有し、該基材を回転させてウェルに溶液を配液する試料分析チップであって、 回転前の段階で溶液が存在する液溜め部と、該液溜めと各ウェルとを連絡する流路とが前記ウェルより回転中心側に設けられ、前記ウェルの少なくとも一つには、熱溶融性物質が配置されていることを特徴とする試料分析チップである。
また請求項2に係る発明は、熱溶融性物質は、ウェルに固定された試薬を覆うように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の試料分析チップである。
また請求項3に係る発明は、熱溶融性物質の融点が、25℃以上80℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の試料分析チップである。
また請求項4に係る発明は、熱溶融性物質の溶解時の比重が、ウェルに注入する溶液よりも軽いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の試料分析チップである。
また請求項5に係る発明は、液溜め部は、前記流路との連結部を有する側の側面形状が、隣り合う前記連結部の間で回転中心方向に前記隣り合う連結部を谷として一つの山を持つことを特徴とする1〜4のいずれかに記載の試料分析チップである。
また請求項6に係る発明は、試料分析チップは前記ウェル及び前記流路を形成した第一の基材と、該基材と貼り合わせた第二の基材とを有する請求項1〜5のいずれかに記載の試料分析チップである。
また請求項7に係る発明は、基材の少なくともいずれか一方が光透過性材料で形成されていることを特徴とする請求項6に記載の試料分析チップである。
また請求項8に係る発明は、第一の基材が光透過性の樹脂材料であり、第二の基材が金属材料であることを特徴とする請求項7に記載の試料分析チップである。
また請求項9に係る発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の試料分析チップを設置し、回転させる手段と、ウェルでの反応を検出するための検出測定手段と、を有する試料分析装置である。
また請求項10に係る発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載の試料分析チップの前記液溜め部に溶液を注入する工程と、試料分析チップを回転させて溶液を前記各ウェルに配液する工程と、試料分析チップを加熱して前記熱溶融性物質を溶融させた状態で、該試料分析チップを回転させる工程とを有する試料分析方法である。
また請求項11に係る発明は、前記試料分析チップを回転させて溶液を前記各ウェルに配液する工程の後、溶液よりも比重の軽いオイルを試料分析チップに注入し、該試料分析チップを回転させる工程を有することを特徴とする請求項10に記載の試料分析方法である。
また請求項12に係る発明は、請求項10又は11に記載の試料分析方法を用いたことを特徴とする遺伝子解析方法である。
また請求項13に係る発明は、試料分析チップ内でPCR反応させる工程を含み、該工程を試料分析チップを回転させながら行なうことを特徴とする請求項12に記載の遺伝子解析方法である。
本発明による試料分析チップによれば、簡易で機能的、かつ安全安価な反応チップを実現することができる.さらに、1種類の検体に対して複数の処理を施すことが出来るため、従来の処理時間を大幅に短縮出来る。
さらに、各反応チャンバに熱溶融性物質を予め充填することで、サンプル液を遠心分配後、熱溶融性物質を加熱溶解させつつ再度遠心すれば、反応チャンバ内のサンプル液同士が液溜めで連通することなくサンプル液を分配でき、隣接する反応チャンバ同士のコンタミネーションを防止することが出来る。
さらに、前記液溜め構造を工夫すれば、サンプル液の分配量のばらつきを抑制することが出来る。
また本発明では、各反応チャンバに、溶解時にサンプル液よりも比重が低い熱溶融性物質を予め充填し、サンプル液を遠心分配後、熱溶融性物質を加熱溶解させつつ再度遠心すれば、反応時に、入り口及び出口とサンプル液の間に熱溶融性物質が存在することになり、反応時の蒸発を防ぐことが出来る。
さらに本発明では、各反応チャンバ内で酵素反応を行なう際、各反応チャンバに酵素を充填した後、酵素を被覆するように熱溶融性物質を充填することにより、基質を含むサンプル液を送液した時点では酵素と基質の接触は起きず、反応開始温度に加熱して初めて接触するため、副反応や反応阻害の発生を抑制する事が出来る。
本発明の試料分析チップの一様態の説明図 本発明の試料分析チップの説明断面図 図1(A)のチップで、送液後の状態を説明する図 図3の状態で、熱を加えて回転させた状態を説明する図 本発明の試料分析チップの説明のための斜視図 実施例における検出測定結果のグラフ 実施例におけるネガティブコントロール測定結果のグラフ 実施例におけるポジティブコントロール測定結果のグラフ
本発明の試料分析チップを図面に基づいて説明する。
図1(A)及び(B)は本発明の試料分析チップの様態を示した平面図である。本発明のチップは、基材101上に複数のウェル102と、ウェルに溶液、例えば液体試料(溶液)を送液するための流路を有している。そして、ウェルの少なくとも一つには熱溶融性物質502が配置されている。
流路は、各ウェルに送液するために、少なくとも各ウェルと連絡する流路を有する。流路は、例えば図1(A)のように中央部の液溜め106に各ウェルに連絡する支流路105が連通する構成や、図1(B)のようにウェルより中心に設けられた主流路103と、主流路に各ウェルに連絡する支流路105が連通する構成を挙げることができるが、本発明はこれに限られず、複数のウェルと、その内側(後述の回転中心側)に各ウェルにそれぞれ溶液を配液するための支流路が設けられている構成であれば適用することができる。
支流路105と異なり、液溜め及び主流路103は、チップに溶液を注入した段階(回転前の段階)で、溶液が存在しているので、以下、液溜め及び主流路の形態を合わせて液溜め部106と呼ぶ。液溜め部106には溶液を注入するための注入口を有する。また空気の脱出口(空気孔)は複数、液溜め部に設けても良い。図1(A)の様態では、注入口をその中央部に形成し、周囲に空気抜きの貫通孔を配置することで溶液を注入しやすくしている。図1(B)の様態では、主流路の端部に注入口及びもう一方の端部に空気の脱出口を兼ねた余剰溶液の出口を有しているので、主流路の容量によって溶液量を規定することができる。
液溜め部106は、支流路105との連結部を有する側の側面が、隣り合う前記連結部の間で回転中心方向に前記隣り合う連結部を谷として一つの山を持つ形状であることが好ましい。このような形状とすることによって、チップを回転した際に遠心力により自然に各連結部に溶液が移動することから、配液バラツキが少なくなる。図1(B)に示したように液溜め部が流路形状の場合、主流路103の容積によって谷と谷の間の溶液量が決まるため、特に効果的である。
前述のように、チップを回転させていない状態では、支流路105には溶液が侵入しないようになっている。これは、支流路105及びウェル102側に空気孔のような開放端を設けず、支流路の開口がウェルに溶液が浸入しない程度の幅及び断面積であればよい。
本発明の試料分析チップは当該チップを回転させることにより生じる遠心力により、各ウェル102に配液するものであることから、中央部に回転軸の貫く点(以下、中心点)のある円盤形状であることが好ましいが、チップを貫く回転軸に対して回転可能に形成されて入れば特に制限はない。円盤形状であれば、その中心が回転軸となるようにして、その円盤形状のチップに同心円状になるようにウェルを配置することができるため、スペースが効率的である。均等にウェルに配液するには遠心力を均等に掛けることが重要であるが、チップを、注入口/出口107の領域を除き、中心点を軸とする回転対称性を持つように設計することで容易に実現することができる。すなわち、N個のウェルがあるとすると、N回対称となるようにすると、均等に遠心力を掛けることができる。もちろん、各ウェルの配液量を異ならせる場合には、この限りではない。また同心円状にウェルが配置されていることにより、基材を回転させることによって、一箇所の検査領域で全てのウェルの分析が可能である。
またウェル102の容積は1μl以上100μl以下であることが好ましい。1μlより小さいと、遠心力が十分に働かず、ウェルへの送液が行われ辛く、また100μlよりも大きいと、試薬の混合性が低下したり、ウェル内の温度の均一性が低下したりする、といった現象が生じる可能性がある。
図2に図1(A)の試料分析チップの切断面Sでの断面図を示した。第一の基材401には、チップを貫通する溶液の注入口403と、注入液がチップに流れ込むための主流路となる溝103と、チップの外周部に延びた各ウェルと連通する支流路となる溝105と、チップの外周部のウェルとなる窪み102とが成形されている。なお図2の断面図は注入口(INLET/OUTLET)からウェルまでの経路を模式的に示したものであり、主流路及び支流路の形状はこれに限られない。注入される溶液をすべてのウェルに充満するためには、注入される溶液量は、各ウェルの容積の合計より大きい必要がある。ただし、ウェルに試薬501が固定されている場合、その分反応ウェルに入れる液体試料の量が減るため、流れ込む流路の容積をその分減少してもよい。また、蛍光反応や測定のため、第一基材側で検出測定を行なう場合には、ウェルの凹部が光を散乱させない平滑な形状となっていることが好ましい。
本発明の試料分析チップは、ウェル102に熱溶融性物質502が配置されている。後述のように、熱溶融性物質502に配液する溶液よりも比重の軽い物質を用いることで、液状にして遠心力を掛けると比重の重い溶液がウェル側に移行し、液状の熱溶融性物質は流路側を占める。これにより、ウェルが熱溶融性物質によって密閉され、溶液の蒸発等を防ぐことができる。また、ウェルに試薬501が固定されている場合には、これを覆うように熱溶融性物質502を配置することが好ましい。試薬を覆うように熱溶融性物質を配置することで、溶液との混合直前まで外部環境からの保護膜の役割をすることから、分析前の望まない反応を防ぐことができる。
図3は、熱溶融性物質502が充填された試料分析チップに、溶液301を送液した後、加熱する前の状態を示した平面図である。一方、予め充填された熱溶融性物質は、25℃以下で固体であるため、サンプル液を送液後、加熱前の状態では、熱溶融性物質の位置に変化はない。
図4は、熱溶融性物質502が充填された試料分析チップに、溶液301を送液した後、加熱して熱溶融性物質502を溶融し、さらにチップを回転させた後の状態を示した平面図である。加熱することで、予め充填されていた熱溶融性物質が溶解し、その比重がサンプル液より小さい場合は、回転軸に近付くようにサンプル液との位置の入れ替わりが起きる。
次に本発明の試料分析チップの製造方法について説明する。
図5は本発明の試料分析チップの構造の一様態を示した斜視図である。
本発明の試料分析チップはウェル及び流路(液溜め部106及び支流路105を含む)を形成した第一の基材401に、第二の基材402を貼り合わせることで作製することができる。第一の基材及び第二の基材の少なくとも一方には試料分析装置の具備するチップ回転機構によってチップを回転させるための回転手段として、例えばチップ回転機構に固定するための担持部405を有する。また注入口及び空気の脱出口を兼ねた出口(INLET/OUTLET)のための貫通孔を第一の基材及び第二の基材の一方に、少なくとも一つ形成する。貫通孔は基材を貼り合わせたときに液溜め部106内所定の位置に一致するようにする。以下では、説明の便宜上、蛍光反応等を検出、測定する際に測定する面に位置する基材側を「上側」、下側に位置する側を「下側」とする。
基材としては、試料に影響を与えないものであれば特に制限はないが、特にポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリルのいずれかを含む樹脂材料を用いれば、良好な可視光透過性を確保することができる。ポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレンやポリプロピレンとポリエチレンとのランダム共重合体を使用することができる。また、アクリルとしては、ポリメタクリル酸メチル、または、メタクリル酸メチルとその他のメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレンなどのモノマーとの共重合体を使用することができる。また、これらの樹脂材料を使用する場合、チップの耐熱性や強度を確保することもできる。樹脂材料以外としては、アルミニウム、銅、銀、ニッケル、真鍮、金等の金属材料を挙げることができる。金属材料を用いた場合、加えて熱伝導率及び封止性能に優れる。なお貼り合わせる基材のうち少なくとも上側基材のウェル底部を透明とすることで、蛍光等の検出・分析を外部から行うことができる。なお本発明における「透明」及び「光透過性」とは、検出光の波長領域での平均透過率が70%以上であるものとする。可視光領域(波長350〜780nm)で光透過性材料の材料を用いれば、チップ内の試料状態の視認が容易であるが、これに限られるわけではない。
ウェル及び流路を形成する基材の加工方法としては、樹脂材料の場合には、射出成形、真空成形等の各種樹脂成形法や、機械切削などを用いることができる。金属材料の場合には、厚手の基材を用いた研削加工やエッチング、薄手の金属シートにプレス加工や絞り加工を施すことで形成することができる。
また、第1の基材として特にポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリルのいずれかを含む樹脂材料を用いた場合、良好な光透過性、耐熱性、強度を確保することができる。また、第2の基材の厚みが50μm〜3mmの範囲にある場合、良好な光透過性、耐熱
性、強度を確保でき、凹部の加工を確実に行うことができる。
また、第2の基材の厚みが10μm〜300μmの範囲にある場合、第1の基材の熱伝導性及び封止性の双方を満足することができる。第1の基材の厚みが300μmよりも大きいと、熱容量が大きくなり、熱応答性が低下するおそれがある。
基材を貼り合わせる前に、ウェル102に反応用の試薬501を固定する。各ウェルで異なる試薬を用いることができる。各反応ウェルにそれぞれ異なる試薬を固定することによって、1つ検体(試料)に対して複数の処理を施すことができる。また、実際反応を行うための試薬の一部を各ウェルに固定し、残りの試薬は液体試料と一緒に導入するようにしてもよい。
試薬501の固定方法としては、例えば第1の基材のウェル部分に液体試薬をピペット等で滴下し、第一の基材401を遠心装置で2000〜3000rpm、5分程度遠心することで適量の液体試薬が液面を平坦な状態で残存するようにして、これを乾燥させることでウェルに固定することができる。
また、基材を貼り合わせる前に、ウェル102に熱溶融性物質502を充填する。熱溶融性物質をヒートブロック等の加熱手段を用いて溶融させ、ピペットを用いて各ウェルに滴下し、室温に数秒放置させて固化させる。試薬が固定されているウェルについては、試薬上に溶融した熱溶融性物質を滴下することで、試薬を覆うように熱溶融性物質を配置する。
熱溶融性物質502としては、使用する温度で固化−液化を起こすこと、反応や送液に悪影響を与えないこと、熱溶融性物質がサンプル液と入れ替わりを起こすことができること等の条件を満たせば、使用要求に合ったものを適宜選択することができる。例えば、本発明のような、生化学反応を行う場合、市販の専用のワックスを利用することができる。その他の利用形態では、パラフィンワックスを使用することができる。所望の温度で溶融するように、融点の異なる複数のワックスを混合して使用することもできる。
基材の貼り合わせ方法としては、一方の基材に接着層として樹脂コーティング層を設け、これを溶融させて両基材を接着する方法が挙げられる。樹脂コーティング層は、熱伝導率の高い金属材料基材に設けて溶融接着することが好ましい。樹脂コーティング層の材料としては、PETやポリアセタール、ポリエステルやポリプロピレン等の樹脂材料を用いることができる。
この貼り合わせ方法においては、微細加工しやすく、蛍光測定に好適な光透過性の樹脂材料を第一の基材に用い、第二の材料としては熱伝導率が高く樹脂コーティング層を設けて溶融接着による貼り合わせが容易な金属材料を用いることが好ましい。また金属基材表面に樹脂コーティング層を形成することにより、材料を選定する際に金属基材自体の耐薬品性は考慮しなくて良い。
また、基材表面に樹脂コーティング層を形成する際、樹脂コーティング層の下地としてアンカー層を形成することによりレーザを用いた融着が可能である。アンカー層にはレーザ波長光を吸収するカーボンブラック(光吸収性材料)が練り込まれており、レーザ光を照射することにより発熱して樹脂コーティング層を溶融接着することができる。あるいは、アンカー層にカーボンブラックを添加することに代えて、樹脂コーティング層にカーボンブラックを添加したり、樹脂コーティング層の表面を黒色に塗装したりしても良い。例えば波長900nm程度の赤外光フォトダイオードレーザーの光を照射することによっても樹脂コーティング層を効率良く溶融することができる。レーザ溶着は、熱溶着と異なり、チップを加熱する必要がないことから、チップやチップに固定されている試薬に殆ど影響を与えずに 基材の貼り合わせをすることができる。
次に本発明の試料分析チップを用いた試料分析方法について説明する。
本発明の試料分析チップは、例えば、DNA、たんぱく質等の試料において生化学物質の検出や分析に用いることができる。各ウェル102に試薬を固定し、液体試料を各ウェルに配液する。この場合には各ウェルで異なる試薬を用いることができる。あるいは試料を各ウェルに固定し、液体試薬を各ウェルに配液する。この場合には各ウェルで異なる試料を用いることができる。
次に第一の基材401と第二の基材402を貼り合わせた本発明の試料分析チップに対して、まず、注入口403(107)から試薬等の溶液を液溜め部106に注入する。
次に、試料分析方法に用いる試料分析装置には試料分析チップを回転させるためのチップ回転機構を有する。チップ回転機構には、公知一般の遠心装置を用いることができる。試料分析装置に試料分析チップを設置し、回転機構によりチップの中心点でチップの垂直方向を回転軸として、チップを回転させる。回転速度としては溶液に掛かる遠心力が前述の空気圧と表面張力に打ち勝って、ウェルに流入する回転速度が必要である。チップの形態にも寄るが、1000rpm以上であることが好ましい。チップの回転速度が1000rpmより小さいと、ウェルに溶液が流入せず、液量が一定にならないおそれがある。
試料分析装置のチップ回転機構により、試料溶液を分配後、試料分析チップの少なくともウェル部に、熱溶融性物質の融点以上の温度の熱をかけた後、再度チップを回転させることにより、サンプル液と熱溶融性物質の位置の入れ替わりが起きる。この操作は、試料分析チップを加熱しながら回転させることで行なっても良い。この入れ替わりにより、入り口/出口側に熱溶融性物質が移動することになり、反応中のサンプル液の蒸発を防ぐことが出来る。また、各ウェルに試薬501を固定した場合は、この入れ替わりと同時に、試料溶液と試薬501との混合が起きるため、酵素反応等の場合において、副反応の発生を抑制することが出来る。
またPCR反応などの加熱を含む工程では、回転させながら反応を行なうことにより、反応の開始と共に熱溶融性物質を溶融させて固定された試薬と、試料溶液とを混合させることができる。このとき試料分析チップを回転させながら反応させることによって、遠心力により確実に熱溶融性物質の位置を流路側に保つことができる。
なお、本発明の別の様態として、液体試料の配液後、加熱によって熱溶融性物質を溶融させる前に、試料・試薬の反応を阻害しないオイルをチップに注入し回転させて各ウェルに配液してもよい。オイルの注入によって、反応中に液の蒸発を防ぐことができることから、熱溶融性物質との併用により、オイルによって液の蒸発を保護するタイミングと、熱溶融性物質の溶融による試料反応開始のタイミングを分けることができる。オイルには先に配液した溶液よりも比重が軽いものを用いる必要がある。チップを回転させ、遠心力によって配液した際に、支流路105側で各ウェルの栓の役割をするためである。オイルの種類としては、試料・試薬の反応を阻害しないものであれば特に制限はないが、ミネラルオイルやシリコンオイルを好適に用いることができる。熱溶融性物質との関係では、両者が反応して試料・試薬に影響を与えない限りは特に制限はなく、両者が混合するものであっても良いし、それぞれ比重が異なるものを用いて、熱溶融性物質を溶融させた状態で回転させた際に回転中心側に熱溶融性物質が移動するようにしても良く、あるいは回転中心側のオイルと、試料溶液との間に熱溶融性物質が位置するようにしても良い。
その後、ウェルで試薬及び試料を混合し、反応状態を蛍光検出等の手法によって分析することができる。試料分析装置は、試料分析チップの基材上側のウェルの位置で測定を行なうための検出測定手段を有する。回転機構によりチップを回転させて、所定のウェルを測定することができる。本発明の試料分析チップでは基材の上側を透明とすることで、チップの外部から光学的測定を行なうことが可能である。
以上のように各工程で試料分析チップに作用させる機構を備えることで、省スペースかつ試料分析の容易な試料分析装置とすることができる。
次に本発明の試料分析方法の例を説明する。
遺伝子解析の1例としては、例えば体細胞変異の検出や、生殖細胞変異の検出が挙げられる。遺伝子型の違いによって、発現するタンパク質の種類等が異なるため、例えば薬の代謝酵素の働きの違いを生み、結果として薬の最適投与量や副作用の出やすさ等に個人差が生じる。この事を医療現場で利用し、各患者の“遺伝子型”を調べる事で、オーダーメイド医療を行うことが出来る。
・SNPsの検出
ヒトゲノムの中には、その約0.1%に個人特有の塩基配列の違いが存在し、SNP(Single Nucleotide Polymorphism)と呼ばれおり、生殖細胞変異のひとつである。SNPの特定方法の一つとして、例えば蛍光を用いたPCR‐PHFA(PCR−Preferential Homoduplex Formation Assay)法が利用されている。PCR‐PHFA法は検出変異部位を増幅するPCR工程と、増幅断片と対応プローブによる競合的鎖置換反応工程から成り立っている。当該方法によれば、蛍光試薬の発光差によって変異を検出するが、本発明の試料分析チップを用いることで、各ウェルの配液バラツキが少ないため、正確なSNPs検出を行うことが出来る。また上記以外のSNP検出方法としてインベーダー法(登録商標)、Taqman PCR法等についても同様に本発明の試料分析チップを用いることが可能である。
以下に、本発明を用いてワルファリン(抗血液凝固剤。心臓病や高血圧用の薬として用いられる)に対する副作用に関与するSNPついてPCR‐PHFA法を使った解析例を説明する。
血液などから得られる検体核酸を精製して、溶液試料とする。本発明の試料分析チップに注入前または注入後配液前に、検体核酸の増幅を行なう。なお、ワルファリンに関与するSNPの検出にはVKORC1やCYP2C9内のSNPが議論されることが多く、CYP2C9*2やCYP2C9*3などが有名である。検体からこれらのSNPを含む遺伝子断片をマルチプレックスPCRにて増幅する。
上記の検出方法では、一つのSNPを判定するために2つの検出用のウェルが必要となるので1検体試料につき10個以上のウェルが形成された試料分析チップを使用すると良く、それぞれのウェルに競合的鎖置換反応を行うためのSNP検出用の試薬を固定する。
上記PCRにより核酸が増幅された試料を、各ウェルに配液充填する。各ウェルを温調し、前記試薬に混入された蛍光試薬の発光差によって変異を検出する。一つのSNPに対し2つのウェルのうち一つのみ陽性反応ならばホモ、二つ陽性ならヘテロと判定することができる。
・K‐ras遺伝子変異の検出
上がん細胞に特徴的な変異、また分子標的薬に抵抗性を示す変異はそのほとんどが体細胞変異である.生殖細胞変異(SNPなど)の場合、どの細胞でも共通の変異が見られるのに対し、体細胞変異では変異を起こした細胞でのみ変異がみられ、変異を起こしていない細胞(通常は正常細胞)では変異は見られない.
つまり、試料のうちの多くは正常細胞で一部変異細胞が含まれる場合、多くの正常な遺伝子中に存在するわずかな変異遺伝子を検出しなければならず、この点が生殖細胞における変異検出と異なる点で、体細胞の遺伝子変異検出をより困難にしている点である.
K‐ras遺伝子は変異ががん細胞に存在すると分子標的薬がほとんどの患者群で奏効しないことが示された遺伝子であり、この遺伝子を簡便、迅速、安価、高精度に検出することが希望されつつある。
以下に、K‐ras遺伝子のPCR‐PHFA法での解析例を説明する.
上記遺伝子変異の検出用のウェルにはプローブ核酸を含む試薬が固定される。K‐ras遺伝子の検出は野生型と13種類の変異があるので少なくとも14のウェルが形成された本発明の試料分析チップを使用し、当該ウェルのそれぞれに対応した試薬が固定化されていることが好ましい。
大腸癌などのがん細胞を採取し、検体核酸を精製して、溶液試料とする。本発明の試料分析チップに注入前または注入後配液前に、検体核酸の増幅を行なう。
上記PCRにより核酸が増幅された試料を、各ウェルに配液充填する。ウェルを温調し、前記試薬に混入された蛍光試薬の発光差によって変異を検出することができる。
以下に本発明の試料分析チップをSNPs解析チップとして用いた実施例を示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
SNPsチップ基材として、ポリプロピレン樹脂を用いて、図1(A)に示したような円盤状の外形を持ち、注入口/出口107付近に液溜め106を有し、そこから同心円上に支流路105と、末端にウェル102を有するチップを射出成形により形成した。この基材(ポリプロピレン基材)にはそれぞれ23個のウェルが形成されている。
上記ポリプロピレン基材と貼り合わせる第二の基材として、樹脂コーティング層としてポリプロピレン樹脂がコーティングされたアルミシート基材を用いた。樹脂コーティング層には、厚みが約0.07mmのものを使用した。樹脂コーティング層は融点が120度前後であり、アルミニウム側に熱を与えれば溶融するように該アルミ基材にコーティングされている。
さらに、アルミニウム層と樹脂コーティング層の間にカーボンを練りこんだアンカー層が設けられ、レーザ光照射による発熱でも樹脂コーティング層が溶融する構成となっている。
該ポリプロピレン基材上のウェルにはインベーダー反応用プローブ試薬とDNAポリメラーゼ、クリベースといった酵素類をピペットで滴下し乾燥固定させた。その後、乾燥固定させた試薬の上に、熱溶融性物質502としてAmpliWax(タカラバイオ社製)をヒートブロックで熱溶融し、ピペットで2ul滴下した。
該ポリプロピレン基材と該アルミ基材を重ね合わせ、アルミ基材側に130度以上の熱を加えることで、該樹脂コーティング層を溶融させて該ポリプロピレン基材とアルミ基材を溶着した。
上記の工程で作製したチップに、精製されたゲノムを加えたバッファ溶液を溶液試料としてピペットにて送液し、液溜め106に充填した。この段階ではウェル及び支流路105には試料は浸入していなかった。
なお、本実施例はウェル22箇所に反応用試薬としてインベーダー反応用プローブを固定されており、各固定された反応用試薬は熱溶融性物質502で覆うようにしてある。また、反応結果の成否を判定するために、コンタミネーションの有無の確認としてネガティブコントロールを1箇所に設定し、1枚のチップ上で反応試験を行った。
上記各試薬類は下記表1に記載した分量で用いた。
Figure 2011064474
送液後、5000rpmにてチップ中心を軸としてチップを回転させたところ、各ウェルには10μlの試料が送液された。この状態では熱溶融性物質502はウェル102内に固定されていた(図3参照)。チップに遠心力を与える手段として、化学、生物反応における試薬の分離などに用いられる卓上小型遠心機を利用した簡易な遠心装置を作成し、これを用いた。遠心時の回転数は回転数測定器にて測定して調整した。
次に、試料分析チップに95℃と68℃を交互に35サイクルかけ、PCR反応によってサンプルのゲノムを増幅する。このときチップは120rpmで回転させながらPCR反応を行なった。このため熱溶融性物質は溶融し、流路側に移動し各ウェルは熱溶融性物質502によって独立した状態となっていた(図4参照)。
続いて、63℃で30min温調することにより、酵素反応によりウェル内で蛍光検出反応を生じる。また、このときチップのポリプロピレン基材側は透明であることから、蛍光検出をポリプロピレン基材を通して外部から行った。本実施例では光電子増倍管と光ファイバを組み合わせた蛍光検出装置によって上記蛍光反応を測定した。
図6及び7は本実施例によって検出された蛍光反応によるSNPsの解析結果のグラフである。各グラフの縦軸は検出された光の強度であり、蛍光の強度を示す。横軸は時間軸である。
図6は反応を行った1つのウェルの結果であり、所定の時間内に混合した試薬類による蛍光検出反応が生じていることが確認された。
図7は試薬類をあらかじめ固定していないウェルのため、蛍光反応は検出されなかった。これにより両隣からのコンタミネーションは生じていないことが確認された。
また、図8はポリプロピレン製のチューブにて一般的な手法で最適の分量比で試薬類とサンプルを混合して得られた検出データである(ポジティブコントロール)。図6と図8を比較すると、図6が示す本実施例によるチップ内の反応は図8の反応と一致していることから、本実施例では酵素反応における副反応も抑制されており、ウェル間のコンタミネーションやサンプル液の蒸発も抑えられていることが確認できた。
本発明の反応チップは、例えば核酸等の試料において生化学物質の検出や分析に用いることができる。特にSNPの変異を検出できることから、がんなどの遺伝子、生殖細胞や体細胞遺伝子の変異を検出する手法へ利用することができる。また、複数の溶液を混合する容器、反応容器として利用することが可能である。
101・・・基材
102・・・ウェル
103・・・主流路
105・・・支流路
106・・・液溜め部
107・・・注入口/出口
301・・・溶液
401・・・第一の基材
402・・・第二の基材
403・・・注入口/出口(貫通孔)
405・・・担持部
501・・・固定試薬類
502・・・熱溶融性物質

Claims (13)

  1. 基材に複数のウェルと、各ウェルに繋がる流路と、流路に溶液を注入するための注入口とを有し、該基材を回転させてウェルに溶液を配液する試料分析チップであって、
    回転前の段階で溶液が存在する液溜め部と、該液溜め部と各ウェルとを連絡する流路とが前記ウェルより回転中心側に設けられ、
    前記ウェルの少なくとも一つには、熱溶融性物質が配置されていることを特徴とする試料分析チップ。
  2. 前記熱溶融性物質は、ウェルに固定された試薬を覆うように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の試料分析チップ。
  3. 前記熱溶融性物質の融点が、25℃以上80℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の試料分析チップ。
  4. 前記熱溶融性物質の溶解時の比重が、ウェルに注入する溶液よりも軽いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の試料分析チップ。
  5. 前記液溜め部は、前記流路との連結部を有する側の側面形状が、隣り合う前記連結部の間で回転中心方向に前記隣り合う連結部を谷として一つの山を持つことを特徴とする1〜4のいずれかに記載の試料分析チップ。
  6. 前記試料分析チップは前記ウェル及び前記流路を形成した第一の基材と、該基材と貼り合わせた第二の基材とを有する請求項1〜5のいずれかに記載の試料分析チップ。
  7. 前記基材の少なくともいずれか一方が光透過性材料で形成されていることを特徴とする請求項6に記載の試料分析チップ。
  8. 第一の基材が光透過性の樹脂材料であり、第二の基材が金属材料であることを特徴とする請求項7に記載の試料分析チップ。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の試料分析チップを設置し、回転させる手段と、
    前記ウェルでの反応を検出するための検出測定手段と、を有する試料分析装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の試料分析チップの前記液溜め部に溶液を注入する工程と、
    試料分析チップを回転させて溶液を前記各ウェルに配液する工程と、
    試料分析チップを加熱して前記熱溶融性物質を溶融させた状態で、該試料分析チップを回転させる工程と、
    を有する試料分析方法。
  11. 前記試料分析チップを回転させて溶液を前記各ウェルに配液する工程の後、溶液よりも比重の軽いオイルを試料分析チップに注入し、該試料分析チップを回転させる工程を有することを特徴とする請求項10に記載の試料分析方法。
  12. 請求項10又は12に記載の試料分析方法を用いたことを特徴とする遺伝子解析方法。
  13. 前記試料分析チップ内でPCR反応させる工程を含み、該工程を試料分析チップを回転させながら行なうことを特徴とする請求項12に記載の遺伝子解析方法。
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