JP6595482B2 - シリカゾル、その製造のための方法および装置ならびに製紙でのそれらの使用 - Google Patents

シリカゾル、その製造のための方法および装置ならびに製紙でのそれらの使用 Download PDF

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Description

本発明は、低いS値および高い固体含有量を有するコロイダルシリカ、それらの調製ならびに紙の製造でのそれらの使用に関する。紙の製造に使用するとき、本発明のコロイダルシリカは良好な歩留および濾水性能を示し、そのため従来のコロイダルシリカと比べて少量で使用できる。本発明はまた、そのような活性化コロイダルシリカを製造するための装置および方法に関する。
コロイダルシリカは、またシリカゾルまたはシリカヒドロゾルとして知られており、非常に微小なシリカ粒子を伴う水性系であり、特に粒径に依存して様々な分野で用途を見出している。紙の製造においては、微小な、コロイド状の、陰イオン性シリカ粒子でのシリカ系ゾルは、最近の20年間の間で使用の増加が見出せる。コロイダルシリカはこれにより、陽イオン性または両性のポリマーと組み合わせて、主として紙の製造における歩留および脱水の向上のために、原料への添加剤として使用される。コロイダルシリカの調製および使用は、例えば、欧州特許第0041056号、PCT公開WO86/00100およびWO86/05826、米国特許第5,603,805号、第6,372,089号および第6,486,216号に開示されており、これらすべての内容は、すべての目的について本願に引用して援用する。
紙の製造で有用なコロイダルシリカは、粒径が通常約4から約7nmまでであり、比表面積が約300から約1000m/gまで、およびS値が約20から約40%までの分離したコロイド粒子を有するタイプである。コロイダルシリカ製品は様々な供給者、例えば、Nalco Chemical CompanyおよびEKA Nobel,ABから市販されている。
例えば、米国特許第5,603,805号は、陰イオン性シリカ粒子を含んで15から40パーセントまでの範囲内のS値を有し、前記シリカ粒子が非アルミニウム修飾であり、300から700m/gまでの範囲内の比表面積を有するシリカゾルを開示している。米国特許第5,603,805号で開示されたシリカゾルは、約5から7.5重量パーセントまでのSiO含有量を有する。
現在では、シリカゾルを製造するための方法は主として連続製造法を使用する。例えば、米国特許第5,503,820号は、低濃度ポリケイ酸塩マイクロゲルを製造するための方法および対応する装置を開示している。前記特許の装置では、水溶性ケイ酸塩の溶液および強酸を混合器具に同時に供給する。混合器具中でケイ酸塩が強酸と完全に反応した後で、得られた混合物を収容タンクに輸送する。その間、希釈剤としての水もまた収容タンクに供給し、得られた混合物を希釈することで最終的な希釈されたコロイダルシリカ製品を得る。米国特許第5,853,616号もまた、コロイダルシリカを製造するための同様な装置を開示している。
上記装置は原材料を比較的均一に混合でき、コロイダルシリカ製品を連続的に製造可能であるが、しかしながら、製品の品質には不安定さが残る。このような製品は、より高速でより大型化した製紙機械に供給するコロイダルシリカとしては許容できない。加えて、これらの製造装置では、反応後に毎回、反応容器の洗浄のために腐食性の水酸化ナトリウムを使用し、それが反応容器の腐食の原因となり得て、そのため運転コストの増加をもたらし、環境問題を引き起こし得る。
高い固体含有量と低いS値を有するコロイダルシリカの必要性は依然として存在する。加えて、製紙における歩留および濾水性能の向上に使用される多くの多成分プログラムが存在しているが、一方特に建造中のより高速でより大型の製紙機械において、依然として歩留および濾水性能の向上に使用する新しいプログラムの必要性が存在する。さらに、高い固体含有量および低いS値を有し、歩留および濾水性が向上している活性化コロイダルシリカを安定して製造できる、新規の製造装置の必要性もまた存在する。
欧州特許第0041056号明細書 国際公開第86/000100号 国際公開第86/005826号 米国特許第5,603,805号明細書 米国特許第6,372,089号明細書 米国特許第6,486,216号明細書 米国特許第5,503,820号明細書 米国特許第5,853,616号明細書 米国特許第2,244,355号明細書 米国特許第3,582,502号明細書 米国特許第5,368,833号明細書 米国特許第5,643,414号明細書 米国特許第6,372,806号明細書
本発明の目的は、高い固体含有量および低いS値を有するコロイダルシリカを提供することである。
本発明の別の目的は、本発明によるコロイダルシリカを製造するためのプロセスを提供することである。
本発明の別の目的は、活性化コロイダルシリカを製造するための装置を提供することであり、ここで、その装置は、反応容器と、コロイダルシリカを提供するためのコロイダルシリカラインを介して反応容器と流体連通するコロイダルシリカタンクと、活性化剤を提供するための活性化剤ラインを介して反応容器と流体連通する活性化剤タンクと、停止剤ラインを介して停止剤を提供するための停止剤源とを備える。
本発明の別の目的は、本発明の活性化コロイダルシリカを製造するための装置により活性化コロイダルシリカを製造する方法を提供することであり、ここで、その方法は、コロイダルシリカラインを介して反応容器にコロイダルシリカを供給するためにコロイダルシリカタンクを起動するステップと、活性化剤ラインを介して反応容器にコロイダルシリカを供給するために活性化剤タンクを起動するステップと、コロイダルシリカ原料が活性化コロイダルシリカに変換するために十分な時間、コロイダルシリカを活性化剤と接触させるステップと、反応を停止させるために停止剤ラインを介して停止剤を供給するために停止剤源を起動するステップと、を含む。
本発明のさらに別の目的は、特に紙の製造において、水性系への化学的添加剤として本発明によるコロイダルシリカの使用方法を提供することである。
本発明のさらにまた別の目的は、紙の製造においてコロイダルシリカの歩留および濾水性能を改善するための方法を提供することである。
活性化コロイダルシリカを製造するための本発明の装置および本発明のコロイダルシリカを製造するための方法の使用により、安定した品質の活性化コロイダルシリカを得ることができ、その活性化コロイダルシリカは、高い固体含有量および低いS値を有し、製紙プロセスの歩留および濾水性の向上をもたらす。
同時に、本発明の活性化コロイダルシリカを製造するための本発明の装置の使用により、安定した品質の活性化コロイダルシリカを製造でき、その装置を製紙機械などの下流の製造装置と好適に連結できることで、全体的な製造効率を向上できる。
本発明のこれらおよび他の実施形態は、以下のいくつかの実施形態の詳細な説明の点から見て、当業者および他の者には明らかである。しかしながら、この概要および以下の詳細な説明は、様々な実施形態のいくつかの例を単に例示したものであり、特許請求の範囲として発明を限定する意図ではないことを理解すべきである。
本発明の第1の態様による活性化コロイダルシリカを製造するための装置の模式図である。 本発明の第1の態様による活性化コロイダルシリカを製造するための装置の製法模式図である。 本発明の第2の態様による活性化コロイダルシリカを製造するための装置の模式図である。 本発明の第2の態様による活性化コロイダルシリカを製造するための装置の製法模式図である。 本発明の第1の態様による活性化コロイダルシリカを製造するための装置の実施形態の上面図である。
特許請求の範囲または本明細書中の他の部分で異なる定義が与えられない限り、以下に規定する用語について、これらの定義が適用されるものとする。
明示的であるかどうかにかかわらず、本明細書中のすべての数値は、用語「約」により修飾されていると見なす。用語「約」は、当業者が記載された値と同等である(すなわち同一の機能または結果を有する)と思慮すると思われる数値の範囲を通常意味する。多くの場合、用語「約」は最近接の有意な桁に丸めた数値を含むことができる。
重量パーセント、重量によるパーセント、重量%などは同意語であり、物質の濃度を、その物質の重量を組成物の重量で割り100を掛けたものを呼ぶ。
端点による数値範囲の記載は、その範囲内に包摂するすべての数値を含む(例えば、1から5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4および5を含む)。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用するように、単数形「a」、「an」および「the」は、その内容が明らかにその他のものを指示するのでない限り、複数の指示物を含む。その結果、例えば、「a 化合物」を含有する組成物という言い方は、2種以上の化合物の混合物を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用するように、用語「または」は、その内容が明らかにその他のものを指示するのでない限り、「および/または」を含むその意味で通常採用される。
本明細書で使用するように、用語「固体含有量」は、別段の指示が無い限り、コロイダルシリカのSiO含有量を意味する。
本明細書で使用するように、用語「室温」は、23℃を意味する。
一態様において、本発明は、コロイダルシリカ原料が活性化コロイダルシリカに変換するために十分な期間、コロイダルシリカ原料を活性化剤と接触させることを含む、活性化コロイダルシリカの製造のためのプロセスに関する。
本発明の一態様において、図1を参照すると、本発明の活性化コロイダルシリカを製造するための装置100は、反応容器109、コロイダルシリカを提供するためのコロイダルシリカライン108を介して反応容器109と流体連通するコロイダルシリカタンク103、活性化剤を提供するための活性化剤ライン107を介して反応容器109と流体連通する活性化剤タンク102、停止剤を提供するための停止剤ライン106を介して反応容器109と流体連通する停止剤源101を備える。
上記態様による実施形態において、反応容器109の形状に特別な制限は無い。反応容器は、円筒形状、立方体、円錐体等などの様々な構成を採用できる。反応容器の大きさおよび容量もまた、活性化コロイダルシリカの所望の量およびコストによって変更できる。
本発明の別の態様において、図3を参照すると、本発明の活性化コロイダルシリカを製造するための装置300は、反応容器307、コロイダルシリカを提供するためのコロイダルシリカラインを介して反応容器307と流体連通するコロイダルシリカタンク303、活性化剤を提供するための活性化剤ラインを介して反応容器307と流体連通する活性化剤タンク302、停止剤を提供するための停止剤ライン306を介して反応容器307と流体連通する停止剤源301を備える。
上記態様による実施形態において、反応容器307の形状に特別な制限は無い。反応容器は、円筒形状、円錐体、延長管等などの様々な構成を採用できる。好ましい実施形態において、反応容器は延長管型の反応容器である。反応容器の大きさおよび容量もまた、活性化コロイダルシリカの所望の量およびコストによって変更できる。
本発明の様々な実施形態において、所望の場合、図1に示すポンプ104およびポンプ105などの輸送手段を、コロイダルシリカライン、活性化剤ラインおよび停止剤ラインのいずれか1つ以上に設置することができる。そのような輸送手段は、限定されないが、電磁式ダイヤフラムポンプ、空圧作動ダイヤフラムポンプ、遠心ポンプなどを含むことができる。本発明の様々な実施形態において、所望の場合、各ラインを介して添加される材料の量を制御するために、測定手段もまた、コロイダルシリカライン、活性化剤ラインおよび停止剤ラインのいずれか1つ以上の中に取り付けることができる。測定手段は、限定されないが、流量計、重量計などを含む。
本発明の一実施形態において、コロイダルシリカライン108、活性化剤ライン107および停止剤ライン106のそれぞれの導入口は、図1に示すように、反応容器109の頂部におけるおける同一の水平面に位置する。さらなる実施形態において、シリカライン108、活性化剤ライン107および停止剤ライン106のそれぞれの導入口は、反応容器109の頂部にあり、反応容器の長手方向軸に沿って軸対称的に配置される。そのような設計により、材料の供給が相互に妨害されず、設計上の点でもまた非常に都合が良い。
本発明の別の実施形態において、シリカライン108および活性化剤ライン107のそれぞれの導入口は、反応容器109の頂部におけるおける同一の水平面に位置するが、一方停止剤ライン106の導入口は、図5に示すように、反応容器109の側面の底部に位置する。「反応容器の側面の底部」は、反応容器の側面の1/2長から反応容器の下方端部までの位置を意味する。停止剤ライン106の導入口は、この範囲内のどの位置にも配置できる。そのような実施形態の使用により、停止剤は、反応容器内で反応混合物とより十分に接触でき、それにより適時に効率的な方法で反応容器内の反応を停止させる。そのような実施形態において、シリカライン108および活性化剤ライン107のそれぞれの導入口もまた、反応容器109の頂部に配設されてよく、反応容器の長手方向軸に沿って軸対称的に配置される。
本発明の種々の実施形態において、コロイダルシリカ材料、活性化剤材料および停止剤材料を貯蔵するタンクは、当技術分野で従来使用される材料タンクとすることが可能である。タンクの大きさには特別の制限は無く、数十または数百リットルのタンクも使用でき、数トンのタンクも使用できる。本発明の特定の実施形態において、コロイダルシリカタンクは1トン規模とすることが可能であるが、一方活性化剤タンクは200リットル規模とすることが可能である。種々のタンクの材料は、種々のタンクに貯蔵される材料に対して不活性な材料である。通常、そのような材料は、ステンレス鋼、軟鋼等などの金属材料とすることが可能であり、特に、SS304およびSS316等であり、またはPVC、ポリエチレン、ポリプロピレン等などのプラスチック材料である。
本発明の種々の実施形態において、コロイダルシリカ材料、活性化剤材料および停止剤材料を輸送するラインは、当技術分野で使用する通常のパイプラインとすることが可能である。特に、パイプラインの材料は、パイプラインで輸送される材料に対して不活性な材料である。通常、そのような材料は、ステンレス鋼、軟鋼等などの金属材料とすることが可能であり、特に、SS304およびSS316等であり、またはPVC、ポリエチレン、ポリプロピレン等などのプラスチック材料である。これらのラインの大きさは、反応速度および生産性などの要素に従って選択できる。特定の実施形態において、ラインの直径は1、1.2、1.5、1.8インチなどとすることが可能である。
本発明の種々の実施形態において、停止剤ラインを介して反応容器と連通する停止剤源は、限定されないが、水道水、地表水、軟水などの水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム等などの水酸化物、アルミン酸ナトリウム等などのアルミニウム含有塩などを含むことができる。停止剤源は停止剤タンクに停止剤溶液として貯蔵できる。あるいは、停止剤源は、水道水源などの、本発明の装置を利用するその場所での水源とすることが可能である。
本発明の種々の実施形態において、本発明の装置は、反応容器の軸中心に位置する撹拌機をさらに備えることができる。撹拌機の使用により、反応容器中の反応をより十分で有効な方法で実施できる。通常、撹拌機は当技術分野で従来使用されるどのような撹拌機でもよい。撹拌機を設置する深さは、反応容器内に満たされた反応混合物の水平面より下方の位置に沈めるものとし、その結果反応容器内の反応混合物を迅速および均等に撹拌する。一般に、撹拌機の設置深さは、反応容器の縦の深さの1/2の下方であり、反応容器の下方端部の上方である。反応の進行中は、コロイダルシリカと活性化剤を十分に混合し接触させるために、撹拌機を作動させる。反応がある程度まで進行したとき、例えば、コロイダルシリカの所定の活性化レベルが達成されると、停止剤の供給を始めると同時に、撹拌機の作動頻度を、例えば、元の作動頻度の80%、70%、60%、50%など、元の作動頻度の90%から40%まで、またはさらにそれ以下へ低下させ、その結果停止剤と活性化コロイダルシリカを十分に混合する。
本発明の種々の実施形態において、シリカライン108および活性化剤ライン107のそれぞれの導入口は、反応容器の側壁に接触しないように配設される。この構成により、供給物は反応容器の側壁に接触しないことになり、側壁の腐食を避ける。そのような構成はまた、コロイダルシリカなどの材料が容器の側壁で結晶化することを妨げる。それによって、洗浄のための頻繁な休止時間の必要が無くなり、製造コストを節約できる。
本発明の種々の実施形態において、本発明の装置は、反応容器中のコロイダルシリカの状況を監視するためのセンサーをさらに備えることができる。コロイダルシリカの状況の監視により、反応容器中の反応の程度を測定できる。そのような程度に基づいて、反応材料を添加するべきか、または反応を停止させるべきか、決定できる。センサーは、バイパス方式を経由して反応容器に装着できる。一実施形態において、サンプリングラインを反応容器に取り付けることができ、サンプリングライン中のサンプルを監視し、分析するために、サンプリングラインにセンサーを取り付けることができる。別の実施形態において、センサーは反応容器に直接装着する。すなわち、センサーを反応容器の側壁に直接取り付けることができて、反応容器中のコロイダルシリカの状況を直接的に監視し、分析する。そのような実施形態において、センサーの取り付け位置は、反応容器中の材料混合物の水平面よりも、さらに低い位置であるものとする。通常この実施形態において、センサーの取り付け位置は反応容器の側壁の1/2長から反応容器の下方端部までに位置する。本発明では、センサーは反応容器の側壁に直接取り付けることが好ましい。如何なる理論にも束縛されずに、センサーを反応容器の側壁に直接に取り付けることで、反応容器内のコロイダルシリカの状況をより直接的な方法で監視でき、反応が進行する程度のより現実的なパラメーターを得ることができ、その結果、品質の良い製品を得るために適時な方法で停止剤の供給を開始できる。また、如何なる理論にも束縛されずに、センサーがバイパス方式で反応容器に装着されたとき、バイパス中のサンプルが、温度、濃度、導電率およびpH値等などについて一定程度変化する恐れがあり、その結果、測定データが反応容器中のコロイダルシリカの真の状況から逸脱する恐れがある。
本発明の種々の実施形態において、センサーは、限定されないが、導電率センサー、温度センサー、およびpHセンサー等を含む。
本発明のさらなる実施形態において、本発明の装置は、追加の停止剤ラインを介して反応容器と流体連通する追加の停止剤タンクをさらに備える。本発明の発明者らは、ある状況では反応容器中の反応が、時々は非常に進行し難く、および/または急速に進行することを見出している。原型の停止剤源のみによって反応を停止させることは、適時に反応を停止させない恐れがある。このような状況には、追加の停止剤ラインを介して反応容器と流体連通する追加の停止剤タンクを導入できる。いったん反応容器中の反応があまりに急速に進むと、そのときに追加の停止剤の供給を開始する。追加の停止剤は、有機塩基類および無機塩基類などの様々なアルカリ性物質を含むことができる。通常、入手可能性および有効性の観点から、追加の停止剤は水酸化ナトリウムとすることが可能である。追加の停止剤タンクおよび追加の停止剤ラインの材料および大きさは、特に制限されない。上述のコロイダルシリカタンクおよび活性化剤タンクに使用される材料および大きさはまた、追加の停止剤タンクおよび追加の停止剤ラインに適用することができる。
本発明の実施形態によれば、温度制御手段を反応容器に設置することができ、その結果一定温度で活性化プロセスを続行できる。
本発明の種々の実施形態において、毎回の製造の後に反応容器の洗浄を行ってもよい。洗浄は、反応容器に連結している別個の洗浄手段で行ってもよく、または停止剤源によって直接的に反応容器の洗浄を行ってもよい。好ましい実施形態において、停止剤源によって反応容器は直接的に洗浄される。一実施形態において、リンスボールなどの洗浄手段を反応容器中に取り付けることができる。水道水源などの停止剤源をリンスボールに連結する。反応の終了後に毎回、反応容器の内容物を排出し、その後反応容器の内部をそのような手段により水道水を使用して洗浄する。それによって、シリカ結晶の生成を妨げることができ、反応容器に残るどのような残留物も洗い落とすことができる。
別の実施形態において、水道水源などの停止剤源が停止剤輸送ラインを介して反応容器の下流位置に連結される。そのような実施形態において、コロイダルシリカおよび活性化剤は反応容器で反応し、一方、反応容器の上流に位置する停止剤輸送ラインを起動して、反応を停止させるために反応容器の下流に停止剤を輸送する。その後、反応を停止させた混合物は、製紙装置などの下流の装置に下流のパイプを介して輸送される。所望の場合、本実施形態による装置の運転を停止でき、停止剤源を起動して反応容器を洗浄する。
本発明のさらなる実施形態によれば、本発明の反応容器に液位計を設置することができ、反応容器中の液体の水位を監視する。
別の態様において、本発明は、本発明の上記の装置による活性化コロイダルシリカを製造するための方法に関し、その方法は、コロイダルシリカ材料を活性化コロイダルシリカに変換するために十分な時間、コロイダルシリカ材料と活性化剤を反応容器中で接触させ、その後反応を停止させるために停止剤を添加して、活性化コロイダルシリカ製品を得るステップを含む。
特に、本発明の活性化コロイダルシリカを製造するための装置により活性化コロイダルシリカを製造するための方法は、コロイダルシリカラインを介して反応容器にコロイダルシリカを供給するためにコロイダルシリカタンクを起動するステップと、活性化剤ラインを介して反応容器にコロイダルシリカを供給するために活性化剤タンクを起動するステップと、コロイダルシリカ材料を活性化コロイダルシリカに変換するために十分な時間、コロイダルシリカを活性化剤と接触させるステップと、反応を停止させるために停止剤ラインを介して反応装置中に停止剤を供給するために停止剤源を起動するステップとを含む。
本発明の方法は、バッチ方式、半バッチ方式または連続方式で実施できる。
ここで図2を参照して、バッチ方式での本発明の方法を以下のように詳細に説明する。
最初に、材料の調製:タンク202(PVC、100リットル)、タンク203(PVC、200リットル)、タンク204(PE、1トン)をそれぞれ30%NaOH、50%HSOおよびコロイダルシリカの貯蔵に使用する。停止剤源は水道水源であり、製造場所のその場の水道水源から導入できる。直径1.2インチを有するPVCのパイプラインを、停止剤を輸送するためのラインとして使用する。運転中、バルブ205、206、207および208は常時開状態である。その後、供給の開始:空圧作動ダイヤフラムポンプ211を起動し、コロイダルシリカ材料1トンをタンク204から反応容器に輸送し、材料が事前設定レベルに達したと監視されると、液位計がポンプ停止の信号を発する。加熱管221を起動して、反応容器中の材料の温度を40に保持し、温度はその間温度センサー222で監視する。同時に、撹拌機220を速度120RPMで運転する。電磁式ダイヤフラムポンプ210を起動し、13リットルの50%硫酸を反応タンクに供給する。流量計238を活性化剤ラインに配設することも可能である。酸添加の間、撹拌機220を常時運転し、導電率センサー223でコロイダルシリカ溶液の導電率を測定する。5分後、酸添加を停止する。酸添加の間に、オンラインpHメーター225で溶液のpHが9を下回ると計測された場合にもまた、酸添加を停止する。酸添加の後、活性化処理を開始する。この間、撹拌機220を速度120RPMで運転し、加熱棒もまた、温度40℃に設定して運転する。1時間の反応後に、バルブ213を起動し、停止剤として1トンの水道水を添加する。液位計218が、水面が事前設定位置に達したと検知したとき、バルブ213を閉じる。この間、撹拌機220を速度120RPMで運転するが、加熱手段は停止する。その後、すべての活性化コロイダルシリカを今後の使用のために製品タンクに輸送する。リンスボール219によって反応タンクの内部を洗浄するために、停止剤源201から水道水を使うためにバルブ212を起動する。反応タンクの内部が低い水位に達したことを液位計が検知したとき、バルブ212を閉じる。バルブ227は反応中のサンプリングのためにある。バルブ230は、休止時間中の反応容器洗浄後の排出のためにある。
ここで図4を参照して、連続方式での本発明の方法を以下に詳細に説明する。
タンク402(PVC、200リットル)およびタンク403(PE、1トン)をそれぞれ50%HSOおよびコロイダルシリカの貯蔵のために使用する。停止剤源401は水道水源であり、製造場所のその場で導入できる。直径1.2インチを有するPVCのパイプを、停止剤輸送ラインとして使用する。流量計407を活性化剤輸送ラインに配設することも可能である。運転中、バルブ404、405および406は常時開状態である。ポンプ410およびポンプ408を同時に起動し、コロイダルシリカ材料および50%硫酸をそれぞれ混合機414に輸送する。均等な混合後、活性化のために混合物を延長管417に輸送する。制御器が、ポンプ408とポンプ410との間の流量比を自動的に、0.013:1などに調整して、その結果オンライン導電率センサー415の示度を調整する。電子式ボールバルブ412は開状態にある。停止剤として水道水を活性化コロイダルシリカと混合して、活性化を停止させる。生成物を均一に混合してユーザーに提供する。装置が製造を停止した後に毎回、バルブ412を閉じ、バルブ413を起動して、その結果停止剤源401からの水道水が延長管を流れてパイプラインを洗浄する。導電率計415が過剰な高導電率を検知した時は、バルブ412を閉じて反応管417中のゲルの生成を妨げ、バルブ413を起動して、水道水が過剰な高導電率となった材料の反応を停止させることになる。洗浄後、下流のパイプラインを介して溶液を排出する。
本発明の方法において使用する反応容器中での活性化時間は、広範囲に幅広く変化できる。一実施形態において、接触時間は1秒間から1週間までとすることが可能であり、1分間から24時間まで、5分間から12時間まで、10分間から8時間まで、30分間から6時間まで、または1時間から4時間までの範囲などとすることが可能である。
本発明で有用な活性化剤の例としては、限定されないが、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、炭酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸;および炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウムなどの塩が含まれる。
活性化剤が無機酸および有機酸から選択される少なくとも1種である実施形態において、活性化反応混合物のpH値が、0.5、1.0、2.0、3.0、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5または9.0である下限値から、11.0、10.0、9.8、9.7、9.6、9.5、9.4、9.3、9.2、9.1、9.0、8.7、8.5、8.2、8.0、7.7、7.5、7.2、7.0、6.5、6.0、5.5、5.0、4.0、3.5または3.0である上限値までであり、下限値が上限値よりも小さい範囲となる量で、活性化剤を使用する。これらの実施形態の態様において、コロイダルシリカ原料は非修飾であり、7.5から10.5までのpH値を有する活性化反応混合物を与える量で活性化剤を使用する。これらの実施形態の別の態様において、コロイダルシリカ原料はAl修飾されており、0.5から3.5までのpH値を有する活性化反応混合物を与える量で活性化剤を使用する。
活性化剤が少なくとも1種の塩である実施形態で、活性化反応混合物が、コロイダルシリカ原料の導電率よりも、0.1mS/cmから100mS/cmまで、好ましくは1mS/cmから100mS/cmまで、好ましくは2mS/cmから80mS/cmまで、さらに好ましくは3mS/cmから50mS/cmまでの大きい導電率を有するような量で活性化剤を使用する。
本プロセスで採用する活性化時間は、広範囲で変化してもよい。一実施形態においては、接触時間は1秒間から1週間までの範囲であり、1分間から24時間まで、5分間から12時間まで、10分間から8時間まで、30分間から6時間まで、または1時間から4時間まで、などである。
本プロセスは、室温で好適に実施でき、またはその代わりに、低温もしくは高温で実施してもよい。例えば、本プロセスは、0から80℃までの範囲の温度で実施でき、5から60℃まで、10から50℃まで、15から40℃まで、または20から30℃まで、などである。
本プロセスで原料として使用するコロイダルシリカは、400m/gから1100m/gまで、好ましくは500m/gから900m/gまで、より好ましくは600m/gから800m/gまでの比表面積、10から50までのS値、および最大20重量%、好ましくは5から20重量%まで、より好ましくは8から18重量%まで、さらにより好ましくは9から17.5重量%までの固体含有量を有することができる。好ましくは、コロイダルシリカ原料は相対的に高いS値を有し、例えば、25から40%までのS値であり、その結果コロイダルシリカ原料は高い固体含有量を有することができる。所定のS値は、R.K.アイラー(R.K.Iler)およびR.L.ダルトン(R.L.Dalton)、J.Phys.Chem.60(1956)、955〜957の開示に従い、測定及び計算される。
本プロセスで原料として使用するコロイダルシリカの粒子は、非修飾のシリカ粒子またはアルミニウム、ホウ素もしくは他の金属で表面修飾されたシリカ粒子でもよい。修飾されていないシリカを含有するコロイダルシリカが好ましい。アルミニウム、ホウ素または他の金属で修飾されたシリカ粒子では、これらは2から25パーセントまでの程度に好適に修飾され、好適には3から20パーセントまでである。修飾の程度は、シリカ粒子の表面でケイ素原子に置き換わった修飾原子の割合を意味する。修飾の程度はパーセントで与えられ、nm当たりで8つのシラノール基に基づいて計算される。このことは、アイラー,R.K.(Iler,R.K.)、Journal of Colloidal and Interface Science、55(1976):1、25〜34に記載されている。
そのようなコロイダルシリカは、NalcoからN3295、N8691、N8692、N8699の商品名として、EKAからNP580、NP882、NP2180および32Kの商品名として市販されている。
一実施形態において、本プロセスで原料として使用するコロイダルシリカは、以下を含む工程によって調製できる。(a)水、アルカリ金属ケイ酸塩(15:1から1:1までの範囲のSiO対アルカリ金属酸化物のモル比、および少なくとも10、通常少なくとも11のpHを有する)、および酸(および/または対応するその塩)を含有しており、アルカリ金属ケイ酸塩および酸(および/または対応するその塩)が初期には少なくとも63:1の重量比で存在する初期組成物を、初期組成物の温度を100°F未満に、好ましくは85°F未満に、通常60〜85°Fに維持しながら形成することと、(b)通常4.0から8.5重量パーセントまでの範囲で、好ましくは5.0から7.2重量パーセントまで、好ましくは6.0から6.8重量パーセントまでのSiO含有量を有するケイ酸水性組成物を、そのケイ酸組成物の2分の1から4分の3までを初期組成物に添加するまでその組成物の温度を100°F未満、通常約60〜85°Fに維持しながら、ゆっくりと連続的に初期組成物に添加することと、(c)ゆっくりと、例えば約10〜35分からの時間をかけて、組成物の温度を115〜125°Fよりも上昇させ、ケイ酸組成物の添加が完了するまでその温度を維持することと、(d)任意選択で、組成物の温度を125°F未満に維持して、通常115から125°Fまで、約1時間維持することと、(e)加熱を中止し、任意選択で、生成した組成物のSiOに基づく固体含有量が、約8重量パーセントまたはそれ以上、通常11重量パーセントから20重量パーセントまでになるまで、生成した組成物から水を除去すること。コロイダルシリカの調製についてのさらなる詳細は、例えば、米国特許第2,244,355号、第3,582,502号、第5,368,833号、第5,643,414号、第6,372,089号、第6,372,806号および第6,486,216号を参照されたい。これらの開示は本願に引用して援用する。
本発明の実施形態において、上記の方法に従って製造したコロイダルシリカは、本発明の活性化コロイダルシリカを製造するためのコロイダルシリカタンクに貯蔵する。
本プロセスは結果として、初期のコロイダルシリカ原料のS値よりも少なくとも10%、または少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%の、低いS値を有する活性化コロイダルシリカとなる。
別の態様において、本発明は、上記で説明したプロセスにより調製した活性化コロイダルシリカに関し、その活性化コロイダルシリカは高い固体含有量および低いS値を有することが可能である。
いくつかの実施形態において、本発明による活性化コロイダルシリカは、400m/gから1100m/gまで、500m/gから900m/gまで、および600m/gから800m/gまでの比表面積、6から30%まで、10から20%までのS値、ならびに最大20重量%、5から20重量%まで、8から18重量%まで、および9から17.5重量%までの固体含有量を有する。
いくつかの実施形態において、本発明による活性化コロイダルシリカは、1cpsから2000cpsまでのブルックフィールド粘度を有する。
いくつかの実施形態において、本発明による活性化コロイダルシリカは、7日未満など、30日未満の貯蔵寿命を有し、例えば1日間から7日間までである。
本発明の活性化コロイダルシリカ組成物は、製紙プロセスでの濾水および歩留の補助剤として、非活性化コロイダルシリカ組成物と比べて20から70パーセントまで、より一層有効であることが示されている。本発明のコロイダルシリカ組成物の好ましい効用が、紙の製造での濾水および歩留の補助剤としてのものである一方、本発明の組成物は他の目的のためにも使用することができ、例えば、ビール、ワイン、ジュースおよび砂糖の浄化;生水および汚水の浄化を含む水の浄化;触媒の担持として;塗料組成物の成分として;プラスチックのコーティング成分として;耐磨耗コーティング成分として;インベストメント鋳造用;セラミックの暖炉用丸太の成分として;ならびに耐火材料においてである。
このようにさらなる態様において、本発明は本発明による活性化コロイダルシリカの化学的添加剤としての、特に紙の製造における、使用に関する。
それゆえ一実施形態において、本発明は紙の製造を改善する方法に存し、その方法は、製紙工場完成紙料に、SiOとして計算した本発明の活性化コロイダルシリカを完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づいて約0.0001から約1.25重量パーセントまで添加するステップを含む。一実施形態において、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性、双性イオン性、または両性のポリマー凝集剤を、完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づいて約0.001から約0.5重量パーセントまでの量で、活性化コロイダルシリカの添加の前または後に、完成紙料に添加することができる。合成ポリマー凝集剤の代わりに、または加えて、完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づいて約0.005から約5.0重量パーセントまでの量で陽イオン性デンプンを完成紙料に添加することもできる。より好ましくは、完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づいて約0.05から約1.5重量パーセントまでの量でデンプンを添加する。さらに別の実施形態において、凝集剤および/またはデンプンの代わりに、または加えて、製紙完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づいて約0.005から約1.25重量パーセントまでの量で凝固剤を完成紙料に添加することもできる。一実施形態において、完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づいて約0.025から約0.5重量パーセントまでの量で凝固剤を添加する。
一実施形態において、本発明はまた、製紙機械について製紙完成紙料の歩留および濾水を増加するための方法に存し、その方法は、製紙完成紙料に、SiOとして計算した本発明の活性化コロイダルシリカを完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づいて約0.0001から約1.25重量パーセントまで添加するステップを含む。活性化コロイダルシリカは、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性、双性イオン性または両性のポリマー凝集剤と共に製紙完成紙料に添加できる。凝集剤は、完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づいて約0.001から約0.5重量パーセントの量で、活性化コロイダルシリカの前または後に添加することができる。凝集剤の代わりに、または加えて、完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づいて約0.005から約5.0重量パーセントまでの量でデンプンを代わりに完成紙料に添加することもできる。デンプンを使用する場合は、陽イオン性デンプンにしてもよい。陽イオン性デンプンを使用する場合には、完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づいて約0.05から約1.25重量パーセントまでの量で添加することが好ましい。さらに別の実施形態において、凝集剤および/または陽イオン性デンプンの代わりに、または加えて、完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づいて約0.005から約1.25重量パーセントまでの量で凝固剤を完成紙料に添加することもできる。好ましくは、完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づいて約0.025から約0.5重量パーセントまでの量で凝固剤を添加する。
代替の実施形態において、本発明は紙の製造のためのプロセスに存し、そのプロセスは、
(a)セルロース繊維、および任意選択の填料を含有する懸濁液を用意することと、
(b)前記懸濁液に、乾燥繊維および任意選択の填料に基づいて、少なくとも0.01kg/トンの量で、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性、双性イオン性、または両性のポリマー凝集剤を添加することと、
(c)前記懸濁液に、乾燥繊維および任意選択の填料に対して、SiOとして計算して、少なくとも0.001kg/トンの量で本発明のコロイダルシリカを添加することと、
(d)その後、紙の形成のためにワイヤー上で得られた懸濁液を成形および脱水することと
を含む。
上記のいずれの実施形態におけるポリマー凝集剤の用量は、完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づいて、好ましくは、約0.005から約0.2重量パーセントまでである。SiOとして計算した活性化コロイダルシリカの用量は、完成紙料中の乾燥繊維の重量に基づいて好ましくは約0.005から約0.25重量パーセントまでであり、最も好ましくは、完成紙料中の繊維の約0.005から約0.15重量パーセントまでである。
本発明は広範囲の紙のグレードおよび完成紙料に適用できるため、上記で与えた割合は場合により変化することができることを指摘すべきである。本発明から離れることなく、上記で与えられた割合からなされ得る相違は、本発明の趣旨および意図の範囲内であり、これらの割合の値は当業者へのガイダンスとしてのみ与えられている。
上記のいずれの実施形態においても、ベントナイト、タルク、合成粘土、ヘクトライト、カオリン、またはそれらの混合物もまた、シート形成の前に製紙システム中のどこにおいても添加できる。添加する点は、白水で希釈する前の濃い貯蔵パルプである。
加えて、いずれの上記実施形態も、上質紙(本明細書で使用するように、未使用繊維系およびリサイクル繊維系材料を含む)、板紙(本明細書で使用するように、リサイクル繊維系のテスト用裏地および波形中芯紙、ならびに未使用繊維系材料を含む)、および新聞印刷用紙(本明細書で使用するように、未使用繊維系およびリサイクル繊維系の両方の雑誌完成紙料を含む)、または他のセルロース系材料からなる群から選択される製紙完成紙料に適用できる。これらの完成紙料は、木質含有、木質フリー、未使用、漂白再使用、非漂白再使用、およびそれらの混合物の完成紙料を含む。
紙または板紙は、一般に水系の媒体中でセルロース系材料の完成紙料の懸濁液から作り、その完成紙料は1つ以上の剪断ステージを受け、そのようなステージは一般に洗浄ステージ、混合ステージおよびポンプステージであり、その後懸濁液を排水してシートを形成し、そのシートはその後所望の、一般に低い、水分濃度に乾燥させる。本発明の活性化コロイダルシリカは、剪断ステージの前または後に、完成紙料に添加できる。
上記で説明した歩留および濾水の補助剤での適用に加えて、本発明の活性化コロイダルシリカは、そのように扱われたセルロース系シートの湿潤強度を向上するために標準的な陽イオン性湿潤紙力増強樹脂と併せて使用できる。このような方法で使用するとき、湿潤紙力増強樹脂を含有する完成紙料を製紙機に仕掛ける前に、活性化コロイダルシリカを完成紙料に添加する。活性化コロイダルシリカは一般に、上記で明らかにしたレベルで使用する。
本発明の活性化コロイダルシリカは、製紙プロセスでの合成ポリマー凝集剤および歩留剤、ならびにデンプンの性能を著しく増強することが見出されてきた。さらに活性化コロイダルシリカは、水の前処理などの固体/液体分離プロセスでの添加剤、および汚水処理の適用での添加剤としての効用を有すると考えられている。本発明の活性化コロイダルシリカは、新聞印刷用紙、上質紙、板紙および他のグレードの紙の濾水および歩留の増強に加えて、製紙での松やにおよび粘着性異物の制御、ドライラップパルプの製造でのパルプの脱水、パルプおよび製紙の工場でのセーブオールおよび浄化器への適用、水浄化、溶解空気浮上ならびにスラッジ脱水でもまた、効用を見出すことができる。本発明の活性化コロイダルシリカ組成物はまた、固体/液体分離またはエマルジョン破壊での効用を見出すこともできる。そのような適用の例としては、都市汚泥の脱水、水性金属スラリーの浄化および脱水、精製所のエマルジョン破壊などが含まれる。本発明の活性化コロイダルシリカを合成ポリマーおよび/またはデンプンと組み合わせて使用することで見られる性能の増強には、より高い歩留、濾水の向上および固体/液体分離の向上、ならびに、しばしば所望の効果を達成するために使用するポリマーまたはデンプンの量の低減が含まれる。
微細粒子歩留プログラムは、剪断により破壊された、当初から形成されていたフロックの回復に基づく。そのような適用では、少なくとも1点の高い剪断点の前に凝集剤を添加し、続いてヘッドボックスの直前で微細粒子を添加する。通常、凝集剤を圧力スクリーンの前で添加し、続いてスクリーンの後で微細粒子を添加する。しかしながら、この順序を逆転させることができる方法を、本明細書では熟考する。微細粒子の添加により形成された二次的なフロックは結果として、シートの形成に有害な影響を与えることなく、歩留および濾水を増加させる。これにより、シート中の填料含有量を増加させ、シートの両面性を回避し、濾水を増し製紙での機械の速度を増加させる。
わずかに過剰のポリマー凝集剤および/または凝固剤の使用は、その後の剪断で結果としてマイクロフロックの形成を確実にするために必要と考えられており、マイクロフロックは、少なくともそれらの表面の一部を正に帯電させるために十分なポリマーを含有するか、または運搬するが、しかしながら、すべての完成紙料を正に帯電させる必要は無い。したがって完成紙料のゼータ電位は、ポリマーの添加後および剪断ステージの後で、陽イオン性または陰イオン性である。
剪断は、混合ポンプ、ファンポンプもしくはセントリスクリーンなど、他の目的で使用する装置中の器具によって行われてもよく、または、剪断を提供する目的のために装置中に剪断混合機もしくは他の剪断ステージを挿入してもよく、ポリマーの添加の後に高い程度の剪断が好ましい。
本発明の適用で使用する凝集剤は、高分子量の水溶性または水分散性のポリマーであり、陽イオン性または陰イオン性の電荷を有してもよい。非イオン性の高分子量ポリマーもまた使用できる。これらのポリマーは、製紙システム中で完全に可溶であってもよく、またはその代わりに容易に分散可能であってもよい。それらのポリマーは、分岐または架橋構造を有していてもよいが、但し、仕上りの紙の上に、不愉快な「魚の目」、いわゆる溶解しないポリマーの塊を形成しないことが条件である。これらのタイプのポリマーは、各種の商業的な供給元から容易に入手可能である。それらは、乾燥固体、水溶液、水に添加するとその中に含有されたポリマーが迅速に溶解するような油中水のエマルジョンとして利用可能であり、または水溶性もしくは水分散性ポリマーの水ブライン溶液中の分散物として利用可能である。本明細書中で使用する高分子量凝集剤の形態は、ポリマーが完成紙料に可溶または分散可能な限り、重要ではないと思われる。
上述のように、ポリマーは陽イオン性、陰イオン性、非イオン性、双性イオン性、または両性であってもよい。本明細書で有用な陽イオン性ポリマー凝集剤は、一般に陽イオン性官能基を含む高分子ビニル付加重合ポリマーである。これらのポリマーは一般に、水溶性の陽イオン性ビニルモノマーのホモポリマーであり、またはアクリルアミドもしくはメタクリルアミドなどの非イオン性モノマーを伴う水溶性の陽イオン性ビニルモノマーのコポリマーでもよい。ポリマーは1種のみの陽イオン性ビニルモノマーを含有していてもよく、または2種以上の陽イオン性ビニルモノマーを含有していてもよい。あるいは、本発明で有用な陽イオン性ビニルポリマーを製造するために、マンニッヒ反応によるポリアクリルアミドなど、ある種のポリマーが重合後に修飾され、または誘導体化されてもよい。ポリマーは、少なくは1モルパーセントの陽イオン性モノマーから100モルパーセントまでの陽イオン性モノマーから調製されていてもよく、または重合後修飾されたポリマーの陽イオン性に修飾された官能基から調製されていてもよい。大抵の場合、陽イオン性凝集剤は、少なくとも5モルパーセントの陽イオン性ビニルモノマーまたは官能基を有し、最も好ましくは、少なくとも10重量パーセントの陽イオン性ビニルモノマーまたは官能基を有する。
本発明に好適な陽イオン性荷電のビニル付加重合コポリマーおよびホモポリマーの作製に有用な好適な陽イオン性ビニルモノマーは、当業者に周知であろう。これらの材料は、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEM)、ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)、ジエチルアミノエチルアクリレート(DEAEA)、ジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAEM)または硫酸ジメチルもしくは塩化メチルと共に作製されたそれらの第四級アンモニウム体、マンニッヒ反応で修飾されたポリアクリルアミド、ジアリルシクロヘキシルアミン塩酸塩(DACHA HCl)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)およびアリルアミン(ALA)を含む。陽イオン化デンプンもまた、本明細書の凝集剤として使用できる。選択される凝集剤は、上述したものの混合物、または上述したものと陽イオン性デンプンとの混合物でもよい。陽イオン性ポリマーをベースにする歩留プログラムの当業者は、特定のポリマーの選択が、完成紙料、填料、グレード、および水質に依存することを、容易に認識すると思われる。
本発明で有用と思われる高分子量陰イオン性凝集剤は、好ましくは、1モルパーセントまたはそれ以上の、陰イオン性電荷を有するモノマーを含有する水溶性または分散可能なビニルポリマーである。それに応じて、これらのポリマーは、陰イオン性荷電の水溶性ビニルモノマーのホモポリマーでもよく、または、これらのモノマーの、例えば、アクリルアミドまたはメタクリルアミドなどの非イオン性モノマーを伴うコポリマーでもよい。好適な陰イオン性モノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)およびそれらの混合物、ならびにそれらに対応する水溶性または水分散性のアルカリ金属およびアンモニウムの塩が含まれる。本発明で有用な陰イオン性高分子量ポリマーはまた、加水分解されたアクリルアミドのポリマーあるいは加水分解されたコポリマーであって、アクリルアミドもしくはメタクリルアミドなどのその同族体の、アクリル酸もしくはメタクリル酸などのその同族体を伴う、またはマレイン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸などのビニルモノマー、もしくは他のスルホネート含有モノマーを伴うコポリマーであってもよい。陰イオン性ポリマーは、スルホネートもしくはホスホネートの官能基またはそれらの混合物を含有してもよく、ポリアクリルアミドまたはポリメタクリルアミドのポリマーまたはコポリマーの誘導体化によって調製できる。最も好ましい高分子量陰イオン性凝集剤は、アクリル酸/アクリルアミドのコポリマー、ならびにスルホネート含有ポリマーであって、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホネート、アクリルアミドメタンスルホネート、アクリルアミドエタンスルホネートおよび2−ヒドロキシ−3−アクリルアミド−プロパンスルホネートなどのモノマーと、アクリルアミドまたは他の非イオン性ビニルモノマーとの重合により調製されたポリマーなどである。本明細書で使用するとき、陰イオン性ビニルモノマーのポリマーおよびコポリマーは、少なくは1モルパーセントの陰イオン性荷電のモノマーを含有し、好ましくは少なくとも10モルパーセントの陰イオン性モノマーを含有することができる。再度になるが、特定の陰イオン性ポリマーの使用の選択は、完成紙料、填料、水質、紙のグレードなどに依存することになる。
ほとんどの微細粒子プログラムは、高分子量陽イオン性凝集剤のみで良い性能を出しているが、本発明の活性化コロイダルシリカはまた、陽イオン性凝固剤を添加することで高分子量陰イオン性の水溶性凝集剤と共に使用することができる。
本発明で有用な非イオン性凝集剤は、ポリエチレンオキシドおよびポリ(メタ)アクリルアミドからなる群から選択できる。上記に加えて、あるケースでは、いわゆる両性の水溶性ポリマーの使用が有利なこともある。これらのポリマーは、同一のポリマー鎖で陽イオン性および陰イオン性の両方の電荷を運搬する。
本明細書で有用な非イオン性、陽イオン性、陰イオン性、双性イオン性、および両性のビニルポリマー凝集剤は、一般に少なくとも500,000ダルトンの分子量、好ましくは1,000,000ダルトンおよびそれ以上の分子量を有する。本明細書で有用な水溶性および/または水分散性凝集剤は、5,000,000またはそれ以上、例えば、1千万から3千万またはそれ以上の範囲の分子量を有する。本発明に好適なポリマーは、系に適用されたときに完全に水に溶解可能でもよく、またはポリマーが水に分散可能である限り、わずかに分岐して(2次元)もしくは、わずかに架橋して(3次元)いてもよい。完全に水に溶解可能であるポリマーの使用が好ましいが、分散可能なポリマー(国際公開WO97/16598に記載のものなど、その開示は本願に引用して援用する)も採用できる。有用なポリマーはほぼ線状であるが、そのような用語はラングレー(Langley)らの米国特許第4,753,710号で定義されており、その開示はすべての目的のために本願に引用して援用する。分子量の上限は、製紙完成紙料中で得られた生成物の溶解性または分散性に支配される。
本発明の適用に有用な陽イオン性または両性のデンプンは、概して米国特許第4,385,961号に説明されており、その開示は本願に引用して援用する。陽イオン性デンプン材料は一般に、グアーガムおよびデンプンなどの炭水化物に基づく天然物のポリマーからなる群から選択される。本発明を実施するのに最も有用であると考えられる陽イオン性デンプン材料は、小麦、ジャガイモおよび米に由来するデンプン材料を含む。これらの材料は、次々に反応してデンプン骨格上でアンモニウム基に置換する反応ができ、またはドンデヴ(Dondevne)らの国際公開WO96/30591により示唆されたプロセスに従い陽イオン化され、その開示は本願に引用して援用する。一般に、本発明で有用なデンプンは、デンプン分子内で約0.01から0.05の間のアンモニウム基の置換度(d.s.)を有する。d.s.は、ベースとなるデンプンを3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル−トリメチルアンモニウムクロリドまたは2,3−エポキシプロピル−トリメチルアンモニウムクロリドと反応させて、陽イオン化デンプンを得ることにより得られる。上記の内容からわかるように、デンプン材料の陽イオン化の手段の説明は、本発明の範囲および意図を超えるものであり、これらの修飾されたデンプン材料は周知であり、各種の商業的な供給元から容易に入手可能である。
pH、硬度、イオン強度およびカチオン要求量などのセルロース系完成紙料の様々な特徴は、所定の用途での凝集剤の性能に影響を及ぼすことになる。凝集剤の選択には、電荷のタイプ、電荷密度、分子量およびモノマーのタイプへの考慮が必要であり、特に取り扱う完成紙料の水の化学的性質に依存する。
本発明の活性へのいかなる重大な干渉も無ければ、セルロース系完成紙料に他の添加剤を投入することができ、そのような他の添加剤は、例えば、ミョウバンおよびロジンなどのサイズ剤、ピッチ制御剤、増量剤、殺生物剤などを含む。本発明の歩留補助プログラムを加えたセルロース系完成紙料はまた、二酸化チタン、析出したおよび/もしくは粉砕した炭酸カルシウム、または他の鉱物もしくは有機物の填料などの顔料ならびに/あるいは填料を含有してもよい。本発明は、ベントナイトおよびカオリンなどの他のいわゆる微細粒子プログラムと組み合わせることができる。製紙業者がグレードや完成紙料を変更するとき、ある状況においては本発明の活性化コロイダルシリカと他の微細粒子を組み合わせることが、実施可能で、望ましい可能性がある。
本発明の活性化コロイダルシリカはまた、ソフィア(Sofia)らの米国特許第4,795,531号の教示に従い、凝固剤と組み合わせて使用することができ、その開示はすべての目的に対して本願に引用して援用する。ソフィアは微細粒子プログラムを教示しており、その中で微細粒子は、陽イオン性凝固剤および高分子量荷電凝集剤の存在下で使用されている。
本発明のこの態様で使用できる陽イオン性凝固剤材料は、周知の市販の低分子量から中程度の分子量の水溶性ポリアルキレンポリアミンを含み、これはアルキレンポリアミンと2官能性ハロゲン化アルキルとの反応により調製したものを含む。このタイプの材料は、二塩化エチレンおよびアンモニア、二塩化エチレン、アンモニアおよび(ジメチルアミン、エピクロロヒドリン−ジメチルアミン、エピクロロヒドリン−ジメチルアミン−アンモニア、ポリエチレンイミンなどの)第二級アミンの反応から調製された縮合ポリマーを含む。ジアリルジメチルアンモニウムハライド、特にジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、第四級ジアルキルアミノアルキルアクリレートなどのビニルモノマーのポリマーおよびコポリマーの低分子量溶液もまた有用である。ここで「アルキル」は1から4個の、好ましくは1から2個の炭素原子を有する基を意味する。好ましくは「アルキル」はメチルである。これらのモノマーは、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートおよびそれらの水溶性第四級アンモニウム塩などの材料により例示される。あるケースでは、陽イオン性デンプンは凝固剤として採用できる。無機凝固剤、例えばミョウバンおよびポリ塩化アルミニウムもまた本発明で使用することができる。無機凝固剤の使用比率は、完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づいて通常0.05から2重量パーセントまでである。本発明の活性化コロイダルシリカを伴う凝固剤の使用は任意選択である。
本発明の方法は、本明細書で説明した填料を含有する紙製品のすべてのグレードおよびタイプに適用可能であり、さらにすべてのタイプのパルプでの使用に適用可能であり、制限無く、広葉樹および針葉樹の両方からの硫酸塩および亜硫酸塩パルプを含む化学パルプ、サーモメカニカルパルプ、メカニカルパルプならびに砕木パルプを含む。
製紙プロセスで使用されるすべての鉱物填料の量は、一般に製紙原料で採用されるのが完成紙料中の乾燥繊維100重量部に対して填料は約10から約30重量部までであるが、そのような填料の量は同様の基準で、時には約5、または0重量部にさえ低くなり、約40、または50重量部にさえ高くなることがある。
さらなる態様において、本発明は、紙の製造においてコロイダルシリカを含む歩留および濾水プログラムの性能を改善するための方法に存し、その方法は、コロイダルシリカを製紙の完成紙料に添加する前に、コロイダルシリカのS値を少なくとも10%低下させるために十分な期間、コロイダルシリカを活性化剤と接触させるステップを含む。
本発明のこの態様の一実施形態において、コロイダルシリカは、500m/gから1100m/gまで、および600m/gから1000m/gまでの比表面積、20から50%まで、および25から45%までのS値、ならびに最大20重量%、および8から15重量%までの固体含有量を有する。
本発明のこの態様の一実施形態において、接触時間は、約1分間から約7日間までの範囲であり、約2分間から約5日間まで、約3分間から約3日間まで、約5分間から約24時間まで、約10分間から約12時間まで、約15分間から約8時間まで、約20分間から約4時間まで、約25分間から約3時間まで、または約30分間から約150分まで、などである。
本発明のこの態様の一実施形態において、接触のステップは約10℃から約60℃まで、約20℃から約50℃まで、もしくは約20℃から約30℃まで、または室温などの温度で実施することができる。
活性化剤およびその量、歩留および濾水プログラム、ならびに製紙のプロセスは上述して説明したとおりである。
以下の実施例は本発明を例示することを意図しており、それを制限するものとして解釈するべきではない。
(実施例1および実施例2)
活性化コロイダルシリカ#1および#2を、100gのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)に4.36gの15%硫酸を添加して、混合物のpH値を9.0とし、その後混合物を室温で、それぞれ30分間および60分間寝かして調製した。活性化コロイダルシリカ#1および#2の試料を分析して、結果を以下の表1に示す。比較のために、コロイダルシリカ32K(アルミニウム修飾されたシリカゾル、EKA Nobel,ABから入手可能)およびコロイダルシリカN8699の結果も併せて記載する。
Figure 0006595482
これらのコロイダルシリカの歩留性能を、GB Co.、ドイツから入手可能なDFR−05で以下のように評価した。パルプを基体として、20重量%の長繊維、60重量%の短繊維、および20重量%のケミカル−メカニカルパルプ繊維から構成されるカルチャー紙の材料を、白水で希釈し、約1%の濃度、7.84のpH値、1270μs/cmの導電率、および123.2μeq/Lのアニオントラッシュを有する完成紙料を形成した。完成紙料に、乾燥繊維重量に対する乾燥重量として計算して30重量%の析出した炭酸カルシウムを填料として添加した。完成紙料にはまた、10kg/トンの量で陽イオン性デンプン(Cato305、National Starchから)、0.125kg(有効乾燥重量)/トンの量で陽イオン性ポリアクリルアミド(cPAM)(N61067、Nalco Chemical Companyから)、および指定された量で個別のコロイダルシリカを添加した。この実施例および以下の実施例での添加剤のすべての所定の用量は、乾燥繊維および任意選択の填料に対して、乾燥しているとして計算する。添加の順序は次のとおりである。
Figure 0006595482
結果を以下の表2に示す。
Figure 0006595482
表2に示されたデータから、実施例1および実施例2の活性化コロイダルシリカは、FPARに関して非活性化コロイダルシリカよりも改善された性能を示していると見ることができる。特に、実施例2の活性化コロイダルシリカは、FPARに関して、非活性化コロイダルシリカ、さらには公知のアルミニウム修飾されたコロイダルシリカよりも著しく改善された性能を示す。
(実施例3および実施例4)
活性化コロイダルシリカ#3および#4を、100gのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)に、4.36gの14.83%希釈硫酸を添加し、混合物のpH値を9.04とし、その後混合物を室温で、それぞれ39分間および43分間寝かして調製した。活性化コロイダルシリカ#3および#4の概要を以下の表3に示す。比較のために、コロイダルシリカNP580(シリカゾル、EKA Nobel,ABから入手可能)およびコロイダルシリカN8699の概要も併せて表3に示す。
Figure 0006595482
これらのコロイダルシリカの歩留性能を、GB Co.、ドイツから入手可能なDFR−05で以下のように評価した。パルプを基体として、20重量%の長繊維および80重量%の短繊維から構成されるカルチャー紙の材料を、水道水で希釈し、約1%の濃度、6.62のpH値、463μs/cmの導電率、および58.1μeq/Lのアニオントラッシュを有する完成紙料を形成した。完成紙料に、乾燥繊維重量に対する乾燥重量として計算して15重量%の粉砕した炭酸カルシウムを填料として添加した。完成紙料にはまた、10kg/トンの量で陽イオン性デンプン(Cato305、National Starchから)、0.07kg(有効乾燥重量)/トンの量でcPAM(N61067、Nalco Chemical Companyから)、および指定された量で個別のコロイダルシリカを添加した。添加の順序は次のとおりである。
Figure 0006595482
結果を以下の表4に示す。
Figure 0006595482
表4に示されたデータから、実施例3および実施例4の活性化コロイダルシリカは、FPARに関して非活性化コロイダルシリカおよび商業製品、NP580よりも改善された性能を示していると見ることができる。
(実施例5)
活性化コロイダルシリカ#5および#6を、14.88%のSiO含有量を有する100gのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)に、18.77gの5%希釈硫酸を添加し、混合物のpH値を9.00とし、その後混合物を室温で、それぞれ60分間および120分間寝かして調製した。活性化コロイダルシリカ#5および#6の試料のS値を測定して、結果を以下の表5に示す。
Figure 0006595482
(実施例6)
活性化コロイダルシリカ#7および#8を、14.61%のSiO含有量を有する100gのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)に、4.95gの14.70%希釈硫酸を添加し、混合物のpH値を8.79とし、その後混合物を室温で、それぞれ20分間および28分間寝かして調製した。活性化コロイダルシリカ#7および#8の試料のS値を測定して、結果を以下の表6に示す。
同様に、活性化コロイダルシリカ#9および#10を、14.61%のSiO含有量を有する100gのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)に、4.62gの14.70%希釈硫酸を添加し、混合物のpH値を9.01とし、その後混合物を室温で、それぞれ30分間および35分間寝かして調製した。活性化コロイダルシリカ#9および#10の試料のS値を測定して、結果をまた以下の表6に示す。
同様に、活性化コロイダルシリカ#11および#12を、14.61%のSiO含有量を有する100gのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)に、4.27gの14.70%希釈硫酸を添加し、混合物のpH値を9.21とし、その後混合物を室温で、それぞれ60分間および90分間寝かして調製した。活性化コロイダルシリカ#11および#12の試料のS値を測定して、結果をまた以下の表6に示す。
Figure 0006595482
(実施例7)
活性化コロイダルシリカ#13から#16を、14.61%のSiO含有量を有する100gのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)に、4.33gの14.70%希釈硫酸を添加し、混合物のpH値を9.20および導電率を13.52ms/cmとし、その後混合物を室温で、それぞれ30、45、60、および75分間寝かして調製した。活性化コロイダルシリカ#13から#16の試料のS値を測定して、結果を以下の表7に示す。
加えて、活性化コロイダルシリカ#17から#19を、14.61%のSiO含有量を有する100gのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)に、4.30gの14.70%希釈硫酸を添加し、混合物のpH値を9.20とし、塩化ナトリウムの飽和水溶液で混合物の導電率を調整して14.18ms/cmとし、その後混合物を室温で、それぞれ30、45および60分間寝かして調製した。活性化コロイダルシリカ#17から#19の試料のS値を測定して、結果をまた以下の表7に示す。
加えて、活性化コロイダルシリカ#20から#23を、14.61%のSiO含有量を有する100gのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)に、4.30gの14.70%希釈硫酸を添加し、混合物のpH値を9.20とし、塩化ナトリウムの飽和水溶液で混合物の導電率を調整して14.64ms/cmとし、その後混合物を室温で、それぞれ20、30、45および52分間寝かして調製した。活性化コロイダルシリカ#20から#23の試料のS値を測定して、結果をまた以下の表7に示す。
Figure 0006595482
(実施例8)
活性化コロイダルシリカ#24および#25を、14.88%のSiO含有量を有する100gのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)に、1.70gのクエン酸を添加して、混合物のpH値を9.00とし、その後混合物を室温で、それぞれ60分間および90分間寝かして調製した。活性化コロイダルシリカ#24および#25の試料のS値を測定して、結果を以下の表8に示す。
Figure 0006595482
(実施例9)
活性化コロイダルシリカ#26および#27を、14.88%のSiO含有量および6.47ms/cmの導電率を有する100gのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)に、13.12gの10%塩化ナトリウム水溶液を添加して、混合物の導電率を19.13ms/cmとし、その後混合物を室温で、それぞれ90分間および150分間寝かして調製した。活性化コロイダルシリカ#26および#27の試料のS値を測定して、結果を以下の表9に示す。
Figure 0006595482
(実施例10)
活性化コロイダルシリカ#28および#29を、14.88%のSiO含有量、10.63のpH値、および6.47ms/cmの導電率を有する100gのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)に、1.5gの炭酸水素ナトリウムを添加し、混合物のpH値を10.26および導電率を12.54ms/cmとし、その後混合物を室温で、それぞれ90分間および150分間寝かして調製した。活性化コロイダルシリカ#28および#29の試料のS値を測定して、結果を以下の表10に示す。
Figure 0006595482
(実施例11)
活性化コロイダルシリカ#30および#31を、14.38%のSiO含有量および5.72ms/cmの導電率を有する100gのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)に、18.13gの10%塩化カリウム水溶液を添加して、混合物の導電率を17.51ms/cmとし、その後混合物を室温で、それぞれ90分間および150分間寝かして調製した。活性化コロイダルシリカ#30および#31の試料のS値を測定して、結果を以下の表11に示す。
Figure 0006595482
(実施例12)
14.88%のSiO含有量を有する100gのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)に、18.77gの5%希釈硫酸を添加し、混合物のpH値を9.00とした。その後混合物を室温で寝かせて、特定の時間で試料を採取し、それらのブルックフィールド粘度を測定した。結果を以下の表12に示す。
Figure 0006595482
(実施例13)
14.88%のSiO含有量を有する100gのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)に、1.71gのクエン酸を添加し、混合物のpH値を9.00とした。その後混合物を室温で寝かせて、特定の時間で試料を採取し、それらのブルックフィールド粘度を測定した。結果を以下の表13に示す。
Figure 0006595482
(実施例14)
14.88%のSiO含有量を有する100gのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)を、1.5gの炭酸水素ナトリウムと混合して、混合物のpH値を10.26とした。その後混合物を室温で寝かせて、特定の時間で試料を採取し、それらのブルックフィールド粘度を測定した。結果を以下の表14に示す。
Figure 0006595482
(実施例15)
14.88%のSiO含有量および6.47ms/cmの導電率を有する100gのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)を、13.12gの10%塩化ナトリウム水溶液と混合し、混合物の導電率を19.13ms/cmとした。その後混合物を室温で寝かせて、特定の時間で試料を採取し、それらのブルックフィールド粘度を測定した。結果を以下の表15に示す。
Figure 0006595482
(実施例16)
9.74%のSiO含有量を有する100gのコロイダルシリカを、4.25gの15%硫酸と混合し、混合物のpH値を8.00とした。その後混合物を室温で寝かせて、特定の時間で試料を採取し、それらのブルックフィールド粘度およびS値を測定した。結果を以下の表16に示す。
Figure 0006595482
(実施例17)
7.31%のSiO含有量を有する100gのコロイダルシリカを、4.06gの15%硫酸と混合し、混合物のpH値を5.80とした。その後混合物を室温で寝かせて、特定の時間で試料を採取し、それらのブルックフィールド粘度およびS値を測定した。結果を以下の表17に示す。
Figure 0006595482
(実施例18)
8.15%のSiO含有量を有する100gのAl修飾されたコロイダルシリカ(32K、EKA Nobel,ABから入手可能)を、10.87gの15%硫酸と混合し、混合物のpH値を1.40とした。その後混合物を室温で寝かせて、特定の時間で試料を採取し、それらのブルックフィールド粘度を測定した。結果を以下の表18に示す。
Figure 0006595482
(実施例19)
14.85%のSiO含有量を有する100gのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)を、4.60gの14.7%硫酸と混合し、混合物のpH値を9.00とした。混合物を3部分に分割し、その3部分はその後それぞれ5℃、20℃、および35℃で寝かせた。試料を特定の時間で採取し、それらのブルックフィールド粘度を測定した。結果を以下の表19に示す。
Figure 0006595482
(実施例20および実施例21)
実施例20および21を図3に示す装置により実施した。活性化コロイダルシリカ#1および#2を、1トンのコロイダルシリカ(N8699、Nalco Chemical Companyから入手可能)に13kgの50%硫酸を添加し、混合物のpH値を9.0とし、その後混合物を室温で、それぞれ30分間および60分間寝かして調製した。活性化コロイダルシリカ#1および#2の試料を分析して、結果を以下の表20に示す。比較のために、コロイダルシリカ32K(アルミニウム修飾されたシリカゾル、EKA Nobel,ABから入手可能)およびコロイダルシリカN8699の結果も併せて記載する。
Figure 0006595482
これらのコロイダルシリカの歩留性能を、GB Co.、ドイツから利用可能なDFR−05で以下のように評価した。パルプを基体として、20重量%の長繊維、60重量%の短繊維、および20重量%のケミカル−メカニカルパルプ繊維から構成されるカルチャー紙の材料を、白水で希釈し、約1%の濃度、7.84のpH値、1270μs/cmの導電率、および123.2μeq/Lのアニオントラッシュを有する完成紙料を形成した。完成紙料に、乾燥繊維重量に対する乾燥重量として計算して30重量%の析出した炭酸カルシウムを填料として添加した。完成紙料にはまた、10kg/トンの量で陽イオン性デンプン(Cato305、National Starchから)、0.125kg(有効乾燥重量)/トンの量で陽イオン性ポリアクリルアミド(cPAM)(N61067、Nalco Chemical Companyから)、および指定された量で個別のコロイダルシリカを添加した。この実施例および以下の実施例での添加剤のすべての所定の用量は、乾燥繊維および任意選択の填料に対して、乾燥しているとして計算する。添加の順序は次のとおりである。
Figure 0006595482
結果を以下の表21に示す。
Figure 0006595482
表21に示されたデータから、実施例20および実施例21の活性化コロイダルシリカは、FPARに関して非活性化コロイダルシリカよりも改善された性能を示していると見ることができる。特に、実施例21の活性化コロイダルシリカは、FPARに関して、非活性化コロイダルシリカ、さらには公知のアルミニウム修飾されたコロイダルシリカよりも著しく改善された性能を示す。
本発明を特定の実施形態に言及することで説明し例示してきたが、当業者は、本発明が本明細書に例示する必要の無い変形形態にも資することを認識するであろう。この理由のために、また、本発明の真の範囲を決定する目的のために、言及は添付の特許請求の範囲に対してのみなされるべきである。

Claims (11)

  1. 製紙に用いる活性化コロイダルシリカを製造する方法であって、
    (a)コロイダルシリカ原料を前記活性化コロイダルシリカに変換するために、前記コロイダルシリカ原料を活性化剤と接触させる工程であって、
    前記活性化剤が炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩素酸ナトリウム、および塩素酸カリウムならびにそれらの混合物からなる群から選択され、
    前記活性化コロイダルシリカが、前記コロイダルシリカ原料のS値よりも少なくとも10%低いS値を有し、且つ11.9〜25.6%のS値を有するように、前記活性化剤を前記コロイダルシリカ原料に添加する工程と、
    (b)前記活性化コロイダルシリカを製紙の完成紙料に添加する工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    前記コロイダルシリカ原料が非修飾であり、7.5から10.5までのpH値を有する活性化コロイダルシリカを与える量で前記活性化剤を使用することを特徴とする方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、
    前記コロイダルシリカ原料がAl修飾されており、0.5から3.5までのpH値を有する活性化コロイダルシリカを与える量で前記活性化剤を使用することを特徴とする方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、
    記コロイダルシリカ原料の導電率よりも0.1mS/cmから100mS/cmまで大きい導電率を有する活性化コロイダルシリカを与える量で前記活性化剤を使用することを特徴とする方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、
    前記接触が5分間から12時間までの範囲の時間続くことを特徴とする方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、
    前記コロイダルシリカ原料が400m/gから1100m/gまでの比表面積、および5から20重量%までの固体含有量を有することを特徴とする方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法であって、
    前記完成紙料に、前記完成紙料中の繊維の乾燥重量に基づいてSiOとして計算して、0.0001から1.25重量パーセントまでの前記活性化コロイダルシリカを添加することを特徴とする方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法であって、
    前記活性化コロイダルシリカが、前記コロイダルシリカ原料のS値よりも少なくとも20%低いS値を有することを特徴とする方法。
  9. 請求項に記載の方法であって、
    センサーで前記導電率を測定する工程を含むことを特徴とする方法。
  10. 請求項に記載の方法であって、
    止剤源を添加する工程を含むことを特徴とする方法。
  11. 請求項10に記載の方法であって、
    前記停止剤源が水、水酸化物、アルミニウム含有塩およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする方法。
JP2016541150A 2013-12-18 2014-12-17 シリカゾル、その製造のための方法および装置ならびに製紙でのそれらの使用 Active JP6595482B2 (ja)

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