JP6594917B2 - 所定の粒子径を有する純粋な非多形結晶性胆汁酸の最適合成 - Google Patents

所定の粒子径を有する純粋な非多形結晶性胆汁酸の最適合成 Download PDF

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Description

本発明は、胆汁に関連する疾患や肝疾患の治療に特に適用可能な薬剤の製造に適した合成に関し、該薬剤はノルウルソデオキシコール酸(Nor−UDCA)、ビスノルウルソデオキシコール酸(Bis−Nor−UDCA)、薬学的に許容されるその塩、またはその誘導体を含む。
Nor−UDCAおよびBis−Nor−UDCAはウルソデオキシコール酸の類似体であり、溶解度、臨界ミセル濃度、親水性などの生理化学的性質を変化させたものである(Rodaら、Dig Dis and Sciences,1989年)。24−ノル−5β−コラン−23−オイック酸の合成方法はSchteingartとHofmannによりすでに報告されている(Journal of Lipid Research,1988年)。インビトロ実験により、胆汁うっ滞性肝疾患の動物モデルにおけるこれらの効果が明らかになっている(PCT/EP2005/052178)。Nor−UDCAの調製方法はEP 0624595 B1に記載されている。しかしこの文献には、合成されたNor−UDCAの化学的・物理的特性、純度、結晶化の程度および粒子径は記載されていない。
胆汁酸、特にウルソデオキシコール酸を、原発性胆汁性肝硬変などの胆汁うっ滞性肝疾患の治療に適用することはよく知られており、1980年代にすでに報告されている(Pouponら、Lancet,1987年)。しかし現在利用できる医薬製剤を用いた治療は一部の患者において成功しているだけであり、ウルソデオキシコール酸治療に反応しない患者やウルソデオキシコール酸で治療できない胆汁うっ滞性肝疾患や代謝性疾患の患者の治療が必要とされている
溶媒のpH値によっては胆汁酸の溶解度は低くなる。腸管中で胆汁酸が十分に溶解することは、医薬品治療を成功させるためには不可欠である。Nor−UDCAを塩とすることにより、溶解度を改善が期待できる。第2の目的は十分な経口バイオアベラビリティを有する製剤である。インビトロの溶解速度が高いことは十分な経口バイオアベラビリティを得るには不可欠である。微粉化、例えば極めて小さな所定の粒子径(>60%が直径10μm未満)を有する医薬製剤を製造することは、溶解速度を上昇させるための確立された方法である。粒子を微粉化する公知の方法として高度の粉砕(extensive milling)が挙げられるが、これは手間のかかる方法である。
本発明のまた別の目的は、物理的に純粋な、例えば結晶性の、熱力学的に安定な製剤を提供することであった。
本発明の目的は、好ましい純度、粒子径特性を有し、胆汁うっ滞性または代謝性肝疾患の治療に適用できる高品質かつ新しい形態のNor−UDCAまたはBis−Nor−UDCAを合成することであった。この合成は、大規模に実現可能な工業的製造方法により、所望の結晶形を一貫して再現性高く得られるものでなくてはならない。
物質の結晶変態は、異なる特性を有する可能性のある別の結晶構造への変化を意味する。したがって、本発明の主な目的は、他の多形形態に変化することのない熱力学的に安定なNor−UDCAの多形体/単結晶形を確認し選択することであった。Nor−UDCAに対してこの特定の変態を行わせることにより、準安定型よりも化学的・物理的に相当有利な性質が得られ、さらなる化学的・薬学的発展のために選択される物質が得られることとなる。
さらに、晶癖は流動性、かさ密度、圧縮性などの重要な製造パラメータに影響するため、一定の粒子径および形態を有するNor−UDCAを製造することが望ましい。Nor−UDCAを微粉化することによりその溶解速度を高め、それによって経口バイオアベラビリティを高めることが望ましい。
精製および結晶化工程の条件は、信頼性および再現性のある多形純度、化学的純度、晶癖および収率をもって適切な固体形態のNor−UDCAを製造できるものとすべきである。これによって、Nor−UDCAの結晶径の調節を目的とした粉砕による微粉化を回避でき、ひいては微粉化における一般的な現象、すなわち非晶質化を防ぐことができる。
Nor−UDCAを合成する前記公知の方法は、薬学的要件を満たすには不適である。特にその精製経路は、多形純度、化学的純度、晶癖および収率に関して所望の生成物品質を得るには有効とは言えない。従来の精製方法では、化学的純度の極めて高い、例えば不純物の全量が0.05%未満であるようなNor−UDCAまたはBis−nor−UDCAの多形体を得ることはできない。また、既知の方法では、微粉化なしではD50値が10μm未満となるような粒子径は得られず、微粉化を行うと生成物の多形純度が損なわれる。
本発明は、所望の品質および医薬品としての適用性を有するNor−UDCA製剤またはBis−nor−UDCA製剤を製造することのできる、大規模に実現可能な工業的製造法を提供する。驚くべきことに、本発明者らは、Nor−UDCAのカリウム塩の精製および任意の再結晶を行い、次いで遊離酸を析出させることによって、物理的に純粋かつ熱力学的に安定な新規結晶形のNor−UDCA(「A型」)が得られることを見いだした。
したがって、第1の態様において、本発明はNor−UDCA、Bis−nor−UDCAまたは薬学的に許容されるその塩の純粋な多形体に関する。本多形体は熱力学的に安定である。
好ましくは、Nor−UDCA、Bis−nor−UDCAまたは薬学的に許容されるその塩は無水形である。すなわち本多形体結晶は実質的に水を含まない。結晶中の水分量は、結晶の全重量を基準にして、通常1%未満、好ましくは0.5%未満、より好ましくは0.1%未満である。
本多形体は、2θが11.9、14.4、15.3、15.8および16.6±0.2度のXRPDピークによって特徴付けられる。本多形体は、図4の「A型」に示すようなXRPDパターンによって特徴付けられることが好ましい。
本発明の第2の態様は、前記多形体を含む医薬組成物である。本医薬組成物は、少なくとも60%の粒子の大きさが10μm未満であるような特定の粒径分布を示すことが好ましい。
本発明の第3の態様は、本発明の多形体または本発明の医薬組成物の、胆汁うっ滞性肝疾患の治療のための使用である。本胆汁うっ滞性肝疾患は、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、自己免疫性肝炎(AIH)およびAIHオーバーラップ症候群を含むオーバーラップ症候群からなる群から選択されることが好ましい。
前記多形体または医薬組成物は代謝性肝疾患の治療に用いてもよい。本代謝性肝疾患は非アルコール性脂肪性肝炎であってもアルコール性脂肪性肝炎であってもよい。
本発明の医薬組成物を、経口投与、非経口投与、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、経鼻投与、吸入投与、局所投与または直腸投与用に製剤化してもよい。これには通常1以上の薬学的に許容される賦形剤が含まれる。
本発明の第4の態様は、Nor−UDCA、Bis−nor−UDCAまたは薬学的に許容されるその塩の純粋な多形体の調製方法であって、Nor−UDCAまたはBis−nor−UDCAのカリウム塩を結晶化させるステップと、任意でカリウム塩を溶媒中に溶解させ、溶液を酸性化することにより純粋なNor−UDCAまたはBis−nor−UDCAを得るステップとを含む方法である。
カリウム塩を溶解させる溶媒は水とアセトンとの混合物が好ましく、前記析出は、溶液を酸性化してpHを1〜2の範囲にすることにより行われる。
前記方法により単一の固体形態のNor−UDCA(またはBis−nor−UDCA)が形成され、その結晶構造は溶媒が入り込む空隙のない単斜晶系C2最密充填であることが確認できた。前記方法では、多形性のNor−UDCAまたはBis−nor−UDCAの形成は認められない。他の多形形態への変換もまた観測されなかった。本合成経路から得られたNor−UDCAの結晶構造は熱力学的に安定な型であることが判明した。
さらに、カリウム塩からNor−UDCAを析出させる条件は、所望の粒子径の結晶が製造方法における1ステップで直接得ることができる条件となっている。したがって、別の粉砕ステップを設けて結晶の粒子径を調節する必要はない。粉砕や製粉(微粉化)などの高エネルギー操作が概してNor−UDCAを非晶質化し、そのために多形純度や化学的純度が低下することを考慮すれば、これは大きな利点である。
さらに、この方法による、薬学的に純粋な品質を有するNor−UDCAの収率は、少なくとも原料の45%であり、したがって公知の方法に比べて極めて高い。
要約すると、驚くべきことに、前記Nor−UDCAの製造方法によれば、単一多形の純粋な結晶性物質が得られ、例えば胆汁うっ滞性肝疾患の治療に現在使用されている製剤であるUDCAの製造においては常法となっている微粉化を必要としないことが見いだされた。前記方法はBis−nor−UDCAの調製にも適用できる。
本発明は請求項において規定される。本発明はさらに以下の(1)〜(17)の態様に関する。
(1)Nor−UDCA、Bis−nor−UDCAまたは薬学的に許容されるその塩の純粋な多形体。
(2)熱力学的に安定である、(1)に記載の多形体。
(3)前記Nor−UDCA、Bis−nor−UDCAまたは薬学的に許容されるその塩が無水形である、(1)または(2)に記載の多形体。
(4)2θが11.9、14.4、15.3、15.8および16.6±0.2度のXRPDピークによって特徴付けられる、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の多形体。
(5)図5に示すXRPDパターンによって特徴付けられる、(4)に記載の多形体。
(6)(1)〜(5)のいずれか一項に記載の多形体を含む医薬組成物。
(7)医薬組成物中の粒径分布において、少なくとも60%の粒子の大きさが10μm未満である、(6)に記載の医薬組成物。
(8)胆汁うっ滞性肝疾患の治療のための、(1)〜(5)のいずれか一項に記載の多形体または(6)もしくは(7)に記載の医薬組成物。
(9)胆汁うっ滞性肝疾患が、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、自己免疫性肝炎(AIH)およびAIHオーバーラップ症候群を含むオーバーラップ症候群からなる群から選択される、(8)に記載の多形体または医薬組成物。
(10)代謝性肝疾患および/または動脈硬化の治療のための、(1)〜(5)のいずれか一項に記載の多形体または(6)もしくは(7)に記載の医薬組成物。
(11)代謝性肝疾患が非アルコール性脂肪性肝炎である、(10)に記載の多形体または医薬組成物。
(12)代謝性肝疾患がアルコール性脂肪性肝炎である、(10)に記載の多形体または医薬組成物。
(13)経口投与、非経口投与、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、経鼻投与、局所投与または直腸投与用に製剤化される、(6)〜(12)のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(14)薬学的に許容される1以上の賦形剤を含む、(6)〜(13)のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(15)Nor−UDCA、Bis−nor−UDCAまたは薬学的に許容されるその塩の純粋な多形体の調製方法であって、
Nor−UDCAのカリウム塩またはBis−nor−UDCAのカリウム塩を結晶化させるステップと、
任意で前記カリウム塩を溶媒中に溶解させ、溶液を酸性化することにより純粋なNor−UDCAまたはBis−nor−UDCAを得るステップとを含む方法。
(16)前記溶媒が水とアセトンの混合物であり、前記析出が、溶液を酸性化してpHを1〜2の範囲にすることにより行われる、(15)に記載の方法。
(17)(15)または(16)に記載の方法であってさらに
式(A)の化合物:

式(B)の化合物:
に変換するステップと、
(b)式(B)の化合物を式(C)の化合物:
に変換するステップと、
(c)式(C)の化合物を粗製状態の式(D)の化合物:
に変換するステップと、
(d)粗製状態の式(D)の化合物をKOHで処理し、Nor−UDCAまたはBis−nor−UDCAのカリウム塩を結晶化させるステップとを含み、
式中nが0または1であることを特徴とする方法。
出発物質および種々の結晶化実験により得られたA型それぞれのXRPDパターンを示す。 A型Nor−UDCAの結晶充填および水素結合を示す図である。 Nor−UDCA結晶の対称的な独立した2分子の分子構造および原子ナンバリングを示す図である。 Nor−UDCAの新しく得られた型のXRPDパターンとA型のXRPDパターンとの比較を示す図である。 A型のXRPDパターンを示す図である。
多形体
本発明は、Nor−UDCA、Bis−nor−UDCAまたは薬学的に許容されるその塩の純粋な多形体を提供する。本多形体は熱力学的に安定である。
結晶多形とは、物質が2種以上の結晶格子配列に結晶化する現象であると定義される。結晶多形は、薬物の固体状態における特性に様々な面で影響を与えうる。物質の結晶形が異なると、溶解度や溶解速度そして最終的にはバイオアベラビリティなどの多くの点において大きく異なる可能性がある。薬剤および分子結晶における結晶多形については、例えば、Byrn(Byrn,S.R.,Pfeiffer,R.R.,Stowell,J.G.,「Solid−State Chemistry of Drugs」,SSCI Inc.,West Lafayette,Ind.,1999年)、Brittain,H.G.,(「Polymorphism in Pharmaceutical Solids」,Marcel Dekker,Inc.,New York,Basel,1999年)またはBernstein(Bernstein、J.,「Polymorphism in Molecular Crystals」,Oxford University Press,2002年)などで網羅的に取り扱われている。
用語「結晶質」は、医薬品有効成分(API)の非晶形以外の任意の形態を言う。用語「非晶形」は、結晶構造のような長距離秩序を有さないAPIの形態を言う。非晶形にある物質の原子や分子は不均一に配列している。例えば、化合物が非晶形であるか結晶形であるかは、粉末X線回折により識別できる。
本明細書において、用語「結晶多形体」または「多形体」は、医薬品有効成分の特定の結晶形態を言い、粉末X線回折やIR分光法などの分析方法によって特徴付けることができる。
好ましくは、Nor−UDCA、Bis−nor−UDCAまたは薬学的に許容されるその塩は無水形である。すなわち、本多形結晶は実質的に水を含まない。結晶中の水分量は、結晶の全重量を基準にして、通常1%未満、好ましくは0.5%未満、より好ましくは0.1%未満である。
薬学的用途に適し、かつ不純物の含量が2%未満であれば、多形体は本発明において「純粋」であると言える。本発明の多形体中における不純物量は、製剤の全重量を基準にして、通常2%未満、好ましくは1%未満、より好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.1%未満である。本発明の多形体中における各不純物の量はいずれも、製剤の全重量を基準にして、好ましくは0.1%未満、より好ましくは0.05%未満、最も好ましくは0.03%未満である。第1の実施形態において、Nor−UDCAの多形体中における不純物の全量は、Nor−UDCAの全重量を基準にして、2%未満、好ましくは1%未満、より好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.1%未満である。Nor−UDCAの多形体中における各不純物の量はいずれも、Nor−UDCAの全重量を基準にして、好ましくは0.1%未満、より好ましくは0.05%未満、最も好ましくは0.03%未満である。第2の実施形態において、Bis−nor−UDCAの多形体中における不純物の全量は、Bis−nor−UDCAの全重量を基準にして、2%未満、好ましくは1%未満、より好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.1%未満である。Bis−nor−UDCAの多形体中における各不純物の量はいずれも、Bis−nor−UDCAの全重量を基準にして、好ましくは0.1%未満、より好ましくは0.05%未満、最も好ましくは0.03%未満である。
不純物は、実施例2の記載のように測定できる。Nor−UDCAの不純物プロファイルは既知の不純物および未知の不純物によって特定される。既知の不純物はウルソデオキシコール酸(UDCA)および3α,7β−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−アミド(アミド)である。UDCAを不純物Aとも呼ぶが、これはNor−UDCAの合成における出発物質である。一方アミドは、不純物Bとも呼ぶが、Nor−UDCAの合成のステップ3で生成する中間体である。未知の不純物は合成経路で生じるだけでなく、Nor−UDCAの分解によっても生じる可能性がある。
本発明の多形体は単一多形体であることが好ましく、これは実質的に単一多形体から構成される、かつ/または多形的に純粋であることを意味する。本発明の多形体中の非晶性Nor−UDCA(または非晶性Bis−nor−UDCA)の量は、通常はごくわずかである。本発明の多形体中の非晶性Nor−UDCA(または非晶性Bis−nor−UDCA)は、例えばXRPDなどによって検出されないことが好ましい。本発明の多形体は、非晶性Nor−UDCA(または非晶性Bis−nor−UDCA)を実質的に含まないことがより好ましい。本発明の多形体は、非晶性Nor−UDCA(または非晶性Bis−nor−UDCA)を全く含まないことが最も好ましい。本発明の多形体中のA型多形体の量は、Nor−UDCA(またはBis−nor−UDCA)の全重量を基準にして、好ましくは少なくとも99%、より好ましくは少なくとも99.5%、さらに好ましくは少なくとも99.9%、最も好ましくは実質的に100%である。
本発明の多形体は熱力学的に安定である。本発明の多形体は、どのような種類の結晶化方法を用いても高い割合で見いだされ、種々の純粋溶媒、混合溶媒から形成された。粉砕(固形物への蒸気拡散のため)または凍結乾燥した溶液の気化(冷却/気化実験)によりA型の記憶効果を消去した非晶形のNor−UDCAを出発物質とした結晶化実験においても、単離された固形物をXRPD分析すると、優位にA型が得られることが明らかとなった。驚くべきことに、本発明によれば、A型の単結晶を成長させることができる。
本発明の多形体の粒径分布としては、少なくとも60%の結晶の粒子径が10μm未満であることが好ましい。
本発明の多形体のD50は10μm未満であることが好ましい。例えばD50は0.5〜10μm、より好ましくは1〜9μm、さらに好ましくは2〜8μm、最も好ましくは3〜7μmであってよい。本発明の多形体のD90は30μm未満であることが好ましい。例えばD90は2〜30μm、より好ましくは5〜25μm、さらに好ましくは8〜20μm、最も好ましくは10〜18μmであってよい。本発明の多形体のD95は30μm未満であることが好ましい。例えばD95は3〜30μm、より好ましくは6〜28μm、さらに好ましくは9〜25μm、最も好ましくは10〜20μmであってよい。
D50、D90およびD95は、体積基準で、それぞれ粒径分布の中央値すなわち50パーセンタイル、90パーセンタイルおよび95パーセンタイルの値を示す。すなわちD50(D90;D95)は、粒径分布において50%(90%;95%)の粒子がこの値以下となるような値である。
粒径分布は、実施例3に記載の方法および/またはヨーロッパ薬局方(Ph.Eur.)、6.6版、2.9.31節に従って、好ましくはMalvern instruments製マスターサイザー2000を用いて測定することができる。評価は一般にフラウンホーファーモデルによって行われる。
多形体の調製方法
本発明の多形体を調製する方法は好ましくは、
(a)式(A)の化合物:

式(B)の化合物:
に変換するステップと、
(b)式(B)の化合物を式(C)の化合物:
に変換するステップと、
(c)式(C)の化合物を粗製状態の式(D)の化合物:
に変換するステップと、
(d)粗製状態の式(D)の化合物をKOHで処理し、Nor−UDCAまたはBis−nor−UDCAのカリウム塩を結晶化させるステップとを含み、
式中、nは0または1である。
ステップ(d)で得られたカリウム塩を溶媒に溶解し、純粋な化合物(D)の結晶を得るためにその溶液を酸性化することによって、このカリウム塩を化合物(D)の純粋な形態に変換することができる。
n=1の場合、式(A)の出発化合物はUDCAであり、式(D)の生成物はNor−UDCAである。
n=0の場合、式(A)の出発化合物はNor−UDCAであり、式(D)の生成物はBis−nor−UDCAである。
溶媒は2−プロパノールと水との混合物であることが好ましく、まず2−プロパノールを加え、次いでカリウム塩が完全に溶解するまで水を加えることができる。
以下に、本発明の方法の好ましい実施形態について、その利点を明らかにしつつ説明する。下記のステップおよびそのサブステップはそれぞれ、本発明の別の実施形態と組み合わせることができる。具体的には、下記の実施形態の任意の特徴を、上記の実施形態と組み合わせることができる。
ステップ1:3α,7β−ジホルミルオキシ−5β−コラン−24−オイック酸(I)の調製
a)調製方法(保護)
UDCAをギ酸およびトルエンに加える(65〜75℃で>3時間;温度を18〜22℃に下げる)。トルエン相を分離しギ酸/水相を廃棄する。トルエン相を濃縮し(≦65℃)、55〜65℃でn−ヘプタンを素早く加え、生成物を結晶化させる。反応混合物を10〜15℃まで冷却し撹拌する。懸濁液をろ過し、n−ヘプタンで洗浄後、50℃を超えない温度で乾燥する(LOD:≦1.0%)。生成物Iが白色固形として得られる。
b)公知の合成との相違
過塩素酸を使用しないことで工程を簡略化し、無水酢酸を添加しないことで気体の激しい発生を避けた。より純粋な生成物を得てより良好に結晶化するために、反応混合物をそのままトルエンで抽出し、生成物をトルエン/n−ヘプタンから結晶化させた。また、市販のギ酸水溶液を用いることができ、無水の反応条件にする必要はなかった。トルエン/ヘプタンからの析出は、生成物をさらに精製する方法でもある。このステップにより、収率が約85%に上がった。
ステップ2:3α,7β−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−ニトリル(II)の調製
a)調製方法(再配列)
トリフルオロ酢酸、生成物Iおよび無水トリフルオロ酢酸を混合する(15〜25℃で>40分)。亜硝酸ナトリウムを加えながら、反応混合物を撹拌、冷却する(15〜25℃で1.5〜3時間)。反応混合物を極めて穏やかに35〜40℃まで加熱し、その温度を>45分間一定に保つ。その後、温度を44〜48℃まで上昇させ、30分間一定に保つ。<22℃に冷却後、トルエンおよび水を加える。相を分離し、水/酸相を廃棄する。トルエン相に水を加え、分離後水相を廃棄する。トルエンを<50℃で留去し、高粘性油を得る。油にEtOH、n−ヘプタンおよび28%NaOHを加え、1.5時間かけて55〜65℃まで加熱すると、生成物IIは結晶化し始める。水を加え、懸濁液を16〜22℃まで冷却する。懸濁液をろ過し、ケークをEtOH/水、続いてn−ヘプタンで洗浄し、<50℃で乾燥する(LOD:≦1.0%)。生成物IIが白色〜淡黄色の固形物として得られる。
b)公知の合成との相違
有害かつ高価な薬品の使用を最小限にするため、トリフルオロ酢酸の量を減じた。安全性と純度を最適化する目的で、亜硝酸ナトリウム添加中および加熱中の温度範囲および時間を変更した。また、ワークアップ操作を変更し、生産規模において実用的なものとするとともに純度の向上を期した。反応混合物をトルエンで抽出し、その後EtOH/水/n−ヘプタン中、水酸化ナトリウムで完全に脱保護した。生成物はこのアルカリ性EtOH/水/n−ヘプタンから結晶化された。これは、Schteingart(1988年)による公知の方法とは対照的に、生成物の結晶化を行わない方法であるため、精製を必要としない。この変法により得られる収率は約80%である。
ステップ3:3α,7β−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オイック酸(III)の調製
a)調製方法(加水分解)
生成物II、n−プロパノールおよび水酸化ナトリウム(ペレット)をスチール製の反応容器中で混合する。加水分解が完了するまで反応混合物を撹拌、還流する(>20時間)。水を加え、45℃よりも高い温度を保ちながらn−プロパノール/水を留去する。反応混合物を効率よく撹拌し温度を55〜65℃に保ちながら、トルエン−水を加える。30%HClでpHを1.0〜2.0に調整する。このpH調整の過程において、生成物III(290nmでのUV検出による収率が約95%の、不純物を含む粗製nor−UDCA)が、この2相系から結晶化する。懸濁液を18〜22℃まで冷却する。懸濁液をろ過し、ろ過ケークを水とn−ヘプタンとで洗浄し、50℃を超えない温度で乾燥する(LOD:≦1.0%)。
b)公知の合成との相違
溶媒をEtOH/水(1:1)から純粋なn−プロパノールに変更し、水酸化カリウムを水酸化ナトリウムに変更することにより、反応時間が著しく短縮された。溶媒量も減少した。ワークアップ操作から洗浄および抽出を省き、生成物は水とトルエンの2相系から直接結晶化された。この方法は格段に簡易化されており、時間の短縮、有毒溶媒の減少、非毒性物質の使用により、結晶化の制御が容易になる。この2相系からの結晶化により、優れた品質の生成物が少なくとも90%の収率で得られた。
ステップ4:3α,7β−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−オイック酸カリウム塩(Nor−UDCAカリウム塩、IV)の調製
a)調製方法(精製)
生成物III、2−プロパノールおよび1当量の水酸化カリウムを混合し、70〜80℃に加熱する。溶液が得られるまで水をゆっくり加える。溶液は淡黄色〜黄色でわずかに濁っている。活性炭およびパーライトを加え、熱いうちに溶液をろ過する。減圧下、2−プロパノール/水を40〜80℃で留去する。2−プロパノールを加えながら、水分含量が≦2%になるまで蒸留を続ける。その後、懸濁液を5〜15℃に冷却する(≧4時間)。温度を0〜5℃まで下げ、生成物IVをろ取し、2−プロパノールで洗浄、減圧下≦50℃で乾燥する。生成物IVが白色固形物として得られる。得られたカリウム塩の純度が十分でない場合、以下のように再結晶することができる。生成物IVと2−プロパノールとを混合し、75〜80℃に加熱する。溶液が得られるまで水を加える。2−プロパノール/水を減圧下40〜80℃で留去する。蒸留中に生成物IVが結晶化し始める。再度、水分含量が≦2%になるまで蒸留を続ける。2−プロパノールを加え、懸濁液を5〜15℃に冷却する(≧4時間)。温度を0〜5℃まで下げ、生成物Vをろ取し、2−プロパノールで洗浄、減圧下≦50℃で乾燥する。純度試験に合格するまで再結晶を繰り返す(薬学的に純粋な生成物Vが≧98%という極めて高い収率で得られ、極めて効率的な精製であることがわかる)。
b)公知の合成との相違
合成における新規な精製ステップの記載であり、相当する公知技術は存在しない。
ステップ5:純粋なNor−UDCA(VI)の調製
a)調製方法(最終の析出)
生成物V、水およびアセトンを22〜28℃で撹拌して溶液を得た後、ろ過する。30%HClを徐々に加え、反応混合物のpHを1.0〜2.0に調整すると、直ちに生成物VIの結晶化が始まる。懸濁液を18〜24℃に冷却し、ろ取し、注射用水、注射用水/アセトンおよびn−ヘプタンで洗浄し、減圧下≦50℃で乾燥する(LOD:≦0.8%)。収率は少なくとも90%となる。
b)公知の合成との相違
公知の方法においては、イオン交換カラムクロマトグラフィーおよびメタノール/アセトンからの再結晶化によりNor−UDCAを精製している。最も有効な精製方法は、Nor−UDCAカリウム塩を形成かつ/または2−プロパノール/水から再結晶させた後、遊離酸を水/アセトンから析出させる方法であることが確認された。この精製方法は、公知の不純物A(アミド)およびB(UDCA)ならびに未知の不純物を除去するのに極めて有効であることが明らかとなった。最終的に、篩過後、薬学的用途に必要とされる所定の粒径分布(60%が<10μm)を有する高品質なNor−UDCAが合成される。
医薬組成物
本発明はまた、本発明の多形体を含む医薬組成物に関する。
本医薬組成物は、薬学的に許容される1以上の適切な賦形剤を含むことができる。
本発明の特別な実施形態によれば、本多形体を経口投与または静脈内投与用に製剤化することができ、これらの製剤は薬学的に許容される担体、アジュバント、賦形剤および/またはビヒクルをさらに含む。
経口投与用の固形剤型には錠剤、好ましくは発泡錠またはチュアブル錠、カプセル剤、丸剤、散剤および顆粒剤が含まれうる。このような固形剤型において、本多形体を、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、デンプンおよびデンプン誘導体、セルロースおよびセルロース誘導体(例えば微結晶性セルロース)、リン酸二カルシウム、乳糖、無水コロイダルシリカ、タルク、滑潤剤(例えばステアリン酸マグネシウム、マクロゴール)、崩壊剤ならびに緩衝剤などの通常使用される物質と混合することができる。錠剤および丸剤を腸溶コーティングして、APIが胃酸や酵素に影響を受けないように調製することもできる。
経口投与用の液体剤型には、水やエタノール/水の混合物などの当技術分野において一般的に使用される不活性な希釈剤を含む、薬学的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤およびシロップ剤が含まれうる。これらの剤型は、微結晶性セルロース、アルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、レオロジー特性を調節するメチルセルロースなど、甘味料/香料、および/またはソルビン酸などの適切な抗菌保存料を含んでもよい。鼻エアロゾルまたは吸入剤により投与する場合、本発明による組成物を生理食塩水溶液として、ベンジルアルコールなどの適切な保存料、バイオアベラビリティを向上させる吸収促進剤、フルオロカーボンおよび/もしくは他の可溶化剤または分散剤を用いて調製してもよい。
APIの直腸投与用の坐剤は、本多形体と室温では固形であるが直腸温度で液体となる硬質油脂、カカオ脂およびポリエチレングリコールなどの適切な非刺激性賦形剤とを混合し、坐剤が直腸内で溶けて坐剤中に存在するAPIおよび任意の他の活性化合物が放出されるよう調製することができる。
注射剤、例えば無菌注射用水性懸濁液または油性懸濁液を、公知の技術にしたがって適切な分散剤、湿潤剤および/または懸濁化剤を用いて製剤化することができる。無菌注射剤はまた、毒性のない非経口的に許容される希釈剤または溶媒を用いた無菌注射用溶液または懸濁液であることもできる。使用可能な許容されるビヒクルおよび溶媒として、水および等張塩化ナトリウム溶液が挙げられる。無菌不揮発性油も溶媒または懸濁媒体として一般に使用される。
本発明の多形体を含む剤型は、通常の賦形剤、好ましくは薬学的に許容される、本活性化合物と反応しない有機または無機の担体物質をさらに含むことができる。薬学的に許容される適切な担体には例えば、水、塩溶液、アルコール、油、好ましくは植物性油、ポリエチレングリコール、ゼラチン、乳糖、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、界面活性剤、香油、脂肪酸モノグリセリドおよび脂肪酸ジグリセリド、ペトロエスラル脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが含まれる。本医薬製剤は滅菌可能であり、所望により、本活性化合物と有害反応を起こさない潤滑剤、保存料、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響する塩、緩衝液、着色剤、着香物質および/または芳香物質などの助剤と混合してもよい。非経口投与に特に適したビヒクルは、溶液、好ましくは油性溶液または水性溶液、懸濁液、エマルジョンまたは植込錠である。
種々のデリバリーシステムが公知であり、本APIの投与に用いることができる。デリバリーシステムの例としてはリポソームを用いたカプセル化、エマルジョン、微粒子、マイクロカプセルおよび微粒剤が挙げられる(例えばEP1317925参照)。必要な用量を単一ユニットとしてまたは徐放性の剤型で投与することができる。必要な用量をまた、複数ユニットの剤型として、コーティングにより即効性、持続性、徐放性または遅延性の剤型に調製し、マトリックス製剤などとして投与してもよい。
リン脂質や界面活性剤などの適切な賦形剤や助剤の存在下、粉砕、製粉および噴霧乾燥などの従来技術を用いて製剤を微粉化することにより、本APIのバイオアベラビリティを改善してもよい。しかし本発明の多形体はすでに適切な粒子径を有しているので、特別な実施形態では粉砕や製粉は不要である。
本APIを薬学的に許容される塩の形で製剤化してもよい。本APIの薬学的に許容される好ましい塩には金属塩、特にアルカリ金属塩、または他の薬学的に許容される塩が含まれる。薬学的に許容される塩基付加塩には、リチウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛から形成される金属塩または第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンおよび環状アミンから形成される有機塩が含まれる。
本医薬組成物は、有効量のNor−UDCAまたはBis−nor−UDCAと薬学的に許容される担体および/または賦形剤とを含むことが好ましい。
本発明の好ましい実施形態によれば、本医薬組成物は10〜8000mg、好ましくは25〜5000mg、より好ましくは50〜1500mg、特に250〜500mgのNor−UDCAまたはBis−nor−UDCAを含む。
平均的に、Nor−UDCA、Bis−nor−UDCAおよび/または薬学的に許容されるその塩を、患者に1日あたり25mg〜5g、好ましくは100mg〜2.5g、特に80.0mg〜1.5g投与することが好ましい。1gのNor−UDCA、Bis−nor−UDCAおよび/または薬学的に許容されるその塩およびそのエステルを患者に投与することが最も好ましい。Nor−UDCA、Bis−nor−UDCAおよび/または薬学的に許容されるその塩を1人に1〜3000mg/日、好ましくは10〜2000mg/日、より好ましくは100〜1500mg/日、例えば100、200、300、400、500、600、700、750、800、900、1000、1100、1200、1300、1400または1500mg/日、特に500、750、1000または1500mg/日投与してもよいことにも留意されたい。前記の量を、1日1回投与するのが好ましいが、2回以上(少なくとも2、3、4、5または10回)に分けて投与してもよい。本発明による薬物または医薬組成物は、1週間を超えて、好ましくは4週間を超えて、より好ましくは6ヶ月を超えて、最も好ましくは1年を超えて、特には一生の間投与してもよい。
Nor−UDCA、Bis−nor−UDCAまたはその塩は、薬学的に許容される担体と組み合わせて前記のような剤型で投与するだけでなく、治療対象(例えばウルソデオキシコール酸による)の疾患と同じもしくは類似の疾患に対して有効であることが知られている、または他の疾患であって好ましくは肝疾患が原因となっている可能性のある疾患に対して有効であることが知られている1以上の別の活性成分(例えばウルソデオキシコール酸、スリンダクやイブプロフェンなどのNSAID)と組み合わせて投与することもできることは言うまでもない。
多形体の薬剤としての使用
本発明による治療対象の肝疾患は胆汁うっ滞性肝疾患、好ましくは原発性硬化性胆管炎(PSC)、原発性胆汁性肝硬変(PBC)または進行性家族性肝内胆汁うっ滞、特に進行性家族性肝内胆汁うっ滞1型、2型および3型、嚢胞性線維症、薬物誘発性の胆汁うっ滞、または慢性ウイルス性肝炎(B、C、D)、アルコール性および非アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、ヘモクロマトーシス、ウィルソン病およびα1−アンチトリプシン欠乏症などの非胆汁うっ滞性肝疾患でありうる。
本発明のAPIを単独で、またはNSAIDs(例えばイブプロフェン、スリンダク)などの他の抗炎症薬と組み合わせておよび/またはウルソデオキシコール酸もしくは5−アミノサリチル酸と組み合わせて用いてもよい。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、本肝疾患は原発性硬化性胆管炎(PSC)および/または原発性胆汁性肝硬変(PBC)である。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、本治療対象の疾患は、非アルコール性脂肪性肝炎、糖尿病および/または高脂血症などの代謝性疾患である。本発明のさらにまた別の好ましい実施形態によれば、本治療対象の疾患は動脈硬化である。
参考例
SchteingartとHofmannのJournal of Lipid Research Vol.29(10),1387−1395(1988年)にしたがって合成されたNor−UDCAの種々の特性について調べた。
化学的純度
合成されたNor−UDCAの化学的不純物プロファイルをHPLC/RIにより評価した。得られた結果は以下の通りである。
本化合物を医薬品目的に使用する場合、不純物の全量は0.05%未満でなければならない。SchteingartとHofmannの方法より合成されたNor−UDCAは、この要件を満たさなかった。再結晶を繰り返して化合物の更なる精製を試みた。しかし不純物の全量を0.05%未満に減少させることはできなかった。
粒径分布
得られた結晶の粒子径を顕微鏡法により分析した。粒子径の中央値は13.37μm、すなわち50%の結晶の大きさが13.37μm以下であった。60%の結晶の粒子径は15.64μm以下であった。95%の粒子の粒子径は46.64μm以下であった。粒子径が10μm以下である粒子は30%未満であった。この粒径分布は、目的とする医薬製剤には適切でない。粉砕/微粉化はNor−UDCAの多形純度および/または熱力学的安定性を低下させるため望ましくない。
実施例1:合成したNor−UDCAの多形純度
多形体スクリーニング試験を2相で行った。相1では、A型と指定した合成Nor−UDCAの特性をXRPD、デジタルイメージング、熱分析(DSCおよびTGMS)によって明らかにした。該物質の純度はHPLC/RIによって確認した。分析方法の概要を表1に示す。多形体スクリーニングに用いる結晶化溶媒を選択するため、20種の溶媒の溶解度を定性的に調べた。さらに溶解度実験に用いた溶液の蒸留により回収した固形物をXRPDおよびデジタルイメージングにより分析し、Nor−UDCAの可能性のある新しい型形成に関する情報を得た(表2参照)。この結晶化方法のための実験空間を明確にする上での裏付けとするため、粉砕試験を行った。「冷却/気化実験および固形物への蒸気拡散実験」のために、出発物質として用いられる非晶質物質を、1,4−ジオキサン/水(95/5%)溶液からの凍結乾燥および粉砕(ボールミル粉砕)により計画的に調製した。相2では、種々の結晶化方法を用いて217の実験を行った。適用した結晶化方法は以下の通りである。
− 非晶質物質を出発物質とし、冷却/気化を組み合わせた結晶化実験
− あらかじめ貧溶媒を添加した結晶化
− 2つの温度におけるスラリー実験
− 溶液への蒸気拡散
− 非晶質固形物への蒸気拡散
− 24種の溶媒と1種の乾燥を用いた粉砕による結晶化
結晶化した固形物すべてについて、実験の終了後直ちにXRPDおよびデジタル画像分析を行った。安定な型を確認した後、それらの性質と出発物質の型に対する相対的な安定性を評価するため、保存後に熱分析およびXRPDによる再分析を行った。
Nor−UDCAの多形体スクリーニングの結果によれば、いずれの結晶化方法を用いても、様々な純粋溶媒および混合溶媒からA型が高い割合で生成することが確認された(図1参照)。粉砕または凍結乾燥溶液からの気化によりA型の記憶効果を消去して調製した非晶形のNor−UDCAを出発物質とした結晶化実験においても、単離された固形物に対するXRPD分析により主としてA型が得られることが明らかになった。溶液への蒸気拡散実験において単結晶の成長が観察されたことから、A型の単結晶を成長させることは容易であると思われる。これは、貧溶媒の緩やかな拡散により過飽和が徐々に増し、A型結晶の成長に寄与することを示している。全体的に観察された晶癖はバルク様であった。Nor−UDCAの結晶構造を294Kで収集した単結晶X線回折データから決定したところ、C2空間群(Z’=2)で単斜晶系に結晶化していた(表3参照)。Nor−UDCAの結晶構造はGOF1.002で首尾よく解析できた(表3参照)。Nor−UDCAの結晶充填と水素結合を図2に示す。Nor−UDCAは、分子内水素結合により形成され、周期的に繰り返されるモノマーをのみを示した。水素結合は異なる水酸基間に形成される。Nor−UDCA分子はジグザグ形に最密充填されており、溶媒の入り込む空隙はない(図3参照)。
冷却/気化実験において、また別の3種の不安定型(B型、C1型およびC2型)が確認された。C1型は貧溶媒を加えた後の冷却/気化組み合わせ実験からも得られた。この3つの型のXRPDは類似しており、特にC1型とC2型とはさらに類似性が高く、同形の構造である可能性が示唆される。C1型は安定であり、溶媒和した性質が確認できた。B型およびC2型は不安定であり、その性質は確認できなかった。XRPDパターンの類似性および結晶形を形成する結晶化溶媒の分子構造の類似性から、B型およびC2型も溶媒和した構造であると考えられる。
さらにまた別の3種の不安定な混合型(Aプラス1型、Aプラス2型およびAプラス3型)が確認された。Aプラス1混合型は、冷却/気化実験から得られる別の潜在型とA型との混合物である。Aプラス2混合型は、低温におけるスラリー実験から得られる別の潜在型とA型との混合物である。Aプラス3混合型は、C1型(冷却/気化実験から得られたもの)を周囲条件で保存する間に起こる脱溶媒または変換から得られる別の潜在型とA型との混合物である。混合物中の存在量が少なく、また不安定であるため、混合物中の3種の潜在型についてその性質を確認することはできなかった。
多形体スクリーニングの研究中に見いだされたNor−UDCAの型を表4および図4にまとめて示す。しかしながら、純粋なNor−UDCAの合成(Nor−UDCAのカリウム塩の精製および再結晶の後、遊離酸を析出させる)のための確立された条件下では、物理的に純粋かつ熱力学的に安定な結晶性物質、すなわちA型だけが生じる。
図1に、出発物質および種々の結晶化実験により得られたA型それぞれのXRPDパターンを示す。注:図1中のA型出発物質は、記載した多形体スクリーニングの研究に用いた、所定の粒子径を有する純粋な多形結晶性ノルウルソデオキシコール酸を意味している。
図2は、A型Nor−UDCAの結晶充填および水素結合を示す。注:Nor−UDCA(A型)の単結晶充填を枠内に示す。
図3は、Nor−UDCA結晶の対称的な独立した2分子の分子構造および原子ナンバリングを示す。
図4は、Nor−UDCAの新しく得られた型のXRPDパターンとA型のXRPDパターンとの比較を示す。注:図4中のA型出発物質は、記載した多形体スクリーニングの研究に用いた、所定の粒子径を有する純粋な多形結晶性ノルウルソデオキシコール酸を意味している。
図4に示すXRPDパターンの説明:
A型以外に、3種の潜在的な、A型と他の型との混合物が単離された。これらの新しい型の存在は、固形物のXRPDパターン中にA型のXRPDに特有なものとは異なる別のピークが存在することにより示唆される。XRPD分析により、混合物中の優位型がA型であることが判明したため、潜在的混合型をAプラス1型、Aプラス2型およびAプラス3型とした。
Aプラス1型とされた混合型は、アニソールおよびメタノールを用いた冷却/気化実験の完了時に発見された。そのXRPDパターンでは、約8.77°、14.70°および20.51°(2θ)(A型のピークに隣接)に3つのさらなるピークが認められた。周囲条件下のウェルおよび実験バイアル中で保存した固形物をXRPDで再分析したところ、この混合物は7日以内に完全にA型に変換されることが示された。
Aプラス2型とされた混合型は、クロロホルムを用いた5℃でのスラリー実験の完了時に発見された。固形物のXRPDパターンには、A型とは別の5つのピークが約6.41°、12.75°、12.89°、14.72°および17.06°(2θ)に認められる。周囲条件下のウェル中で保存した固形物をXRPDで再分析したところ、11日以内に完全にA型に変換されていたが、実験バイアル中では(同じ期間)安定であった。
Aプラス3型とされた混合型は、周囲条件での7日間保存(2,2,2−トリフルオロエタノールとトルエンを用いた貧溶媒実験)によりC1型が変換した後に確認された。潜在的混合型であるAプラス3型のXRPDパターンには、A型とは別の3つのピークが6.74°、7.15°および10.25°(2θ)に認められる。
B型は、1,4−ジオキサンおよびテトラヒドロフランを用いた冷却/気化実験の完了時に確認された。B型のXRPDパターンは、C1型とC2型とに共通する主ピークがB型のXRPDにも同様に存在するという点においてC1型およびC2型のパターンと類似している。しかし優先的な配向効果があるため、(C1型およびC2型と)同一の結晶型に単純にB型を当てはめることはできない。B型をXRPDで再分析したところ、周囲条件下のウェルおよび実験バイアル中で保存した場合、10日以内にA型に変換されることが示された。
C1型は、p−キシレンおよびメタノールを用いた冷却/気化実験において見いだされた。周囲条件下の測定ウェル中で保存した固形物をXRPD分析したところ、7日以内にA型に変換されることが示された。C1型は、2,2,2−トリフルオロエタノールおよびトルエンを用いた貧溶媒実験においても見いだされた。この場合もまた、ウェル中で保存した場合、7日以内にA型に変換された。
図5にA型のXRPDパターンを単独で示す。本多形体は2θが11.9、14.4、15.3、15.8、16.6±0.2°のXRPDピークによって特徴付けられ、図5に示すような全体スペクトルを有する。
実施例2:合成されたNor−UDCAの化学的純度
合成されたNor−UDCAの化学的不純物プロファイルをHPLC/RIにより評価した。その方法を、機器の条件を含めて表5にまとめて示す。この合成により生じる可能性のある副生成物は不純物A、不純物B、不純物C、不純物D、不純物Eおよび不純物Fである。不純物Aは出発物質のウルソデオキシコール酸(UDCA)である。不純物Bは3α,7β−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−アミドであり、不完全なニトリル加水分解により生成する中間体である。不純物Cは、出発物質UDCA中に存在する主な不純物であるノルケノデオキシコール酸(Nor−CDCA)である。不純物Dはコール酸(CA)であり、出発物質UDCA中の別の主な不純物である。不純物Eは、望ましい反応が進まなかったホルミル保護UDCAである。ホルミル保護基はアルカリ処理により開裂して結局再び不純物Aとなるので、不純物Eは単なる理論上の不純物に過ぎない。不純物Fは3α,7β−ジヒドロキシ−24−ノル−5β−コラン−23−ニトリルであり、合成における別の中間体である。確立された各精製方法の有効性を、3バッチのNor−UDCAをHPLCで純度分析した結果により示す(表6参照)。可能性のある公知の不純物および未知の不純物を、Nor−UDCAのカリウム塩の再結晶およびその後の遊離酸の析出により効果的に除去すると、化学的に純粋なNor−UDCAが得られる。
実施例3:合成したNor−UDCAの粒子径
遊離酸の析出により、一定した所定の粒度分布を有するNor−UDCA粒子が得られ、Nor−UDCAの結晶径を調節するための粉砕による微粉化が不要となる。3バッチのNor−UDCAの粒子径測定結果から、確立された析出条件によって10μm未満の所望の粒子径が直接得られることがわかる(表7参照)。
まとめ:
2−プロパノールと水との混合物からNor−UDCAカリウム塩の形成および再結晶化を行い、次いで水とアセトンとの混合物から遊離酸を析出させる方法を示した。カリウム塩を経由するこの精製方法は、公知の不純物および未知の不純物をいずれも除去する上で極めて効果的であることがわかる。すなわち、上記の方法によれば、所定の粒子径を有するNor−UDCAの化学的に純粋な単一多形体の結晶性製剤が極めて効率よく提供される。

Claims (21)

  1. Nor−UDCAの化学的に純粋な、単一多形体の結晶性製剤であって、化学的不純物の全量が、製剤の全重量を基準にして、0.5%未満であり、少なくとも60%の結晶の大きさが10μm未満であり、該結晶が2θが11.9、14.4、15.3、15.8および16.6±0.2度のXRPDピークによって特徴付けられる、熱力学的に安定である製剤。
  2. 化学的不純物の全量が0.1%未満である、請求項1に記載の製剤。
  3. 化学的不純物の全量が0.05%未満である、請求項2に記載の製剤。
  4. 前記Nor−UDCAが無水形である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製剤。
  5. 図5に示すXRPDパターンによって特徴付けられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製剤。
  6. 検出可能量の非晶性Nor−UDCAを含まない、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製剤。
  7. 体積加重平均粒径D50が10μm未満である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製剤。
  8. 体積加重平均粒径D95が30μm未満である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製剤。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の製剤を含む医薬組成物。
  10. 医薬組成物中の請求項1に記載のNor−UDCAの結晶の粒径分布において、少なくとも60%の請求項1に記載のNor−UDCAの結晶の粒子の大きさが10μm未満である、請求項9に記載の医薬組成物。
  11. 胆汁うっ滞性肝疾患の治療に用いる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製剤または請求項9もしくは10に記載の医薬組成物。
  12. 前記胆汁うっ滞性肝疾患が、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、自己免疫性肝炎(AIH)およびAIHオーバーラップ症候群を含むオーバーラップ症候群からなる群から選択される、請求項11に記載の製剤または医薬組成物。
  13. 代謝性肝疾患および/または動脈硬化の治療に用いる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製剤または請求項9もしくは10に記載の医薬組成物。
  14. 前記代謝性肝疾患が非アルコール性脂肪性肝炎である、請求項13に記載の製剤または医薬組成物。
  15. 前記代謝性肝疾患がアルコール性脂肪性肝炎である、請求項13に記載の製剤または医薬組成物。
  16. 経口投与、非経口投与、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、経鼻投与、局所投与または直腸投与用に製剤化される、請求項9〜15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  17. 薬学的に許容される1以上の賦形剤を含む、請求項9〜16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  18. 請求項1に記載のNor−UDCAの化学的に純粋な、単一多形体の結晶性製剤の調製方法であって、
    Nor−UDCAのカリウム塩を結晶化させるステップと、
    前記カリウム塩を溶媒中に溶解させ、溶液を酸性化することによりNor−UDCAを析出させて純粋なNor−UDCAを得るステップとを含む方法。
  19. 前記溶媒が水とアセトンとの混合物であり、前記析出が、溶液を酸性化してpHを1〜2の範囲にすることにより行われる、請求項18に記載の方法。
  20. 請求項18または19に記載の方法であってさらに
    (a)式(A)の化合物:
    を式(B)の化合物:
    に変換するステップと、
    (b)式(B)の化合物を式(C)の化合物:
    に変換するステップと、
    (c)式(C)の化合物を粗製状態の式(D)の化合物:
    に変換するステップと、
    (d)粗製状態の式(D)の化合物をKOHで処理し、Nor−UDCAのカリウム塩を結晶化させるステップとを含み、
    式中nが1であることを特徴とする方法。
  21. 粉砕ステップおよび/または微粉化ステップを含まない、請求項18〜20のいずれか一項に記載の方法。
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