JP6594829B2 - サーボプレス装置 - Google Patents

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Description

本発明は、サーボプレス装置に関する。
以前より、金型にサーボモータのトルクによって大きな荷重を発生させるサーボプレス装置がある。サーボプレス装置は、例えば偏心軸(エキセン軸又はクランク軸など)を用いてサーボモータの回転運動を並進運動に変換し、金型を保持するスライドを並進運動させて金型による被成形物の成形を行う。回転運動を並進運動に変換するためのものとしては、偏心軸に限らず、その他の伝達機構が適用されることもある。このようなサーボプレス装置は、例えば金属材料の鍛造プレスとして使用される。
現状、サーボプレス装置は、モータによって駆動されるフライホイールの回転運動を用いたプレス装置と比較して、最大荷重が小さい。このため、サーボプレス装置で得られる荷重が、目的の成形を行うために必要な荷重よりも下回るときがある。この場合、金型により被成形物を加圧する過程でサーボモータがロックしてスライドが静止するスティックと呼ばれる現象が生じる。スティックが生じるとスライドが動かなくなってしまうため、スティックからの離脱(復旧)を行わない限り、被成形物の成形を続けることができない。
従来、サーボプレス装置においてスティックから離脱する方法が幾つか提案されている(例えば特許文献1を参照)。
特開2004−174562号公報
スティックが発生すると、離脱に手間と時間とを要し、離脱のための作業を行っている間は、被成形物の成形作業を行うことができず、サーボプレス装置の稼働効率が低下してしまう。また、スティックが深刻な状況の場合には、金型を破壊してスライドの静止状態を解除しなければならない。このように、スティックが発生すると、スティックから離脱できたとしても、経済的な損失の発生を避けることは困難である。
本発明は、スティックが発生する可能性を低減できるサーボプレス装置を提供することを目的とする。
本発明のサーボプレス装置は、
回転運動を出力するサーボモータと、
前記サーボモータの回転運動に基づき所定方向への進退が可能であり、金型を保持するスライドと、
前記金型に作用する荷重に関する物理量を検出する検出器と、
前記スライドが予め定めた移動パターンで移動するように前記サーボモータを制御すると共に、前記検出器により検出された前記物理量の値を用いて前記サーボモータを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記検出器により検出された前記物理量の値に基づいて所定時間経過後の前記物理量の値を推測し、推測された前記物理量の値がスティック発生を抑止する許容値である閾値を超える場合に、前記移動パターンでの前記スライドの移動を中断するように前記サーボモータを減速、停止又は逆転させる構成とした。
本発明によれば、スティックが発生する可能性を低減することができる。
本発明の実施形態のサーボプレス装置を示す構成図である。 スティック抑止処理の手順を示すフローチャートの第1例である。 図2のステップS2の推測処理を説明する図である。 サーボモータの回転速度とトルクとの関係を示すグラフである。 スティック抑止処理の手順を示すフローチャートの第2例である。 図5のステップS2の推測処理を説明する図である。 スライドの位置と金型の荷重との関係を示すグラフである。 実荷重を推測するスティック抑止処理を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態のサーボプレス装置を示す構成図である。
本実施形態のサーボプレス装置1は、サーボモータ6の動力によって被成形物の成形を行う装置である。詳細に説明すると、サーボプレス装置1は、サーボモータ6により発生させた動力をフライホイール等の動力蓄積手段に蓄積させず、スライドの駆動に直接的に用いるものである。なお、「直接的」とは、サーボモータとスライドとの間に他の動力伝達部材が全く介在していないことを意味するものではなく、サーボモータとスライドとの間には減速機等が設けられても良い。サーボプレス装置1は、例えば鍛造プレスとして使用される。サーボプレス装置1は、図1に示すように、ベッド2、アップライト3、クラウン4、タイロッド5、サーボモータ6、減速機7、エキセン軸(Eccentric shaft)8、スライド9を備える。また、サーボプレス装置1は、ボルスタ10、上金型11、下金型12、位置センサ13、歪みゲージ14、および制御部20を備える。ここで、ベッド2、アップライト3、およびクラウン4は、本発明に係る支持体の一例に相当する。
サーボプレス装置1は、上下一対の金型(上金型11及び下金型12)を用いて被成形物の成形を行う。下金型12は、ボルスタ10を介してベッド2に固定されている。上金型11は、スライド9の下部に保持されている。スライド9はエキセン軸8(詳細は後述する)を介してクラウン4に支持されている。クラウン4はアップライト3を介してベッド2に支持されている。アップライト3とクラウン4とはタイロッド5によって剛接続されている。同様に、アップライトとベッド2とはタイロッド5によって剛接続されている。
エキセン軸8は、クラウン4に固定された軸受け4aに支持されている。エキセン軸8は、軸受け4aに支持された部分の回転中心軸線に対して偏心している偏心部を有している。偏心部はコンロッド等の運動変換手段を介してスライド9に接続されている。偏心部の回転運動は、コンロッドにより並進運動へ変換され、その結果、スライド9はアップライド3が延伸する方向(上下方向)に進退する。なお、運動変換手段はコンロッドに限らず、偏心部を覆うスリーブ等を用いてもよい。スライド9は、ベッド2へ向かう方向(上下方向)に進退可能である。スライドは、アップライト3に設けられたガイド3aに対して摺動可能にガイドされている。サーボモータ6と減速機7とはクラウン4に固定されている。サーボモータ6の出力軸は、減速機7を介してエキセン軸8に接続されている。サーボモータ6は、サーボ機構を有し、位置、速度等を制御することが可能である。
位置センサ13は、スライド9が進退する方向におけるスライド9の位置を検出するためのものである。位置センサ13は、スライド9とクラウン4とにそれぞれ固定された一対のセンサ要素13a、13bを有し、一対のセンサ要素13a、13b間の距離を測定する。この距離からスライド9の位置を求めることができる。上金型11および下金型12の近くは潤滑油の飛び散り等が生じるため、上記の配置により、位置センサ13の汚れを避けることができる。なお、一対のセンサ要素13a、13bは、スライド9とベッド2とにそれぞれ固定されてもよい。このような配置によれば、大きな荷重によるアップライト3の伸び或いは歪みが生じても、正確なスライド9の位置を計測することができる。位置センサ13の出力は制御部20へ送られる。なお、位置センサ13は、一対のセンサ要素間の距離を測定する構成に限らず、他の構成を採用してもよい。例えば、スライド9及びガイド3aのいずれか一方にラックを設けると共に他方へラックに噛み合うピニオンを設け、ピニオンの回転量を測定することで、スライド9の位置を算出する構成としてもよい。
歪みゲージ14は、上金型11と下金型12とに作用される荷重を間接的に検出する検出器として機能する。歪みゲージ14は、アップライト3に取り付けられ、直接には、アップライト3の歪み量を検出する。アップライト3は、上金型11と下金型12とに荷重が加わったときに、荷重に応じた歪みが生じる。従って、歪みゲージ14の出力から上記の荷重を求めることができる。歪みゲージ14の出力は制御部20に送られ、制御部20において荷重を表わす値に変換できる。
制御部20は、モータ動作制御部21、記憶部22、位置検出部23、荷重検出部24、トルク検出部25、トルク推測部26、およびトルク比較部27を有する。
制御部20のモータ動作制御部21は、サーボモータ6の回転量と回転速度とを制御する。これにより、モータ動作制御部21は、スライド9が進退する方向におけるスライド9の位置および速度を制御する。スライド9の位置は、サーボモータ6の回転量と、エキセン軸8の偏心部の回転角度毎の偏心量とに基づいて決定される。スライド9の速度は、サーボモータ6の回転速度および回転量と、エキセン軸8の偏心部の回転角度毎の偏心量とに基づいて決定される。制御部20の記憶部22には、サーボモータ6の回転量とスライド9の位置との関係を示すデータ、並びに、サーボモータ6を所定の回転速度で運転したときの、サーボモータ6の回転量とスライド9の速度との関係を示すデータが記憶されている。モータ動作制御部21は、記憶部22に記憶されたデータと、サーボモータ6の回転量および回転速度とからスライド9の位置と速度とを認識できる。
制御部20の位置検出部23は、位置センサ13の検出信号を入力してスライド9の位置を検出する。
制御部20の荷重検出部24は、歪みゲージ14の検出信号を入力して上金型11と下金型12とに作用される荷重を検出する。
制御部20のトルク検出部25は、サーボモータ6の駆動電流を検出し、駆動電流からサーボモータ6の出力トルク(以下、単に「トルク」と呼ぶ)を検出する。すなわち、制御部20は、サーボモータ6のトルクを検出する検出器としても機能する。
制御部20のトルク推測部26は、後述するスティック抑止処理において、所定時間後のサーボモータ6のトルクを推測する(図2のステップS2を参照)。
制御部20のトルク比較部27は、後述するスティック防止処理において、推定されたサーボモータ6のトルクと予め定められた閾値とを比較する(図2のステップS3を参照)。
次に、サーボプレス装置1のプレス動作について説明する。
制御部20がサーボモータ6を駆動すると、サーボモータ6の回転運動がエキセン軸8とコンロッドとを介してスライド9に伝達される。これによりスライド9が上死点と下死点との間を移動する。
上金型11と下金型12との間に被成形物が配置され、スライド9が下降すると、上金型11と下金型12とが近接し、これらの間で被成形物に大きな荷重が加えられる。被成形物に加えられる荷重は、サーボモータ6のトルクが減速機7とエキセン軸8とを介してスライド9に伝達されて発生する。
サーボプレス装置1は、スライド9の移動パターンを変えることで、被成形物への荷重のかけ方を様々に変更できる。例えば、スライド9の移動パターンとしては、スライド9が上方から下死点近傍且つ下死点手前まで移動し、所定時間停止した後、サーボモータ6が逆回転して上方に戻るパターンが採用されてもよい。また、スライド9が上方から下死点を通過して上方に戻るパターンが採用されてもよい。また、スライド9が上方から下死点を少し過ぎる位置まで移動し、次いで、サーボモータ6が逆向きに回転して、再び下死点を少し過ぎる位置まで移動し、その後、スライド9が上方に戻るパターンが採用されてもよい。この場合、スライド9が下死点を通過して、下死点の近傍で往復する回数を変えてもよい。また、スライド9の移動の過程で、サーボモータ6の回転速度を変えて、スライド9の移動速度を制御することもできる。このようなスライド9の移動パターンは、予め制御データとして制御部20に記憶されている。制御部20は、制御データに従って、サーボモータ6を制御する。これにより、上述したような様々な移動パターンでスライド9を移動させることができる。
このようなスライド9の移動により、被成形物に大きな荷重が加えられて、被成形物が成形される。
スライド9の移動中、制御部20は、サーボモータ6の回転量或いは位置センサ13の出力に基づいて、スライド9の位置の情報を得ることができる。
次に、サーボプレス装置1の発生可能荷重と成形の必要荷重について説明する。
サーボプレス装置1の発生可能荷重は、サーボモータ6の最大トルクと、減速機7の減速率と、エキセン軸8の偏心部の偏心量とによって定まる。従って、発生可能荷重は、スライド9の位置xによって変化する(図7を参照)。発生可能荷重とスライド9の位置xとの関係を発生可能荷重曲線Pmaxと記す(図7を参照)。
一方、被成形物の成形に必要な荷重は、型条件によって様々に変化する。型条件には、上金型11および下金型12の形状および大きさ、並びに、成形前の被成形物の形状および大きさの各条件が含まれる。1つの型条件において、成形に必要な荷重は、上金型11と下金型12との間の距離ごと、すなわちスライド9の位置xごとに定まる。型成形に必要な荷重とスライド9の位置xとの関係を必要荷重曲線Pnと記す(図7を参照)。
図7に示すように、通常、発生可能荷重曲線Pmaxと必要荷重曲線Pnとは重ならず、発生可能荷重曲線Pmaxより低荷重の領域に必要荷重曲線Pnが存在する。言い換えれば、このように型条件が設定される。
一方、必要荷重曲線Pnと発生可能荷重曲線Pmaxとが重なると、重なった位置xの近傍で発生可能荷重が必要荷重を下回る。従って、サーボプレス装置1を対策なしに制御すると、曲線Pn、Pmaxが重なる位置xの近傍でスティックが発生する。このような場合でも、本実施形態のサーボプレス装置1によれば、スティック抑止処理によってスティックが発生する可能性を大幅に低減できる。
<スティック抑止処理1>
図2は、スティック抑止処理の手順を示すフローチャートの第1例を示す。図3は、図2のステップS2の推測処理を説明する図である。図4は、サーボモータの回転速度とトルクとの関係を示すグラフである。
スティック抑止処理は、制御部20によってプレス処理と並行して開始され、制御部20によってプレス処理と並行して実行される。ここで、プレス処理とは、制御部20がサーボモータ6を所定のパターンで駆動して被成形物を成形する処理を意味する。
スティック抑止処理が開始すると、制御部20は、所定のサンプリング周期ΔtごとにステップS1の処理が実行されるように、ステップS1〜S3のループ処理を繰り返す。
ステップS1では、制御部20は現在のトルクT(t)を計測する。具体的には、制御部20は、サーボモータ6の駆動電流を計測してトルク値に変換する。
ステップS2では、制御部20は次のサンプリングタイミング(すなわち所定時間経過後)のトルクT(t+Δt)を推測する。トルクT(t+Δt)は次式(1)に従って計算される。
T(t+Δt)=T(t)+dT/dt・Δt (1)
ここで、図3を用いて、式(1)の計算の一例を説明する。トルクT(t)は、図3に示すように時間tの変化に伴って変化する。現在がタイミングt1であれば、制御部20は、1つ前のサンプリングタイミングt0のトルクT(t0)と、現在のトルクT(t1)とを得ている。これらから、制御部20は、トルクTの変化率“dT/dt≒ΔT/Δt”を求めることができる。制御部20は、変化率“ΔT/Δt”とサンプリング周期Δtの値を式(1)に代入して、次のサンプリングタイミングt2のトルクT(t2)を計算する。
なお、上記の例では、制御部20は、トルクTの変化率“dT/dt”を、離散的に計測されたトルクTの変化率“ΔT/Δt”として計算している。しかし、制御部20は、離散的に計測された複数タイミングのトルクTの値から、図3に示すような連続的なトルクTの近似曲線を求めることができる。この場合、トルクTの変化率“dT/dt”は、近似曲線の微分値から求めてもよい。なお、離散的な変化率“ΔT/Δt”が採用される場合には、当然に、“ΔT/Δt・Δt”の計算においてΔtの除算および乗算の演算処理は省略してもよい。
ステップS3では、制御部20は、推測されたトルクT(t+Δt)がサーボモータ6の許容トルクα・Tmaxを超えないか比較する。図4に示すように、許容トルクα・Tmaxは、例えばサーボモータ6の最大トルクTmaxに許容計数α(<1)を乗じた値である。最大トルクTmaxは、プレス運転中に使われる回転速度の範囲において、ほぼ一定である。通常であれば、ステップS3の比較結果は否となる。しかし、発生可能荷重曲線Pmaxと必要荷重曲線Pn(図7を参照)とが重なるような場合、重なる位置xの直前で、ステップS3の比較結果は肯定となる。
ステップS3の比較の結果が否であれば、制御部20はステップS1に処理を戻して、ステップS1〜S3のループ処理を続ける。一方、ステップS3比較の結果が肯定であれば、制御部20はループ処理を抜けて、ステップS4に処理を移行する。
ステップS4では、制御部20は、サーボモータ6の回転を停止させる停止指令、すなわちサーボモータ6の回転が0となるような指令を出力する。この停止指令によって、並行して実行中のプレス処理においても制御部20はサーボモータ6の回転を停止させる。これにより、サーボモータ6は停止指令によって速やかに停止する。従って、スティック直前の停止指令によって、多くの場合、スティックに至る前にサーボモータ6およびスライド9を停止することができる。これによりスティックの発生が抑止される。
なお、ステップS4の停止指令は、サーボモータ6の逆転指令に変更してもよい。逆転指令によっても、サーボモータ6のトルクは、一旦、速やかに低下した後、逆向きのトルクに変化する。よって、スティックを避けることができる。
また、ステップS4の停止指令は、サーボモータ6の減速指令に変更してもよい。必要荷重曲線Pn(図7を参照)は、スライド9の速度が一段低下すると、全体的に低い値へシフトする。従って、減速指令によって、サーボモータ6の回転速度が一段低くなると、必要荷重が低下して、多くの場合に、スティックを避けることができる。なお、減速によってスティックを避けた場合には、制御部20は、続いて、サーボモータ6の回転速度を一段低くしてプレス動作の処理を続行してもよい。さらに、プレス動作を続行する場合には、制御部20は、再度、スティック抑止処理をステップS1から再開するとよい。
以上のように、本実施形態のサーボプレス装置1によれば、スティック抑止処理によって、スティックが発生する可能性を大幅に低減することができる。
さらに、本実施形態のスティック抑止処理では、サーボモータ6のトルクの計測によってスティックの発生直前の状態を推測できる。従って、単純で高速な処理によってスティック抑止処理を実現できる。
<スティック抑止処理2>
図5は、スティック抑止処理の手順を示すフローチャートの第2例である。図6は、図5のステップS2の推測処理を説明する図である。
スティック抑止処理の第2例は、ステップS1Aの計測処理と、ステップS2AのトルクT(t+Δt)の推測処理が、前述した第1例と異なる。ここでは、主に異なる点について詳細に説明する。
ステップS1Aでは、制御部20は、現在のトルクT(t)と現在のスライド9の位置xとの計測値を、所定のサンプリング周期Δtで取得する。制御部20は、スライド9の位置xの計測値を、位置センサ13の出力に基づいて取得する。
ステップS2Aでは、制御部20は、取得したトルクT(t)の値と、計測されたスライド9の位置xとから、次のサンプリングタイミングのトルクT(t+Δt)を推測する。トルクT(t+Δt)は次式(2)に従って計算される。
T(t+Δt)=T(t)+dT/dx・dx/dt・Δt (2)
ここで、図6を用いて、式(2)の計算の一例を説明する。トルクT(t)は、図6に示すようにスライド9の位置xの変化に伴って変化する。所定のサンプリング周期Δtでスライド9の位置xを計測すると、位置x0、x1、x2のような値が得られる。スライド9の速度は変化するため、位置x0、x1、x2の間隔Δxは一定であるとは限らない。現在が位置x1であれば、制御部20は、1つ前のサンプリングタイミングの位置x0のトルクT(x0)と、現在の位置x1のトルクT(x1)とを取得している。これらから、制御部20は、位置xに対するトルクTの変化率“dT/dx≒ΔT/Δx”を求める。
また、上述したように、制御部20は、サーボモータ6が所定の速度で回転しているときのサーボモータ6の回転量とスライド9の速度との関係を示すデータを記憶している。制御部20は、これらのデータから、現在の位置x1におけるスライド9の速度“dx/dt”を求める。
そして、制御部20は、これらの値を式(2)に代入して、次のサンプリングタイミングの位置x2におけるトルクT(x2)を計算する。
なお、上記の例では、制御部20は、位置xに対するトルクTの変化率“dT/dx”を、離散的に計測されたトルクTの変化率“ΔT/Δx”として計算している。しかし、制御部20は、離散的に計測された複数の位置xのトルクTの値から、図6に示すような連続的なトルクTの近似曲線を求めることができる。この場合、トルクTの変化率“dT/dx”は、近似曲線の微分値から求めてもよい。
以上のように、第2例のスティック抑止処理によれば、位置xの計測値とトルクT(t)の計測値とを用いて次のサンプリングタイミングのトルクT(t+Δt)を推測する。よって、下死点の近傍でスライド9の速度が低い値となる場合に、精度の高いトルクの推測を行うことができる。よって、より精度の高いスティックの回避動作を行うことができる。
<スティック抑止処理3>
図7は、スライドの位置と金型の荷重との関係を示すグラフである。図8は、実荷重を推測するスティック抑止処理を説明する図である。
スティック抑止処理の第3例は、計測および推測する物理量として、上金型11と下金型12に作用される実荷重を適用した例である。制御部20は、実荷重の計測値を歪みゲージ14の出力に基づいて取得する。
スティック抑止処理の第3例では、スティック発生の判断を行うために推測値と比較される閾値として、図7に示すように、発生可能荷重曲線Pmaxに許容係数αを乗じた許容荷重曲線の各値が採用される。この閾値は、スライド9の位置xに応じて変化する。制御部20は、予め許容荷重曲線のデータ、或いは、発生可能荷重曲線のデータを記憶している。制御部20は、これら記憶されたデータと計測されたスライド9の位置xとから、閾値を計算する。
実荷重の推測処理は、第1例または第2例のスティック抑止処理と同様である。制御部20は、第1例または第2例のスティック抑止処理におけるトルクT(t)を、実荷重P(t)に置き換えて実行する。これにより、次のサンプリングタイミングの実荷重P(t+Δt)を計算することができる。
制御部20は、実荷重P(t+Δt)を推測したら、これと上述の閾値とを比較することで、スティックの発生を予測し、第1例または第2例と同様の処理によりスティックの発生を回避することができる。
以上のように、第3例のスティック抑止処理によれば、実荷重を計測および推測してスティックの発生の抑止が図られる。従って、実荷重および位置の計測に高い精度が得られる場合に、スティック発生をより高い精度で予測できる場合がある。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、金型に作用する荷重に関する物理量として、サーボモータ6のトルクを採用した例、或いは、実荷重を採用した例について説明した。しかし、この物量量としては、荷重に応じて変化し、その値から荷重を求めることのできる物理量であれば、どのような物理量が採用されてもよい。
また、上記実施形態では、物理量の計測を所定のサンプリング周期Δtで行う構成を例にとって説明した。しかし、物理量を計測する間隔は、例えば、予め定められた複数の位置xごととするなど、一定周期でなくてもよい。また、上記実施形態では、所定時間経過後の物理量として、制御部20は次のサンプリングタイミングの物理量を推測する構成を例にとって説明した。しかし、制御部20は、次のサンプリングタイミングより短い時間前又は短い時間後のタイミングの物理量を推測してもよい。
さらに、上記の実施形態においては、エキセン軸を用いたサーボプレス装置を例にとって説明した。しかし、サーボモータの動力を用いてプレス動作を行うものであれば、途中で力を伝達する構成は特に制限されない。その他、実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 サーボプレス装置
6 サーボモータ
8 エキセン軸
9 スライド
11 上金型
12 下金型
13 位置センサ
14 歪みゲージ(実荷重の検出器)
20 制御部(出力トルクの検出器)

Claims (4)

  1. 回転運動を出力するサーボモータと、
    前記サーボモータの回転運動に基づき所定方向への進退が可能であり、金型を保持するスライドと、
    前記金型に作用する荷重に関する物理量を検出する検出器と、
    前記スライドが予め定めた移動パターンで移動するように前記サーボモータを制御すると共に、前記検出器により検出された前記物理量の値を用いて前記サーボモータを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記検出器により検出された前記物理量の値に基づいて所定時間経過後の前記物理量の値を推測し、推測された前記物理量の値がスティック発生を抑止する許容値である閾値を超える場合に、前記移動パターンでの前記スライドの移動を中断するように前記サーボモータを減速、停止又は逆転させる、
    サーボプレス装置。
  2. 前記物理量は前記サーボモータの出力トルクであり、
    前記閾値は前記サーボモータの許容トルクである、
    請求項1記載のサーボプレス装置。
  3. 前記スライドの位置を検出する位置センサをさらに備え、
    前記制御部は、前記位置センサにより検出された前記スライドの位置と、検出された前記物理量の値とを用いて前記所定時間経過後の前記物理量の値を推測する、
    請求項1記載のサーボプレス装置。
  4. 前記制御部は、前記スライドから被成形物に荷重が加えられる成形期間を含めて、前記物理量の値を推測し、推測された前記物理量の値が前記閾値を超える場合に、前記移動パターンでの前記スライドの移動を中断するように前記サーボモータを減速、停止又は逆転させる、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサーボプレス装置。
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