JP5561459B2 - プレス機械装置およびそのモータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金属板(非成形物)を金型で成形加工するプレス機械装置およびそのモータ制御装置に関するものであって、特に、異物の挟み込み(例えば、異物を挟み込む場合や、微小な被成形物のくずを挟み込む場合等)を、専用となるセンサ類を配設せずに検出するプレス機械装置およびそのモータ制御装置に関する。
第1の従来技術は、「例えばストリッパで被加工材料をダイにクランプし、クランプされた被加工材料を上型部と下型部とのプレス動作によりプレス加工するプレス装置において、ストリッパと上型部が相対移動することにより、異物を検出する検出装置に関するもの」であって、「検出装置に電気的導通を感知させ、ストリッパと被加工材料やダイとの間に存在する異物を的確に検出して、異物を検出すると同時にプレス動作を停止することができるプレス装置を提供することを目的とする」ものがある(例えば、特許文献1)。
図8は、第1の従来技術における異物検出装置が設けられるプレス装置を示す概略構成図である。なお、図面に付した符号は、第1の従来技術に記載された符号を用いて記載している。
図8において、「ストリッパ3で被加工材料Wをダイ20にクランプし、クランプされた被加工材料Wを上型部2と下型部4とのプレス動作によりプレス加工するプレス装置1は、前記上型部2に設けられた検出装置30と、前記ストリッパ3に設けられ、前記ストリッパ3と前記ダイ20または被加工材料Wとの間に存在する異物Mにより前記ストリッパ3が前記上型部2に対して相対的移動すると前記検出装置30と接触して電気的導通を生じる被接触部32とを備えている」。
第2の従来技術は、「プレス機械のダイルーム内の異物検出方法および安全装置に関するもの」であって、「金型が設置されているダイルームを有するプレス機械のダイルーム内の異物検出方法において、プレス機械の待機時にパターン検出手段により金型近傍の形状パターンの待機時パターンを検出し記憶する工程と、プレス機械の起動時にパターン検出手段により金型近傍の形状パターンの起動時パターンを検出する工程と、検出された起動時パターンと記憶された待機時パターンとを比較する工程と、比較した両パターンが不一致のときに異常と判断する工程と、異常と判断したときにスライドを停止させる工程と、異常と判断したときに異常報知手段により異常を報知する工程とを有する」を目的としている(例えば、特許文献2)。
図9は、第2の従来技術における異物検出に関する安全装置が設けられるプレス機械装置を示す概略構成図である。なお、図面に付した符号は、第2の従来技術に記載された符号を用いて記載している。
図9において、「プレス機械1の駆動源である電動モータ8の出力軸は、減速機9を介してプレス機械1の作動を滑らかにするフライホイール10に連結されている。また、フライホイール10の出力軸は、クラッチ&ブレーキ11を介して第1ギア12に連結されている。フライホイール10の出力回転を第1ギア12に伝動するときにはクラッチ&ブレーキ11のクラッチを係合して、ブレーキを作動させない。また、第1ギア12の回転を止めるときには、クラッチ&ブレーキ11のクラッチを切り、ブレーキを効かせる。第1ギア12には、第1ギア12よりも歯数の多い第2ギア13が噛合しており、第2ギア13の出力軸には、クランク機構14が設けてある。第2ギア13の回転運動をスライド運動に変換するクランク機構14の出力部に上下に昇降するスライド4が取着されていて、スライド4の下面に上金型5が取着されている。一方、ボルスタ2の上面には、下金型3が上金型5に対向する位置に取着されている。」
第3の従来技術は、「プレスのトランスファー装置の事故防止を徹底するもの」であって、「トランスファープレスの駆動機構から独立したサーボ制御装置によって三次元的に移動するビームの位置を制御するトランスファー装置において、特定のトランスファーパターンごとの正常運転で実測したトルク値を当該パターンの標準トルク値とし、当該標準トルク値に予め設定した偏差値を加減した上限トルク値と下限トルク値とで特定する許容トルク範囲を演算して制御装置に記憶し、前記特定のトランスファーパターンを以後実操業するごとに測定する実トルク値を許容トルク範囲と比較し、当該範囲を逸脱した瞬間に検出することを特徴とするトランスファー装置のトルク監視による異常検出装置により従来の単にビームなどの位置的な制御だけでは防止できなかった不特定部材の脱落、挟み込み、潤滑不良、サーボモータの空転などの異常を瞬間的に検出する」ものがある。(例えば、特許文献3)
図10は、第3の従来技術における異常検出装置が設けられるプレスのトランスファー装置を示す概略構成図である。なお、図面に付した符号は、第3の従来技術に記載された符号を用いて記載している。
図10において、「駆動装置1、2におけるサーボモータ11、21の駆動をサーボ制御装置12、22を介してビームの移動を位置的に制御し、プレス本体の作動と同調させるトランスファー装置において、特定のトランスファーパターン毎に正常運転において測定した実トルク値Tを標準とし、予め設定した偏差値を制御装置3のCPU32において加減した上限、下限のトルク値によって許容トルク範囲を演算して記憶する。後刻同じトランスファーパターンの成形作業に当っては、実トルク値が記憶した許容トルク範囲に含まれるか否か比較し、外れた領域へ逸脱すれば直ちに検出する情報処理が組み込まれている」。
このように、従来技術におけるプレス機械の異物検出は、配設された外部検出装置の出力値に基づいて検出するもの(特許文献1)や、外部検出装置を有さずにサーボモータからのトルク値や金型近傍の形状の変化に基づいて検出する(特許文献2、3)ものがある。
また、外部検出装置を有さずに異物の挟み込みを検出する方法は、異物の挟み込みをサーボモータに対する外乱として捉え、この外乱を検出あるいは推定することにより異物の挟み込みを検出することもできる。
第4の従来技術は、外乱推定オブザーバを備え、これにより推定された外乱の大きさが、予め決められた設定値以上になったときに外乱として検出している(例えば、特許文献4参照)。
また、第5の従来技術は、第4の従来技術を併用して、推定された外乱の変化量が、予め決められた設定値以上になったときにも外乱として検出している(例えば、特許文献5参照)。
図11は、第4の従来技術における外乱検出の処理の流れを示す概略ブロック図である。
図において、111はモータであり、サーボアンプ(図示せず)からモータ111に出力されるトルク指令値とモータ111の回転速度を外乱オブザーバ112に入力する。外乱オブザーバ112はトルク指令値とモータ速度から外乱推定値を演算し、比較器113に出力する。比較器113は、予め決められた設定値と外乱推定値とを比較し、外乱推定値が設定値を超えていれば外乱として検出する。
図12は、第5の従来技術における外乱検出の処理の流れを示す概略ブロック図である。
図において、211はモータであり、サーボアンプ(図示せず)からモータ211に出力されるトルク指令値とモータ211の回転速度を外乱オブザーバ212に入力する。外乱オブザーバ212はトルク指令値とモータ速度から外乱推定値を演算し、比較器214および微分器215に出力する。微分器115は外乱推定値を時間微分して外乱推定値の変化の割合として、比較器216に出力する。比較器214は、予め決められた設定値と外乱推定値とを比較し、外乱推定値が設定値を超えていれば外乱として検出する(外乱検出1)。比較器216は、比較器214と異なる値で予め決められた設定値と微分器215の出力値(外乱推定値の変化の割合)を比較し、微分器215の出力値(外乱推定値の変化の割合)が設定値を超えていれば外乱として検出する(外乱検出2)。そして、外乱検出1または外乱検出2が成立した場合、外乱として検出する。
このように、従来技術における外乱検出方法では、外乱推定オブザーバを備え、これにより推定された外乱推定値が予め決められた設定値を超えるか、または、推測された外乱推定値の瞬間的な変化(外乱推定値の変化の割合)が予め決められた設定値を超えた場合に外乱として検出していた。
特開2007−054844号公報(第3−5頁、図1) 特開2001−259899号公報(第3−6頁、図2) 特開平7−275971号公報(第4頁、図1) 特開平03−196313号公報(第2−4頁、図1) 特開平11−254380号公報(第3−5頁、図4)
従来技術におけるプレス機械装置では、第1の従来技術のような近接センサを配設せずに、異物の挟み込みを検出する要求が高まっており、第2、第3の従来技術のようなサーボモータからのトルク値の変化に基づいて異物の挟み込みを検出することや金型近傍の形状パターンの変化により、近接センサのようなセンサ類を配設しないことによる装置の低価格化や、配設およびセンサ類の調整の手間を省くことができる技術が公知のものとして存在する。
しかしながら、第2の従来技術では、待機時と起動時の金型近傍の形状パターンの変化により異物の挟み込みを検出しているため、微小な異物を挟み込んだ際、金型近傍の形状パターンの変化に対して検出精度が高い挟み込み検出を図ることができないという問題がある。第3の従来技術においても、サーボモータからのトルク値の変化を単純に比較しているため、微小な異物を挟み込んだ際に大きなトルク値は得られないという問題がある。
ここで、前述したプレス機械装置は、一般的に、サーボモータにより駆動される上型部と下型部で構成されており、サーボモータは複数のギアを用いた機械的機構を介してクランク機構を駆動し、上型部を往復運動させている。また下型部はラック&ピニオンを介してサーボモータによる位置指令により保持されている。
このようなプレス機械装置における挟み込みは、例えば、厚さ、大きさがそれぞれ異なる、異物を挟み込む場合があるが、これらの挟み込みは、サーボモータからの外乱が大きく変化し、設定値を決めることが難しいという問題がある。また、微小な異物を挟みこむ場合等があるが、これらの挟み込みは、サーボモータに対してそれほど大きな外乱にはなり得ない。さらに、挟み込みが発生していない場合(通常状態の場合)であっても、回転運動を往復運動に変えるクランク機構により慣性モーメントが変化することによる反力等が、外乱として常に検出されるのである。この回転運動を往復運動に変えるクランク機構によって慣性モーメントの変化の影響による反力等は、前述した異物の挟み込みによる反力と比較して大きな外乱となりうる可能性があり、ある程度大きい異物しか検出することができない。
第4または5の従来技術の外乱検出方法では、外乱推定オブザーバを備え、これにより推定された外乱推定値が予め決められた設定値を超えるか、または、推測された外乱推定値の瞬間的な変化(外乱推定値の変化の割合)が予め決められた設定値を超えた場合に外乱として検出、すなわち単に、予め決められた設定値と外乱推定値とを比較しているため、定常的に発生する外乱(前述した回転運動を往復運動に変えるクランク機構により慣性モーメントが変化することによる反力等)よりも大きな外乱を持つ異物しか検出できず、異物の厚さの違いによって外乱推定値が大きく変化し設定値を決めることが難しいという問題があった。
また、第3の従来技術においても、サーボモータからのトルク値の変化を単に比較しているため、第4または5の従来技術と同様の問題点をもつものである。
したがって、第3乃至5の従来技術では、プレス機における微小な異物の挟み込み(前述した厚さ5mmにも満たない微小な異物の場合等)を検出するために、挟み込みが発生していない場合(通常状態の場合)における外乱(前述した回転運動を往復運動に変えるクランク機構により慣性モーメントが変化することによる反力等)が存在する場合、この外乱(定常外乱)よりも基準となる値を小さく設定する必要があり、挟み込みを検出できないのである。また、プレス機における様々な異物の挟み込み(前述した厚さ、大きさがそれぞれ異なる異物の場合等)を検出するために、挟み込む異物の厚さ、大きさによって基準となる値を変化させて設定する必要があり、挟み込みを検出することが困難である。これらのような場合、第1の従来技術のような外部検出装置であるセンサ等を配設する必要があり、装置の低価格化や配設およびセンサ類の調整の手間を省くことができないという問題もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、プレス機械装置におけるプレス軸(上型部のクランク機構、機械的機構、サーボモータをプレス軸、下型部のラック&ピニオン、サーボモータをクッション軸と定義する)に定常外乱が存在する場合や厚さ、大きさがそれぞれ異なる異物を挟み込む場合においても、異物挟み込み検出のための専用となるセンサ類を配設せずに、定常外乱よりも小さい外乱をもつ異物(前述した厚さ5mmにも満たない微小な異物の場合等)や、様々な異物(前述した厚さ、大きさがそれぞれ異なる異物の場合等)を確実に検出でき、装置の低価格化および小型化並びに信頼性の向上を図ることができるプレス機械装置およびそのモータ制御装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、被成形物を加工するプレス軸とクッション軸とを有するプレス機械装置であって、前記プレス軸における上型部を機械的機構を介して回転駆動させるモータと、前記モータへ電力を供給する制御装置と、を備えたプレス機械装置において、前記制御装置が、トルク指令とモータ速度とに基づいて前記モータに対する外乱推定値を演算する外乱オブザーバ部と、前記外乱推定値に基づいて前記プレス軸と前記クッション軸間における異物挟み込み状態を検出する挟み込み検出部と、を備え、前記挟み込み検出部は、前記外乱推定値を入力して前記外乱推定値の絶対値を演算する絶対値演算部と、前記上型部の可動範囲内の所定の範囲を前記上型部が可動する間、前記外乱推定値の絶対値を積算する積分器と、前記積分器の出力を入力して予め決定された設定値と比較し前記異物挟み込み状態を判断する比較部と、で構成され、前記比較部が、前記積分器の出力が前記設定値を超えた場合、前記異物挟み込み状態であると判断する、ことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明における前記挟み込み検出部が、前記絶対値演算部が演算した前記外乱推定値の絶対値を入力して前記上型部の位置に対する前記外乱推定値の重み付けを行う位置係数処理部を備え、前記積分器は、前記上型部の可動範囲内の所定の範囲を前記上型部が可動する間、前記位置係数処理部の出力だけを積算する、ことを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2記載の発明における前記位置係数処理部が、前記上型部の下死点位置の場合を係数1、前記上型部の下死点位置から前記上型部が離れるにつれて係数1より小さくなる係数とし、前記上型部の上下可動位置に応じて前記係数が変化する関数を有し、前記関数で決定された係数と前記外乱推定値の絶対値との積を計算した値を出力することを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1記載の発明における前記制御装置が、前記異物挟み込み状態を検出の際、前記プレス機械装置が異常である情報を外部に出力することを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1又は2記載の発明における前記比較部に代わり、前記積分器の出力を所定時間毎にサンプリングし、今回のサンプリング値と前回以前のサンプリング値との比較に基づいて、前記異物挟み込み状態の発生を判断する比較部、を備えることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、被成形物をプレス加工するプレス軸とクッション軸とを有するプレス機械装置であって、前記プレス機械装置における上型部を機械的機構を介して回転駆動させるモータと、前記モータへ電力を供給する制御装置と、を備え、前記機械的機構の慣性モーメントの変化に起因する振動外乱である、定常外乱が存在するプレス機械装置において、前記制御装置は、トルク指令とモータ速度とに基づいて、前記モータに対する外乱推定値を演算する外乱オブザーバ部と、前記外乱推定値を入力して前記外乱推定値の絶対値を演算する絶対値演算部と、前記上型部の可動範囲内の所定の範囲を前記上型部が可動する間、前記外乱推定値の絶対値を積算する積分器と、前記積分器の出力を入力して予め決定された設定値と比較し、前記積分器の出力が前記設定値を超えた場合、前記異常外乱であると判断する比較部と、を備え、前記制御装置が、前記プレス軸と前記クッション軸間における異物挟み込み状態である、異常外乱と前記定常外乱とを判別し、前記異常外乱を検出することを特徴とするものである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6記載の発明における前記制御装置は、前記絶対値演算部が演算した前記外乱推定値の絶対値を入力して前記上型部の位置に対する前記外乱推定値の重み付けを行う位置係数処理部を備え、前記積分器は、前記上型部の可動範囲内の所定の範囲を前記上型部が可動する間、前記位置係数処理部の出力だけを積算する、ことを特徴とするものである。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7記載の発明における前記位置係数処理部が、前記上型部の下死点位置の場合を係数1、前記上型部の下死点位置から前記上型部が離れるにつれて係数1より小さくなる係数とし、前記上型部の上下可動位置に応じて前記係数が変化する関数を有し、前記関数で決定された係数と前記外乱推定値の絶対値との積を計算した値を出力することを特徴とするものである。
また、請求項9に記載の発明は、請求項6記載の発明における前記制御装置が、前記異物挟み込み状態を検出の際、前記プレス機械装置が異常である情報を外部に出力することを特徴とするものである。
また、請求項10に記載の発明は、請求項6または7記載の発明における前記比較部に代わり、前記積分器の出力を所定時間毎にサンプリングし、今回のサンプリング値と前回以前のサンプリング値との比較に基づいて、前記異物挟み込み状態の発生を判断する比較部、を備えることを特徴とするものである。
また、請求項11に記載の発明は、プレス機械装置における機械的機構に連結されたモータと、前記モータの位置または速度情報を検出して出力する検出器と、指令を出力する上位装置と、前記指令と前記検出器の出力とに基づいてトルク指令を演算しモータへ電力を供給する制御装置と、を備えたモータ制御装置において、前記上位装置もしくは前記制御装置が、前記トルク指令と前記検出器の出力とに基づいて前記モータに対する外乱推定値を演算する外乱オブザーバ部と、前記外乱推定値を入力して前記外乱推定値の絶対値を演算する絶対値演算部と、前記外乱推定値の絶対値を所定時間の間積算する積分器と、前記積分器の出力を入力して予め決定された設定値と比較し、前記積分器の出力が前記設定値を超えた場合、異常外乱の発生と判断する比較部と、を備えることを特徴とするものである。
また、請求項12に記載の発明は、請求項11記載の発明における前記上位装置もしくは前記制御装置は、前記絶対値演算部が演算した前記外乱推定値の絶対値を入力して前記上型部の位置に対する前記外乱推定値の重み付けを行う位置係数処理部を備え、前記積分器は、前記上型部の可動範囲内の所定の範囲を前記上型部が可動する間、前記位置係数処理部の出力だけを積算する、ことを特徴とするものである。
また、請求項13に記載の発明は、請求項11または12記載の発明における前記上位装置もしくは前記制御装置が、前記異常外乱を検出の際、前記モータ制御装置が異常である情報を外部に出力することを特徴とするものである。
また、請求項14に記載の発明は、請求項11または12記載の発明における前記比較部に代わり、前記積分器の出力を所定時間毎にサンプリングし、今回のサンプリング値と前回以前のサンプリング値との比較に基づいて、前記異常外乱の発生を判断する比較部、を備えることを特徴とするものである。
請求項1,2,7,8に記載の発明によると、プレス機械装置におけるプレス軸に定常外乱(回転運動を往復運動に変えるクランク機構により慣性モーメントが変化することによる反力等)が存在する場合においても、異物挟み込み検出のための専用となるセンサ類を配設せずに、異物挟み込み等(異物を挟み込む場合や、微小な被成形物のくずを挟み込む場合等)による、定常外乱よりも小振幅の外乱または振動周期が短い変化を伴う外乱を確実に検出でき、装置の低価格化および小型化並びに信頼性の向上を図ることができる。
また、請求項3,4、9,10に記載の発明によると、請求項1,2,7,8に記載の発明による効果に加え、最終段の比較器における設定値の予めの決定がよりし易くなり、より精度が高い、確実な検出ができる。
また、請求項5,11に記載の発明によると、プレス機械装置を即座に停止して、作業員等にプレス軸とクッション軸間における異物噛み込み状態を知らせることができ、作業員等がこの異物噛み込み状態を除去した後、プレス機械装置を安全に再度運転することができる。
また、請求項6,12に記載の発明によると、容易に異常を判断することができる。請求項13に記載の発明によると、プレス機械装置におけるプレス軸に定常外乱(回転運動を往復運動に変えるクランク機構により慣性モーメントが変化することによる反力等)が存在する場合においても、異物挟み込み検出のための専用となるセンサ類を配設せずに、異物挟み込み等(異物を挟み込む場合や、微小な被成形物のくずを挟み込む場合等)による、定常外乱よりも小振幅の外乱または振動周期が短い変化を伴う外乱を確実に検出でき、装置の低価格化および小型化並びに信頼性の向上を図ることができる。
また、請求項14に記載の発明によると、請求項13に記載の発明による効果に加え、最終段の比較器における設定値の予めの決定がよりし易くなり、より精度が高い、確実な検出ができる。
また、請求項15に記載の発明によると、モータ制御装置を即座に停止して、作業員等にプレス軸とクッション軸間における異物噛み込み状態を知らせることができ、作業員等がこの異物噛み込み状態を除去した後、モータ制御装置を安全に再度運転することができる。
また、請求項16に記載の発明によると、容易に異常を判断することができる。
本発明の実施例に係るプレス機械装置の概略構成図 本発明に係るプレス機械装置の外乱検出の処理の流れを示す概略ブロック図 本発明に係るプレス機械装置における非挟み込み時の外乱推定波形図 本発明に係るプレス機械装置における挟み込み時の外乱推定波形図 本発明に係るプレス機械装置における挟み込み時の外乱推定値の積分波形図 本発明に係るプレス機械装置の他の形態の外乱検出の処理の流れを示す概略ブロック図 本発明に係るプレス機械装置における他の形態の挟み込み時の外乱推定値の積分波形図 第1の従来技術における異物挟み込み検出装置を示す概略構成図 第2の従来技術におけるプレス機械装置のダイルーム内の異物検出方法を備える概略構成図 第3の従来技術におけるプレスのトランスファー装置に関する概略構成図 第4の従来技術における外乱検出の処理の流れを示す概略ブロック図 第5の従来技術における外乱検出の処理の流れを示す概略ブロック図
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例に係るプレス機の概略構成図である。図において、11はクランク機構、12はプレス軸、13は上型部、14は下型部、15はクッション軸、16はラック&ピニオンである。なお、前述したように上型部13は、サーボモータ(図示しない)により駆動されるクランク機構11が取り付けられたものであり、サーボモータ(図示しない)は複数のギアを用いた機械的機構(図示しない)を介して上型部を、サーボアンプ等の制御装置(図示しない)からの指令に基づいて駆動している。
プレス軸12は、クランク機構11を用い、速度制御で上型部13を一定速で上下運動する。クッション軸15は、ラック&ピニオン16を用い、位置制御で下型部14を一定の位置に保持する。プレス軸12の上型部13が下降し、下型部14にプレス加圧すると上型部13と下型部14は同時に下降し、上型部13が上昇すると下型部14はラック&ピニオン16を用い指令位置まで上昇する。
図2は、本発明に係るプレス機械装置の外乱検出の処理の流れを示す概略ブロック図である。図において、1はモータ、2は外乱オブザーバ、3は絶対値演算部、4は積分器、5は比較器である。なお、ここで検出する外乱は、前述したプレス機械装置における挟み込み(前述した微小な異物を挟み込む場合や、微小な被成形物のくずを挟み込む場合等)であって、この外乱検出はプレス機械装置におけるサーボアンプ等の制御装置(図示しない)において行なうものである。また、外乱検出の際は、本発明に係るプレス機械装置を停止して、作業員等に異物の挟み込みを知らせ、作業員等がこの挟み込みを除去した後、本発明に係るプレス機械装置を再度運転するものである。
サーボアンプ等の制御装置(図示しない)からモータ1に出力されるトルク指令値とモータ1の回転速度(モータ速度)とを、外乱オブザーバ2に入力する。外乱オブザーバ2は、トルク指令値とモータ速度とから外乱推定値を演算して絶対値演算部3に出力する。絶対値演算部3は、外乱推定値の絶対値を演算して積分器4に出力する。なお、絶対値演算部3の技術的意義は後述する。積分器4は、本発明に係るプレス機械装置のプレス軸のクランク機構11が、所定の回転角だけ回転する間、外乱推定値を常に積算して比較器5に出力する。比較器5は、予め決定された設定値と積分器4の出力値とを比較し、積分器4の出力値がこの設定値を超えていれば外乱として検出するのである。
ここで、モータ速度は、モータ1に接続された位置あるいは速度検出器(図示しない)の出力信号を用いればよい。また、トルク指令値とモータ速度に基づいて外乱推定値を演算して出力する外乱オブザーバ2は、公知の外乱オブザーバを用いればよい。また更に、プレス機械装置のプレス軸のクランク機構1回転は、クランク機構を駆動するための複数のギアを用いた機械的機構とサーボモータとのギア比等の仕様が予め分かっているため、この仕様に基づいてプレス軸のクランク機構1回転とすればよい(サーボモータが直接クランク機構を介して上型部を駆動する場合は、サーボモータの1回転がクランク機構の1回転となる)。
このように、本発明が従来技術と異なる部分は、異物挟み込み検出のための専用となるセンサ類を配設しないこと、単に外乱推定値を予め決定された設定値と比較するのみではなく、外乱推定値の絶対値をプレス軸のクランク機構が所定の回転角だけ回転する間常に積算した上で、その積分値と予め決定された設定値とを比較すること、比較結果に基づいて挟み込みを判断すること、である。
図3は、本発明に係るプレス機械装置における非挟み込み時の外乱推定波形図である。図において、縦軸は外乱推定値の振幅、横軸はプレス軸のクランク機構の回転角度(0°〜360°)を示したものである。
図中、実線が外乱推定波形であり、図中ほぼ全体部分に示した範囲は、プレス軸のクランク機構の角度における1回転に相当する範囲である。また、図中左部分および右部分に示す2箇所の一点鎖線丸印部分は、プレス軸のクランク機構による慣性モーメントの変化に起因する、例えばクランク機構の回転角度が90°、270°の場合、振幅が最も大きい外乱が発生している部分である。
このように、本発明に係るプレス機械装置において、挟み込みが発生していない場合(通常状態の場合)における定常外乱が存在するのである。また、図3のような定常外乱が、外乱推定値の振幅ゼロを基準に正負に触れる場合があるため、前述の絶対値演算部3により外乱推定値の絶対値を演算して積分器4に出力し、後述のように異物の挟み込みを検出する。
ここで、サーボモータが直接クランク機構を介して上型部を駆動する場合、クランク機構の角度は、上型部の上死点が0°もしくは360°、上型部の下死点が180°である。
図4は、本発明に係るプレス機械装置における挟み込み時の外乱推定波形図である。図において、縦軸は外乱推定値の振幅、横軸はプレス軸のクランク機構の角度(0度〜360度)を示したものである。また、図中、実線が外乱推定波形であり、図中ほぼ全体部分に示した範囲はプレス軸のクランク機構の角度における1回転に相当する範囲である。図4は、プレス機械装置の動作を図3と同じ動作条件とし、故意に微小な異物を下型部に乗せ、擬似的に挟み込みを起こした場合の状況としたものである。
図中中央部分に示す一点鎖線丸印部分は、図3に示す定常外乱(クランク機構の慣性モーメントの変化による外乱)より小さい挟み込みに起因する外乱が発生している部分である。また、上型部が下死点(クランク機構の角度が180°)のときを中心に異物挟み込みに起因する外乱が発生している。
このように、異物挟み込みに起因する外乱が発生するクランク機構の角度は、180°を基準としてある角度範囲に限られるものであり、本実施例においては、クランク機構110°〜250°回転を、異物挟み込みに起因する外乱が発生するクランク機構の所定の角度として説明する。なお、この所定の角度は、必要に応じて、適宜、決定すれば良いものである。
図5は、本発明に係るプレス軸における挟み込み時の外乱推定値の絶対値の積算結果である。図において、縦軸は上型部のクランク機構110°〜250°回転分の外乱推定値の絶対値の積算値、横軸はクランク機構110°〜250°回転分のサンプル点の総数である。
図中上部の黒丸印は、挟み込みが発生した場合、(例えば、図4に示した状態)のプレス軸のクランク機構110°〜250°回転中の間(図4中の挟み込みに起因する外乱が発生している110°〜250°の区間)の外乱推定値を常に積算した値である。また、図中下部の黒丸印は挟み込みが発生していない場合、すなわち定常外乱だけが発生している場合(例えば、図3に示した状態)のプレス軸のクランク機構110°〜250°回転中の間の外乱推定値を常に積算した値である。なお、挟み込みが発生した場合、発生していない場合(すなわち定常外乱だけが発生している場合)、共に3ms毎にデータをサンプルしたため、110゜〜250°ではどちらも7.75sとなり2600サンプルの積算となる。
本発明に係るプレス機械装置において、プレス軸のクランク機構が110°〜250°回転する間、外乱推定値を絶対値にして常に積算した場合、定常外乱のみが発生している場合と挟み込みが発生した場合とでは、例えば、図中の一点鎖線で区切られるような明らかな差をつけることができる。
したがって、この一点鎖線で区切られるようなレベルを、比較器における予め決定される設定値とすれば、挟み込み発生時のみ、挟み込みを検出することができるのである。
図6は、本発明に係るプレス機械装置の他の形態の外乱検出の処理の流れを示す概略ブロック図である。図において、1はモータ、6は外乱オブザーバ、7は絶対値演算部、8は位置係数処理部、9は積分器、10は比較器である。なお、実施例1(図2)と異なる部分は、絶対値演算部7の出力である外乱推定値の絶対値を入力する位置係数処理部8と、位置係数処理部の出力を積算する積分器9と、を備えた点であり、以外の構成は同じであるため、詳細な説明を省略する。
位置係数処理部8では、ある関数で決められた係数と外乱推定値の絶対値との積を計算することにより、挟み込みが発生するプレス軸における上型部の位置に対する外乱推定値の重み付けを行なう。
ここで、ある関数とは、プレス軸の上型部が下型部にプレスする位置(下死点)の場合を係数1、プレス軸の上型部が下型部にプレスする位置から離れるにつれて係数1より小さくなる係数とするものであり(プレス軸の上型部が上死点の場合係数0)、例えば、「1−|プレス軸の上型部が下型部にプレス加工する位置−現在のプレス軸のクランク機構の回転位置|(絶対値)」で表されるものである。現在のプレス軸のクランク機構の回転位置が、プレス軸の上型部が下型部にプレス加工する位置に近い場合、プレス軸の挟み込みが発生する恐れは多いために外乱推定値の重み付けを更に高くし、一方、現在のプレス軸のクランク機構の回転位置が、プレス軸の上型部が下型部にプレス加工する位置に遠い場合、プレス軸の挟み込みが発生する恐れは少ないために外乱推定値の重み付けを低くするものである。
これにより、実施例1における挟み込み状態の検出よりも、後述する比較器10における設定値の予めの決定がし易くなり、精度が高い、確実な検出ができるのである。なお、プレス軸の上型部が下型部にプレス加工する位置は、プレス軸の上型部を駆動するための複数のギアを用いた機械的機構とサーボモータとのギア比等の仕様が予め分かっているため、プレス機械装置が通常運転される前に予め設定あるいは分かるものであるため、前述した位置係数処理部8での処理は問題なく実施することができるものである。
積分器9は、本発明に係るプレス機械装置のプレス軸のクランク機構が1回転する間、位置係数処理部8の出力値を常に積算して比較器10に出力する。比較器10は、予め決定された設定値と積分器9の出力値とを比較し、積分器9の出力値がこの設定値を超えていれば外乱として検出するのである。
図7は、本発明に係るプレス機械装置における他の形態の挟み込み時の外乱推定値の積算結果である。図において、縦軸はプレス軸のクランク機構110°〜250°回転分の外乱推定値の積算値、横軸はプレス軸のクランク機構110°〜250°回転分のサンプル点の総数である。
図中下部の白丸印は、挟み込みが発生していない場合、すなわち定常外乱のみが発生している場合(例えば、図3に示した状態)のクランク機構110°〜250°回転の間の外乱推定値に対して、実施例2に記載の位置係数処理を行った出力を常に積算した値である。また、図中上部の白丸印は、挟み込みが発生した場合(例えば、図4に示した状態)のプレス軸のクランク機構110°〜250°回転の間(図4中の挟み込みに起因する外乱が発生している110°〜250°の区間)の外乱推定値に対して、実施例2に位置係数処理を行った出力を常に積算した値である。なお、図3および図4と同様に図7は、共に3ms毎にデータをサンプルしたため、110°〜250°ではどちらも7.75sとなり2600サンプルの積算となる。
ここで、図中の黒丸点は、実施例1の図5に記載した同一ものであり、実施例1と実施例2とを比較した場合、実施例2の更なる効果を顕著にするためにプロットしている。
したがって、実施例2の場合は、実施例1よりも定常外乱のみが発生している場合と異物挟み込みが発生した場合とでは、更に明らかな差をつけることができ、比較器における予め決定される設定値を更に容易に決定することができ、異物挟み込み発生時のみ、異物挟み込みを検出することができるのである。
前述した図5と図7とを比較すれば、異物挟み込み時と非挟み込み時の差が大きくなっているため、予め決定される設定値の決定が容易にできるのである。
ここで、前述した実施例1または2では、制御装置が、外乱推定値の絶対値の積算値と予め決定された設定値とを比較して異常外乱(異物挟み込み状態)を検出することを説明したが、単に、外乱推定値の絶対値の積算値のサンプリング比較としてもよい。例えば、制御周期毎に外乱推定値の積算値をサンプリング(保存)しておき、今回サンプリングした外乱推定値の積算値と前回あるいは数サンプリング前の外乱推定値の積算値との変化から異常を判断することが挙げられる。
また、前述した実施例1または2では、制御装置がサーボアンプ等の「モータへ電力を供給する」もの(例えば、上位装置から位置、速度、トルクなどの指令を受けて、位置、速度、トルクなどの制御演算をし、指令相当の電圧または電流を出力するもの)として説明したが、前述した外乱オブザーバ部と挟み込み検出部に相当する構成を有するものであってもよい。例えば、指令を発生するコントローラ等の上位装置であっても構成することができる。
また、前述した実施例1または2では、位置係数処理部における挟み込みが発生するプレス軸における上型部の位置に対する外乱推定値の重み付け関数が、プレス軸の上型部が下型部にプレスする位置(下死点)の場合を係数1、プレス軸の上型部が下型部にプレスする位置から離れるにつれて係数1より小さくなる係数とするものであり(プレス軸の上型部が上死点の場合係数0)、例えば、「1−|プレス軸の上型部が下型部にプレス加工する位置−現在のプレス軸のクランク機構の回転位置|(絶対値)」で表されるもの、として説明したが、この関数に限らず、モータ速度に対する外乱推定値を重み付けする関数であれば他の関数でもよいことはいうまでもない。
11 クランク機構
12 プレス軸
13 上型部
14 下型部
15 クッション軸
16 ラック&ピニオン
1 モータ
2、6 外乱オブザーバ
3、7 絶対値演算部
4、9 積分器
5、10 比較器
8 位置係数処理部

Claims (14)

  1. 被成形物を加工するプレス軸とクッション軸とを有するプレス機械装置であって、前記プレス軸における上型部を機械的機構を介して回転駆動させるモータと、前記モータへ電力を供給する制御装置と、を備えたプレス機械装置において、
    前記制御装置が、トルク指令とモータ速度とに基づいて前記モータに対する外乱推定値を演算する外乱オブザーバ部と、
    前記外乱推定値に基づいて前記プレス軸と前記クッション軸間における異物挟み込み状態を検出する挟み込み検出部と、を備え、
    前記挟み込み検出部は、
    前記外乱推定値を入力して前記外乱推定値の絶対値を演算する絶対値演算部と、
    前記上型部の可動範囲内の所定の範囲を前記上型部が可動する間、前記外乱推定値の絶対値を積算する積分器と、
    前記積分器の出力を入力して予め決定された設定値と比較し前記異物挟み込み状態を判断する比較部と、で構成され、
    前記比較部が、前記積分器の出力が前記設定値を超えた場合、前記異物挟み込み状態であると判断する、
    ことを特徴とするプレス機械装置。
  2. 前記挟み込み検出部は、
    前記絶対値演算部が演算した前記外乱推定値の絶対値を入力して前記上型部の位置に対する前記外乱推定値の重み付けを行う位置係数処理部を備え、
    前記積分器は、前記上型部の可動範囲内の所定の範囲を前記上型部が可動する間、前記位置係数処理部の出力だけを積算する、ことを特徴とする請求項1記載のプレス機械装置。
  3. 前記位置係数処理部が、前記上型部の下死点位置の場合を係数1、前記上型部の下死点位置から前記上型部が離れるにつれて係数1より小さくなる係数とし、前記上型部の上下可動位置に応じて前記係数が変化する関数を有し、
    前記関数で決定された係数と前記外乱推定値の絶対値との積を計算した値を出力することを特徴とする請求項2に記載のプレス機械装置。
  4. 前記制御装置が、前記異物挟み込み状態を検出の際、前記プレス機械装置が異常である情報を外部に出力することを特徴とする請求項1に記載のプレス機械装置。
  5. 前記比較部に代わり、前記積分器の出力を所定時間毎にサンプリングし、今回のサンプリング値と前回以前のサンプリング値との比較に基づいて、前記異物挟み込み状態の発生を判断する比較部、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のプレス機械装置。
  6. 被成形物をプレス加工するプレス軸とクッション軸とを有するプレス機械装置であって、前記プレス機械装置における上型部を機械的機構を介して回転駆動させるモータと、前記モータへ電力を供給する制御装置と、を備え、前記機械的機構の慣性モーメントの変化に起因する振動外乱である、定常外乱が存在するプレス機械装置において、
    前記制御装置は、
    トルク指令とモータ速度とに基づいて、前記モータに対する外乱推定値を演算する外乱オブザーバ部と、
    前記外乱推定値を入力して前記外乱推定値の絶対値を演算する絶対値演算部と、前記上型部の可動範囲内の所定の範囲を前記上型部が可動する間、前記外乱推定値の絶対値を積算する積分器と、
    前記積分器の出力を入力して予め決定された設定値と比較し、前記積分器の出力が前記設定値を超えた場合、前記異常外乱であると判断する比較部と、
    を備え、
    前記制御装置が、前記プレス軸と前記クッション軸間における異物挟み込み状態である、異常外乱と前記定常外乱とを判別し、前記異常外乱を検出することを特徴とするプレス機械装置。
  7. 前記制御装置は、
    前記絶対値演算部が演算した前記外乱推定値の絶対値を入力して前記上型部の位置に対する前記外乱推定値の重み付けを行う位置係数処理部を備え、
    前記積分器は、前記上型部の可動範囲内の所定の範囲を前記上型部が可動する間、前記位置係数処理部の出力だけを積算する、ことを特徴とする請求項6記載のプレス機械装置。
  8. 前記位置係数処理部が、前記上型部の下死点位置の場合を係数1、前記上型部の下死点位置から前記上型部が離れるにつれて係数1より小さくなる係数とし、前記上型部の上下可動位置に応じて前記係数が変化する関数を有し、
    前記関数で決定された係数と前記外乱推定値の絶対値との積を計算した値を出力することを特徴とする請求項7に記載のプレス機械装置。
  9. 前記制御装置が、前記異物挟み込み状態を検出の際、前記プレス機械装置が異常である情報を外部に出力することを特徴とする請求項6に記載のプレス機械装置。
  10. 前記比較部に代わり、前記積分器の出力を所定時間毎にサンプリングし、今回のサンプリング値と前回以前のサンプリング値との比較に基づいて、前記異物挟み込み状態の発生を判断する比較部、を備えることを特徴とする請求項6または7に記載のプレス機械装置。
  11. プレス機械装置における機械的機構に連結されたモータと、前記モータの位置または速度情報を検出して出力する検出器と、指令を出力する上位装置と、前記指令と前記検出器の出力とに基づいてトルク指令を演算しモータへ電力を供給する制御装置と、を備えたモータ制御装置において、
    前記上位装置もしくは前記制御装置が、前記トルク指令と前記検出器の出力とに基づいて前記モータに対する外乱推定値を演算する外乱オブザーバ部と、
    前記外乱推定値を入力して前記外乱推定値の絶対値を演算する絶対値演算部と、
    前記外乱推定値の絶対値を所定時間の間積算する積分器と、
    前記積分器の出力を入力して予め決定された設定値と比較し、前記積分器の出力が前記設定値を超えた場合、異常外乱の発生と判断する比較部と、を備えることを特徴とするモータ制御装置。
  12. 前記上位装置もしくは前記制御装置は、
    前記絶対値演算部が演算した前記外乱推定値の絶対値を入力して前記上型部の位置に対する前記外乱推定値の重み付けを行う位置係数処理部を備え、
    前記積分器は、前記上型部の可動範囲内の所定の範囲を前記上型部が可動する間、前記位置係数処理部の出力だけを積算する、ことを特徴とする請求項11記載のモータ制御装置。
  13. 前記上位装置もしくは前記制御装置が、前記異常外乱を検出の際、前記モータ制御装置が異常である情報を外部に出力することを特徴とする請求項11または12に記載のモータ制御装置。
  14. 前記比較部に代わり、前記積分器の出力を所定時間毎にサンプリングし、今回のサンプリング値と前回以前のサンプリング値との比較に基づいて、前記異常外乱の発生を判断する比較部、を備えることを特徴とする請求項11または12に記載のモータ制御装置。
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