JP6593719B2 - エンジン - Google Patents
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Description
また、このとき、先当て部が吸気通路部分に設けられ、エンジン本体と当接可能になっているので、吸気通路部分がエンジン本体側に移動した場合には、先当て部が比較的広いエンジン本体に当接される。したがって、車両の衝突の方向にかかわらず先当て部が確実にエンジン本体に当接するので、吸気通路部分のそれ以上の移動が防止され、燃料系部品が確実に保護される。
また、このように構成された本発明においては、吸気通路部分のエンジン本体側の面にリブが配設されているので、当該面の剛性が高くなる。そして、先当て部の基端部がこのリブ上に形成されているので、リブと吸気通路部分との接続部分である基端部周辺の剛性が高くなり、先当て部がエンジン本体に当接したときに先当て部が損傷するのが抑制される。したがって、燃料系部品がより確実に保護される。
更に、このように構成された本発明においては、先当て部がエンジン本体に形成されたエンジン本体側フランジ部に当接可能な位置に配置されている。ここで、エンジン本体側フランジ部は、車両前方に突出しているので、先当て部をエンジン本体の側面の近くまで延ばす場合に比べて先当て部を短く形成することが可能になる。したがって、先当て部自体の剛性が高くなり、燃料系部品の保護がより確実となる。
また、このように構成された本発明においては、先当て部が吸気通路部の中心軸よりも上下方向のいずれか一方にオフセットした位置に配置されているので、先当て部が設けられている部分のエンジン本体に移動する方向に関する吸気通路部の壁厚が、中心軸の位置よりも大きくなる。したがって、先当て部と吸気通路部との接続部の剛性が高くなり、燃料系部品がより確実に保護される。
このように構成された本発明においては、リブがトラス状リブとして構成されているので、リブが設けられた部分の剛性が高まる。一方、脆弱部はトラス状リブに対して中心軸方向の位置に形成されているので、吸気通路部が外部からの荷重入力を受けた場合、この外周部分に沿って吸気通路部が破壊されやすくなる。したがって、脆弱部への入力荷重が大きい場合であっても、リブが設けられた部分に応力が入りにくくなる。
このように構成された本発明においては、リブは、先当て部が設けられた位置から第2吸気通路部のフランジ部まで延びる。ここで、フランジ部は剛性の高い部分であるので、リブが先当て部が設けられた位置から第2通路部のフランジ部まで延びることにより、先当て部からフランジ部までの部分の吸気通路部の剛性が高くなる。よって先当て部がエンジン本体に当接したときに先当て部の周りの吸気通路部が破損しにくくなり、より確実に燃料系部品が保護される。
このように構成された本発明においては、脆弱部の表面に設けられた脆弱部側リブの数が、基端部に設けられたリブの数よりも少ない数のリブで構成されているので、脆弱部は、基端部よりも剛性が低くなる。以上のように、先当て部の基端部及び脆弱部の両方にリブを形成してその数を調整することにより容易に剛性の調整が可能となる。
このように構成された本発明においては、先当て部がエンジン本体に形成されたエンジン本体側フランジ部に当接可能な位置に配置されている。ここで、エンジン本体側フランジ部は、車両前方に突出しているので、先当て部をエンジン本体の側面の近くまで延ばす場合に比べて先当て部を短く形成することが可能になる。したがって、先当て部自体の剛性が高くなり、燃料系部品の保護がより確実となる。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジン1の吸気側の部分を示す正面図であり、図2は、本発明の一実施形態に係るエンジン1の吸気側の部分を断面で示す正面図である。これらの図1及び図2は、エンジン1を正面から見たときの、エンジン1の右側上部の部分を示している。図1及び図2に示すように、エンジン1は、エンジン本体2と、エンジン本体2に取り付けられた吸気系装置4と、エンジン本体2と吸気系装置4との間に配置されエンジン本体2に燃料を供給する燃料ポンプ6と、を有する。
エンジン本体2は、シリンダヘッド10とシリンダブロック12(図3及び図4参照)と、を含む。
インタークーラ18は、スーパーチャージャ16の下方に位置するとともにスーパーチャージャ16から下方向に延びるダクトを介してスーパーチャージャ16に連結している。また、インタークーラ18は、冷却した吸気をエンジン本体2に供給するように、エンジン本体2に配管を介して接続されている。
エアバイパス通路22は、インレットダクト14に接続する側とは反対側の端部においてエンジン本体2の吸気側に接続されている。したがって、インレットダクト14は、エアバイパス通路22を介してエンジン本体2に取り付けられていることになる。
本実施形態では、インレットダクト14の吸気通路、エアバイパス通路22の吸気通路、スーパーチャージャ16の吸気通路、及びインタークーラ18の吸気通路を含んで、本発明の吸気通路部が構成されている。
図3は、本発明の一実施形態に係るエンジン1の燃料ポンプ6及びエンジン本体2を示す図であり、図4は、本発明の一実施形態に係るエンジン1の燃料ポンプ6がエンジン本体2に取り付けられた状態を示す斜視図である。これらの図3及び図4は、吸気系装置4を取り除いた状態を示す。図3及び図4に示すように、エンジン本体2のシリンダヘッド10及びシリンダブロック12には、エンジン出力軸方向一端側(図3において右側)に形成され且つ車両前方(図3において紙面の手前の方向)に突出するエンジン本体側フランジ部28が形成されている。このエンジン本体側フランジ部28には、シリンダブロック12のエンジン出力軸方向一端側の端面に設けられたエンジン1のタイミングチェーンシステムを覆うカバー25(図3)が取り付けられる。
なお、本発明の燃料系部品は、本実施形態では燃料ポンプ6と第1及び第2燃料配管30,32とを含んで構成されており、燃料系部品は、エンジン本体側フランジ部28に隣接して配置されている。
図5は、本発明の一実施形態に係るインレットダクト14及び燃料ポンプ6をエンジン本体2側から見た図である。この図5に示すように、インレットダクト14は、燃料ポンプ6の前方に配置されており、燃料ポンプ6の上部がインレットダクト14の下端に位置するような上下位置関係で配置されている。また、インレットダクト14は、燃料ポンプ6の上部がインレットダクト14のエンジン出力軸方向の他端側でフランジ20の近傍に位置するような横方向位置関係で配置されている。
図6は、本発明の一実施形態に係るインレットダクト14をエンジン本体2側から見た図であり、図7は、本発明の一実施形態に係るインレットダクト14及びエンジン本体2の側断面図である。図6に示すように、燃料系部品対応部34には、リブ36が形成されている。リブ36は、インレットダクト14の中心軸A方向(長手方向)と、それに直交する方向とに沿って互いに等間隔をあけて延びており、全体として格子状に形成されている。また、インレットダクト14は、図7に示すように、燃料系部品対応部34が、その他の部分の周面よりも肉厚が大きくなるように形成されている。
さらに、インレットダクト14の前方側の周面は、長手方向全長にわたって、リブ36が設けられていない領域42(図1)となっている。
これらの領域40,42は、インレットダクト14において燃料部品対応部34に隣接した位置に設けられ、燃料系部品対応部34よりも剛性が低い脆弱部として機能する。
図8は、本発明の一実施形態に係るインレットダクト14及びエンジン本体2の平断面図である。図6〜図8に示すように、先当て部44は、インレットダクト14の中心軸Aよりも下方にオフセットした、インレットダクト14外周の下端近傍に位置しており、エンジン本体2に向かってほぼ水平に延びる。したがって、先当て部44が設けられた部分においてインレットダクト14の先当て部44の延びる方向の壁厚Dは、インレットダクト14の半径方向の壁厚よりも大きくなる。
また、先当て部44の基端部は、インレットダクト14のリブ36上に、より詳しくは、リブ36が交差する位置に接続されている。したがって、領域40,42は、先当て部44の基端部の近傍に配置されているが、基端部よりも剛性が低くなる。また、先当て部44の基端部が接続するリブ36は、先当て部44の基端部からフランジ20まで長手方向(中心軸A方向)に沿って延びている。
なお、この所定距離L3は、インレットダクト14の外面から燃料ポンプ6の外周までの距離、インレットダクト14の外面から第1燃料配管30までの距離、及びインレットダクト14の外面から第2燃料配管32までの距離よりも小さく設定されている。
車両が前方衝突すると、衝突荷重によりラジエータが車両後方側に移動する。ラジエータと吸気系装置4との間には所定の間隔を有する空間が設けられており、この空間には部品が配置されないから、ラジエータが移動しながら衝突荷重を吸収する間、エンジン1の他の部品は損傷しない。ラジエータが吸気系装置4との間の所定の間隔を超えて移動する場合には、ラジエータが吸気系装置4に接触する。
以上のように、衝突荷重が吸収されるとともに、燃料ポンプ6、第1燃料配管30、及び第2燃料配管32等の燃料系部品の損傷が回避される。
インレットダクト14の燃料系部品対応部34に先当て部44が設けられているので、車両の衝突時にインレットダクト14がエンジン本体2側に向かって移動すると、インレットダクト14が燃料ポンプ6や第1及び第2燃料配管30,32等の燃料系部品に衝突する前に、先当て部44がエンジン本体側フランジ部28に当接する。したがって、インレットダクト14のそれ以上の移動が防止され、燃料系部品を保護することができる。
また、先当て部44の接続部の剛性が高くなるから、先当て部44がエンジン本体側フランジ部28に当接したときに先当て部44が座屈しにくくなる。これによっても燃料系部品を確実に保護することができる。
また、エンジン本体側フランジ部28は、もともとエンジン本体2に設けられている部品であるから、先当て部44をこのエンジン本体側フランジ部28に当てるように構成することにより、燃料系部品の保護構造を簡略化できる。
先当て部は、前述の実施形態では、エンジン本体側フランジ部に当接可能に構成されていたが、これに限らず、エンジン本体の任意の位置に当接可能に構成してよい。例えば先当て部は、十分な剛性が確保できるのであれば、エンジン本体のシリンダブロックやシリンダヘッドの側面に当接するように構成してもよいし、あるいは、部材を配置するスペースが確保できるのであれば、エンジン本体から吸気通路部側に延ばした部材に当接するように構成してもよい。
あるいは、脆弱部の形成手法は、燃料系部品対応部のリブの形成間隔を隣接する部位のリブの形成間隔よりも小さく設定する、燃料系部品対応部の肉厚を隣接する部位の肉厚よりも厚く設定する等、任意の形成手法、構造を採用することができる。
また、前述の実施形態では、先当て部44の基端部からフランジ20までリブ36が延びていたが、これに限らず、先当て部の基端部の剛性が確保できるのであれば、先当て部の基端部からフランジまで延びるリブは必ずしも必要ではない。
以上のように、リブの形状や配置は、任意に設定することができる。
また、先当て部は、円柱形に限らず、例えば図9の先当て部56に示すように、四角柱等の角柱であってもよい。先当て部の形状は、任意に設定することができる。
2 エンジン本体
4 吸気系装置
6 燃料ポンプ
10 シリンダヘッド
12 シリンダブロック
14 インレットダクト
16 スーパーチャージャ
20 フランジ
30 第1燃料配管
32 第2燃料配管
34 燃料系部品対応部
36 リブ
40,42 領域(脆弱部)
44 先当て部
Claims (5)
- シリンダヘッド及びシリンダブロックを含むエンジン本体と、前記エンジン本体に取り付けられる吸気通路部と、前記エンジン本体と前記吸気通路部との間に配設された燃料系部品と、を有するエンジンであって、
前記吸気通路部は、前記エンジン本体の車両前方の面において前記エンジン本体の出力軸方向に沿って延びる吸気通路部分を有し、
前記吸気通路部分には、前記吸気通路部の外面から前記エンジン本体側に突出する先当て部が設けられ、
前記先当て部は、前記吸気通路部分の中心軸よりも上下方向のいずれか一方にオフセットした位置に配置され、
前記先当て部は、前記吸気通路部が外部からの荷重入力を受けて前記エンジン本体方向に移動したときに、前記燃料系部品よりも先に、前記エンジン本体から前記車両の前方に突出するエンジン本体側フランジ部に当接可能に構成され、
前記吸気通路部分の前記エンジン本体側の面には、リブが形成され、
前記燃料系部品は、前記リブが形成された面と前記エンジン本体との間に配設され、
前記先当て部の基端部は、前記リブの交差部上に形成され、
前記吸気通路部分には、前記先当て部が設けられた側の部分に、前記先当て部の前記基端部よりも剛性の低い脆弱部が、前記先当て部に対して前記中心軸方向の位置に設けられている、
ことを特徴とするエンジン。 - 前記リブは、トラス状リブとして構成され、
前記脆弱部は、前記トラス状リブに対して前記中心軸方向の位置に形成され、
前記燃料系部品は、前記トラス状リブの前記エンジン本体側に配設されている、
請求項1に記載のエンジン。 - 前記吸気通路部は、前記先当て部が設けられるとともに端部にフランジ部を有する第1吸気通路部と、前記第1吸気通路部の前記フランジ部に連結される第2吸気通路部と、を有し、
前記リブは、前記先当て部が設けられた位置から前記フランジ部まで延びている、
請求項1または請求項2に記載のエンジン。 - 前記脆弱部は、表面に設けられた脆弱部側リブを有し、
前記脆弱部側リブの数は、前記基端部に設けられたリブの数よりも少ない数のリブで構成されている、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のエンジン。 - 前記エンジン本体側フランジ部は、前記エンジンの前記出力軸方向の一端側に形成され、
前記燃料系部品は、前記エンジン本体側フランジ部に隣接する位置に配置され、
前記先当て部は、前記エンジン本体側に突出した前記エンジン本体側フランジ部に当接可能な位置に配置されていることにより、前記先当て部が前記エンジン本体側フランジ部に当接可能でない場合に比べて、前記先当て部の突出部の長さが短い、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエンジン。
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